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NEWS
2022/08/12

DADman v5.6.3リリース!macOS Monterey対応

Pro Tools MTRX / MTRX Studioのドライバーでありモニターセクションを司るDADmanの最新バージョンv5.6.3がリリースされました。待望のmacOS Monterey対応に加え、いくつかの新機能が追加されています。 システム要件、互換性 v.5.6.3 (build 8) macOS Yosemite – Catalina(10.10 – 10.15) *macOS Big Sur (11) Intel または M1 *macOS Monterey (12) Intel または M1 v.5.6.3 (build 23) Windows 7, 8 + 10 新機能 macOS Big Sur 及びMonterey Intel/M1に対応。 モニタープロファイルのソース、アウトプット、フォールドダウンをクリック&ドラッグで任意に並び替えが可能に。 DADmanにユニットが接続されていない場合、DADman起動時に自動的にDevice Listウィンドウが開くように。 Fileメニューに "Import Profile "機能が追加。これにより、任意のMTRX /MTRX Studio /DADユニットから、別ユニットへプロファイルをインポート、モニター構成やMatrix ルーティングの構築を簡素に行えるようになりました。 チャンネルストリップのラベルテキスト、ゲイン値、マトリクスビューのラベルテキストに「コピー&ペースト」が使えるようになりました。 バグフィックス 外部DHCPサーバーがない場合のIPアドレスの自己割り当てステータス時における接続状況について改善しました(MTRX、MTRX Studio)(XNTP-44、XNTP-11)。 ダークモード使用時のラベル表示に関する問題が改修されました (XNTP-37)。 MTRX が自己割り当てアドレスを使用している場合、初回起動時に限り DADman でメーター表示が行われない(動作しない)問題を修正(XNTP-11)。 既知の問題(未改修) ユニット間でモニタープロファイルを転送すると、誤ったエラーを表示することがある(XNTP-13) Avid S6 及び DADman: モニター設定間との接続に、問題が起きることがある(XNTP-14) DADman + WSC を自動起動設定時、WSCがS6 MTMとの接続を完了するまで、DADmanが接続されたデバイスへの接続を完了するまでに、時間(約30秒)がかかることがある (XNTP-31) DADman が EuCon 接続を終了する際、接続が正常に閉じられないことがある(XNTP-40) https://pro.miroc.co.jp/headline/pro-tools-2022-7 https://pro.miroc.co.jp/headline/pro-tools-2022-6 https://pro.miroc.co.jp/headline/avid-2021top-audio-reseller-asia
Tech
2022/08/10

プロの仕事場 / よくわかる!音効というシゴト

プロの仕事場 / よくわかる!音効というシゴト Text by 金子寛史(株式会社fro-less) 皆さんこんにちは、株式会社fro-lessの金子です。今回は音響効果、略して“音効”の世界をご説明させていただきます。音効と言ってもジャンルによって内容が全く違います。映画、ドラマ、アニメ、ゲーム、バラエティ、スポーツ、情報、報道など、私は以前所属していた会社やお付き合いのあったスタッフさんとの縁もあり、非常に沢山のジャンルを経験させて頂きました。音のお仕事で日々忙しくされている方、またこれから音のお仕事に就きたいと思っている方、また副業でYouTubeに音を付けている方などたくさんの方に、音効という仕事の内容を少しでも分かりやすくお伝えできればと思っております。どうぞ最後までよろしくお願いいたします。 株式会社fro-less 金子寛史 氏 音効のワークフローとは!? それでは早速どのような流れで作業が進むのか大まかに見ていきましょう!音効の仕事は、1.ライブラリの管理、2.音効作業、3.楽曲リスト制作と大きく3つに分けられます。まずは自分の引き出しともなる定期的な「1.ライブラリの管理」。日々発売されている色々な音楽から権利的に使用可能な楽曲を精査しながらライブラリーに加えていきます。市販の音楽ですとアニメのサントラ、ドラマのサントラ、アーティストのインストなどになりますが、番組などに使用しやすい業務用の音源を各出版社レーベルから送っていただいているのでそちらもチェックです。また、弊社が契約しているロイヤリティフリー音源レーベルも日々更新されています。最近はWeb上から検索して試聴・ダウンロードできるものも増えていますので便利になりました。フリー音源は一般の方でも簡単に購入、使用できますのでいくつかご紹介しておきます。レーベルによってロイヤリティフリーではない曲が含まれることもありますので、利用の際にはよく確認してください。 ●代表的なフリー音源サービス ・NASH Musicl Library ・Ligar musiclibrary ・Audiostock ・Epidemic Sound ・Premium Beat それでは次に「2.音効作業」の流れを簡単に説明しましょう。弊社は情報バラエティのジャンルが多いので、そのパターンを例に進めます。まず制作スケジュールや番組構成の確認から始まりまして、未完成の映像と仮のナレーション台本をもらって選曲などの準備をします。ここで言う未完成の映像とはスーパー加工前の段階のもので、「オフライン」や「白完」など色々な呼び方をします。企業動画案件などは比較的時間に余裕はありますが、デイリーの番組などはタイトなスケジュールですので、未完成であってもこの状態で音効作業を始めないと間に合わなくなってくるのです。 ざっと全体像を把握した後に選曲に入るわけですが、その際にテレビ放送なのか、配信なのか、など媒体を確認して楽曲の使用範囲を把握します。Tver、YouTube、企業web動画、アーカイブ動画などそれぞれで使用できる楽曲が絞られてきます。ロイヤリティフリーの楽曲はほとんどの動画に使用できますが、放送番組ですとテレビ局が包括契約をしているJASRAC、NexToneの管理曲で放送、配信が可能な楽曲から選ぶことが多いです。 次に、編集上がりの映像をもらいます。こちらについても「オンライン」「画完」「スーパー入り」など色んな呼び方をします。ドラマ、映画ですと「ピクチャーロック」でしょうか。この段階からは、選曲した曲を物語と音楽のフレーズを意識しながら編集していきます。なお、スーパーが入るとイメージも変わってくるので、事前に選んでいた選曲をやり直すのもよくあることです。その後、物語の内容と音楽のキーに合うようなSEを選び、スーパーやテロップにSEを付けていきます。雰囲気の分かっているレギュラー番組などは大体想像がつきますが、ナレーターさんの声や読み方、タイミングなども重要な要素なので時間に余裕がある時は収録されたナレーションをもらって再度、音楽やSEの調整を重ねていきます。 そして、編集が完了したらクライアントチェックです。ドラマやCMなどはMA・ミックス前に監督チェックやスポンサーチェックを受けるのですが、CMやインフォマーシャルは幾つかパターンを用意して選んでもらう格好、ドラマについてはチェックで出てきた監督の指摘箇所を修正してMAにデータを送ります。MAで整音・ナレーション収録・ミックス作業を行い、エンジニアさんに最終的なバランスをとっていただいて再度気になる点があれば調整します。こちらも最近はコロナの影響もあり、MA時の修正などは遠隔で対応することが増えました。 最後の「3.楽曲リスト制作」では、使用した曲の詳細を各放送局で用意されたフォーマットの用紙に記載していきます。記載内容は曲名、作曲者、作詞者、アーティスト名、レコード会社、レコード番号、使用秒数などと多岐に渡ります。 選曲のアイディアの出し方 続いて、実際の選曲をどう考えて行なっているのかアプローチの切り口を見ていきましょう。選曲のアイデアの出し方ですが、何しろライブラリの曲数は膨大です。ある程度ピックアップしておいたり、記憶している曲から選んだり、新譜から探してみたりとその選曲方法も様々です。 自分は、ここが一番大変な作業でもあり楽しい作業でもあると思っています。曲によってシーンの見え方がどんどん変わっていく訳ですから面白い作業ではありますが、国語の自由作文のように正直なところ正解がないのです、というか正解がたくさんあるのです。この曲も合ってるけど、この曲も良いし…、逆に何をあてても違う気がする場合もあります。こうなるといくら時間があっても足りません。音効の皆さんはおそらく自分なりのOKラインを持っていて、そこのボーダーラインは超えるように努力されているのだと思います。特番などで弊社では受け切れないというほどの分量のお仕事が来た時、他社の音効さんに手伝って頂くことがよくありますが、皆さんOKラインが非常に高いレベルにあると感じますし、また人によってこんなにも選曲が変わってくるものかとも感心します。 AIロボット化が進み、何でも自動で行える世の中になってきていますが、自分はこの職業は無くならないものだと確信しています。音効は既存の音楽を付けるだけと思われているかもしれませんが、選ぶ作業というのは本当に大変で、悩み、苦しんでその1曲を選んでいるのです。ですから番組が無事放送された時は大変大きな達成感を感じます。 自分なりの選曲のアイディアの出し方ですが、画面を見て感じたことを踏まえて、ナレーションや前後の文脈を読み取って内容に合ったものを選びます。その時、気を付けているのが視聴者の客観的な目線です。演出に入りすぎると、やり過ぎてしまうことや無意味な箇所を埋めてしまったりもします。一旦、俯瞰の目を持つことが大事だと思っています。また、演出の意図を汲み取ることも大事です。ここで盛り上げて、ここで転調して、ここでカットアウトして、ここで復活とか…。さらに気にしているところは、ナレーターさんやMCの喋りのテンポに合わせることです。いくら曲が合っていても語りのテンポに合わないと良くありません。ナレーションなどが聴き取りにくくなってしまっては本末転倒ですから。ちなみに、ナレーション収録の際に音楽を付けておくと、ナレーターさんがそのテンポや曲調に合わせてくれます。職人技ですね。 後は、クライアントの目線も大事です。例えば炭酸飲料のインフォマーシャルでコントドラマの様な設定だとします。ここでコントの内容や演出に寄せて選曲すると企業イメージなどからNGが出てしまいます、それよりも爽やかさや元気さが必要です。と言っておきながらも内容にも合わないといけなかったりして…結果、パターンは多くなります。また、出演されている方の気持ちも考えます。ドキュメンタリーでは特に過度に音楽で煽ったり、その人の感情を揺さぶる様な選曲は避けています。基本は邪魔にならない曲を選んでいることになるのかもしれません。音楽はアーティストさんが何かを主張して作っているのですから、主張しないという曲を選ぶのも実のところ一苦労なわけです。 一方で、それとは全く逆のことになるのですが自分の好きな曲を流すというのもアプローチとしてもちろん有効です。学生時代、友人の影響もあってレッチリ、エリック・クラプトン、ビートルズ、スティービー・ワンダー、ビリー・ジョエル、エアロスミス、ガンズ・アンド・ローゼズなど洋楽のメジャーどころを聴いていました。音効になった頃は、いつか自分の好きな曲を流してやると意気込んでいました。ところが、そんな曲を使って良い場面は滅多にありません。でも時々、演出家さんへのチャレンジ的にこの辺の好きな洋楽などを流すんです。もちろん、内容にも画面にも合っている…と思ってますよ!そんな遊び心も音効には大事なことだと思っています。ちなみに、最近はTWICEが好きで可愛い動物の映像に流しています…(笑)。 しかし、選曲にも限界があります。ゲームコンテンツやCMなどオリジナリティを出したいというオファーがあれば作曲ということになりますので、日頃から色々な場面で知り合った作曲家さんにお願いをして作っていただきます。基本的には演出家さんに雰囲気など伝えてもらうのですが、私が曲の雰囲気を伝えなければならないこともあります。これは自分で選曲するのとは違ってその伝え方が重要、責任重大です。頭にあるイメージを伝えるのはこんなにも大変なのかと痛感していますが、いつも作曲家さんの経験値や技量に助けられております。 選曲の幅の広がり 年齢を重ねるにつれて、人生の経験が深まり選曲のアイデアに潤いが出てきます。若手の頃は必死に目の前の仕事をこなすことで精一杯でしたが、時間に余裕のある時に、例えばスノーボード、ゴルフ、居酒屋、バー、登山、海、海外など1回でも行って体験すると、スノボーの曲はこっちの方がカッコいいなとか、登山してる時はこのタイミングで感動した音楽が欲しいな、など経験が選曲に良い影響を与えてくれます。アウトプットばかりでなく、たまにはインプットも必要と言うことです。また、健康のために時々ヨガをしているのですが、ヨガのインストラクターさんの選ぶ曲は心地良いし邪魔になりません。ピアノ曲からヒーリング曲、アクティブなシーンに合う曲などピッタリなんです。他にも中華の音楽は香港に合うか、ドバイにアラブ音楽は合うかなど、実際行ってみるとこんな曲が合いそうだなとか、こんな近代風にアレンジしているんだとか色々感じ取れると思います。趣味の延長だからと休み無しで働いている方もコロナが落ち着いたら色々なところに行ってみることをお勧めします。 ドキュメンタリーのお仕事もよく頂きますが、こちらも若い頃とは音の付け方が全く変わってきました。音楽で演出するのではなく、出演している人の気持ちになるべく寄り添って、感情を必要以上に演出することは避けて、別のシーンで色を出す様になりました。そうなると曲数もどんどん減っていきますが、「曲を付けない」ということも音響効果の演出なんです。 CaseStudy 孤独のグルメ 配信オリジナル全6話 paravi・ヒカリTVで配信中! 担当させて頂いた番組で印象的だったのが「孤独のグルメ」シリーズです。楽曲は全て原作者の久住昌之さん率いるバンド、TheScreenTonesが作っていることもあり曲に説得力があります。昨今、打ち込みの音楽が多い中で生演奏のパワーが凄くて、井之頭五郎の世界観と料理にハマるんです。シーズンを重ねるうちに600曲くらいに増えましたから、選曲するこちらもやりがいがあります。食べるシーンは定番の曲になることが多いですが、どんなシーンが来ても大丈夫だと思っています。 腹減ったシーンのポンポンポーンは私がバラエティ番組ぽいSEを付けていたら、監督がMAで「もっと生っぽいウッドベースのような音でいきたい」と言われました。色々な音を用意していた私ですが、さすがにウッドベースの単音は持っていなくて困りました。しかし、MA時の音効は「大丈夫ですよ!」って感じで素早く対応するのが腕の見せ所でもあります。そこで、生の音といえばTheScreenTonesさんの楽曲だ!と思い劇伴を聴き直し、ドラムの栗木さんが叩いたパーカッションの音を聴いて、これだ!と思いました。こうしてそのパーカッションを加工して...定番シーンのSEとして繰り返し使われるようになったんです。 当初、孤独のグルメはリアルを大事にしてSE、フォーリーなどは極力つけないでいこうという方向になり、料理の音など音声さんが録音してくれたリアルな音を基本的に使っています。編集として繋がらないような焼き肉やベース音や音が無いと成り立たないところくらいだけ付けるようにしています。これが成り立っているのは松重豊さんの身体で表現する音がちゃんと聴こえるからです。舞台経験の成せる技なのか、動く音、食べるシーンなど、喉の音まで、しっかり聴こえるんです。 最近のドラマは非常に細かく音が付いていますが、私が最初にアシスタントでついた「北の国から 時代」の頃はPro Toolsもなかったですし、6mmテープやAKAIのDD1000やTASCAM DA88の8chマルチで音をピンポンしてSEを作っていましたので、全ての動きに音をつけるなんてことは想像もしていませんでした。それでも一つのシーンに何日もかけて試行錯誤して作り込んでいく音の作り方は大変勉強になりました。私の原点でもあります。 ほかにも印象的な作品を挙げますと、NETFLIX「野武士のグルメ」ではサラウンドの音響制作を行いました。NETFLIXが5.1ch納品と聞いて非常に驚いたことを思い出します。サラウンドについて当時はほぼ未経験でしたので、サラウンドに精通しているエンジニアさんに色々と教えていただきました。AutoPanの書き込み方なども知らなかったくらいでしたので、一人ではいくら時間があっても終わらなかったと思います。ただ、センターの音の重要さや左右だけでなく前後に音を動かせることで広がるサウンドなど、サラウンドの見せる音場に興味津々で作業にのめり込めました。音楽はNugen Audio Halo Upmixを使用して広がりを出し、ベースの音はセンターに寄せたりフロントに寄せたり、単音を左後ろから右前へ移動させてみたり、物語の邪魔をしない範囲で音を動かしたりもして色々試しました。 東京放置食堂 ドラマ「東京放置食堂」では細かい音付けが必要になりました。フォーリー系はもちろんのこと、演者の息づかいやため息まで作成しました。不思議なことに細かく音を作ることで自分も演じている気分になってくるんです。また、心情も俳優さん達と合わせないとそのシーンに合う音が録れないんです。そこから生まれてくるアイデアは非常に面白いです。例えば息を長く吐き出すシーンは息の音が風の音に聴こえてきたり、、、伝わりますかね…(笑)。大変でしたが、非常にやりがいのあった仕事の一つです。 色々とお仕事の経験させていただきましたが、私が一番長く携わった番組は実は生放送なんです。小倉智昭さんの「とくダネ!」など20年ほど携わらさせていただきました。生放送は、いかにミスなくこなすかがテーマですが、当時の選曲作業はVTRも見ずに台本だけで選曲して、O.A15分前までに選曲していたCDを10枚くらい並べて、15秒から20秒でどんどん乗り換えていくんです。忙しいDJみたいです(笑)。生放送の選曲は、また特殊です。事件からエンタメ、ドキュメンタリー、様々なネタを映像を見ずにナレーションだけで想像して選曲しておいて、初めて見る映像に音楽やSEを生で出していくのです。今は映像を見たり、サンプラーを使ったりしていると思いますが...。 生放送に関しては夜中からスタンパイしたり、時間に追われる緊張感など、特殊な音効業務です。しかし、その中で多くのジャンルを体験することになりますから、音効に必要なものが全て詰まっている仕事のような気がします。時々、選曲速度が速いと声を掛けていただくことがありますが、これは生放送で時間に追われて染み付いたものかもしれませんね(笑)。 こんな私ですが、もちろん最初から仕事をたくさん頂いていた訳ではなく、若い頃は先輩の音効さんの模倣をすることで精一杯でした。1人立ちしてからもディレクターさん、プロデューサーさんに沢山ご指導いただきました。そのお陰でここまで長くお仕事をさせて頂いているのだと思っています。不思議と厳しくご指導いただいた方に限って、10年以上の長期のお付き合いになっています。本当に感謝しかありません。また、人の繋がりもあり、元々やりたかったドラマや歌番組のお仕事をさせて頂けることも増えました。まだまだ、音効として勉強する事は沢山あると日々感じています。そして一生勉強しがいのある、この音効というお仕事を選んで本当に良かったと思っています。 ●株式会社fro-less 株式会社fro-lessは、音響効果・選曲・SE・MA 等、音作りを全般的にサポートする音効会社です。普段無意識に感じている音を、より自然に、より効果的に映像に取り入れられるよう私たちは日々努力しています。社名の”フローレス”は、ダイヤモンドの最高ランクをさします。カットによっていかようにも表情を変え、底知れぬ光を放つことができるダイヤのように鍛錬された技術と厳選した音で映像作品をより美しく演出していきます。また、年々進化している映像作品ですが、音響という分野でその映像作品に刺激を受けながら、斬新かつクリエイティブな表現を目指しています。 *ProceedMagazine2022号より転載
Education
2022/08/09

専門学校ESPエンタテインメント大阪様 〜アナログ・コンソールはオーディオの基礎基本を体現する〜

以前にも一度、本誌で取り上げさせていただいた専門学校ESPエンタテインメント大阪。前回は2年次に使用する実習室へのAvid S6導入事例であったが、今回は1年次の実習で使われている実習室にて行われたSSL AWS924導入の様子をレポートしたい。 デジタルとアナログ、両方のコンソールでのカリキュラム 専門学校ESPエンタテイメント大阪は、大阪駅の北側、周りには楽器店なども多い御堂筋線 中津駅至近にある。地上11階建ての本館と地上5階建ての1号館を有しており、音楽アーティスト科や声優芸能科、そして今回AWSを導入された音楽芸能スタッフ科が設けられている。その音楽芸能スタッフ科には2つのコースがあり、PA&レコーディング、レコーディング&MAという2つのコースが設置されている。この2つのコースはともに1年次に今回AWS924が導入された録音実習室を使い、楽器を一つ一つレコーディング、オーバーダブし、1年掛けて1つの楽曲を録音するという授業を行っているとのこと。それぞれの楽器の特性、特徴、マイキングなどをしっかりと実践をもって学べるカリキュラムだということだ。 今回導入されたAWS924はAWS900からのリプレイスとなる。ご存知のようにAWS900の後継機がAWS924であり、これまでの実績や学内に積み重ねられたノウハウも継承できる選択となった。この決定にあたっては、福岡校への導入実績があるNEVE Genesys Blackなど他のアナログコンソールも候補には挙がったそうだが、そんな中でも従来を踏襲したと言えるSSL AWS924が選択されたのには理由がある。 ミキシング・コンソールを1から学ばなければならない1年次に、シグナルの流れやプロセスなどが具体的にわかりやすいアナログコンソールで学ぶということは、生徒にとっても、教える側にとってもメリットが大きい。そして大阪校には実習室が2室あり、もう一つの部屋はすでにAvid S6というDAWを中核としたコンソールが導入されている。そこで、複雑なデジタルでのルーティングなどは2年次にもう一つのAvid S6で学ぶこととし、1年次はアナログコンソールでの授業を行うこととする。そう考えると、従来の機種をキャリーオーバーするような選択であることの方がメリットが大きかったということだ。もちろんデジタルとアナログ、両方のコンソールに触れられるということもメリットとなる。 📷 今回新たに導入されたAWS924は特注デスクに収められている。このデスクはこれまでのAWS900時代からの流用でありながらも、新たに仕上げたかのようなピッタリの収まりである。 写真で見てとれるように今回の更新でリプレイスされたのはSSL AWS924の本体のみとなり、それ以外は更新されていないのだが、引き継がれたデスクはまるでAWS924専用に用意されたかのようにフィットしている。AWS900、AWS924ともにカタログ上のサイズは同じだが、以前のAWS900よりもピッタリとデスク内に収まったと、驚かれていた。ドラムのマルチマイクでの収録にも対応する24chのコンソールは、授業内容にもまさにジャストフィットしているということだ。1年次の実習ということもあってなかなかそこまで使うことはないようだが、AWS924に更新したことでミキシング・コンソール側でのオートメーションも使えるようになった。DAW内でのオートメーションが当たり前だからこそ、このような機能が使えるアナログコンソールに触れる機会は価値があることではないだろうか。 📷 デスクの左には、マイクプリTUBE-TECH MP1A、VINTECH AUDIO DUAL72、そしてオーディオパッチが収まっている。右側にはDBX 160A、Universal Audio 1176LN、Drawmer 1960、NEVE 33609が収まる。専門学校らしく定番と呼ばれる機器が取り揃えられている形だ。 新たなるニューノーマルな傾向? コロナ禍で実施にも配慮が必要となっている実習授業についてだが、コンサート系コースなどは実際のコンサート・イベントにキャンセルが続いて難しい局面があったものの、音楽芸能スタッフ科ではオンラインでできる授業はそちらにシフトし、実習でしか教えることができない内容のものはこの2年間も学校内で行ったということだ。なお、この部屋を使う2つのコース、PA&レコーディング、レコーディング&MAは、例年であればPA&レコーディングコースのほうが入学者数が多いそうだが、今年の新入生から初めて入学者数が逆転し、MAコースの人数が多くなったということ。これは入学してくる生徒がコンサート、ライブを体験することがほとんどなかったからではないか?ということだ。実際にコンサートに行き、そのスタッフに憧れる。そういった体験がなかなか叶わない一方で、MA映像付きの音響を画面越しに体験をすることでMAに興味を持つ。これも新たなるニューノーマルな傾向なのか興味深いところだ。 また、YouTubeなど配信のサウンド、音響効果に興味を持って入学していくる生徒は年々増加しているという。ここでしっかりとした教育を受けた若者たちが、新たなステージでエンタテイメントの形を作っていく。MAといえばテレビ業界という考え方は、もはやステレオタイプなのかもしれない。そんな未来を感じさせられた。 📷 以前に本誌でも取り上げた 2 年次の実習で使われている Avid S6 を導入したスタジオ。現場での導入実績の高いAvid S6を使っての実習は即戦力育成に直結する。フルアナログの実習室と合わせて、幅広いシステム構成のスタジオでの実習を行うことができる環境が整えられている。 まさに順当とも言える後継機種への更新。改めてあえて変えないことの意味、アナログの大切さ、そういったことを考えさせられた。カルチャー、エンターテイメントは日進月歩で進化を続けている。しかし学びの環境の中での一歩目には、オーディオの基礎基本を体現するアナログ・コンソールがある。やはりこれは大きな価値のあることなのではないだろうか。 専門学校ESPエンタテイメント大阪 音楽芸能スタッフ科 松井 英己先生   *ProceedMagazine2022号より転載
NEWS
2022/08/08

Dolby Atmos 用マスタリングツール Dolby Atmos Album Assemblerがリリース(90日間体験版有り)

Dolby Atmos Album Assemblerは、Dolby Atmosでミキシングされた楽曲やアルバムの仕上げを行うのに便利なツールです。Dolby Atmos Renderer(Dolby Atmos Production Suite または Mastering Suite に付属、要別途購入)と組み合わせて使用する Album Assembler は、Dolby Atmos Music のマスタリングツールとして、今回新たに開発されたものです。ストリーミング・サービスに配信する前に、アルバム曲順の構成や、2chステレオミックスとの比較機能など、Dolby Atmos対応楽曲のマスタリングに必要な機能がすべて揃っています。 Dolby Atmos Album Assemblerの主な機能 ・複数のDolby Atmos ADM BWF ファイルをインポートしてタイムライン上でシーケンス化 ・Dolby Atmos Rendererアプリケーション(Dolby Atmos ProductionまたはMastering Suiteで別途購入する必要があります)に接続してのモニタリング ・曲の長さの編集とフェードイン/アウトの適用 ・曲のレベル調整 ・Dolby Atmosのためにゼロから構築されたEQおよびリミッター処理テクノロジを適用 ・Dolby Atmosの楽曲をStereo reference track機能でマスタリング済みのステレオ・ファイルとリアルタイム比較 ・ラウドネスの測定 ・Dolby Atmos ADM BWFファイルでのマスター書き出し 入手方法 ・90日間体験版 (Dolby Customer サイトでサインアップ&サインイン後にDL可能です) https://customer.dolby.com//content-creation-and-delivery/dolby-atmos-album-assembler-v100 ・AVIDストアでライセンス購入(2022年8月現在 $99 / ¥11,000〜) https://www.avid.com/ja/plugins/dolby-atmos-album-assembler Dolby Atmosでの新規楽曲リリースも最近かなり増えてきている中、便利なマスタリング用ツールが登場しました。こちらのライセンスの購入は現在AVIDストアからのみ可能となっております。Dolby Atmosをはじめ、イマーシブオーディオ制作環境導入のご相談は、実績豊富なROCK ON PROにお任せください!お問合せは下記コンタクトフォームからお待ちしております。 https://pro.miroc.co.jp/headline/dolby-atmos-info-2022/ https://pro.miroc.co.jp/headline/comparison-of-atmos-360ra/
NEWS
2022/08/05

Pro Tools 2022.7リリース〜いくつかのバグが修正されています。

Pro Tools 2022.7がリリースされました。このバージョンに新規での追加機能はなく、2022.5で生じていた幾つかの課題を修正(バグフィックス)したバージョンです。 プランが有効な永続及びサブスク・ユーザーは、MyAvidページまたはAvidLinkからダウンロード可能です。 詳細な修正内容についてAvid Knowledge Baseをご確認ください。 https://pro.miroc.co.jp/headline/pro-tools-2022-6 https://pro.miroc.co.jp/headline/pro-tools-studio-ultimate-get-current-promotion https://pro.miroc.co.jp/headline/pro-tools-studio-subscription-summer-promotion
3D Audio
2022/08/03

【360RA入門】これから360 Reality Audio 制作を始めるあなたに役立つ情報サイトまとめ

News!360VMEのプロファイル測定サービス実施中!詳細はこちらをご確認ください。 News!360 Reality Audio クリエイター向け最新情報はこちらに随時追加中!あわせてご確認ください。 「360 Reality Audio制作に興味があるけど、何から始めればいいのか分からない!」「どこで情報を集めたらいいの?」という方におすすめな360RA情報サイトをまとめています。 ソニー株式会社 | クリエイター向け360 Reality Audio - Create Immersive Music Without Limits ◉ソニー株式会社 | クリエイター向け360 Reality Audio - Create Immersive Music Without Limits https://www.sony.co.jp/Products/create360RA/?j-short=create360RA 「360 Reality Audio というワードを初めて目にした」というそこのあなた!まずはこの新たなる音楽体験を生み出した、株式会社ソニー様の公式サイトをぜひご覧ください! 360 Reality Audio のデモ体験や、ワークフローの説明をはじめ、著名なエンジニア・アーティストへのインタビューコンテンツの数々、Q&Aまで、このサイトでほとんどの情報が網羅されています。 ◉ソニー株式会社 | SOUND DIVE https://www.sony.co.jp/united/360ra_sounddive/ 「360 Reality Audio をもっと体験してみたい!」という方は、こちらのSOUND DIVEという特設サイトを訪れてみてください。ここでしか体験できないスペシャルコンテンツから、今後の制作に役立つヒントがもらえるかもしれません。 Audio Futures - 360 WalkMix Creator™️ 公式サイト ◉Audio Futures - 360 WalkMix Creator™️ 公式サイト https://360ra.com/ja/360 Reality Audioの制作に欠かせない制作ツール「WalkMix Crator™️」を開発している、Audio Futuresというメーカーの公式サイトです。インストーラーの入手やライセンスの管理などはこのサイトから行うことになります。 360 WalkMix Creator™ | Media Integration, Inc. ◉360 WalkMix Creator™ | Media Integration, Inc. https://www.minet.jp/brand/360-reality-audio/360-walkmix-creator/ そして、国内正規代理店・サポート窓口となる弊社輸入事業部のサイトです。アカウント作成や登録、DL手順などはこちらのサポートページの方で随時更新予定です。https://support.minet.jp/portal/ja/kb/mediaintegrationinc/audio-futures ◉360 WalkMix Creator™を使って360 Reality Audio作品を作ろう! MI公式You Tubeチャンネルにて公開中 国内トップクラスの制作実績を持つ山麓丸スタジオ様にご協力いただき作成したチュートリアルムービーがMI公式You Tubeチャンネルにて公開されています。基本的な操作から実践的なノウハウまで、これを見れば360RAミキシングのワークフローが1ステップずつ理解できると思います。 ・#1 360 WalkMix Creator™の立ち上げとアウトプットの設定 ・#2 マルチチャンネルをインサートするテクニック ・#3 DAWのオートメーションでのコントロール ・#4 空間表現のテクニック ・#5 DAWのフェーダーを活用したボリューム・コントロールのテクニック DTMステーション ◉DTMステーション https://www.dtmstation.com/ こちらは言わずと知れたDTMステーション藤本健さんによる360 Reality Audio、360WalkMixCreatorの解説記事一覧です。DAWごとの設定方法が非常に分かりやすく解説されています。 >>DTMの世界を大きく進化させるイマーシブオーディオと360 Reality Audioの世界 >>DAWで立体的サウンドを作り上げるプラグイン、360 WalkMix Creatorの威力 >>360 WalkMix CreatorとDAWのミキサーの絶妙な関係 >>360 Reality Audioを制作するためのエクスポート手順とは >>360 WalkMix Creatorを使い360 Reality Audioのサウンドを作ろう Cubase編 >>360 WalkMix Creatorを使い360 Reality Audioのサウンドを作ろう Studio One編 >>360 WalkMix Creatorを使い360 Reality Audioのサウンドを作ろう Logic Pro編 >>360 WalkMix Creatorを使い360 Reality Audioのサウンドを作ろう Pro Tools編 >>ドラクエ式とFF式!? 2mixでは得られない感動を作り出す、360 Reality Audioの魅力とミックス術 >>DAWで立体音響作品を作成するための360 WalkMix Creator活用テクニック Sound&Recording Magazine(サンレコ) ◉Sound&Recording Magazine(サンレコ) https://www.snrec.jp/archive/category/360%20Reality%20Audio お馴染みサンレコさんでも360 Reality Audio 関連の情報が盛り沢山。イベント情報なども必見です! ROCK ON PRO ◉ROCK ON PRO https://pro.miroc.co.jp/?s=360+reality+Audio そしてもちろん、ROCK ON PROでも360 Reality Audio関連のオリジナルコンテンツを公開中です!特に昨年末のAvid Creative Summitで行われた、山麓丸スタジオ様によるワークフロー解説動画をぜひご覧ください。Proceed Magazineの過去記事も読み応えがあってオススメです。 ◉Dolby Atmos Musicと 360 Reality Audioの4つの違い イマーシブオーディオ制作に興味を持ちはじめると、気になるのが各フォーマットの違い。今回は360 Reality AudioとDolby Atmosについて、それぞれの歴史、イマーシブへのアプローチ、制作ツール、そして対応している音楽配信サービスという4つの観点から比較してみたいと思います。 https://pro.miroc.co.jp/headline/comparison-of-atmos-360ra/ 今後も随時関連情報をアップデートしていきます。360 Reality Audio制作機材、スタジオ施工に関するお問い合わせは実績豊富なROCK ON PROにお任せください。下記コンタクトフォームよりご連絡をお待ちしております。 その他の関連情報はこちら https://pro.miroc.co.jp/headline/360ra-news/ https://pro.miroc.co.jp/headline/gold-diggers-proceed2023/ https://pro.miroc.co.jp/solution/360vme-proceed2023/ https://pro.miroc.co.jp/headline/sony_360-vme_report/ https://pro.miroc.co.jp/2023/07/13/360vme-launch/ https://pro.miroc.co.jp/headline/360-walkmix-creator/ https://pro.miroc.co.jp/works/360studio-proceed2021-22/ https://pro.miroc.co.jp/headline/nagoyageidai-proceed2021-22 https://pro.miroc.co.jp/solution/sound-on-4%cf%80-360ra-part-1 https://pro.miroc.co.jp/solution/sound-on-4%cf%80-360ra-part-2 https://pro.miroc.co.jp/solution/sound-on-4%cf%80-360ra-part-3 https://pro.miroc.co.jp/solution/sound-on-4%cf%80-360ra-part-4
3D Audio
2022/08/02

360 WalkMix Creator™ Case Study / milet 「Parachute」Produced by Ryosuke “Dr.R” Sakai

昨年6月の国内サービスインより、業界各所で注目を集めるソニー360 Realty Audio。実際にその作品のミキシングを行った経験を持つRyosuke "Dr.R" Sakai氏にその制作に関してのお話をお伺いした。作曲、編曲、レコーディングからミキシング、さらにマスタリングと様々なことへ貪欲に挑戦を行うSakai氏の360 Reatily Audioへの挑戦はどのようなものであったのだろうか? milet 「eyes」M2 / Parachute *360 Reality Audoミックスは、Amazon Music UnlimitedやDeezerで配信中 Ryosuke "Dr.R" Sakai 氏 東京を拠点にワールドワイドに活動する音楽プロデューサー。2018 年にアジア人プロデューサーとして初めてアメリカの名門メジャーレーベルINTERSCOPE Records (Billie Eilish, Selena Gomez, Lady Gaga etc.) とマネージメント契約を結んだ。日本ではこれまでに250 曲以上の制作に携り、プロデュースしたアーティストの数は50 以上、累計400 万枚以上のセールスを誇り、これまでに国内外で手掛けた楽曲の総再生回数は1 億5000 万回をゆうに超える。 新世代ラップクイーンCHANMINAをはじめ、令和時代に突如現れた歌姫milet や日本のHipHop キングAK-69、SKY-HI やBE:FIRST など、Dr.R サウンドに信頼を寄せるアーティストは数知れない。アメリカではYouTube の世界から飛び出したPoppy のメインプロデューサーとして活躍。2017 年にリリースされたデビューアルバム“Poppy.Computer” でUS iTunes Charrt7位を獲得し、2018 年リリースのセカンドアルバム” Am I A Girl?” では4位を記録。“Poppy.Computer” はRolling Stone Magazine の選ぶ2017 年ベストポップアルバム20 にも取り上げられ、そのサウンドは世界から大きな評価を獲得した。 2021 年にはDr.Ryo 名義で自身のアーティストプロジェクトをスタート。第一弾シングル“Late Night Flex” の客演には、世界的大ヒットDJ SNAKE “Middle feat.Bipolar Sunshine” で知られるイギリス出身の有名アーティストBipolar Sunshine を、またREMIX にはPharrell Williams に見出されたUS のメジャーラッパーBuddy を客演に迎え、「日本発世界へ」をスローガンに掲げる自身主催のレーベルMNNFRCRDS( モノノフレコーズ) よりリリース。国内のみならず世界に向けた音楽発信を精力的に行っている。 360 Reatily Audioの広大なキャンバスに 今回制作の実例としてmilet「Parachute」の360 Reatily Audioミックスについてお話を伺った。2022冬季オリンピックでNHKの大会テーマソングを歌い、その名前を知る方も多いはず。ソングライターでもあり、独特の歌声と日本語を英語のように歌い上げる感性を持った注目のアーティストである。その彼女の楽曲の360 Reatily Audioミックスを、同曲の作曲家としてもクレジットされているSakai氏はどのようにミキシングを行ったのか。 まずお話を聞き始めて非常に驚いたのが、Sakai氏にとってこの「Parachute」は初めての3Dミキシングであったということだ。これまでサラウンド、立体音響などに興味はあったものの、仕事として向き合う機会はなかったそうで、5.1chサラウンドに関しても昨年映画のタイアップで再ミックスを行ったのが初めての経験だったという。しかしながら、一人のリスナーとして筆者が「Parachute」を聴いた際に感じたのは、「立体音響、サラウンドをよく知っている方のミックス」という印象だ。楽曲の各パート、メロディによってハードセンター、ファントムセンターなどボーカルの位置がコロコロと入れ替わり、まさに楽曲の世界観として適切な位置から再生される。コード楽器たちの空間への自然な広がりを持った定位。しっかりと重心を下げた低音楽器、リズム隊の配置。フィル、ブレイクなどでの立体的な展開。チャレンジングかつ、様々なギミックに彩られつつも安定したミキシングバランス、このような3D空間でのバランスを初めてのチャレンジで実現してしまっている。本記事を見て興味を持たれた方は、ぜひともこの「Parachute」のミックスをアナライズしてみてほしい。 お話を聞くにあたり、様々な立体音響、360 Reatily Audioならではの空間に対してのギミックなどの意図をお聞きしようと考えていたのだが、「せっかく初めての360 Reatily Audioミキシングなので、思いついたことを色々と試してみようと思った」という一言で大幅な方向転換を余儀なくされてしまった。楽曲が生まれるところから携わっているSakai氏、アーティストとしてすでにどのように表現したいか?というところは考えるまでもなく、もともとやりたかったことを360 Reatily Audioの広大なキャンバスに展開しただけ、ということなのだ。360 Reatily Audioの持つ4π空間、その高い自由度で、楽曲が持つ様々な可能性、表現が花開いた結果ということだ。 360 Reatily Audio空間に展開される表現方法 ボーカルを例に挙げると、少し距離をもたせ存在感を和らげるためにファントムセンターを使う。ソリッドにピントの合った存在として聴かせるためにハードセンターを使う。浮遊感、一種の神々しさなどを表現するために少しだけ上空にシフトする。現実感をブレイクするために真横左右2本のスピーカーからのファントム音像で目前に音像を持ってくる。これらの音像定位が、楽曲の世界観を広げている。そして、Sakai氏はボーカルに対してのリバーブタイムが非常に長いのが特徴的。お話を聞くと平均して7秒以上のリバーブタイムで使っているということ。ただ、そのままではさすがに使っておらず、フィルターで帯域を絞り、基音から3次倍音くらいまでの帯域だけを響かせているということだ。 楽器類に関してSakai氏のアレンジでは音数が非常に少ない。いろいろな音色を重ねて一つの音を作ることはあまりせず、理想の位置に音を置いて磨き上げている。必要最低限の音数にすることにより、明瞭度も迫力も増す。このような考えで作曲、アレンジを行っているということだ。むしろ、360 Reatily Audioにおいては空間が埋まらずにスカスカになってしまうのでは?とも心配になってしまうところだが、メインリフを担当するエレピをパンニングさせることでその隙間を感じさせないバランスを獲得している。 そして、作曲家の特権として2ミックスのアレンジから2つほど音を足しているということだ。よくよく聴き比べると分かる音なのだが、360 Reatily Audioでは立体音響ならではの隠し味としてその音色を聴くことができる。360 Reatily Audioは、というよりも立体音響全てにおいてなのだが、とにかく音の分離が良い。キャンバスが広大なので、よくも悪くも「混ざらない」のだ。そこを四方に配置したリバーブとオートパンによりクリアしている。 ●Point 1 / Vocal ポジション メインで使用されているオブジェクトだけに色を残してみたのだが、基本はファントムセンターとなるようL,Rchの位置からの再生となっていることがわかる。左右の赤、黄が、要所要所で効果的に使われている左右からの定位だ。ヘッドホンでの再生時にこの左右真横の定位は耳に一番近くなる。スピーカーでの視聴時もスイートスポットで聴いていれば、左右真横からの同相成分は擬似的に頭内で鳴っているかのような感覚だ。正面に配置したVocalも高さを変えたりと工夫が見て取れる。ブレイク中のVocalはあえて下方向に配置することで重心を下げているのだろうか、左右少し下の青がそれにあたる。リバーブは前後にステレオ・リバーブが配置されていた、高さ方向に無理に広げようとせずリア側のリバーブが少し強い印象。これにより正面はドライな質感を保ちつつ、空間を使って響かせている。 ●Point 2 必要最低限の楽器 トラック名が付けられている楽器は驚くほど少なく、ドラム・ベースを除くとPf・Bell・Synthこの3つとなる。しかもSynthはサビで登場するストリングスだ。ベーシックはAutoPan的に左右に流れるBellがこの楽曲の柱、サビに向けての盛り上がりを演出しているPfとなる。残りのIPは一瞬の登場で楽曲に彩りを加えている格好。ドラムの配置は、上下を使い切った配置となる。真下にBD、下30度にBs(水色)、水平面に楽器はなくVocalの専用ゾーンになっている。上30度にはSN(橙)、45度にCR(緑)という配置。紫のBellは左右にAutoPanしている。Pf(黃)は左右情報30度だ。Synth(黄緑)は下から上にAutoPanという作り、左右にAutoPanするBellに対してサビで上下の動きをSynthが行うことで空間的にダイナミックな動きを作っている。 ●Point 3 空間カバーリング リバーブの配置はステレオリバーブを複数組み合わせている。前後、左右、上下に別々のリバーブを用意して空間をまとめ上げている。Inst用とVo用に別々のリバーブを用意しているのがみてとれる。ここでの注目は、ステレオリバーブを使っているがそれほど間隔を開いて使っていないということ。間隔を開いたほうが、空間的には埋まっていくのだが、あえて通常のステレオ幅(開き角60度)以内で使っている箇所が多い。同じ色の玉がステレオセットだ。特に左右は、ステレオリバーブを同じ位置に配置している。リバーブに対してフィルターを効果的に使用して、必要な響きだけを抽出して使うというお話をされていたこととリンクする部分ではないだろうか。 こういった様々な仕掛けは、これまでのサラウンドミキシングの経験則から生み出されたものではなく、アーティストとしての表現から自然に出てきたものというのが、本当に驚かされるところ。もちろん、かなりのステレオミックスも行っているSakai氏だが、360 Reatily Audioのミキシングはそれとは全く異なったものだと言える。ところが、Sakai氏は思い描いていた音をもともと思い描いていた位置に配置しただけだという。エンジニアリングが難しい、苦手だ、と感じている方こそ360 Reatily Audioを始めとする立体音響をいち早く始めたほうが良いのではないだろうか。音色ごとのマスキング効果、縦方向の配置を行うための様々な仕掛け、というようなエンジニアリングのスキルは必要ない。ただ鳴らしたい方向にその音を配置するだけ、Sakai氏のお話を聞いて、より一層立体音響の技術はアーティスト向きのものだと感じるようになった。少しでもDAWを触れる方は是非とも挑戦してもらいたい。 アーティストならではのミックスにドキッとする 改めてSakai氏の「Parachute」に戻そう。ミックスバランスに関しては、先に完成していたStereoミックスを尊重し、基本としたということだ。ステレオの世界の中で表現していた高さ方向の表現はそのままパンニングに置き換え、左右方向に関しては更にワイドにするということが方針としてはあったということ。その中で、さらなる表現ができる箇所は360 Reatily Audioならではのミックスへ拡張していったということだ。 このように文字にすると、至って平凡な作業のように感じられるかもしれないが、milet「Parachute」の360 Reatily Audioミックスはこの中に感性に基づいたさまざまなギミックが仕込まれた、まさにアーティストならではのミックス。エンジニア目線ではここまで大胆にできなかったかもしれない、また空間バランスを入れ替えるようなブレイクも作れなかったかもしれない。アーティストの作った荒削りなミックスのバランスにドキッとする、磨き上げたスタジオの音色ではどうしてもそのデモテープの持つ高みにたどり着かない、サウンドエンジニアリングをかじった方ならば経験があるかもしれない。やはり音楽とはクリエイティブな作品であるという本質は360 Reatily Audioになっても同じなのだとも感じた。Sakai氏は360 Reatily Audioのミックスに対して、操作面での苦労はあったものの作業自体はとても楽しかったとのこと。また機会があればどんどん挑戦していきたいと今後の抱負をいただいた。まだまだ仕事としてはステレオでのオファーが多いとのことだが、次なるSakai氏の360 Reatily Audioミックスのリリースに期待したい。 360 WalkMix Creator™ ¥64,900(税込) ソニー 360 Reality Audioを制作するためのツールがこの「360 WalkMix Creator™」。AAXはもちろん、VST / AUにも対応しているため、ホストDAWを選ばずに360 Reality Audioのミキシングを行うことができる。 製品購入ページ(RockoN eStore) 製品紹介ページ クリエーター向け 360 Reality Audio HP   *ProceedMagazine2022号より転載
Music
2022/08/02

360 Reality Audio + 360 WalkMix Creator™ 〜全天球4πの世界をオブジェクトベースで描く〜

世界中で始まった実際の配信サービスインから早くも2年が経過、国内でのサービスインからも1年が経過した360 Reality Audioの世界。そしてその制作ツールとなる360 WalkMix Creator™がついに国内で販売開始される。その拡がりもついに第2段階へと突入した360 Reality Audio、360 WalkMix Creator™で実現する新機能のご紹介とともに、360 Reality Audioの現在地をご案内していく。 Chapter 1:360 Reality Audioを構築する ●全天球4πを実現する360 Reality Audio 本誌でも、その詳細を伝え続けているソニー 360 Reality Audio。完全な4π空間へのフルオブジェクト配置による立体音響フォーマットとして、その魅力は高いものであることはすでにおわかりではないだろうか。先行してスタートしているDolby Atmos、Auro 3Dは、ご存知のように「映画」をそのベーシックとして登場している。そのため、これまでの5.1chサラウンドを踏襲し、それを発展させる形で立体音響を実現している。これは、既存設備、映画館、劇場との互換性という観点から重要なポイントであり必要不可欠な要素だった。しかしソニー 360 Reality Audioは、映像とは切り離して考えられ、音楽を楽しむためのフォーマットとして登場している。そのため、これまでの立体音響が辿ってきた経緯とは関係ないところで、理想の音楽を入れるための器として誕生している。北半球とも呼ばれる上半分の2πだけのフォーマットではなく、下方向も含めた全天球4πを実現し、チャンネルベースを廃棄した完全なるオブジェクトベースのフォーマットだ。 Dolby Atmosなど他の立体音響フォーマットとの最大の違い、それは南半球があるということである。南半球に音を配置して効果はあるのか?下方向からの音、それに意味はあるのか?これは、今後様々な音源がリリースされ、その効果の程やクリエイターの考え、感覚により活用が行われていくものだろう。リフレクションを加えることで床を作る、低音楽器を下方向から鳴らすことで重心を下げる、様々なアイデアがありそうだが、まずは表現できる空間が単純に倍になったということは、歓迎すべき素晴らしいことではないだろうか。北半球のみの2π srに対し、全天球4π srは単純に倍の表面積であり、その表現できる範囲も倍であるということだ。これをどのように使いこなすのかという議論はまさにこれから行われていくこととなるだろう。 今までのステレオをヘッドホンで再生すると、頭の中に定位する「頭内定位」となる。言い換えれば右耳から左耳の間に音があるように感じるということだ。これをソニー 360 Reality Audioではヘッドホンで聴いているが、擬似的に頭の周りから音が鳴っているような感覚「頭外定位」を実現している。スピーカーで視聴するための準備が様々に進んできてはいるが、その体験を行う一番簡単な方法はやはりヘッドホンでの再生となる。いま音楽を楽しむ方法として一番シェアの高いヘッドホン/イヤホンでの視聴、それをターゲットにした音楽の体験、それがソニー 360 Reality Audioだ。 ●チャンネルベースからの脱却、スピーカー配置の自由 チャンネルベースからの脱却というのも、360 Reality Audioの先進性の現れであると言えよう。冒頭でも述べたように、既存フォーマットとの下位互換性を考えることなく、純粋に次のステップへと歩みを進めた360 Reality Audio。これにより手に入れたのは、スピーカー配置の自由ということになる。クリエーター向け360 Reality Audio HPには、推奨環境としてこのようなスピーカー配置がのぞましいということが明記されている。ただ、これはあくまでもスピーカー配置の一例であり、その全てではない。360 Reality Audioの動作原理から言えば、スピーカーの配置位置、本数、そういった制約は無い。ただし、その音源の再現のために最低限これくらいの本数があったほうが確認を行いやすいという。また、360 WalkMix Creator™での制作時ではスピーカーの出力数を選択し、そのプリセットで選択された本数で再生を行うこととなる。 このスピーカーの配置の自由というのは、これから立体音響に向けてスタジオへスピーカーを増設しようとお考えの方には重要なポイントだろう。水平方向、天井は工夫によりなんとかなるケースが多いが、下方向に関しては、前方に3本(L,C,Rchの位置俯角-30度)設置が推奨されている。一般的に下方向のスピーカー設置となると、それらを遮るようにコンソールや作業用のデスクがあることが多いわけだが、これを左右90度の位置に俯角-30度で設置であれば、実際にレイアウトすることもかなり現実味があるのではないだろうか。 チャンネルベースのソースを持たない360 Reality Audioはフルオブジェクトであるため、スピーカーに対してのレンダリングアウトは自由である。そこにスピーカーがあるとわかるようなスピーカープリセットがあれば良いということになる。なお、スピーカー配置は自由だと書かせていただいたが一つだけ制約があり、それぞれのスピーカーは等距離に設置されている必要がある。ただし、これに関してはDelay調整により距離を仮想化することである程度解消できるものである。 ●Dolby Atmos、360 Reality Audioコンパチブル 自由と言われると、実際どうして良いのか混乱を招く部分もあるかもしれない。360 Reality Audioに対応したスタジオのスピーカーアレンジの一例をご紹介するとなると、Dolby Atmosとの互換性を確保したシステムアップというのが一つの具体的な事例になる。 360 Reality Audioは前述の通り、スピーカー配置に関しては自由である。ということは、Dolby Atmosに準拠したスピーカーレイアウトを構築した上で、そこに不足する要素を追加すればよいということになる。具体的には、Dolby Atmosには無い南半球、下方向のスピーカーを増設すればよいということだ。360 Reality Audioの推奨としては、前方L,C,R(30度,0度,-30度)の位置に俯角-30度で設置となっているため、この3本を追加することでDolby Atmosと360 Reality Audioに対応したスタジオを構築できる。以前のスタジオ導入事例でご紹介したソニーPCLのスタジオがまさにこの方法での対応となっている。 📷デスクの前方にはスクリーンが張られており、L,C,Rのスピーカーはこのスクリーンの裏側に設置されている。スクリーンの足元にはボトムの3本のスピーカーが設置されているのがわかる。リスニングポイントに対して机と干渉しないギリギリの高さと角度での設置となっている。 前方下方の設置が難しい場合には、左右下方で対応することも一案である。下方、俯角のついた位置への設置は360 Reality Audioの音像をスピーカーで確認する際には必須の要素である。少なくとも左右へ2本がないと、パンニングの再現があまりにも大雑把になってしまうため、最低2本以上の設置と考えていただきたい。ただ、その設置に関しては前方L,R30度の位置が必須ということではない。この位置がなぜ推奨位置なのかは、後述するエンコードの解説を読んでいただければご理解いただけるだろう。スピーカー配置の自由、という360 Reality Audioの持つ美点は、これから先の進化の中で本当の意味で発揮されるものだからだ。 Chapter 2:BrandNew!! 360 WalkMix Creator™ ●エンコーダーを手に入れファイナルデータまで生成 360 Reatily Audio Creative Suiteとして登場した360 Reality Audioの制作ツールが、2022年2月に360 WalkMix Creator™へと名称を変更し、それと同時に大きな機能追加が行われた。360 Reatily Audio Creative Suite時代に作成できる最終のデータは、360 Reality Audioの配信用データであるMPEG-H 3D Audioに準拠した360 Reality Audio Music Formatではなかった。この360 Reality Audio Music Formatへの最終のエンコード作業は、別のアプリケーションで実施する必要があった。360 WalkMix Creator™では、ついに悲願とも言えるこのエンコード機能を手に入れ、360 WalkMix Creator™単体でのファイナルデータ生成までが行えるようになった。テキストで表現すると非常にシンプルではあるが、実作業上は大きな更新である。 これに続く、最後の1ピースはその360 Reality Audio Music Formatデータの再生用のアプリケーションだ。360 WalkMix Creator™の登場で、最終データを生成することはできるようになった。そのデータを確認するためにはArtist ConnectionにアップロードしてArtist Connectionのスマートフォンアプリで360 Reality Audioとして再生ができる。 📸 360 Reatily Audio制作のワークフローはこのような形になっている。パンニングの部分を360 WalkMix Creator™で行うということ以外は、従来のミキシングの手法と大きな違いはない。編集、プラグイン処理などは従来通り。その後の音を混ぜるというミキサーエンジン部分の機能を360 WalkMix Creator™が行うこととなる。ミキシングされたものはエンコードされ、配信用の音源として書き出される。リスナーが実際に視聴する際のバイノーラル処理は、リスナーの使用するプレイヤー側で行うこととなる。 ●エンコードでサウンドの純度をどう保つか では、改めて360 Reality Audioの配信マスターであるMPEG-H 3D Audioに準拠した360 Reality Audio Music Formatへのエンコードについて説明していきたい。360 WalkMix Creator™で扱うことができるオブジェクト数は最大128個である。エンコードにあたっては、10~24オブジェクトにプリレンダリングして圧縮を行うことになる。せっかく作ったオブジェクトをまとめるということに抵抗があるのも事実だが、配信という限られた帯域を使ってのサービスで使用されるということを考えると欠かすことができない必要な工程である。360 WalkMix Creator™では多くの調整項目を持ち、かなり細かくそのチューニングを行うことができる。マスターデータは非圧縮のまま手元に残すことはできるので、いつの日か非圧縮のピュアなサウンドを360 Reatily Audioのエンドユーザーへ提供できる日が来るまで大切に保管しておいてもらいたい。 360 Reality Audio Music Formatへのエンコードを行うにあたり10~24オブジェクトへプリレンダリングして圧縮を行うということだが、その部分を更に詳しく説明していこう。実際には、配信事業者の持つ帯域幅に合わせて4つのレベルでのエンコードを行うこととなる。プリレンダリングはStatic ObjectとDynamic Objectの設定をすることで実行できる。Static Objectはその言葉の通り、固定されたオブジェクトである。この際に選択できるStatic Object Configurationは複数種類が用意されており、ミキシングにおけるパンニングの配置に合わせて最適なものを選択することができるようになっている。デフォルトでは、4.4.2 Static Objectで10オブジェクトを使用し、各Levelの最大オブジェクト数まではDynamic Objectに設定できる。Dynamic Objectはそのトラックを単独のObjectとして書き出すことで、360 WalkMix Creator™上でミキシングしたデータそのままとなり、Static Objectは360 WalkMix Creator™にプリセットされている様々なStatic Object Configurationに合わせてレンダリングアウトが書き出される。 📸 エンコードの際には、こちらの画面のように6種類のデータが書き出される。Level 0.5~3までは本文で解説をしているのでそちらをご参照いただきたい。それ以外の項目となるプリレンダリングは360 Reality Audio Music Formatへエンコードする直前の.wavのデータ、要は非圧縮状態で書き出されたものとなる。選択スピーカー別出力は、モニターするために選択しているスピーカーフォーマットに合わせた.wavファイルの書き出し。例えば、5.5.3のスピーカー配置で視聴しているのであれば、13chの.wavファイルとして各スピーカーに合わせてレンダリングされたものが出力される。 Static Object Configurationのプリセットはかなりの種類が用意されている。前方へ集中的に音を集めているのであれば5.3.2、空間全体に音を配置しているのであれば4.4.2、推奨の制作スピーカーセットを再現するのであれば5.5.3など実音源が多い部分にStatic Object が来るように選択する。いたずらにオブジェクト数の多いものを選択するとDynamic Objectに割り振ることができるオブジェクト数を減らしてしまうので、ここはまさにトレードオフの関係性である。もちろん、オブジェクト数の多いStatic Objectのプリセットを選択することで空間の再現性は向上する。しかし、単独オブジェクトとして存在感高く再生が可能なDynamic Object数が減ってしまうということになる。基本的に音圧の高い、重要なトラックをDynamic Objectとして書き出すことが推奨されている。具体的には、ボーカルなどのメロディーがそれにあたる。それ以外にも特徴的なパンニングオートメーションが書かれているトラックなどもDynamic Objectにすることで効果がより良く残せる。Static Objectに落とし込まずに単独のトラックのままで存在することができるためにそのサウンドの純度が保たれることとなる。 ミキシングをおこなったトラックごとにStaticとするのか、Dynamicとするのかを選択することができる。このStatic/Dynamicの選択、そしてStatic Object Configurationのプリセットの選択が、エンコード作業の肝となる。この選択により出来上がった360 Reality Audio Music Formatのデータはかなり変化する。いかに360 WalkMix Creator™でミックスしたニュアンスを余すことなくエンコードするか、なににフォーカスをするのか、空間をどのように残すのか。まさに制作意図を反映するための判断が必要な部分となる。 ●Static Object Configuration設定一覧 これら掲載した画面が360 WalkMix Creator™で選択できるStatic Object Configurationのプリセット一覧となる。プリセットされたレンダリングアウトの位置は、できる限り共通化されていることもこのように一覧すれば見て取ることができるだろう。基本はITU準拠の5.1ch配置からの拡張であり、Dolby Atmosを意識したような配置、AURO 3Dを意識したような配置もあることがわかる。5chサラウンドの拡張の系統とは別に、開き角45度のグループもあり、スピーカー間が90度で等間隔になる最低限の本数で最大の効果が得られるような配置のものも用意されている。   下方向をどれくらい使っているのか?上空は?そういった観点から適切なプリセットを選ぶことで再現性を担保し、重要なトラックに関してはDynamic Objectとして独立させる。Static Objectを多くすればその分全体の再現性は上がるが、使えるDynamic Objectのオブジェクト数が減ってしまう。これは難しい判断を強いられる部分ではあるが、トレードオフの関係となるためあらかじめ念頭に置いておくべきだろう。この仕組みを理解して作業にあたることで、よりよい状態の信号を360 Reality Audio Music Formatファイルで書き出すことが可能となる。 Chapter 3:360 Reality Audioの現在地 Dolby Atmosとの互換性 昨年の空間オーディオのサービスインから、注目を集めているDolby Atmos Music。そのフォーマットで制作した音源と360 Reality Audioの互換性は?やはりイチから作り直さなければならないのか?制作者にとって大きなハードルになっているのではないだろうか。フォーマットが増えたことにより作業量が倍増してしまうのでは、なかなか現場としては受け入れがたいものがあるのも事実。実際のところとしては、Dolby Atmosで制作した音源をRenderingしたWAVファイルを360 WalkMix Creator™でそのチャンネルベースの位置に配置することで再現することが可能である。その際にできる限り多くのスピーカーを使用したWAVをDolby Atmos Redererから書き出すことでその再現性を高めることも可能だ。なお、逆パターンの360 Reality AudioからDolby Atmosの場合には、南半球の取り扱いがあるためそのままというわけにはいかない。どうしても行き先のないトラックが出てきてしまうためである。 📸 360 WalkMix Creator™上でDolby Atmosを展開する一例がこちら。Dolby Atmosから7.1.4のレンダリングアウトを.wavで出力し、360 WalkMix Creator™内に配置したしたという想定だ。さらにチャンネル数を増やすことも可能(Atmos Rendererの最大レンダリング出力は11.1.10)だが、今回はわかりやすくベーシックなものとしている。ここでの問題はLFE chだ。 360 Reatily AudioにはLFEが存在しないため、少し下方向から再生することで効果的に使用することができるのではないか。LFEに関しては特に決まりはないため耳で聴いてちょうどよいバランスに合わせる必要がある。 Dolby Atmos Redererからは、最大11.1.10chの書き出しが可能である。360 Reality AudioにはLFE chが用意されていないため、ここの互換性に注意すれば、南半球は無いがかなり高いレベルでの互換を取れた状態が確保されていると言えるだろう。360 WalkMix Creator™に11.10.0というStatic Objectのプリセットがあれば完璧なのだが、次のアップデートでの実装に期待したいところである。また、Rendering Outを行う際にVocalなどDynamic Objectにアサインしたいものだけを省いておくことでDynamic Objectも活用することができる。もちろん、ワンボタンでという手軽さではないが、イチからミックスをやり直すことなく同等の互換性を確保することが可能なところまできている。 日進月歩の進化を見せる360 Reality Audioの制作環境。制作のための全てのコンポーネントがもうじき出揃うはずである。そして、制作物をユーザーへデリバリーする方法も整ってきている。双璧をなすDolby Atmosとの互換性など制作のノウハウ、実績も日々積み上げられていっているところだ。まさにイマーシブ・オーディオ制作は第2フェーズへと歩みを進めている。ぜひともこの新しい世界へと挑戦してもらいたい。 360 WalkMix Creator™ ¥64,900(税込) ソニー 360 Reality Audioを制作するためのツールがこの「360 WalkMix Creator™」。AAXはもちろん、VST / AUにも対応しているため、ホストDAWを選ばずに360 Reality Audioのミキシングを行うことができる。 製品購入ページ(RockoN eStore) 製品紹介ページ クリエーター向け 360 Reality Audio HP   *ProceedMagazine2022号より転載 https://pro.miroc.co.jp/headline/comparison-of-atmos-360ra/
NEWS
2022/07/19

Avid / 2021Top Audio Reseller ASIAを受賞しました!!

2021年度、Avid社のオーディオ製品をアジア太平洋(APAC)で最も販売したディーラーとして、弊社(株式会社メディア・インテグレーション)が「Avid 2021Top Audio Reseller ASIA」を受賞、Avid Chief Revenue Officer & SVPのTom Cordiner氏も来日され、記念のトロフィーが授与されました! コンテンツ制作でも進境著しいアジア各国ですが、各国においてもPro ToolsをはじめとしたAvidのオーディオ製品は制作におけるデファクトスタンダードと言える存在。制作ツールのベースともなるそのオーディオ製品群についてのトップセールスを、ここ日本で事業展開を行なっている弊社が受賞できたということは、APAC各国の中でも日本で活躍するクリエイターである皆様のご支持が厚く厚くあったからにほかなりません!厚く厚く御礼申し上げます! 📷 右)Avid Chief Revenue Officer & SVPのTom Cordiner氏、左)ROCK ON PRO 岡田 詞朗 今後も皆様の制作が充実するよう、クオリティ高い情報発信から充実のサポートに至るまでさらなる邁進を続けてまいります。今後のメディア・インテグレーション、ROCK ON PROにぜひご期待ください!
Media
2022/07/14

Avid Media Composer ver.2022.7リリース情報

日本時間 2022年7月8日未明、Avid Media Composer バージョン2022.7がリリースされました。有効なサブスクリプション・ライセンスおよび年間プラン付永続ライセンス・ユーザーは、MyAvidよりダウンロードして使用することが可能です。 Avid Media Composer 2022.7は主に機能改善を目的としてリリースされたバージョンです。 修正されたバグについては、Avid Download Centerから入手可能です。 では、Media Composer 2022.7の新機能について見ていきましょう。 Media Composer 2022.7の新機能 1. グループまたはマルチグループのサブクリップに対するマッチフレームの改善 グループまたはマルチグループクリップのサブクリップからマッチフレームをすると、以前のバージョンでは、元のグループクリップまたはマルチグループクリップがロードされていましたが、このバージョンからはサブクリップがロードされるようになりました。 2. 複数のディスプレイ構成に対応するカスタムワークスペースの追加 使用するディスプレイ数が異なる場合でも、様々なワークスペースを作成し、保存することができます。つまりMedia Composerは接続している複数のディスプレイ数に基づいてウィンドウやツールの位置を記憶することができるようになりました。 現在のディスプレイ構成と一致しないワークスペースに切り替えると、」「New monitor configuration」ウィンドウで、「Your workspaces were set up for a different number of monitors. Now that the number of monitors has changed, would you like to duplicate workspaces for the new configuration?」と表示されます。 「Yes」をクリックすると、新しいモディスプレイ構成に一致する既存のワークスペースが複製されます。「No」を選択すると、モニタ設定に一致しない状態で、現在のワークスペースのままになります。この場合、ウィンドウが正しく見えなくなることもあります。 3. Adobe PremireとDaVinci Resolveの新しいキーボードマッピングオプション Media Composerの最新バージョンには、Adobe PremireとDaVinci Resolveのキーボードマッピングがデフォルトの設定として追加されます。 新しいキーボード設定がUser設定で見えない場合には、設定ファイルのユーザー設定からユーザー設定の更新をしてください。 4. Titler+のアンカーポイントでのテキスト揃え Titler +でテキストの位置揃えを変更すると、アンカーポイントの位置を基準にしてテキストレイヤーがシフトするようになりました。 たとえば、テキストの位置揃えを「左揃え」に設定すると、アンカーポイントはレイヤーの左に配置されます(境界ボックスで示されます)。 位置揃え(左、中央、右)を切り替えると、テキストはそれに応じてこの同じアンカーポイントを中心にシフトします。 5. タイムラインメニューに「セグメントツールにフィラーを選択」が追加 「セグメントツールでフィラーを選択」オプションは、通常、タイムライン設定ウィンドウからアクセスできましたが、タイムラインメニューからもアクセスできるようになり、キーボードショートカットとしてマッピングできるようになりました。 6. ネストされたクリップのタイムラインクリップノートの表示 一番上のクリップにタイムラインクリップノートが含まれていないが、その下にネストされたセグメントにノードが含まれている場合、そのノートは一番上のセグメントにも表示されます。 7. デザイン性を向上させた新しい On/Off アイコン このリリースでは、プロパティのオンとオフを切り替えるために使用される「enabler」が、より一貫したサイズと新しい見た目になりました。これより、より使いやすいインターフェース、そしてオンとオフとが把握し易くなりました。 Media Composerのご購入のご相談、ご質問などはcontactボタンからお気軽にお問い合わせください。
NEWS
2022/07/14

Proceed Magazine 2022 販売開始! 特集:4π

ProceedMagazine2022号がいよいよ発刊です。今回のテーマは4π。4πという新たなキャンバスに描かれる音楽はどのようなものになるのか、音場のゴールとも言える4π音響空間をもつMIL STUDIO、そしてソナ中原氏による詳説技術レポートを通じて解き明かします。そのほか、ついに国内でもリリースとなった360 WalkMix Creator™️と、それを用いてmilet「Parachute」をプロデュースしたRyosuke "Dr.R" Sakai 氏のインタビューなど、いよいよ姿を現してきた制作メソッドにも注目です。2022年の制作をリードする情報が満載ProceedMagazine、さあ!皆さんもこのムーブメントをシェアしましょう! Proceed Magazine 2022 販売開始! 特集:4π 4π、その意味は音の環境の全てを制作のキャンバスに広げる日が来たことを意味します。そのキャンバスは耳を中心に上下左右360度に広がる球面上の音場、これがサウンドの世界の最終ゴールだと言われています。 従来の2chにおける高品質な作品の制作はこれからも発展していくに間違いありません。その中で、イマーシブ4πキャンバスは別の世界を描くことができる新たなる世界です。4πのキャンバスに何をどうやって描いていくのか・・・無限のイマジネーションが広がっていきます。 今後、イマーシブリスニング環境は多様な発展を遂げて作品の再現性が追求されていきます。今こそ制作者は未来のリスニングにも対応した作品を制作し、未来に展開できるフォーマットで記録を始めることになります。是非皆さん、今回特集も組んだ「MIL Studio」で未来のスタジオの一つの形をご体験ください。 Proceed Magazine 2022 全144ページ 販売価格:500円(本体価格455円) 発行:株式会社メディア・インテグレーション   ◎SAMPLE (画像クリックで拡大表示)   ◎Contents ★People of Sound Ryosuke "Dr.R" Sakai 氏インタビュー ★4π MIL STUDIO ~完全4π音響空間で描く新たな世界の始まり~ 360 Reality Audio + 360 WalkMix Creator ~全天球4πの世界をオブジェクトベースで描く~ ★ROCK ON PRO 導入事例 株式会社IMAGICAエンタテインメントメディアサービス 竹芝メディアスタジオ 専門学校ESPエンタテインメント大阪 株式会社東京サウンド・プロダクション ★History of Technologies Neumann ★ROCK ON PRO Technology Avid Creative Space「Studio C」 IP映像伝送規格NDI・SRT 株式会社イクシード OXSCAN 12Kで残すアナログの価値 iZotope RX 9 / しまモンの、だってわかんないんだモン!! ★Build Up Your Studio パーソナル・スタジオ設計の音響学 その25 特別編 音響設計実践道場 〜第六回 Focalのチーム力〜 ★Power of Music Three-Body Technology / ROTH BART BARON 三船雅也 プロの仕事場~金子寛史(株式会社fro-less) ★BrandNew Avid / LEWITT / Steinberg / SSL / ADAM WAVES / Antelope / Universal Audio / YAMAHA Positive Grid / Black Lion Audio / ZOOM / UJAM ★FUN FUN FUN SCFEDイベのイケイケゴーゴー探報記〜! 東京藝大音響研究室 ライブミュージックの神髄 ◎Proceed Magazineバックナンバーも好評販売中! Proceed Magazine 2021-2022 Proceed Magazine 2021 Proceed Magazine 2020-2021 Proceed Magazine 2020 Proceed Magazine 2019-2020 Proceed Magazine 2019 Proceed Magazineへの広告掲載依頼や、内容に関するお問い合わせ、ご意見・ご感想などございましたら、下記コンタクトフォームよりご送信ください。
NEWS
2022/07/01

【日本語ビデオ追加】Pro Tools 2022.6 リリース〜ワークフロー改善のための様々なUPDを実施

最新バージョンとなるPro Tools 2022.6が日本時間7月1日にリリースされました。有効な年間サポート/サブスクリプションをお持ちのユーザー様はAvidアカウントからダウンロード可能です。 Pro Tools 2022.6では、Dolby Atmosの書き出しに関連したワークフローやMIDIでの音楽制作での操作性を大幅に向上させる改善が施されたほか、待望のビデオトラックへのタイムコード・オーバーレイ機能、Sync Xのスタンドアロンモードなど、どのような分野であってもそのワークフローを劇的に加速する機能追加が行われています。 What’s New in Pro Tools 2022.6 Pro Tools 2022.6 – 新機能紹介 Pro Tools 2022.6 リリース情報 Pro Tools 2022.6 リリース・ノート Pro Tools システム要件 主な新機能 Dolby Atmosの改善 (Pro Tools Ultimateと Studio) Pro Tools 2022.6では、Dolby Atmosのワークフローがかなり速くなりました。Dolby Atmosのオフライン・バウンス・リレンダリング(チャンネルベースへのダウンミックス)機能を導入し、ADMバウンスにかかる時間を劇的に改善し、WAV ADM BWFファイルにリンクする機能を追加しました。 また、以前はできなかったダイアログ、音楽、FXなどのグループごとのステムミックスを書き出すことができるようになるなど、Dolby Atmosに関連したワークフローが大きく改善されています。 タイムコード・オーバーレイ (Pro Tools Ultimateのみ) タイムコードがビデオ・ウィンドウまたはハードウェア・クライアント・モニターに表示されるようになりました。これにより、制作者やエンジニアが映像を操作するときにセッションの位置を簡単に確認できます。 タイムコードは、バウンスされたQuickTimeファイルに含めることもできるので、レビュー用にファイルを渡し、ミックスの特定の部分について話し合う際に役立ちます。 センド・デフォルトをユーザー設定の値に 以前は、初期設定を使用して、新しいセンドがユニティー・ゲインか-∞で作成されるかを決定できました。センドを追加するときにすぐに試聴できるのは良いですが、ユニティー・ゲインだと大きすぎるケースもあります。今回のアップデイトでは、新しいセンドが作成されるときに使用されるレベルを任意に設定できるようになりました。 MIDIワークフローの改善点 タイムライン・グリッドをクオンタイズ値として使用可能に、MIDIクリップを編集ウィンドウでダブルクリックするとドック式MIDIエディタが開くように設定可能に、グリッド/ナッジ両方の値を同時に表示可能に、といったMIDI機能の改善も施されました。 大きな機能追加ではないかもしれませんが、スムーズなワークフローを実現する重要な要素ですね。 Pro Tools | Sync X スタンドアロン・モード SYNC HDで使用できていたスタンドアロン・モードがSync Xにも実装されました。Pro Tools 2022.6リリースに含まれるファームウェア・アップデートにより、Pro Tools | Sync Xにスタンドアロン・モードが追加され、Pro Toolsが起動および接続されていないときに自動的にアクセスできるようになりました。スタンドアロン・モードで変更を加えた場合、Pro Toolsの起動時にセッションで変更を反映できます。 今回の機能改善は、映画、ポスプロ、音楽制作、どのような分野のユーザーにとっても待ち望んでいたものではないでしょうか。Pro Toolsに関するお問い合わせ、システム構築のご相談はROCK ON PROまでお気軽にご連絡ください。 https://pro.miroc.co.jp/headline/protools-lineup-renewal https://pro.miroc.co.jp/headline/pro-tools-studio-ultimate-get-current-promotion
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2022/06/28

【どう違う?】 Dolby Atmos Musicと 360 Reality Audioの4つの違い

News!360VMEのプロファイル測定サービス実施中!詳細はこちらをご確認ください。 News!360 Reality Audio クリエイター向け最新情報はこちらに随時追加中!あわせてご確認ください。 2021年、Apple Musicが空間オーディオに対応し大きな話題となりましたが、以降、Dolby Atmo Musicや360 Reality Audioといったイマーシブフォーマット対応の音楽コンテンツが続々とリリースされ続けています。これらのフォーマットは2022年6月現在、Apple Musicをはじめ、TidalやDeezer、Amazon Music HDといったストリーミングサービス等で楽しむことができますが、そろそろ「自分の作品もイマーシブ化してみたい!」という方も増えてきたのではないでしょうか。「いざやってみよう!」と思い立ったみなさんが気になるのが、「Doby Atmos Musicと360 Reality Audioってどう違うの?」という部分だと思います。本記事で2つのフォーマットについて、それぞれの歴史、イマーシブへのアプローチ、制作ツール、そして対応している音楽配信サービスという4つの観点から比較してみたいと思います。 1.歴史の違い 〜映画音響からスタートしたDolby Atmos、新たな音楽体験を目指した360 Reality Audio〜 まずは両者の開発スタートの経緯を見ていきましょう。 Dolby Atmos Music → 元々は映画音響として開発スタート 360 Reality Audio → 開発当初より新たな音楽体験を志向 Dolby Atmosは2012年、映画音響向けのイマーシブサラウンド規格として誕生しました。現在でも多くの映画作品における音響制作は5.1chサラウンドのフォーマットが用いられるケースが一般的ですが、7.1chや9.1chと平面上に配置するスピーカーを増やすことで、より臨場感、立体感のあるサウンドが追求されてきました。これにより、前後左右の音像定位は自由度がが高まっていったわけですが、さらなるリアリティ、没入感を求めたDolbyは天井にもスピーカーを配置することで、高さ方向の音像定位を再現できるDolby Atmosを開発しました。かくして最初は映画館向けとして開発され、その後Xboxなどのゲーム機や民生のオーディオプレーヤー、スマートフォンなど様々なデバイスにDolby Atmosの技術が搭載されていくなかで、ミュージシャン達からの要望もあり、2020年のCESでDolby Atmos Musicが発表されました。 一方、2019年のCESで発表された360 Reality Audioは、業務用/民生問わず、長年に渡りハイグレードなオーディオ機器を開発してきたソニーの要素技術から誕生しました。公式サイトによると「360 Reality Audioとは、ソニーの360立体音響技術を用いた新しい没入感のある音楽体験」とされています。つまり、はじめから新しい音楽体験を作り出すことを目標に開発された経緯があり、元々映画音響からスタートしたDolby Atmosとは少し出発点が違います。 2.イマーシブへのアプローチ方法の違い 〜チャンネルベースとオブジェクトベース〜 上述した開発経緯の違いが具体的に現れているのが、両者のイマーシブへのアプローチ方法の違いです。 Dolby Atmos Music → チャンネルベース(ベッド) とオブジェクトベースのハイブリッド(最大7.1.2 Bed + 118 Object) 360 Reality Audio → 完全オブジェクトベース (最大128 Object) Dolby Atmosは、チャンネルベースとオブジェクトベースという2種類の方式が組み合わされているのに対し、360 Reality Audioは完全オブジェクトベースとなっています。 チャンネルベースでは、従来のステレオ2chや、平面サラウンドの5.1ch、7.1ch、イマーシブサラウンドの5.1.2chや7.1.2chなど、あらかじめ定められたスピーカー配置からの出力を想定してミキシングを行い、チャンネルごとの音声を完成させていきます。ちなみにこの時、各スピーカーから出力される信号のことを“Bed(ベッド)”と呼びます。それぞれの音像はスピーカーチャンネルに対して固定されるため、後からチャンネル数を変更したいとき、チャンネル数が減る時はダウンミックスという方法を使用し、チャンネル数が増える時は、再度ミキシングする必要があります。 オブジェクトベースでは、3次元のパンニング情報などをもつメタデータをオーディオとともに記録・伝送し、再生デバイス側でそれらを再生環境のチャンネルフォーマットに合わせてデコードを行います。これは3次元空間内を縦横無尽に動き回るような、点音源(ポイントソース)の再生に適した方式です。これを行うためには、再生デバイス側がその規格の再生に対応していることが前提となってきますが、再生環境ごとのチャンネルフォーマットの違いを、いわばデコーダーが吸収するような形となるので、一定のクオリティが担保されるという大きなメリットがあります。 Dolby Atmos Musicでは最大でBed 7.1.2ch + Object 118ch = 128chのトラックを使用することができ、360 Reality Audioはフルオブジェクトで128chのトラックを使用することができます。 従来の映画音響制作からチャンネルベースの流れを引き継ぎ、さらにオブジェクトベースを組み合わせることでイマーシブ音像を作るDolby Atmosと、新たな音楽体験 = 4π(全周)を360度、自在に動き回るオブジェクトベースでカバーする360 Reality Audio。下の画像を見てもわかる通り、Dolby Atmosは半球上に音像を定位できるのに対し、360 Reality Audioは全球上に音を配置させることが可能です。この球体の下半分 = "南半球"の有無も一つの大きな違いです。 ↑Dolby Atmosは"北半球"のみ=耳の高さより上側に音を配置可能(画像クリックで拡大) ↑360 Reality Audioでは"南半球"を含む4π空間上に音を配置可能(画像クリックで拡大) 「じゃあ、制作時のスピーカー配置はどうなるの?」と思った方は、こちらの導入事例をぜひご参照ください。従来のDolby Atmos向けスピーカー配列にボトム3本を追加し、360 Reality Audioの制作にも対応したソニーPCL株式会社様での事例です。 >>Sound on 4π Part 4 / ソニーPCL株式会社 〜360 Reality Audioのリアルが究極のコンテンツ体験を生む〜https://pro.miroc.co.jp/solution/sound-on-4%cf%80-360ra-part-4/ https://pro.miroc.co.jp/solution/sound-on-4%cf%80-360ra-part-4/ 3.専用制作ツール(プラグイン)の違い 〜Dolby Atmos Dolby Atmos Renderer、360 WalkMix Creator™️〜 Dolby Atmos、360 Reality Audioには下記の通り、それぞれ専用の制作ツールとなるプラグインが存在します。ただし、Cubase ProやNuendo、Logic ProではDolby Atmosの納品向けADM BWAVファイルの書き出しを行うことができるので、Dolby Atmos Dolby Atmos Rendererの購入は必ずしも必要というわけではありません。 Dolby Atmos Music → 対応DAW単体またはDAWとDolby Atmos Dolby Atmos Rendererの組み合わせ 360 Reality Audio → DAWと360 WalkMix Creator™️ プラグインの組み合わせ ◎Dolby Atmos Dolby Atmos Renderer Dolby Atmos Musicの納品時には通常、1つ以上のDolby Atmosマスターファイルの提出が必要となります。Dolby Atmos Rendererに含まれるソフトウェアを使って書き出すことができるマスターファイルは以下の3種類です。(納品時に必要なファイルに関しては各種配信サービスによって異なりますので、詳細はそちらでご確認ください。) .atmos ファイルセット – .atmos、.atmos.audio、.atmos.metadata ファイルで構成 ADM BWF – .wav ファイル IMF IAB – .mxf ファイル (ポストプロダクション利用のみ) このDolby Atmos RendererはAVIDストアより購入可能です。 https://www.avid.com/ja/plugins/dolby-atmos-production-suite Dolby Atmos Renderer使用方法解説動画はこちら   ◎360 WalkMix Creator™️ 360 Reality Audioの制作には、現在360 WalkMix Creator™️というプラグイン必須です。主要なDAWのほとんどに対応していますしていますのでご安心を(詳細こちら)。こちらは弊社輸入事業部オンラインストアやRock oN Line eStoreでもご購入いただけます。 ・Rock oN Line eStore販売ページ:https://store.miroc.co.jp/product/77346 ※以前は360 Reality Audio Creative Suite(360RACS)という名称であったため、初期の弊社コンテンツでは360RACS表記となっている場合がございます。   4.対応している配信サービスの違い(2022年6月現在) 2022年6月現在、それぞれのフォーマットでの配信に対応している音楽ストリーミングサービスは以下の通りとなっています。 Dolby Atmos Music → Apple Music、Amazon Music HD、Tidal HiFi Plus、nugs.net Hi-Fi Streaming 360 Reality Audio → Amazon Music HD、Tidal HiFi Plus、Deezer HiFi、nugs.net Hi-Fi Streaming 詳しい試聴方法についてはこちらの記事シリーズをご参照ください。 ◉360 Reality Audio クリエイター向け最新情報はこちらに随時追加中。入門編はこちらから。 本記事では、Dolby Atmos Music及び、360 Reality Audioの違いについて説明しました。これらに関する情報は、弊社WEB上のHeadline>>3D Audioタグで一括表示可能です!イマーシブミキシングのノウハウがまだまだ模索段階にある今だからこそ、多くの発見もあり、楽しいタイミングだと思います。ROCK ON PROはそんな新時代の音響制作にチャレンジするクリエイターのみなさまを全力でサポートします!お問い合わせは下記コンタクトフォームよりお待ちしています。 <関連記事> https://pro.miroc.co.jp/headline/360ra-news/ https://pro.miroc.co.jp/headline/360ra-info-2022/ https://pro.miroc.co.jp/headline/sound-on-4%cf%80-proceed2021/ https://pro.miroc.co.jp/headline/360ra-info-2022/ https://pro.miroc.co.jp/headline/dolby-atmos-info-2022/ https://pro.miroc.co.jp/solution/sound-on-4%cf%80-360ra-part-1/
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2022/06/27

映像編集におけるカラースペースの重要性 〜簡単に正しい色を見る方法〜

唐突ですが、あなたは映像編集に使うモニタの色、気にしてますか? 今回は正しい色で映像編集を行う方法をご紹介します。 映像編集におけるモニターディスプレイの重要性 映像編集といえば、テレビや映画産業が全盛だった時代、テレビはビデオカメラで収録、そして映画はフィルムカメラで撮影し、その後はどちらもポストプロダクションにある編集室を使って編集をすることが当たり前でした。それ故、ほとんどのポストプロダクションには、マスターモニタと言われる「正確な色」を表示できるデバイスがあり、決められた放送基準に適合した映像を制作することができます。 現在は、YouTubeや、Netflixなどのオーバーザトップコンテンツ(OTT)、Web広告、デジタルサイネージなど、テレビ以外で動画コンテンツを目にする機会も大幅に増え、動画を制作する際、さまざまな事情から、必ずしもポストプロダクションで作業をするとは限らなくなってきています。つまり、色をきちんと管理する環境が整っていなかったり、専門のエンジニアが不在だったりする状況下で、映像制作せざるを得ないという場面が増えつつあるということです。そういった中、自分が制作する映像の色を正しく表示しながら編集し、確認するには一体どのようにしたらいいのでしょうか。いくつかのポイントを説明したいと思います。 コンピュータ単体で編集すると、何が問題なのか? 〜同じ色域でもガンマ値が異なる〜 最近の映像編集には、コンピュータを使用するため、必ずコンピュータモニタを使用します。ほとんどの人がお使いのコンピュータディスプレイのカラースペース(色域)はsRGBですが、一般的なビデオ編集ソフトでは、ビデオカラースペースで編集を行っており、画像をビデオ規格であるBT.709で表示しています。そうなると、BT.709のカラースペースのものをsRGBのモニタで確認することになるため、モニタリング時の色問題が発生します。もちろん、見た目はかなり近いですが、そのまま作業すると、編集時の色と仕上がった映像の色にどうしても違いが生じてしまいます。 この時実際にどのような違いが生じているのでしょうか。ビデオのカラースペースはITU-R BT.709(国際電気通信連合)なのに対し、コンピュータディスプレイはsRGBです。sRGBはBT.709をもとに1999年IEC(国際電気標準会議)で標準化された色空間です。図1にあるように、BT.709とsRGBの三角形は全く同じですが、同じ色域でもガンマが異なり、BT.709はガンマ2.4、sRGBはガンマ2.2です。コンピュータモニタ上で編集を行うということは、BT.709からsRGBへの変換が生じ、主に色の明るさとシャドウ部分のディティールに差が出てしまいます。これは編集アプリケーションの問題ということではなく、単にsRGBのモニタでは本来のBT.709を表示することはできないということです。 図1 各規格が表示できる色域(CIE1931色空間上) この馬蹄形の図は人の視覚をモデル化したもので、内側の三角形はそれぞれの規格を配置し、その三角形の中にある色のみが各規格で表示できる色になっています。 DCI-P3とは、米国の映画制作会社で構成されるDigital Cinema Initiatives(DCI)で定められたデジタルシネマ規格で、映画撮影に使われるカラーフィルムの色域に対応し、広範囲の色域を表現できます。BT.2020は、2018年12月に放送開始となった4K放送で使用されている規格です。DCI-P3よりもさらに現実に近い色を再現できることができます。 また、最近のコンピュータディスプレイ(MacのRetinaディスプレイやHPの DreamColorディスプレイ)などは、sRGBやDisplay P3、その他の広色域をカバーしているものも多いため、問題ないと思いがちですが、さまざまな色域をカバーするようになったモニタには、ColorSync(Mac)やColor Management (Windows)などのOSに組み込まれているモニタプロファイルが介在するため、正確なモニタリングができていると言い切ることはできません。 例えば、プレビュー画面としてセカンドモニタを用いて、PCからDisplayPortまたはHDMIを経由してモニタリングをさせることがあります。ケーブル1本でつなげて、コスト面でも魅力的ですが、以上の理由により、これも厳密には正しい色を表示することはできていないのです。 ポイント1 〜映像用のインターフェースを利用しよう!〜 図2 編集ソフトからビデオI/Oを経由して映像を出力することで的確な色を表示できる こういった問題を解決するためには、Blackmagic Design Davinci ResolveやAVID Media Composerのようなビデオ編集ソフトのアウトプットをビデオインターフェースを介し、ビデオ信号にして表示することが一番確実なのです。 Avid Artist DNxID Avid Artist DNxIP Blackmagic Design UltraStudio Monitor 3G そして、そのアウトプットを確認するには、BT.709や、必要であれば今どきの規格(BT2020やDCI―P3など)をカバーすることができるキャリブレーション可能なマスターモニタまたはリファレンスモニタが必要です。 EIZO ColorEdgeシリーズ Blackmagic Design SmartView 4K ポイント2 制作環境・視聴環境の明るさにも注意! 図3 人間の目は周囲の明るさに影響される また、視聴する環境と制作する環境の明るさにも気を使いましょう。図2をご覧ください。左下の黒が一番暗く、右上の白が一番明るく見えていませんか。実は、この一番下の黒は全て同じ暗さであり、一番上の白も全て同じ明るさです。人間は明るさを周囲の状況に応じて判断するためにそのように見えてしまいます。周囲が暗いと、より明るく見え、周囲が明るいと、少し暗く見え、その見え方は対照的です。できるだけ、視聴する環境に近いライトの下で確認することも重要なポイントです。 コンピューターから高品質な音声を入出力するためにオーディオインターフェースが存在するのと同様に、映像の入出力用にもビデオインターフェースが存在します。加えて、編集する環境の明るさにも充分に気を使い、編集中の色と書き出し後の色に差異が出ない様に注意しましょう。
NEWS
2022/06/24

GLM4.2国内提供開始!モニターキャリブレーションは新次元へ

モニタースピーカーの自動キャリブレーションシステムとして15年もの歴史を持つ、GLMの最新バージョン『GLM 4.2』の国内での提供が開始されました。こちらのフォームに必要事項をご記入いただくことで、無償でダウンロードすることが可能です。 GLMとは フィンランドのスピーカー・ブランド、Genelecが開発するGLMは、スタジオ・モニターのセットアップ/キャリブレーション/コントロールを一括して行うことのできるマネージメント・ソフトウェアです。 内部にDSPを持つスタジオ・モニターシリーズ「SAM(Smart Active Monitor)」システムと密接に連携することによって、レベル、ディレイ、周波数応答を正確にキャリブレーションできるGLMソフトウェアは、世界中の放送局、スタジオ・エンジニア、クリエイター/ DJの皆様から業界標準として現在に至るまで高くご評価されています。The Onesシリーズ、SAM Compactシリーズのモニタースピーカーで使用することが可能です。 GLMについての詳細はこちら>> GKM 4.2新機能 ルーム・アコースティック・レポート『GRADE』 リスニング・ルームとモニタリング・システムのパフォーマンスを詳細に分析したレポートを作成し、ルーム・チューニング、モニター配置、リスニング・ポジションの微調整や、ベース・マネージメントの最適化を効果的に行うために必要な情報を提供するパワフルなレポート作成ツール『GRADE™(Genelec Room Acoustic Data Evaluation)』が追加されました。 最先端の自動キャリブレーション・アルゴリズム「AutoCal 2」を搭載するGLM 4.2では、そのキャリブレーション・プロセスで得た情報に基づき、リスニング・ポジションでの周波数応答の精度や時間軸で変化する音響的な特性、到達時間の精度、初期反射、室内音響分析など、様々な変数を分析してレポート化する機能です。 GRADE™についての詳細はこちら>> MIDIリモートへの対応 GLM 4.2では、MIDIによるハードウェア・コントロール機能を大幅に強化。ボリューム調整、システムのMute、およびDim、レベル・プリセット、ベース・マネジメントのバイパス、グループ・プリセットの選択といった主要なGLMの機能を、MIDIで直感的にコントロールすることが可能になりました。 26項目を超える機能改善 GLMは、キャリブレーションのみならずモニターの管理からコントロールまで一括して行うことのできるソフトウェアです。GLM 4.2ではモニタリング作業効率を大きく向上させる様々な機能を実装および改善。26項目を超える改善点、9つの修正点により、GLMはより強力なモニタリング・ソリューションへと進化を遂げています。 主な改善点 測定スイープの出力前に追加された「測定準備(Preparations for Measurements)」ページの表示 モニター・ステータス・インジケーターの改善 製品登録方法の改善 新機能キャリブレーション・グループID 新機能サブウーファー・グループID テストコントロール機能の追加 Phase Alignコントロールを追加 アダプティブ・ウーファー・システムの位相調整のペアリング設定を追加 工場出荷時へのリセット機能の追加 9301A LFEチャンネルの割り当て設定の改善 SoloおよびMute機能の改善 グループ・プリセットのツールチップ機能の追加 ルーム・レスポンス・キャリブレーションのステータス情報 グループ・プリセット名の文字数制限の変更 グループ名のラベルの追加 マルチ・ディスプレイ使用時の改善点 グループ設定での確認ダイアログの表示 アコースティック・エディターでの確認ダイアログの表示 イマーシブ・システム・レイアウトの追加 その他の機能改善、各アップデートの詳細はこちら>> システム要件 ●Cloud AutoCal 2を使用する場合:Windows 10(64bit)、mac OS 10.11 – 12.0.x(Intel CPU)、mac OS 11.0 - 12.0(Apple Sillicon CPU、要Rosetta)●Local AutoCalパッケージを使用する場合:Windows 10(64bit)、mac OS 10.11 – 12.0.x(Intel CPU)●ディスクスペース:2GB以上●インターネット接続:次の動作には、要インターネット接続 (1) ソフトウェアのダウンロード (2) Cloud AutoCal 2を使用するキャリブレーション* (3) Local AutoCalパッケージを最初使用する際のマイク・キャリブレーション・ファイルの自動取得 注:今回、新機能が追加された「AutoCal 2」はクラウド上でのみの実行となるため、キャリブレーション等を行う際にもインターネット接続が必須となります。インターネットに接続されていない環境にてGLMを使用する場合は、ダウンロード・ページより別途「Local AutoCal」をインストールしてご利用ください。 使用可能なSAM™システム(生産完了品含む) ●8200モニター・ファミリーを含むSAM™モニター・モデル:8240A、8250A、8260A、●8300モニター・ファミリー:8320A、8330A、8340A、8350A、8331A、8341A、8351A、8351B、8361A、W371A●8400モニター・ファミリー:8430A●1000&1200モニター・ファミリー:1032C、S360A、1237A、1238A、1238AC、1238CF、1238DF、1234A、1234AC、1235A、1236A●SEシステム:SE7261Aサブウーファーと併用した場合の8130A●7200ファミリー:7260A、7270A、7271A●7300ファミリー:7350A、7360A、7370A、7380A、7382A ※それぞれのモデルにより、対応する機能が異なります。 ※GLMソフトウェアの使用には、GLM Kit (8300-601)およびSAM™スタジオモニターが必要です。 室内音響調整は大きな話題となって久しいモニタースピーカー市場。15年以上にわたる知識と経験を基に更に進化を続けるGenelec GLMソフトウェアとSAMシステム、AutoCalアルゴリズムは常に時代を先導します。強化されたGLMソフトウェアにより、The Onesシリーズ、SAM Compactシリーズ(8320APM、8330AP等)等の魅力はさらに高まります。 モニタースピーカーの選定・デモのご要望、音響システム設計に関するお問い合わせは、ぜひROCK ON PROまでお寄せください!
Support
2022/06/17

Pro Tools | Carbon 付属 Pro Tools Studio 年間サブスクリプション(永続パラシュート付き)のライセンス更新について

AVID Pro Tools | Carbonには、Pro Tools Studio(旧 無印Pro Tools)”年間サブスクリプション版(永続パラシュート付き)”が標準で付属しています。更新の時期が近づいている、あるいは既に期限切れとなってしまっており、Pro Toolsを最新版にアップデートするために「どのライセンスを選べばいいか分からない!」と迷われている方も多いのではないでしょうか。本記事ではCarbonに付属のPro Tools を継続的に使用する場合のライセンスの選択をご利用パターンに応じて解説いたします。 ※1 Carbonの初回登録時に、「新規サブスクリプション」か「既存(既に別途購入済み)の永続版ライセンスの更新」かを選択されていると思います。本記事は前者の「新規サブスクリプション」を選択された方向けの内容となります。 ※2 また、Carbonは2021年にPro Tools Ultimate永続ライセンス付プロモが実施されていますが、その時に提供されたPro Tools Ultimate永続ライセンスは上記のCarbonに本来付属しているPro Toolsとは全く独立して使用/プラン継続可能なものです。つまり、プロモ時にCarbonをご購入したお客様は、Pro Tools StudioとPro Tools Ultimateの2つのライセンスを所有していることになります。この2つのライセンスを混同されないようにご注意ください。(Pro Tools Ultimate永続版の年間プラン更新はこちら) 1. サブスクリプションを更新する場合 「常に最新版を利用できる状態をキープしておきたい!」という場合は、有効期限が切れる前にCarbon付属ライセンス用のサブスクリプション更新を行なってください。この場合、各種特典プラグイン等も継続してご利用可能です。 最新のPro Tools Studioで常に作業が可能です。 HEAT、Avid Complete Plugin Bundle、Synth Cell、 Groove Cellを継続して使用できます。 Inner Circle 特典も継続されます。 サブスク更新の際の製品型番は以下となります=この場合、更新後も「永続パラシュート機能付き」を維持できます。 製品名:Pro Tools | Carbon ™PT Software Renewal (9938-31063-00) Rock oN Line eStore 購入ページ:https://store.miroc.co.jp/product/74584 2. サブスクリプションを更新しない場合 >> 永続パラシュート状態へと移行します 「今のバージョンで必要十分!(※)」という方は、何もしなければそのまま永続パラシュート状態へと移行します。一般に販売されているサブスクリプション版は、有効期限が切れるとライセンスが無効となり、Pro Toolsが起動できなくなってしまいますが、Carbonに付属するPro Toolsライセンスは最後のバージョンで引き続き使用可能です。これが"永続パラシュート"と呼ばれている理由ですね。ただし、下記の通り、各種特典プラグインは使用できなくなってしまいますので、「それでは困る!」という方は更新をお忘れなく。 Pro Tools Studio サブスクリプションの有効期限が切れた時点のバージョンで「凍結」されますが、その状態で引き続き使用可能となります。 HEAT、Avid Complete Plugin Bundle、Synth Cell、 Groove Cellは使用できなくなります。 Inner Circle特典も無効となります。 一度、永続パラシュート状態となった後も、必要時に下記型番のPro Tools | Carbon ™PT Software Renewalをお求めいただくことで最新版入手、並びにHEAT、Avid Complete Plugin Bundle、Synth Cell、 Groove Cell、Inner Circle特典を入手することも可能となります。 製品名:Pro Tools | Carbon ™PT Software Renewal (9938-31063-00) まとめ 1. サブスクリプションを更新する場合 >> Carbon付属ライセンス用のサブスクリプション更新を購入することで、Pro Toolsの最新バージョンや各種特典プラグイン、Inner Circle特典を引き続き利用可能。 2. サブスクリプションを更新しない場合 >> "永続パラシュート"状態へと移行。各種特典プラグイン、Inner Circle特典は使用不可に。※ただし、上記Carbon付属ライセンス用のサブスクリプション更新を購入することで、再度サブスクリプションが有効になり、各種特典も利用可能に。 上記のように、Carbonに付属のPro Toolsの場合、プラグインや特典の使用権の差異こそあれ、基本的にはどのような選択をなさっても、Carbonハードウエア自体を利用できなくなるといった心配はございませんのでご安心ください。 Carbonのライセンス更新に関して、ご不明な点などございましたら、下記コンタクトフォームよりお気軽にお問い合わせください。
3D Audio
2022/06/17

360 Reality Audio 制作ツールが6/20(月)国内販売開始!ワークフロー解説ウェビナーも開催!

これまで、ROCK ON PRO WEB サイトや Proceed Magazine でも紹介している 360 Reality Audio。下方向を含む完全な球面音場を持ち、次世代のイマーシブ音楽フォーマットとして注目を集めるこの 360 Reality Audio を制作するためのアプリケーションである 360 WalkMix Creator™️(旧:360 Reality Audio Creative Suite)を、2022年6月20日より弊社 メディア・インテグレーション MI 事業部が代理店として国内販売を行うことになりました。 国内発売決定記念オンラインセミナーを6/23(木)に配信! https://www.minet.jp/contents/event/360-reality-audio-workflow-yujiro-yonezu/ 開催概要:2022年6月23日(木)19:00-19:45(予定) 場所:Youtube Liveにて配信 *ご予約特典あり 予約URL等詳細はこちらのページをご確認ください https://www.minet.jp/contents/event/360-reality-audio-workflow-yujiro-yonezu/ 360 Reality Audio のための制作ツール『360 WalkMix Creator™️』 360 WalkMix Creator™️はVST3、AAX、AUに対応したプラグインとして動作し、360 Reality Audio フォーマットの作品を全ての主要なDAWで制作可能にします。 360 WalkMix Creator™️では、このプラグインがインサートされたすべてのトラックをひとつのプラグインウィンドウ上でまとめて操作をすることが可能。さらに、球面に配置されたオーディオオブジェクトを直接ドラッグして直感的なミックスを可能にしています。 360 WalkMix Creator™️はモニターシステムが整ったスタジオに限らず、ヘッドホン・モニタリングでも制作可能。パソコンとヘッドホンがあれば楽曲制作に没入できます。 また最新バージョン V1.2からは、作品の納入フォーマットでの出力ができるエンコーダーを搭載。ついに360 Reality Audio 制作環境が整いました。 360 WalkMix Creator 販売価格:64,900円(税込) 国内発売日:2022年6月20日 Rock oN Line eStoreで購入!>> 製品特徴 ・オブジェクトのグループ化 ・最大128のオブジェクトを360度の全天球上に配置 ・トラックオートメーション ・オブジェクトの3D配置 ・オブジェクトの自動分析機能 ・オブジェクトの直感的操作 ・スタンダード・エクスポート・フローでのMPEG-H (.MP4) での出力機能搭載(納品フォーマットでの出力機能) ・Focusビューでのフェーダー及びメーター視認性の向上 ・パラメーターのネーミングの改善 ・7.1.2 トラック・インポートの適正化 メディア・インテグレーション360 WalkMix Creator™️ブランドページ メディア・インテグレーション360 WalkMix Creator™️製品ページ 360 WalkMix Creator™️ メーカー公式WEBサイト 360 Reality Audio とは!? そもそも、360 Reality Audio、イマーシブオーディオとはなんぞや!?ということを知りたい方は、ぜひ以下のROCK ON PRO WEB過去記事、Avid Creative Summit 2021 アーカイブをご覧ください!いくつかの名称や機能などが記事制作時点のものではありますが、360 Reality Audio によって広がる新しいサウンドの世界がイメージできる内容になっております。 https://pro.miroc.co.jp/headline/nagoyageidai-proceed2021-22 https://pro.miroc.co.jp/works/360studio-proceed2021-22 https://pro.miroc.co.jp/solution/sound-on-4%cf%80-360ra-part-1 https://pro.miroc.co.jp/solution/sound-on-4%cf%80-360ra-part-2 https://pro.miroc.co.jp/solution/sound-on-4%cf%80-360ra-part-3 https://pro.miroc.co.jp/solution/sound-on-4%cf%80-360ra-part-4 水平面よりも下方向を含んだ、真の360°/4πオーディオ空間を実現する 360 Reality Audio。その制作を誰もが手軽に行える日が、いよいよ近づいています。360 Reality Audio をはじめとしたイマーシブサウンド制作システムに関するお問い合わせは、お問い合わせフォームからROCK ON PRO までお気軽にご連絡ください。
Tech
2022/06/07

株式会社イクシードが展開する8K overフィルムスキャンサービス 〜OXSCAN 12Kで残すアナログの価値〜

歴史ある都内有数のポストプロダクションである株式会社イクシードが、2022年より新たに8K overの解像度を持つ映像のデジタイズ、グレーディング、レストアのソリューションを、プラサド社とパートナーシップを組みスタートさせた。ハリウッドでのフィルムレストア、VFXなど様々な分野で高い実績を持つプラサド社。そしてプラサド社の傘下であるデジタルフィルムテクノロジー(DFT)社のフィルムスキャナー、イクシードが持つフィルムの取り扱いのノウハウ、グレーディングのソリューション。そのシステムの全貌とどのようなサービス提供を考えているのかお話を伺った。 8K overのデジタイズサービス はじめに、なぜこの記事内で「8K over」という表現をしているのか?ということを説明したい。まず、高解像度のデータがあれば、それ以下の解像度への変換時に基本的にはロスは生じない。できる限り高い解像度を保ったままデータ処理をすることの有用性は、改めて説明をするまでもないだろう。そして、今回プラサド社とのパートナーシップによりイクシードに設置されたOXSCAN 12K(デジタルフィルムテクノロジー(DFT)社製) は、センサーとしては12Kの解像度を持っている。この12Kでのスキャンエリアはパーフォレーションを含んだものであり、有効画面として純粋に12Kの解像度が担保されるものではないが、様々なフォーマットがあるフィルム媒体への対応のためには必要なことでもある。実際のところ、OXSCAN 12Kでは16mm、35mmのフィルムともに有効面の解像度は8Kを超える画素数を得ることができる。そのためここでは「8K over」という表現を使わせていただいている。 このOXSCAN 12Kで取り込まれたデータは色深度16bit-logであり、RAWデータの状態で1フレームあたり500MBというデータ量を持つ。24fpsで換算すると1秒あたり12GBというデータ量だ。解像度の高さもさることながら、16bit-logで色情報を捉えることができるこのシステムは、まさに世界最高峰のスキャナーと言って過言ではないだろう。そこで捉えたデータは、さすがにそのまま触るということではなく、プロキシデータを生成して作業を行っているということだ。最初に1フレーム500MBと聞いた際には、どのような巨大なサーバーシステムが裏に構えているのか?と思ってしまったところだが、データ容量としては膨大となるものの一般的なNASストレージ(10GbE接続)で動作させているということだ。ここで捉えたデータにトリミング、グレーディングといった作業を施し、顧客の必要とするデータ形式での納品が今後行われる。旧作品のアーカイブであれば必要に応じてレストアも対応していくということだ。 ソフトウェアとしては、Blackmagic Design Davinciを中心にシステムアップが行われていたが、更に高度な処理を行うということであれば、プラサド社とのパートナーシップを活用してハリウッドでの作業なども見据えるなど、そのサービスは広がりを持つものとなっているという。 デジタルではたどり着けないアナログの残し方 フィルムでの映像作品が映像のメインストリームから消えて20年近くが経過しようとしている。保管状況にシビアなフィルムが経年で劣化してしまう前に、高解像度でアーカイブを行う最後のチャンスに差し掛かっているとも言える状況だ。後世に作品をマスタークオリティーで残すためにこの8K overのデジタイズサービスは価値があり、これまでにHD解像度でデジタイズされた作品も改めて更に高い解像度で残すべきだとお話をいただいた。 📸左よりお話をお伺いした株式会社イクシードのカラリスト田嶋氏、プラサド社の中西氏、イクシード代表の中野氏。 フィルムの持つ解像度がデジタルとしてどれほどのものになるのか?これには様々な意見があるだろう。しかし、長期的に見て今の時点で考えうる最高の解像度で作品を残すということには価値がある。これには異論は無いだろう。実際にデジタイズされたデータを85インチの8K モニターで見せていただくとフィルムの粒子が見える。この表現が正しいかはわからないが、粒状感のあるフィルムならではの質感を保ちつつ、ピントのピーク一つ一つに製作者の意図を感じる。もちろん、フィルムならではのダイナミックレンジ、色味などの情報も如実に反映される。あとからデジタル処理として粒状感を加えたり、グレーディングで似せたものものでは決してたどり着けないアナログの良さがしっかりと残っていた。 昨今、ハリウッドではデジタル撮影された作品をキネコ(※)してデジタイズし直すという手法も行われているとのこと。本物のフィルムならではの質感を得るために、あえてこのような工程も手段の一つとして生まれているそうだ。もちろん、予算さえ許せば当初よりフィルムで撮影するということも行われている。イクシードでは過去作品のアーカイブのみならず、新撮作品のデジタイズもサービスとして積極的に行っていきたいということだ。ピントがシビアだ、などと言われる8Kデジタル撮影だが、フィルムで撮影してからの8Kデジタイズであればアナログ的なにじみが逆に味として残る。撮影の負担も軽減されるので手法の一つとして考えられるのではないだろうか。 ※キネコ:デジタルの映像作品をフィルムに焼き付ける作業、機械。Kinescope。 この8K overのデジタイズソリューションにより、どのような作品が生み出されていくのか?過去の作品が未来へとどのようにつながっていくのか?国内初となるOXSCAN 12K、今後どのように活躍の場を拡げていくのかその動向から目が離せない。 株式会社イクシード 2000年9⽉に映像ポストプロダクションとして設⽴。数多くの映像作品(CM、企業 VP、プロモーションビデオ、ミュージックビデオ、映画)に携わっており、様々な業務(撮影、編集(オフライン編集、オンライン編集)、カラーグレーディング、MA、各種マスタリングサービス)を提供している。 プラサド デジタルリマスター制作におけるトータルサービスをグローバルに提供するプラサド社。フィルム保存、16mm、35mm、65mm、IMAX シアター及び、2K、4K、8K、12K までの解像度のフィルムスキャン、デジタルレストア、クオリティーチェック、メタデータ管理など、ハリウッドでも⻑年サービスを提供している。
NEWS
2022/06/03

先進的プラグインメーカーSOUND PARTICLES社から新製品が発売!

コンピュータ・グラフィックの概念とパワーを音響の世界に持ち込み、先進的なプラグインを精力的に開発する新興ブランドSOUND PARTICLES。ドップラー効果やパン・オートメーションを半自動で付加するものや、スマートフォンを3Dパンナーとして使用できるようにするものなど、秀逸なアイデアと着眼点でその動向が注目されているメーカーです。 そのSOUND PARTICLESから新たな製品『Density』が登場。さらに、このDensityを含む待望のバンドルライセンス『6FX』もリリース!ほとんどの製品が、チャンネルベース・サラウンド、Ambisonics、Dolby Atmosといったイマーシブ出力を持っていることも注目です。 詳細はこちら>>(国内代理店WEBサイト) モノ音源からアンサンブルを生み出す!? 入力信号から多様なレイヤーを作成するプラグイン Densityは、独自のグラニュラー技術を使用して、入力信号からピッチ、ディレイ、パンニングを自動で付加した信号を新たに生成することで、サウンドのレイヤーを作り出すプラグインです。ソロ歌唱のトラックから、二声のハモリや合唱のようなアンサンブルを作り出すことも可能。さらに、極端なパラメーター設定にすれば、クリエイティブな音響効果を創造することもできます。 ステレオ、5.1、7.1、ambisonics、バイノーラル、Dolby Atmos互換…様々な出力フォーマットに対応しており、ちょっとしたお遊びから本格的なイマーシブ制作までおこなうことができそうです。 発売記念イントロ・セール実施中! この『Density』と、同社初のバンドル・ラインセンス『6FX』の発売記念セールが実施中!要注目メーカーの実力を試す絶好の機会です。 キャンペーン締め切りは2022年6月25日(土)です! SOUND PARTICLES / Density 通常価格:¥14,850(税込) イントロ特価:¥12,100(本体価格:¥ 11,000) Rock oN Line eStoreで購入>> Density - デンシティは、入力音声から多様なレイヤー(層)を作り出すプラグイン。ステレオからイマーシブまで仕様を問わず、簡単に素晴らしい処理結果が得られます。例えばソロ演奏のファイルを元に、信じられないサウンドのアンサンブルを生成。音源の挙動と共に、驚くような空間性も加えられます。 SOUND PARTICLES / 6FX 通常価格:¥59,950(税込) イントロ特価:¥47,850(本体価格:¥ 43,500) Rock oN Line eStoreで購入>> Density、Space Controller Studio、Brightness Panner、Energy Panner、Air、Dopplerをまとめたバンドル製品。同社の現ラインナップのほぼすべてを網羅しています。 従来の音響工学とはまったく別の発想から生まれる同社の製品は、これまで難しいと思われていた様々な課題を果敢に解決しようとしているようです。ぜひ、この機会にクリエイティブに溢れたSOUND PARTICLE製品を試してみてください!
Support
2022/05/27

Pro Tools 2022.5 リリース!いくつかの課題が修正されています

Pro Tools 2022.5 がリリースされました。このバージョンに新規での追加機能はなく、2022.4で生じていた幾つかの課題を修正(バグフィックス)したバージョンです。 プランが有効な永続及びサブスク・ユーザーは、MyAvidページまたはAvidLinkからダウンロード可能です。 バグ修正内容 アクセシビリティ macOSアクセシビリティ、またはmacOSアクセシビリティに依存するサードパーティアプリケーションを使用すると、Pro Toolsメニューがホワイトアウトする問題を修正 (PT-259522) コントロールサーフェス S6で 「"Option" + "-"」 コマンドが復活(PT-286067) クラッシュとエラー オートメーションレーンを持つ複数のMIDIまたはインストゥルメントトラックにまたがって編集選択を行うと発生する可能性のあるクラッシュを修正 (PT-286462) 「"Command"+"Option"+"Shift"+"N"」 のショートカットでトラックを Routing Folders に移動する際に発生するクラッシュを修正(PT-286068) 特定のプラグインを初期化する際に発生するクラッシュを修正 (PT-284513) エディット 「"Command"+"Control"+"C/X/B"」による「すべてのオートメーションプレイリストでのコピー/カット/クリア」が再び機能するように (PT-286417) Elastic Audio Pro Tools Artistの "Enable Elastic Audio on New Tracks" を無効にすることができるように (PT-286008) フィールド・レコーダー Pro Tools Studioで、クリップに「チャンネル名」と「シーンとテイク」の情報を表示できるように(PT-286318) インストーラー macOS の Pro Tools アンインストーラで、Facebook 360 プラグインのアンインストールを促すプロンプトが表示されなくなりました (PT-285692) WindowsでPro Toolsインストーラーが再起動を求める問題を修正 (PT-283462) パフォーマンス 大量のバスセンドをアクティブにすると、AAE - 9173エラーが発生する問題を修正(PT-286348)。 Pro Tools | Carbon Pro Tools | Carbon を使用する際に、起動時にクラッシュする可能性がある問題を修正 (PT-285635) その他 Pro Tools StudioとArtistの両方で「Preferences>Synchronization」タブが表示されるように (PT-286427) Pro Tools の初回起動時にヘルパーツールが適切に動作しなかった場合、エラーメッセージが表示されるように (PT-285736) マシン ID が About Box に正しく表示されるように (PT-285705) iLok ライセンスの検索に失敗して Pro Tools が強制終了した場合、"Save" がデフォルトのアクションになるように (PT-286341)
Support
2022/05/24

【日本語情報追加】S4/S6 & EUCONTROL 2022.4もリリース!

昨日、衝撃とともに発表された Pro Tools 2022.4 に対応して S4/S6 & EUCONTROL 2022.4 も同時にリリースされています。マルチワークステーションレイアウトのリコールの改善、アサイナブル・ノブ機能追加、Atmosパンナー対応、新しいソフトキー、などの新機能が追加されています。 詳細は下記リンク先の公式資料をご覧ください。 2022.5.24 追記 EUCON 2022.4 – 新機能紹介(Avidブログ 日本語版) 新機能 S4/S6 22.4 (英文PDF) S4/S6 操作ガイド 22.4 (英文PDF) EUCONネットワーキングガイド (英文PDF) EUCON製品ガイド (Avid Knowledge Base 英文) EUCON の互換性 (Avid Knowledge Base 日本語) EUCON 2022.4 新機能 マルチワークステーションレイアウトのリコールの改善(S4/S6のみ) レイアウトのリコール機能が改善されました。Eucon 2022.4 ではプリセットを読み込む際、トラックの検索項目に新たにワークステーションが追加され、特に、Pro Tools 以外のDAWを同時に使用するようなマルチワークステーション環境でトラック管理が行いやすくなっています。 「Legacy Recall Matching」モードを選択すれば、Eucon 2021.10 以前のバージョンともレイアウトの互換が可能です。 詳細はこちら>>(英文 PDF) アサイナブル・ノブ機能追加(要Pro Tools 2022.4) S4/S6 Masser Module 左下に配置されているアサイナブルノブには、Clip FX や Audio Suite を含むほぼすべてのパラメーターをアサインすることが可能です。さらに、アサイナブルノブにアサインされたパラメーターを S4/S6 Automation Module のジョグホイールでコントロールすることも可能。より精密な操作を可能にします。 詳細はこちら>>(英文 PDF) Atmosパンナー対応 Pro Tools Control の Channel View パングラフが Dolby Atmos に対応しました。 詳細はこちら>>(英文 PDF) 新しいソフトキー ソフトキーでマクロを組む際に、コマンドとコマンドの間に25msの"ポーズ/ディレイ"を挿入することができるようになりました。ポーズを複数追加することで、より長いディレイを組み込むことも可能です。 また、いくつかのソフトキー用プリセットが追加されています。 詳細はこちら>>(英文 PDF) Pro Tools 2022.4 とラインナップ変更について https://pro.miroc.co.jp/headline/protools-lineup-renewal/#.YmpYpfPP0-Q https://pro.miroc.co.jp/headline/pro-tools-2022-4/#.YmpYsfPP0-Q
Sales
2022/05/20

【旧価格在庫あり〼】Avid HDX Chassis が価格改定

Mac mini や MacBook Pro などの PCI スロットを持たないマシンで Pro Tools HDX システムを組むのに便利な、 Avid 純正の HDX カード用TB拡張シャーシである 『HDX Chassis』 が価格改定されました。 もちろん、ROCK ON PRO では価格改定前の在庫を確保済み!在庫限りの特価となりますので、お問い合わせはお早めにどうぞ!! 9900-74109-01 HDX THUNDERBOLT 3 CHASSIS,RACK(ラックマウントタイプ) 新定価:¥117,260(本体価格:¥106,600) 旧価格特価!¥98,340(本体価格:¥89,400) Rock oN Line eStore で購入>> 9900-74108-01 HDX THUNDERBOLT 3 CHASSIS,DESK(デスクトップタイプ) 新定価:¥83,710(本体価格:¥76,100) 旧価格特価!¥72,050(本体価格:¥65,500) Rock oN Line eStore で購入>> Thunderbolt 3経由でHDXへ接続 高性能で非常に静かなこのシャーシーはPro Tools | HDX をMacおよびWindowsベース(ラップトップを含む)のコンピューターからThunderbolt 3を通じて統合できます。今日のマシンが提供する優れたプロセス能力を活かして、AAX DSP上でより多くのAAX Nativeプラグインの操作ができます。 外出先でHDXを使用 ラックマウント・シャーシーは、Mac miniとHDXカードを安全に収容することができ、強力で持ち運び可能な内蔵型システムを構成することができます。さらに、ラックマウントシステムからデスクトップへ変換、またはその逆に変換することもできるので、ホームスタジオから施設やライブリグから宿泊先へHDXを簡単に移動することができます。 堅牢な筐体 Sonnet社とのパートナーシップにおいて、シャーシーは、輸送中やあらゆる環境において内部を保護するために、丈夫なアルミニウムとスチールで覆われています。 HDXのサイズ、電力、熱要件に合わせて特注設計されていて、HDXを保証されたパフォーマンスで確実にご提供いたします。 HDX カードを使用するための拡張シャーシはいくつかのメーカーから販売されているものの、やはり Avid ブランドが安心。その他、HDX システムをはじめとした Avid 製品のお問い合わせ、システム構築のご相談はぜひ ROCK ON PRO まで! https://pro.miroc.co.jp/headline/protools-lineup-renewal/#.Yots-5PP0-Q https://pro.miroc.co.jp/headline/pro-tools-2022-4/#.YottE5PP0-Q https://pro.miroc.co.jp/headline/s4-s6-eucontrol-2022-4/#.YottMJPP0-Q
Music
2022/05/20

Dolby Atmos Music Panner アップデート情報

このページではDolby Atmos Music Pannerに関する新着情報をお知らせします。 Dolby Atmos Music Pannerとは? Dolby Atmos Music Pannerプラグインは、Dolby Atmos Rendererに接続されたMac上のDAWで使用し、Dolby Atmos Music ミックス内のオーディオオブジェクトを配置することができます。 ミュージック・パンナーを使ったこの組み合わせでは、3次元のオーディオ空間にオーディオ・オブジェクトを配置することができます。 また、パンナーには、オブジェクトの配置を、DAWのテンポに同期させて動かせるシーケンサーが搭載されています。 Dolby Atmos Music Pannerのインストーラーには、AAX、AU、VST3バージョンが含まれています。 配布先URL: https://customer.dolby.com/content-creation-and-delivery/dolby-atmos-music-panner-v120 ※DLにはcustomer.dolby.comへの登録&ログインが必要です。 システム要件 Dolby Atmos Music Pannerを使用するには、Dolby Atmos Renderer v3.7.1以降が動作するDolby Atmos Production SuiteまたはMastering Suiteが必要です。 対応DAW ・Ableton Live 11.1 ・Apple Logic Pro X 10.6.3 ・Avid Pro Tools Ultimate 2021.12 ・Steinberg Nuendo 11.0.41.448 ※macOS Mojave上で動作するNuendoでの使用はサポートされていません。 Dolby Atmos Music Panner V1.2.0 (2022.3.28 更新) オートメーション書き込みコントロール(Pro Toolsのみ) Pro Tools 2021.12以降とDolby Atmos Music Panner v1.2(AAXバージョン)では、パンナー・オートメーションをPro Toolsオートメーション・レーンに書き込み、Dolby Atmos Music PannerオートメーションをPro Toolsパン・オートメーションに変換し、Pro ToolsからADM BWF .wav マスターとしてセッションを書き出すときにそのオートメーションのメタデータを含めることができます。 シーケンサのステップを遅くする x16スイッチを使えば、現在のステップの長さを16倍遅くすることができます。 ステレオオブジェクトのリンク解除 Dolby Atmos Music Pannerステレオプラグインは、ステレオオブジェクトのリンクとアンリンクに対応しています。オブジェクトのリンクが解除されると、左右のチャンネルのX、Y、Z、Sizeを別々に調整することができるようになります。 X/Y/Z、Sizeのロータリーコントロールとポジションディスプレイのオブジェクトアサインラベル表示 X、Y、Z、Sizeのロータリーコントロールとポジションディスプレイには、オブジェクトの割り当てを示すラベルが表示されるようになりました。 Dolby Atmos制作に関するお問い合わせ、モニタリングシステム導入のご相談はこちらのコンタクトフォームからご送信ください。 https://pro.miroc.co.jp/headline/pick-up-pro-tools-studio/ https://pro.miroc.co.jp/headline/protools-lineup-renewal/#.YocNAfPP0-Q https://pro.miroc.co.jp/headline/dolby-atmos-info-2022/ https://pro.miroc.co.jp/headline/dolby-atmos-renderer-v3-7-2/ https://pro.miroc.co.jp/headline/we-want-more-atmos-proceed2021-22/
Support
2022/05/13

【Pro Tools サポート情報】サブスクリプション版での旧バージョン使用について

サブスクリプション版をご使用中のユーザー様がサブスクリプション更新までの間に、Pro Tools のバージョンアップがリリースされることがあります。こうした場合に、OSやプラグイン等との兼ね合いから、「サブスクリプションは更新するが Pro Tools はアップデートしたくない」ということがあるかと思われます。 現在の Pro Tools サブスクリプション版は永続版と同様、Pro Tools 12.6まで遡ってアクティベーションすることができます。 そのため、「サブスクリプションは更新するが Pro Tools はアップデートしたくない」場合は、そのまま旧バージョンを使用し続けることが可能です。 https://pro.miroc.co.jp/headline/pro-tools-2022-4 https://pro.miroc.co.jp/headline/protools-lineup-renewal https://pro.miroc.co.jp/headline/pick-up-pro-tools-studio https://pro.miroc.co.jp/headline/pro-tools-flex-how-to-get-third-party-solution
NEWS
2022/05/09

【情報追加】Pro Tools 2022.4 リリース!大幅なラインナップ変更と機能追加

Pro Tools 2022.4 がリリースされました。今回のリリースでは、新たな製品ラインナップの登場(Pro Tools Artist, Pro Tools Studio, Pro Tools Flex)や、販売形態の大幅なサブスクリプションへの移行などの変更に加え、数多くの新機能や強化が含まれています。 Pro Tools 2022.4 は、有効なサブスクリプションまたは永続ライセンスのアップデイト+サポート・プランをお持ちの全 Pro Tools ユーザーは、AvidLink または、ご自身の Avid Account より入手可能です。 Pro Tools ファミリーのラインナップ変更に関しては、こちらの記事をご覧ください。 Pro Tools 2022.4 登場 – 新機能紹介(Avid Blog 日本語版) Pro Tools システム要件(Avid Knowledge Base 日本語版) macOS 11 (Big Sur) , macOS 12 (Monterey) および M1 と Avid 製品の対応状況(Avid Knowledge Base 日本語版) 2022.5.9 追記 What's New in Pro Tools - Pro Tools 2022.4日本語新機能ガイド(日本語PDF) 今すぐ Pro Tools マスター!? Quick Tips、セッション作成方法などの豊富なビデオチュートリアル Quick Tipsシリーズ プレイリスト Benefits シリーズ プレイリスト デモ・セッションを使ってセッションの作成方法を学ぶ アクティベーション、ライセンス、ダウンロード Pro Toolsクイック・リファレンス・ガイド(PDF) 新 MacBook Pro、Mac Studio に対応 Appleの新しいMacBook ProおよびMac StudioがPro Tools 2022.4でサポートされました。macOS 12 Monterey に対しては、Pro Tools 2021.12にAvid plugins 2022.2を追加インストールする事ですでに対応済みです。 macOS 11 Big Sur において、HDドライバーのカーネル読み込みがブロックされる既知の不具合がありましたが、macOS 12.3 Monterey にて解消されています。 代わりに、macOS Mojave のサポートが終了。Avidでは今後 macOS Mojave における検査を行いません。しかしながら、現時点でMojave上で大きな問題は報告されていません。 追加された項目: Appleの新しいMacBook ProおよびMac StudioがPro Tools 2022.4でサポートされました。 Windows 11 build 21H2 および Windows 10 build 21H2 がPro Tools 2022.4でサポートされました。 削除・除外された項目: Late 2016 Mac Book Pro 13,x のサポートが終了しました。 Late 2014 Mac Mini 7,1 のサポートが終了しました。 Mid 2013 MacBook Air 6,x のサポートが終了しました。 HP Z820 のサポートが終了しました。 Avidでは今後 macOS Mojave における検査を行いません。 Pro Tools システム要件(Avid Knowledge Base 日本語版) macOS 11 (Big Sur) , macOS 12 (Monterey) および M1 と Avid 製品の対応状況(Avid Knowledge Base 日本語版) Pro Tools 2022.4 新機能 カスタム・キーボード・ショートカット ProTools上にある、ほぼ全てのコマンドを、キーボード・ショートカットとしてカスタムにアサインすることが可能となりました。 キーボード・ショートカット・アサインは、まだショートカットがアサインされていないコマ ンドも含めキーボード・ショートカット・ウインドウ内の全てのコマンド・リストに対して実行することができます。もし気が変わった場合でも、いつでも設定をリセットし、初期設定時のアサインに戻る事が簡単に行えます。カスタム・アサインを作成時、別のコマンドが既に同じキー・コンビネーションを持っている場合でも、Pro Toolsは、それらをコンフリクト・コラム内で表示してくれますので、それを変更したり、リセットしたりすることで、その衝突を解消することも可能です。 Pro Tools SEARCH(サーチ) コマンドやオブジェクト(トラックやクリップ等)を、名前やPro Tool上での実行動作で検索 することが可能となりました。 Pro Tools Search で実行可能なこと 名前やその機能の実行でコマンドを検索 名前や選択によりトラックを検索 名前や選択によりクリップを検索 名前やリコール動作でメモリー・ロケーションを検索 名前や有効または無効化によりトラック・グループを検索 名前やその起動によりAudioSuiteプラグインを検索 Pro Tools Searchを使うには Window(ウインドウ)メニュー > ProToolsSearchを選択 > Control+Shift+S(Mac)またはStart+Shift+S(Windows) > リストから必要なコマンドやオブジェクトを選択しクリック(またはリターン・キーを押す) と操作して、コマンドの実行やオブジェクトの選択を行います。 ビデオ・カラー・スペース強化(Pro Tools Studio 及びPro Tools Ultimate のみ) Pro Tools 2022.4では、SDR及びHDRの両メディア上で、デスクトップ並びにハードウエア・ ディスプレイ使用時に、映像表示を最適化する為、数多くのカラー・スペース・オプションに対応しました。これにより、映像編集時に使用しているMedia Composer等のノンリニア編集ソフト上の映像とイメージがマッチした状態で、Pro Tools上でのMA作業が継続可能となりました。 画像はカラー・スペース・セッティングの全リスト。推奨オプションが黄色くハイライトされます。 DOLBY ATMOS 関連機能強化 Pro Tools 2022.4 では、Dolby Atmos 関連機能の強化が行われており、静的な Dolby Atmos グループ、Dolby Atmos Plug-in オートメーションを、パン・オートメーションにデュプリケイトが追加されています。 静的なDolby Atmosグループは、オーディオ・ポストプロダクションで標準的に使用される4つのグループ(dialog, music, effects, narration)で構成され、ベッド/オブジェクト・グループ管理ダイアログで加えられます。Pro Tools がベッド/オブジェクト・グループを管理する際、Dolby Atmos Renderer と一致するデフォルトのグループセットが提供可能となりました。 また、これまでPro Toolsは、Dolby Atmos Music Panner 情報を、ADMファイル内に含める事ができませんでしたが、Pro Tools 2022.4 と Dolby Atmos Music Panner 1.2を用いることで、Pro Tools は、プラグイン・オートメーションを、Pro Toolsパン・レーンにコピーすることが可能となりました。 これにより、Dolby Atmos Music Pannerでクリエイティブにミックスした結果をADM ファイルとしてデリバリーする際、“Duplicate Dolby Atmos Plug-in Automation to Pan Automation”コマンドを使って、そのプラグイン・オートメーションをPro Toolsパン・オートメーションへと複製することができるようになり、オフライン・バウンスによるADMファイルエクスポート時でも、パン情報を反映させることが可能となりました。 その他の新機能及び強化 Pro Tools ダッシュボード内のデザインが一新され、新しいユーザーが必要な Pro Tools 情報(英語)に素早くアクセスできるようになりました。 WASAPI サポートにより、Windows 環境下で、より多くの内蔵及びサードパーティ ー・オーディオ機器に対応可能となりました。 クリップ・リスト内のクリップを、編集インサーション上へスポットすることが可能と なりました。 Aux インプット作成時、ソロ・セーフが初期値となりました。これにより、オーディオ を Aux インプットにルーティングした際、トラックをソロにしても、Aux インプットが 自動でミュートされることはなくなりました。 録音/インプット・モードがオフとなった場合、自動的にDSPモードが無効化されるプ リファレンスが加わりました(Pro Tools HDXハイブリッドエンジン及びPro Tools | Carbon使用時のみ有効)。録音時のみでDSPモードをオンにするという使い方を行い たい場合、該当トラック上の録音待機ボタン及びトラック・インプット・モニターを解 除すると、自動的にDSPモードをオフにすることが設定可能となりました。 EUCON アサイナブル・ノブ・ハイライト表示(要 EUCON2022.4 以降)。初期設定上 で、このモードを有効にすると、Pro Tools 上で任意のパラメーターにカーソルを合わ せたり、クリックしたり、調整したりすると、S6/S4 MTM または Dock 上のアサイナブ ル・ノブがハイライト表示され、そこから該当するパラメーターをコントロールするこ とができるようになります。 ラインナップの変更と Pro Tools 2022.4 のリリースによって、各ライセンスの機能や特典は大幅にアップ!それに伴い、「自分にはどの Pro Tools が必要なのか!?」「いまのライセンスはどうなる?今後はどうすればいい??」と迷ってしまう方もいらっしゃるかと思います。 そんな時は! HDX ディーラーとして豊富な実績と経験を持つ ROCK ON PRO まで、お気軽にお問い合わせくださいませ。
Tech
2022/05/02

Pick Up!! 大幅な性能アップを果たした Pro Tools Studio

最新バージョン Pro Tools 2022.4 のリリースとともに大幅なラインナップ変更が加えられた Pro Tools。エントリーモデルである Pro Tools Artist の登場や、新規永続ライセンス単体での購入が終了するなどさまざまな変化がありましたが、見落としてはならないのはどのクラスの Pro Tools もそれぞれ基本性能がアップしているという点です。 中でも、旧 Pro Tools (無印) の後継クラスである Pro Tools Studio では、従来 "Ultimate" でしか使用できなかったいくつかの機能が解放され、その名の通りプロフェッショナルクラスとして十二分な性能を得るに至りました。 以下、Pro Tools Studio に焦点を当て、今回のアップデートで向上した機能をピックアップしていきます。 関連記事 緊急速報!! Pro Tools 新ラインナップが発表!! 超速セミナーも開催! Pro Tools 2022.4 リリース!大幅なラインナップ変更と機能追加 S4/S6 & EUCONTROL 2022.4もリリース! オーディオ・トラック数が512トラックへと倍増 従来、256だったオーディオ・トラックの上限が512トラックへと倍増しています。 Dolby Atmosイマーシブ・オーディオ対応 これまでのステレオに加え、5.1/7.1チャンネル・ベース・サラウンド、Dolby Atmos、3次オーダーAmbisonicsに対応しています*。 *Dolby Atmosミキシングには、Dolby Atmos Production Suiteが必要です。 *Pro Tools | Carbon上で動作するPro Tools Studioのモニタリング・コントロール・セクションはステレオ出力までの対応となります。サラウンド以上で外部スピーカーによるモニターを行う場合は、それぞれのフォーマットに対応した外部モニタリング・コントローラーをご使用いただく事をお勧めします。 進化したオートメーション機能 これまでUltimateのみに搭載されていたトリム、プレビュー、キャプチャー、スナップショット、全てに書き込み機能が可能となりました。 クリップ・エフェクト編集機能の追加 これまでUltimateで作成したクリップ・エフェクト・データの再生だけが可能でしたが、Pro Tools Studioでは、EQ、ダイナミクス、フィルタ全てに関して、その作成/編集が可能となりました。 マルチステム・バウンス対応 これまでUltimateでのみ対応していた「複数のステム・ファイルを同時にエクスポート」することも可能となりました。 Pro Tools Studio 製品ラインナップ 9938-30001-50 Pro Tools Studio 年間サブスクリプション-新規 希望小売価格 ¥38,830(本体価格 ¥35,300) 特価在庫価格 ¥26,070(本体価格 ¥23,700) Rock oN Line eStore でのご購入はこちら>> *特価在庫完売次第、通常価格での販売となります。 9938-30003-50 Pro Tools Studio 年間サブスクリプション-更新 希望小売価格 ¥38,830(本体価格 ¥35,300) Rock oN Line eStore でのご購入はこちら>> 9938-30003-00 Pro Tools Studio 永続版用年間プラン更新 希望小売価格 ¥24,310(本体価格 ¥22,100) Rock oN Line eStore でのご購入はこちら>> 9938-30005-00 Pro Tools Studio 永続版用年間プラン再加入 希望小売価格 ¥42,570(本体価格 ¥38,700) 特価在庫価格 ¥30,360(本体価格 ¥27,600) Rock oN Line eStore でのご購入はこちら>> *特価在庫完売次第、通常価格での販売となります。 ラインナップが大幅に変更された Pro Tools、その他システム構築などについては、ご相談はお気軽に ROCK ON PRO までお問い合わせください! https://pro.miroc.co.jp/headline/pro-tools-2022-4 https://pro.miroc.co.jp/headline/protools-lineup-renewal https://pro.miroc.co.jp/headline/s4-s6-eucontrol-2022-4
Support
2022/05/02

【Pro Tools サポート情報】Pro Tools Flex 付属の『SoundFlow Cloud Avid Edition』入手方法

Pro Tools Flex 最大の特徴であるサードパーティソリューション。その第一弾である「SoundFlow Cloud Avid Edition」の入手方法について解説します。 1. Avid アカウントにログイン 2. My Account ページへ移動 3. 上部に、緑色で表示されたYou are eligible for the Pro Tools Inner Circle - Redeem your rewards now ! ボタンを押してしばらくお待ちください。 4. SoundFlow Cloud Avid Edition項目が最下部に追加されます。 これからも順次追加される予定の Pro Tools Flex サードパーティソリューション。ワークフローを加速する便利なソリューションの追加が期待されます。 ラインナップが大幅に変更された Pro Tools、その他システム構築などについては、ご相談はお気軽に ROCK ON PRO までお問い合わせください!
NEWS
2022/04/27

【FAQを追加】緊急速報!! Pro Tools 新ラインナップが発表!! 超速セミナーも開催!

Avidより、Pro Tools のラインナップが刷新されることが発表されました。これまで、Pro Tools | First、Pro Tools、Pro Tools | Ultimate の3種だったラインナップが刷新され、新たに Pro Tools Artist、Pro Tools Studio、Pro Tools Flex となります。合わせて最新バージョン Pro Tools 2022.4 がリリース。ラインナップ名称変更と機能追加がなされました。また、新規ライセンス単体の販売形態に関してはサブスクリプションのみになるなど、大幅な変更がおこなわれています。 最新バージョン Pro Tools 2022.4 についてはこちら>> 目次 緊急開催!新ラインナップ超速解説!本日15:00〜YouTube Liveにて配信!! Pro Tools 新旧ラインナップの対応と既存ライセンスの扱い 新規永続ライセンス単体は生産終了 永続版「年間サポートプラン再加入」が復活 Pro Tools 新ラインナップ - 機能比較と価格 Pro Tools Artist Pro Tools Studio Pro Tools Flex / Ultimate EDUライセンスにも大幅な変更 永続版を継続 vs. サブスクリプションへ移行 FAQs 緊急開催!新ラインナップ超速解説!本日15:00〜YouTube Liveにて配信!! ROCK ON PRO では今回のラインナップ変更の詳細を解説するオンラインセミナーをいち早く開催!下記リンク先のYouTube Liveをぜひご覧ください! Pro Tools 新旧ラインナップの対応と既存ライセンスの扱い 新ラインナップの詳細解説は後ほどとし、まずは旧ラインナップと新ラインナップの対応を解説いたします。結論から言うと、Pro Tools | First をのぞく既存ライセンスが今回の改変で失効したり機能制限を受けることはありません。 Pro Tools | First → 終息(EOL) Pro Tools Artist:新登場。新規サブスクリプションの購入によって入手。 Pro Tools(永続版) → Pro Tools Studio(永続版) 年間サポートプランが有効期間内であれば自動でアップデート。 年間サポートプランが切れている場合、既存の Pro Tools を保持。発売再開した「再加入」ライセンスを使用して Pro Tools Studio へアップデート可能。 Pro Tools(サブスクリプション) → Pro Tools Studio(サブスクリプション) サブスクリプションが有効期間内であれば自動でアップデート。 Pro Tools | Ultimate(永続版) → Pro Tools Ultimate(永続版) 年間サポートプランが有効期間内であれば自動でアップデート。 年間サポートプランが切れている場合、既存の Pro Tools | Ultimate を保持。発売再開した「再加入」ライセンスを使用して現行の Pro Tools Ultimate へアップデート可能。 Pro Tools | Ultimate(サブスクリプション) → Pro Tools Flex(サブスクリプション) サブスクリプションが有効期間内であれば自動でアップデート。 Pro Tools Ultimate と Pro Tools Flex Pro Tools Ultimateは Pro Tools の名前、Pro Tools Flexはバンドルの製品名です。Pro Tools Flex は、最上位機種である Pro Tools Ultimate にさらにサードパーティ製ソフトウェアがバンドルされたサブスクリプションプランです。そのため、Pro Tools Flex に永続版は存在しません。また、Pro Tools Flex を購入した場合に提供される Pro Tools は Pro Tools Ultimate となります。 新規永続ライセンス単体は生産終了 今回のラインナップ変更に伴い、Avidは永続ライセンス単体の新規販売を終了しています。市場在庫がなくなり次第、永続ライセンス単体での新規購入ができなくなることになります。 ただし、Pro Tools | Carbon 購入者が選択できる Pro Tools Studio 永続パラシュート、および、ソフトウェア付き Pro Tools HDX Core と ソフトウェア付き Pro Tools HD Native TB にバンドルされる Pro Tools Ultimate は、現状、引き続き永続ライセンスが提供されます。 在庫限り!永続ライセンス単体購入のラストチャンス 9935-71832-00 Pro Tools | Ultimate 永続ライセンス新規 (パッケージ版) 販売価格 ¥337,700(本体価格 ¥307,000) Rock oN Line eStore で購入>> 9935-71826-00 Pro Tools 永続ライセンス新規 (パッケージ版) 販売価格 ¥75,040(本体価格 ¥68,218) Rock oN Line eStore で購入>> 永続版「年間サポートプラン再加入」が復活 昨年末、「期間限定、奇跡の復活!」と話題になった永続版「年間サポートプラン再加入」が、この度正式に復活いたしました。年間サポートプランが失効していても、Pro Tools 9 / Pro Tools HD9 以降のバージョンをお持ちであれば、このライセンスによって現行の Pro Tools Studio / Pro Tools Ultimate へ永続版のままアップデートすることが可能です。 ↑年間サポートプランが失効している永続版ユーザーには、年間サポートプラン再加入か永続版を現状のまま手元に残し、新たにサブスクリプションを購入するかの選択肢があります。 最新版へお得にUPG!特価在庫品あります!! 9938-30005-00 Pro Tools Studio 永続版用年間プラン再加入 希望小売価格 ¥42,570(本体価格 ¥38,700) 特価在庫価格 ¥30,360(本体価格 ¥27,600) Rock oN Line eStore でのご購入はこちら>> *特価在庫完売次第、通常価格での販売となります。 9938-30009-00 Pro Tools Ultimate 永続版用再加入 希望小売価格 ¥91,520(本体価格 ¥83,200) 特価在庫価格 ¥60,940(本体価格 ¥55,400) Rock oN Line eStore でのご購入はこちら>> *特価在庫完売次第、通常価格での販売となります。 サブスクリプション新規も超特価!! 9938-30001-50 Pro Tools Studio 年間サブスクリプション-新規 希望小売価格 ¥38,830(本体価格 ¥35,300) 特価在庫価格 ¥26,070(本体価格 ¥23,700) Rock oN Line eStore でのご購入はこちら>> *特価在庫完売次第、通常価格での販売となります。 9938-30123-00 Pro Tools Flex 年間サブスクリプション-新規 希望小売価格 ¥129,800(本体価格 ¥118,000) 特価在庫価格 ¥51,975(本体価格 ¥47,250) Rock oN Line eStore でのご購入はこちら>> *特価在庫完売次第、通常価格での販売となります。 Pro Tools 新ラインナップ - 機能比較と価格 それでは、いよいよ Pro Tools 新ラインナップの詳細を見ていきましょう。下表は各ラインナップごとの機能比較表です。3種のラインナップそれぞれの項目には新旧比較表も掲載していますので、合わせてご覧ください。 画像はクリック/タップで拡大 さらに詳しい比較はこちら>>(Avid WEBサイト) Pro Tools Artist Pro Tools のエントリークラスとして新たに登場。廃止された Pro Tools | First とは異なり、通常の Pro Tools セッションを開くことが可能。100以上のプラグイン/バーチャルインストゥルメンツが同梱され、すぐに楽曲制作をおこなうことが可能です。 Pro Tools Artist に含まれる内容を確認>>(Avid WEB サイト) 購入時のPoint! 既存ユーザーは存在しないため、新規サブスクリプションの購入によってのみ入手可能。 9938-31154-00 Pro Tools Artist 年間サブスクリプション-新規 希望小売価格 ¥12,870(本体価格 ¥11,700) Rock oN Line eStore でのご購入はこちら>> 9938-31155-00 Pro Tools Artist 年間サブスクリプション-更新 希望小売価格 ¥12,870(本体価格 ¥11,700) Rock oN Line eStore でのご購入はこちら>> Pro Tools Studio 従来の Pro Tools に置き換わるプロフェッショナルクラス。オーディオトラックが従来の2倍にあたる512トラックへ増加し、サラウンド / Dolby Atmos などのイマーシブ制作に対応するなど、大幅な機能強化がなされています。Avid Complete Plugin Bundle に加え、年間サブスクリプションには Avid Inner Circle へのアクセス権が付与されます。 対応する Avid I/O は Pro Tools | Carbon と S6L。HDX/HDN は非対応です。 Pro Tools Studio に含まれる内容を確認>> 購入時のPoint! 年間サポートプランが有効な永続ライセンス、または、有効なサブスクリプションライセンスは自動的に Pro Tools Studio に更新。 新規ライセンス単体はサブスクリプションの購入によってのみ入手可能。 新規永続版は Pro Tools | Carbon 購入者が「永続パラシュート」を選択することでのみ提供 9938-30001-50 Pro Tools Studio 年間サブスクリプション-新規 希望小売価格 ¥38,830(本体価格 ¥35,300) 特価在庫価格 ¥26,070(本体価格 ¥23,700) Rock oN Line eStore でのご購入はこちら>> *特価在庫完売次第、通常価格での販売となります。 9938-30003-50 Pro Tools Studio 年間サブスクリプション-更新 希望小売価格 ¥38,830(本体価格 ¥35,300) Rock oN Line eStore でのご購入はこちら>> 9938-30003-00 Pro Tools Studio 永続版用年間プラン更新 希望小売価格 ¥24,310(本体価格 ¥22,100) Rock oN Line eStore でのご購入はこちら>> 9938-30005-00 Pro Tools Studio 永続版用年間プラン再加入 希望小売価格 ¥42,570(本体価格 ¥38,700) 特価在庫価格 ¥30,360(本体価格 ¥27,600) Rock oN Line eStore でのご購入はこちら>> *特価在庫完売次第、通常価格での販売となります。 Pro Tools Flex / Ultimate Pro Tools Flex はポスプロダクションや大規模スタジオでの業務を想定した最高峰ライセンス Pro Tools Ultimate にサードパーティ・ソリューションが付属するバンドルライセンス。「Flex」に含まれる Pro Tools Ultimate は従来の Pro Tools | Ultimate のアップデート版に相当し、ネイティブ I/O が最大256 I/Oへと増加しているほか、DigiLinkライセンスの機能を内包し同ライセンスなしでもHDXとの接続が可能になりました。 すべての Avid 製ハードウェアを使用可能です。 Pro Tools Flex に含まれる内容を確認>>(Avid WEBサイト) 注目のサードパーティ製ソリューション、第一弾はSoundFlow! Pro Tools Flex の最大の特徴である、サードパーティ製ソリューションのバンドルですが、その第一弾は最先端のワークフロー自動化プラットフォームである「SoundFlow Cloud Avid Edition」です。Pro Tools ユーザーは複雑でマルチ・ステップが必要なタスクを、1回のキー・ストロークやタッチ・サーフェスの操作で実行することが可能となります。 SoundFlow Cloud Avid Edition のより詳細な情報はこちら>>(Avid WEBサイト) 購入時のPoint! 年間サポートプランが有効な Pro Tools | Ultimate 永続ライセンスは、Pro Tools Flex ではなく、Pro Tools Ultimate 永続版に更新。 有効な Pro Tools | Ultimate サブスクリプションは、自動的に Pro Tools Flex に更新。 Pro Tools Flex の新規ライセンスはサブスクリプションの購入によってのみ入手可能。 Pro Tools Ultimate サブスクリプション版はPro Tools Flex の一部としてのみ提供。 新規 Pro Tools Ultimate 永続版は「Pro Tools HDX Core with Pro Tools | Ultimate Perpetual License」 および 「Pro Tools HD Native TB with Pro Tools | Ultimate Perpetual License」の一部としてのみ提供。 9938-30123-00 Pro Tools Flex 年間サブスクリプション-新規 希望小売価格 ¥129,800(本体価格 ¥118,000) 特価在庫価格 ¥51,975(本体価格 ¥47,250) Rock oN Line eStore でのご購入はこちら>> *特価在庫完売次第、通常価格での販売となります。 9938-30122-00 Pro Tools Flex 年間サブスクリプション-更新 希望小売価格 ¥103,950(本体価格 ¥94,500) Rock oN Line eStore でのご購入はこちら>> 9938-30008-00 Pro Tools Ultimate 永続版用年間プラン更新 希望小売価格 ¥44,300(本体価格 ¥48,730) Rock oN Line eStore でのご購入はこちら>> 9938-30009-00 Pro Tools Ultimate 永続版用再加入 希望小売価格 ¥91,520(本体価格 ¥83,200) 特価在庫価格 ¥60,940(本体価格 ¥55,400) Rock oN Line eStore でのご購入はこちら>> *特価在庫完売次第、通常価格での販売となります。 EDUライセンスにも大幅な変更 ラインナップの更新に伴い、EDUライセンスの種類にも変更が加えられました。 特に、永続ライセンスの再加入がなくなってしまっていますので、現在EDU永続ライセンスをお持ちのユーザー様は ROCK ON PRO までご相談ください。 永続版を継続 vs. サブスクリプションへ移行 現在、永続版をお持ちのユーザー様には永続版を使用し続けるか、サブスクリプションを新規購入するか、という選択肢があることになります(永続→サブスクリプション クロスグレードは今回の変更に伴い廃止)。 年間サブスクリプションのみの特典である Pro Tools Inner Circle 、および、Pro Tools Flex に付属するサードパーティ製ソリューションが今後どこまで充実するかが、ひとつの判断材料となりそうです。 FAQs Avid Knowledge Base に「Pro Tools 新ラインアップFAQ」が日本語で掲載されています。 こちらも合わせてご参照ください。 ラインナップの変更と Pro Tools 2022.4 のリリースによって、各ライセンスの機能や特典は大幅にアップ!それに伴い、「自分にはどの Pro Tools が必要なのか!?」「いまのライセンスはどうなる?今後はどうすればいい??」と迷ってしまう方もいらっしゃるかと思います。 そんな時は! HDX ディーラーとして豊富な実績と経験を持つ ROCK ON PRO まで、お気軽にお問い合わせくださいませ。
NEWS
2022/04/27

Nuendo 12 リリース!アップデートキャンペーンも同時開催!!

プロフェッショナル向けDAWとして圧倒的に多彩な機能を誇る Nuendo の最新版となる『Nuendo 12』がリリースされました。最新バージョンでは映像制作における音響効果用の機能をさらに強化。ダイアログディテクション機能は録音ファイルからダイアログ部分のみを検出可能。また、刷新された ADR システムは操作性がさらに向上し、これら新機能はポストプロダクションにおける業務効率を飛躍的に向上させます。 新しいライセンスシステム「STEINBERG LICENSING」について 本バージョンからは USB-eLicenser を使用しない新しいライセンスシステム「STEINBERG LICENSING」が採用されています。 現時点では初回起動時のインターネット接続が必須ですが、後日、オフラインでも認証できる仕組みが実装される予定です。 詳細は下記リンク先も合わせてご覧ください。 Steinberg Licensing: 新時代のライセンス管理へ | Steinberg | Steinberg グレースピリオド(無償バージョンアップ対象)について 2022年3月16日以降にNuendo 11シリーズ以前の品番をアクティベートいただいた方は、 Nuendo 12への無償バージョンアップ対象となります。 Nuendo 12 通常版 パッケージ版/ダウンロード版 販売価格 ¥110,000(本体価格 ¥100,000) Nuendo 12 アップグレード版(Nuendo 11 から) パッケージ版/ダウンロード版 販売価格 ¥27,500(本体価格 ¥25,000) Nuendo 12 アカデミック版 パッケージ版のみ 販売価格 ¥55,000(本体価格 ¥50,000) *パッケージ版の発売は5月中旬を予定しています。 *アカデミック版は12より教員向けと学生向けを統合しました。 *ご発注には専用お申込書が必要です。 Nuendo 12 を Rock oN Line eStore で購入!>> Nuendo 12アップデートキャンペーンも開始! 発売に際し、旧バージョン『Nuendo 11』からのアップデート版『Nuendo 12/UD11』を、20%OFFの特別価格でご購入いただけるキャンペーンも始まりました。 キャンペーン期間は5月18日(水)まで!このチャンスをお見逃しなく。 Nuendo 12 アップグレード版(Nuendo 11 から) 販売価格 ¥27,500(本体価格 ¥25,000) Rock oN Line eStore で購入>> 『Nuendo 12』の主な新機能 AIによる台詞検出機能を搭載 AIとアルゴリズムによって、ロケ時の収録音から背景の雑音に関係なく台詞だけを確実に検出し、かつ無音部分を除去することが可能になりました。最後に使った設定で無音除去をする新コマンドを選択することで、ユーザーは以降、同一の値で検出処理を実行することができます。 ADRシステムの刷新 イベントからマーカーを作成する新機能が搭載されました。ADRが必要なプロジェクトで、ADRマーカーをインポートするための表形式スクリプトデータがない場合に、1つまたは複数の既存のオーディオイベントを選択することでADRマーカーを自動的に作成することができます。 また、より柔軟なマーカー処理にも対応しました。マーカーウィンドウでマーカーを選択すると、『Nuendo 12』のプロジェクトウィンドウでそのマーカーが選択され、逆もまた同様に選択の連動が可能です。 加えて、マーカートラックにマーカーの属性 (キャラクター名など)を表示するよう、設定できるようになりました。さらに新しいキーコマンドも追加されています。 「Netflix TTAL ダイアログスクリプト」のインポート・エクスポート対応 Netflixで採用されているTTALダイアログスクリプトは、台詞の文字情報やキャラクター、有用なメタデータを含む、記録可能なADRマーカーに変換されるだけでなく、インポートやエクスポートも可能です。またADR制作中のスクリプトの変更は、『Nuendo 12』のマーカーエディター内で文書化することができます。 Headphones Matchプラグイン ヘッドホンによるバイノーラルコンテンツの周波数領域と空間領域を判断するためには、ニュートラルな周波数特性が不可欠です。「Headphones Match プラグイン」は、387種類のヘッドホンモデルに対してモニター 出力に正確な補正カーブを適用します。 また、異なるヘッドホンの音をエミュレートすることも可能です。 Dolby Atmosバイノーラル・ダウンミックスに対応 「Nuendo 12 Renderer for Dolby Atmos」は、Dolby Atmos ミックスのバイノーラルリレンダリングを可能にしました。 すべてのベッドとオブジェクト入力をレンダリングし、HRTF(頭部伝達関数)フィルターを用いて、ヘッドホンでのマルチチャンネル・オーディオ再生による没入感を再現します。 Nuendo 12 のご購入は ROCK ON PRO または Rock oN Line eStore までお問い合わせください!
Tech
2022/04/22

Media Composerのリモート編集を考えてみよう

昨今の働き方のキーワードとなるテレワーク。 2020年からのコロナの影響で、多くの企業でテレワークの環境を整えつつあります。自宅にいながら、リモートでビデオ編集をしようとするとき、そのソリューションを選択するときに考慮しなければならないことは、いったい何なのか、次の3つのソリューションを見ながら考えていきたいと思います。 ここではネットワークに接続されたすべてのコンピュータと共有ストレージが存在する施設で編集し、それらを家に持ち帰ることができないことを前提とします。なぜならば、セキュリティの問題や、または大容量のデータへのアクセスが必要になるなどの懸念があるからです。 リモートデスクトップ よくある一般的な方法は、リモートデスクトップソフトウェアを使い、オフィスのコンピュータの画面を、外部のコンピュータに転送して使用する方法です。この方法は外部のコンピュータにデータを保存することがないので、セキュリティの面でも問題がなく、また特に大きな費用をかける必要がないため、多くの企業で最初に採用された方法ではないでしょうか。 しかし、典型的なオフィスコンピュータにインストールされている画面共有のソフトウェアは、自宅からファイルやメールになどを主とするオフィスワーカーのために設計されているため、ポストプロダクションのニーズを満たしていません。そのためフルフレームレートでの再生の遅延やオーディオとビデオの同期、色の再現性、レスポンスの問題などに直面することになります。TeamviewerやMicrosoftリモートデスクトップ、VNC、またはその他のほとんどのWebベースのソリューションは実はビデオ編集には向いていないのです。 そこで大きな設備投資が必要なく、通常のインターネット回線を使いながら、もっとインタラクティブに、遅延の少ない操作を確立するために、TeradiciのPCoIPプロトコルを使ったリモートデスクトップ方法があります。 PCoIPとは「PC over IP」のことですが、リモートデスクトップの環境で、画面転送を行うためのプロトコルの1つです。特徴としては、仮想ディスプレイの出力をIP化して転送することにあります。Teradiciのテクノロジーは、ネットワーク帯域の状況を加味して画面表示され、出力のパターンを認識し、適切な圧縮方法を自動的に選択し転送するため、低帯域のネットワークでも表示が見やすく、また回線スピードが早ければ、高解像度のグラフィックスも表示できます。 Teradici PCoIPは素晴らしいプロトコルでが、クリエイティブに関してはいくつかの制限があります。 PCoIPは8ビット表示に制限されているため、ハイエンドのカラーグレーディングには向かないこともあります。Teradici PCoIP Ultraには10ビット機能があるので、カラーグレーディング等の操作には、こちらを採用するのもいいかもしれません。オーディオは通常、ステレオ再生に制限されており、モニターの出力はできません。コンピューターのGUIのみになりますが、ビデオを編集することが目的であれば、音に関してはそれほど深刻な問題にはならないかもしれません。 月々のライセンス費用が必要になりますが、Teradiciを使用してのリモートディスクトップは、簡単でより堅牢なソリューションの1つといえるのではないでしょうか。 クラウドでの仮想化 現在では、Dropboxのようなサービスを使って小さなファイルの保存から始まり、私達は何らかの形でクラウドサービスを使用し、少なくとも何かをクラウドに保存するほど、たいへん身近なものになりました。 そしてビデオ編集システムそのものをクラウド上で展開することが可能になり、それをサポートするすべてのソフトウェアツールとハードウェアストーレジが、データセンターのVM(仮想マシン)で実行できています。 クラウドの仮想化システムには多くの利点があります。時間や場所を問わず利用できることや容量の追加、削除が簡単に行うことができ、ハードウェアの投資がないため、イニシャルコストがほとんどありません。反面、長期的に分散された設備投資の費用がない分、月々または年間での運用コストが必要にはなり、作業時には、クラウドへのアップロードの時間やダウンロードのコストなどを意識して使用することが大切です。 Avidの「Edit on Demand」製品は、Azure上にあるクラウド編集システムです。Azure上でMedia ComposerやNEXISストレージ、編集に必要な様々なものを展開し、手元にあるローカルコンピュータ(ゼロクライアント)を介してアスセスします。機能面では、Azure上のMedia ComposerはNEXISストレージにアクセスでき、ビンロック機能とプロジェクトの共有機能を使うことができます。 クラウドシステムでは編集システムの台数も制限がなく、プロジェクトの共有も可能なことから、人数を増減しながら、複数人での並行作業などが必要なプロジェクトで使用するには、適したシステムではないでしょうか。 オンプレ・プライベートクラウド オンプレサーバーはある意味プライベートクラウドです。 Avidはリモート編集で使われるシステムのプロキシを提供するオンプレミスサーバーを長年にわたって開発してきました。オンプレミスサーバーは、リモートで接続されたAvid Media Composerシステム内でネイティブに使用するメディアのプロキを作成し、提供します。 Avidにはオンプレ・プライベートクラウドとそれに合わせたリモート編集ができる製品として、2つのラインナップがあります。一つはMedia CentralとNEXISストレージをベースとするMedia Compoer|Cloud Remoteと 、もう一つは2022年1月に発表されたNEXIS Edgeです。 この2製品に共通するすぐれた機能は、プロキシ編集ができること、そしてその際にアセットマネージメント機能が有効であるということです。 プロキシを使うメリットは、通常のインターネット回線でプライベートサーバーにアクセスすることができ、ローカルコンピュータのMedia Composerでプロキシメディアでの編集ができることです。ハイレゾリューションメディアから作成されたプロキシメディアとそのメタデータの紐付けが完全であるため、Media Composer内で表示するメディアを高画質にもプロキシにも、簡単に切り替えることができます。 プロキシメディアを作成してそれを編集することは、Avidシステム以外でもできるかもしれません。しかし、その編集したシーケンスに対し、ハイレゾリューションメディアへの切り替えが瞬時で行われることが望まれるとしたら、アセット機能がなければなりません。アセット機能があることで、プロキシとハイレゾリューションメディアの切り替えが、ボタン1つで行えるため、リモートでは仮編集、会社にある編集システムでは、高画質プレビューや調整をすることができ、プロキシ・ハイレゾのワークフローがスムーズに実行できます。 また、よくあるアセットマネージメントの機能として、webベースのビデオ編集をうたっている製品もあります。しかし、何かのチェックをするために再生したり、マークを付けたりするアシスタントやプロデューサーには十分かもしれませんが、熟練したエディタにはこのwebベースの編集では物足りないものがあります。Avidの統合されたシステムではその両方を使うことができ、エディタからプロデューサーまで、そのコンテンツに関わる人たちがすべてを共有することができます。 では、Avid Media Composer|Cloud RemoteとNEXIS Edgeの製品の違いはというと、 Media Composer| Cloud RemoteはMedia Centralをベースとし、それと連携するソフトウェアオプションです。施設外のMedia Composerユーザーは場所を問わず、リモートでMedia Centralが管理するメディアにアクセスすることができ、プロキシをリアルタイムでストリーミングすることができます。このオプション機能は、Media Centralが中心にある大規模なポストプロダクションで利用されます。 NEXIS Edgeは、2022年1月に発表された新製品です。もし、NEXISストレージをすでにお持ちであれば、NEXIS Edge用のサーバーを追加することで、リモート・プロキシ編集をすることができるようになります。また、この製品は、もう一つの特徴として、(メディアは持ち出さない前提とは言いましたが)ネットワークなしでのオフライン編集ができる機能があります。コピーメディアのワークフローを利用し、プロキシメディアやレンダリングメディア、ビンをローカルドライブに移すことで、再リンクが必要になるメディアを作成しなくてすみます。そして、不安定なネットワークの環境を心配することなく、編集をすることができ、完成したシーケンスを戻す際にも、再リンクに悩まされることがなくなります。 NEXIS Edgeはクライアント数などに制限がない、リモート接続可能で、プロキシワークもできるシステムになります。NEXISにアスセスするときには、リモートクライアントとして接続すれば、Wi-Fiや家庭のインターネットからも接続することができます。共同作業をするような場面でも、場所を選ばずに編集をすることができ、さらに会社の施設内では、高解像度でカラーグレーディングやプレビューができるシステムとのシームレスな連携が可能になり、中小規模のポストプロダクション向けのシステムといえるのではないでしょうか。 ここまで、3つのソリューションとしてMedia Composerでのリモート編集について見てきました。 リモートデスクトップでのアクセスやゼロクライアントでのアクセスは、Media Composerのアプリケーションが手元にないため、ステレオ以外のオーディオを確認することはできません。一方、NEXIS EDGE等のAvidシステムでの構築は、手元のPCにMedia Composerがあるため、ビデオインターフェースを追加することもでき、見たいモニタや聞きたいスピーカーで確認することも可能です。 リモートワークにはネットワークがかかせません。5Gのカバー率が上がったというニュースはよく耳にしますが、どれだけ恩恵を受けていると感じていますか?安全なリモート編集を考えるのであれば、Avidのソリューションは投資対効果に見合うシステムといえるのではないでしょうか。 ご不明な点がございましたら、Rock On Pro までお気軽にお問い合わせください。
NEWS
2022/04/22

Avid Media Composer ver.2022.4リリース情報

日本時間 2022年4月22日未明、Avid Media Composer バージョン2022.4がリリースされました。有効なサブスクリプション・ライセンスおよび年間プラン付永続ライセンス・ユーザーは、AvidLinkまたはMyAvidよりダウンロードして使用することが可能です。 このバージョンには、バグフィックスと機能改善、新機能が含まれています。 バグフィックスについてはこちら>> (日本語Read Me) 今回のリリース以降、Media Composerではmac OS 10.14.6 Mojaveをサポートしません。 尚、mac OS Catalinaでは32bitのアプリケーションはサポートしていないため、Media Composerをインストールしても、以前のTitle ToolsやMarquee Title Tool、古いQuickTimeのコーデックはインストールされませんので、ご注意ください。 また、このバージョンをインストールした一部のユーザーから「EssentialResourceNotAvailableError」というメッセージがでてアプリケーションが起動しない問題が報告されています。 この問題の原因はOpen IO NDIに関連する既存の設定ファイルがMedia Composer2022.4で正しく読み込めないことが原因で起こるそうです。この問題の対応については、下記サイトをご覧ください。 https://avid.secure.force.com/pkb/articles/ja/Error_Message/EssentialResourceNotAvailableError-Launching-Media-Composer-2022-4 では、Media Composer 2022.4の新機能について見ていきましょう。 Media Composer 2022.4の新機能 https://www.youtube.com/watch?v=xLJzA16P_KU 1. NewTek NDIの改善 オーディオリファレンスレベルの設定 オーディオのリファレンスレベル-14db、-18db、-20dbから選択することができます。Avid I/O Manager から設定します。 インターレースフォーマットのサポート 720i/59.94、720i/60、1080i/59.94、1080i/60のHDフォーマットをサポートします。 2. コンテキストメニューからのリバースマッチフレーム タイムライン上でのトラック選択の有無にかかわらず、ソース/レコードのタイムラインで右クリックすることでリバースマッチフレームができます。 3. オープンIO SRTのサポート Secure Reliable Transport(SRT)は、ネットワークにおけるのビデオストリーミングパフォーマンスを最適化するオープンソースのビデオトランスポートプロトコルおよびテクノロジーです。 これにより、エディタはSRTを介しての出力をSRT対応のクライアントまたはデバイスを持っている人にストリーミングすることで、シーケンスを共有できます。 Media Composer では、SRT は送出のみをサポートします。送出された映像を見るためには、受け側 に(Haivision Free Play Pro App や VLC Player のような)SRT デコーダーを備えたアプリケーシ ョンが必要です。これらのアプリケーションがあれば、Media Composer で再生している映像を確認できます。 4. Avid Titler+のアップデート Titler+ダッシュボードの機能が追加され、デザインも変更されました。機能ごとにフォント、トランスフォーメーション、スタイルとセクションに分かれています。 アライメントツールが追加され、複数のオブジェクトを同時に揃えることができます。 エフェクトエディタとダッシュボードの連携がとれるようになり、エフェクトエディタが、ダッシュボードの変更を反映することができます。 入力スピードの改善 80以上のバグフィックス 5. コマンドパレットの検索機能 コマンドパレットにクイック検索機能が追加され、探したいボタンの名前を入力して、探すことができます。 6. Media Composer | Enterprise Admin Toolsのアップデート Media Composer|Enterprise Adminツールでは、テンプレートとして作られているロール(機能)を個々のユーザーまたはグループ単位で変更することができます。 Avid Media Composer 2022.4は新機能のついた今年初リリースバージョンになります。 NewTek NDIの改善、SRTでのビデオストリーミングの機能など、今後もOverIP機能の発展が気になります。 ご購入のご相談、ご質問などはcontactボタンからお気軽にお問い合わせください。
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2022/04/20

Solid State Logic「THE BUS+」発表!多機能な2chアナログ・バスコンプレッサー

Solid State Logicが、2chアナログ・バスコンプレッサー「THE BUS+」を発表しました。 THE BUS+は、SSL伝統のバスコンプレッサーを基本に、4つのモード、4つのサウンドカラーを備え、さらにダイナミックEQを搭載した多機能ステレオコンプレッサーです。デザインの根幹はオリジナルのSSL Bus Compressor回路に忠実でありながら、これを基盤としていくつかのユニークなサウンドのカラーと高度な処理ツールを追加しています。 SuperAnalogue回路を搭載したラージコンソール9000シリーズのようにクリーンでパンチのあるサウンドも、初期SSLコンソールの代名詞である4000Eのようなアグレッシブなサウンドも実現することが可能です。 SSL The Bus+ 販売価格:¥ 346,500(本体価格:¥ 315,000) 5月下旬発売開始予定 Rock oN Line eStoreでのご予約・ご注文はこちらから>> SSL伝統のバスコンプレッサーを基本に、4つのモード、4つのサウンドカラーを備えた多機能ステレオコンプレッサー SSLを象徴するアナログプロセッサーであるSSL Bus Compressor。1976年に発売されたSSL 4000 Bコンソールから現在に至るまで、何世代にも渡りそのBus Compressorは常にコンソール・センターセクションの要となってきました。 多くのトップエンジニアやプロデューサーにとって、SSL Bus Compressorはその独特なグルーブ感とパンチのあるサウンドで楽曲にドライブとエネルギーを加え、ミックスをより完全なものとする最も信頼できるプロセッシングツールであり続けています。 THE BUS+の回路設計はオーディオ・パスに2181 THAT VCAなどのハイグレードなコンポーネントを使用することにより優れたアナログ・パフォーマンスを実現するだけでなく、求めるサウンドを完璧に実現するために4つの動作モードと4つの異なるコンプレッション・カラーを組み合わせることができる、非常に柔軟なプロセッサーとなっています。 さらにTHE BUS+は、ダイナミック・イコライザーを搭載しており、ステレソース、2ミックスはもちろん、ヴォーカル、ベース、ナレーションなど様々な用途や音源に高いレベルで対応することができる、汎用性と柔軟性の高いアナログ・サウンド・ツールです。 主な特徴 高性能2181 THAT VCAを使用。 クラシック・ステレオ、S/Cサミング(LRサミング)・ステレオ、デュアル・モノ、ミッドサイドの4つのモード。 リリース「Auto 2」、レシオのマイナス設定など、これまでのSSL Bus Compressor にはない設定値を追加。より柔軟にサウンドをシェイプすることが可能。 通常のSSL Bus Compressorサウンドに加え、さらに3つのサウンド・カラーを搭載。 ハーモニック・ディストーションを加えサウンドに厚みと心地よい歪み感をもたらす4Kモード、低周波の歪みを低減し、クリーンなボトムエンドを実現するLOW THDモード、コンプレッションの特性を変化させ、よりリラックスしたコンプレッションスタイルを実現するF/Bモードと4つのサウンド・カラーであらゆるソースに適応。 デジタルコントロールを採用し、 精度の求められる作業でも優れたパフォーマンスを実現。 2バンド・ダイナミックEQ(D-EQ) Bus CompressorとD-EQのプリ/ポストを設定可能。 サイドチェイン・ハイパスフィルターを10Hzステップで最大300Hzまでコントロール可能 パラレルコンプレッションのためのミックスコントロール ミックス全体のキャラクターに大きな影響を与えるバスコンプレッサー。大本命とも言える製品の登場に心が躍ります! 気になる発売日は5月下旬の予定。ROCK ON PRO ではご予約を受付中です! https://pro.miroc.co.jp/2021/12/29/33609-re-release/#.YmEzAJPP0-Q
Support
2022/04/12

Dolby Atmos Renderer v3.7.2 アップデート情報

Dolby Atmos Renderer v3.7.2がリリース 直感的なDolby Atmosミキシングを可能にする制作ツール"Dolby Atmos Renderer(ドルビーアトモスレンダラー)"の最新版となるv3.7.2が公開されています。 今回はHT-RMUのリモートコントロール用ソフトウェア"Dolby Atmos Renderer Remote"のWindowsマシンにおけるファイルブラウジングの修正やデフォルトのバイノーラル設定の改善が含まれているとのこと。詳細は下記URLからもご確認いただけます。 https://customer.dolby.com/content-creation-and-delivery/dolby-atmos-renderer-production-and-mastering-suites-v372 Dolby Atmos Renderer アプリケーション v3.7.2 のリリースをお知らせします。このリリースには、Dolby Atmos Production Suite および Mastering Suite の有効ライセンスでのインストールに使用される Mac および PC インストーラの両方に対するアップデートが含まれています。 本リリースでの主な改善点 - Dolby Atmos Renderer Remote のWindowsマシンにおけるファイルブラウジングに関する修正 - Dolby Atmos Binaural Settings Plug-in v1.1.2 をサポート - デフォルトのバイノーラル設定の改善 - ドキュメントの改善 - 特殊文字を含むファイル名のエクスポートに関する修正 システム要件 Dolby Atmos Production Suite: macOS 10.14.6 〜 11.6.1 及び対応のDAWで利用可能 Dolby Atmos Mastering Suite: macOS 10.14.6 〜 11.6.1 または Windows 10 Pro と 対応のDAWで利用可能 セットアップ方法詳細は、ドキュメントをご参照ください。 Dolby Atmos Renderer最新版は下記URLよりダウンロード可能です。(Dolby Customerページへの登録が必要です) https://customer.dolby.com/content-creation-and-delivery/dolby-atmos-renderer-production-and-mastering-suites-v372 Dolby Atmos Rendererが含まれるDolby Atmos Production SuiteはAVIDストアよりご購入いただけます。 https://www.avid.com/ja/plugins/dolby-atmos-production-suite Dolby Atmos制作機材、スタジオ施工に関するお問い合わせは実績豊富なROCK ON PROにお任せください。下記コンタクトフォームよりご連絡をお待ちしております。 https://pro.miroc.co.jp/headline/dolby-atmos-info-2022/#.YlT9-9PP0-Q https://pro.miroc.co.jp/headline/we-want-more-atmos-proceed2021-22/#.YlT_ktPP0-Q https://pro.miroc.co.jp/works/surebiz-proceed2021-22/#.YlT_dtPP0-Q https://pro.miroc.co.jp/headline/avid-creative-summit-2021-online/#.YlT_g9PP0-Q
Sales
2022/04/11

特価在庫あり! Pro Tools年間サブスクリプション(新規)特別価格プロモーション実施!

2022年3月限定で、Pro Tools サブスクリプション新規ライセンスが大変お得に手に入るプロモーションが開始されました。Pro Toolsが約33% OFF、Pro Tools | Ultimateは50% OFFという魅力的なバリュー! Pro Toolsサブスクリプション導入をご検討のみなさまは、この機会をお見逃しなく!! 2022年4月1日追記: 3月末に終了した本プロモーションの在庫がございます。早い者勝ちでPro Tools年間サブスクリプションをお得にご購入いただけます! 期間:2022/3/1 – 2022/3/31 在庫限り特価! 対象:Pro Tools、 及び、Pro Tools | Ultimate 年間サブスクリプションの新規ライセンス *年間サブスクリプション再加入ライセンスは本プロモーションの対象外です。 Pro Tools 年間サブスクリプション(新規)33% OFF!! 販売価格:¥38,830→¥26,070 (本体価格:¥ 23,700) Rock oN Line eStoreでのご購入はこちら>> Pro Tools | Ultimate 年間サブスクリプション(新規)50% OFF!! 販売価格:¥103,950→¥51,975 (本体価格:¥ 47,250) Rock oN Line eStoreでのご購入はこちら>> 年間サブスクリプションユーザーのためだけの特典がさらにお得に! Pro Tools / Pro Tools | Ultimateの年間サブスクリプションユーザーのみに提供される特典プログラムである「Pro Tools Inner Circle」。最も革新的なパートナー・ブランドによる厳選された無料プラグイン、音楽とサウンドのライブラリ、トレーニング・リソースなどのコレクションにアクセス可能なこのプログラムに新たに2つのプラグインが加っています。 これらをはじめとして、今後追加される特典はサブスクリプションユーザーのみがアクセスできる特別なものとなっています。 詳細は下記Avidブログ記事にもございますので、併せてご参照ください。 Equivocate:人間の聴覚をモデルにした初のEQを使い、耳(と目)で感じるEQを実現 Rift Filter Lite : フィルター・デザインの全く新しいアプローチ その他のInner Circle特典に関しては、こちらのページをご参照ください:Pro Tools Inner Circle  有効期間中はつねに最新バージョンをダウンロード可能、一度失効してもいつでも同価格で再開が可能、そして順次追加される特典が使用可能、など、サブスクリプションならではさまざまなメリットがあります。 Pro Tools、HDXシステムについてはご質問はお気軽にROCK ON PROまでご相談ください!
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2022/04/01

Dolby Personalized HRTF App (iOS)ベータ版が公開中

Dolby Personalized HRTF ベータ版が公開中 昨年、Apple Musicが空間オーディオの再生に対応し、大きな話題を集めました。現在Amazon Music HDやTidalといった別のサービスでもロスレスやハイレゾ、空間オーディオの再生に対応し、それらはストリーミングサービスにおける付加価値として、一般の音楽リスナー達にも徐々に受け入れられはじめています。 各フォーマット、一長一短ありますが、中でもバイノーラル再生時の"個人化HRTF"への対応は重要なポイントの一つと言えるでしょう。なぜなら、マルチチャンネルからバイノーラルへのレンダリング時に、個人最適化されたHRTF関数を使うことでより正確な立体音像定位を得られるようになるからです。 例えば過去弊社記事でもご紹介させていただいている通り、360 Reality Audioでは、対応製品とスマートフォンアプリを活用することで、個人最適化された音像定位で音楽を楽しむことができるのが特徴で、同様のサービスはCreative TechnologyのSuper X-fiやEmbodyのImmerseなどが挙げられます。 そんな中、これまでそのような動向が見られなかったDolbyより個人化HRTF作成アプリ「PHRTF Creator」のベータ版が公開されました。これは現段階ではリスナー向けではなく、主に音楽、映画、TV、ゲーム業界でDolby Atmos制作に携わっているプロ向けの機能となっているようです。 Dolby Professionalのページへ: https://professional.dolby.com/phrtf/ ベータ版試用手順 ・必要事項:    - iOS 13以降を搭載したFace IDに対応したiPhone   - Dolby Atmos Renderer v3.7.1 ( こちらからダウンロード可能です。※1)    - 試聴可能なドルビーアトモスコンテンツ ※1:起動にはDolby Atmos Production Suiteのライセンスが必要です。Dolby Atmos Renderer ソフトウェアのダウンロードページでサインアップすると、90 日間の トライアルライセンスをリクエストすることができるようになります。iLokアカウントに認証ライセンスをデポジットしてもらうためには、iLokのログイン情報が必要となりますのでご注意ください。 ・ベータ版のインストール方法   1.テストに使用するiOSデバイスにTestFlightをインストールします。   2.iOSデバイスから次のリンクをクリックします。:https://testflight.apple.com/join/7lxusSow   3.「Accept」→「Install」の順にタップします。   4.「PHRTF Creator」アプリを開き、指示に従って操作してください。   5.キャプチャが完了すると、メールとiOSのプッシュ通知が届きます。 ・PHRTFのダウンロード   1.PHRTF作成成功の通知を受け取った後、PCから phrtf.dolby.com/renderer にアクセスし、PHRTF Creator Appで使用したものと同じ認証情報でログインしてください。   2.PHRTFをダウンロードします。このファイルは、Creatorアプリで入力した姓名の.personlized_headphoneファイルです。ブラウザからデフォルトのダウンロード場所にダウンロードされます。PHRTF CreatorアプリのLabelフィールドを使用してダウンロードを区別することができますので、任意の時点で追加のキャプチャを作成することができます。   3.ファイルのダウンロードが完了したら、ブラウザウィンドウを閉じます。 ・PHRTFを適用する   1.personlized_headphoneファイルをデフォルトのダウンロード先からハードディスク上の以下のフォルダにドラッグ&ドロップしてください。       - macOS:/Users//Library/Application Support/Dolby/Dolby Atmos Renderer/Binaural Configurations    - Windows:ProgramData\Dolby\Dolby Atmos Renderer\Binaural Configurations   2.Dolby Atmos Rendererを起動し、PreferencesのHeadphoneタブで"Headphone processing"が"ON"になっていること、"Render mode"が"Binaural"に設定されていることを確認してください。   3.ヘッドフォンに正しくルーティングするために、PreferencesのDriverタブで"Headphone Only mode"を有効にすることを推奨します。   4.Rendererの右上に"Binaural configurations"というドロップダウンが表示されるようになります。このドロップダウンより、先ほど作成したPHRTFに変更します。   5.ドロップダウンの横にある情報アイコンの上にカーソルを置くと、PHRTFの情報を見ることができます。   6.作成したPHRTFで、アトモスコンテンツをお楽しみください! Dolby Atmos Rendererをお使いの方は是非お試しください! Dolby Atmos 制作に関するお問い合わせは下記コンタクトフォームよりお寄せください。
Support
2022/03/22

Google Chorome 最新バージョンのAvid Video 製品に対する重大な不具合

3/29(火)にリリースされる予定のGoogle Chrome ver100において以下のAvid製品に対する重大な不具合が確認されました。 Media Central | Cloud UX Media Central | Sync Editorial Management これらの製品をご利用のお客様がChrome v100へアップデートをしてしまうと、ログインができなくなる問題が確認されております。 Cloud UXに関しては2020.4以降のバージョンでこの不具合の対策を実施したパッチを3/25(米国時間)にパッチをリリースする予定です。 その他のMedia Central | Sync, Editorial Managementに関してもパッチをリリースする予定ですが、現時点でリリース日時は未定です。 該当するお客様においては、パッチを適応するまでの間はChrome v100をインストールしないようお願いいたします。 (特に自動アップデートを有効化しているお客様はご注意ください) 詳細はリンク先のページのPDFファイル(英語)をご参照ください。 https://pro.miroc.co.jp/headline/avid-creative-space-c
Support
2022/03/22

Pro Tools が macOS Monterey (12.3) 対応〜Avid プラグイン アップデート

Avid Plugins を 2022.2 にアップデートすることにより、Pro Tools 2021.12 が macOS Monterey (12.3) に対応することが発表されました。 有効なプランをお持ちのお客様は、My Avid または Avid link (Pro Tools2021.12 > 「含まれているアプリとプラグイン」) から Avid Plugins 2022.2 をダウンロード可能です。 *OSアップデートにあたっては、その他のプラグイン、アプリケーションの対応状況にも十分ご注意ください。 詳細並びに注意事項等は、下記互換情報ページをご参照ください。 Pro Tools OS (オペレーティングシステム) 互換性 リスト macOS 11 (Big Sur) , macOS 12 (Monterey) および M1 と Avid 製品の対応状況 mac OS Monterey への対応については、Pro Tools 自体のアップデートではなく、プラグインのみをアップデートすることで対応可能です。 ご不明点は、ROCK ON PRO までお気軽にお問い合わせください。 https://pro.miroc.co.jp/headline/protools-promotion-annual-subscription https://pro.miroc.co.jp/brand/avid-creative-space
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2022/03/18

Avid Creative Space C オープン!〜ビデオとオーディオの完全な統合ワークフローを体験!!

Avid が提供する統合型のソリューションをトータルシステムで体験いただける Avid Creative Space。この度、新たに Avid Creative Space C (ACS-C) が Lush Hub 内にオープンいたしました。 ビデオ編集とオーディオポストプロダクションのワークフローを完全に統合するオンプレミスのサーバーソリューションが構築され、クラウドサーバーへの拡張も可能なシステムを備える ACS-C では、MediaCentral + Avid NEXIS による共有サーバーソリューションをはじめ、スマートなアセットマネジメント、ビデオ編集とオーディオポストのリアルタイムでのコラボレーションといった最新のワークフローを体験していただけます。 Avid Creative Space C の特徴  ・MediaCentral + Avid NEXIS による共有サーバーソリューション  ・柔軟で高速なアセットマネジメント  ・10G接続によるスムースなワークフロー  ・ビデオ/オーディオが編集結果をリアルタイムに共有  ・Video Satellite を使用した Pro Tools と Media Composer の同期  ・4K/HDR に対応 ACS-C、及び、その他 Avid Creative Space の詳細はこちらご確認いただけます>> https://pro.miroc.co.jp/brand/avid-creative-space 〜主な機材〜 サーバーソリューション  Avid NEXIS | E2 60TB  MediaCentral  MediaCentral | Cloud UX NLE  Media Composer | Ultimate (Full Option)  Avid Artist | DNxIQ  Mac Pro 2019 DAW  Pro Tools | Ultimate w/ HD Native TB  Pro Tools | MTRX Studio  Pro Tools | Sync X  Blackmagic Design UltraStudio 4K  Mac mini Video Ref/WC ジェネレーター  TASCAM CG-1800 モニタースピーカー  Focal Professional Shape 40 Gallery ROCK ON PRO では、ACS-C をはじめとした、各 Avid Creative Space でのデモの御用命をお待ちしております。プロフェッショナルから個人ユーザーまで、ニーズに応じた提案が可能です。Avid Creative Space のデモは、専用フォームからお気軽にお申し込みください。
Tech
2022/03/15

iZotope RX 9 レンダリング速度対決 〜M1 vs Rosetta 2 vs Intel (vs M1 Max)〜 M1対応記念セールも実施中!!

数々の受賞歴を誇る業界標準オーディオリペアツール iZotope RX が最新バージョンv9.3.0より、待望の Apple Silicon M1へのネイティブ対応を果たしました!2021年秋に新たな機能を追加してバージョンアップしたばかりの RX 9 を、現時点でもっともパワフルな環境で使用することが可能となります。 ROCK ON PRO では早速、従来の Intel CPU や Rosetta 2 経由での動作と比較し、Apple M1ネイティブ対応の優位性を検証! さらに、この Apple M1ネイティブ対応を記念して実施中のセール情報をお届けします! iZotope RX 9 の詳細はこちら>> レンダリング速度比較! 〜 M1 vs Rosetta 2 vs Intel Core i7 〜 先日、iZotope RXの Apple M1チップへのネイティブ対応が発表されました。M1搭載のMACをお使いのiZotopianのみなさまは既にお試しいただいてますでしょうか?ネット上では「かなり処理速度が上がった」「体感2倍〜3倍速い」などといったコメントが散見されますが、果たしてどれくらい処理速度は向上しているのか?実際に弊社環境でチェックしてみました。 ◎そもそも「M1ネイティブ対応」とは何か すでにご存知の方も多いかと思いますが、まずは「M1ネイティブ対応」の意味からおさらいしてみたいと思います。 改めてNativeという単語の意味を検索してみると、次のような意味とのことです。 Native=出生地の、自国の、本来の、その国に生まれた、その土地固有の、土着の、(…の)原産で、土産(どさん)で、生まれつきの、生来の (参照:Weblio英和辞典 native) 「M1ネイティブ対応」という文脈においては「本来の」という意味で使用されているようなイメージでしょうか。 RXがM1チップ搭載MACでも使えるようになったのは、RX 8.5からですが、このバージョンから9.2までは「Rosetta 2」経由で処理を行っていました。 Rosetta は特定のアーキテクチャのプログラムコードを持つバイナリを、別のアーキテクチャに適宜変換 (en:Dynamic recompilation) することでバイナリの互換性を維持するAppleの技術。(参照:Wikipedia - Rosetta) これがM1リリースに伴い、インテル製CPU向けアプリケーションとの互換性を保つために新たにRosetta 2 として発表されました。ただしこれはあくまで動作上の互換性を保つためのワークアラウンドであり、M1チップが保つ本来の性能を発揮できていないということになります。 つまり、今回のRXの「M1ネイティブ対応」は「M1本来の処理性能での動作に対応した」という意味になります。 ちなみに、今お使いのアプリケーションがM1で動いているのか、Rosetta 2で動いているかどうかを確認するためには「アクティビティモニタ」の「種類」の項目から確認できます。"Apple"もしくは"Intel"となっており、もしここが"Intel"と表示されている場合、Rosetta 2経由で動作していることを表しています。 ◎検証環境 検証パターン ・2種類のCPU x 2種類のRXバージョン x 3種類の処理項目 = 12パターン  - 2種類のRXバージョン( v9.0.1 or v9.3.0 )  - 2種類のCPU ( M1 or Intel )  - 3種類の処理項目( Dialogue Isolate or Repair Assistant or Music Rebalance) 今回検証に使用するマシンのスペックは以下になります。本来であれば全くの同スペックで検証するのが理想でしたが、現実はそううまくは行きません…。あくまで参考としてお考えください。 まずIntelマシンとして用意したのはMacbook Pro(15-inch,2016)。6年前のモデルということに驚きましたが、Quad-Core Intel Core i7とそれなりにパワフルなCPUを備えています。 MAC①:MacBook Pro(15-inch,2016) ・ OS:macOS 10.15.7 Catalina ・ CPU:2.7 GHz Quad-Core Intel Core i7 ・ メモリ:16GB 2133MHz LPDDR3 ・ グラフィックス:Intel HD Graphics 530 1536MB 対するM1マシンとして用意したのはiMac(24-inch,M1,2021)。iMacのラインナップの中では最もリーズナブルな構成のモデルですが、4つの高性能コアと4つの高効率コアを搭載しており、その処理性能は既に随所で高く評価されています。 MAC②:iMac(24-inch,M1,2021) ・ OS:macOS 11.3 Big Sur ・ CPU:Apple M1 ・ メモリ:8GBユニファイドメモリ ・ グラフィックス:Apple M1 さらに、とある協力者様のご協力によりM1 MAXのデータも得ることができました(V9.3.0のみ) MAC③:MacBook Pro (16-inch ,2021) ・ OS:macOS 11.2 Monterey ・ CPU:Apple M1 MAX ・ メモリ:32GBユニファイドメモリ ・ グラフィックス:Apple M1 MAX RXのバージョンは同一マシンでのRosetta 2経由 / M1ネイティブでの処理速度の違いをみるために、それぞれV9.0.1、そして最新のV9.3.0の2種類のバージョンのRXを用意しました。 処理項目は3種類。雑音の中から音声を分離するDialogue Isolate、最適な処理を提案してくれるRepair Assistant、そして楽曲をパートごとに分離可能なMusic Rebalanceと、比較的CPUへの負担が大きそうな処理項目を使用します。 素材は2種類。工事現場の雑音の中での話し声を録音した音声素材(13秒)と、商用フリーの音楽素材(4分23秒)を用意しました。 検証に使った素材 サンプル1:工事現場の雑音の中での話し声、13秒  -> Dialogue Isolate、Repair Assistant サンプル2:フリーの音楽素材、4分23秒  -> Music Rebalanceでパートごとの個別トラックに分離 測定方法はDialogue IsolateとRepair Assistantについては上記サンプル1を、Music Rebalanceについてはサンプル2を使用し、処理の実行終了後、画面左下に表示される処理時間を記録しました。 1.Dialogue Isolateのパラメータ設定 2.Repair Assistantのパラメータ設定 2.Music Rebalanceのパラメータ設定 計測方法 ●1.Dialogue Isolate  サンプル1(雑音+話し声)を以下のパラメーターで実行し、”Render"ボタン押下〜完了後、画面左下に表示される処理時間を記録。 ●2.Repair Assistant  サンプル1(雑音+話し声)を以下のパラメーターで実行し、”Render"ボタン押下〜分析が終わりサジェストが表示されるまでの実時間を計測。(結果欄ではそれぞれ"_1"、"_2"で表記。) ●3.Music Rebalance  サンプル2(音源)を以下のパラメーターで実行し、”Separate"ボタン押下〜完了後、画面左下に表示される処理時間を記録 検証結果 〜やはりM1ネイティブ対応版は速かった!〜 表1:検証結果 - 全パターン結果 結論から申し上げますと、追加で検証を実施したM1 MAX(Native)がぶっちぎりで速いという結果に。MAXはさておき、無印のM1ネイティブをRosetta 2と比較すると約1.3倍ほど速く、Intelとの比較では約2倍ほど速いという結果になりました。(表3 上段)ちなみにRosetta 2とIntelとの比較でも1.3倍ほど前者が速かったです。また、処理中に表示される推定残り時間を見ていても、明らかにM1ネイティブが少ない残り時間の表示となっていました。 表2:検証結果 - 項目ごとの順位(V9.3抽出) それにしてもM1 MAXの処理速度の速さには驚きです。Intel MBPより平均3.5倍ほど速いです。Music Rebalanceでは、オリジナルが4分23秒の音楽素材をたったの111秒=1分51秒で綺麗に4パートに分離しました。 表3:検証結果 - 速度比(V9.3抽出) 個人的な感想として、M1ネイティブ対応のv9.3.0は比較的キビキビとした挙動で、「仕事で毎日RXを使っている」という方もストレスフリーな作業が期待できると思います。 皆さんも、是非ともM1ネイティブ対応で本領発揮したiZotope RX 9の真価をご体験ください! ※一部、Music Rebalanceについては例外的な結果となっている部分もありますが、今回の結果はあくまで弊社環境によるものですので、あくまで参考程度にお考えください。また分離後の音質の評価までは残念ながら実施できていないので、そのあたりを比べてみると差が出てくるという可能性も大いにあります。 Apple Silicon ネイティブ対応を記念したセールが開催中! Apple Silicon への対応を記念して、2022年3月31日までの期間限定プロモーションが実施中!各種Elementsからのクロスグレードが過去最安値など、RX を手に入れる絶好のチャンス到来です!! ラインナップ詳細、ご購入は Rock oN Company WEBサイト、または下記contactボタンよりROCK ON PRO までお問い合わせください!
NEWS
2022/03/07

Avid NEXIS | EDGE 紹介映像 日本語字幕版が公開中

ワークフローの域を超えて制作環境を拡張し、制作スタジオ/自宅/外出先など、場所を問わないコラボレーションを可能にするAvid NEXIS | EDGE。 その紹介映像の日本語字幕版が、現在Avid Japan 公式You Tubeチャンネルにて公開中です。 Avid NEXIS | EDGE とは? - 日本語字幕版公開中 ●Avid NEXIS | EDGEの主な特長: ・新しいプロキシーフォーマットでメディアを作成、再生 ・使い慣れたAvid NEXISクライアントから、ワークスペースをリモートで接続 ・リモートエディターも Media Composerの共有ビンやプロジェクトにアクセス可能 ・Media Composer | Distributed Processing でプロキシーを作成、リモート編集 ・ブラウズ、音声検索、ログ、再生、編集、コンテンツのレビュー等をシンプルなブラウザ・インターフェースで実行 ・Media Composer | Enterprise や Adobe Premiere Pro をAvid NEXIS | EDGEに接続 ・インターネット接続を切断してもコピーしたメディアで作業を続行 ・すべての EDGE サービスは一つのサーバーで稼働 Avid NEXIS | EDGE https://www.avid.com/ja/products/avid-nexis-edge Avid NEXISについての詳細はこちら https://www.avid.com/ja/products/avid-nexis Avid NEXIS | EDGE システム要件 サーバーの最小要件 (Avid NEXIS | EDGE の実行用): CPU: Dual Intel Xeon クラス、10の物理コア (マルチスレッド処理) RAM: 64 GB ストレージ: 200 GB SSD (オペレーティング・システムとアプリケーション用) ネットワーク・アダプター: 1 つ以上のアダプター。アダプターは、Avid NEXIS ドキュメント に記載の要件を満たしている必要があります ストレージ: Avid NEXIS (オンプレミス・システム) フル機能の編集用 (オンプレミス): Avid Media Composer | Enterprise* 2022.2 以降または Adobe Premiere Pro 15.2 以降 リモート・プロキシ編集用: Media Composer | Enterprise 2022.2 以降 Web クライアント・アクセス用: macOS または Windows 上の Google Chrome * Avid NEXIS | EDGE は追加費用なしで Media Composer | Distributed Processing と共に Media Composer | Enterprise に含まれています。 高解像度メディアとプロキシーメディアをシンプルな操作で切り替え可能で、作業場所を変えてもシームレスに作業の続きができるため、新鮮なクリエイティビティを持続させたまま制作に臨むことができそうですね。下記コンタクトフォームよりお気軽にお問い合わせください。 https://pro.miroc.co.jp/headline/media-composer-2019-12-5/ https://pro.miroc.co.jp/headline/avid-creative-summit-2021-online/
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2022/02/28

【アーカイブ公開中】アスク・エムイー × ROCK ON PRO 共催 NDI / SRT 映像伝送セミナー開催!

渋谷LUSH HUBと千代田区エースタをSRTでリアルタイム伝送しながら生配信! 汎用のインターネットを通じて映像のやり取りが行える規格が登場し、昨年のInterBEEでも大きな注目を集めました。 例えば、これまでにもProceed Magazine等でご案内してきたNDIでは、NDI 5よりNDI Bridge機能が新たに追加されました。 他にもSRT = Secure Reliable Transport と呼ばれるプロトコルが一気に台頭してきています。 その名の通り、安全(Secure)で、信頼性がある(Reliable)、伝送(Transport)ができるところが特徴のSRTと、アプリケーションレベルで実装されたNDI Bridge。 「それぞれの魅力は?」 「具体的には何ができるの?」 「クオリティーは?」 「両方同時に使ったら?」 といった疑問の数々や、今後活用が見込まれるシーン等について、お馴染みの講師陣が丁寧に解説します。 今回は渋谷区にある「Lush Hub」と千代田区にあるアスク・エムイーショールーム「エースタ」を実際にSRTで接続しながら生配信するという初の試み! SRTやNDIに関する皆様の疑問にお答えします! 概要 - アーカイブ映像公開中 アスク・エムイー × ROCK ON PRO 共催 NDI / SRT 映像伝送セミナー 『NDI & SRT を活用した映像伝送 〜SRTで2拠点間をつないでみよう!〜』   日時:3/2 (水) 16時〜17時 参加費:無料 視聴方法:You Tube Live   LUSH HUB側配信 LUSH HUB側配信URL:https://youtu.be/PzibZ3wKPDQ エースタ側配信 エースタ側配信URL:https://www.youtube.com/watch?v=NK8AN1UsCRo 講師紹介 株式会社アスク アスク・エムイー/テクニカルサポート テクニカルサポート 松尾 勝仁NDIの開発元であるNewTek社のライブ映像プロダクションシステム Tricasterのテクニカル担当。 国内でも多くの実績を持つTriCasterを黎明期から技術担当として活躍。 NDI バージョン1発表からこれまで国内各地で紹介している伝道師的な存在。   株式会社リーンフェイズ アスク・エムイー/マーケティングマネージャー 三好 寛季氏NewTek社を始め、アスク・エムイーが取扱う映像機器のマーケティング担当。 4年制専門学校を卒業後に映像制作会社で務めるも短期間で挫折、 フリーランスになるもすぐに挫折、機材好きが高じて現職に落ち着く。常に興味津々なマーケター。   株式会社メディア・インテグレーション ROCK ON PRO / Product Specialist 前田 洋介レコーディングエンジニア、PAエンジニアの現場経験を活かしプロダクトスペシャリストとして様々な商品のデモンストレーションを行っている。映画音楽などの現場経験から、映像と音声を繋ぐワークフロー運用改善、現場で培った音の感性、実体験に基づく商品説明、技術解説、システム構築を行っている。   ウェビナーで使用されていた、NewTek TriCaster、AJA BRIDGELIVEに関するお問合せは下記コンタクトフォームからお願いします。
Event
2022/02/25

ウェブ会議Zoom × Blackmagic Design合同セミナー開催

Zoom x Blackmagic Design合同セミナー  〜ATEM MiniとZoomで広がるウェビナーやウェブ会議の可能性〜 2022年3月1日(火)に、Blackmagic DesignとZVC Japan 株式会社(Zoom)による合同のセミナーが開催されます。 ワンランク上のウェビナーおよびオンライン会議を目指す企業様へ「オンラインプラットフォーム」「映像配信機材」という視点から、配信映像の品質を上げるポイントを解説。他社と差をつけたい皆様、必見です!! 詳細ページ:https://bmduser.jp/training/detail.php?p=p00000149 講座内容 15:00~15:20 ZVC Japan 株式会社(Zoom) 「Zoom オープンプラットフォームと最新機能のご紹介」 15:20~16:00 Blackmagic Design 「ATEM MiniをZoomで効果的に使う方法」 16:00~16:30 パネルディスカッション 日程:2022年3月1日 (火) 時間:15:00~16:30 会場:Zoomを使用してのオンライン開催です。 費用:無料 ※下記URLより参加登録が必要です。 https://bmduser.jp/training/form.php?p=p00000149
Tech
2022/02/24

新作追加!『ラックのウラからヨイコラショ!』〜業界の”?”をだいたい10分で解決!〜

ROCK ON PRO 配信企画が始動!ROCK ON PROの若手スタッフが、経験豊富なハカセたちに音響業界のイマサラキケナイ基礎知識に関する疑問難問をぶつけます!業界で当たり前のように使うコトバやジョーシキが「わからな〜い!?!?」という方も、コレを見ればだいたい10分で分かる…はず!? だいたい月イチ更新予定でお送りいたします! 再生リストはこちら>> だいたい10分でわかるカタログの読み方(マイク編)2022.2.24公開 「おれ、世界一のBeat Boxerになる!」勢いこんで宣言したはいいが、スペック表の読み方がわからないバウンス清水。そんな彼に、洋介ハカセがカタログスペックで抑えておくべき4つのポイントとその意味を丁寧にレクチャー。 だいたい10分で、マイクが持っている様々な特性の意味とマイク選びに大切なポイントがわかります! だいたい10分でわかるマスタークロック 2022.1.28公開 「マスタークロックで音が変わる!?どうして!?」ROCK ON PRO 2019年度ドラフト1位の期待のホープ、しまもんこと嶋田直登の質問に洋介ハカセがマスタークロックのはたらきとなぜマスタークロックを変えると音まで変わるのかを丁寧にレクチャー。 だいたい10分で、オーディオシステムにおけるマスタークロックの役割がわかります! 制作は最先端の音響・映像配信システムを融合したLush Hubで実施! 2021年、渋谷に誕生したクリエイターのための秘密基地Lush Hub。『ラックのウラからヨイコラショ』は撮影から編集、ポストプロダクションまで、この最先端の音響と映像配信が融合したシステムを備える場所で制作されています。いつか、この設備をフル活用してラックのウラから生配信が実現するかも!? Lush Hubについての詳細はこちらから!>> 『ラックのウラからヨイコラショ!』はだいたい月イチペースで動画を追加予定です。YouTube再生リストはこちら、新しい動画は順次こちらのページにも追加する予定ですので、ぜひブックマークをお願いします! ご意見、ご質問、番組で取り上げてほしいテーマのリクエストなどは、contactバナーから、お気軽にROCK ON PRO までご連絡ください!
3D Audio
2022/02/24

We want more Atmos!〜Dolby Atmosコンテンツ制作の最前線〜

Apple Musicの空間オーディオ対応などによりいよいよ一般ユーザーに立体音響を届けられるようになってきた。Proceed Magizineでは、これまで空間オーディオに関する技術的な内容を何度か紹介してきたが、この状況の中で実際にどのような音をユーザーに届けるのかという中身の部分について、深田 晃氏、戸田信子氏、陣内一真氏、古賀 健一氏、murozo氏という様々な分野で活躍されている皆様の制作最前線を伺った。Dolby Atmos制作の舞台裏からAtmos Musicの未来まで、大いに盛り上がりを見せた座談会の様子をお伝えしていく。 ●ご参加者様:プロフィール 深田 晃 レコーディングエンジニア CBS/SONY録音部チーフエンジニア、NHK放送技術局・番組制作技術部チーフエンジニアを歴任。あらゆるジャンルの音楽に関わるが、主にオーケストラレコーディングを担当。1997年、AES NYで「Fukada Tree」を発表後、多くのサラウンド番組制作・国際共同制作に関わる。 2011年 dream window inc. を設立、アーティストCD、映画のスコアリング、クラシック音楽録音、マルチチャンネル音響作品制作や空間音響デザイン行っている。AES Fellow IPS 英国放送音響家協会会員 、JAPRS 日本音楽スタジオ協会理事、米国レコーディングアカデミー(グラミー)会員、洗足学園音楽大学 音楽・音響デザイン客員教授。 戸田信子 x 陣内一真 COMPOSER | MUSIC DIRECTOR| SCORE PRODUCER 東京・ロサンゼルスを拠点とした作曲家ユニット。 2003年、バークリー音楽大学の映画音楽作曲科と現代作曲&プロダクション科を卒業した後、ゲーム「メタルギアソリッド4」でタッグを組み音楽制作をスタート。オーケストラレコーディングとハリウッドの映画音楽制作におけるプロダクションノウハウを学び、2011年サウンドトラックに特化した音楽プロダクション「FILM SCORE LLC」をロサンゼルスに設立。エレクトリックなサウンドデザインとオーケストラとを組み合わせたハイブリッドの音楽制作をLAにあるハンスジマーのラボ「リモートコントロール」の制作チームと共に進めている。ロサンゼルス、ロンドン、プラハなどの海外オーケストラの収録経験も多く、さらにフィルムスコアリングを用いた作曲手法を使い、映像と音楽をフィットさせ相乗効果をあげる音作りで全世界向けの映画、アニメ、ゲーム音楽を手掛けている。マイクロソフトのゲーム「Halo 5」のサントラでは初登場で全米ビルボードのサウンドトラックTOP2入りを果たすなど、近年目覚ましい活躍を続けており、これまでにゴールデンリール賞(MPSE)の長編外国語映画部門音響編集賞や英国アカデミー賞ゲーム部門音楽賞など、様々な音楽賞を受賞している。 主な代表作:『メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット』『太秦ライムライト』『Halo 5』『ULTRAMAN』『攻殻機動隊SAC_2045』『スター・ウォーズ:ビジョンズ 』など多数。​ 古賀 健一 レコーディングエンジニア レコーディング・エンジニア。青葉台スタジオに入社後、フリーランスとして独立。2014年にXylomania Studioを設立。これまでに チャットモンチー、ASIAN KUNG-FU GENERATION、Official 髭男dism、MOSHIMO、ichikoro、D.W.ニコルズなどの作品に携わる。また、商業スタジオやミュージシャンのプライベート・スタジオの音響アドバイスも手掛ける。 Xylomania Studio murozo レコーディングエンジニア Crystal Soundを拠点に活動する気鋭のレコーディング・ミックスエンジニア。超特急、TAEYO、week dudus、Sound’s DeliなどHIPHOP、R&Bからポップスまで様々な楽曲制作に携わり、Dolby AtmosミックスにおいてはSySiSY「Weekend」、Lil’Yukichi 「May I… feat. antihoney」などメジャーからインディーまで幅広く手掛けている。 Crystal Sound 劇伴制作におけるDolby Atmos ROCK ON PRO(以下、R):本日はお忙しい中お集まりいただきありがとうございます。さっそくですが、みなさまそれぞれの「Atmos事情」のようなものあれば伺いたいのですが。 戸田:Netflixが納品形態としてAtmosを推奨していることもあり、実際にAtmos制作に関わる機会は多くなっています。ただ、劇伴音楽という立場からすると、Atmosによって得られる「空間」は効果音で自由に使ってもらう、というスタンスでいるほうがよい結果になると思っています。特殊な効果以外では頭上から音楽が聴こえる必然性はないですし、逆に見ている方を混乱させてしまうことにもなりかねない。そうではなくて、作品の効果を高めるためにどうやって「空間」の中で効果音と共存していくか、ということを考えることが多いですね。 深田 晃 氏 深田:映画の場合は、音楽と効果音の役割分担というものがありますよね。最近関わらせてもらったある映画作品で、少年合唱団が歌うシーンがあって、それは高さが追加されることで7.1chよりもさらにドキドキする、引き込まれるシーンになったなと思っています。 戸田:オブジェクトトラックを使って音楽を動かす、ということはありますか? 古賀:今のぼくのデフォルトのセッティングでは、20個のオブジェクトトラックが常に立ち上がってます。9chのワイドチャンネル用、トップフロント用、トップリア用のセンドを6チャンネル分作ってるんです。あとはSpat Revolutionで9.1.6のリバーブを作って常に送り込んでたりするので、その分はオブジェクトを使いたいって感じですね。でも、別に動かしたいわけではなく鳴らしたいだけ。まだ映画でAtmosをやってないんですけど、たぶんセリフの関係とかで音楽がワイドチャンネルに逃げなきゃいけない場面ってあると思うんです。そのために、それくらいのオブジェクトは必要なんじゃないかなって。ただ、オブジェクトの使い方は難しいな、と。逆に聞いてみたかったんですが、劇伴では音楽に何チャンネルくらいのオブジェクトトラックをもらえるんですか? 戸田:基本的にはベッドのみで、オブジェクトは使わないようにしてます。劇中ではなくオープニング / エンディングとかでオブジェクトを使って音楽を聴かせる、という使い方をする場合はあるんですけど。その時はステムからオブジェクト化して、Atmosにした場合の効果をエンジニアさんと確認しながら制作したんですが、それは全スピーカーを音楽だけに使えるからやれることで…。もちろん、新しい使い方は模索してるんですが、現時点では劇中で音楽を回したり、というのはやはり無理なので、考え方としてはサラウンドから空間をさらに広げるという形になっていますね。 R:ハイトチャンネルからの音ってどんな使い方をするんですか? 戸田 信子 氏 陣内一真 氏 戸田:ビックリさせる効果を出すために使ったりしました。テーマソングがついてる敵キャラがいるんですけど、登場シーンでその歌を上から降らせたりとか。攻殻(註:Netflix『攻殻機動隊 SAC_2045』)だと、ハイトを使ったのはそれくらいですかね。ハイトはやはり主に効果音が使ってました。 古賀:効果音をハイトから出す時って、プラグインで広げたりしたんでしょうか。 陣内:いや、それ用のパンニングと空間処理でやってたと思います。効果の方は正確にはわからないですが、音楽に関しては今回ほとんどがシンセだったので、ものによってはプラグインで広げちゃうと音がスカスカになってしまう。なので、基本的にはパンニングでちゃんとその位置に持ってく、という形でしたね。 古賀:Atmosの仕込みはどうやってますか? 戸田:仕込みはうちのスタジオでやってます。11月公開の劇場版(註:2021年11月12日〜25日に上映された『攻殻機動隊 SAC_2045 持続可能戦争』)の場合は、すでにNetflixで使用したデータをサラウンドのステムで用意してあったので、それをバラしてAtmosにミックスし直しました。12話あったものを2時間にまとめてるのでほぼ付け替えでした。 古賀:Atmosのままとっておくわけではないんですね。 戸田:Atmosのステムだと5、60GBになるわけですよ。データで送るのもままならない(笑) 古賀 健一 氏 古賀:2時間映画だと、何日くらいダビングステージ(註:映画制作で、ファイナルミックスを行うスタジオ)に入られますか? 戸田:向こうだと、普通は2週間はあります。その代わり、終わっても白紙に戻されることもありますよ。 陣内:ダビングまで終わった映画のオープニングを作り直さなきゃならないとか。「スタジオでアシスタントが準備してるから今すぐ行って。午後から監督レビューだから。」とか言われて(笑) 戸田:とある番組では、監督OKまで出てあとは確認チェックだけっていう段階から「これニュースの音楽みたいだから変えて」とか。一週間ダビングしてあともうちょっとで終わるってところで、家に帰って音楽作り直しましたよ(笑) R:日本だとダビングにそんなに時間は割いてもらえないですね。 戸田:そういう点では私たちの環境は恵まれていて。『攻殻機動隊 SAC_2045』はCGの制作ペースに合わせる形で、1ヶ月で2話のペースで制作してたんです。映像に合わせてイチから作ってプレゼンして…「違う」って言われてまた戻る、みたいな(笑)。12話作ると半年なので監督の好みとかもわかってきてすごくやりやすかったです。 陣内:やっぱり、シーンに合わせて書けた方が楽です。効果のガイドももらえたんで、それに合わせて引くところは引くということもできたんで。 R:今回の攻殻はじっくり見させていただいたんですが、音楽と効果音が入れ替わり立ち替わりで場面を作っていくような作品という印象でした。 戸田:ありがとうございます。監督が、もともとフィルムスコアリングをやりたかったという方なので、そういう音になったのかもしれません。今回の作品は展開が激しくて、これはたぶん選曲(註:新たに作曲せず、既存の曲を使用すること)ではできなかったな、って(笑) 陣内:Atmosということで言うと、あらかじめ曲ができていて後からそれを「Atmosで」っていうよりは、全体の音響に対してちゃんと曲をデザインしていける方が効果的なのかなって、ダビングをしていて思いましたね。例えば、10分間バトルし続けるシーンがあったとして、既存の曲を10分間ループさせるわけにはいかないですから。 murozo 氏 古賀:最終的なビジョンを共有していることはすごく大事ですよね。 戸田:特にAtmosだと、効果音がどこから鳴るかだけじゃなくて、効果音の種類とかでも世界が変わっちゃうじゃないですか。シリアスな音楽を作ってきたのに効果音はコミカル、みたいになると全然違うし。そういうことをちゃんと打ち合わせできた方がいいですね。 古賀:効果音がすごく低音を出してきたりすると、「この曲、ベース要らなかったじゃん」みたいになっちゃう。 戸田:BGMが邪魔になっちゃいますからね。 陣内:実際、一番下の音域の使い方は結構気を使いますね。いたるところでドーン!と来るわけにいかない、というか。 戸田:カークラッシュのシーンとか、効果音からすれば一番「ドーン!」といきたいところじゃないですか。そういうシーンでは、キワまで音楽でガァーっと盛り上げてパッ!と逃げる、みたいにするんですけど…たまに効果も逃げちゃって「シーン…」みたいな、「え?新しい演出??」みたいなことになることもあります(笑) 古賀:ピクチャーロック(註:以降、映像に変更がない状態のこと)はあるんですか?アニメだと、あとから映像を変更できるじゃないですか。 戸田:ピクチャーロックは大前提ですね。 陣内:効果のタイミングは特にそうですね。 戸田:シーンごと変わったりしない限り音楽はある程度は対応できますけど、効果音は数フレーム違うだけで気持ち悪いことになっちゃいますから。 音楽制作におけるDolby Atmos R:いわゆる音楽作品の場合はいかがでしょう? 古賀:やっぱりAtmosと相性がいいのはライブものなんですよね。「今回はAtmosでやってみませんか?」っていう提案も、ライブものだと受け入れてもらいやすいです。 R:やっぱりライブ空間を再現する、というのは方向性として分かりやすいですよね。 戸田:やり方としては、コンサートとかライブを収録して再現する方向にした方が、絶対Atmosの良さは生かせますよね。アイドルグループが映画館を貸し切ってAtmosでライブビューイング中継やったりしてますけど、実はあの方向が一番効果的なのかなと思ったりします。 深田:Atmosになって変わったことというと、客席後方に立てていたマイクは使わなくなりましたね。今までは客席で聴いている音場を意識していたんですけど、Atmosになってからは指揮者のあたりをリスニングポイントとして意識するようになりました。以前のフロントLRが、サイドチャンネルに近くなる感じです。立体音響になることでオケに寄っていっても違和感がないように感じます。 R:マイクのお話が出たのでお伺いしますが、Atmos制作にあたってレコーディングに変化はありましたか? 古賀:ぼくはAmbisonicsマイクを立てまくってます。Atmosに使わなくても、2chのアンビとか、あとで何にでも使えますし。ただ、スタジオのメンテがちゃんとしてないといけないんですよ。Ambisonicsだと、1チャンネル録れてなかったら全部ダメになってしまう。4チェンネルのレベルもきれいに揃わないと位置情報がずれるので、HAも精度の高いものが求められます。その辺は悩ましいと思いつつ、スタジオのメンテナンスをするモチベーションと捉えてます(笑) 深田:Atmosになって「ハイトが追加された」と考えると、メインLRの真上に置くとしても、AB、XY、ORTF…組み合わせは無数にあるじゃないですか。そういうものをいろいろと実験してはいますね。 R:サラウンドの時のように新しいアレイが発表されるでしょうか? 深田:AESではいろいろ出てるみたいですよ。ただ、ハイトにマイクを立てるとなると、ミドルレイヤーの音がハイトのマイクに入ってしまうという問題が起こるんです。だから、理屈で言えば単一指向の方が向いているっていうことになるんですけど、そうすると、マイクの距離をどうするかという話にもなる。でも、いろいろ試した結果ではそこはあまり大きな問題にはならなそうでした。 R:まずは「ハイトのマイクがある」ということが重要、ということですね。 深田:そうですね。それと、単一指向の方が中心周波数が高いところにあってクリアーな音になるから、そうした意味でも単一指向の方が立体音響に向いているという理屈になるんですけど…聴いた感じは全指向の方が好きだったり、いろいろ難しいですね(笑)。ぼくはメインのLRマイクの上に立ててるやつは単一で、オケの中で録ってるマイクは全指向にしてます。 古賀:ぼくはホールでは三点吊り(註:ステージ上方にマイクを設置するためのワイヤー機構)にAmbisonicsマイクを立ててます。これにメインのLRマイクを足して、芯はメインでしっかり録るって感じです。三点吊りに複数のマイクをちゃんと設置するのって難しいじゃないですか。何度もやり直すとホールのひとに怒られちゃうので(笑)Ambisonicsマイクはカプセルの位置が固定されてるから、その辺の心配がない(笑)客席とステージ上にも使って、Ambisonicsマイクを3本使ってます。 Dolby Atmosとデジタルミュージック R:Atmos制作ならではの難しさみたいなものはありますか? 戸田:打ち込み制作の限界について、強く感じますね。攻殻のようなSF作品だとサンプルライブラリのようなものを使用する機会も多いんですが、もともとAtmosミックスを前提に収録されていないものが多いので、Atmosの良さを活かしきれていないと感じることがあります。なので、生オケを収録するような場合ははじめから各マイクを各スピーカーに当てられるような配置で演奏を録る、アンビエンスを録る、というようなこと目指してます。 陣内:市販のサンプルライブラリだと、ステレオまでしかないというものも多いですが、それだとその時点で選択肢から外れちゃう。少なくともクアッドで鳴らせるサンプルが必要です。それでも、5.1chの時はまだよかったんですけど、7.1.2chになると音が空っぽすぎるので、メインのほかにルームマイクが収録されているようなライブラリだったらそれも全部立ち上げたりして…なんとか疑似的に作ってはいたんですけど。 戸田:ルームとメインとサラウンド… 陣内:それとスポット。各楽器でそれがステレオで4本ずつ、となると結構データ量がかさんじゃって。 戸田:そうなると、何百トラックも使うような音楽は扱えなくなっちゃうんですよ。特に、96kHzとかで収録してさらにマイクの本数が増えると大変なことになってしまいます。どちらかというと、機材やツールのスペック的なところがまだAtmosに対応できてない部分があるように感じます。Atmosで使用することを前提にした音源も全然少ないですし。 陣内:いまのぼくらのセットアップでいうと、ウッドウィンドとストリングスはAtmosフロント / リアのチャンネルがあるライブラリーなんですよ。けれども、全部立ち上げるとちょっと…音が鳴らなくなっちゃうので(笑)サンプル用のPCが1台1セクションみたいな…ストリングスで1台、ブラスで1台、みたいな感じになっちゃってます。 古賀:昔のGIGA STUDIO時代に戻ってるみたいですね(笑) 陣内:音源のコアのクオリティみたいなものが、顕著に出てくるんです。ソフトシンセにありがちなエフェクトで音ができているようなものだと、リバーブを切ると全然楽器の音にならずに使いものにならないんですよ。リバーブもステレオでかかっちゃってるし。なので、原音がいいシンセに限定されてくるという印象です。書き出す時も、ディレイやリバーブは別系統で出して、ドライはドライで残っている状態で出さないといけない。 深田:そう考えると、生でやった方が楽ですね(笑) 戸田:ほんとにその通りです! Atmos Musicの普及とミックス R:Apple MusicやLogic ProのDolby Atmos対応についてはいかがでしょう。 Murozo:シェアが大きいApple MusicがDolby Atmosに対応したのは大きいと思います。 古賀:ぼくらエンジニアは、どこか馴れちゃってる部分があると思うんですよ。リスナーの方が「理由はわからないけど、明らかにこれまでの音楽とは違う!」って、気付いてる印象があります。特に若い子たちは、そういう新しい表現を貪欲に受け入れてくれてるように見えます。 Murozo:海外と比べて日本のスタートが大きく遅れたわけではないので、海外よりもいいものを制作することもできる大きなチャンスだと思っています。当初は過去作をアップミックスしただけのようなものも多かったですが、最近はAtmosを前提にしたいい作品が出てきているようにも思います。 古賀:すごく熱心な方もいて、昨日も「Atmosはすごくいいから、これでうちのアーティストも出したいんだ!」って方がうちのスタジオに来てくれて。そういうひとたちってやっぱり世界を見てて、「世界のプレイリストの中に並べたら、絶対この子のよさに気づいてもらえる」っていう熱い想いを持った方なんですよ。 戸田:ステレオマスターをプラグインでアップミックスしただけのような作品ばかりになってしまうと、Atmosの良さがうまく伝わらないんじゃないかというのは心配ですね。さっきのサンプル音源の話と同じで、ステレオ前提で録ったものをAtmosにしようとすると、ないものをあるように聴かせるためにいろんな無理が出てきてしまう気がします。これからAtmosの新録作品がどんどん出てくることに期待します。 R:LogicがAtmos対応したのも大きなニュースですね。 Murozo:作家さんが「ちょっとやってみようか」でパッとできるところまで来たということですからね、どんどん挑戦したいです。 古賀:Atmosミックスは難しい、みたいに思っている方もいると思うんですけど、ステレオの方がはるかに難しいですよ。ちゃんと録音しておけば各チャンネルに置くだけで終わりですからね。 R:実はステレオほどシビアなレベル管理は要らないんですよね。 深田:5.1chの時って、スイートスポットからちょっと外れると、リアから出してる音なんか特にすごく不自然に聴こえましたよね。それが、Atmosでは高さ方向があるせいか、そういう状況でもあんまり変な感じにはならないというか…スイートスポットが広がった、という印象がありますね。 古賀:円の外に出て聴くのが楽しくて好き(笑)「あー、半球状だな〜」って思います。 Murozo:円の外で聴いた時に違和感がなくなったら「できたな」って判断してます(笑) 古賀:サウンドトラックについてはどうですか? 戸田:Atmosで配信できるようになって、制作したフォーマットのまま聴いてもらえるようになったのはよかったですね。ただ、それがどういう環境で聴かれてるか、っていうことに関しては逆にわからなくなっちゃうわけで。ステレオを作らなきゃいけない時は、もうダウンミックスですね。 陣内:本来なら、ステレオはステレオのバランスがあるので、別途ミックスしたいですが。 深田:ぼくは5.1chや7.1chとは別に、もう一度ステレオ用のミックスを作ります。作品にもよると思うんですけど、映像作品の音楽って短くなりがちで楽曲として成立しにくいものがありますよね。いまよく一緒に仕事してる作家さんは作品の中で使用されているのとは別に、楽曲として成立する尺のあるバージョンを作曲したりしてますね。 戸田:挿入歌はそういう作り方をしたりしますね。劇伴として使う以上の尺で、2ミックスも別に用意したりします。 ヘッドホンとユーザー体験 深田:ヘッドホンとスピーカーの互換性については、すごく考えさせられます。オブジェクトトラックにしちゃうと、スピーカーのないところは全部ファンタムになるわけですよね。そうすると、ヘッドホンで作ったものを映画館で再生すると「ちょっと違うな」って感じになっちゃう。映画作品だと効果音がいっぱいあってすごく立体感があるように感じるんだけど、音楽だけだとそれほど(立体音響の)効果が感じられないんだよね。だから、最近はあんまり複雑にせずにやろうかな、と思ってるんですけど。 古賀:そう。東映のダビングステージにはじめてAtmos作品を持って行った時に結構ショックを受けて…。映画って7.1.2chなんで、自分が思ってたよりハイトチャンネルの幅が狭かったんです。サイドスピーカーの位置も思ってたよりも上にあるので、要は「ハイト」って思ってた範囲がより狭い。劇場中を回ってるイメージで作った音が、全然回ってなくて、ガッカリして帰ってきたっていう経験があります。(一同:笑) 古賀:それ以降、Atmosの音場が「半球体なんだ」ってことをすごく意識するようになりました。上側の空間っていうのはサイドに比べるとすごく狭い。Appleの空間オーディオの話で言うと、あれもやっぱり半球体だし、イヤホンなんかで聴くと後ろの音は小さくなっちゃうって感じます。それに、バイノーラルにするとショートディレイみたいなものがかかっちゃうんですけど、それを嫌う方もいる。それを避けるには、Ls/Rs(サイドに配置されたL/Rチャンネル)に音を置いちゃうのがよくて、海外のミックスとかでは歌がLs/Rsから出てるものが増えてきてる。ただ、それをやるとスピーカーで聴いた時に破綻するから、最初に「ヘッドホン特化型にしますか?」ってことは必ず確認してます。 Murozo:それで、センターがない楽曲が増えてるんですね。 古賀:LFEもセンターも使わない、メインのパートはLs/Rsにある、っていうヘッドホン特化型のミックスも出てきてますよね。バイノーラルにすると、それが結構バランスがいいんです。Atmosだとモノラル表現ひとつとってもいろいろな方法がある。ハードセンターのモノラル、LRファントムのモノラル、上のチャンネルを使ったモノラル…ヘッドホンで聴くと全部違って聴こえるので、3パターンくらい作って「どのモノラルが好きですか?」って聞いたりしてる。 R:実は、そこがみなさんに一番聞きたかったことで。配信コンテンツやApple Musicのようないまの空間オーディオって、たぶん9割以上の方がヘッドホン / イヤホンで聴くことになると思うんです。下手したらNetflixもそうですし。でも、制作者側はスピーカーで作っていて…。そこの差分はどうやって埋めてますか? Murozo:ぼくはひたすらスピーカーと、Air Podsのような空間オーディオ対応イヤホンとの間を行き来して聴き比べてますね。それがいまできる最善の方法かな、と。 深田:バイノーラルレンダリングすると、LRがハッキリしなくなるんですよね。スピーカーの方がそこはちゃんと出るんだけど、ヘッドホンはもう無視できない時代のようにも感じていて。写真を撮るだけで疑似的に耳型が取れるようなイヤホンとか、ヘッドホン/イヤホンもどんどん性能はよくなってくと思うんですよ。いつも言うんですけど、メガネってみんなそれぞれ違うじゃないですか。同じようにイヤホンもパーソナライズするってことをもっと簡単にできる時代が来るんじゃないかな。 戸田:Atmosをステレオにダウンミックスした時に、もともと作ったミックスとだいぶ違うなっていうようなことが起こったりします。なかなかそういうところまで、事前に確認するのって難しいなと感じています。 古賀:いま個人的に思ってるのは、スピーカーのセッティングと調整をちゃんと追い込めば、その差はかなり埋められるということです。実はある時点でその手応えが得られたのでAtmos用のスピーカーを揃えたっていうのがあります。 陣内:なるほど。 深田:Appleの空間オーディオはAtmosの距離パラメーターは反映してないんですよね。TidalとかAmazonは反映してるんですけど。 古賀:はい。その機能がLogicにはついたんで、Appleの今後に期待ですね。 R:ゲームは何年も前からすでにDolby Atmosに対応していますが、ゲーム音楽での制作はどのようなものだったのでしょう? 陣内:『マーベルアイアンマン VR』の時は、オーディオエンジニアの意向もあって音楽はクアッド納品しましたね。頭を動かしたそのまま音楽も動くというものではなかったんですが、人間の頭部をソースにしたモジュレーションを軽くかける、みたいなことをやってました。上に行ったり下に行ったり激しく動くんですが、そういう部分は音楽では表現できなかったので、画面では伝わりにくいスピード感とかを表現する方向にフォーカスした記憶があります。 戸田:ゲームで難しいのが、仮想空間の中をプレイヤーが360°自由に動けちゃうんですよね。すると、じゃあ音楽ってどこから聴こえるんでしょうね??っていう…。結局、効果音は空間で鳴っているけど、音楽だけヘッドホンで聴いてます、みたいな感じになっちゃうんですよ。 陣内:実際、Xbox Oneから7.1.4で出せますよってことで、あらかじめほかのタイトルを聴いてみたら音楽はステレオだったんですよ。それで、効果音と音楽の空間感にすごく差があって…。効果音は空間に広がっているんだけど、音楽はずっと耳元で鳴ってるみたいな。 深田:だいぶ前ですけど、ビョークのVRコンテンツも音はステレオでした(笑) R:ヘッドトラッキングものはちょっと難しいみたいですね。音楽って、どうしても定位のようなものが必要なんだな、って感じました。 古賀:音楽サブスクリプションサービスの対応は嬉しいんですが、ヘッドホンから先に体験すると「こんなもんか」と思ってしまう人もいるんじゃないかということは心配ですね。先にスピーカーを体験してもらえればAtmosのよさは伝わると思うので、そういう体験の機会が増えるといいですね。 戸田:そういう意味では、やっぱり映画は劇場(=映画館)で見てもらいたいという思いがあるんです。劇場って、作ったものを意図した通りに観せられるという最高の場所のひとつなんですよ。だから、クリストファー・ノーランなんかは、その一回の視聴の中ですべてを体験させることを目指して制作する。それってものすごく高い技術力で緻密に制御されてるから聴けるわけで、音が破綻してたら物語も頭に入ってこない。だから、その作品をしっかり演出できるところまで追い込まないといけない、っていうのは映画をやる上での掟だと思うんですよね。 R:やはり、やる以上はちゃんとしたものを作りたいですよね。 戸田:そうですね。国内でAtmos対応の映画館がやっと3館くらいできた時にインドにはもう60館くらいあって、日本はアジアの中で一番遅れてたわけじゃないですか。Atmosミックスができるスタジオもまだまだ少ない中、せっかく苦労して作っても観られる映画館がないと結局その良さが伝わらないってことになっちゃうんじゃないかな、と。映像の世界もそうだと思うんですけど、設備投資も必要ですし。それをやる必然性みたいなもの…仕事の量とか、Atmosにすることの重要性、あとは周りの声だとかが挙がってこないと、せっかく映画館を作っても外国作品しかないような状態になりかねない。日本も、作品をもっと海外に輸出することを考えれば、予算はちゃんと回るんじゃないかと思うので、ぜひ頑張ってAtmos作品を撮ってほしいですね。 Atmos Musicの展望 戸田:サウンドトラックを専門的に収録するためのオーケストラを立ち上げたんですが、いろんな企業さんに「ぜひ私のオーケストラを使って実験してください」ってお願いしたことがあるんです。その時来てくださった企業さんがやったのは、指揮者の右手前方くらいにマイクを立てて、客席ではなくステージ上で聴こえる音を立体音響で再現するという内容でした。映像も演奏者が指揮者を見る角度からのもので。それはとても面白かったんですけど、じゃあそれを何に使うのか、というところまでは落とし込めなかったんです。 深田:新日本フィルの配信の時に似たようなことをしました。木管、バイオリン、指揮者、ピアニスト…みたいに固定カメラがいくつかあって、それぞれの目線の音を作りたいという内容でした。それで、Atmosミックスを6パターンも作って(笑)、映像を切り替えると音も切り替わる、っていう(笑)。コロナで配信しかできなくなったので、新しいことにチャレンジする試みのひとつで体験としては新鮮で面白かったんですけど、純粋に音楽を楽しむというのとはやはりちょっと違うかな、と。 R:ついつい、意味もなく回してしまったり(笑) 深田:5.1chの初期の頃がそうだったんですが、新しい技術ができて、ツールが生まれて、いろんなことができるようになるとついつい小手先でいろいろと遊びたくなっちゃう(笑)。そういうことに囚われずに音楽の本質を捉えた上で新しい、という作品がどんどん出てきてほしいですね。 古賀:「配信するとCDが売れなくなるから」とか「ステレオはできてるからアップミックスでいいじゃん」みたいな考えの方も残念ながらいらっしゃるんですよね。そういう方に納得してもらうためにも、よりよい環境でAtmosミックスを聴いてもらえる機会を増やしていかないと、と思います。 戸田:根性論みたいであまり言いたくないんですけど、クリエイター、つまりモノを創っているひとたちが、次の時代を創れるかもしれない可能性が目の前にある時に、そこから手を引くっていうことが私は率直に「やだな」って思っちゃうんですよね。もちろん、いろいろな困難がありますけど、そこをなんとかやりくりしてでも「日本から発信できるすごいものができるかもしれない!」っていうことをモチベーションとしてるはずじゃないですか。たとえ社会的なムーブメントがなくても、「私たちがそういう作品を創ればいいじゃん」って考えるのがクリエーターの使命というか、性だと思うんですよ。 古賀:楽観的な話題だと、Atmosカーっていうのがあるんですよね。この前、富山でAtmosタクシーっていうのに乗ったんですよ(笑)そしたら、NetflixとかAmazon HDが入ってて。開発が進めば車でAtmosを聴けるようになるっていうシチュエーションは激増するんじゃないかと思ってるんです。そうなったら、どうやってAtmosのよさを広めようかなんていう心配は5年くらいで全部解決されちゃうんじゃないか、と。 We want more Atmos! 古賀:生収録の話だと、いま国内にはAtmosで活かせる響きを録れるスタジオが少ないんですよね。 深田:スタジオってもともと響きを録るとか音をリッチに録るというのではなくて、なるべく響かないように、ほかのマイクに音がカブらないようにっていう発想で設計されてますからね。ちょっと響くスタジオって、芸大の千住(東京芸術大学 千住キャンパス)のスタジオくらいですね。あれくらい響くスタジオって国内にはないですよ。 戸田:私が立ち上げたオーケストラも、まさにそれが課題で。一番の問題は日本にはスコアリングステージ(註:劇伴制作用の、オーケストラが収録できる大規模スタジオ)がないっていうことだったんですよ。この前も海外作品の音楽を録っていたんですが、録りたいものを録りたい配置で録れるスタジオがない。仕方がないので、ミューザ川崎、オペラシティ、所沢のミューズとか、ホールにオーケストラを入れて、マイクもいろいろと変えて、いわゆる「映画音楽!」的なトラディショナルなクラシックからハイブリッドなものまで…いろいろと試してるんです。それはそれでいいものが録れるんですけど、スタジオで、クロースマイクで録るような芯のある音、映画で使えるっていうレベルまで持っていくというのは難しくて。 深田:今は(コロナによって)難しいですけど、オーケストラの練習場みたいなところって意外にいいんですよ、それこそスコアリングステージみたいで。遮音板みたいのはないんですけど、スペースとしては全然使える。以前、札響さん(札幌交響楽団)の練習場というところで普通のアルバム用のレコーディングをしたことがあるんですよ。広くて、結構スタジオ感覚で使えたんです。 戸田:卓(音声卓)はどこに置いたんですか? 深田:ぼくは卓はほとんど使わないんですよ。HAからI/Fを介して、そのままPCに入れてしまう。 古賀:モニタリングはヘッドフォンですか? 深田:いや、控え室みたいな部屋をひとつ借りて、スピーカーでモニターします。 戸田:クリックがある時はどうしてますか?いまの劇伴だと、いわゆる「同期もの」を録りたいことも多いんですが、オケが80人規模なのでキューボックスが足りなくて…。 古賀:ぼくも小ホールの録音の時とか、自分で持ってるキューボックスを持っていきますが、やっぱり限界がある。下手をするとキューボックスのためだけに外部の業者さんを呼ばなきゃいけなくなる。 戸田:そうですね。スタジオじゃないので、搬入とセッティングで3時間かかったりとかもあって。そういうことを考えるとどうかとも思うんですが、オーケストラが7、80人の規模なのでスタジオでは録れない…なんとかならないかな、と。 古賀:結論としては、日本にスコアリングステージを作ればいいってことに(笑) 戸田:みんなでお金出し合って作りましょうよ〜(泣) 古賀:それやって死ねたら本望かな、と思ってます(笑) 戸田:結局、日本でできないから海外に行かなきゃいけなくなっちゃうんですよ。プラハとか行くと、それこそAtmosの収録とかもどんどんはじめているんですね。今日話したような音源ライブラリの限界もあって、これからAtmosによって生収録が重要視されますし、LAとかからも劇伴制作の依頼があってすごく盛り上がってるんです。海外の映画とか、Netflixでやってるような作品を日本で収録する…そういう制作を輸出するということをやりたいっていうのが、私のひとつの目標としてあるんです。それができたら、日本のAtmosミュージックはもっと盛り上がるな、って。 R:日本にスコアリングステージを作るというのが、一番いい結論なのかも知れないですね。 戸田:ROCK ON PRO で監修してください(笑)というか、ここにいるメンバーでスコアリングステージ作れるんじゃないですか?(一同:笑) それぞれに専門分野の異なるプロフェッショナルたちによる座談会らしく、忌憚のない意見が飛び交うものとなった。配信事業の対応によるDolby Atmos体験の裾野の広がりを歓迎しながらも、制作者の意図しない環境で聴かれてしまう可能性を危惧される様子が印象に残っている。一部ではバズワード化しているDolby Atmos / 空間オーディオというテクノロジーを真に豊かなユーザー体験へと結実させるためには、地に足のついた制作・聴取が必要だと感じた。読者の皆さまの身近なところにも制作ツールは数多く存在するようになっている、ぜひその制作を実際に体験してみてほしい。   *ProceedMagazine2021-22号より転載
Broadcast
2022/02/18

株式会社CBCテレビ様 / 〜革新が従来の文化、ワークフロー、使い勝手と共存する〜

日本初の民間放送局として長い歴史を持つ株式会社CBCテレビ。1951年にわが国初の民間放送としてラジオ放送を開始し、1956年からはテレビ放送をスタートさせている。そのテレビ放送スタートとともに竣工し、幾多に渡る歴史の息吹を現代につなげているCBC会館(通称:本館)のリニューアルに伴い、館内にあるMAスタジオ改装工事のお手伝いをさせていただいた。 完全ファイルベース+イマーシブ対応 数多くの独自番組制作、全国ネット番組を抱えフル稼働を続けるCBCの制作セクション。3年前には新館に第3MA室を開設、同時に仕込み作業用のオープンMAを8ブース、さらにファイルベースワークフローを見越した共有サーバーの導入と、制作環境において大きな変革を行った。その当時は、本館を建て替えるのか?リニューアルするのか?という議論の決着がついていない時期であり、本館にある第1MA、第2MAに関しては最低限の更新にとどめていた。今回は、リニューアルの決まった本館で、将来に渡り第1MA、第2MAを活用すべく大規模なシステムの入れ替えが実施された。 📷 第1MA室 📷 第2MA室 📷 第3MA室 まずは、非常に大きな更新内容となった第1MAを見ていきたい。もともと、このスタジオにあったメインコンソールはSTUDER VISTA 7であったが、今回の更新ではミキサーをなくし、完全なファイルベースのシステムアップとするとともに、将来を見越したイマーシブ・オーディオの制作環境を導入した。基本のシステムは、前回の第3MA開設時と同等のシステムとし、実作業を行うスタッフの習熟への負荷を最低限としている。そこに、イマーシブ制作のためのシステムを加えていく、というのが基本路線である。 第3MAでの基本システムは、Avid Pro Tools HDXシステムとAvid MTRXの組み合わせ。すでに業界標準といっても良いこれらの製品にコントローラーとしてAvid S3を組み合わせている。モニターコントローラーとしてはTAC system VMC-102が採用されているが、スタンドアローンでのシステム運用を考えた際には、やはりこのVMC-102は外せない。Avid MTRXも、多機能なモニターコントロールを実現しているが、PC上でDADmanアプリケーションが起動していないと動作をしないという制約がある。この制約のために、他の事例ではDADmanを起動するためだけに電源を落とさずに運用するPCを1台加えたりといった工夫を行っているのが現状だ。VMC-102の場合、これが起動さえしていればモニターセクションは生きる。これはPCレスでのモニターコントロールができるという価値ある違いにつながっている。 第1MAも、システムの根幹となるこのAvid Pro Tools HDX、Avid MTRX、TAC system VMC-102という構成は同様だ。違いとしては、多チャンネルに対応したAD/DAとしてDirectOut Technologies PRODIGY.MCの採用、そして、イマーシブ・サウンド作りの心臓部としてDolby RMUが加わったということだ。モニターセクションのVMC-102は、Dolby Atmosのモニターコントロールも問題なくこなすことができる製品である。実際にシステムを組もうとすると直面する多チャンネルスピーカーの一括制御。これに対応できる数少ない製品の一つでもある。 📷 第1MAのデスク上はシンプルに纏められている。センターにAvid S3、PC Displayの裏にはVU計がある。右手側にはVMC-102があり、その奥には収録時のフェーダーとしても活用されるSSL SiXがある。SiXの1-2chにMic Preが接続され、InsertにTUBE-TECH LCA2Bがスタンバイ。ステレオフェーダーにはCDとMacProのLine Outが接続されている。 しっかりとしたイマーシブ・サウンドを制作するためにスピーカーはPSIで統一。サウンドキャラクターのばらつきを最小限に、繋がりの良いサウンドを実現している。CBCでは以前よりPSIのスピーカーを使用しており、他のスタジオとのサウンドキャラクターの統一を図ったという側面もある。作業量が一番多いステレオ作業のためのL,RchにはPSI A25-Mを導入し3-Wayの充実したサウンドでの作業を実現。サラウンドにはA17-MとA14-Mを採用している。改装での天井スピーカー設置となったためにここだけはひとサイズ小さなモデルとなるが、できる限りサイズのあるスピーカーを導入したということになる。 📷 上段)ステレオL,Rchに備えられた3WayのPSI A25-M。下段)サラウンドサイドのスピーカーとなるA14-M。特注の金具で取り付けられ、壁面を少しくぼませることでスピーカーの飛び出しを抑える工夫が見て取れる。天井のスピーカーも特注金具により角度の調整などAtmos環境に合わせた設置が可能となっている。 サウンドキャラクターに大きく影響するAD/DAコンバーター部分は、前述もしたDirectOut Technologies PRODIGY.MCを導入している。安定した評価を得ていた同社ANDIAMOの後継となるモジュール式の多機能なコンバーター。モジュール式で将来の拡張性も担保されたこのシステムは、今後の様々な展望を検討されているCBCにとってベストなチョイスとなるのではないかと感じている。IPベースでの室間回線がすぐそこまで来ている今だからこそ、どのような企画にも柔軟に対応できる製品を選択することは、導入検討におけるポイントとなるのではないだろうか。 📷 ラック上部に組み込まれたDirectOut Technologies PRODIGY.MC イマーシブ対応のセットアップ イマーシブ・サウンドに関してのシステムアップは、Avid MTRXとMADIで接続されるDolby RMUという構成。MADIでの接続のメリットは、Dolby Atmosの最大チャンネル数である128chをフルに使い切ることができるという点。Dante接続の構成も作ることはできるがDanteの場合には128ch目にLTCを流す関係から127chまでのチャンネル数となってしまう。フルスペックを求めるのであればMADIとなるということだ。 Windowsで構築されたDolby RMUの出力はVMC-102を通してスピーカーへと接続される。各スピーカーのレベル、ディレイ、EQの補正はAvid MTRXのSPQ moduleで行っている。すでにこれまでの事例紹介でも登場しているこのAvid MTRX SPQ moduleは、非常にパワフルな補正エンジンである。各チャンネルへのレベル、ディレイはもちろん、最大16band-EQも使えるプロセッサーモジュールである。また、Dolby RMUのバイノーラルアウトは、SSL SiXのEXT INへ接続されており、常にヘッドフォンアウトからバイノーラル出力を聴くことができるようになっている。SSL SiXへのセンドは、通常はPro Toolsのステレオアウトが接続されているが、VMC-102の制御によりRMUのバイノーラル出力とボタンひとつで切り替えられるようにしている。バイノーラルで視聴されることが多いと予想されるDolby Atmos。このようにすぐにバイノーラルアウトの確認をできるようにしておくことは効率的で重要なポイントだ。 📷 最下部には各スピーカーのレベル、ディレイ、EQの補正を行うSPQ moduleが組み込まれたAvid MTRXが見える。 放送局が蓄積したリソースをイマーシブへ そもそも放送局にイマーシブ、Dolby Atmosは必要なのか?という問いかけもあるかもしれないが、すでに放送局ではネット配信など多角的なコンテンツの送出を始めている。YouTubeなど、ネット上の動画コンテンツは増え続け、Netflix、Huluなどのオンデマンドサービスが一般化してきているいま、放送局として電波という従来のメディアだけに固執するのではなく、新しい取り組みにチャレンジを始めるというのは自然な流れと感じる。もともと、放送局にはこれまでに積み重ねてきた多くのコンテンツ制作のノウハウ、人材、機材がすべて揃っている。数万再生でもてはやされるユーチューバーと違い、毎日数千万人のリアルタイム同時視聴者を抱えたメディアで戦ってきた実績がある。このノウハウを活かし、これからのコンテンツ制作のために様々な取り組みを行う必要がある。ネットならではの音響技術としてのイマーシブ。特に昨今大きな注目を集めているバイノーラル技術は、いち早く取り組む必要があるという考えだ。バイノーラルであれば電波にも乗せることができる。そして、ネットでの動画視聴者の多くがヘッドフォンや、イヤフォンで視聴をしていることを考えると、そのままの環境で楽しむことができる新しい技術ということも言える。 コンテンツ制作のノウハウ、技術。これまでに積み上げてきたものを発揮すれば内容的には間違いのないものが作れる。そこへ更なる魅力を与えるためにイマーシブ、バイノーラルといった最新の楽しみを加える。これがすぐにできるのは放送局が持ち得たパワーならではのことではないだろうか。技術、テクノロジーだけではなく、コンテンツの中身も伴ってはじめて魅力的なものになるということに異論はないはずだ。スポーツ中継における会場のサウンドのほか、音楽番組など様々なところでの活用が期待される。さらに言えば、その後の番組販売などの際にも付加価値が高まったコンテンツとして扱われることになるだろう。日々の業務に忙殺される中でも、このようなに新しいことへ目を向ける視野の余裕。それこそが次の時代につながるのではないかと、色々とお話を伺う中で強く感じた。 各スタジオ間にはIP伝送網が整備 他のMA室のシステムもご紹介したい。第2MAは、非常にシンプルなシステムアップだ。Avid Pro Tools HDXのシステムにAvid MTRXをI/Oとし、コントローラーにAvid S1、モニターコントローラーにはSPL MTCが採用されている。スピーカーはサウンドキャラクターを統一するためにPSI A17-Mが選ばれた。なお、第1MAの設備からはなくなっているものがある。VTRデッキを廃止し、完全なファイルベースのワークフローへと変貌を遂げている第1MA、VTRがないためにシステム自体もシンプルとなり、これまで設置されていたDigital Consol YAMAHA DM1000などがなくなり、機器類を収めていたラックも廃止されスッキリとしたレイアウトとなった。これは音響面、作業環境としても有利なことは言うまでもないだろう。 📷 第2MAのデスクは今回の更新に合わせて特注された。足元左右にラックが設けられ、左側はファンノイズが考えられる製品が納められ、蓋ができるように対策がなされている。デスク上にはAvid S1、SPL MTC、Umbrella Company Fader ControlがCDの収録用に用意されている。 3年前に更新された第3MAは、新館に新設の部屋として防音室工事からのシステム導入を行った。システムとしてはAvid Pro Tools HDX、Avid MTRX,Avid S3、TAC system VMC-102というコア・コンポーネントを用い、スピーカーにはNESが導入された。 📷 3年前に新設された第3MAがこちら。デスク上には、Avid S3、Avid Dock、VMC-102が並んでおり、第1MAとの共通部分を感じさせるセットアップとなっている。デスクは第2MAと同様に足元にラックスペースが設けられ、左側は蓋付きと同様の仕様になっている。また、I/OとしてAvid MTRXが導入されている。下段右は第3MAのブース。デスクの右にSTUDER Microが見える。これがリモートマイクプリ兼シグナルルーターとして活躍している。これにより、Open MA1,2からもこのブースを共有することができるようにセットアップされている。ブース内にも小型のラックがあり、そこにSTUDER Microの本体が収められている。 この際にポイントとなったのは、同時にシステムアップされたオープンMAと呼ばれる作業スペース。オープンMAは第3MAのすぐそばの隣り合うスペースに設置されている。高いパーテションで区切られた8つのブースにApple iMacでシステムアップが行われた。このオープンMAの2区画は、第3MAのブースを共有し、ナレーション収録ができるようにシステムが組まれ、STUDER MICROがリモートマイクプリとして導入されている。本来は、ラジオオンエア用のコンソールであるこの製品をリモートマイクプリ兼、シグナルルーターとして使っているわけだ。なお、デジタル・コンソールとなるためシグナルルーティングは自由自在である。 また、オープンMAにはAudio InterfaceとしてFocusrite RED 4 PREが導入された。これは将来のDante導入を見越した先行導入という側面もある。Native環境でもHD環境でも同一のInterfaceを使えるというのもこの製品が採用された理由の一つ。不具合時の入れ替えなどを考えると、同一機種で揃えることのメリットが大きいのは言うまでもないだろう。作業データはGBlabs FastNASで共有され、席を変わってもすぐに作業の続きが行える環境となっている。FastNASの音声データのネットワークは各サブへも接続され、音効席のPCへと接続されている。生放送枠の多いCBC、これらのシステムはフルに活用されているということだ。 📷 背の高いパーテションで区切られたこのスペースが、Open MAである。8席が準備され1,2は第3MAのブースを共有しナレーション収録に対応、ブースの様子は小型のLEDで見えるようになっている。それ以外の3~8も基本的なシステムは同等。すべてのブース共通でiMacにセカンドディスプレイが接続され、Audio I/OとしてFocusrite Red 4 Preが採用されている。この機種はDanteでの各所の接続を見越してのものである。 そして、前回の更新時に導入されたGBlabs FastNASへの接続はもちろん、本館のリニューアルに伴い各スタジオ間にはIP伝送網が整備された。このネットワークには、Danteが流れる予定である。取材時には事前工事までではあったが、各スタジオにはDanteの機器が導入され始めているとのこと。本館内の第7スタジオは今回のリニューアルでDanteをバックボーンとするSSL System-Tが導入されたということだ。そのままでも運用は可能だが、各スタジオにDante機器が多数導入され始めると回線の切り替えなどが煩雑になってしまう。それを回避するためにDante Domein Manager=DDMによるセットアップが行われるわけだが、このDDMは各スタジオをドメイン分けして個別に管理し、相互に接続を可能とする回線を絞ることができる。これは室間の回線を設定しておくことにより運用を行いやすくすることにつながっている。 もちろん、他の部屋のパッチを他所から設定変更してしまうといった事故防止にもなる。データの共有だけではなく、回線もIPで共有することによる運用の柔軟性が考えられているということになる。生放送を行っているスタジオの回線を他のスタジオで受け取ることもできるため、実際のオンエアの音声を他のスタジオで受けて、トレーニングのためのミックスを行うなど、これまでではなかなかできなかった運用が実際にテストケースも兼ねて行われているということだ。今後は、中継の受けやスタジオをまたいでのオンエアなど、様々な活用が期待されるシステムアップとなっている。これはサブだけではなくMA室も加わっているために、運用の柔軟性はかなり高いものとなる。 伝統ある放送局の文化にこれから先の放送局のあり方を重ね合わせた、これが現実のものとなっているのが今回のケースではないだろうか。バイノーラルを使ったコンテンツの新しい楽しみ方の提供。ファイルベースだけではなく、放送局の強みでもあるリアルタイムでの制作環境の強化、柔軟性の獲得。さまざまな新しい取り組みが従来のワークフロー、使い勝手と共存している。今後の放送局のシステムのあり方の一つの形がここに完成したのではないだろうか。 📷 株式会社CBCテレビ 技術局 放送技術部 名畑輝彦 氏   *ProceedMagazine2021-22号より転載
Music
2022/02/10

山麓丸スタジオ様 / 〜日本初、360 Reality Audioに特化したプロダクションスタジオ〜

360度全周(4π)に音を配置できるSONY の360 Reality Audio。その制作に特化したスタジオとして作られたのが株式会社ラダ・プロダクションによって設立されたこちらの山麓丸スタジオだ。国内ではソニー・ミュージックスタジオ、ソニーPCLスタジオに続いて3スタジオ目、「360 Reality Audio」専用スタジオとしては初となるという。今回はこちらのスタジオのPro Toolsシステム周りについて導入をさせていただいた。360 Reality Audio制作にはどのようなシステムが必要なのか。制作ワークフローを含め貴重なお話を伺った。 360 Reality Audio作品の専用スタジオを 株式会社ラダ・プロダクション様はCM音楽制作をメインに手がけている音楽制作会社だ。CM以外にも音に関わる企画やプロデュースなど様々な事業をされている会社なのだが、展示や開発系に関わる仕事も増えていく中でソニーと出会ったという。その後、ソニーが開発した波面合成アルゴリズムであるSonic Surf VRのスピーカー開発にも関わり、その時から立体音響に深く関わっていくことになったそうだ。その後、CES 2019で「360 Reality Audio」が発表され、その後ソニーと連携しつつ360 Reality Audio作品制作を手がけるような形になり、スタジオを作るまでに至ったということだ。現在では過去の楽曲の360RA化というものを多く進めているそうだ。広告の仕事を数多く行っているラダ・プロダクションでは展示での立体音響など、360 Reality Audioにとどまらない立体音響の提案を多くしているというお話も伺えた。 全15台のスピーカーをマネジメント 📷 スタジオ正面全景からは、Avid S1やAvid MTRXをコントロールするMOM Baseなど、操作系デバイスをスタンド設置にしてサイドに置き、リスニング環境との干渉へ配慮していることが見て取れる。ラック左列にはAvid MTRX / MTRX Studio、FerroFish / Pulse 16DXが収められ、右列にはヴィンテージアウトボードの数々がまとめられている。 360 Reality Audio制作に使用される360RACS(Reality Audio Creative Suite) 通称:ラックスはDAW上で立ち上げて使用するプラグインだ。ミックスをしているProTools 上で360RACSをインサートして使用することになるのだが、やはりトラック数が多くなったりプラグイン負荷が多くなると1台のマシン内で処理することが厳しくなるかもしれない。そこで、山麓丸スタジオでは大規模なセッションを見越してPro Toolsのミキシングマシン、360RACSを立ち上げるマシンを分けて制作することも想定したシステムアップとなっている。最大で128chのやりとりが必要となるため、Pro ToolsミキシングマシンはHDX2。360RACSについてもPro Tools上で動作させるためにこちらもHDX2を用意。その2台をAvid MTRX1台に接続し、音声をやりとりする形を取っている。 モニタースピーカーはGENELEC / 8331APが13台と7360AP 2台の構成になっている。8331APについてはミドルレイヤー、アッパーレイヤーがともに5ch。ボトムレイヤーが3ch。合計13chという構成だ。モニターのルーティングだが、まず360RACSマシンのHDXからのoutがDigiLink経由でMTRXへ。MTRXからDanteネットワーク上のFerroFish / Pulse 16DXへと信号が渡され、そこでDAがなされてスピーカーへと接続されている。ベースマネージメントを行うためにまず2台の7360APへ信号が送られ、その先に各スピーカーが接続されている形となる。スピーカーの調整についてはGENELECのGLMにて補正が行われている。マルチチャンネルのシステムの場合、GLMは強力な補正ツールとなるため、導入の際にはGENELECのスピーカーがチョイスされる確率が非常に高いのが現状だ。モニターコントロールについてはDADManで行われおり、フィジカルコントローラーのMOM Baseも導入していただいた。柔軟にセットアップできるDaDManでのモニターコントロールは大変ご好評をいただいている。 リスニング環境を損なわないレイアウト 前述のように360 Reality Audioは全周に音を配置できるフォーマットだ。スピーカーでモニターする場合は下方向にもスピーカーが必要なことになる。実際のスタジオ写真でスピーカーレイアウトはある程度把握できるかもしれないが、ここでどのようなレイアウトになっているかご紹介させていただきたい。 スピーカー13本の配置は耳の高さのMidレイヤーが5ch、上方のUpperレイヤーが5ch、下方のBottomレイヤーが3chという構成となる。Mid、UpperともにL,Rはセンタースピーカーから30°の角度、Ls,Rsは110°の角度が推奨されている。BottomレイヤーはL,C,Rの3本。こちらもセンタースピーカーから30°の位置にL,Rが置かれることになる。山麓丸スタジオではBottom L,C,Rの間にサブウーファーが設置されている理想的なスピーカーレイアウトであると言えるだろう。また、UpperはMidに対して30°上方。BottomはMIdに対して20°下方というのが推奨となっている。 通常スタジオではPC操作用のディスプレイ、キーボード、マウスやフェーダーコントローラーを置くためのデスクやコンソールなどが設けられることがほとんどだが、360RA用のスタジオではBottomにスピーカーが設置されることからその存在が邪魔になってしまうのが難しい点だ。山麓丸スタジオではPCディスプレイの役割を前方のTVに担わせている。また、フィジカルに操作を行うキーボード、マウス、Avid /S1、MOM Baseは右側に置かれたスタンドに設置され、極力音への影響が出ないよう工夫がなされている。ちなみに、スタジオ後方にはもう1セットKVMが用意されており、そちらで細かい操作等を行うことも可能だ。 📷 左よりAvid S1、Avid MTRXをコントロールするMOM Base。ブースでのレコーディング用には、Urei 1176LN / API 550A,512C / AMEK System 9098 EQ / N-Tosch HA-S291が用意された。最上段のRME MADIface Xは主にヘッドホンモニタリング用だ。 360 Reality Audio 制作ワークフロー ここからは実際に山麓丸スタジオで行われているワークフローについてお伺いすることができたのでまとめていきたい。 ●1:ステレオミックスを行う まず、マルチトラックのオーディオデータを先方より手に入れたらセッションを作成するのだが、まずはStereo Mixを行うという。このスタジオの顧問も勤めている吉田保氏などにミックスを依頼するケースもあるとのことだ。まずはステレオミックス用のセッションを作成することについては特に疑問はないだろう。元の楽曲がある作品の場合はそれに合わせるような形でステレオミックスが作成される。 ●2:ステレオから360RAへ ステレオでの音作りをしてから、それを360RA上でパンニングして行く形となる。360RACSはプラグインのため、ProToolsのトラックにインサートして使用する形となるのだが、各オーディオトラックにインサートはしない。各オーディオトラックと同数のAUXトラックを用意し、そこにオーディオをルーティングして360RACSをインサートする。これはPro Toolsのフェーダーバランスを活かすためだ。RACSプラグインはインサートされた箇所のオーディオをDAW側から受け取るので、オーディオトラックにそのままインサートしてしまうとフェーダー前の音がプラグインに渡されてしまう形になる。それを避けるためにAUXトラックを経由する形を取っている。次に、作成したAUXトラックのマスターのチャンネルにRACSプラグインをインサートしマスターとして指定する。これが各チャンネルから音を受け取ってOUTPUTする役割を担うようになる。その後、各チャンネルにRACSプラグインをすべてインサートしていく。 📷 プラグインとして360RACSを選択、インサートを行う。 📷 インサートした360RACSプラグインの中からマスターとなるトラックをを選択。 先ほども述べたように、最終的にオーディオデバイスに音を渡すのはPro ToolsではなくRACSプラグインということになるため、RACSプラグイン上のオーディオデバイスでHDXを選択する。そのため、Pro Tools側はプレイバックエンジンでHDX以外のものを選択する必要があるということだ。ProToolsのマスターを通らないため、遅延補正はどうなる?という疑問も生まれるのだが、RACS側に遅延補正の機能があるためそこは心配ご無用ということのようだ。 これで、360RAのミキシングを始める設定が完了したことになる。その後はRACS内でスピーカーレイアウトを指定する。もちろんヘッドフォンでの作業も可能だ。HRTFを測定したファイルを読み込むことができるのでヘッドフォンのモニタリングの精度も非常に高い。 📷 出力デバイスとしてHDXを選択。 📷 ヘッドホンの出力先もプラグイン内で選択する。 ●3:360RAミキシング 設定が完了したら、360RACS上でそれぞれの音のパンニング進めていく形となる。ラダ・プロダクション側で音の配置をある程度進めた状態にし、それを受けたエンジニア側でさらにブラッシュアップを行う。こうして一旦配置を決めるのだがここから再度ミキシングを行う。音の配置による音質の変化が生まれるので、パンニング後、改めて音の調整をエンジニアによって施す作業をしクオリティを上げるそうだ。こうして、その配置で本来鳴らしたい音質で鳴るようにする音作りを行い、でき上がったものがクライアントのチェックに回ることになる。 📷 360度全周にパンニングし、音像スペースを作り出している。 ●4:360RAでのマスタリング オブジェクトベースのフォーマットではステレオのようなリミッター、マキシマイザーを用いたマスタリングは難しい。今回、それをカバーする”技”を伺ったのでご紹介したい。まず、全トラックをAUXのモノトラックにセンドする。そのモノトラックをトリガーとしたマルチバンドコンプやリミッターなどを全トラックにインサートするという手法だ。設定は全トラック同じ設定にする。全ソースが送られているトラックをサイドチェーンのキーインにアサインすることによって、ステレオでのリミッティングを再現する形だ。 📷 全チャンネルにFabfilter Pro-C 2 / Pro-MB / WAVES L2がインサートされている。 ●5:バウンス(書き出し) 通常のPro Toolsのバウンスによって、360RAのフォーマットを書き出すことができるそうだ。なお、書き出す際は360RACSを開いておくことが必要となる。書き出しについては「インターリーブ」「48kHz24bit」「Wav」とし、指定のフォルダに書き出すことが必要とのことで、「書類」の中の「360RACS」の中にある「Export」フォルダを指定する。このフォルダは360RACSをインストールした際に自動ででき上がるフォルダとなっている。 📷 バウンス自体はPro Toolsの画面に沿って行う。 バウンスが終わるとプレビューの調整画面が表示される。ここではどのLEVEL(0.5、1、2、3)で書き出すかを選ぶ。LEVELはMP4を作る際のクオリティに値するものだ。LEVEL2以上でオブジェクトを"スタティック"と”ダイナミック”の選択が可能となっている。独立して聴かせたいVocalなどのメインソースは"ダイナミック"を選択、また動きのあるものも"ダイナミック"を選択することが多いそうだ。ここの設定によってもまた楽曲の聴こえ方が変わるのでここも慎重に行う。すべての設定が行なえたら『OK』を押して書き出しは完了、その後、こちらのデータを使用してエンコードを行いMP4を生成する。 📷 オブジェクトのダイナミック、スタティックの選択が行える。 📷 バウンスを終えるとレベルごとにフォルダ分けされて格納される。 ●6:エンコード 現状でのエンコードは360RACSとは別のアプリケーションを使用して行なっている。こちらのアプリケーションについてはとてもシンプルで、ドラック&ドロップしたデータを変換するのみだ。変換が完了したらデコーダーを使用して、生成されたMP4のチェックを行う。 ここまで細かく360 Realty Audio制作の手法をご紹介させていただいた。ステレオミックスと違い、上下の音の配置をパンニングで行えることが360 Realty Audioの大きな利点なのだが、配置しただけでは聴かせたい音質にならないことが多いのだそうだ。ステレオではマスキングを起こして聴こえなくなってしまう部分があり、それを回避しながらうまくステレオという空間に音を詰め込んでいくスキルが必要だったわけだが、360 Reality Audioは360度どこにでも音を配置できてしまう。言い換えれば、マスキングが起きづらい360 Reality AudioやDolby Atmosでは、より一個一個の音のクオリティが楽曲自体のクオリティを大きく左右することにつながるわけだ。 また、クライアントから渡される素材がステムではなくパラデータだった場合、単体での音作りというところが大きなポイントとなるということだ。その部分をスタジオ顧問の吉田保氏ほか、各所エンジニアの手に委ねるなどの工夫をされている点は大きなポイントのように感じた。そして、360RAパンニング後に「聴かせたい場所で聴かせたい音質」とするための音作りをする点も重要なポイントだ。音の存在感を出すためにサチュレーションを使ったり、EQを再度調整したりさまざまな工夫が施される。 こうしてサウンドは整えられていくが、音を配置しただけでOKということではなく、ReverbやDelayを駆使して360度に広がる「空間」を作ることがとても重要になる。ライブ収録などでは実際に様々なところにマイクを立て360度空間を作ることが可能だが、レコーディング済みの過去作品や打ち込みの作品では新たに360度空間を人工的に作る必要がある。マルチチャンネルで使用できる音楽的なReverbの必要性を感じているというお話も伺えた。制作者側の悩みなどはDolby Atmosの制作と共通する部分も多く、それに呼応するような360度空間制作のためのツールも今後ブラッシュアップされていくのではないだろうか。 Dolby Atmosとともに空間オーディオの将来を担うであろう360 Realty Audio。この二つのフォーマットが両輪となり、空間オーディオはさらに世の中へ浸透していくことになるだろう。360RAは下の方向がある分Dolby Atmosに比べてもさらに自由度が高いため、よりクリエイティブな作品が生まれそうな予感もする。また、ヘッドフォンでの試聴は、スピーカーが鳴っているのではないかと思わず周りを見回してしまうほどの聴こえ方だった。コンシューマにおけるリスナーの視聴環境はヘッドフォン、イヤフォンが中心となるのが現状だろう。その精度が上がっていくとともにコンテンツが充実することによって、今よりリスナーの感動が増すのは間違いない。広く一般的にもステレオの次のフォーマットとして、空間オーディオに対するリスナーの意識が変わっていくことに大きな期待を寄せたい。 株式会社ラダ・プロダクション 山麓丸スタジオ事業部 プロデューサー Chester Beatty 氏 株式会社ラダ・プロダクション 山麓丸スタジオ事業部 チーフ・エンジニア 當麻 拓美氏   *ProceedMagazine2021-22号より転載
Music
2022/02/04

株式会社 SureBiz様 / 〜Dolby Atmos、技術革新に伴って音楽表現が進化する 〜

2021年6月、Appleが空間オーディオの配信をスタートした。そのフォーマットとして採用されているはご存知の通りでDolby Atmosである。以前より、Dolby Atmos Musicというものはもちろん存在していたが、この空間オーディオの配信開始というニュースを皮切りにDolby Atmosへの注目度は一気に高まった。弊社でもシステム導入や制作についてのご相談なども急増したように感じられる。今回はこの状況下でDolby Atmos制作環境を2021年9月に導入された株式会社 SureBizを訪問しお話を伺った。 需要が高まるDolby Atmos環境を SureBizは楽曲制作をワンストップで請け負うことにできる音楽制作会社。複数の作家、エンジニアが所属しており、作曲、編曲、レコーディング、ミキシング、マスタリングをすべて行えるのが特長だ。都心からもほど近い洗足池にCrystal Soundと銘打たれたスタジオを所有し、そのスタジオで制作からミキシング、マスタリングまで対応している。今回はそのCrystal SoundへDolby Atmos Mixingが行えるシステムが導入された。2020年の後半よりDolby Atmosでのミキシングがどのようなものか検討を進めていたそうだが、Appleの空間オーディオがスタートしたことでDolby Atmosによるミックスの依頼が増えたこと、さらなる普及が予測されることからシステム導入を決断されたという。 我々でも各制作会社のお客様からDolby Atmosに対してのお問合せを多くいただいている状況ではあるが、現状ではヘッドフォンなどで作業したものを、Dolby Atmos環境のあるMAスタジオ等で仕上げるというようなワークフローが多いようだ。その中で、SureBizのような楽曲制作を行っている会社のスタジオにDolby Atmos環境が導入されるということは、制作スキームを一歩前進させる大きく意味のあることではないだろうか。 📷 洗足池駅近くにある"Crystal Sound"。制作、レコーディング、ミキシング、マスタリングと楽曲制作に必要工程がすべてできるようになったスタジオだ。メインモニターはmusikelectronic / RL901K、サブモニターにAmphion / One18。Atmos用モニターにGENELEC / 8330APとなっている。 サウンドとデザインを調和する配置プラン まず、既存のスタジオへDolby Atmosのシステムを導入する際にネックになるのは天井スピーカーの設置だろう。Crystal Soundは天井高2500mmとそこまで高くはない。そこで、できるだけハイトスピーカーとの距離を取りつつ、Dolbyが出している認証範囲内に収まるようにスピーカーの位置を指定させていただいた。L,C,Rまでの距離は130cm、サイドとリアのスピーカーは175cmにスタンド立てで設置されている。スタジオ施工についてはジーハ防音設計株式会社によるものだ。その際に課題となったのがスタジオのデザインを損なわずにスピーカーを設置できるようにすること。打ち合わせを重ねて、デザイン、コストも考慮し、天井に板のラインを2本作り、そこにスピーカーを設置できるようにして全体のデザインバランスを調和させている。電源ボックス、通線用モールなど黒に統一し、できるだけその存在が意識されないように工夫されている。 📷 紫の矢印の先が平面の7ch。青い矢印の先が天井スピーカーとなっている。これを基にジーハ防音設計株式会社様にて天井板、電源ボックス、配線ルートを施工いただいた。 Redシリーズ、GENELECの組み合わせ Dolby Atmos Musicの制作ではDAWとRendererを同一Mac内で立ち上げて制作することも可能だ。ただし、そのような形にするとCPUの負荷が重くマシンスペックを必要とする。本スタジオのエンジニアであるmurozo氏は普段からMacBook Proを持ち歩き作業されており、そこにRendererを入れて作業することはできなくはないのだが、やはり動作的に限界を感じていた。そのためCrystal Soundにシステムを導入されるにあたっては、そのCPU負荷を分散するべくRendererは別のMacにて動作させるようシステム設計をした。Renderer側はFocusrite REDNET PCIeR、Red 16LineをI/Oとしている。 RendererのI/OセットアップではREDNET PCIeRがInput、Red 16Line がOutputに指定される。Pro Toolsが立ち上がるMacBook ProのI/OにはDigiface Danteを選択している。Pro Tools 2021.7からNativeでのI/O数が64chに拡張されたので、このシステムでは64chのMixingができるシステムとなる。ちなみに、Pro Tools側をHDX2、MTRXを導入することにより128chのフルスペックまで対応することも可能だが、この仕様はコスト的に見てもハードルが高い。今回の64ch仕様は導入コストを抑えつつ要件を満たした形として、これからの導入を検討するユーザーには是非お勧めしたいプランだ。 📷 CPU処理を分散するため、Pro ToolsのミキシングマシンとDolby Atmos Rendererマシンを分離。Danteを使用したシステムを構築している。64chのDolby Atmosミキシングが可能な環境となっている。Pro Tools 側のハードウェアのアップグレードにより128chのシステムも構築可能だ。 モニターコントロールにはREDNET R1とRed 16Lineの組み合わせを採用している。これがまた優秀だ。SourceとしてRendererから7.1.4ch、Apple TVでの空間オーディオ作品試聴用の7.1.4chを切り替えながら作業ができるようになっている。また、Rendererからバイノーラル変換された信号をHP OUTに送っているため、ヘッドフォンを着ければすぐにバイノーラルのチェックもできる。スピーカーについてはGENELEC 8330APと7360Aが使われており、補正についてはGLMでの補正にて調整している。マルチチャンネルを行う際は補正をどこで行うか、というポイントが課題になるが、GLMはやはりコストパフォーマンスに優れている。今回のFocusrite Redシリーズ、GENELECの組み合わせはDolby Atmos導入を検討されている方にベストマッチとも言える組み合わせと言えるだろう。 📷 左は机下のラック。左列下部に今回導入いただいたRed 16Line(オーディオインターフェース)、SR6015(AVアンプ)、SWR2100P-5G(Danteスイッチ)が確認できる。ラックトレイを使用して、AppleTV、Digiface Danteもこの中に収まっている。右はGENELEC /8330AP。天井スピーカーであっても音の繋がりを重視し平面のスピーカーからサイズを落とさなかった。 Dolby Atmos環境で聴こえてくる発見 実際にDolby Atmosシステムを導入されてからの様子についてどのような印象を持っているかも伺ってみたところ、Apple TVで空間オーディオ作品を聴きながら、REDNET R1で各スピーカーをSoloにしてみて、その定位にどんな音が入っているかなどを研究できるのが便利だというコメントをいただいた。空間オーディオによって音楽の新しい世界がスタートしたわけだが、スタートしたばかりだからこそ様々なクオリティの音源があるという。システムを導入したことにより、スピーカーでDolby Atmos作品を聴く機会が増え、その中での発見も多くあるようだ。ステレオミックスとは異なり、セオリーがまだ固まっていない世界なので、Mixigを重ねるごとに新しい発見や自身の成長を確認できることがすごく楽しいと語ってくれた。その一例となるが、2MixのステムからDolby Atmos Mixをする際は、EQやサチュレーションなどの音作りをした上で配置しないと迫力のあるサウンドにならないなど、数多くの作品に触れて作業を重ねることで、そのノウハウも蓄積されてきているとのことだ。 📷 Dolby Atmos用のモニターコントロールで使用されているREDNET R1、各スピーカーのSolo機能は作品研究に重宝しているとのことだ。Source1にRendererのプレイバックの7.1.4ch。Source2にAppleTVで再生される空間オーディオに試聴の7.1.4chがアサインされている。制作時も聴き比べながら作業が可能だ。 技術革新に伴って音楽表現が進化する 最後に今後の展望をmurozo氏に伺ってみた。現状、Dolby Atmos Mixingによる音楽制作は黎明期にあり、前述のようにApple Musicの空間オーディオでジャンル問わずにリリース曲のチェックを行うと、どの方法論が正しいのか確信が持てないほどの多様さがあり、まだ世界中で戸惑っているエンジニアも多いのではないか、という。その一方で、技術革新に伴って音楽表現が進化することは歴史上明らかなので、Dolby Atmosをはじめとする立体音響技術を活かした表現がこれから益々の進化を遂げることは間違いないとも感じているそうだ。「そんな新しい時代の始まりに少しでも貢献できるように、またアーティストやプロデューサーのニーズに応じて的確なアプローチを提供できるように日々Dolby Atmosの研究を重ね、より多くのリリースに関わっていければと考えています。」と力強いコメントをいただいた。 📷 株式会社SureBiz murozo氏 今後さらなる普及が期待されるDolby Atmos。世界が同じスタートラインに立った状況で、どのような作品が今後出てくるのか。ワールドワイドで拡がるムーブメントの中で、いち早くシステムを導入し研鑽を積み重ねているSureBiz / Crystal Soundからも新たな表現のセオリーやノウハウが数多く見出されていくはずである。そしてそこからどのようなサウンドが生まれてくるのか、進化した音楽表現の登場に期待していきたい。   *ProceedMagazine2021-22号より転載 https://pro.miroc.co.jp/headline/avid-creative-summit-2021-online/#.YfzvmvXP3OQ
3D Audio
2022/01/28

名古屋芸術大学 学生によるオーケストラ・バイノーラル・ライブ配信 ~ Dolby Atmos / 360 Reality Audio / AURO-3D ~

名古屋芸術大学 学生によるオーケストラ・バイノーラル・ライブ配信 ~ Dolby Atmos / 360 Reality Audio / AURO-3D ~ Text by 名古屋芸術大学 サウンドメディア・コンポジションコース 長江和哉 2021年1月から8月にかけて3 回に渡り、私が録音を教える本学サウンドメディア・コンポジションコースの学生が中心となり、本学オーケストラのコンサートをバイノーラル音声でライブ配信した。本コースは、作曲、録音、音響を学び、新しい時代に必要となる音楽表現を研究していくコースであるが、このようなコンサートのライブ配信を初めて行ったのはコロナ禍が始まった2020年の3月、本学ウィンドアカデミーコースによるコンサートの際に、学生有志が身の回りにある機材を用いて行ったことが始まりである。 その後、2020年夏に配信の基本的な機材を揃え、2020年10月より音楽的な音声や映像によるライブ配信を目指し、コンサートごとに参加者を募り、その都度配信チームを編成し、この1年半で7回のライブ配信を行ってきた。2021年1月からは、研究のために「何か新しいこと」にトライできたらということで、音声は通常ステレオとバイノーラルと2 つのミックスをリアルタイムに作成しライブ配信を行った。筆者は、これらの取り組みを10月20日から23日に行われた、AES Fall Online 2021 Conventionで、ARTSRIDGE 濱﨑公男氏、東京芸術大学 亀川徹氏、WOWOW 入交英雄氏とともに「Next Generation Audio forAdvanced Music Creations and Distributions - Part 2」と題したワークショップで発表したが、今回はProceed Magazineの読者の皆さんにもその詳細をレポートさせていただきたい。 背景 コロナが私たちの生活を激変させた2020年。芸術大学である本学も、慣れない画面越しでのオンライン授業で前期が始まり、教員、学生とも、パソコン、スマホ、カメラ、マイク、スピーカー、イヤホンなどの機器と毎日接する暮らしが始まった。そんな中、演奏実技や実習系の科目は前期の途中より対面授業となり、人と人のリアルなコミュニケーション、そして、そもそも音楽とはどのようなものであったかを再確認した時間となった。 本学では毎年様々なコンサートを企画しているが、その中でも、コロナ禍の中で最初に行われることになった2020年10月22日のオーケストラコンサートは、有観客を予定しながら、コロナの状況が悪化した場合を考慮して配信も同時に行うことが夏頃に決まった。そもそも本コースは、作曲、録音、音響を学ぶコースであるが、学生達がカメラや映像機材を組織することでコンサートのライブ配信ができるのでは、というアイデアはどこからとなく出てきた。そして、2020年夏にビデオ・スイッチャー ROLAND V-1 SDIを導入し、すでにあったSonyの4Kハンディカムを用いながら、HDMIをSDIに変換し50m伝送するケーブルドラムを自作するなどして配信機器を整えた。 振り返って考えてみると、このアイデアは教員である私自身が、オンライン授業のためのカメラや映像周辺機器を組織した経験がなければ敬遠していたかもしれない。なぜならコロナ以前は全く映像配信の知識はなかったからである。そして、この配信プロジェクトには多くの学生が参加してきたが、このコロナ禍でのオンラインでのコミュニケーションという経験がなければ、学生もこれほど映像配信に興味を示さなかったかもしれない。今、改めて振り返ってみるとこれらの配信はコロナ禍の副産物なのかもしれないと感じている。 3D Audio 2020年から2021年夏にかけて、本学のスタジオのPro Tools システムを14年間使用したPro Tools HD 192 I/O からPro Tools HD HDX MTRXシステムに更新した。この際に、5.1chであったスピーカー環境をCR1は7.1.4ch に、CR2は5.1.4ch に変更した。これらシステムにおける更新のほとんどは、学生と一緒にカスタマイズしながら行った。その後、このスタジオを用いて2020年度の卒業制作では数人の学生が3D Audioの作品に取り組み始めた。今回のバイノーラル配信を始めようとしたきっかけはコロナのみではなく、本学スタジオのシステム入れ替えにも関係があるように感じている。 📷 CR1は、7.1.4 Genelec 8330 11本のシステム。CR2は5.1.4 L-C-R 8030 LS-RS 8020、トップスピーカー4つは8020を設置。Dolby Atmos Production Suite、360 Reality Audio Creative Suite、AURO-3D Creative Tools Suite & Auro-HeadPhone が動作可能な環境となった。 📷 2020年8月、CR1のPro Tools HDXのインストールの様子。この時のPro Toolsの入れ替えはROCK ON PROの前田洋介氏にサポートいただきながら行ったが、2021年8月に行ったCR2の入れ替えは私たちのみで行うことができた。 バイノーラル配信 2020 年10 月に三井住友海上しらかわホールで行った1 回目のオーケストラライブ配信は無事に終了し、2 回目の12 月に愛知芸術劇場コンサートホールで行なったライブ配信も同様に無事に終えることができた。そして、3 回目となる2021 年1 月のコンサートでは、もう一歩進んだ要素をライブ配信に取り入れると良いのではと私から学生に提案した。本来は3D Audio でライブ配信ができたらと思ったが、まだマルチチャンネルで音声を伝送するのは難しい。そこで、私たちは3D Audio 制作ツールの制作の補助や確認のためとなるバイノーラル出力を、そのままライブ配信の音声として使用することはできないかと考えた。 まず最初に、本学が2020年に導入したDolby Atmos Production Suite(DAPS)を用い、学生とともに以前行われたコンサートのマルチトラックファイルを別のPro Toolsより再生しながらMADI経由で各マイクの信号を入力し、ライブバイノーラルミックスをすることができるかのテストを行なったが、それほど困難なく実現できることがわかった。その後、私たちは様々なストレステストを行った。DAPSを用いたライブバイノーラルミックスは、Pro Toolsで録音しながらインプットスルーした信号をDAPSにセンドしバイノーラル処理させ、Pro Toolsにリターンするという、Macにとってはかなりの負荷になることとなるが、そのストレステストを事前に行うことで、「何を行ったらシステムがハングするか」を見極めることができた。このような方法で1月29日は、Dolby Atmos Production Suiteでライブ配信を行った。その後、そのほかのツールでも配信を行いたいという意見が学生から出て、6月3日は360 Reality Audio Creative Suite、8月9日はAURO-3D Creative Tools Suite & Auro-HeadPhoneを用いてライブ配信を行った。 📷 ライブ配信の舞台裏。プロデューサー、テクニカルディレクター、カメラ、スイッチャー、標準ステレオミックス、バイノーラルミックスといった役割にわかれ毎回14名程度のチームを組織した。 📷 カメラマンとスコアラー。スイッチャー担当があらかじめカメラ割りを決め、それに基づき撮影を行ったが、全員が初めての経験からスタートした。 バイノーラル研究 私たちは、バイノーラル3D Audio制作ツールの中でどのようにバイノーラル信号が生成されているかを知る必要があると考えた。バイノーラル音声を作成する方法は、バイノーラルマイクで集音するか、マルチマイクでミキシングされた信号を3D Audio制作ツールを用いて処理するかの2つ方法がある。バイノーラルマイクはマイクのみで完結するが、楽器ごとにバランスを取ることは困難である。となると必然的に3D Audio制作ツールでとなるわけであるが、それらはいったいどのような仕組みであるか?これらのツールの中身はいわゆるブラックボックスであるが、これまで筆者が行った研究では、大きく分けて2つの処理がなされているように察している。 その一つ目がEQ、つまり周波数ドメイン、そしてもう一つがリバーブやディレイと行った時間ドメインである。まず、周波数ドメインについて、それは、DAWにおける各トラックの信号をステレオのようにそのまま出力させるのではなく、その定位を実現するために、頭部伝達関数=HRTF(Head related transfer function) という、音が人間の鼓膜に届くまでの、耳介、外耳道、人頭および肩までふくめた周辺物によって生じる音の変化の伝達関数から導き出されたEQ処理がなされる。そして、時間ドメインについて、再生はヘッドフォンでヘッドホンではあるが実際には部屋で聴いているような印象になるように、リバーブの付加やディレイが用いられ空間的な制御がなされていると察している。 📷 2016年11 月、ドイツトーンマイスター協会主催のコンベンション「Tonmeistertagung 2016」でのAURO-3Dのプレゼンテーションより。左の写真は、耳介に対して上方、前方からの音声の伝達パスについて、どのような周波数のピークディップが起こるかについての説明。右の写真は、バイノーラル処理のプロックダイアグラム。入力信号は、Early Reflection (初期反射) とLate Reverberation (後部残響音) とともにHRTF処理され、ヘッドホンのためのEQを経てBinaural 2.0として出力されると解説されていた。(ドイツ・ケルンメッセにて筆者撮影) そして、私たちはそれらを具体的に知るために分析を行った。方法はDAWよりピンクノイズを出力し、バイノーラル処理された音声をDAWに戻し、HRTFのEQカーブを分析。また、AUDIO EASEAltiverb 7のリバーブサンプリング用のスイープ音を出力し、付加されるリバーブなどを分析した。その結果、3つの3D Audio制作ツールのそれぞれの処理は三者三様であることがわかった。 📷 ピンクノイズを用いた、Dolby Atmos Production Suiteでのバイノーラル処理研究の様子。距離の設定はmid。トップレイヤの一番後ろに音源を定位した際は、このような周波数ドメインでの処理がされる。同様の方法で、360 Reality Audio Creative Suite、AURO-3D Creative Tools Suite & Auro-HeadPhoneを用いて研究した。 その後、かつて収録したマルチトラックを用いて、どのようにミックスすると音楽的な音色がありながら立体感を得られるかということを検討した。具体的には、Dolby Atmos Production Suiteは、トラックごとにバイノーラル処理するかしないかを選択でき、near mid farという3 つの距離を設定することができる。私たちはその組み合わせについて検討した。1. バイノーラル処理しないもの 2. 全てのトラックをバイノーラル処理したもの 3. メインマイクLCR、HL-HR、Vnのスポットマイクのみバイノーラル処理しないもの、これら3つのミックスを作成し比較した。 📷 Dolby Atmos Production Suite でのバイノーラル処理の設定を3 パターン試し、どのように設定すると、音楽的な音色で立体感が得られるかを検討した。 その結果、音楽的な音色という観点から、すべてのトラックをバイノーラル処理することが常に良いとは限らないことがわかった。 そこで、標準ステレオとバイノーラルのミックスは、まず全く別のミックスを作成する必要があること、また、メインマイク、ルームマイクについて、バイノーラルで多くのルームマイクを用いるとサウンドがコムフィルターの関係で濁ることがわかった。その後、様々な組み合わせを試したが、3Dスピーカーで再生される音源としては多くのルームマイクが必要であるが、バイノーラルではメインマイクから遠く離れたHLS-HRS、つまり、メインマイクと異なる性質を持ったルームマイクとスポットマイク、そしてリバーブも必要であることがわかった。 ライブ配信セットアップ 📷 2021 年1月29日名古屋芸術大学学生オーケストラ with 名古屋芸術大学フィルハーモニー管弦楽団特別演奏会  指揮 : 高谷 光信 ピアノ : 瀧澤 俊(本学学生) 愛知県芸術劇場コンサートホール  バイノーラル研究を経て、通常ステレオとバイノーラルと2つの動画ストリームを配信するために、写真のように収録配信機材を組織した。メインマイクについて、通常ステレオとバイノーラルでは、L-RとHLS-HRSのみ用いたが、事後に行う3Dスピーカーによるミックスのためにこのようにマイクを配置した。 1:2021/1/29:Dolby Atmos Production Suite 名古屋芸術大学学生オーケストラ with 名古屋芸術大学フィルハーモニー管弦楽団特別演奏会 指揮 : 高谷 光信 ピアノ : 瀧澤 俊(本学学生) 愛知県芸術劇場コンサートホール >>詳細URL 2:2021/6/3:360 Reality Audio Creative Suite 名古屋芸術大学フィルハーモニー管弦楽団 第7回定期演奏会「オール ハイドン プログラム」 指揮 : 松井 慶太 合唱 : 名古屋芸術大学ハルモニア合唱団 Tp. 宮本 弦 Sop. 伊藤 晴 Alt. 谷田 育代  Ten. 中井 亮一 Bar. 塚本 伸彦 愛知県芸術劇場コンサートホール >>詳細URL 3:2021/8/9:AURO-3D Creative Tools Suite/Auro-HeadPhone 名古屋芸術大学フィルハーモニー管弦楽団 第8 回定期演奏会「オール モーツァルト プログラム」 三井住友海上しらかわホール >>詳細URL 📷 2014年に導入したRME MADIface XT。2台ありステージボックスからのマイク信号をメイン、バックアップの2式のDAW に分配できる。 📷 ステーシの平台の近くに設置したRME OctaMic XTC。ステージボックスはメインマイク用のRME Micstasyとともに2式あり、光ファイバーNeuatric opticalCONを用いMADIface XTと接続している。ステーシの平台の近くに設置したRME OctaMic XTC。ステージボックスはメインマイク用のRME Micstasyとともに2式あり、光ファイバーNeuatric opticalCONを用いMADIface XTと接続している。 サウンドコンセプト バイノーラル研究を経て、どのようなサウンドコンセプトにし、各楽器を定位させると良いかを検討した。私たちは、定位について方法は2つあると考えた。それは、まず客席から舞台を見たように定位にするアイデアと、オーケストラの中にいるようなアイデアである。その両方を試したが、前者はヘッドホンで聴くと後ろは響きしかないように感じた。次に、オーケストラの中心、弦楽器と木管楽器の間にいるような定位を試したが、音楽的にはアレンジがより見通せるようになり、また音響的にも包まれている感じが増した。その結果より私たちは後者を選択した。以下は6月3日のコンサートライブ配信のWeb に記したサウンドコンセプトと360 Reality Audio Creative Suite での音源定位である。 📷 2021年6月3日「オール ハイドン プログラム」の定位図。後方に様々な楽器を定位させた。" バイノーラル・ステレオのコンセプトは「舞台上のオーケストラ中央で聴いているような感覚」。客席で聴いているようなサウンドではなく、オーケストラの弦楽器と木管楽器の間の位置で聴いているようにしたいと考えました。具体的には、弦楽器は前、木管楽器や合唱は後といったように360 度の空間に各楽器の音を配置しました。一方で通常ステレオのコンセプトは、「指揮者が聴いているような感覚」。指揮台上に配置したメインマイクを中心としながら左右と奥行きを表現したいと考えました。" ポストプロダクション 📷 ポストプロダクションの様子。上はDolby Atmos Production Suiteでのバイノーラルミックス。 2020年10月に初めて行なったコンサートライブ配信が無事に終わった後、配信チームのメンバーは、「何度見てもリスナーに観てよかったと満足していただくことができる音楽」とするためには、様々なポストプロダクション作業が必要なことを理解した。映像のスイチングミス、カメラのブレやピントがうまくいかなかったところを他カメラのデータを用い修正、また音声もミキシング操作に起因するバランスがふさわしくないところは再ミックス、他にも演奏が音楽的にふさわしくなかったところはGPのテイクを用いて編集を行う必要もあり、最終的には必要のないノイズを除去するノイズレストレーションも行いながら、アーカイブ版として再度アップすることが必要であることがわかった。1回目の配信ではこれらの作業が大変に感じられたが、2回目以降は作業をどのように分担し、効率よく進めて行くかも考慮することができた。 終わりに AES Fall Online 2021 Conventionでの発表のために、8月30日から9月6日まで本コースのFacebookとTwitterで告知し、オンラインでアンケートを行った。3回のコンサート音源の同じ箇所を通常ステレオとバイノーラルと交互に再生し、その印象を返答する方式で行い62人から返答を得た。 結果は、「バイノーラルは、標準ステレオよりも音楽に囲まれていると感じたか?」については、リスナーの69%が同意、もしくは強く同意したが、「バイノーラルは、標準ステレオよりその音楽にとっても好ましいと思ったか? 」については、リスナーの50%が同意、もしくは強く同意した。さらに、バイノーラルが将来において標準ステレオに取って代わるかについては、40%が同意しない、もしくはまったく同意しないという意見が得られた。これらの結果からは、私たちの音源制作方法についてはまだ改善の余地があるということと、やはり人々の耳のかたちは様々で、HRTFデータのパーソナライズ化が必須であるのではということを察することができた。 私たちの最終目標は「より音楽に没頭することができる音響体験」をリスナーに届けることである。コロナ禍で今までとは異なる生活様式となったが、本コースでは、このコロナを機にこれまで行って来なかったライブ配信に取り組むことができた。映像と音声を伴った制作は、教員にとっても学生にとっても未知のことに直面したが、これらに挑戦することは、とても貴重な取り組みとなった。今年度後期は、4回のオーケストラや吹奏楽、室内楽のコンサートの配信を予定しているが、これからも新しいテクノロジーを取り入れながら配信を行って行きたい。最後に、今回のバイノーラル配信の技術サポートの対応をいただいた、ドルビージャパン、ソニー ホームエンタテインメント& サウンドプロダクツ事業本部、Auro Technologiesの各氏に感謝申し上げたい。 Interview 配信チームの学生に、ライブ配信に参加してどのようなことを感じたかをインタビューした。 3年:武石智仁さん:テクニカルディレクター担当 本学でのライブ配信は、新型コロナウィルス感染症が流行する初期であった2020年3月に、ウインドアカデミーコースの定期演奏会の配信を学生のみで行ったことから始まりました。その時は十分な機材も知識もなく行いましたが、2020年8月に配信機材が導入され、これまで10回のライブ配信に参加しました。そして、2021年1月からは、何か新しい取り組みをしたいと考え、ステレオ音声だけではなくバイノーラル音声を用いた配信も行うことができました。私自身としては、ここまでの試行錯誤と成長が最も大切な経験となりました。初期の配信ではわからないことが多くありましたが、回数を重ねることで改善することができました。そして、この3回のバイノーラル配信では、技術的な部分をまとめる立場となり、メンバーと一つの配信を作り上げる中で、どのような映像や音声だと演奏がよりその音楽にとってふさわしくリスナーに届けられるかを考えました。回数を重ねるにつれ、単に演奏を伝えるだけでなく、演奏者の思いまでを届けることが大切なのだと気付くことができました。 3年:細川尚弥さん:バイノーラル・バランスエンジニア担当 8月9日の配信の際、AURO-3Dの制作用ツールを用いたバイノーラルミックスを担当しました。ミックスについては、映像とのマッチングのこともあり、前衛的すぎる定位のアイデアは用いることができないながら、ステレオでは作れない独特の空気感を構築することができました。配信中はマウスによるフェーダーワークのみでミックスを行う必要があり慌ただしく感じましたが、「このフェーダーがリスナーに繋がっている」というスリルを感じながらミックスすることができました。実は私は、昨年大学を休学し、半年間 Rock oN Company渋谷店にて働かせていただきました。その際、業界全体で3D Audioの普及に力を入れていることを感じました。そして、今回初めてバイノーラルのミックスに取り組むことができましたが、初めてシステムに触れた際は、通常ステレオとは異なり考えなければならないことが多く難しい印象でした。ただ、今回のミックスのコンセプトはステレオミックスからの拡張をしていく方法であったので、可能性とやりがいを実際に肌で感じることができました。今後は配信とバイノーラルを掛け合わせることについて深く考え、勉強していきたいです。 3年:澤田智季さん:バイノーラル・バランスエンジニア担当 私はこれまでに何度かライブ配信に参加させていただきました。1月29日の際にはバランスエンジニアを担当いたしました。本番ではステレオのミックスを担当しましたが、ポスプロダクションではバイノーラルのミックスを行いました。バイノーラルのミックスは通常のステレオのミックスと比べて、「こういう場合はこうした方が良い」というノウハウが無いので、私たちなりの発想で直感的にミックスを行いました。単に「バイオリンの音が後ろから出たらおもしろそうだから後ろに定位させよう」という考え方でミックスをすると前衛的なサウンドになってしまい、オーケストラ音楽には合わないと感じました。バイノーラルをより音楽的に聴かせようと思うと通常のステレオミックスの理解も必要だと感じました。今後、バイノーラルミックスのクオリティを上げるためには、「ステレオ+α」の考え方でミックスをすること、バイノーラルミックスを行うツールへの理解を深めることが大切だと感じました。 3年:伊東桜佳さん:プロデューサー、スイッチャー、バランスエンジニア担当 私はこれまでの配信の中で、プロデューサー、スイッチャー、バランスエンジニア等、様々なセクションを担当しました。音の面では、バイノーラルという新しい方法でステレオ配信とは違う空間感の良さを " 誰にでも分かりやすく" 伝えることの難しさを感じました。映像の面では、少しのミスもリスナーには気になる点となるため、スイッチャーとしてどう映像を選択していくかに難しさを感じました。音、映像ともにいくら計画を立てていても、本番は予定通りとはいかない分、メンバーとのコミュニケーションを大切にしながら、 " 今" を配信していくことはとても貴重な経験となりました。さらに私たちが伝えたいものを伝えられる配信ができるよう、これからも研究していきたいと思います。 3年:長谷川伊吹さん:カメラ担当 私はこれまで8回にわたりライブ配信に参加し、様々な役割を経験しましたが、その中でカメラの画角の決め方が一番難しく感じました。例えば、同じ楽器を撮る時でも、同じような画にならないようにするにはどうすれば良いのか、ということを心掛けていました。楽器をアップにした画にするのか、人ひとりの全身が入る程度にアップするのか、パート全体を撮るのかなど、様々な選択肢の中から瞬時にふさわしい画を選択することが難しいと感じました。反面、この活動を行なった1年半の中で、技術力だけでなく、事前準備や楽曲の理解が大切なのだと痛感しました。 1年:新留潤青さん:カメラ担当 私はライブ配信の技術を学ぶために配信チームに参加しました。これまで2回参加して2回ともカメラを担当しました。私の最初の考えは「オーケストラの配信なので視聴する人はまず音を重視しているだろう」と考えていました。しかし、実際のところ特に初めてオーケストラをインターネットで視聴する人にとっては、音よりも映像を大切に感じているのではないかと思いました。つまり、クラシックを聴き慣れていない人に、どんな楽器が何人いるか?、どんな会場にいるのか?という情報を音のみで伝えるのは技術的にとても難しいと感じたからです。しかし、今後、3D Audioがあれば音のみでもそれが可能かもしれません。YouTubeでのライブ配信で音楽を伝送する方法は、普段クラシックに馴染みのない人にも勧めやすく良い方法であると感じました。 3年:碓井陽香さん:スイッチャー担当 私は何度かライブ配信に参加させていただきましたが、そのほとんどがカメラやスイッチャーなどの映像関係でした。スイッチャーをやって感じたことは、" このライブ配信を観ている人にストレスを感じさせず画面を切り替えることがいかに難しいか" ということや、" どのように音楽と映像マッチングさせるか" ということです。映像の切り替え部分は事前にスコアに記し、ある程度決めていましたが、本番で違うカメラの方が良い画だと感じたら臨機応変に変えていくことや、音楽のシーンが移り変わっていくのに合わせて、映像もクロスフェードするなど、その場その場で考えてスイッチングしていくのがとてもスリリングで楽しかったです。 3年:中島琢人さん:プロデューサー担当 私は大学の配信チームでプロデューサーを2回担当しました。その際、1つの演奏会にとても多くの方が携わっていることを肌で感じることができました。そして、コロナ禍でも配信を通して音楽を届けられることにやりがいを感じながら、感謝の気持ちを持って取り組むことができ、最終的にはポストプロダクションを終えるまで、メンバーに支えられながらチームをまとめることができました。このように毎回新しいバイノーラルの技術的な取り組みに挑戦しながら互いに知識を高め合い協力して配信を行うことができ、とても貴重な経験になりました。   *ProceedMagazine2021-22号より転載
Support
2022/01/27

緊急!! 2022年1月31日でPro ToolsライセンスへのUVI Falcon提供が終了

Avidより緊急のお知らせです! 現在、有効なサブスクリプションおよびソフトウェア・アップデート+サポート・プランをご利用のPro Toolsユーザーに提供されている「UVI Falcon」の提供が2022年1月31日をもって終了するとの告知がありました。 詳細はAvid Knowledge Baseでも確認いただけます。 UVI Falcon提供終了に伴い、2022年2月1日より、UVI Falcon 2および関連するFactory SoundsとPlugsound Avid Editionサウンドセットは、Pro ToolsおよびPro Tools | Ultimateサブスクリプションと年間ソフトウェア・アップデート+サポート・プランに含まれなくなります。 なお、有効なサブスクリプションまたはソフトウェア・アップデート+サポート・プランをご利用のPro Toolsのお客様は、サポート有効期間が終了するまでFalconおよび同梱のサウンドセットを継続して使用することが可能です。UVI Soundwareを購入されたお客様は、無償のUVI Workstationを使用し続けるか、Falconを購入することができます。 Avidオーディオチームは、新たなクリエイティブツールのオプションを検討中とのこと。情報をお待ちいただきますよう、お願いいたします。
Support
2022/01/21

Media Composer 2019 最終バージョンとなる2019.12.5がリリース

昨年2021年12月3日より、Media Composer 2019 系統の最終バージョンとなる Media Composer バージョン2019.12.5 がリリースされています。このバージョンでは、開発終了日にあたる2021年6月30日までに報告された不具合が修正されています。 詳細な修正内容についてはRead Meをご確認ください。 ダウンロード 2021年12月3日時点で有効なサブスクリプション・ライセンス、または、年間サポートプランをお持ちのユーザー様は、AvidLinkまたはMyAvidよりダウンロードして使用することが可能です。 My Avid アカウント"Download Center"からダウンロード インストール Windows版のMedia Composerv2019.12.5にはパッチインストーラーのみが提供されており、v2019.12がすでにインストールされている必要があります。また、Mac OSではフルインストーラーが提供されております。以前のバージョンをアンインストールして、インストールしなおします。 Media Composer 2018のサポート終了と2019サポート終了予定について 2019.12.5 は Media Composer 2019 系統の最終バージョンとなり、Media Composer 2019 系統のサポートは 2022年12月31日 で終了致します。 従来のインターフェースを残すMedia Composer 2018 系統のサポートは 2021年12月31日 で終了しており、また関連製品として、Artist | DNxIO は 2022年3月31日 にサポート終了日を迎えます。 製品ごとの詳細な製品開発終了日、および、サポート終了日についてはAvid Kowledge Baseをご覧ください。 サポート終了後も製品は引き続きご利用いただけますが、今後のバージョン不具合によるサポートや RMA 交換などの対応は終了します。 新しいUIに変わったMedia Composerはパネル方式に変わり、カスタマイズしやすく、使いやすさを増しています。最新バージョンであるMedia Composer 2021.12の詳細はこちらからご確認ください。 より新しいバージョンへの更新や後継製品への置き換えをご検討の方やご不明点のある方は、ROCK ON PRO までお気軽にお問い合わせください! https://pro.miroc.co.jp/headline/avid-media-composer-ver-2021-12/#.YezErFjP0-Q
Support
2022/01/18

Pro Tools | Carbon サポート情報:日本語ガイド更新

Pro Tools | Carbon 日本語ガイドの内容が更新 Pro Tools バージョン 2021.10、および2021.12でのアップデート内容に伴い、「Pro Tools Carbon日本語ユーザーガイド」が更新されました。 >>PRO TOOLS | CARBON 日本語ガイド https://resources.avid.com/SupportFiles/PT/Pro_Tools_Carbon_Guide_JPN.pdf 今回、新たに追加されたのは次の項目です。 ・P15〜 「機器のリセット」(Pro Tools 2021.12より対応) また、前回のバージョンアップで対応したCarbonマイクプリのリモートコントロールにつきましては、下記項目でご確認いただけます。 ・P39〜 「Pro Tools マイクプリアンプコントロール」(Pro Tools 2021.10より対応) 上記、日本語ユーザーガイドは、以下のAvidナレッジベース・ページ上からも入手可能です。 >>Pro Tools | Carbon サポートと互換性 https://avid.secure.force.com/pkb/KB_Render_Compatibility?id=kA15A0000007lqv&lang=ja#documentation Pro Tools | Carbon の導入は、販売実績豊富なROCK ON PROにお任せください! その他、ご不明点やお見積もりのご依頼などございましたら、下記コンタクトフォームよりご送信ください。 https://pro.miroc.co.jp/headline/avid-new-product-pro-tools-carbon/ https://pro.miroc.co.jp/headline/pt-carbon-hybrid-engine-yt-playlists/ https://pro.miroc.co.jp/headline/pro-tools-carbon-extended-hardware-support/ https://pro.miroc.co.jp/headline/pro-tools-tutorial-video2021/
NEWS
2022/01/07

第27回日本プロ音楽録音賞授賞式のYouTube配信に関するご案内

一般社団法人 日本音楽スタジオ協会(JAPRS)が主催する「日本プロ音楽録音賞」は、音楽文化と産業の発展の一翼を担う録音エンジニアが制作し応募した音楽録音作品について、エンジニアが有する音楽に対する感性、技術力等を評価することにより、授賞対象優秀作品および最優秀作品並びにベストパフォーマー賞を選定し、これに携わり制作を担ったエンジニアおよびベストパフォーマーのアーティストを顕彰することで、エンジニアの技術の向上と次世代エンジニアの発掘を図ることを目的とし、表彰を行うものです。 2020年はコロナウイルスの影響により開催されなかったこの日本プロ録音賞ですが、例年、「音の日」である12月6日に授賞式が行われています。2021年の日本プロ録音賞は、三密回避をはじめとした基本的な対策に加え、顕彰区分を3グループに分けるなどの感染症対策を行うことで、伝統の「音の日」に、2年越しの第27回授賞式を開催しました。 その様子が3月31日までの期間限定でYouTubeにアップロードされていますので、紹介いたします。 受賞者と受賞作品の紹介はこちら>> 日本プロ録音賞は毎年9月頃に応募を開始しているようです。自薦による応募が可能ですので、我こそはと思うみなさまはぜひ今年の日本プロ録音賞に挑戦されてはいかがでしょうか!? 詳細は一般社団法人 日本音楽スタジオ協会(JAPRS)のWEBサイトに掲載されます。
NEWS
2021/12/29

【初回分入荷!!】AMS Neve 33609の日本供給が再開!数量限定で復活記念特価¥548,000(税込)に!

2021.12.24 追記:数量限定となる復活記念特価在庫、初回分が入荷いたしました!すでにご予約いただいた分を除くと在庫はわずかとなります。導入をご検討の方はお早めにお問い合わせください! AMS Neve 33609N 日本供給再開! 30年以上にわたり、世界中のスタジオと放送局でスタンダード・コンプレッサーとして選ばれてきた33609。そのサウンドは非常に滑らかで暖かく、ミックスにまとまりと透明感を与えます。Neve Marinairトランスを搭載し、イギリスの自社工場で精密に設計・製造されたAMS Neve 33609N、2021年12月、ついに日本国内での供給を再開します。 製品画像、スペック 正面 背面 正面左 正面右 仕様 クラシックステレオコンプレッサー/リミッターは1970年代の仕様に合わせて設計されています。 イギリス・バーンリーの手織りNEVEトランスを使用して製作 伝統的な2254フィードバック圧縮回路 ブリックウォールリミッター 透過的なレベル制御 ミキシング、放送、マスタリングのアプリケーションに最適 デジタル録音のハードリミット機能 リミットイン/アウト コンプレスイン/アウト ディスクリート出力ステージにより、やや暖かみのあるサウンドを実現 英国バーンリーのNeveの工場で手作業で組み上げています。 オーディオ性能 Input:Input Impedance 10kΩ (internally switchable to 600Ω , refer to vendor). Output:Maximum output >26dBu into 600Ω, balanced and earth free. Distortion:<0.075% at 1kHz (bypass in, compress and limit out, input level 9dBu); <0.2% at 1kHz (compress in, ratio 6:1, gain 20dB, recovery 800mS, threshold −18dBu); <0.45% at 1kHz (limit in, compress out, recovery 800mS, input level 22dBu, threshold −18dBu) Frequency Response:±0.5dB 20Hz to 20kHz rel. 1kHz Noise:−75dBu, 22Hz – 22kHz, input terminated with 600Ω (bypass in, compress and limit out), −55dBu (compress in, gain 20dB) Limit Threshold:4dBu to 15dBu Limit Ratio:Change in output level <0.1dB with 10dBu to 20dBu step input Limit Attack Time:Fast 2ms ±1, slow 4ms ±1 Limit Recovery Time:50ms to 800ms, a1 (auto): 100ms/2000ms, a2 (auto): 50ms/5000ms Compress Ratio:1.5:1 to 6:1 Compress Attack Time:Fast 3ms ±1, slow 6ms ±1 with 100Hz first order high-pass filter Compress Recovery Time:100ms to 1500ms, a1 (auto): 100ms/2000ms, a2 (auto): 50ms/5000ms 外形寸法 幅:480mm 高さ:88mm(2U) 奥行き:255mm 重量:5kg 初回在庫分入荷!引き続きご予約も受付中です! 個人のお客様はRock oN Line eStoreより、法人のお客様は下記コンタクトフォームよりお問い合わせください! >>AMS NEVE 33609 Stereo Compressor ★数量限定!復活記念特価! - Rock oN Line eStore https://store.miroc.co.jp/product/73471 数量限定特価:¥548,000(税込) 12月24日初回出荷開始! ※初回入荷台数は僅少です!ぜひお早めにお問い合わせください。 お問い合わせお待ちしております! 関連リンク: >>AMS Neve 33609/N 製品サイト https://www.ams-neve.com/outboard/limiter-compressors/33609-stereo-compressor/#ThePerfectConsole >>国内代理店 製品ページ https://www.minet.jp/brand/ams-neve/33609-stereo-compressor/ https://pro.miroc.co.jp/headline/avid-creative-summit-2021-online/#.Yam0Cb3P3OQ https://pro.miroc.co.jp/headline/protools-annualsupportplan-reinstatement/#.Yam0JL3P3OQ https://pro.miroc.co.jp/headline/protools-holiday-promotion/#.Yam0Lr3P3OQ https://pro.miroc.co.jp/headline/rock-on-pro-yearend-2021/#.Yam0GL3P3OQ https://www.minet.jp/contents/event/ams-neve-exhibition-2021/
Support
2021/12/29

期間限定で復活!! Pro Tools 年間アップデート&サポートプラン再加入ライセンス!

Pro Tools, Pro Tools | Ultimate のアップデートをするために加入が必須の年間アップデート&サポートプラン。2019年に再加入ラインセンスが生産完了となり、一度プランが失効してしまうとPro Toolsをアップデートするためには新規ライセンスを購入するしかないという状況となってしまいました。 その年間アップデート&サポートプラン再加入ライセンスが、年末までの期間限定で復活!年間アップデート&サポートプランが切れているPro Toolsをアップデートする最後のチャンスかも!? Macや周辺機器/アプリケーションの更新や新規導入のためにアップデートが必要なお客様、アップデートを検討していたのに思わぬ費用のために延期を余儀なくされていたユーザー様などは、この貴重な機会をぜひお見逃しなく!! Pro Tools永続ライセンス再加入版、期間限定プロモ 期間:2021年12月2日(木)〜2021年12月31日(金) 対象:年間アップデート&サポートプラン期限の切れたPro Tools 9 / Pro Tools HD 9 以降の永続ライセンスをお持ちの方 Pro Tools | Ultimate 1-Year Upgrade with Software Updates + Support Plan 型番:9938-30009-00 期間限定販売!:¥60,940(本体価格:¥55,400) Pro Tools 1-Year Upgrade with Software Updates + Support Plan 型番:9938-30005-00 期間限定販売!:¥30,360(本体価格:¥27,600) *年間アップグレード&サポートプランがすでに期限切れとなっているライセンスに対してのみアクティベーション可能です。記事後半の解説をご参照いただき、ご購入前にお持ちのライセンスごとに期限をご確認ください。   ◎年間アップグレード&サポートプラン再加入の手続き方法! 再加入ライセンスを購入したら、Avidアカウントでライセンスをアクティベートしてください。 アクティベーション方法の詳細はこちらのAvid ナレッジベースをご参照ください。 ◎Pro Tools 年間アップデート&サポートプランとは? Pro Tools年間アップグレード&サポートプランは、1年間、永続版のPro Tools / Pro Tools | Ultimateを最新のバージョンにアップグレードする権利を得られるプランです。Avid Complete Plugin Bundleやその他の特典プラグイン/ソフトウェアの使用権と、Pro Toolsソフトウェアに対するAvidサポートの権利もこれに含まれています。 直近の加入または更新から1年間が過ぎてしまうと年間アップグレード&サポートプランは失効してしまいます。引き続き最新バージョンへのアップグレード権を保持するためには、プランの有効期限より前に、有効期間を1年間延長する「Pro Tools年間アップグレード&サポートプラン更新」の手続きを行う必要があります(年間プラン終了日から約1ヶ月間は「グレースピリオド」と呼ばれる猶予期間となり、この間であれば「更新」によるプランの延長が可能です)。 もし、年間アップグレード&サポートプランの期限が切れてしまうと、新たにリリースされるバージョンはダウンロードが出来なくなります。(プランが切れた時点での最新バージョンまでであれば引き続きPro Toolsを使用可能です。) かつては年間アップグレード&サポートプランの期限が切れてしまった方であっても、「アップグレード&サポートプランへの再加入」という手続きを取ることで、期間中と同様の権利を再び手に入れることが出来るようになっていました。そのため、バージョンアップの必要性が生じるまでは年間アップグレード&サポートプランを失効させたままにしておく、という運用も可能でした。 しかし、この「再加入」のライセンスは2019年に廃止され、現在では年間アップグレード&サポートプランが一度失効すると、そのPro Toolsは永久にプランが切れた時点までのバージョンまでしかアップデートできなくなってしまっています。つまり、一度プランが失効してしまうとPro Toolsをアップデートするためには新規ライセンスを購入するしかないという状況になってしまっています。 今回、この生産完了になっていた年間アップデート&サポートプランの「再加入」ライセンスが、2021年末までの期間限定で復活!特にPro Tools | Ultimate 永続版をご使用中で、年間アップデート&サポートプランが失効してしまっているユーザー様には朗報です。 ◎年間アップグレード&サポートプラン更新期限の確認方法 今回のプロモーション対象製品は、年間アップグレード&サポートプランがすでに期限切れとなっているライセンスに対してのみアクティベーション可能です。Pro Tools 年間アップグレード更新期限はAvidマスター・アカウントから確認することが出来ます。下記解説をご参照いただきながら、お持ちのライセンスごとに期限をご確認ください。 1. Avidマスター・アカウントへログインします。 >>Avidマスター・アカウントはこちら   2. メニュー左上の「ユーザーの製品とサブスクリプション」をクリックします。   3. 対象となる製品名のタブをクリックし、表示された画面右側の「Plan expires on」の後ろの日付をご確認ください。 年間アップデート&サポートプランが切れている永続ライセンスをアップデートするまたとないチャンス!この機会をぜひご活用ください。本プロモーションに関するお問い合わせやご購入のご相談、その他システム設計に関するご質問などはcontactバナーからお気軽にご連絡くださいませ。 その他、Pro Tools関連プロモーション https://pro.miroc.co.jp/headline/avid-protools-hdx-tb3chassis-bundle-promotion https://pro.miroc.co.jp/headline/avid-pro-tools-carbon-promotion https://pro.miroc.co.jp/headline/protools-holiday-promotion https://pro.miroc.co.jp/headline/rock-on-pro-yearend-2021
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2021/12/29

ROCK ON PRO 限定!歳末大感謝ソフトウェア祭!!

2021年もラストスパート!ROCK ON PROでは各種ソフトウェアを対象に、在庫限りの歳末大感謝祭を実施いたします!! 人気のあの製品や、以前から気になっていたあれやこれやが特別オファーの対象になっているかも!? ROCK ON PROから、今年1年の感謝を込めて送る最後の大放出。この機会をぜひご活用ください! 対象製品リストはこちらから!>> ROCK ON PRO 歳末大感謝祭 2021 !! 対象ソフトウェアを特別価格で大放出! 期間:在庫限りで終了 対象製品:こちらよりリストをダウンロードの上ご覧いただけます。(価格は全て税別です。) ご購入方法:お申し込みフォームに必要事項をご記入の上、お申し込みください。 *本キャンペーンは現金または銀行振込のみの対応とさせていただきます。 *本キャンペーンは在庫限りで終了とさせていただきます。お申し込みの製品が売り切れの際はご容赦ください。 対象製品リストはこちらから!(記載価格は税別です。)>> ご購入お申し込みはこちらから!!>> その他、Pro Tools関連プロモーションはこちら! https://pro.miroc.co.jp/headline/avid-protools-hdx-tb3chassis-bundle-promotion https://pro.miroc.co.jp/headline/avid-pro-tools-carbon-promotion/#.YadJUr3P0-Q https://pro.miroc.co.jp/headline/protools-holiday-promotion
Sales
2021/12/29

【※終了しました】Pro Tools | Carbon 驚愕の期間限定プロモーション開始!! Pro Tools | Ultimateが無償付属!

Avidから驚愕のプロモーション情報!対象期間中にPro Tools | Carbonをご購入&製品登録することで、なんとPro Tools | Ultimate永続ライセンス、および、Antares Auto-Tune Hybridが無償提供されます。 Avidが音楽の輝きをキャプチャーするために生み出した最新I/O、Pro Tools | Carbon導入をご検討中のユーザー様はぜひこの機会をお見逃しなく! 2021年9月16日 追記 当初、9月15日までととなっていた本プロモーションの期限ですが、好評につき2021年12月31日まで延長されることが決定しました! 期間限定プロモーション:Pro Tools | Carbonに Auto-Tune Hybrid & Pro Tools | Ultimateが無償バンドル! 概要: 対象期間中にPro Tools | Carbonを購入/登録することで、AutoTune Hybrid 及びPro Tools | Ultimate永続ライセンス(1年間のサポート&アップグレード・プラン付属)を無償で取得可能。 対象製品:Pro Tools | Carbon 対象期間:2021年7月1日〜2021年9月15日 2021年12月31日まで延長! *上記期間中にAvidアカウントに製品登録されたPro Tools | Carbonのみが対象です。 → “アーリー・アダプター様向け対応”として、対象期間以前に登録されたユーザー様にもPro Tools | Ultimate永続版が提供されます。 *AutoTune Hybrid 及びPro Tools | Ultimate永続ライセンスは、順次、Avidアカウントにデポジットされます。詳しくは記事後半のQ&Aをご覧ください。 Pro Tools | Carbon 製品登録の方法についてはこちら>> 本プロモーションの詳細はこちら>> Pro Tools | Carbonについて詳しくはこちら>> Pro Tools、および、Pro Tools | Ultimateの最新バージョンについての情報はこちら>> 革新的 I/O に合計約35万円分の特典が"追加"で付属 Pro Tools | Carbonはワールドクラスのオーディオ性能を誇り、特許取得済技術「ハイブリッド・エンジン」機能を搭載することで、比類なき超低レーテンシー・レコーディング・ワークフローを実現した高性能オーディオ・インターフェイスです。ハイブリッド・エンジンの恩恵により、non-UltimateのPro Toolsであっても、DSPを使用したニアゼロレイテンシーでのレコーディングを実現します。 Pro Tools | Carbonには標準で、Pro Toolsソフトウエア、McDSPとBrainworxからチャンネル・ストリップやアンプ・シミュレーション、Native Instrumentsからバーチャル・インストゥルメント等がバンドルされており、購入と同時に高品位な音楽制作が実行可能となっています。 今回のプロモーションで上記の特典に加えてバンドルされるAuto-Tune Hybrid及びPro Tools | Ultimateにより、さらに多くの価値がPro Tools | Carbon製品に加わります。 Antares社リアルタイムAAX DSP対応ピッチ修正プラグインAuto-Tune Hybridは、ボーカル録音時のピッチ修正やエフェクト等でベストな結果を得る際に役立ちます。さらに、より先進的な機能が網羅されているPro Tools | Ultimateにより、プロフェッショナル・レベルの音楽制作に必要な全てを、このシステム一台で実現可能となるのです。 Pro Tools | Carbonに標準で含まれるソフトウエア及びプレミアム・プラグイン Pro Tools 年間サブスクリプション(永続パラシュート付) Avid Complete Plugin Bundle Arturia Rev PLATE-140 Brainworx bx_console N Brainworx bx_rockrack Brainworx bx_masterdesk Brainworx bx_Purple Audio MC77 Embody Immerse Virtual Studio McDSP 6050 Ultimate Channel Strip HD Native Instruments Vintage Organs HEAT Pro Tools Inner Circle (約15万円の価値) 今回のプロモで追加で手に入るソフトウエア Pro Tools | Ultimate 永続ライセンス(1年間のサポート&アップグレード・プラン付属) Auto-Tune Hybrid(AAX DSP対応) なんだか複雑そう?疑問にスパッとお答えします! Q. Auto-Tune Hybrid は、Avidマスターアカウント内でどのように反映されますか? A. Avidマスターアカウント内のMy Products頁の、‘Auto-Tune Hybrid’と記載されている灰色のドロップダウン・バーから入手可能です。そこにAuto-Tune Hybridのシリアル・ナンバーとアクティベーション用リンク情報が記載されています。シリアル・ナンバーをコピーし、アクティベーション用リンクをクリックすることで、該当無償製品にアクセスする為のAntares社のサイトへナビゲートされます。 Q. Pro Tools | Ultimate永続ライセンスはどのように入手可能ですか? A. My Account から、Products Not Yet Downloaded(まだダウンロードしていない製品)をクリックすると、まだアクティベートされていないPro Tools | Ultimate永続ライセンスが表示されます。使用したいタイミングになったら、このページからアプリケーションをダウンロードし、ライセンスをアクティベーションすることが可能です。 Q. Pro Tools | Carbonを登録後、標準搭載のPro Tools年間サブスクリプションの代わりにPro Tools | Ultimateが使用可能となるのでしょうか?それとも両方とも使用可能でしょうか? A. 両方とも使用可能です!Pro Tools | Carbonを2021/9/15までに購入/登録すると、Pro Tools | Carbonに標準バンドルされているPro Tools年間サブスクリプションに加えてPro Tools | Ultimate永続ライセンスも入手でき、両方を使用することが可能となります。 Q. 標準装備のPro Tools年間サブスクリプションを先に使用してから、Pro Tools | Ultimateをアクティベートすることは可能ですか? A. はい、可能です!Pro Tools | Ultimate永続ライセンスは、自動的にMyAvidアカウントのProducts Not Yet Downloaded(まだダウンロードしていない製品)にディポジットされます。このページから実際にアクティベートされるまで、年間アップグレード&サポート・プランの時計は開始されませんので、ご自身のタイミングで使用を開始なさってください。 Q. 年間アップグレード&サポート・プランの有効期限が失効した後も、Pro Tools | Ultimateを使用することが可能ですか? A. はい。このプロモで提供されるPro Tools | Ultimateは永続ライセンスですので、アカウント内から消去されることはありません。ライセンスを有効化すると「年間アップグレード&サポート・プラン」が開始され、一年間は全ての新しいリリースを受け取ることができます。その期間終了後は、「年間アップグレード&サポート・プラン」を更新するか、そのまま失効させるかを選択可能です。もし失効させることを選んだ場合でも、Pro Tools | Ultimate永続ライセンス自体は残りますので、最後にダウンロード/インストールしたバージョンを維持したまま、永続的に継続使用することが可能です。 Q. Pro Tools | Ultimate永続ライセンスのみを選んだ場合、本来サブスクリプションのみに付属するPro Tools Inner Circle特典、HEATアナログ・コンソール・モデリング及びAvid Complete Plugin Bundle等にもアクセスすることは可能ですか? A. Pro Tools Inner Circle特典とHEAT及びAvid Complete Plugin Bundleは、Pro Toolsサブスクリプションのみに含まれます。これらは、Pro Tools | Ultimate永続ライセンスには含まれません。従って、これらを利用するには標準付属のPro Tools年間サブスクリプションも有効化する必要があります。これらを一年後も継続的に使用したい場合は、標準付属のPro Tools年間サブスクリプションを更新することで可能となります。 Q. Pro Tools Inner Circle特典とは何ですか? A. Pro Tools | Carbonには、標準でPro Tools年間サブスクリプションが付属します。Pro Tools Inner Circleとは、これらのPro Tools年間サブスクリプションに対する特典プログラムとなります。このプログラムには、合計約15万円相当のプラグイン、サウンドライブラリー等が特典として提供されています。また、年間を通して、その他の追加特典を入手できるチャンスも含まれています。詳しくは、「Pro Tools年間サブスクリプションのための特典プログラム 『Pro Tools Inner Circle』 について」をご参照ください。 Pro Tools | Carbon Hybrid Audio Production System 販売価格:¥ 478,500(本体価格:¥ 435,000) Rock oN Line eStoreでのご購入はこちら>> その革新的で比類ない性能に加え、もともとかなりの特典が付属している Pro Tools | Carbon。それらに加えて、Pro Tools | Ultimate(通常価格¥337,700)と、AutoTune Hybrid(通常価格¥44,000)まで追加で手に入るとは、かなりバリューの高いプロモーションです。 さらに注目したいのは、このふたつのソフトウェアがレコーディングのクオリティアップに確実に役立つこと!高いバリューもさることながら、本当に"使える"特典である点が要注目のプロモーションです。
Support
2021/12/28

Pro Tools 2021.10 新機能ガイド(日本語版)リリース

HDX/HD NativeのApple M1 CPU対応、Pro Tools | Carbon プリアンプのリモート・コントロール機能など、多数の新機能が加わったPro Tools 2021.10。その日本語版新機能ガイドが公開されました。導入をご検討のユーザー様は、ぜひ下記リンク先PDFをご参照ください。 Pro Tools 2021.10 新機能ガイド(日本語版PDF)>> また、以下のページでは、これまでのアップデートによってPro Toolsに追加された機能を時系列で確認できるようになっています。 Pro Tools 2021.10 最新情報>> さらに、Pro Tools 2021.10 のバグフィックス版である Pro Tools 2021.12 もリリースされています。 修正された内容については、下記をご参照ください。 Pro Tools 2021.12 リリース情報>> Pro Tools 2021.12 リリース・ノート>> ハイブリッドエンジンの実装、Apple M1 チップへの対応など、2021年は実用的なアップデートが施された Pro Tools。導入、システム設計のご相談は ROCK ON PRO までお気軽にご連絡ください! 関連記事 https://pro.miroc.co.jp/headline/protools-annualsupportplan-reinstatement https://pro.miroc.co.jp/headline/avid-creative-summit-2021-online https://pro.miroc.co.jp/headline/avid-hd-driver-macos https://pro.miroc.co.jp/headline/avid-media-composer-ver-2021-12
NEWS
2021/12/23

Avid Media Composer ver.2021.12リリース情報
〜 Windows11、M1チップ、macOS Montereyに対応

日本時間 2021年12月17日未明、Avid Media Composer バージョン2021.12がリリースされました。有効なサブスクリプション・ライセンスおよび年間プラン付永続ライセンス・ユーザーは、AvidLinkまたはMyAvidよりダウンロードして使用することが可能です。 このバージョンには、バグフィックスと機能改善、新機能が含まれています。 新機能については、本記事をご参照ください。 バグフィックスについてはこちら>>(英文) Media Composer 2021.12全般についてはこちら>>(日本語Read Me) Windows11、Apple M1、macOS Monterey対応に伴い、ライセンス認証形態が変更に 今回、Microsoft社のWindows11、Apple社M1チップや最新のmacOS Montereyに対応したことが発表されています。それに伴い、macOS Montereyでは今まで使用していたドングルを使用できないことも明らかにされ、新しいライセンス形態(Cloud Licensing)への移行も紹介されています。 Cloud Licensing は、Avid Link 2021.12より利用でき、Media Composerは2021.9以降のバージョンで使用できます。これはAvid Link にサインインするだけで簡単にアクティベートできるキーレスライセンスです。 "クラウド対応" ライセンスの利点は、1つのライセンスを2つ以上のコンピュータで簡単に使用できることです。(ただし、同時に使用することは出来ません) Avid Cloud Licensing についての詳細はこちらをご覧ください。 Cloud Licensing FAQ(よくある質問集) Media Composer 2021.12新機能を概観! 1. AudioSuiteエフェクトのレンダリング このリリースでは、AudioSuiteエフェクトのレンダリングが必要なAAFエクスポートをする場合、実際のエクスポートに使用される.copyを作成する前に、既存のシーケンスに対してレンダリングがおこなわれるようになりました。これにより、元のシーケンスにさらに編集が加えられた後、その後のエクスポートでは、前回のエクスポート以降に変更されたエフェクトの新しいレンダリングのみを作成し、レンダリングメディアの容量を減らすことができます。 2. SubCapフォントのサポート (Windows)このリリースでは、SubCapエフェクトはExtensis Universal Type Client / ServerFontsをサポートしています。 3. デュアルモニターシステムへの変更 2つ以上のモニターがシステムに接続されている場合、新しいユーザー設定で起動すると、Media Composerはディスプレイ1(プライマリディスプレイ)にメインホストパネルを表示し、ディスプレイ2にタイムラインとComposerを含むフローティングパネルを表示します。 2番目のホストパネルはデフォルトで無効になります。 2番目のホストパネルを有効にするには、[Windows]> [ホストパネル]> [2表示]を選択してください。 4. ドッキング可能なツールパレット 1つまたは複数のツールパレットをドッキングまたはタブ化し、ワークスペースに含めることができます。ツールパレットのタイトルバーをクリックして、ウィンドウをドッキングする場所にドラッグするだけです。 5. トラック制限の増加 以前は、Media Composerでは最大64のビデオトラックと64のオーディオトラックを作成できました。このリリースでは、最大99のビデオトラックと99のオーディオトラックを作成できます。 最大99のビデオトラックと99のオーディオトラックでシーケンスを作成し、そのシーケンスを以前のバージョンのMedia Composerに持ってくると、追加のトラックを表示できますが、それらはロックされます。 6. ビンフレームビューでグリッドにスナップ ビンでフレームビューを使用している場合、グリッド設定を選択して、グリッドを使用してビン内のクリップを簡単に整理できます。グリッドは、クリップをドラッグしている場合にのみ使用されます。グリッドは非表示または表示にすることができ、クリップを簡単に配置できます。 7. HW / SWコンテキストメニューの更新 このリリースでは、HW / SWコンテキストメニューから各ハードウェアインターフェイスやストリーミングプラグインのコントロールパネルを個別に呼び出すことができます。 HW / SWのコンテキストメニュー以外のハードウェアコントロールパネルにアクセスする場所では、接続されているインターフェイスとストリーミングプラグインのコントロールパネルが呼び出されます。 8. トラックを挿入する新しいオプション [トラックの挿入]オプションが[タイムライン]メニューに追加されました。これにより、[Insert Track]ダイアログボックスに簡単にアクセスできます。 [タイムライン]メニュー、または[タイムライン]コンテキストメニューを右クリックし、[新規]> [Insert Track]を選択してダイアログにアクセスします。 以前のリリースでは、Ctrl + Alt + UまたはCtrl + Alt + Yを使用してこのダイアログにアクセスできました。 トラックを挿入することを選択すると、Media Composerは選択した番号で新しいトラックにラベルを付け、既存のトラックに連続した順序で番号を付け直します。 9. ビン設定を更新 ビン設定の説明が更新され、新しいビンを作成するとき、または閉じたビンを開くときの設定がわかりやすくなりました。 •ビンコンテナのアクティブペインにビンをタブ化 -ビンコンテナのサイドバーで閉じたビン、スクリプト、またはボリュームをダブルクリックして開き、ビンの右側にある現在アクティブなビンにタブで移動するかどうかを選択します。 •ビンをフロート -ビンコンテナサイドバーの閉じたビン、スクリプト、またはボリュームをダブルクリックして、新しいフローティングビンコンテナウィンドウで開くかどうかを選択します。 10. Artist DNxIV & DNxIP Desktop Video Application v16.1 Artist DNxIV と DNxIP に対応した新しいドライバ v16.1 をリリースしました。 この新しいドライバは、MyAvid アカウントの製品一覧から入手できます。 11. Move Clip Leaves Filler タイムライン上にあるセグメントを複数のトラック上で上下に移動するときにフィラーを残すことができます。 フィラーにしたくない場合は、[Move Clip Leaves Filler]オプションをもう一度選択して、チェックマークを外します。(version 2021.9より搭載) 12. ビンコラムのコラム枠の自動調整 コラムを区切っているセパレータ上をダブルクリックすることで、テキスト全体が見えるように自動調整します。(version 2021.9より搭載) Avid Media Composer 2021.12では、ビデオとオーディオのシーケンスのトラック数が増え、ビンとメディアを整理するのに役立つ機能が追加され、ますます編集のし易さがアップしました。 ご購入のご相談、ご質問などはcontactボタンからお気軽にお問い合わせください。
NEWS
2021/12/22

Proceed Magazine 2021-2022 販売開始! 特集:Sensation -感覚-

  Proceed Magazine 2021-2022号が発刊です!ProceedMagazine2021-2022号のテーマは「SENSATION-感覚-」。 Apple Musicでの空間オーディオ配信など、これまで取り上げてきたイマーシブサウンドの世界が、いよいよコンテンツとなって世の中に広まり、新たな感動のカタチを生み出しています。 今号ではその最前線に立って制作を進める深田晃 氏、戸田信子 氏、陣内一真 氏、古賀 健一 氏、murozo 氏によるDolby Atmosクロストークや、日本初の360 Reality Audio専用スタジオとなる山麓丸スタジオのレポート、名古屋芸術大学で行われたバイノーラルライブ配信など、各所で取り組みが進むセンセーショナルな様子をとらえます。 2022年の制作をリードする情報が満載のProceedMagazine、さあ!皆さんもこのムーブメントをシェアしましょう!   Proceed Magazine 2021-2022 特集:SENSATION-感覚- 音楽配信が定着を見せ、現在はさらなる革命が進行中だ。品質の飛躍を第二世代目とするならば第三世代の登場だ。新しい表現空間を音楽に提供するものだと言っていい。もちろん、自然界の音の環境は4π(全方向360度)であり、従来のサラウンドはその再現に重きを置いていたが、今起きているイノベーションは音楽表現を刷新して定義するものになる。まるで美術館のインスタレーションを体験するような感覚だ。ヘッドフォンの普及やモビリティーの自動運転化、サウンドバー等々による音響技術革新は新たな体験機会を大幅に増やし続ける。 制作者はその空間表現をいかに使っていくのか?映像との融合は?制作するためのスタジオのあり方は?実際に音に包まれることでもたらされる感触は、確かにこれまでになかった体験であるが、それがリアルを究極にまで再現することなのか、イマジネーションあふれる新たな表現を行うスペースにするのか、作り手がどのようにこの空間を使うのかという部分はいまだに多くの可能性を秘めている。ひとつだけ確かなことは、それが新たな感動、驚き、喜び、閃き、といった人の感情を揺さぶる必要があるということだ。 Proceed Magazine 2021-2022 全136ページ 販売価格:500円(本体価格463円) 発行:株式会社メディア・インテグレーション   ◎SAMPLE (画像クリックで拡大表示)   ◎Contents ★People of Sound SO-SO 氏インタビュー ★Rock oN SOUNDTRIP Marvel フューチャーレボリューション ★LUSH HUB 時代に立ち向かうクリエイターとオーディエンスのために ★SENSATION -感覚- We Want More Atmos! / イチからわかる!Dolby Atmos 制作システムアップ! / 360 Reality Audio 山麓丸スタジオのワークフローに迫る ★ROCK ON PRO 導入事例 株式会社CBCテレビ / 株式会社SureBiz ★ROCK ON PRO Technology WOWOW ωプレイヤー / LUSH SHOWCASE !! / NDI 5 / しまモンの、だってわかんないんだモン!! ★Build Up Your Studio パーソナル・スタジオ設計の音響学 その23 特別編 音響設計実践道場 〜第五回 続ロビングエラー〜 ★Power of Music 名古屋芸術大学 オーケストラ・バイノーラル・ライブ配信 / AudioSourceRE / ROTH BART BARON 三船雅也 ★BrandNew iZotope / APOGEE / Universal Audio / SSL / Focal / RME / Blackmagic Design / Antelope / KORG / Non-Lethal Applications / Sound Particles / SONNOX / DPA / IK Multimedia / Neumann ★FUN FUN FUN SCFEDイベのゴーゴー探報記〜! HATAKEN 氏 アメリカンミュージックの神髄 ◎Proceed Magazineバックナンバーも好評販売中! Proceed Magazine 2021 Proceed Magazine 2020-2021 Proceed Magazine 2020 Proceed Magazine 2019-2020 Proceed Magazine 2019 Proceed Magazineへの広告掲載依頼や、内容に関するお問い合わせ、ご意見・ご感想などございましたら、下記コンタクトフォームよりご送信ください。
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2021/12/21

WOWOWがハイレゾ・3D オーディオ再生に対応した新アプリ「ωプレイヤー」のβ版テスターを募集中!

現在、株式会社WOWOWが開発中の新アプリ「ω(オメガ)プレイヤー」のベータテスターを募集しています。リリースによると、2020年10月に同社が行った動画生配信実験での経験をきっかけに、(ハイレゾや3Dオーディオを)"確実に再生できる"プレイヤーアプリの開発を志し、NTTスマートコネクトと共同でそのアプリの実現を進めてきたとのこと。 ご自宅に3Dオーディオのスピーカー再生環境が整っているという方はもちろん、ヘッドホンでのバイノーラル再生にも対応しているため、こうした新時代の音楽体験にご興味をお持ちの方はどなたでも気軽に参加することができそうです。 なお、ωプレイヤーにはMac版とiPhone版の2種類存在し、Mac版はAURO-3Dを使用した3Dオーディオ再生、iPhone版はMQAを使用した高音質再生にフォーカスしているとのこと。(3Dオーディオ再生にはMac版が必要) 詳細は下記PDFよりご確認ください。 案内PDFダウンロード:マニア向け募集ご案内 ■モニター期間:2021/12/22(水)~2022/2/10(木) ■対象となる方:iPhone、Mac をお持ちの方 ■対応 OS:iOS → iOS14 以降 Mac → MacOS Mojave 以降 登録用リンク https://eq.wowow.co.jp/enq-mem/Hires_3/ ※最終登録締め切り日は2022/1/28ですが、定員になると募集を締め切ります。 ※初回メールは、ご登録いただいたWEBアカウントのメールアドレスへ12/22(水)にお送りする予定です。 ※応募多数の場合、抽選とさせていただく場合があります。その場合、初回メールの配信をもって当選の連絡と代えさせていただきますので届かない場合は何卒ご容赦ください。 関連リンク:https://corporate.wowow.co.jp/
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2021/12/17

ROCK ON PRO 年末年始休業期間のご案内

平素は格別のご高配を賜り誠にありがとうございます。 大変恐縮ではございますが、下記期間を年末年始の休業期間とさせていただきます。 お客様にはご不便をおかけしますが、何卒ご了解のほどお願い申し上げます。 ◎ROCK ON PRO 渋谷・梅田事業所 年末年始休業期間 2021年12月30(木)〜2021年1月3日(月) なお、新年は1月4日(火)からの営業となります。 新年もより一層のお引き立てのほど、宜しくお願い申し上げます。
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2021/12/10

【アーカイブ公開中!】Avid Creative Summit 2021 Online 開催!!

クリエイターの「未来」を明らかにする、サウンド制作のためのリアルノウハウイベント。 そして、Pro Toolsは次のステージへ。DAWという制作スタイルを生み、常にそのデファクトスタンダードとして業界をリードしてきたPro Tools。2021年はPro Toolsが誕生して30年というアニバーサリーイヤーです。すでにデジタルネイティブな世代のクリエイターが数多く現れ、サウンド制作の様式は30年前の当時と大きく様変わりしました。特に2021年は空間オーディオのコンテンツ制作が本格化し、ユーザーがその未来体験に触れて今まで気がつかなかったかもしれない内なる感覚を呼び覚まし、次々と感動の新たなカタチを得ています。 本年のAvid Creative SummitではDolby Atmos、360 Reality Audioといったイマーシブサウンドの急先鋒に焦点をあて、ゲストにはUebo 氏、モリシー 氏 (Awesome City Club)、murozo 氏(SureBiz)、山麓丸スタジオ Chester Beatty 氏、當麻 拓美 氏を迎え、アーティスト・制作現場で展開されるクリエイティブの真相に迫ります。また、ビデオポストプロダクションのセクションではMedia Composer-Pro Toolsの統合ワークフローやそのメディアアセットにおけるAvidの最新提案とはどのようなものか、クリエイターが必要とする常に一歩先の未来を明らかにします。 そして、視聴者の皆様に向けてPro Tools 30周年を記念したアニバーサリープレゼントもご用意。各セミナーごとに発表されるアンケートフォームからお一人様1通をご応募、つまりセミナーを見れば見るほど応募のチャンスが増え当選確率もアップします。新たな体験と制作への扉を開く賞品の数々をお見逃しなく!2021-22年の制作をリードするインフォメーションを満載したAvid Creative Summit 2021 Online、ぜひご覧ください!! ※2021/12/20 追記 You Tubeにてアーカイブを公開しました。ご視聴は下のボタンから! ◎〜PT30周年で30名様に!賞品総額100万円Over!〜 Pro Tools 30th Anniversary プレゼント! 当選者発表 Avid Pro Tools 年間サブスクリプション 東京都nigel55 様 福岡県skydog 様 滋賀県隊長 様 大阪府TTT 様 千葉県りる 様 東京都あべる 様 愛知県ネムラ 様 東京都Kazz 様 Avid Media Composer 年間サブスクリプション 滋賀県やまさん 様 北海道天草 様 東京都KSN 様 栃木県まゆゆん 様 兵庫県えびちゃーはん 様 愛知県kazuhiro 様 東京都hippy 様 埼玉県宝島 様 360 Reality Audio Creative Suite 東京都Leo 様 茨城県ねむねむにゃんこ 様 東京都やまだ333 様 Dolby Atmos Production Suite 東京都カレーマニア 様 奈良県silkysound 様 千葉県三好翔太 様 Apple AirPods Pro 山梨県namsound 様 愛知県ネス 様 神奈川県hide 様 ソニー WH-1000XM4 東京都そら 様 埼玉県sato 様 東京都san 様 APOGEE Duet3 富山県ウルフ 様 Avid S1 三重県NIBOCAT 様 ◎タイムスケジュール 空間オーディオによって広がりを見せる制作シーンでAvidソリューションがどのように携わり、クリエイターとともにコンテンツを彩っていくのか。アーティスト・サウンドエンジニアが現場で触れるDolby Atmosの実際、そして存在感を増す360 Reality Audioのワークフロー、もちろんAvidスペシャリスト陣による最新情報やPro Tools-Media Composerの統合フロー、メディアアセット管理のノウハウに到るまでソリューションとして提案されるAvidの「いま」を7つのプログラムでお届けします。 ●各プログラムの詳細をチェック! 1st session2nd session3rd session4th session5th session6th session7th session ◎プログラム詳細 【1st session】 13:00~13:45 アーティストが感じるDolby Atmosミキシングの可能性 アーティストが感じるDolby Atmosミキシングの可能性 シンガーソングライター / UEBO 氏の楽曲をDolby Atmosでミックス。UEBO氏ご本人、また楽曲のアレンジとサウンドプロデュースに携わったAwesome City Clubのモリシー氏をゲストに迎えて、アーティストにとってのDolby Atmos、空間オーディオの持つ魅力と可能性、作り手が感じるイマーシブについてを探るプログラム。Dolby Atmosでミックスを行うことで楽曲がどのように変化するのか、どのように表現されるのか、作品を生み出し、作り出す側はそれをどのように感じているのか。実際の楽曲を聴きながらそのポイントを明らかにし、その後のリリース方法や、視聴者が作品をどのように聴くことができるのかなど、制作者が気になるポイントにも踏み込みます。これからDolby Atmosを作ってみたい方必見の内容です。 ●Guest モリシー(Awesome City Club) 2015年、ギタリストとしてAwesome City Clubでメジャーデビュー。2021年、映画「花束みたいな恋をした」のインスパイアソング「勿忘」がストリーミング2億回再生で話題を呼び、第63回日本レコード大賞にて「優秀作品賞」を受賞、さらに第72回NHK紅白歌合戦への初出場が決定した。Awesome City Clubの活動とともに、他アーティストのギタリスト、アレンジャーとしても活躍中。これまでに、安斉かれん、Uebo、Kizuna Ai、須田景凪、Daoko、東京女子流、Mega Shinnosuke、mihoro*、yamaなどのライブや楽曲制作に参加し、ジャンルレスな活躍をしている。自他ともに認める珈琲好きが高じて近年、杉並区永福町で「MORISHIMA COFFEE STAND」をオープン。店主を務める。 UEBO 千葉県出身のシンガーソングライター。作詞作曲に加えトラックメイク/アレンジも自ら手掛ける。“ネオ・サーフミュージック”をテーマに掲げた、オーセンティックなサーフミュージックはもちろん、フォークやロック、レゲエからコンテンポラリーなR&B/ヒップホップまで、年代もジャンルも自由に往来する、独自のレイドバックしたミクスチャー感覚は唯一。ソフトなタッチだからこそ耳に残るメロディーとボーカルとともに生み出される楽曲群は、ときに日常の生活や景色に溶け込み、ときに日々の喧騒から静かな砂浜へと誘ってくれるよう。 2017年の夏にリリースした「Moonlight Wedding」は、Spotifyの「バイラルトップ 50(日本)」にてチャート第2位を獲得し、その後もストリーミング数は伸び続けロングヒット。翌年5月にはミニアルバム「UEBO」をリリース。2019年のシングル「Milk & Coffee」と「Photograph」では、そのオリジナリティをさらにアップデートし、2020年の2月には注目のラッパー・ASOBOiSMを迎えたシングル「No Drama feat. ASOBOiSM」を発表。 2020年11月から、12カ月連続でシングルをリリースしていく。第3弾「Hometown」は、YOUTUBE再生回数20万回を突破。2021年2月公開の「Lights」を使用した中国電力WEB CMが100万再生突破。2021年5月リリースの第8弾「Drops」は秘密のケンミンSHOW極(読売テレビ・日本テレビ系 全国ネット)のエンディングテーマに決定。FM佐賀「Hyper Play」、福岡LOVE FM「Cool Cuts」、Inter FM「Hot Picks」に選出。2021年6月リリースの第9弾「Small lens」はniko and ...とのコラボレーションMVを制作。Shin Sakiuraプロデュースの第11弾「Mabataki」、Inter FM「Hot Picks」にも選出された安次嶺希和子フューチャリングの第12弾「Good Night」では、新境地を見せ話題を呼んでいる。2021年11月20日に12カ月連続シングルリリースの集大成としてワンマンライブも完売。 【2nd session】 14:00~14:45 リリース楽曲から紐解くDolby Atmos Musicミキシングテクニック リリース楽曲から紐解くDolby Atmos Musicミキシングテクニック 楽曲制作をワンストップで請け負う音楽制作会社、SureBiz。そのCrystal Soundと銘打たれたスタジオにDolby Atmos制作環境が導入され、Atmosコンテンツの制作がスタートしています。今回はそのSureBiz / murozo氏をゲストに迎え、ユニバーサル ミュージックによるレーベル+81 MUSICから11/17にリリースされたばかりのSySiSY による楽曲「weekend」を題材に実際のセッションを基にしたDolby Atmos Musicミキシングテクニックを解説。本編ではDolby Atmos Rendererによってバイノーラルレンダリングされた音声をお届けいたします。ぜひヘッドフォンでお楽しみください。 ●Guest murozo(SureBiz) Crystal Soundを拠点に活動する気鋭のレコーディング・ミックスエンジニア。超特急、TAEYO、week dudus、Sound's DeliなどHIPHOP、R&Bからポップスまで様々な楽曲制作に携わり、Dolby AtmosミックスにおいてはSySiSY「Weekend」、Lil’Yukichi 「May I… feat. antihoney」などメジャーからインディーまで幅広く手掛けている。 【3rd session】 15:00~15:45 Pro Tools 2021レビュー:ミュージック・プロダクション向け”ハイブリッド・エンジン”活用法ほか Pro Tools 2021レビュー:ミュージック・プロダクション向け”ハイブリッド・エンジン”活用法ほか HDXハイブリッド・エンジン、M1対応、I/O数並びにボイス数拡張、UIカスタマイズやトラック・ルーティング適応性強化等々、数多くの追加機能や改善がなされたPro Tools 2021。今回は、その中から代表的な音楽制作向け機能に焦点をあてて詳しく紹介するほか、DSPとホストの融合を果たしたハイブリッド・エンジン機能を活用したPro Tools | CarbonやHDXでのトラッキング手法や対応システムについて詳しく説明、併せてDolby Atmos Musicミックス時のヒントも解説致します。 ●Instructor ダニエル・ラヴェル(Avid) APAC オーディオ・ソリューション・スペシャリスト マネージャー オーディオポストから経歴をスタートし、現在ではAvidのオーディオ・アプリケーション・スペシャリストであり、テレビのミキシングとサウンドデザインの仕事にも携わっています。20年に渡るキャリアであるサウンド、音楽、テクノロジーは、生涯におけるパッションとなっています。 小笠原 一恵(Avid) ソリューション・スペシャリスト ヨーロッパにてクラシックからジャズと幅広い音楽ジャンルでの作編曲および演奏活動を経て帰国、現在はAvidのソリューション・スペシャリストとして活躍しています。 【4th session】 16:00~16:45 360 Reality Audioの世界へダイブ!制作ワークフローを徹底解説! 360 Reality Audioの世界へダイブ!制作ワークフローを徹底解説! 世界的にも注目を集める「360 Reality Audio(サンロクマル・リアリティオーディオ)」。日本初となる360 Reality Audioコンテンツの専門制作スタジオとして今年6月にオープンした「山麓丸(サンロクマル)スタジオ」へお伺いし、360 Reality Audioの魅力、またそのワークフローを伝授いただきます。本編では360 Reality Audio楽曲のバイノーラル収録も行っておりますので、ぜひヘッドフォンでお楽しみください。 ●Guest Chester Beatty(山麓丸スタジオ) 株式会社ラダ・プロダクション 山麓丸スタジオ事業部 プロデューサー 音楽制作プロデューサー/エンジニア。90年代ごろよりドイツ名門レーベルTRESORやBpitch Controlより作品をリリース。BBCのJohn Peel Sessionに選ばれるなどワールドワイドな活動をおこなう。現在は山麓丸スタジオにて360RA楽曲制作を行うゼネラルマネージャーとして活動。日本レコーディングエンジニア協会(JAREC)常任理事。近著「配信映えするマスタリング入門」(DUBOOKS)。 當麻 拓美(山麓丸スタジオ) 株式会社ラダ・プロダクション 山麓丸スタジオ事業部 チーフ・エンジニア 【5th session】 17:00~17:45 OTTコンテンツ・プロダクションに適したMedia ComposerとPro Tools統合ワークフロー OTTコンテンツ・プロダクションに適したMedia ComposerとPro Tools統合ワークフロー 映画制作と同等の要件、そして品質が要求されつつ、より柔軟な作業対応が求められるOTT向けドラマ/ドキュメンタリー制作。撮影/編集/VFX素材の高解像度化に対応する為のコンフォーミング・ワークフローの実現等、ますます複雑化するビデオ・ポストプロダクション・ワークと、それに対応する為にUHD/HDR映像レビューやDolby Atmosミキシング/再生環境が必要となるオーディオ・ポスト・ポロダクション、その連携をよりスムースに実現し、クリエイティビティーを損なわずに作業効率化を図ることができるMedia ComposerとPro Toolsの相互運用機能とその実践方法を紹介します。 ●Instructor 西岡 崇行(Avid) グローバル・プリセールス ビデオ・ソリューションズ・スペシャリスト Avid DSのアプリケーション・スペシャリストとしてアビッドテクノロジーに入社以来、20年以上に渡ってあらゆるソリューションに関わってきました。アセットマネージメントやストレージ、CGやオーディオまで、広範囲に渡る知識と経験を活かして、最適なメディア制作ソリューションの提案をミッションとし続けています。 【6th session】 18:00~18:45 Avid Media Centralがもたらす効率性、ビデオ・オーディオ連携ワークフローハンズオン Avid Media Centralがもたらす効率性、ビデオ・オーディオ連携ワークフローハンズオン Avid Media Centralを中心とするコンテンツ制作の効率性。そのワークフローを体験できるスペースがRockoN 渋谷店地下 LUSH HUB内に設けられました。ビデオ編集とオーディオ編集間のデータのやりとりを行うビデオ・オーディオワークフロー、Media Centralと共有ストレージNEXISを使用すれば、データベース化されたアセットとメディアファイルを使用して、自動的にお互いの変更点を反映しながら、作業を並行して進めていくことが可能に。 実際のシステムでどのような手順と操作で行い、効率化が実現されていくのか、ハンズオンで迫ります。 ●Instructor 前田 洋介(ROCK ON PRO) ROCK ON PRO Product Specialist レコーディングエンジニア、PAエンジニアの現場経験を活かしプロダクトスペシャリストとして様々な商品のデモンストレーションを行っている。映画音楽などの現場経験から、映像と音声を繋ぐワークフロー運用改善、現場で培った音の感性、実体験に基づく商品説明、技術解説、システム構築を行っている。 丹治 信子(ROCK ON PRO) ROCK ON PRO Product Specialist ノンリニア編集とファイルベースワークフローを普及すべく、これまでAvidおよび、Autodeskでビデオセールスに従事。プリセールスからサポートまで、エディターに寄り添ったコミュニケーションがモットー。ROCK ON PROのメンバーとなってからは、新しい分野で互いに刺激を与え合いながら活躍している。 【7th session】 19:00~19:45 アビットーーク! 〜2021年、この製品が凄かった!僕の、私のベスト3〜&プレゼント抽選会! アビットーーク! 〜2021年、この製品が凄かった!僕の、私のベスト3〜&プレゼント抽選会! 不定期開催のアビットーーークでは、バウンス清水とRED先生による「2021年、この製品が凄かった!僕の、私のベスト3」と題して、2021年に発売した新製品からリバイバルヒットした製品まで幾多のバズった製品の中から、完全なる主観でチョイスしたベスト3を発表。どの製品が選ばれるか乞うご期待!そして、賞品総額100万円Over!今年もやります、Pro Tools30周年 アニバーサリープレゼントの抽選会もこちらの配信で開催します!お見逃しなく! ●MC RED先生 / 赤尾 真由美(ROCK ON PRO) ROCK ON PRO Product Specialist JAPRS Pro Tools資格認定委員としても活躍するPro Toolsのスペシャリストでもある。クラシック系音楽大学出身というバックグラウンドを持ち、確かな聴感とDAW / デジタル・ドメインの豊富な知識を活かし、ミュージックマーケットからブロードキャストまで幅広い層へ提案を行っている。 バウンス清水 / 清水 修平(ROCK ON PRO) ROCK ON PRO Sales Engineer 大手レコーディングスタジオでの現場経験から、ヴィンテージ機器の本物の音を知る男。寝ながらでもパンチイン・アウトを行うテクニック、その絶妙なクロスフェードでどんな波形も繋ぐその姿はさながら手術を行うドクターのよう。ソフトなキャラクターとは裏腹に、サウンドに対しての感性とPro Toolsのオペレートテクニックはメジャークラス。Sales Engineerとして『良い音』を目指す全ての方、現場の皆様の役に立つべく日々研鑽を積み重ねている。 Pro Tools 30th Anniversary プレゼント! ※こちらの応募は終了しました。 〜PT30周年で30名様に!賞品総額100万円Over!〜 Pro Tools 30th Anniversary プレゼント! Pro Toolsがこの世に産声をあげてから実に30年。従来のレコーディングに革新を起こし、ワークフローを大きく変貌させ、DAWの礎となって音楽を制作するというクリエイティブの在り方自体をも刷新してきたPro Tools。その「今」そして「未来」を担うユーザーの皆様に感謝して、Pro Tools30周年記念・総額100万円オーバーの豪華プレゼントをご用意しました!Avid Creative Summitの各プログラムごとに発表される応募URLへアクセス、必要事項を入力してご応募いただけます。つまり、プログラムを見れば見るほど応募チャンスが増え、当選確率もアップです!皆様、奮ってご応募ください! Avid S1 1名様 8chフェーダーのコンパクトなコントロールサーフェスとなるS1。iPadとのワイヤレス接続でメーターからEQ、プラグインのパラメーターなど、ビジュアルで各種情報をコントロール。(*賞品にiPadは付属いたしません。) APOGEE Duet3 1名様 さらに薄くなった筐体、LEDライト、継承されるコンパクトでモダンなデザイン、サウンド面ではボブ・クリアマウンテンがチューニングを施したというDSPエフェクトを搭載。モバイルインターフェースにおける筆頭格。 ソニー WH-1000XM4 3名様 360 Reality Audio認定モデルとなるワイヤレスヘッドホン。業界最高クラスのノイズキャンセリングを備え、「Headphones Connect」アプリで個人のHRTF測定も行い最適化、イマーシブ体験を最大化する逸品です。 Dolby Atmos Production Suite 3名様 Dolby Atmos制作のマストアイテムとなる本製品。こちらにPro Toolsとモニターヘッドホンを用意すればバイノーラルでのAtmosミックス環境は準備完了。ワールドワイドに起きているムーブメントをシェアするための第一歩です。 360 Reality Audio Creative Suite 3名様 AAX対応のプラグインとして360 Reality Audioの制作ツールとなるこの製品。360RAの世界をクリエイトするための必携ツールをPro Toolsと組み合わせて、新たな立体音響の世界へチャレンジしてください。 Apple AirPods Pro 3名様 空間オーディオへの対応が始まったApple Musicを純正デバイスで。フィット感が高く、アクティブノイズキャンセリング(ANC)と外音取り込みモードを備えたAirPods Proは、日常生活の中で楽しむ音楽体験をより豊かにします。 Avid Pro Tools 年間サブスクリプション 8名様 30周年を迎えたPro Tools、業界標準のDAWを年間サブスクリプションで。 Avid Media Composer 年間サブスクリプション 8名様 映像編集をリードするMedia Composer。Pro Toolsとの高い親和性で音楽を超えたクリエティブへ。 ProceedMagazine 2021-22号 応募者様全員 応募者様全員にProceed Magazine最新号となる2021-22号をご配送します。今回プログラムのトピックスとなったDolby Atmos / 360 Reality Audioも含め、いまの制作シーンをリードする情報満載です。 <応募方法> ・YouTubeで配信となる各プログラム内にて、応募フォームのURLを発表致します。 ・発表されたURLより応募フォームへアクセスいただき、アンケート回答、必須事項記入、希望プレゼント(1点)のご選択をいただきます。 ・こちらの応募は終了しました。多数のご参加、誠にありがとうございました! <抽選発表> 12/15(水)19:00 アビットーーク内にて発表 <ご注意点> ・各プログラムごとで発表される応募フォームにてお一人様1通のご応募を有効とさせていただきます。 ・応募フォームURLは各セミナーごとに異なるアドレスとなりますのでご注意ください。 ・抽選会にて同一賞品を複数当選された場合は再抽選とさせていただきます。 ・応募フォーム入力に不備がある場合は賞品発送が行えませんのでご注意ください。 ・賞品送付先は日本国内に限定させていただきます。海外からご視聴の方は恐縮ですが抽選対象外とさせていただきますのでご了承ください。 Avid Creative Summit 2021は、RockoN 渋谷店 地下に誕生した、全ての創造者とインスピレーションを与え合う最先端プラットフォーム空間「LUSH HUB」よりお届けします。2022年に向けたAvidソリューションの展望、そして空間オーディオを中心に新たなフェーズを迎えるサウンド制作のリアルなインフォメーションにご期待ください!
NEWS
2021/12/08

Solid State Logicの伝説的スタジオクオリティをデスクトップに! SSL “BiG SiX” 発表!!

Solid State Logic がデスクトップサイズのプロフェッショナル・スタジオ・ミキシング・コンソールを発表! BiG SiXと名付けられた本製品は、16チャンネルのSSLデジタルラージコンソールと同等の高品質なAD/DA変換によるUSBインターフェイス機能を有しており、SSLコンソールクオリティのアナログサミングミックスを可能にします。 4ch分搭載されたSuperAnalogueマイクプリは、伝説のアナログラージコンソール9000シリーズと同じくスピード感と透明感のある超低歪みなサウンドをユーザーに提供。さらに、SSL G-Compバスコンプレッサーのエッセンシャル・バージョンには、有名な「オート」リリースが搭載され、また、SSL 4000Eコンソールをベースにしたダイナミクスと3バンドEQのチャンネル・プロセッシングがSSLならではのサウンドを作り上げます。 他に包括的なモニタリング・セクション、2系統のステレオキューなど大型コンソール並みの機能を備えたBiG SiXは、まさにプロフェッショナルなスタジオ・ミキシング・コンソールをデスクトップサイズに凝縮したプロダクトと言えるでしょう。 気になる発売開始時期は2022年1月を予定。ご購入のご予約はもちろん、デモのお問い合わせもROCK ON PRO にて本日より受付中です! 主な仕様: ●4 SuperAnalogueTM ‘Mono Channels ・各chにHi-Z 入力 / 48V ファンタム電源 / ハイパスフィルター ・各chにClassic SSL コンプレッサー ・各chに SSL E Seriesコンソールをベースとした LF/MF/HF 3バンド EQ ・各chにバランス インサート回路 ●4 stereo inputs ・各chにモノ スイッチ ・各chにSSL E Seriesコンソールをベースとした LF/MF/HF 3バンド EQ ●16 channel USB AD and DA Converters ・16 I/O 96 kHz / 24-bit USB-Cオーディオインターフェイス ・SSLラージデジタルコンソールと同クオリティのAD/DA回路を採用。 ●その他 ・メインとBの2つのステレオバスを装備 ・2系統のステレオキュー ・Listen Mic Compressor 付きトークバック ・100 mm ストロークのスタジオグレードフェーダー ・2系統のヘッドフォン出力 ・Mono / dim / cut 機能搭載の2系統のモニターセクション ・メインミックスバスへの入力が可能な外部バランス入力。 (他のミキサーをカスケードする際に使用できます。) Sold State Logic BiG SiX 販売価格:¥ 401,500 (本体価格:¥ 365,000) 発売日:2021年1月予定 ご予約受付中! Rock oN Line eStoreで購入>> スムーズで柔軟なワークフローを実現するために、コンパクトで高品質なアナログミキサーが手元にあるということは重要な意味を持ちます。小規模スタジオのメインミキサーから大規模DAWシステムのサブ機まで、プロフェッショナルな現場で活躍間違いなしのSSL BiG SiXのご予約・ご購入、デモの御用命はcontactバナーからROCK ON PROまでお気軽にご連絡ください! https://pro.miroc.co.jp/headline/avid-creative-summit-2021-online https://pro.miroc.co.jp/2021/12/01/33609-re-release https://pro.miroc.co.jp/headline/protools-annualsupportplan-reinstatement https://pro.miroc.co.jp/headline/rock-on-pro-yearend-2021
Sales
2021/11/22

最大50% OFF !! Pro Tools ホリデープロモーション開始

Avidから2021年を締め括るホリデープロモーションのお知らせです!Pro Toolsが約 33% OFF、Pro Tools | Ultimateはなんと50% OFF !! サブスクリプション・ユーザーは必見の内容となっております。 プロモーションは本日11月22日(月)から12月31日(金)まで! 詳細は下記をご覧ください!! Pro Tools ホリデープロモ 期間:2021年11月22日(月)〜2021年12月31日(金)まで 対象:Pro Tools、および、Pro Tools | Ultimate 年間サブスクリプション(新規・更新)ライセンス *EDU版は対象外となります。 価格:下記参照 Pro Tools 1-Year Subscription NEW(Pro Tools 年間サブスクリプション 新規) 通常価格¥38,830 → プロモ価格¥26,070(本体価格¥23,700) Pro Tools 1-Year Subscription RENEWAL(Pro Tools 年間サブスクリプション 更新) 通常価格¥38,830 → プロモ価格¥26,070(本体価格¥23,700) Pro Tools | Ultimate Subscription License - Annual Paid Up Front(Pro Tools | Ultimate 年間サブスクリプション 新規) 通常価格¥103,950 → プロモ価格¥51,975(本体価格¥47,250) Pro Tools | Ultimate Annual Subscription - Renewal(Pro Tools | Ultimate 年間サブスクリプション 更新) 通常価格¥103,950 → プロモ価格¥51,975(本体価格¥47,250) 本プロモーションに関するお問い合わせ、Pro Tools システムのご相談などはお気軽にROCK ON PRO までご連絡ください。 https://pro.miroc.co.jp/headline/avid-hd-driver-macos https://pro.miroc.co.jp/headline/pro-tools-2021-10/#.YZsMA73P0-Q https://pro.miroc.co.jp/headline/pro-tools-tutorial-video2021 https://pro.miroc.co.jp/headline/avid-pro-tools-carbon-promotion
Event
2021/11/18

【11/25 開催】Pro Tools|HDXでDolby Atmosミックスfeat.グレゴリ・ジェルメン

2021年11月25日(木) 18:00より、Avid協賛による『「サンレコ・セミナー」Pro Tools|HDXでDolby Atmosミックスfeat.グレゴリ・ジェルメン』がオンライン開催されます。 Avid Atmos認定プログラムPT210DVの資格も取得し、実際のDolby Atmos Musicミックスの経験も豊富なエンジニアであるグレゴリ・ジェルメン氏のAtmosミックス・ノウハウや、彼自身のお気に入りツール等、Pro ToolsにおけるAtmosミックスワークフローに大いに活用できる内容をご覧いただけます。 オンラインセミナー自体の配信方法も、Pro Tools HDX + MTRXを使用し、Dolby Atmos Renderer経由でリットーベースの立体音響システムに接続、そのままバイノーラル配信される形となりますので、イマーシブ・オーディオならではの臨場感も感じ取っていただける予定です。 参加費無料、事前登録不要のセミナーですので、Dolby Atmos ミックスにご関心のあるユーザー様はぜひチェックしてみてください。 セミナー概要 日時:2021年11月25日(木) 18:00〜 場所:Sound & Recording Magazine誌特設WEBページ上にて配信 講師:グレゴリ・ジェルメン氏(Sonic Synergies Engineering) 参加費:無料、事前登録不要 *配信ページは告知ページを兼ねております。セミナー開始時刻以降、ブラウザの再読み込み等をお試しください。 講師紹介 グレゴリ・ジェルメン氏。レコーディング・エンジニアになるべくパリから来日し、専門学校卒業後スタジオグリーンバード、Digz Inc, Groupを経て2021年に独立。Sonic Synergies Engineeringを設立。バンドものからR&BまでのJポップ、Kポップなど多岐にわたって活躍している。AVID認定Dolby Atmos Mixer。手掛けた作品などはこちらから。https://linktr.ee/mixedbygreg 関連記事 https://pro.miroc.co.jp/headline/dolby-atmos-music-creators-summit https://pro.miroc.co.jp/headline/dolby-atmos-free-trial-package https://pro.miroc.co.jp/headline/3d-audio
Support
2021/11/12

macOSにおけるAvid HDドライバーのインストール方法【Pro Tools サポート情報】

Pro Tools 2021.10にて、HDドライバーが待望のM1対応を果たしました。そのインストール方法と注意事項がAvid Knowledge Baseににアップされております。 M1 Macだけでなく、既存のIntel Macへのインストール方法、さらに、既にHDドライバーがインストールされている場合のアップデート方法も記載されておりますので併せてご参照ください。 M1 Macにおいては、HD Driverインストールのために事前作業が必要となりますので、ご自身でHD Driverをインストールされるユーザー様はぜひ下記リンク先をご参照の上、作業をご実施ください。 Avid Knowledge Base macOSにおけるAvid HDドライバーのインストール方法(日本語)
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2021/11/12

Inter BEE 2021 – INTER BEE EXPERIENCE 企画セッションにROCK ON PRO スタッフが登壇します

Inter BEE 2021 開催概要 昨年はオンラインでの開催のみとなったInter BEEが今年は幕張メッセとオンラインでの同時開催となりました。今回で57回目という歴史あるイベントですが、昨今のOTTコンテンツの賑わいを受け、今年はコンテンツの制作、伝送、体験のすべてを網羅した、メディアとエンターテイメントのビジネス空間が提供されるとのこと。基本的に入場は無料ですが、事前登録必須ですのでお忘れなく! Inter BEEは、日本最大級のメディア総合イベントとして業界関係者に広く認知されており、プロオーディオ、映像、放送、通信、プロライティング、配信関連のプロフェッショナルはもとより、映像・メディア業界の技術者・クリエイター・ステークホルダーが一堂に会する展示会です。放送メディアの発展と共に歩み続け、今回で57回目の開催となるInter BEEは、「コンテンツ」を中核とし、コンテンツを「つくる(制作)」、「おくる(伝送)」、「うける(体験)」のすべてを網羅した、メディアとエンターテイメントのビジネス空間を提供します。(プレスリリースより抜粋:https://www.inter-bee.com/ja/newsroom/information/detail/?id=43408) 名称 : Inter BEE 2021 会期 : 2021年11月17日(水) ~ 19日(金) ※オンラインコンテンツのご視聴は12月17日(金)まで 会場 : 幕張メッセ および オンライン(https://www.inter-bee.com/) 入場 : 無料(一部有料セッションあり) 主催 : 一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA) 運営 : 一般社団法人日本エレクトロニクスショー協会 公式サイト:https://www.inter-bee.com/ja/ 弊社Product Specialist 前田洋介が登壇 昨年に引き続き、弊社プロダクトスペシャリストの前田洋介が、音のプロフェッショナルユーザーに向けた特別セッション「INTER BEE EXPERIENCE」に登壇します。 内容はリモート音声制作の進化と変化について。数多くのツールが登場する中、現場の対応は三者三様。システムインテグレーターの視点から、この一年でのリモート音声制作の変化、そして今後の展望について考察します。会場にお越しの方は是非とも下記URLより聴講予約いただけますと幸いです! タイトル:コロナ時代の音声制作とコンテンツの音① リモート音声制作の進化と変化 日付:11月18日(木) 時間:13:30〜14:30 講師: 株式会社メディアインテグレーション ROCK ON PRO Product Specialist 前田 洋介 内容詳細: https://www.inter-bee.com/ja/forvisitors/conference/session/?conference_id=1773 聴講予約: https://www.inter-bee.com/ja/forvisitors/conference/experience/form.html
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2021/11/09

Pro Tools 入門編 日本語チュートリアルビデオが公開中

AVID Japan 公式You Tubeチャンネルで、Pro Tools 入門編の日本語チュートリアル動画が公開されています。 アカウントの管理方法からセッションの立ち上げ〜録音〜編集〜ミックス〜エクスポート方法に至るまで、項目ごとに丁寧に解説されているので、Pro Toolsの使い方に不安がある方は、まずはこのビデオをご覧いただくことをおすすめします。 >>AVID Blog Pro Tools – 音楽編集ソフトウェア チュートリアルビデオ 入門編 https://www.avidblogs.com/ja/pro-tools-for-beginners/ 公開中のチュートリアル動画リスト 【入門編 1】Avidマスター・アカウントとiLokアカウントの作成、Pro Toolsのインストール 【入門編 2】Pro Toolsでの新しいセッションやプロジェクトの作成 【入門編 3】編集ウィンドウとミックスウィンドウの紹介、トラックの作成 【入門編 4】セッションの設定:タイム、テンポと拍子、クリック 【入門編 5】オーディオの録音 【入門編 6】オーディオ、MIDI、その他のセッション要素のインポート 【入門編 7】オーディオの編集 【入門編 8】バーチャル・インストゥルメント・プラグインで MIDI をシーケンス(1) 【入門編 9】バーチャル・インストゥルメント・プラグインで MIDI をシーケンス(2) 【入門編 10】プラグイン・プロセッシング 【入門編 11】ミックス・オートメーション 【入門編 12】ミックスをエクスポートして共有、Avid Play どのパッケージを選んだらいいの? 「予習はバッチリ、いざPro Toolsを購入だ!」…と思ってみたものの、「どのパッケージを選んだらいいのか分からない!(涙)」という方も、ご安心ください。! こちらのPro Tools ソフトウェア検索ツールを使えば、ご自分状況にあったパッケージを見つけることができます。 >>Avid Pro Tools ソフトウェア検索ツール https://www.miroc.co.jp/pro_tools_search/ 【延長決定!!】Pro Tools | Carbon 驚愕の期間限定プロモーション開始!! Pro Tools | Ultimateが無償付属! また、Pro Toolsと合わせて専用のオーディオインターフェースをご検討中の方はこちらも必見!2021年12月末までに、Pro Tools | Carbonをご購入いただくと、通常価格¥337,700の Pro Tools Ultimate 永続ライセンス(1年間のサポート&アップグレード・プラン付属)を無償で取得可能です! 同時に、AutoTune Hybrid(通常価格¥44,000)も入手可能なので、実質10万円前後でCarbonを入手できる計算になります!過去最高にお得なチャンスをお見逃しなく! https://pro.miroc.co.jp/headline/avid-pro-tools-carbon-promotion/#.YYoY0b3P3OQ https://pro.miroc.co.jp/headline/avid-pro-tools-carbon-promotion/#.YYoY0b3P3OQ 「これからPro Toolsを使ってみたい」という初心者の方はもちろん、「久しぶりに使うことになったので使い方を復習したい!」という方にもおすすめの内容となっています。 ご購入に関するお問い合わせや、Pro Tools HDXシステムを中心としたレコーディングシステムのご相談は、下記コンタクトフォームより、お気軽にお問い合わせください。 https://pro.miroc.co.jp/headline/pro-tools-2021-10/#.YYod3L3P3OQ https://pro.miroc.co.jp/headline/pt-carbon-hybrid-engine-yt-playlists/#.YYodr73P3OQ https://pro.miroc.co.jp/headline/le-sound-review-sounddesign-5-spacemotors/#.YYod9r3P3OQ https://pro.miroc.co.jp/solution/sound-on-4%CF%80-360ra-part-1/#.YYoeC73P3OQ
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2021/11/02

Sound on 4π Part 4 / ソニーPCL株式会社 〜360 Reality Audioのリアルが究極のコンテンツ体験を生む〜

ソニーグループ内でポストプロダクション等の事業を行っているソニーPCL株式会社(以下、ソニーPCL)。360RAは音楽向けとしてリリースされたが、360RAを含むソニーの360立体音響技術群と呼ばれる要素技術の運用を行っている。昨年システムの更新を行ったMA室はすでに360RAにも対応し、360立体音響技術群のテクノロジーを活用した展示会映像に対する立体音響の制作、360RAでのプロモーションビデオのMA等をすでに行っている。 独自のアウトプットバスで構成されたMA室 ソニーPCLは映像・音響技術による制作ソリューションの提供を行っており、360立体音響技術群を活用した新しいコンテンツ体験の創出にも取り組んでいる。現時点では映像と音声が一緒になった360RAのアウトプット方法は確立されていないため、クライアントのイメージを具現化するための制作ワークフロー構築、イベント等でのアウトプットを踏まえた演出提案など、技術・クリエイティブの両面から制作に携わっている。 この更新されたMA室はDolby Atmosに準拠したスピーカー設置となっている。360RA以前にポストプロダクションとしてDolby Atmosへの対応検討が進んでおり、その後に360RAへの対応という順番でソリューションの導入を行っている。そのため、天井にはすでにスピーカーが設置されていたので、360RAの特徴でもあるボトムへのスピーカーの増設で360RA制作環境を整えた格好だ。360RAはフルオブジェクトのソリューションとなるため、スピーカーの設置位置に合わせてカスタムのアウトプットバスを組むことでどのようなスピーカー環境にも対応可能である。360RACSには最初から様々なパターンのスピーカーレイアウトファイルが準備されているので、たいていはそれらで対応可能である。とはいえスタジオごとのカスタム設定に関しても対応を検討中とのことだ。 📷デスクの前方にはスクリーンが張られており、L,C,Rのスピーカーはこのスクリーンの裏側に設置されている。スクリーンの足元にはボトムの3本のスピーカーが設置されているのがわかる。リスニングポイントに対して机と干渉しないギリギリの高さと角度での設置となっている。 📷できる限り等距離となるように、壁に寄せて設置ができるよう特注のスタンドを用意した。スピーカーは他の製品とのマッチを考え、Neumann KH120が選ばれている。 360RAの制作にあたり、最低これだけのスピーカーがあったほうが良いというガイドラインはある。具体的には、ITU準拠の5chのサラウンド配置のスピーカーが耳の高さにあたる中層と上空の上層にあり、フロントLCRの位置にボトムが3本という「5.0.5.3ch」が推奨されている。フル・オブジェクトということでサブウーファーchは用意されていない。必要であればベースマネージメントによりサブウーファーを活用ということになる。ソニーPCLではDolby Atmos対応の部屋を設計変更することなく、ボトムスピーカーの増設で360RAへと対応させている。厳密に言えば、推奨環境とは異なるが、カスタムのアウトプット・プロファイルを作ることでしっかりと対応している。 ソニーPCLのシステムをご紹介しておきたい。一昨年の改修でそれまでの5.1ch対応の環境から、9.1.4chのDolby Atmos対応のスタジオへとブラッシュアップされている。スピーカーはProcellaを使用。このスピーカーは、奥行きも少なく限られた空間に対して多くのスピーカーを増設する、という立体音響対応の改修に向いている。もちろんそのサウンドクオリティーも非常に高い。筐体の奥行きが短いため、天井への設置時の飛び出しも最低限となり空間を活かすことができる。この更新時では、既存の5.1chシステムに対しアウトプットが増えるということ、それに合わせスピーカープロセッサーに必要とされる処理能力が増えること、これらの要素を考えてAudio I/OにはAvid MTRX、スピーカープロセッサーにはYAMAHA MMP1という組み合わせとなっている。 📷天井のスピーカーはProcellaを使用。内装に極力手を加えずに設置工事が行われた。天井裏の懐が取れないためキャビネットの厚みの薄いこのモデルは飛び出しも最小限にきれいに収まっている。 4π空間を使い、究極のコンテンツ体験を作る なぜ、ソニーPCLはこれらの新しいオーディオフォーマットに取り組んでいるのであろうか?そこには、歴史的にも最新の音響技術のパイオニアであり、THX認証(THXpm3)でクオリティーの担保された環境を持つトップレベルのスタジオであるということに加えて、顧客に対しても安心して作業をしてもらえる環境を整えていくということに意義を見出しているからだ。5.1chサラウンドに関しても早くから取り組みを始め、先輩方からの技術の系譜というものが脈々と続いている。常に最新の音響技術に対してのファーストランナーであるとともに、3D音響技術に関してもトップランナーで在り続ける。これこそがソニーPCLとしての業界におけるポジションであり、守るべきものであるとのお話をいただいた。エンジニアとしての技術スキルはもちろんだが、スタジオは、音響設計とそこに導入される機材、そのチューニングと様々な要素により成り立っている。THXは一つの指標ではあるが、このライセンスを受けているということは、自信を持ってこのスタジオで聴いた音に間違いはないと言える、大きなファクターでもある。 📷デスク上は作業に応じてレイアウトが変更できるようにアームで取り付けられた2つのPC Displayと、Avid Artist Mix、JL Cooper Surrond Pannerにキーボード、マウスと機材は最小限に留めている。 映像に関してのクオリティーはここで多くは語らないが、国内でもトップレベルのポストプロダクションである。その映像と最新の3D立体音響の組み合わせで、「究極のコンテンツ体験」とも言える作品を作ることができるスタジオになった。これはライブ、コンサート等にとどまらず、歴史的建造物、自然環境などの、空気感をあますことなく残すことができるという意味が含まれている。自然環境と同等の4πの空間を全て使い音の記録ができる、これは画期的だ。商用としてリリースされた初めての完全なる4πのフォーマットと映像の組み合わせ、ここには大きな未来を感じているということだ。 また、映像とのコラボレーションだけではなく、ソニー・ミュージックスタジオのエンジニアとの交流も360RAによりスタートしているということだ。これまでは、音楽スタジオとMAスタジオという関係で素材レベルのやり取りはあったものの、技術的な交流はあまりなかったということだが、360RAを通じて今まで以上のコミュニケーションが生まれているということだ。ソニーR&Dが要素を開発した360立体音響技術群、それを実際のフォーマットに落とし込んだソニーホームエンタテイメント&サウンドプロダクツなど、ソニーグループ内での協業が盛んとなり今までにない広がりを見せているということだ。このソニーグループ内の協業により、どのような新しい展開が生まれるのか?要素技術である360立体音響技術群の大きな可能性を感じる。すでに、展示会場やイベント、アミューズメントパークなど360RAとは異なる環境でこの技術の活用が始まってきている。フルオブジェクトには再生環境を選ばない柔軟性がある。これから登場する様々なコンテンツにも注目をしたいところだ。 現場が触れた360RAのもたらす「リアル」 360RAに最初に触れたときにまず感じたのは、その「リアル」さだったということだ。空間が目の前に広がり、平面のサラウンドでは到達できなかった本当のリアルな空間がそこに再現されていることに大きな驚きがあったという。ポストプロダクションとしては、リアルに空間再現ができるということは究極の目的の一つでもある。音楽に関しては、ステレオとの差異など様々な問題提議が行われ試行錯誤をしているが、映像作品にこれまでにない「リアル」な音響空間が加わるということは大きな意味を持つ。報道、スポーツ中継などでも「リアル」が加わることは重要な要素。当初は即時性とのトレードオフになる部分もあるかもしれない。立体音響でのスポーツ中継など想像しただけでも楽しみになる。 実際の使い勝手の詳細はまだこれからといった段階だが、定位をDAWで操作する感覚はDTS:Xに近いということだ。将来的にはDAWの標準パンナーで動かせるように統合型のインターフェースになってほしいというのが、現場目線で求める将来像だという。すでにDAWメーカー各社へのアプローチは行っているということなので、近い将来360RAネイティブ対応のDAWなども登場するのではないだろうか。 もともとサラウンドミックスを多数手がけられていたことから、サウンドデザイン視点での試行錯誤もお話しいただくことができた。リバーブを使って空間に響きを加える際にクアッド・リバーブを複数使用し立方体を作るような手法。移動を伴うパンニングの際に、オブジェクトの移動とアンプリチュード・パンを使い分ける手法など、360RAの特性を色々と研究しながら最適なミックスをする工夫を行っているということだ。 3Dと呼ばれる立体音響はまさに今黎明期であり、さまざまなテクノロジーが登場している途中の段階とも言える。それぞれのメリット、デメリットをしっかりと理解し、適材適所で活用するスキルがエンジニアに求められるようになってきている。まずは、試すことから始めそのテクノロジーを見極めていく必要があるということをお話いただいた。スペックだけではわからないのが音響の世界である。まずは、実際に触ってミックスをしてみて初めて分かる、気づくことも多くある。そして、立体音響が普及していけばそれに合わせた高品位な映像も必然的に必要となる。高品位な映像があるから必要とされる立体音響。その逆もまた然りということである。 📷上からAntelope Trinity、Avid SYNC HD,Avid MTRX、YAMAHA MMP1が収まる。このラックがこのスタジオのまさに心臓部である。 📷ポスプロとして従来のサラウンドフォーマットへの対応もしっかりと確保している。Dolby Model DP-564はまさにその証ともいえる一台。 📷このiPadでYAMAHA MMP1をコントロールしている。このシステムが多チャンネルのモニターコントロール、スピーカーマネージメントを引き受けている。 ソニーPCLでお話を伺った喜多氏に、これから立体音響、360RAへチャレンジする方へのコメントをいただいた。「まずは、想像力。立体空間を音で表現するためには想像力を膨らませてほしい。従来のステレオ、5.1chサラウンドのイメージに縛られがちなので、想像力によりそれを広げていってもらいたい。この情報過多の世界で具体例を見せられてばかりかもしれないが、そもそも音は見えないものだし、頭の中で全方向からやってくる音をしっかりとイメージして設計をすることで、立体音響ならではの新しい発見ができる。是非とも誰もが想像していなかった新しい体験を作り上げていってほしい」とのことだ。自身もソニーグループ内での協業により、シナジーに対しての高い期待と360RAの持つ大きな可能性を得て、これからの広がりが楽しみだということだ。これから生まれていく360RAを活用した映像作品は間違いなく我々に新しい体験を提供してくれるだろう。 ソニーPCL株式会社 技術部門・アドバンスドプロダクション2部 テクニカルプロダクション1課 サウンドスーパーバイザー 喜多真一 氏   *取材協力:ソニー株式会社 *ProceedMagazine2021号より転載
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2021/10/29

Pro Tools 2021.10&EUCON2021.10リリース 〜HDX / ビデオ・エンジンM1対応ほか追加機能多数〜

日本時間2021年10月29日未明、AVID Pro Toolsの最新版となる Pro Tools 2021.10 がリリースされました。有効なサブスクリプション・ライセンスおよび年間プラン付永続ライセンス・ユーザーは、AvidLinkまたはMyAvidよりダウンロードして使用することが可能です。 今回は便利な新機能追加、そして待望のHDX/HD Native、そしてビデオ・エンジンのApple M1 CPU対応(※)が発表されました。それでは注目の新機能を見ていきましょう! ※M1 CPUでの外部ビデオ再生機器経由での再生には対応しておりませんのでご注意ください。 Pro Tools システム要件 https://avid.secure.force.com/pkb/KB_Render_Compatibility?id=kA15A0000003UsL&lang=ja EUCON 互換性 https://avid.secure.force.com/pkb/articles/ja/Compatibility/EUCON-Compatibility macOS 11 (Big Sur) および M1 と Avid 製品の対応状況 https://avid.secure.force.com/pkb/KB_Render_Compatibility?id=kA15A0000007lqb&lang=ja HDX/HD Native、及びビデオ・エンジン(※)がApple M1 CPU対応 ついにHDX/HD NativeシステムがApple M1対応!システムの中枢となるマシンの選択肢が増えました。(※現時点では外部ビデオ再生機器経由での再生には対応していないとのことなのでご注意ください。) HDドライバーがM1チップ対応(ユニバーサルバイナリ)となり、HDX, HD NativeシステムがApple M1チップ搭載CPUで動作可能となりました(Pro Tools | UltimateソフトウエアはRosetta 2経由でM1上で動作します) * Pro Tools搭載のAvid Video EngineがM1上で動作可能となりました。これによりM1搭載CPUのデスクトップ上でPro Toolsのビデオ・トラックを利用可能となります。但し、現時点では、外部ビデオ再生機器経由での再生には対応しておりませんのでご注意ください。 (*) Pro ToolsをM1 Macにインストールする前に、Pro Toolsシステム要件のページとmacOS 11(Big Sur)とAvid製品の対応状況のページにアクセスして、システムとワークフローが完全にサポートされていることを確認してください。 (2021.11.9追記)AVID HDドライバーのインストールに関して、Apple M1製品をお使いの場合は必要な手順が多少異なります。詳細は下記ページからご確認ください。 >>Avid Knowledge Base - macOSにおけるAvid HDドライバーのインストール方法 https://avid.secure.force.com/pkb/KB_Render_HowTo?id=kA46e000000cIcV&lang=ja Komplete Kontrolに対応 Komplete Kontrol MIDIキーボードから、幅広い種類のプラグインをハンズオン・コントロールすることが可能となりました。Komplete Kontrolは、Pro Toolsセッション内の選択されたトラックと自動的にシンクします。さらに、Komplete Kontrolのボタン、ノブ及び4Dエンコーダーから、多くのPro Tools機能をコントロールすることが可能となりました。 Native Instruments のプラグインを使われている方、結構多いのではないでしょうか。Komplete Kontrolに対応し、プラグインのノブの操作ができるのはもちろん、フェーダー操作などPro Tools自体の機能をコントロールすることも可能になりました。 動画でCheck! >> Pro Tools — Advanced Komplete Kontrol Integration Pro Tools | Carbon プリアンプをリモート・コントロール Pro Toolsセッション内の編集/ミックス・ウインドウまたはお使いのAvidコントロール・サーフェスから、Pro Tools | Carbonのプリアンプ設定を、リモートで調整、保存、リコール可能となりました。これにより、Carbonインターフェイスをスタジオ内のどこに設置することも可能となり、各セッション時にプリアンプ設定を覚えておく必要もなく、レコーディング時のプリアンプ設定が可能となります。 現在豪華キャンペーン実施中のCarbonですが、ソフトウェアからプリアンプ設定をリモートコントロールできるようになりました。作業スペースから離れたところにCarbonを設置しているという方も、もうゲインを調整するためにわざわざ立ち上がる必要はありません。 動画でCheck! >> Pro Tools — Remotely Control your Pro Tools | Carbon Preamps 最新のPro Tools | Carbon日本語ユーザーガイドはこちらから。 https://www.avidblogs.com/wp-content/uploads/2021/10/Carbon_Guide_JPN_Rev.C.pdf トラック・ルーティングがより柔軟に! 出力やセンドを、サブパスを作成することなしに、どの幅のバスに対してもルーティングすることが可能となりました。Pro Toolsが、その送り先のバス幅に合わせて、自動的にダウンミックスまたはシグナル・マッピングを行います。例えば、5.0トラックを直接7.1.2バスにルーティングしたり、サラウンド・トラックをステレオ・エフェクトやヘッドフォン出力に送るといった事も、より簡単に実行可能となります。 これは普段からよくサラウンドやイマーシブといった、マルチチャンネルのミックスをされている方にとっては大変便利な機能ですね。色々な活用ができそうです! 動画でCheck! >> Pro Tools — Flexible Track Routing Pro Tools UIをパーソナライズ Pro Toolsで、自分独自のUIを作る事が可能になりました。クラシック及びダーク・テーマ内のほぼ全てのエレメントを調整できる事に加えて、カスタム・バックグラウンド・カラーやUIエレメンツのコントラストの調整も可能となりました。これにより使いやすいUIにする為にチューンアップしたり、時間帯や気分に合わせて作業環境をパーソナライズすることができるようになります。 テンションが上がる好きな色にUIをカスタマイズできるのはもちろん、色覚特性をお持ちという方も、それぞれが見やすい色で作業できるようになりました。 動画でCheck! >> Pro Tools — High Contrast UI Elements & Custom Background Colors その他のPro Tools 2021.10追加機能/改良点 他にも、ビデオのエラーを検出した場合に、トラック名の横にエラー発生が確認できるインジケーターが付くいった便利な機能追加や、多数のバグ修正が行われています。 Pro Toolsでビデオ再生中にフレーム落ちがあった場合、ビデオ・エンジンが、ビデオトラック上にそのエラーを表示し、ドロップされたフレーム及びその原因を確認することが可能になりました。 ワークスペース上のサブメニューにTrack Presetが加わり、トラック・プリセットにより素早くアクセスすることが可能になりました。 その他、詳細なバグフィックスなどはAvid Knowledge Baseをご参照ください。 https://avid.secure.force.com/pkb/KB_Render_ReadMe?id=kA56e000000cGky&lang=ja EUCON2021.10 全体的なパフォーマンス改善(※要ProTools2021.10以上) Avid S1、S3、Dock、ControlなどのEUCON対応製品をお使いの方はこちらも要チェック! 今回のリリースにて、セッションの読み込みや終了、レイアウトのリコール、BankingおよびSpill and Attention等の機能が以前よりも素早く行えるようになり、使用していないトラックを除外する機能も追加されました。 主な新機能 1つのストリップごと最大4つのスワップ・レイヤーにトラックを割り当て、同じチャンネル・ストリップ上から、異なるトラックへ素早くアクセスすることが可能(Avid S4 & S6のみ) “X” ボタンでプラグインのON/OFFを切り替え、素早く処理をバイパス(Avid S1のみ) セッションの読み込みや終了、レイアウトのリコール、BankingおよびSpill and Attentionの高速化(全てのEUCON サーフェス—要 Pro Tools 2021.10) Pro Tools | Carbonのマイクプリ・リモートコントロール(要Pro Tools 2021.10以上) ・Avid Dockのモニターノブを直接触ってボリューム等を設定できるようになりました。 ・フェーダー値 – 10db以下の分解能が向上しました。 ・新しいPro Tools画面の『I/O』、『EQ Curve』、『Object』、『Meters and Fader』ソフトキーが追加されました。 ・Pro Tools 2021.10使用時、EUCONサーフェスにて Pro Tools | Carbonプリアンプの設定が可能になりました。 >>EUCON 2021.10 登場 – 新機能紹介-AVIDブログ https://www.avidblogs.com/ja/eucon-software-update-october-2021/ プロフェッショナル・ユーザーの声を取り入れ、着実に進化を続けるPro Tools。今後も継続的に情報更新していきます。 アップデート、新規導入のご相談はROCK ON PRO までお問い合わせください! https://pro.miroc.co.jp/headline/avid-pro-tools-carbon-promotion/#.YXuVQdnP3OQ https://pro.miroc.co.jp/headline/pt-carbon-hybrid-engine-yt-playlists/#.YXuVVtnP3OQ
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2021/10/26

Sound on 4π Part 3 / 360 Reality Audio Creative Suite 〜新たなオーディオフォーマットで行う4π空間への定位〜

360 Reality Audio(以下、360RA)の制作ツールとして満を持してこの4月にリリースされた360 Reality Audio Creative Suite(以下、360RACS)。360RAの特徴でもあるフル・オブジェクト・ミキシングを行うツールとしてだけではなく、360RAでのモニター機能にまで及び、将来的には音圧調整機能も対応することを計画している。具体的な使用方法から、どのような機能を持ったソフトウェアなのかに至るまで、様々な切り口で360RACSをご紹介していこう。 >>Part 1 :360 Reality Audio 〜ついにスタート! ソニーが生み出した新たな時代への扉〜 >>Part 2 :ソニー・ミュージックスタジオ 〜360 Reality Audio Mixing、この空間を楽しむ〜 全周=4π空間内に音を配置 360RACSのワークフローはまとめるとこのようになる。プラグインであるということと、プラグインからモニタリング出力がなされるという特殊性。最終のエンコードまでが一つのツールに詰め込まれているというところをご確認いただきたい。 360RACSは、アメリカAudio Futures社がリリースするプラグインソフトである。執筆時点での対応プラグイン・フォーマットはAAX、VSTとなっている。対応フォーマットは今後随時追加されていくということなので、現時点で対応していないDAWをお使いの方も読み飛ばさずに待ってほしい。Audio Futures社は、音楽ソフトウェア開発を行うVirtual Sonic社の子会社であり、ソニーとの共同開発契約をもとに、ソニーから技術提供を受け360RACSを開発している。360RAコンテンツの制作ツールは、当初ソニーが研究、開発用として作ったソフトウェア「Architect」のみであった。しかしこの「Architect」は、制作用途に向いているとは言えなかったため、現場から様々なリクエストが集まっていたことを背景に、それらを汲み取り制作に向いたツールとして新たに開発されたのがこの360RACSということになる。 それでは具体的に360RACSを見ていきたい。冒頭にも書いたが360RACSはプラグインである。DAWの各トラックにインサートすることで動作する。DAWの各トラックにインサートすると、360RACS上にインサートされたトラックが追加されていく。ここまで準備ができれば、あとは360RACS内で全周=4π空間内にそれぞれの音を配置していくこととなる。これまで音像定位を変化させるために使ってきたパンニングという言葉は、水平方向の移動を指す言葉である。ちなみに、縦方向の定位の移動を指す言葉はチルトだ。立体音響においてのパンニングにあたる言葉は確立されておらず、空間に定位・配置させるという表現となってしまうことをご容赦願いたい。 360RACS内で音像を定位させるには、画面に表示された球体にある音像の定位位置を示すボール状のポイントをドラッグして任意の場所に持っていけば良い。後方からと、上空からという2つの視点で表示されたそれぞれを使うことで、簡単に任意の場所へと音像を定位させることができる。定位をさせた位置情報はAzimuth(水平方向を角度で表現)とElevation(垂直方向を角度で表現)の2つのパラメータが与えられる。もちろん、数値としてこれらを入力することも可能である。 📷360RACSに送り込まれた各オブジェクトは、Azimuth(アジマス)、Elavation、Gainの3つのパラメーターにより3D空間内の定位を決めていくこととなる。 360RAでは距離という概念は無い。これは現時点で定義されているMPEG-Hの規格にそのパラメータの運用が明確に定義されていないということだ。とはいえ、今後サウンドを加工することで距離感を演出できるツールやなども登場するかもしれない。もちろん音の強弱によっても遠近をコントロールすることはできるし、様々な工夫により擬似的に実現することは可能である。ただ、あくまでも360RAのフォーマット内で、という限定された説明としては距離のパラメーターは無く、360RAにおいては球体の表面に各ソースとなる音像を定位させることができるということである。この部分はネガティブに捉えないでほしい。工夫次第でいくらでも解決方法がある部分であり、これからノウハウ、テクニックなどが生まれる可能性が残された部分だからだ。シンプルな例を挙げると、360RACSで前後に同じ音を定位させ、そのボリューム差を変化させることで、360RAの空間内にファントム定位を作ることも可能だということである。 4π空間に定位した音は360RACSで出力 360RACSはそのままトラックにインサートするとプリフェーダーでインサートされるのでDAWのフェーダーは使えなくなる。もちろんパンも同様である。これはプラグインのインサートポイントがフェーダー、パンよりも前の段階にあるということに起因しているのだが、360RACS内に各トラックのフェーダーを用意することでこの部分の解決策としている。音像の定位情報とともに、ボリューム情報も各トラックのプラグインへオートメーションできる情報としてフィードバックされているため、ミキシング・オートメーションのデータは全てプラグインのオートメーションデータとしてDAWで記録されることとなる。 📷各トラックにプラグインをインサートし、360RACS内で空間定位を設定する。パンニング・オートメーションはプラグイン・オートメーションとしてDAWに記録されることとなる。 次は、このようにして4π空間に定位した音をどのようにモニタリングするのか?ということになる。360RACSはプラグインではあるが、Audio Interfaceを掴んでそこからアウトプットをすることができる。これは、DAWが掴んでいるAudio Outputは別のものになる。ここでヘッドホンであれば2chのアウトプットを持ったAudio Interfaceを選択すれば、そこから360RACSでレンダリングされたヘッドホン向けのバイノーラル出力が行われるということになる。スピーカーで聴きたい場合には、標準の13ch(5.0.5.3ch)を始め、それ以外にもITU 5.1chなどのアウトプットセットも用意されている。もちろん高さ方向の再現を求めるのであれば、水平面だけではなく上下にもスピーカーが必要となるのは言うまでもない。 📷360RACSの特徴であるプラグインからのオーディオ出力の設定画面。DAWから受け取った信号をそのままスピーカーへと出力することを実現している。 360RACSの機能面を見ていきたい。各DAWのトラックから送られてきたソースは360RACS内でグループを組むことができる。この機能により、ステレオのソースなどの使い勝手が向上している。全てを一つのグループにしてしまえば、空間全体が回転するといったギミックも簡単に作れるということだ。4π空間の表示も上空から見下ろしたTop View、後方から見たHorizontal View、立体的に表示をしたPerspective Viewと3種類が選択できる。これらをの表示を2つ組み合わせることでそれぞれの音像がどのように配置されているのかを確認することができる。それぞれの定位には、送られてきているトラック名が表示されON/OFFも可能、トラック数が多くなった際に文字だらけで見にくくなるということもない。 360RACS内に配置できるオブジェクトは最大128ch分で、各360RACS内のトラックにはMute/Soloも備えられる。360RACSでの作業の際には、DAWはソースとなる音源のプレイヤーという立ち位置になる。各音源は360RACSのプラグインの前段にEQ/Compなどをインサートすることで加工することができるし、編集なども今まで通りDAW上で行えるということになる。その後に、360RACS内で音像定位、ボリュームなどミキシングを行い、レンダリングされたアウトプットを聴くという流れだ。このレンダリングのプロセスにソニーのノウハウ、テクノロジーが詰まっている。詳細は別の機会とするが、360立体音響技術群と呼ばれる要素技術開発で積み重ねられてきた、知見やノウハウにより最適に立体空間に配置されたサウンドを出力している。 Level 1~3のMPEG-Hへエンコード 📷MPEG-Hのデータ作成はプラグインからのExportにより行う。この機能の実装により一つのプラグインで360RAの制作位の工程を包括したツールとなっている。 ミックスが終わった後は、360RAのファイルフォーマットであるMPEG-Hへエンコードするという処理が残っている。ここではLevel 1~3の3つのデータを作成することになり、Level 1が10 Object 64 0kbps、Level 2が16 Object 1Mbps、Level 3が 24 Object 1.5Mbpsのオーディオデータへと変換を行う。つまり、最大128chのオーディオを最小となるLevel 1の10trackまで畳み込む必要があるということだ。具体的には、同じ位置にある音源をグループ化してまとめていくという作業になる。せっかく立体空間に自由に配置したものを、まとめてしまうのはもったいないと感じるかもしれないが、限られた帯域でのストリーミングサービスを念頭とした場合には欠かせない処理だ。 とはいえ、バイノーラルプロセスにおいて人間が認知できる空間はそれほど微細ではないため、できる限り128chパラのままでの再現に近くなるように調整を行うこととなる。後方、下方など微細な定位の認知が難しい場所をまとめたり、動きのあるもの、無いものでの分類したり、そういったことを行いながらまとめることとなる。このエンコード作業も360RACS内でそのサウンドの変化を確認しながら行うことが可能である。同じ360RACSの中で作業を行うことができるため、ミックスに立ち返りながらの作業を手軽に行えるというのは大きなメリットである。このようなエンコードのプロセスを終えて書き出されたファイルが360RAのマスターということになる。MPEG-Hなのでファイルの拡張子は.MP4である。 執筆時点で、動作確認が行われているDAWはAvid Pro ToolsとAbleton Liveとなる。Pro Toolsに関しては、サラウンドバスを必要としないためUltimateでなくても作業が可能だということは特筆すべき点である。言い換えれば、トラック数の制約はあるがPro Tools Firstでも作業ができるということだ。全てが360RACS内で完結するため、ホストDAW側には特殊なバスを必要としない。これも360RACSの魅力の一つである。今後チューニングを進め、他DAWへの対応や他プラグインフォーマットへの展開も予定されている。音楽に、そして広義ではオーディオにとって久々の新フォーマットである360RAは制作への可能性を限りなく拡げそうだ。   *取材協力:ソニー株式会社 *ProceedMagazine2021号より転載 >>Part 2はこちらから https://pro.miroc.co.jp/solution/sound-on-4%CF%80-360ra-part-2/ >>Part 1はこちらから https://pro.miroc.co.jp/solution/sound-on-4%CF%80-360ra-part-1/
Review
2021/10/21

現役サウンドデザイナーによる実践レビュー!vol.5 ~Le Sound SpaceMotors

既存のライブラリから音源を選び、尺を合わせて加工して、足りない音は収録…という従来のワークフローとはまったくことなるアプローチでサウンドデザインの世界を拡げるLe Soundプラグインは、効果音をシンセサイズするという、プロシージャルオーディオのコンセプトにもとづいたアプローチで自由自在なサウンドメイクを可能にします。 このLe Sound製品を、TV番組、CM、アニメーション、イベントなど幅広い分野で大活躍中のサウンドデザイナーである安江史男 氏(Tacit Knowledge Sound LLC)、荒川きよし氏(株式会社 Async)のおふた方に実際に使用していただき、実践的な使い方を教えてもおう!というこの企画。 全6回予定の第5弾はTacit Knowledge Sound LLC 安江氏によるSpaceMotorsの実践レビュー。 アイドリングや加速・減速感など、シンセだけで制作すると異常な手間と労力がかかるSF的なモーター音。SpaceMotorsはこれらの作業を自動化してくれるだけでなく、近未来的なSFカーから巨大戦艦の浮上音のような重厚なものまで自由自在なサウンドメイクが魅力。 その魅力の引き出し方を、安江氏が徹底解説してくださいます! 第1弾 安江氏によるAudioElec編はこちら>> 第2弾 荒川氏によるAudioWind編はこちら>> 第3弾 安江氏によるAudioTexture編はこちら>> 第4弾 荒川氏によるAudioTexture編はこちら>> 安江 史男 氏 プロフィール   愛知県春日井市生。カリフォルニア州立ノースリッジ大学で音楽ビジネスを学ぶ。外国人コーディネーターを経て、音響効果の世界へ。 TVCM、Web、イベント等、多種多様な効果音が必要な作品に従事。選曲も扱う。DJとしての活動も顕著。   公式サイト:https://www.yasuefumio.com レーベル: www.bigpierecords.com 今回はSpaceMotorsについてご紹介します。 オシレーター、リアクター、ノイズ、グラニュレーターの4要素を組み合わせて音を生成し、Speedとあるノブを回すことでエンジンが回っているような音を精製できるプラグインです。 今回はSpaceMotorsの特に注目すべきポイントに焦点を当ててご紹介できればと思います。 上の画像はプラグイン画面です。 両サイドに生成する音を決めるパラメータが並び、真ん中の大きなノブでSpeedの値を決めます。真ん中上部と下部には、4つのパラメータが重なったマスターの音に対してかけるエフェクトがあります。 注目すべきは所々にあるAutoボタンです。 こちらをオンにすると、Speedの値が上がる毎に、追付いしてオンにしたパラメータの数値が可変するというものです。 まずはシンプルに未来感のある音を作ってみました。 オシレーター上部にシンセではお馴染みのサイン波、ノコギリ波、矩形波のマークがあります。 シュイーンといった音にしたかったので、こちらではサイン波を用い、なだらかな音にしています。 上げ下げするとAutoが白く点灯しているパラメータも可変しているのがわかると思います。 ただなだらかな音だと最大速の時に激しさが足りないので、真ん中下部のTremoloで揺らぎを出すようにしています。Shapeというパラメータは揺らぎの具合をサイン波、ノコギリ波、矩形波と同じ考え方で変えるものです。 数値としては0.00にするとサイン波、1.50でノコギリ波、3.00で矩形波と数値を変えることでシームレスに変えられます。こちらでは数値を大きめにしてカクカクしたTremoloにしています。こうすることで、Tremoloの値が大きくなった時に音に荒さを追加しています。 もう一つ、Space Motorsの特徴として、Glideというパラメーターがあります。こちらはSpeedの数値を上げ下げする際に音の加速度に遅延を与えるものです。 わかりにくいので、ちょっと極端ですが動画にしました。 映像冒頭ではGlideの値を最小にしたもの、23秒付近から最大値にしたものでご紹介しています。値最大の方を見ていただくと、遅延の具合がわかっていただけるかと思います。 こちらを用いることで、マウス操作でSpeedの値を変えても、モーター感、エンジン感のある音の加速度を作ることができます。 次の動画ではオシレーターをノコギリ波にして作ってみました。 未来感のある音でもトゲがあり、荒々しくできるかと思います。 また、TremoloのAmp、Freqの下部のパラメーターは、Autoをオンにした時のAmp、Freqの始点と終点を決めるものです。こちらでは高めの値で数値が上下するように設定しているので、Tremoloが激し目にかかり、荒々しさを追加できています。 また、Autoをオフにするとこのようなものになります。 Tremoloの具合も一定になるので、また別の使い方ができたりするかもしれません。 今回はSpaceMotorsについてご紹介させていただきました。焦点をTremoloとGlideに当ててしまったので、オシレーター、リアクター、ノイズ、グラニュレーター、ビブラートについて全く触れられませんでしたが、ぜひこちらは試してみてください(リアクターとグラニュレーターはかなり面白いです)。 いかがでしたでしょうか。SFカーの走行音やロボットの駆動音などを、映像の動きに合わせて制作する場合、シンセサイザーだけでは相当に複雑な作業になってしまいます。ご覧いただいた通り、SpaceMotorsはたったひとつのノブを操作するだけで、直感的にそうした音の動きの変化を生み出すことが可能です。 豊富なプリセットとかなり細かいところまで追い込めるパラメーターによって、どんなテイストのサウンドもサクッと作れてしまいます! Le Soundプラグインの中ではいわゆるシンセにもっとも近いGUIなので、クリエイティブなプラグインシンセサイザーとしても活躍できるでしょう。 今回登場したプロダクトはこちら SpaceMotors 販売価格:¥19,800(本体価格¥18,000) ポッドレーサー、トランスフォーマー、トロン、ブレードランナーといった、SFカーの複雑でダイナミックなエンジン・サウンドを自由自在にクリエイト。ピュアなオシレーター・サウンドからアグレッシブなマシン・サウンドまで、無限の表現力を秘めています。 Rock oN Line eStoreで購入>> https://pro.miroc.co.jp/headline/le-sound-review-sounddesign-1-audioelec https://pro.miroc.co.jp/headline/le-sound-review-sounddesign-2-audiowind https://pro.miroc.co.jp/headline/le-sound-review-sounddesign-3-audiotexture https://pro.miroc.co.jp/headline/le-sound-review-sounddesign-4-audiotexture
Event
2021/10/20

DaVinci Resolve Monthly SAMPLER 開催情報

動画のエディットからカラーコレクション、VFX、さらにはFairlightのテクノロジーを用いたオーディオワークフローまでをひとつのアプリケーションで網羅するだけでなく、複数のユーザーがひとつのプロジェクトに同時にアクセスできるコラボレーション機能を備えるコンテンツ制作の革命児DaVinci Resolve。このソフトウェアのアドバンテージや実際の現場で役立つテクニックをよりみなさまにお伝えするために、開発元であるBlackmagic Design主催による「DaVinci Resolve Monthly SAMPLER」と題したマンスリーセミナーが開始されます。ROCK ON PROではこの一連のセミナーシリーズを随時ご案内いたします、最新のセミナー情報及びセミナーへのお申し込みは、こちらのページでご確認ください。 概要 「DaVinci Resolve Monthly SAMPLER」はプロフェッショナルフィールドにおいてDaVinci Resolveをご使用頂いている方や、ご導入検討を頂いている皆様とディスカッションさせていただくイベントです。毎回異なるテーマを設定し、ゲストの招聘や新機能の使い方レクチャーなどを行う有意義な内容となっております。また、セッション終了後には意見交換ができる場もご用意しております。DaVinci Resolveの知識共有の場として、製品に関して直接質問をする場として是非ともご参加いただけますと幸いです。   主催:ブラックマジックデザイン株式会社 共催:株式会社メディア・インテグレーション 各セミナー概要・お申し込み DaVinci Resolve Monthly SAMPLER Vol.19 FUSION CALLING
~ FUSION Users Meetup! ~ Vol.19はイベントスタート時から現在に至るまで要望No.1のFUSIONをテーマに実施します! 
 前回のFUSION Users Meetupにもご登壇頂いたお馴染3名、吉村 寛興 氏(スタジオ吉庵)、塚元 陽大 氏(株式会社IMAGICA EMS)、イザギレ・ファビアン 氏(株式会社D・A・G)をゲストに、FUSIONの紹介、明日から使えるFUSIONティップス、3DCG絡みまでのお話を各人からして頂きます。 吉村 寛興 氏(スタジオ吉庵) 塚元 陽大 氏(株式会社IMAGICA EMS) イザギレ・ファビアン 氏(株式会社D・A・G) 後半Q&Aタイムでは、参加者からの質問をどしどしお待ちしております。ゲストを含めた参加者みんなでFUSIONに関する日頃の悩みや疑問点などを片っ端から解決していきましょう。ユーザーをゲストにした、ユーザーのためのオンラインイベントですので、初心者からプロフェッショナルまでどんな内容でもOKです! FUSIONはあなたを呼んでいる!!!! ドリンク片手に行うアットホームな無償オンラインイベントですので、学生からプロフェッショナルユーザーまで皆様のご参加お待ちしております!
 日時:2021年11月1日(月)18:00~20:00 場所:ZOOM Meetingを使用したオンライン形式で開催 ※FUSION & DaVinci Resolveに関する質問は、イベント参加希望フォームの備考欄に事前にご記入頂きますと、当日弊社スタッフより質問として共有させて頂きます。(質問者様のお名前は伏せさせて頂きます) DaVinci Resolve Monthly SAMPLER Vol.18 
Thus Spoke DaVinci Resolve Certified Trainers +α
 ~ A Software for All and None ~ 久々の開催となる DaVinci Resolve Monthly SAMPLER Vol.18は、最新の認定トレーナー登壇 & DaVinci Resolve 17.3.1アップデートの2本立てとなります!
 昨今のDaVinci Resolveユーザー数の驚異的な拡大に伴い、認定トレーナーとして新たに活動されている方も日々増えております。そこで今回は新たな認定トレーナーの中からアカデミックシーンでご活躍されております、文田裕基様(BYND)、鯖田明様(学校法人 日本写真映像専門学校 映像クリエイション学科主任)、斎賀和彦様(駿河台大学メディア情報学部 映像・音響分野 教授)にご登壇頂きます! 業務や教育機関での使用事例をはじめとして、DaVinci Resolveの魅力を存分に語って頂きます。 
また、これまでの認定トレーナーの方も含めた交流の場としても機能できればと考えております。もちろん認定トレーナーにご興味ある方ない方、是非ご参加下さい! 文田裕基氏 鯖田明氏 斎賀和彦氏 
もう一つは、Blackmagic Designが新たに公開したDaVinci Resolve 17.3.1アップデートの紹介となります。 M1チップ搭載モデルでの高速化をはじめとした様々なトピックをスタッフが説明致します! 後半は参加者によるQ&Aとなります。DaVinci Resolveを使用しているうえでの疑問や悩みを解決し、制作環境への刺激となる活発な意見交換がなされることを願っております! 認定トレーナーをお探しの方、認定トレーナーになりたい方、DaVinci Resolve 17.3.1新機能を知りたい方、、、DaVinci Resolveの質問がたまっている方、、、 アットホームな無償オンラインイベントですので、皆様のご参加お待ちしております!
 日時:2021年10月1日(金)18:00~20:00 場所:ZOOM Meetingを使用したオンライン形式で開催 ※DaVinci Resolveやゲストに関する質問は、イベント参加希望フォームの備考欄に事前にご記入頂きますと、当日弊社スタッフより質問として共有させて頂きます。(質問者様のお名前は伏せさせて頂きます)

 DaVinci Resolve Monthly SAMPLER Vol.16
 Exchange Online meeting with Peter Chamberlain 
 ~ DaVinci Resolve omnidirectional characteristic ~ FairlightがNetflix Production Technology AllianceのAudio部門に加入!! Blackmagic Design DaVinci Resolve Product Manager Peter Chamberlain氏 既に加入済みのEdit、Color Grading、IMF&Media Encoding部門に続き、Audioでも彼らの技術や納品要件を満たしているため、ユーザーは使用可能期限や定期的な支払いを恐れることなく存分にクリエイティブな作業に専念できます! 今回は、この全方位型クリエイティブソフトウェアとして唯一無二の進化を遂げたDaVinci Resolveのプロダクトマネージャー Peter Chamberlain氏を招聘します! DaVinci Resolveに関する日頃の感謝の気持ち、要望、今まで聞きたかったあの質問などなど、、、インターネットを介して直接伝えることのできる貴重な機会となっております! 当日は時間が限られていますので、質問、リクエストなどはお申し込みの際に事前にご記入ください! 当日は事前記入頂いたものからスタートしていきます。 また、このセッションが皆様のクリエイティビティ開花のサポートをする刺激的な回になることを切に願っておりますので、DaVinci Resolve以外のお話は対応出来かねますのでご了承下さい。 今回はアーカイブなしの予定となっております。 皆様是非ご参加下さい! 日時:2021年6月11日(金)18:00~20:00 場所:ZOOM Meetingを使用したオンライン形式で開催 ※DaVinci Resolveに関する質問やご要望は、イベント参加希望フォームの備考欄に事前にご記入頂けると幸いです。
 DaVinci Resolve Monthly SAMPLER Vol.16
 HDR Case Study: Hulu Original "THE LIMIT" ~ Reminiscences of a Journey to 4K UHD/HDR Workflow ~ ACESをテーマに様々なプロダクションスタッフによる意見交換が実現された前回のDaVinci Resolve Monthly SAMPLERですが、今月は皆さん関心の高いオンライン動画配信サービスHuluの作品における4K HDR制作がテーマとなります。実素材を使ってお話頂く貴重な回です!
 ゲストは、株式会社博報堂プロダクツ 浦田 淳様、マウントキュー株式会社 山本 久之様、そして企画協力を頂きました、アカデミー科学技術賞(Technical Achievement Award)を受賞されたEIZO株式会社様。 株式会社博報堂プロダクツ 浦田 淳 様 マウントキュー株式会社 山本 久之 様 山本様をアドバイザーに迎え、株式会社博報堂プロダクツ様で最終デリバーまで担当された、Huluオリジナルドラマ「THE LIMIT」(4K UHD/HDR/5.1chサラウンド)でもDaVinci Resolveが活躍しております。 今回はこちらの作品の撮影素材やプロジェクトの一部を使用して、ワークフロー、実制作における注意ポイント、納品フォーマット等々、、、非常に興味深いお話をして頂きます。はじめてのHDR制作ということで、色々と苦労話が出てくると思います! また、昨今の新型コロナウィルスの状況もあり、本ドラマでもヴァーチャル背景スタジオを使った撮影もされているとのことで、その辺りのお話もして頂く予定です。 
後半は恒例のQ&Aとなります。 前回同様、皆様の制作環境への刺激となる活発な意見交換がなされることを願っております! 既にDaVinci Resolveを使っている方、これから導入を検討している方、インハウスによるポストワークフローを確率したい方、HDR経験者&未経験者、AV機器&ガジェットラバー、ドラマ好きまでご興味ある方は本イベントに参加すれば直接質問することも可能です。
皆様是非ご参加下さい! ドリンク片手に行うアットホームな無償オンラインイベントですので、学生からプロフェッショナルユーザーまで皆様のご参加お待ちしております!
 日時:2021年5月14日(金)18:00~20:00 場所:ZOOM Meetingを使用したオンラインセミナー形式で開催 ※DaVinci Resolveやゲストに関する質問は、イベント参加希望フォームの備考欄に事前にご記入頂きますと、当日弊社スタッフより質問として共有させて頂きます。(質問者様のお名前は伏せさせて頂きます) DaVinci Resolve Monthly SAMPLER Vol.15
 A.C.E.S ~The First and efficient workflow report of SHIROGUMI INC.~ ご無沙汰しておりますDaVinci Resolve Monthly SAMPLERですが、今月より久しぶりに実施を致します。
昨今の状況に鑑みると、皆様のお仕事や制作状況でも伝統的なスタイルでは中々マッチしない部分が発生していると思います。また、少し先の未来を想像すると新たな変革の時期にはいっているようなことが予想されます。 株式会社白組 小森 啓裕 氏 
そんな2021年1回目のゲストは、株式会社白組 小森 啓裕 氏。
小森氏が担当されたディズニー公式動画配信サービス「ディズニープラス」にて配信中の短編アニメーション「ドラマヂロ」でもDaVinci Resolveを使った制作ワークフローを採用頂いております。 *こちらの記事をご参照下さい。 今回は上記制作経験などを元に、アニメーション制作におけるDaVinci Resolveを使ったACES color image Pipileineやワークフローでの新たな取り組みなどについてお話を頂きます。お時間など諸々のご都合があえば、HDR関連のお話も予定しております! 
後半はQ&A、及びFree timeとなります!!既にDaVinci Resolveを使っている方、これから導入を検討している方、今の制作環境にお困りの方、アニメ制作者を目指している方などなど、ご興味ある方は本イベントに参加すれば直接質問することも可能です。
皆様是非ご参加下さい! ドリンク片手に行うアットホームな無償オンラインイベントですので、学生からプロフェッショナルユーザーまで皆様のご参加お待ちしております!
 日時:2021年2月26日(金)18:00~20:00 場所:ZOOM Meetingを使用したオンラインセミナー形式で開催 DaVinci Resolve Monthly SAMPLER Vol.14 Return of the Super FUSION Ape! 
~ FUSION Users Meetup! ~ 今回は皆様の強い要望にお答えして、改めてFUSIONをテーマに実施します!
前回のFUSION Users Meetupにもご登壇頂いた、吉村 寛興 氏(スタジオ吉庵)、塚元 陽大 氏(株式会社IMAGICA Lab.)、イザギレ・ファビアン 氏(株式会社D・A・G)をゲストにお呼びしております。
 前半は、吉村氏には今回のセションに向けてご用意頂くFUSIONのTips紹介を! & 塚本氏にはコンポジットとグレーディングを担当されたミュージックビデオ BEYOOOOONDS 『アツイ!』についてお話頂きます! 
 後半は恒例のQ&A Freetimeとなります!!
既にFUSIONを使っている方、これから導入を予定している方、FUSION初心者の方などなどご興味ある方は本イベントに参加すれば直接質問することが可能です。
もちろんDaVinci Resolveに関する質問もOKです。
皆様是非ご参加下さい! ドリンク片手に行うアットホームな無償オンラインイベントですので、学生からプロフェッショナルユーザーまで皆様のご参加お待ちしております!
 イザギレ・ファビアン様(inaho) 塚元 陽大様(株式会社IMAGICA Lab.) 吉村 寛興様(スタジオ吉庵) 日時:2020年8月25日(火)18:00~20:00 場所:ZOOM Meetingを使用したオンラインセミナー形式で開催 ※DaVinci Resolve(FUSION含む)に関する質問や疑問点は、イベント参加希望フォームの備考欄に事前にご記入頂きますと、当日Blackmagic Design社スタッフより質問として共有させて頂きます。(質問者様のお名前は伏せさせて頂きます)
 DaVinci Resolve Monthly SAMPLER Vol.13 Expands creator's world of work and always provides new stimulation!
 ~ Free Bundle with Sapphire ~ 今月より【DaVinci Resolve & Sapphire for OFX 無償バンドルキャンペーン】がスタートしたことを受けて、13回目のMonthly SAMPLERは株式会社フラッシュバックジャパンから岡本 智 氏 (同社 統括マネージャー)、関根 夏彦 氏 (同社 テクニカルサポート・プロダクトスペシャリスト)をゲストにお迎えして、Sapphireの機能やエフェクトを紹介して頂きます。
Boris FX社Sapphireは、視覚効果・VFXの歴史を刻み続けてきたビジュアルエフェクト集で、250種に及ぶ様々なエフェクトを収録しています。映画やテレビ、CMなど、様々な映像作品に使われています。 既に業務でSapphireを使っている方、名前を知っていて興味のある方、名前も何も知らないがプラグインで映像の世界を広げたい方!などなど、皆様是非ご参加下さい。 デモ終了後はQ&Aのお時間も設けておりますので、全てのDaVinci Resolveユーザーにとって有意義なイベントとなってます。 ドリンク片手に行うアットホームな無償オンラインイベントですので、学生からプロフェッショナルユーザーまで皆様のご参加お待ちしております!

なお、キャンペーン期間中に対象販売店でDaVinci Resolve Studioまたは関連製品を購入すると、バンドリングカードが付属します! ※SapphireやDaVinci Resolveに関する疑問点をイベント参加希望フォームの備考欄に事前にご記入頂きますと、当日Blackmagic Design社スタッフより質問として共有させて頂きます。(質問者様のお名前は伏せさせて頂きます。) 講師 岡本 智 氏(株式会社フラッシュバックジャパン 統括マネージャー) 関根 夏彦 氏(株式会社フラッシュバックジャパン テクニカルサポート・プロダクトスペシャリスト) 日時:2020年7月14日(火)17:00~19:00 場所:ZOOM Meetingを使用したオンラインセミナー形式で開催 DaVinci Resolve Monthly SAMPLER Vol.12 What’s HDR ! Dolby Vision & DaVinci Resolve for everyone! ~The times they are a-changing! ~      HDR??DaVinci Resolveで対応してるんでしょ?なんか小難しいあれでしょ? Dolby??映画館で見たことある?あのロゴうちの家電にも?以外に身近な存在? 皆さん知っているようで知らない?知らないようで知っている? 今回はDolby Visonをテーマに実施します! Dolby Japan株式会社から中山 尚幸様 (コンテンツ技術担当 シニア・テクニカル・マネージャー)と林 正樹様 (シネマ&コンテンツソリューション部 シニア・コンテンツ・リレーションズ・マネージャー) をゲストにお迎えします。 Dolbyの名前やロゴしか知らないあなたに向けた説明から、実際にDolby Vision作品に携わっている方やこれから携わる方が直接質問するこの出来るQ&Aのお時間も設けておりますので、全てのDaVinci Resolveユーザーにとって有意義なイベントとなってます。 高級なシステムや設備が必須??小さなプロダクションや個人では採用が難しい??などのイメージがあると思いますが、DaVinci Resolve StudioがあればDolby Visionの最初の一歩をスタートすることが可能です! どなたでも参加可能な無償オンラインイベントですので、学生からプロフェッショナルユーザーまで皆様ご参加を!また周りの方へも是非ご案内下さい! ドリンク片手に行うアットホームなイベントですので、お気軽にご質問など頂けますと幸いです! DaVinci Resolve & Dolby Vision for every one! 中山 尚幸様 (コンテンツ技術担当 シニア・テクニカル・マネージャー) 林 正樹様 (シネマ&コンテンツソリューション部 シニア・コンテンツ・リレーションズ・マネージャー) ※Dolby VisionやDaVinci Resolveに関する疑問点をイベント参加希望フォームの備考欄に事前にご記入頂きますと、当日弊社スタッフより質問として共有させて頂きます。(質問者様のお名前は伏せさせて頂きます) 日時:2020年6月18日(木)17:00~19:00 場所: ZOOMを使用したオンラインセミナー形式で開催 DaVinci Resolve Monthly SAMPLER Vol.11 Let's talk to gadget-oriented V-loger! ~Close Encounters of the Third Kind~ オンラインに移行して実施しているMonthly SAMPLER、毛色を少々変えた11回目はLet's talk to gadget-oriented V-loger! ~Close Encounters of the Third Kind~と題して、Forbes JAPANでトップインフルエンサー50人にも選ばれた、サンフランシスコ在住ソフトウェアエンジニアdrikinさんをゲストにお迎えします! 独自の視点でガジェットやIT情報などをレビューするV-logerの視点からDaVinci Resolveについて話をして頂きます。
ヴィデオグラファー、、V-loger、エディター、YouTuber、カラリスト、ディレクター、etc…による未知との遭遇!V-logerってだれが編集しているの??TVCMの編集ってどんな感じ??などなど、みなさんお持ちの質問などを直接できる貴重な機会となっております。 
もちろんDaVinci Resolveに関するQ&Aも今まで通り実施します。どなたでも参加可能な無償のオンラインイベントですので、周りの方へも是非ご案内下さい! drikin氏 ※DaVinci Resolveに関する疑問点などはイベント参加希望フォームの備考欄に事前にご記入頂けますと幸いです。当日弊社スタッフより質問として共有させて頂きます。(質問者様のお名前は伏せさせて頂きます) 日時:2020年5月15日(金)16:00~18:00 場所: ZOOMを使用したオンラインセミナー形式で開催 DaVinci Resolve Monthly SAMPLER Vol.10 Let's start FUSION, better understanding of FUSION ! ~In order to reduce recurring spending~ 前回の参加者から熱い要望を頂き、10回目はFUSIONをテーマにオンラインにて実施します。
FUSIONマスターとして、イザギレ・ファビアン様(inaho) & 吉村 寛興様(スタジオ吉庵)、また初心者とマスターを繋ぐ生徒代表として照山 明様(GAIPROMOTION)をゲストにお迎えします。各ゲストからFUSIONに関するお話&簡単なデモをして頂いた後に、Q&Aを実施します。 作品制作のレベルアップはもちろん、今までのお使いのモーショングラフィックスや3Dコンポジットソフトから乗り換えを検討されている方、新たにスタートする方など是非ご参加下さい。既に使われている方は、これから期待している機能要望を共有しブラックマジックデザインスタッフに伝えることも出来ます。 ZOOMを使って行いますので、どこからでもどこからでも参加が可能です。 どなたでも参加可能な無償のセミナーです。周りの方へも是非ご案内下さい! DaVinci Resolve/FUSIONをスタートして毎月の支払いから解放されましょう! 
 イザギレ・ファビアン氏(inaho Film) 吉村 寛興様(スタジオ吉庵)   照山 明様(GAIPROMOTION) ※DaVinci Resolveに関する疑問点などはイベント参加希望フォームの備考欄に事前にご記入頂けますと幸いです。当日弊社スタッフより質問として共有させて頂きます。(質問者様のお名前は伏せさせて頂きます)
 日時:2020年4月23日(木)18:15~20:00 場所: ZOOMを使用したオンラインセミナー形式で開催 DaVinci Resolve Monthly SAMPLER Vol.9.5 EDIT, CUT, Editor Keyboard, and you! ~The revolution in editing re-start at online~ 今回は9.5回目と称して、延期となってしまったDaVinci Resolveの編集ページをテーマにした回をオンラインにて実施します。 
EDITページは渡辺 聡 氏(株式会社IMAGICA Lab.)をお迎えして、エディターである渡辺氏からみたDaVinci ResolveのEDITページのグッドポイントやtipsなどをお話頂きます。CUT & Editor Keyboardは昨年のInterBeeでもトレーニング講師をされた山本 久之 氏(マウントキュー株式会社)をゲストにCUTページのスピーディーな編集機能やハードウェアの魅力を語って頂きます。 パソコンやスマートフォンを使ってセミナーやミーティングをオンラインで開催するために開発されたアプリZOOMを使いますので、今まで通りQ&Aも実施致します。疑問点やこれから期待している機能要望など共有し、謂れなき誤解の解消も出来ればと思います! 多機能で導入コストも非常に低いので、エディターの方はもちろん、ディレクターや学生、これから映像編集をスタートする方など、映像制作にご興味ある方々は是非ご参加下さい。
 渡辺 聡 氏(株式会社IMAGICA Lab.) 山本 久之 氏(マウントキュー株式会社) ※DaVinci Resolveに関する疑問点などはイベント参加希望フォームの備考欄に事前にご記入頂けますと幸いです。当日弊社スタッフより質問として共有させて頂きます。(質問者様のお名前は伏せさせて頂きます)
 日時:2020年4月9日(木)16:00~18:00 場所: ZOOMを使用したオンラインセミナー形式で開催 DaVinci Resolve Monthly SAMPLER Vol.9 EDIT, CUT, Editor Keyboard, and you! ~The revolution in editing re-start~ 第9回目は最近非常なスピードでユーザー層を拡大しているDaVinci Resolveの編集ページをテーマに実施します。
EDITページは渡辺 聡様(株式会社IMAGICA Lab.)をお迎えして、エディターである渡辺様からみたDaVinci ResolveのEDITページのグッドポイントやtipsなどをお話頂きます。CUT & Editor Keyboardは昨年のInterBeeでもトレーニング講師をされた山本 久之様(マウントキュー株式会社)をゲストにCUTページのスピーディーな編集機能やハードウェアの魅力を語って頂きます。 Q&Aのお時間も用意しておりますので、疑問点やこれから期待している機能要望などもお話頂き、謂れなき誤解の解消も出来ればと思います! 多機能で導入コストも非常に低いので、エディターはもちろん、ディレクターやDaVinci Resolveでの映像編集に興味のある方など、是非ご参加下さい。
 渡辺 聡 氏(株式会社IMAGICA Lab.) 山本 久之 氏(マウントキュー株式会社) ※DaVinci Resolveに関する疑問点などはイベント参加希望フォームの備考欄に事前にご記入頂けますと幸いです。当日弊社スタッフより質問として共有させて頂きます。(質問者様のお名前は伏せさせて頂きます)
 日時:2020年2月27日(木)18:10~19:40 (18:00 OPEN)
 場所:Blackmagic Design Tokyo Office 3F DaVinci Resolve Monthly SAMPLER Vol.8 Power to change everything! ~DaVinci Resolve & New Mac Pro / Pro Display XDR~ 2020年1回目のDaVinci Resolve Monthly SAMPLERはMetalに最適化されているDaVinci Resolveの良きパートナー!話題のNew Mac Pro & Pro Display XDRをテーマに実施致します。

Appleにご協力頂き、当日は両製品の実機もご用意しておりますので、お客様の持参したデータにてパフォーマンステストやモニターチェックなどもお時間の許す限り可能となっております。DaVinci Resolve & Mac Proご導入検討の方、4K/8Kを見据えたシステム買い替えをご検討されている方など是非ご参加下さい。
 いつもどおり、Q&Aやディスカッションのお時間もご用意しております。
DaVinci Resolveに関する不明点、DaVinci Resolveを使用するうえでのMac Proのスペックや周辺機器などについて直接質問したり、参加者でディスカッションすることの出来る貴重な機会となっております! 日時:2020年1月30日(木)18:15~20:00
*18:00受付開始 場所:Blackmagic Design Tokyo Office 3F ※DaVinci Resolveに関するご質問は、イベント参加希望フォームの備考欄に事前にご記入頂けますと、当日弊社スタッフから質問として共有させて頂きます。(質問者様のお名前は伏せさせて頂きます) DaVinci Resolve Monthly SAMPLER Vol.7 Exchange meeting @InterBEE2019! 第7回目は特別企画、本年も盛大な盛り上がりを見せること確実のInterBEE2019会場にて実施します。DaVinci ResolveのプロダクトマネージャーPeter Chamberlain氏をはじめ、シアターコーナーで登壇するゲストスピーカーやトレーニングコーナーで講師をする認定トレーナーの方などもお誘いしております! DaVinci Resolveユーザーの皆さんには、展示会期中では聞けない!話せない!伝えられないトピックがたくさんあると思います。
普段なかなか話すことの出来ないゲストとの交流や、DaVinci Resolveチームに日頃の感謝やご要望等を直接伝えられる貴重な機会となっております! 素晴らしい時間になること間違いなし!席に限りがあるので申し込みはお急ぎください!
 クリックで拡大 クリックで拡大   日時:2019年11月14日(木)17:30~20:00
 場所:InterBee2019 Blackmagic Designブース(HALL8 No.8216) 
※InterBEE2019ブラックマジックデザインDaVinci Resolveシアターコーナーは豪華ゲストを集めた盛大な3日間となっております!ハリウッド作品から最新のHDR映像、映画、CM、Music Video、V-logなど多彩な作品が登場します。DaVinci Resolveの最新情報や明日から使えるtipsセミナーもあり! 他では決して見ることの出来ない必見の内容となっております!くれぐれもお見逃しなく! DaVinci Resolve Monthly SAMPLER Vol.6 Current Status of Collaboration Workflow + α ~Change the future of work style!~ 斎藤 勇貴 様(株式会社日本デザインセンター) 毎月開催を目標に実施している”DaVinci Resolve Monthly SAMPLER” 第6回目は世界のポストプロダクションが新たな可能性を感じているDaVinci Resolve StudioによるCollaboration Workflowがテーマとなります。 今回は斎藤 勇貴 様(株式会社日本デザインセンター)をゲストにお迎え致します。同社では東京と名古屋といった多拠点によるCollaboration Workflowを実現し、EditやFusion、Colorを使用し制作をされております。今回はTOYOTA RHOMBUSのイメージムービーや、Webサイト「低空飛行」での事例をもとに導入経緯や実際のWorkflow、メリットなどをお話頂きます。ご登壇後はQ&Aとフリータイム、交流会のお時間も用意しております。 +αとして、AUSUより新たにリリースされたモニター Pro Artシリーズ「PA32UCX」「PQ22UC」の実機をご用意しております。両モデルともにDolby Vison、HDR10、HLGをサポートした最新機種となります。Workstationはテックウインド株式会社より4K/8K動画編集向けハイパフォーマンスサーバーを今回もお借りしております。フリータイムでは、DaVinci Resolve Collaborationの機能とあわせて、最新のWorkstationとモニターを体感して頂くことも可能となっております。 距離や時間を超えた新たな制作環境「Collaboration Workflow」を知ることの出来る貴重な機会となっております。次に新たな環境を作るのはあなたかもしれない! 日時:2019年10月30日(水)17:00~19:30
 場所:Blackmagic Design Tokyo Office 3F ゲスト:斎藤 勇貴 様(株式会社日本デザインセンター) ※Webサイト低空飛行は株式会社日本デザインセンター社長の原研哉様個人の目で日本の選りすぐりの場所を紹介するサイトです。このプロジェクトは「日本がグローバルな文脈で、世界の豊かさに貢献できる価値に焦点を当てつつ、新たなツーリズムに備えていく試み」を持った、非営利により立ち上げられたものです。  ※DaVinci Resolve16(FUSION含む)に関する質問などは、イベント参加希望フォームの備考欄に事前にご記入頂けますと幸いです。当日弊社スタッフより質問として共有させて頂きます。(質問者様のお名前は伏せさせて頂きます)
 DaVinci Resolve Monthly SAMPLER Vol.5 FUSION Users Meetup! ~The model or paragon that remains from a predecessor~ 待望の第5回目は、DaVinci Resolveによるワンストップ・ポストプロダクション・ワークフローを検討されているお客様から最も要望の多いFUSIONにフォーカスします。 前半はFUSIONユーザーのイザギレ・ファビアン様(inaho)、塚元 陽大様(株式会社IMAGICA Lab.)、吉村 寛興様(スタジオ吉庵 from Osaka*ストリーミング参戦)をゲストに迎え、実際のデモやTips、FUSIONとの出会いなどをお話頂きます。後半は恒例のQ&Aと交流会のお時間を用意しておりますので、ゲスト&参加者のお力も借りてFUSIONに関する疑問や思いなどをディスカッション致します。前回同様にテックウインド株式会社よりワークステーションもお借りしております。一部仕様は異なりますが導入実績もある8KワークステーションにてFUSION体験をすることも可能です。 秋の夜長はFUSIONを触って完全なるワンストップ・ワークフロー構築にまた一歩近づくのはいかがでしょうか? イザギレ・ファビアン様(inaho) 塚元 陽大様(株式会社IMAGICA Lab.) 吉村 寛興様(スタジオ吉庵) 日時:2019年9月20日(金) 16:30~19:30
 場所:Blackmagic Design Tokyo Office 3F ゲスト:イザギレ・ファビアン様(inaho)、塚元 陽大様(株式会社IMAGICA Lab.)、吉村 寛興様(スタジオ吉庵 from Osaka*ストリーミング参戦) ※DaVinci Resolve16に関する疑問点などはイベント参加希望フォームの備考欄に事前にご記入頂けますと幸いです。当日弊社スタッフより質問として共有させて頂きます。(質問者様のお名前は伏せさせて頂きます)
 DaVinci Resolve Monthly SAMPLER Vol.4 ~ DaVinci Resolve 16 release! “Innovative new features of 16.1 public beta” +α ~ 第4回目はPocket Cinema Camera6K、UltraStudio 4K Miniと同時にアナウンスされた DaVinci Resolve 16ファイナルリリースを記念して、Public β16.1の新機能ご案内速報とVer.16各種機能や設定項目の疑問についてのディスカッションを致します。 前半はPublic β16.1リリース速報として、ブラックマジックデザイン株式会社 岡野氏による新機能紹介デモを実施致します。後半はBMD社スタッフ各位を含めて、DaVinci Resolve16で今まで気になっていた機能や理解できない設定項目や疑問点などを、ご参加者様の力も借りて洗いざらいディスカッション致します。 当日は新製品のPocket Cinema Camera6K、UltraStudio 4K Miniもご用意しております。 また、テックウィンド株式会社の協力により、仕様は異なりますが導入実績もある8Kワークステーションを用意。各種製品体験をすることも可能となっております。 新機能を体験し、DaVinci Resolveの理解を深め、8Kワークステーションにも触れることの出来る貴重な機会となっております。 Pocket Cinema Camera6K UltraStudio 4K Mini 日時:2019年8月29日(木) 18:00~20:00
 場所:Blackmagic Design Tokyo Office 3F ※DaVinci Resolve16に関する疑問点などはイベント参加希望フォームの備考欄に事前にご記入頂けますと幸いです。当日弊社スタッフより質問として共有させて頂きます。(質問者様のお名前は伏せさせて頂きます)
 DaVinci Resolve Monthly SAMPLER Vol.3 ~ Color Managed Workflow & HDR Session with Netflix ~ 第3回目となるDaVinci Resolve Monthly SAMPLERは、素晴らしいオリジナル作品を多数リリースしているNetflixより、Haruka Miyagawa(宮川 遥)様、Kevin Kang(ケビン・カン)様を招聘します。 宮川様からはNetflixが推奨するカラーマネージされたワークフローとは何か?具体的にどうすれば良いのか?をご説明いただきます。カンヌ映画祭でパルムドールを受賞した「パラサイト」をはじめ、カラリストとして長いキャリアをもつケビン様からはACESとHDRについてお話いただきます。 NetflixやBlackmagic Designのスタッフと意見交換、交流出来る貴重な機会となっております。 Kevin Kang(ケビン・カン)様 Haruka Miyagawa(宮川 遥)様 日時:2019年7月19日(金) 17:00~19:00
 場所:Blackmagic Design Tokyo Office 3F ゲスト:Haruka Miyagawa様 & Kevin Kang様(Netflix) 講演内容:Color Managed Pipelineとは? / ResolveにおけるACESカラースペースでのグレーディングから納品まで / Dolby Vision グレーディング / Q&A Netflixについて Netflixは、190ヵ国以上で1億4800万人を超える有料メンバーが利用するエンターテインメントに特化した世界最大級のオンラインストリーミングサービスです。各種受賞作を含む幅広いジャンルのコンテンツ、ドキュメンタリー、長編映画などを多言語で配信しています。メンバーはあらゆるインターネット接続デバイスで、好きな時に、好きな場所から、好きなだけエンターテインメントを楽しむことができます。当社サービスには、広告や契約期間の拘束は一切ないうえ、Netflix独自のレコメンデーション機能が一人ひとりのメンバーの好みに合わせて作品をオススメするので、お気に入りの作品が簡単に見つかります。 ※参加申し込みの際には、備考欄にて下記質問に必ずお答えください。 1. Netflixの推奨するColor Managed Pipeline(色管理されたパイプライン)とはなにか ご存知ですか?(Yes or No) 2. グレーディング時、作業スペースはカメラのカラースペースにし、最後に変換LUTで最 終出力(例:Rec709)に変換する方法でグレーディングを行ったことはありますか? (Yes or No) 3. ACESをご存知ですか?(Yes or No) 4. ACESカラースペースでグレーディングを行ったことはありますか?(Yes or No) 5. NetflixやNetflixの掲げる制作ガイドラインに対して質問はありますか? ※DaVinci Resolveに関するご質問、ご要望などがございましたらイベント参加希望フォームの備考欄に事前にご記入頂けますと幸いです。
 DaVinci Resolve Monthly SAMPLER Vol.2 ~ What are DaVinci Resolve Editor Keyboard & Cut Page? ~ 第2回目は共信コミュニケーションズ様との協力で、NAB2019に突如発表されデイズド・アンド・コンフューズドを巻き起こしたDaVinci Resolve Editor KeyboardとDaVinci Resolve16の新たなページ”CUT”にフォーカスします。 製品紹介や新機能紹介はもちろん、リニアエディターの方にもわかりやすい!移行しやすい!をテーマに、ブラックマジックデザイン株式会社 新井によるEditor Keyboard実機デモも実施致します。Editor KeyboardやDaVinci Resolveの気になる機能やご要望等を直接伝えられる貴重な機会となっております。 >>DaVinci Resolve Editor Keyboard製品ページ ※Editor KeyboardやDaVinci Resolveに関するご質問、ご要望などをイベント参加希望フォームの備考欄に事前にご記入頂けますと幸いです。
 日時:2019年6月21日(金) 16:00~18:00
 場所:Blackmagic Design Tokyo Office 3F 共催:共信コミュニケーションズ株式会社 DaVinci Resolve Monthly SAMPLER Vol.1 ~Exchange meeting with Peter Chamberlain~ 第1回目はDaVinci ResolveプロダクトマネージャーのPeter Chamberlain氏を招聘します。 DaVinci Resolve全般に関して気になる新機能やご要望等を直接伝えられる貴重な機会となっております。
   日時:2019年5月22日(水) 19:00~21:00
 場所:Blackmagic Design Tokyo Office 3F ゲスト:Peter Chamberlain氏(DaVinci Resolveプロダクトマネージャー) 今後のセミナー情報は、各セミナーの開催が決定した時点でこちらのページに掲載予定です。
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2021/10/19

Sound on 4π Part 2 / ソニー・ミュージックスタジオ 〜360 Reality Audio Mixing、この空間を楽しむ〜

国内の正式ローンチに合わせ、多数の邦楽楽曲が360RAでミックスされた。その作業の中心となったのがソニー・ミュージックスタジオである。マスタリングルームのひとつを360RAのミキシングルームに改装し、2021年初頭より60曲あまりがミキシングされたという。そのソニー・ミュージックスタジオで行われた実際のミキシング作業についてお話を伺った。 >>Part 1:360 Reality Audio 〜ついにスタート! ソニーが生み出した新たな時代への扉〜 2ミックスの音楽性をどう定位していくか 株式会社ソニー・ミュージックソリューションズ ソニー・ミュージックスタジオ レコーディング&マスタリングエンジニア 鈴木浩二 氏(右) レコーディングエンジニア 米山雄大 氏(左) 2021年3月23日発のプレスリリースにあった楽曲のほとんどは、ここソニー・ミュージックスタジオでミキシングが行われている。360RAでリリースされた楽曲の選定は、各作品のプロデューサー、アーティストに360RAをプレゼン、実際に体験いただき360RAへの理解を深め、その可能性に賛同を得られた方から制作にあたったということだ。 実際に360RAでミキシングをしてみての率直な感想を伺った。ステレオに関しての経験は言うまでもなく、5.1chサラウンドでの音楽のミキシング作業の経験も豊富にある中でも、360RAのサウンドにはとにかく広大な空間を感じたという。5.1chサラウンドでの音楽制作時にもあった話だが、音楽として成立させるために音の定位はどこの位置までが許容範囲なのか?ということは360RAでも起こること。やはりボーカルなどのメロディーを担うパートが、前方に定位をしていないと違和感を感じてしまうし、平面での360度の表現から高さ方向の表現が加わったことで、5.1chから更に広大な空間に向き合うことになり正直戸惑いもあったということだ。その際は、もともとの2chのミックスを音楽性のリファレンスとし、その音楽性を保ったまま空間に拡張していくというイメージにしたという。 360RAは空間が広いため、定位による表現の自由度は圧倒的だ。白紙の状態から360RAの空間に音を配置して楽曲を成立させるには、やはり従来の2chミキシングで培った表現をベースに拡張させる、という手法を取らないとあまりにも迷いが多い。とはいえ、始まったばかりの立体音響でのミキシング、「正解はない」というのもひとつの答えである。さらなる試行錯誤の中から、新しいセオリー、リファレンスとなるような音像定位が生まれてくるのではないだろうか。もちろん従来のステレオで言われてきた、ピラミッド定位などというミキシングのセオリーをそのまま360RAで表現しても良い。その際に高さを表現するということは、ステレオ・ミキシングでは高度なエンジニアリング・スキルが要求されたが、360RAではオブジェクト・パンの定位を変えるだけ、この簡便さは魅力の一つだ。 試行錯誤の中から得られた経験としては、360RAの広大な空間を広く使いすぎてしまうと、細かな部分や気になる部分が目立ってしまうということ。実際に立体音響のミキシングで直面することだが、良くも悪くもステレオミキシングのようにそれぞれの音は混ざっていかない。言葉で言うのならば、ミキシング(Mixing)というよりもプレイシング(Placing)=配置をしていくという感覚に近い。 また、360RAだけではなく立体音響の大きな魅力ではあるが、クリアに一つ一つのサウンドが聴こえてくるために、ステレオミックスでは気にならなかった部分が気になってしまうということも起こり得る。逆に、アーティストにとってはこだわりを持って入れたサウンド一つ一つのニュアンスが、しっかりとしたセパレーションを持って再生されるためにミックスに埋もれるということがない。これは音楽を生み出す側としては大きな喜びにつながる。このサウンドのセパレーションに関しては、リスナーである我々が2chに収められたサウンドに慣れてしまっているだけかもしれない。これからは、この「混ざらない」という特徴を活かした作品も生まれてくるのではないだろうか。実際に音楽を生み出しているアーティストは2chでの仕上がりを前提に制作し、その2chの音楽性をリファレンスとして360RAのミキシングが行われている。当初より360RAを前提として制作された楽曲であれば、全く新しい世界が誕生するのかもしれない。 実例に即したお話も聞くことができた。ゴスペラーズ「風が聴こえる」を360RAでミキシングをした際に、立体的にサウンドを動かすことができるため、当初は色々と音に動きのあるミキシングを試してみたという。ところが、動かしすぎることにより同時に主題も移動してしまって音楽性が損なわれてしまったそうだ。その後のミックスでは、ステレオよりも広くそれぞれのメンバーを配置することで、ステレオとは異なるワイドなサウンドが表現しているという。360RAでミキシングをすることで、それぞれのメンバーの個々のニュアンスがしっかりとクリアに再生され、ステレオであれば聴こえなかった音がしっかりと届けられるという結果が得られ、好評であったということだ。まさに360RAでのミキシングならではのエピソードと言えるだろう。 📷元々がマスタリングルームあったことを偲ばせる巨大なステレオスピーカーの前に、L,C,R+ボトムL,C,Rの6本のスピーカーがスタンドに設置されている。全てMusik Electornic Gaithain m906が採用され、純正のスタンドを改造してボトムスピーカーが据え付けられている。天井には天吊で同じく906があるのがわかる。 高さ方向をミックスで活用するノウハウ 5.1chサラウンドから、上下方向への拡張がなされた360RA。以前から言われているように人間の聴覚は水平方向に対しての感度は高いが、上下方向に関しては低いという特徴を持っている。これは、物理的に耳が左右についているということに起因する。人間は水平方向の音を左右の耳に届く時間差で認識している、単純に右から来る音は右耳のほうが少しだけ早く聴こえるということだ。しかし、高さ方向に関してはそうはいかない。これは、こういう音はこちらから聴こえている「はず」という人の持つ経験で上下を認識しているためだ。よって、360RAでの上下方向のミキシングはセオリーに沿った音像配置を物理的に行う、ということに向いている。例えば、低音楽器を下に、高音楽器を上にといったことだ。これによりその特徴が強調された表現にもなる。もちろん、逆に配置して違和感を効果的に使うといった手法もあるだろう。また、ステレオMIXでボーカルを少し上から聴こえるようにした「おでこから聴こえる」などと言われるミックスバランスも、物理的にそれを配置することで実現が可能である。これにより、ボーカルの明瞭度を増して際立たせることもできるだろう。 音楽的なバランスを取るためにも、この上下方向をサウンドの明瞭度をつけるために活用するのは有効だ、という経験談もいただくことができた。水平面より少し上のほうが明瞭度が高く聴こえ、下に行けば行くほど明瞭度は落ちる。上方向も行き過ぎるとやはり明瞭度は落ちる。聴かせたいサウンドを配置する高さというのはこれまでにないファクターではあるが、360RAのミキシングのひとつのポイントになるのではないだろうか。また、サウンドとの距離に関しても上下で聴感上の変化があるということ。上方向に比べ、下方向のほうが音は近くに感じるということだ。このように360RAならではのノウハウなども、試行錯誤の中で蓄積が始まっていることが感じられる。 📷天井には、円形にバトンが設置され、そこにスピーカーが吊るされている。このようにすることでリスニングポイントに対して等距離となる工夫がなされている。 📷ボトムのスピーカー。ミドルレイヤーのスピーカーと等距離となるように前方へオフセットして据え付けられているのがわかる。 理解すべき広大な空間が持つ特性 そして、360RAに限らず立体音響全般に言えることなのだが、サウンド一つ一つがクリアになり明瞭度を持って聴こえるという特徴がある。また、トータルコンプの存在していない360RAの制作環境では、どうしてもステレオミックスと比較して迫力やパンチに欠けるサウンドになりやすい。トータルコンプに関しては、オブジェクトベース・オーディオ全てにおいて存在させることが難しい。なぜなら、オブジェクトの状態でエンドユーザーの手元にまで届けられ、最終のレンダリング・プロセスはユーザーが個々に所有する端末上で行われるためだ。また、バイノーラルという技術は、音色(周波数分布)や位相を変化させることで擬似的に上下定位や後方定位を作っている。そのためトータルコンプのような、従来のマスタリング・プロセッサーはそもそも使うことができない。 そして、比較対象とされるステレオ・ミックスはある意味でデフォルメ、加工が前提となっており、ステレオ空間という限られたスペースにノウハウを駆使してサウンドを詰め込んだものとも言える。広大でオープンな空間を持つ立体音響にパンチ感、迫力というものを求めること自体がナンセンスなのかもしれないが、これまでの音楽というものがステレオである以上、これらが比較されてしまうのはある意味致し方がないのかもしれない。360RAにおいても個々の音をオブジェクトとして配置する前にEQ/COMPなどで処理をすることはもちろん可能だ。パンチが欲しいサウンドはそのように聴こえるよう予め処理をしておくことで、かなり求められるニュアンスを出すことはできるということだ。 パンチ感、迫力といったお話をお伺いしていたところ、ステレオと360RAはあくまでも違ったもの、是非とも360RAならではの体験を楽しんでほしいというコメントをいただいた。まさにその通りである。マキシマイズされた迫力、刺激が必要であればステレオという器がすでに存在している。ステレオでは表現、体験のできない新しいものとして360RAを捉えるとその魅力も際立つのではないだろうか。ジャズなどのアコースティック楽器やボーカルがメインのものは不向きかもしれないが、ライブやコンサート音源など空間を表現することが得意な360RAでなければ再現できない世界もある。今後360RAでの完成を前提とした作品が登場すればその魅力は更に増すこととなるだろう。 360RAならではの魅力には、音像がクリアに分離して定位をするということと空間再現能力の高さがある。ライブ会場の観客のリアクションや歓声などといった空気感、これらをしっかりと収録しておくことでまさにその会場にいるかのようなサウンドで追体験できる。これこそ立体音響の持つイマーシブ感=没入感だと言えるだろう。すでに360RAとしてミキシングされたライブ音源は多数リリースされているので是非とも楽しんでみてほしい。きっとステレオでは再現しえない”空間”を感じていただけるであろう。屋根があるのか?壁はどのようになっているのか?といった会場独自のアコースティックから、残響を収録するマイクの設置位置により客席のどのあたりで聴いているようなサウンドにするのか?そういったことまで360RAであれば再現が可能である。 この空間表現という部分に関しては、今後登場するであろうディレイやリバーブに期待がかかる。本稿執筆時点では360RAネイティブ対応のこれら空間系のエフェクトは存在せず、今後のリリースを待つこととなる。もちろん従来のリバーブを使い、360RAの空間に配置することで残響を加えることは可能だが、もっと直感的に作業ができるツール、360RAの特徴に合わせたツールの登場に期待がかかる。 360RAにおけるマスタリング工程の立ち位置 かなり踏み込んだ内容にはなるが、360RAの制作において試行錯誤の中から答えが見つかっていないという部分も聞いた、マスタリングの工程だ。前述の通り、360RAのファイナルのデータはLevel 1~3(10ch~24ch)に畳み込まれたオブジェクト・オーディオである。実作業においては、Level 1~3に畳み込むエンコードを行うことが従来のマスタリングにあたるのだが、ステレオの作業のようにマスタリングエンジニアにミックスマスターを渡すということができない。このLevel 1~3に畳み込むという作業自体がミキシングの延長線上にあるためだ。 例えば、80chのマルチトラックデータを360RAでミキシングをする際には、作業の工程として80ch分のオブジェクト・オーディオを3D空間に配置することになり、これらをグループ化して10ch~24chへと畳み込んでいく。単独のオブジェクトとして畳み込むのか?オブジェクトを2つ使ってファントムとして定位させるのか、そういった工程である。これらの作業を行いつつ、同時に楽曲間のレベル差や音色などを整えるということは至難の業である。また、個々のオブジェクト・オーディオはオーバーレベルをしていなかったとしても、バイノーラルという2chに畳み込む中でオーバーレベルしてしまうということもある。こういった部分のQC=Quality Controlに関しては、まだまだ経験も知見も足りていない。 もちろん、そういったことを簡便にチェックできるツールも揃っていない。色々と工夫をしながら進めているが、現状ではミキシングをしたエンジニアがそのまま作業の流れで行うしかない状況になっているということだ。やはり、マスタリング・エンジニアという第3者により最終のトリートメントを行ってほしいという思いは残る。そうなると、マスタリングエンジニアがマルチトラックデータの取扱いに慣れる必要があるのか?それともミキシングエンジニアが、さらにマスタリングの分野にまで踏み込む必要があるのか?どちらにせよ今まで以上の幅広い技術が必要となることは間違いない。 個人のHRTFデータ取得も現実的な方法に ヘッドホンでの再生が多くなるイメージがある360RAのミキシングだが、どうしてもバイノーラルとなると細かい部分の詰めまでが行えないため、実際の作業自体はやはりスピーカーがある環境のほうがやりやすいとのことだ。そうとはいえ、360RAに対応したファシリティーは1部屋となるため、ヘッドホンを使ってのミキシングも平行して行っているということだが、その際には360RAのスピーカーが用意されたこの部屋の特性と、耳にマイクを入れて測定をした個人個人のHRTFデータを使い、かなり高い再現性を持った環境でのヘッドホンミックスが行えているということだ。 個人のHRTFデータを組み込むという機能は、360RACSに実装されている。そのデータをどのようにして測定してもらい、ユーザーへ提供することができるようになるのかは、今後の課題である。プライベートHRTFがそれほど手間なく手に入り、それを使ってヘッドホンミックスが行えるようになるということが現実になれば、これは画期的な出来事である。これまで、HRTFの測定には椅子に座ったまま30分程度の計測時間が必要であったが、ソニーの独自技術により耳にマイクを入れて30秒程度で計測が完了するということを筆者も体験している。これが一般にも提供されるようになれば本当に画期的な出来事となる。 📷Pro Tools上に展開された360 Reality Audio Creative Suite(360RACS) 「まだミキシングに関しての正解は見つかっていない。360RACSの登場で手軽に制作に取り組めるようになったので、まずは好きに思うがままに作ってみてほしい。」これから360RAへチャレンジをする方へのコメントだ。360RAにおいても録音をするテクニック、個々のサウンドのトリートメント、サウンドメイクにはエンジニアの技術が必要である。そして、アーティストの持つ生み出す力、創造する力を形にするための360RAのノウハウ。それらが融合することで大きな化学反応が起こるのではないかということだ。試行錯誤は続くが、それ自体が新しい体験であり、非常に楽しんで作業をしているということがにじむ。360RAというフォーマットを楽しむ、これが新たな表現への第一歩となるのではないだろうか。 >>Part 3:360 Reality Audio Creative Suite 〜新たなオーディオフォーマットで行う4π空間への定位〜   *取材協力:ソニー株式会社 *ProceedMagazine2021号より転載 https://pro.miroc.co.jp/solution/sound-on-4%CF%80-360ra-part-3/ https://pro.miroc.co.jp/solution/sound-on-4%CF%80-360ra-part-1/
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2021/10/12

Sound on 4π Part 1 / 360 Reality Audio 〜ついにスタート! ソニーが生み出した新たな時代への扉〜

ついに2021年4月16日に正式リリースとなった 360 Reality Audio(以下、360RA)。読み方は”サンロクマル・リアリティー・オーディオ”となるこの最新のオーディオ体験。これまでにも色々とお伝えしてきているが、日本国内でのリリースと同時に、360RAの制作用のツールとなる360 Reality Audio Creative Suiteもリリースされている。360RAとは一体何なのか?どのようにして作ればよいのか?まずは、そのオーバービューからご紹介していこう。 ソニーが作り出してきたオーディオの時代 まず最初に、ソニーとAudioの関係性を語らないわけにはいかない。コンシューマ・オーディオの分野では、常にエポックメイキングな製品を市場にリリースしてきている。その代表がウォークマン®であろう。今では当たり前となっている音楽を持ち歩くということを世界で初めて実現した電池駆動のポータブル・カセットテープ・プレイヤーである。10代、20代の読者は馴染みが薄いかもしれないが、据え置きの巨大なオーディオコンポや、ラジオとカセットプレイヤーを一体にしたラジカセが主流だった時代に、電池で動作してヘッドホンでどこでも好きな場所で音楽を楽しむことができるウォークマン®はまさにエポックな製品であり、音楽の聴き方を変えたという意味では、時代を作った製品であった。みんなでスピーカーから出てくる音楽を楽しむというスタイルから、個人が好きな音楽をプライベートで楽しむという変化を起こしたわけだ。これは音楽を聴くという体験に変化をもたらしたとも言えるだろう。 ほかにもソニーは、映画の音声がサラウンドになる際に大きなスクリーンの後ろで通常では3本(L,C,R)となるスピーカーを5本(L,LC,C,RC,R)とする、SDDS=Sony Dynamic Digital Soundというフォーマットを独自で提唱したり、ハイレゾという言葉が一般化する以前よりPCMデジタルデータでは再現できない音を再生するために、DSDを採用したスーパーオーディオCD(SACD)を作ったり、と様々な取り組みを行っている。 そして、プロフェッショナル・オーディオ(音響制作機器)の市場である。1980年代よりマルチチャンネル・デジタルレコーダーPCM-3324/3348シリーズ、Oxford R3コンソール、CDのマスタリングに必須のPCM-1630など、音声、特に音楽制作の中心にはソニー製品があった。いまではヘッドホン、マイクは例外に、プロシューマー・マーケットでソニー製品を見ることが少なくなってしまっているが、その要素技術の研究開発は続けられており、コンシューマー製品へしっかりとフィードバックが行われているのである。「制作=作るため」の製品から「利用する=再生する」製品まで、つまりその技術の入口から出口までの製品を揃えていたソニーのあり方というのは、形を変えながらも続いているのである。 PCM-3348 PCM-3348HR Oxford R3 PCM-1630 このようなソニーとAudioの歴史から見えてくるキーワードは、ユーザーへの「新しい体験の提供」ということである。CDではノイズのないパッケージを提供し、ウォークマン®ではプライベートで「どこでも」音楽を楽しむという体験を、SDDSは映画館で最高の臨場感を作り出し、SACDはまさしく最高となる音質を提供した。全てが、ユーザーに対して新しい体験を提供するという一つの幹から生えているということがわかる。新しい体験を提供するための技術を、難解なテクノロジーの状態からスタイリッシュな体験に仕立てて提供する。これがまさにソニーのAudio、実際はそれだけではなく映像や音声機器にも共通するポリシーのように感じる。 全周(4π)を再現する360RA ソニーでは要素技術として高臨場感音響に関しての研究が続けられていた。バーチャル・サラウンド・ヘッドホンや、立体音響を再生できるサラウンドバーなどがこれまでにもリリースされているが、それとはまた別の技術となる全周(4π)を再現するオーディオ技術の研究だ。そして、FraunhoferがMPEG-H Audioを提唱した際にこの技術をもって参画したことで、コンテンツとなるデータがその入れ物(コンテナ)を手に入れて一気に具体化、2019年のCESでの発表につながっている。CES2019の時点ではあくまでも技術展示ということだったが、その年の10月には早くもローンチイベントを行い欧米でのサービスをスタートさせている。日本国内でも各展示会で紹介された360RAは、メディアにも取り上げられその存在を知った方も多いのではないだろうか。特に2020年のCESでは、ソニーのブースでEVコンセプトの自動車となるVISION-Sが展示され大きな話題を呼んだが、この車のオーディオとしても360RAが搭載されている。VISION-Sではシートごとにスピーカーが埋め込まれ立体音響が再生される仕様となっていた、この立体音響というのが360RAをソースとしたものである。 360RAはユーザーに対して「新しい体験」を提供できる。機器自体は従来のスマホや、ヘッドホン、イヤホンであるがそこで聴くことができるサウンドは、まさにイマーシブ(没入)なもの。もちろんバイノーラル技術を使っての再生となるが、ソニーのノウハウが詰まった独自のものであるということだ。また、単純なバイノーラルで収録された音源よりも、ミキシングなど後処理が加えられることで更に多くの表現を手に入れたものとなっている。特にライブ音源の再生においては非常に高い効果を発揮し、最も向いたソースであるという認識を持った。 バイノーラルの再生には、HRTF=頭部伝達関数と呼ばれる数値に基づいたエンコードが行われ、擬似的に左右のヘッドホン or イヤホンで立体的音響を再生する。このHRTFは頭の形、耳の形、耳の穴の形状など様々な要素により決まる個人ごとに差異があるもの。以前にも紹介したYAMAHAのViRealはこのHRTFを一般化しようという研究であったが、ソニーでは「Sony | Headphones Connect」と称されたスマートフォン用アプリで、個々に向けたHRTFを提供している。これは耳の写真をアップロードすることでビッグデータと照合し最適なパラメーターを設定、ヘッドホンフォン再生に適用することで360RAの体験を確実にし、ソニーが配信サービスに技術提供している。 Sony | Headphones Connectは一部のソニー製ヘッドホン用アプリとなるが、汎用のHRTFではなく個人に合わせて最適化されたHRTFで聴くバイノーラルは圧倒的である。ぼんやりとしか認識できなかった音の定位がはっきりし、後方や上下といった認識の難しい定位をしっかりと認識することができる。もちろん、個人差の出てしまう技術であるため一概に言うことはできないが、それでも汎用のHRTFと比較すれば、360RAでの体験をより豊かなものとする非常に有効な手法であると言える。この手法を360RAの体験向上、そしてソニーのビジネスモデルとして技術と製品を結びつけるものとして提供している。体験を最大化するための仕掛けをしっかりと配信サービスに提供するあたり、さすがソニーといったところだ。 360RAはいますぐ体験できる それでは、360RAが国内でリリースされ、実際にどのようにして聴くことができるようになったのだろうか?まず、ご紹介したいのがAmazon music HDとDeezerの2社だ。両社とも月額課金のサブスクリプション(月額聴き放題形式)のサービスである。ハイレゾ音源の聴き放題の延長線上に、立体音響音源の聴き放題サービスがあるとイメージしていただければいいだろう。視聴方法はこれらの配信サービスと契約し、Amazon music HDであればAmazon Echo Studioという立体音響再生に対応した専用のスピーカーでの再生となる。物理的なスピーカーでの再生はどうしても上下方向の再生が必要となるため特殊な製品が必要だが、前述のAmazon Echo Studioやサラウンドバーのほか、ソニーからも360RA再生に対応した製品としてSRS-RA5000、SRS-RA3000という製品が国内でのサービス開始とともに登場している。 また、Deezerではスマートフォンとヘッドホン、イヤホンでの再生、もしくは360RA再生に対応したBluetoothスピーカーがあれば夏にはスピーカーで360RAを楽しむことができる。スマートフォンは、ソニーのXperiaでなければならないということはない。Android搭載のデバイスでも、iOS搭載のデバイスでも楽しむことができる、端末を選ばないというのは実に魅力的だ。ヘッドホン、イヤホンも普通のステレオ再生ができるもので十分で、どのような製品でも360RAを聴くことができる。Sony | Headphones Connectの対象機種ではない場合はパーソナライズの恩恵は受けられないが、その際にはソニーが準備した汎用のHRTFが用いられることとなる。導入にあたり追加で必要となる特殊な機器もないため、興味を持った方はまずはDeezerで360RAのサウンドを楽しむのが近道だろうか。余談ではあるが、Deezerはハイレゾ音源も聴き放題となるサービス。FLAC圧縮によるハイサンプルの音源も多数あるため、360RAをお試しいただくとともにこちらも併せて聴いてみると、立体音響とはまた違った良さを発見できるはずだ。 そして、前述の2社に加えてnugs.netでも360 Reality Audioの楽曲が配信開始されている。360RAを体験していただければわかるが、立体音響のサウンドはまさに会場にいるかのような没入感を得ることができ、ライブやコンサートなどの臨場感を伝えるのに非常に適している。nugs.net はそのライブ、コンサートのストリーミングをメインのコンテンツとして扱う配信サービスであり、このメリットを最大限に活かしたストリーミングサービスになっていると言えるだろう。 欧米でサービスが展開されているTIDALも月額サブスクリプションのサービスとなり、すでに360RAの配信をスタートしている。サービスの内容はDeezerとほぼ同等だが、ハイレゾの配信方針がDeezerはFLAC、TIDALはMQAと異なるのが興味深い。この音質の差異は是非とも検証してみたいポイントである。TIDALはラッパーのJAY-Zがオーナーのサービスということで、Hip-Hop/R&Bなどポップスに強いという魅力もある。ハイレゾ音源は配信サービスで月額課金で楽しむ時代になってきている。前号でも記事として取り上げたが、ハイレゾでのクオリティーの高いステレオ音源や360RAなどの立体音響、これらの音源を楽しむということは、すでにSpotifyやApple Musicといった馴染みのある配信サービスの延長線上にある。思い立てばいますぐにでも360RAを楽しむことができる環境がすでに整っているということだ。 360RAを収めるMPEG-Hという器 360RAを語るにあたり、技術的な側面としてMPEG-Hに触れないわけにはいかない。MPEG-H自体はモノラルでも、ステレオでも、5.1chサラウンドも、アンビソニックスも、オブジェクトオーディオも、自由に収めることが可能、非常に汎用性の高いデジタルコンテンツを収める入れ物である。このMPEG-Hを360RAではオブジェクトオーディオを収める器として採用しているわけだ。実際の360RAには3つのレベルがあり、最も上位のLevel3は24オブジェクトで1.5Mbpsの帯域を使用、Level2は16オブジェクトで1Mbps、Leve1は10オブジェクトで640kbpsとなっている。このレベルとオブジェクト数に関しては、実際の制作ツールとなる360RA Creative Suiteの解説で詳しく紹介したい。 Pro Tools上に展開された360 Reality Audio Creative Suite(360RACS) ここでは、その帯域の話よりもMPEG-Hだから実現できた高圧縮かつ高音質という部分にフォーカスを当てていく。月額サブスクリプションでの音楽配信サービスは、現状SpotifyとApple Musicの2強であると言える。両社とも圧縮された音楽をストリーミングで再生するサービスだ。Apple Musicで使われているのはAAC 256kbpsのステレオ音声であり、1chあたりで見れば128kbpsということになる。360RAのチャンネルあたりの帯域を見るとLevel1で64kbps/chとAACやMP3で配信されているサービスよりも高圧縮である。しかし、MPEG-Hは最新の圧縮技術を使用しているため、従来比2倍以上の圧縮効率の確保が可能というのが一般的な認識である。その2倍を照らし合わせればチャンネルあたりの帯域が半分になっても従来と同等、もしくはそれ以上の音質が確保されているということになる。逆に言えば、従来のAAC、MP3という圧縮技術では同等の音質を確保するために倍の帯域が必要となってしまう。これがMPEG-H Audioを採用した1点目の理由だ。 もう一つ挙げたいのはオブジェクトへの対応。360RAのミキシングは全てのソースがオブジェクトとしてミキシングされる。オブジェクトとしてミキシングされたソースを収める器として、オブジェクトの位置情報にあたるメタデータを格納することができるMPEG-Hは都合が良かったということになる。特殊な独自のフォーマットを策定することなく、一般化された規格に360RAのサウンドが収めることができたわけだ。ちなみにMPEG-Hのファイル拡張子は.mp4である。余談にはなるが、MPEG-Hは様々な最新のフォーマットを取り込んでいる。代表的なものが、HEVC=High Efficiency Video Coding、H.265という高圧縮の映像ファイルコーディック、静止画ではHEIF=High Efficiency Image File Format。HEIFはHDR情報を含む画像ファイルで、iPhoneで写真を撮影した際の画像ファイルで見かけた方も多いかもしれない。このようにMPEG-Hは3D Audio向けの規格だけではなく、様々な可能性を含みながら進化を続けているフォーマットである。 拡がりをみせる360RAの将来像 360RAの今後の展開も伺うことができた。まず1つは、配信サービスを提供する会社を増やすという活動、360RAに対応したスピーカーやAVアンプなどの機器を増やすという活動、このような活動から360RAの認知も拡大して、制作も活発化するという好循環を作り健全に保つことが重要とのこと。すでに世界中の配信事業者とのコンタクトは始まっており、制作に関しても欧米でのサービス開始から1年半で4000曲とかなりのハイペースでリリースが続いている。ほかにも、ライブやコンサートとの親和性が高いということから、リアルタイムでのストリーミングに対しても対応をしたいという考えがあるとのこと。これはユーザーとしても非常に楽しみなソリューションである。また、音楽ということにこだわらずに、オーディオ・ドラマなど、まずはオーディオ・オンリーでも楽しめるところから拡張を進めていくということだ。また、360RAの要素技術自体はSound ARなど様々な分野での活用が始まっている。 日本国内では、まさに産声を上げたところである360RA。ソニーの提案する新しい音楽の「体験」。立体音響での音楽視聴はこれまでにない体験をもたらすことは間違いない。そして改めてお伝えしたいのは、そのような技術がすでに現実に生まれていて、いますぐにでも簡単に体験できるということ。ソニーが生み出した新たな時代への扉を皆さんも是非開いてほしい。 >>Part 2:ソニー・ミュージックスタジオ 〜360 Reality Audio Mixing、この空間を楽しむ〜   *取材協力:ソニー株式会社 *ProceedMagazine2021号より転載 https://pro.miroc.co.jp/solution/sound-on-4%CF%80-360ra-part-2/
3D Audio
2021/10/11

ソニーPCL『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』制作でのAVID製品活用事例 – AVID Blogにて公開中

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の編集及びDolby Atmos化のプリ・ミックスを担当 昨年公開され、興行収入は400億円を突破、日本映画史上トップのセールスを記録した話題作『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』。その編集及びMAを担当されたソニーPCL様のアニメ編集におけるMedia Composer活用法、及び劇場版のDolby Atmosプリ・ミックスを手掛けた様子等が解説されたブログ記事が現在AVID Blogにて公開されています。 >>アニメーション作品を手掛けるソニーPCL「高円寺スタジオ」のMedia ComposerおよびPro Tools活用法 https://www.avidblogs.com/ja/media-composer_pro-tools_sonypcl/ みどころご紹介! ・アニメーションの編集においてMedia Composerが信頼されているポイントとは? ・自社開発ツールとの連携ワークフローについて ・HT-RMUの導入について ・Dolby Atmos/360 Reality Audioの両方の制作に対応した『405 Immersive Sound Studio』 Dolby Atmos制作に関するお問い合わせは、導入実績豊富なROCK ON PROまで!下記コンタクトフォームよりお気軽にお問い合わせ下さい。 https://pro.miroc.co.jp/headline/dolby-atmos-renderer-v3-7-released/#.YWO9pGb7TOQ https://pro.miroc.co.jp/headline/sound-on-4%cf%80-proceed2021/#.YWO9umb7TOQ https://pro.miroc.co.jp/headline/dolby-atmos-music-creators-summit/#.YWO90Gb7TOQ https://pro.miroc.co.jp/headline/dolby-atmos-mixing/#.YWO92Wb7TOQ
3D Audio
2021/10/08

Dolby Atmos Renderer 最新版V3.7 がリリース

Dolby Atmos Renderer V3.7 がリリース Dolby Atmos Production SuiteおよびDolby Atmos Mastering Suiteに含まれる、Dolby Atmos Rendererソフトの最新バージョンが、先日Dolbyよりリリースされました。 V3.7では、Intel MacとM1 Mac(Rosetta 2経由)の両方でmacOS Big Surに対応(※注意点あり)したことや、Dolby Audio Bridgeがv2.0となるなど、多くの改良が加えられています。 Dolby Atmos Renderer V3.7 変更点ハイライト Big Sur(IntelおよびM1)互換(Intelで認定、Rosetta 2経由でM1と互換性あり) Dolby Audio Bridge v2.0 –自動的にクロックを供給 LTCプラグインV2.0 MTC機能の削除 バイノーラル設定プラグインv1.1 オーディオをカスタムビデオと共にMP4でエクスポート可能に Pro Tools、Nuendo、DaVinci Resolveのクイックスタートテンプレート/プリセットを更新 Input/Master設定に関する表示の分離 スピーカーのミュート アップデート内容の詳細はこちらのリリースノートよりご確認ください。 >>Dolby Atmos Renderer Release Notes 15 September 2021 Software v3.7 https://developer.dolby.com/globalassets/tools--media/production-tools/dolby-atmos-production-suite/dolby_atmos_renderer_v3.7_release_notes.pdf macOS Big Sur 11.5 対応 macOS Big Sur(Intel及びRosetta 2経由のM1)に対応!ただし、M1ベースのMACの場合、下記にあるようにパフォーマンスに問題が生じる可能性があるとのことですので、現段階ではIntel搭載のマシンの使用を推奨します。 Dolby Atmos Renderer V3.7は、macOS Big Sur 11.5が動作するIntelベースのMacに対応しています。Renderer v3.7は、M1ベースのMac(Rosetta 2搭載)のmacOS Big Sur 11.5と互換性がありますが、Rosetta 2はアプリケーションとARMプロセッサの間のトランスレーションレイヤーであるため、パフォーマンスに問題が生じる可能性があります。  注意:M1ベースのMacでRenderer v3.7にアップグレードする前に、オーディオI/Oとライセンス認証(iLok)に必要なすべてのドライバーがM1に対応していることを確認してください。 Dolby Audio Bridge V2.0 DAWとDolby Atmos Rendererの接続時、Core Audioベースの仮想デバイスとして動作するDolby Audio bridge。今回のバージョンアップにより、出力ハードウェアに対して自動的にクロック同期されるようになったとのこと(!) 設定が少々複雑なアグリゲートデバイスを組む手間がなくなったのは嬉しいですね。 Dolby Audio Bridge v2.0は、出力ハードウェアに対して自動的にクロッキングを行います。これにより、適切なクロックを供給するためにアグリゲートデバイスを使用するというワークアラウンドが不要となりました。 Dolby Audio Bridge仮想ドライバのこの新しいバージョンは,Rendererのインストーラーパッケージに含まれており、インストール時に選択する必要があります。Dolby Audio Bridge v1.0で作成されたアグリゲートデバイスは今後利用できなくなります。 Dolby Audio Bridge v2.0のインストールには、コンピューターの再起動は必要ありません。 注意:v2.0をインストールすると、コンピュータからDolby Audio Bridge v1.0が自動的に削除されます。 重要:古いバージョンのレンダラーをインストールした場合、古いインストーラー・パッケージに含まれるDolby Audio Bridge v1.0(アイコンなし)はインストールしないでください。Dolby Audio Bridge v2.0(図のようなアイコン)をシステム上の唯一のブリッジとして使用してください。ブリッジのv2.0はRenderer v3.5以前で動作しますが、特定のワークフローではアグリゲート・デバイスが依然として必要です。 Dolby LTC Generator V2.0 (AAX、AU、VST3対応、MTCは削除) Dolby LTC Generatorは今回のバージョンアップにより、フレームレートや開始時刻の設定ができないDAWにも対応できるよう設定項目が増えました。 また、以前からもLTC over Audioでの同期が推奨されてはいたものの、これまでは可能だったMTC同期が本バージョン以降使用できなくなりました。 重要:Dolby LTC Generatorプラグインv1.0を含む古いPro Toolsテンプレートは、プラグインのv2.0を使用するために手動でアップデートする必要があります。 注意:NuendoとResolveにはタイムコード・ジェネレーターがあります。Dolbyが提供するNuendoテンプレートには、Steinberg SMPTEGeneratorプラグインが挿入されたトラックが含まれています。 Pro Tools、Nuendo、DaVinci Resolveのクイックスタートテンプレート/プリセットを更新 今回の様々な仕様変更に伴い、各種DAW用のテンプレートやプリセットもリニューアル。着々とDolby Atmos制作環境の幅が広がっているのを実感します。 Renderer v3.7のインストーラーには、新規または更新されたDAWテンプレートとプリセットが含まれています。 - 新しいテンプレート Nuendo 10.3およびNuendo 11 - 新しいプリセット Resolve Studio 17 Fairlight - 更新されたテンプレート Pro ToolsおよびNuendo 10 注意:Dolby社が提供するNuendoテンプレートまたはResolveプリセットを使用する前に、テンプレートまたはプリセットの使用に関する情報を参照してください。 Dolby Audio Bridgeを使用したPro Toolsのセッション・テンプレートには、Dolby LTC Generatorプラグインが挿入されたトラックが1つ含まれるようになりました(LTCをプラグインから使用するか、外部ハードウェアから使用するかは問いません)。入力/出力(I/O)設定ファイルは、LTC over Audio信号をRendererのチャンネル129にルーティングするように設定されています。 注意:テンプレートを使用するためには、必ずLTC Generatorプラグインをインストールしてください。このプラグインはRendererのインストーラーに含まれています。 警告: Dolby LTC Generatorからの信号がスピーカーに出力されていないことを確認してください。 デフォルトフレームレートが24fpsに Rendererのデフォルトフレームレート設定が24fpsに変更されたのは、地味に嬉しい改善ですね! - Rendererのデフォルトフレームレートが24fpsに変更されました。 Rendererのフレームレートは、プリファレンスの"Driver"から設定でき、メインウィンドウのヘッダーに表示されます。 - デジタルオーディオワークステーション(DAW)とRendererのフレームレートが一致しない場合、フレームレート不一致のエラーメッセージが表示されます。 Rendererのフレームレートが一致しない場合、フレームレート不一致のエラーメッセージが表示されます。これにより、DAWまたはRendererのフレームレートを変更するように警告されます。 注意:このメッセージは、ミスマッチが初めて発生したときに表示されるので、修正する必要があります。修正しない場合は、次回の再初期化までメッセージは表示されません。 このメッセージは、LTC over AudioやSend and Returnプラグインを使用している設定で表示されます。RME MADI PCIカードを使用している場合は、Hammerfall DSPアプリケーションでフレームレートを手動で設定してください。 マスター書き出し時、カスタムのビデオファイルや音声のみでMP4書き出し可能に マスターファイルをブラックビデオ以外にも任意のビデオファイルと共に書き出したり、音声のみのMP4を書き出しできるようになりました! "Export master to .mp4"ウインドウには、「ビデオ」セクションが追加され、以下のオプションがあります。 Black video:オーディオエンコードの長さに合わせてブラックビデオを作成します。これはRenderer v3.5以前の動作です。 No video:音声のみのmp4を作成します。ブラックビデオを必要としない音声のみの再生機器では、このオプションを使用してください。 Custom video:出力される.mp4 にカスタムビデオストリームが埋め込まれます。カスタムビデオの入力は、h264ビデオエレメンタリーストリームを持つmp4である必要があります。再生の同期をとるために、ビデオの開始点がオーディオの開始点またはイン点と一致するようにしてください。 注意:音声とビデオの長さが異なる場合、ファイルは長い方に合わせられることを示す警告が表示されます。 Dolby Atmos Production Suiteシステム要件 Dolby Atmos Production Suiteライセンスで動作するDolby Atmos Rendererは、複数の構成でテストされています。Tested CPU、OS、DAWは、Renderer v3.7を実行するDolby Atmos Production Suiteシステムの最小ハードウェアおよびソフトウェアシステム要件を示しています。 Tested CPUs • MacBook Pro 16,1; Intel Core i9 2.4 GHz, 32 GB random-access memory (RAM) • MacBook Pro 15,1; Intel Core i7 2.6 GHz, 16 GB RAM • Mac Pro 7,1; 8-Core Intel Xeon, 3.5 GHz, 32 GB RAM • Mac Pro 6,1; 6-Core Intel Xeon E5, 3.5 GHz, 32 GB RAM • Mac mini 8,1; Intel Core i7 3.2 GHz, 16 GB RAM • Mac mini 9,1; Apple M1, 16 GB RAM (with Rosetta 2) Tested operating systems • macOS Big Sur (version 11.4, 11.5) • macOS Catalina (version 10.15.7) Tested DAWs • Ableton Live* • Live 10.1.9 • Live 10.1.35 • Apple Logic Pro* • Logic Pro 10.6.2 • Logic Pro 10.4.8 • Avid Pro Tools Ultimate • Pro Tools Ultimate 2021.6 • Pro Tools Ultimate 2021.3.1 • Pro Tools Ultimate 2020.12 • Resolve Studio 17 • Steinberg Nuendo • Nuendo 10.3.10 • Nuendo 11.0.20 *Dolby Atmos Music Pannerが必要です。 Apple Musicの空間オーディオ対応もあり、国内におけるDolby Atmosコンテンツの需要も日々高まってきているのを実感します。音楽スタジオやポストプロダクションのMA・ダビングルームをDolby Atmos制作に対応したい!といったご相談は、導入実績豊富なROCK ON PROまで是非お問い合わせください。 https://pro.miroc.co.jp/headline/sound-on-4%cf%80-proceed2021/#.YWATGGb7TOQ https://pro.miroc.co.jp/headline/dolby-atmos-free-trial-package/#.YV2JlGb7TOQ https://pro.miroc.co.jp/headline/daps-90day-trial/#.YWASrmb7TOQ https://pro.miroc.co.jp/headline/netflix-sol-levante-dolby-atmos-pro-tools-session-file-open-source/#.YWASxGb7TOQ https://pro.miroc.co.jp/headline/mtrx_webinar_archive_202007/#.YWAS42b7TOQ
Sales
2021/10/01

HDXカード + HDX Thunderbolt 3シャーシ バンドルプロモーション!!

Pro Tools | UltimateをNative環境でご使用の皆様に朗報です! Pro ToolsシステムにDSPパワーを追加するHDXカードと、HDXカードをMacに接続するためのThunderbolt 3シャーシがセットで¥65,560もお得に手に入るバンドルプロモーションが開始されました! HDX Card & Sonnet TB3 Chassis Bundle プロモーション 期間:2021年10月1日〜2021年12月15日 通常合計価格:¥611,160 →プロモ特価:¥545,600(本体価格:¥496,000) バンドル内容:Pro Tools HDX Core、及び、HDX THUNDERBOLT 3 CHASSIS RACK *本バンドルにはPro Tools | Ultimate ソフトウェア、及び、HD I/O 等は付属しません。 Hybrid Engineの恩恵によりNative/HDX環境の統合が可能に クラシックなHDXシステムでNativeプラグインを使用する場合、オーディオ信号はDSP→CPU→DSPという経路をたどって処理されていました(ラウンドトリップ)。このことは、特に、大規模なミキシングで数多くのNativeプラグインを使用するような場合に、スムースなワークフローを妨げる原因になっていました。 そのため、レコーディングにはHDXシステムを使用し、ミキシングではHD Nativeを使用していた方も多いのではないでしょうか!? Pro Tools 2020.11ではじめて実装され、Pro Tools 2021.6でHDXシステムでも使用可能になったハイブリッド・エンジンは、基本的な動作をCPUがおこない選択されたトラックのオーディオ処理のみをDSPにおこなわせることで、上記の問題に終止符を打つことに成功しています。 Andrew Schepsが語るHybrid Engineの魅力 Metalica、Adel、Red Hot Chilli Peppersなどの錚々たるアーティストの作品に参加し、特に2012年のGrammy Award "Album of the year"に輝いたAdel『21』が記憶に新しいアンドリュー・シェップは、まさにレコーディングとミキシングのためにHDXとHD Nativeを併用していたエンジニアでした。 その彼がハイブリッド・エンジンの多大な恩恵について語ったAvid Blogが公開中です。 https://www.avidblogs.com/ja/mixer-andrew-scheps-explains-the-hybrid-engine/ レコーディングをしている時でもミキシングをしている時でも、DSPとNativeを行き来したくなるタイミングは意外とあるもの。HDXシステム + Hybrid Engineによって、こうした切り替えが簡単におこなえるようになることは大きなメリットです。 Nativeプラグインを使用する機会が多いためにHDX導入を躊躇されていた方は、ぜひ今回のプロモーションを利用してHDX環境へのアップグレードをご検討ください!
Tech
2021/09/27

今知っておきたい!Pro Tools | Carbon ハイブリッド・エンジンの魅力!- Avid Japan公式You Tubeプレイリスト『ハイブリッド・エンジンでレコーディング!』公開中

Avid Japan公式You Tubeプレイリスト 『Pro Tools | Carbon - ハイブリッド・エンジンでレコーディング!』が公開中 昨年11月、AVIDから満を持して発表されたPro Tools | Carbonですが、その最大の特徴はなんと言っても"ハイブリッド・エンジン"機能!Carbonに搭載されたHDX DSPチップによる処理と、ホストコンピューターのCPU処理をボタン一つでシームレスに切り替えることが可能です。そんなCarbonの低レイテンシー処理の仕組みやCarbonを活用した音楽制作Tipsをまとめた、Avid Japanの公式You Tube プレイリストが公開されています。 リンク:『Pro Tools | Carbon – ハイブリッド・エンジンでレコーディング!』 You Tubeプレイリスト:『Pro Tools | Carbon – ハイブリッド・エンジンでレコーディング!』 Pro Tools | Carbon のレイテンシー処理はなぜ"高速"なのか? Pro Tools | Carbonでベース・レコーディング! Pro Tools Carbonでヴォーカル・レコーディング! Pro Tools | Carbonでドラム・レコーディング! Pro Tools | Carbon - シンセで曲作り! Pro Tools | Carbon - トラッキング時のヘッドフォン用キュー・ミックス設定 Pro Tools | Carbon のレイテンシー処理はなぜ"高速"なのか? レコーディングでオーディオインターフェースを使う際に極めて重要なのがレイテンシーの問題です。プレイヤーが実際に演奏している音と、モニターしている音にズレがあると、なかなか100%の実力を発揮するのは難しいですよね。そんな時CarbonのDSP処理がレイテンシーの軽減に大きく役立ちます!この動画では、その理由が詳しく解説されています。 Pro Tools | Carbonでベース・レコーディング! ベース演奏の繊細なグルーヴを捉えるのにも、Carbonの低レイテンシー処理が最適です。ハイブリッド・エンジンを活用すれば、レイテンシーが気になるCPU処理のトラックも瞬時にDSP処理に切り替えることが可能です。難しい設定は何もありません。 Pro Tools Carbonでヴォーカル・レコーディング! 今、Carbonを購入すると、特典としてPro Tools Ultimate 永続版とともに入手できるAntares Auto-Tune Hybrid(※2021年12月31日迄)。その名の通りボーカルのピッチを指定したキーで自動的にチューニングしてくれます。クールなボーカルトラックをCarnbonでレコーディングするTipsのご紹介です。 Pro Tools | Carbonでドラム・レコーディング! Carbonの拡張性に優れた入出力により、ドラムのレコーディングも可能です。もちろん、ここでもDSP処理での低レイテンシーモニタリングが大きく役立ちます。生音が持つ繊細なニュアンスを忠実に残せる録音品質の良さも魅力です。 Pro Tools | Carbon - シンセで曲作り! 低レイテンシーモニタリングが役立つのは、生楽器の録音時だけではありません。シンセサイザーやリズムマシンなどのハードウェアを複数台同時に録音したいときにも、大活躍。クリックトラックを用意し、CPU処理のトラックとDSP処理のトラックを比較してみると結果は歴然。一瞬のグルーヴを逃さないビートメイキングが可能です。 Pro Tools | Carbon - トラッキング時のヘッドフォン用キュー・ミックス設定 Carbonには4つのヘッドフォン出力が搭載されています。Pro Tools 2020.3より追加されたフォルダトラック機能と組み合わせれば、録音トラックを見た目にも分かりやすく整理でき、簡単にキューミックスを作成することができます。便利なショートカット機能を使えば、まず各キューミックスへの送り量をコピペした後、プレイヤーごとに細かくバランスを調整することが可能です。 豊富な入出力、低レイテンシーモニタリングでバンドのレコーディングにも最適なPro Tools | Carbon。ご購入を検討中の方は、豪華特典満載な今年中のご購入が絶対オススメです!導入のご相談は下記フォームからお気軽にお問い合わせください。 ハイブリッドエンジン、Pro Tools アップデート情報に関するウェビナーも近日開催予定です。詳細は下記ページから。 https://pro.miroc.co.jp/headline/protools-hybridengine-seminar/#.YVJxd2b7TOQ
Event
2021/09/24

生まれ変わったPro Toolsのコア機能「ハイブリッドエンジン」についてのセミナーが開催!

Pro Tools | CarbonやHDXシステムのパフォーマンスを最大化させるハイブリッド・エンジンをより効果的に活用するため、その機能や活用方法をより深く掘り下げてご紹介するオンラインセミナーが開催されます。 Pro Toolsハイブリッド・エンジンDeep Diveセミナー 主催:アビッドテクノロジー株式会社 日時:2021年9月30日(木) 16:00~17:00 場所:オンライン開催 講師:ダニエル・ラヴェル氏 (Avid Technologies APAC オーディオ・ソリューション・スペシャリスト マネージャー)、 小笠原 一恵 氏 (同社 ソリューション・スペシャリスト) 参加費:無料 *こちらから事前申し込みをおこなってください。 昨年末、Pro Tools | Carbonで搭載されたハイブリッド・エンジンは、CPUのパワーとDSPのスピードを融合、システムのパフォーマンスを最大限に引き出し、録音時のレイテンシーを最小限に抑えることで、すべてがより高速で、レスポンスがよくなった画期的なシステムです。今年6月にはHDXにも搭載され、ネイティブ・パワーによるボイス管理により、DSPの負担を軽減、大規模なセッションもより管理しやすくなっています。 本セミナーでは、Pro Tools | CarbonとHDXのハイブリッド・エンジン仕様の比較、並びに最新版のPro Tools | Ultimateのアップデート情報も併せてご紹介します。Pro Tools | CarbonやHDXを使ったハイブリッド・エンジンのメリットやノウハウなど、レコーディングやミキシングの作業効率向上に役立つ情報をお届けします。 皆さまのご参加をお待ちしております。 Pro Tools の基本的な動作方式を根底から革新したハイブリッドエンジン。その恩恵を最大限に活用するために役立つ知識が得られる本セミナー。参加費も無料のため、お時間が合う方はぜひご参加をご検討ください。 また、ハイブリッドエンジンが初めて実装されたPro Tools | Carbonは、年末までにご購入・アクティベーションをおこなっていただくことで、なんとPro Tools | UltimateとAuto-Tune Hybridが無償で手に入るというモンスタープロモーションを開催中!プロモーション情報はこちらからご確認ください!
Sales
2021/09/14

RX 9 / PPS 6発表記念セール開催!最新版をお得に手に入れるチャンス!!

業界標準のノイズ除去ソフトウェア”RX"の次期バージョンとなるRX 9、そして、そのRX 9を含むバンドルである Post Prodution Suite 6が今秋リリース予定という情報が発表されました! 発表を記念し、9月14日0:00〜10月12日までの期間中にRX 8、または、Post Prodution Suite 5を登録いただいたユーザー様は、無償でRX 9もしくはPPS 6を手に入れることが出来るアップグレードセールを実施いたします。 RX 9 / PPS 6発表記念セール 期間:2021年9月14日(火)〜10月12日(火) 概要:下記対象製品を特別価格で提供。さらに、上記期間中にアクティベートされたRX 8 / Post Prodution Suite 5 は無償で時期バージョンへアップグレード可能に! ※重要なご案内 ・無償アップグレードの権利を得るにはセール期間中(10/12)までに製品を登録いただく必要がございます。 ・Standard / Advancedのみ9へアップデートされます。Elementsは9へのアップデート自体がありませんのでご注意ください。 ・7月"RX夏の陣”セールでRX 8を購入いただいた方へ。8から9へのアップグレード価格は例年より安く、今回のセール価格と7月の最安値価格の差額相当になっておりますので、7月一足先にRX 8を購入いただいたという方が損をすることはありません。 ・今秋リリースされるRX 9のイントロセール価格を11月のブラックフライデーにて下回ることはありません。 キャンペーン対象製品 新規ライセンス RX Elements (v8) 通常販売価格:¥14,960 → 特別価格:¥3,500(本体価格:¥3,182) RX 8 Standard 通常販売価格:¥46,090 → 特別価格:¥35,200(本体価格:¥32,000) RX 8 Advanced 通常販売価格:¥138,490 → 特別価格:¥94,100(本体価格:¥85,545) RX Post Production Suite 5 通常販売価格:¥230,890 → 特別価格:¥117,600(本体価格:¥106,909) クロスグレード RX 8 Standard crossgrade from any paid iZotope product (including Exponential Audio) - iZotope、または、Exponential Audio 製品をひとつでもお持ちのユーザー様向け(無償製品を除く) 通常販売価格:¥46,090 → 特別価格:¥17,600(本体価格:¥16,000) アップグレード RX 8 Standard upgrade from any version of RX Standard, RX Advanced or RX Post Production Suite 通常販売価格:¥22,990 → 特別価格:¥11,700(本体価格:¥10,636) RX 8 Advanced upgrade from RX Elements/Plug-in Pack 通常販売価格:¥123,640 → 特別価格:¥58,800(本体価格:¥53,455) RX 8 Advanced upgrade from any version of RX Standard 通常販売価格:¥92,290 → 特別価格:¥47,000(本体価格:¥42,727) RX 8 Advanced upgrade from any version of RX Advanced (or RX Post Production Suite) 通常販売価格:¥46,090 → 特別価格:¥35,200(本体価格:¥32,000) RX Post Production Suite 5 upgrade from RX Elements/Plug-in Pack 通常販売価格:¥216,040 → 特別価格:¥82,300(本体価格:¥74,818) RX Post Production Suite 5 upgrade from any version of RX Standard 通常販売価格:¥184,690 → 特別価格:¥58,800(本体価格:¥53,455) RX Post Production Suite 5 upgrade from any version of RX Advanced 通常販売価格:¥92,290 → 特別価格:¥47,000(本体価格:¥42,727) RX Post Production Suite 5 upgrade from RX Post Production Suite 1-2 通常販売価格:¥57,640 → 特別価格:¥35,200(本体価格:¥32,000) RX Post Production Suite 5 upgrade from RX Post Production Suite 3 通常販売価格:¥57,640 → 特別価格:¥35,200(本体価格:¥32,000) RX Post Production Suite 5 upgrade from RX Post Production Suite 4 通常販売価格:¥57,640 → 特別価格:¥35,200(本体価格:¥32,000) 9/30まで!こちらのセールも合わせてチェック!! ナレーター/ V-Tuber完パケバンドル (RX 8 Standard, Nectar 3 Plus) Crossgrade from any paid iZotope products - iZotope 製品をひとつでもお持ちのユーザー様向け(無償製品を除く) 通常販売価格:¥86,350 → 特別価格:¥19,900(本体価格:¥18,091) Dialogue Match Crossgrade from any paid iZotope Products - iZotope 製品をひとつでもお持ちのユーザー様向け(無償製品を除く) 通常販売価格:¥69,190 → 特別価格:¥11,700(本体価格:¥10,636) BreakTweaker Expanded 通常販売価格:¥28,820 → 特別価格:¥1,200(本体価格:¥1,091) Iris 2 通常販売価格:¥17,270 → 特別価格:¥1,200(本体価格:¥1,091) Nectar 3 Plus 通常販売価格:¥28,820 → 特別価格:¥9,300(本体価格:¥8,455) Neutron 3 Standard 通常販売価格:¥28,820 → 特別価格:¥9,300(本体価格:¥8,455) Ozone 9 Standard 通常販売価格:¥28,820 → 特別価格:¥11,700(本体価格:¥10,636) VocalSynth 2 通常販売価格:¥22,990 → 特別価格:¥5,800(本体価格:¥5,273) Nectar 3 Plus Crossgrade from any paid iZotope products - iZotope 製品をひとつでもお持ちのユーザー様向け(無償製品を除く) 通常販売価格:¥28,820 → 特別価格:¥5,800(本体価格:¥5,273) Neutron 3 Standard Crossgrade from any paid iZotope products - iZotope 製品をひとつでもお持ちのユーザー様向け(無償製品を除く) 通常販売価格:¥28,820 → 特別価格:¥5,800(本体価格:¥5,273) Ozone 9 Standard Crossgrade from any paid iZotope products - iZotope 製品をひとつでもお持ちのユーザー様向け(無償製品を除く) 通常販売価格:¥28,820 → 特別価格:¥8,200(本体価格:¥7,455)
3D Audio
2021/09/14

Sound on 4π!このムーブメントをシェアしよう!

2021年、いよいよ本格化してきたDolby Atmos Music。音に包み込まれるという体感は今までになかった新たな感動体験を得ることができますよね。今回はそんなイマーシブオーディオへの憧れに想いを馳せているバウンス清水が、Dolby Atmosの匠である染谷和孝氏、古賀健一氏の両名にその魅力から制作の秘訣に至るまで、ざっくばらんに伺っちゃいます!Dolby Atmos環境を整えた古賀氏のXylomania Studioで語られたその内容とは!? 染谷 和孝 氏(株式会社ソナ) 1963年東京生まれ。東京工学院専門学校卒業後、(株)ビクター青山スタジオ、(株)IMAGICA、(株)イメージスタジオ109、ソニーPCL(株)を経て2007年(株)ダイマジック、2014年には(株)ビー・ブルーのDolby Atmos対応スタジオの設立に参加。2020 年に株式会社ソナ制作技術部に所属を移し、サウンドデザイナー/リレコーディングミキサーとして活動中。 2006年よりAES(オーディオ・エンジニアリング・ソサエティー)「Audio for Games部門」のバイスチェアーを務める。また、2010 年よりAES日本支部役員を担当。 古賀 健一 氏 レコーディング・エンジニア。青葉台スタジオに入社後、フリーランスとして独立。2014年にXylomania Studioを設立。これまでにチャットモンチー、ASIAN KUNG-FU GENERATION、Official髭男dism、MOSHIMO、ichikoro、D.W.ニコルズなどの作品に携わる。また、商業スタジオやミュージシャンのプライベート・スタジオの音響アドバイスも手掛ける。 バウンス清水(ROCK ON PRO) 大手レコーディングスタジオでの現場経験から、ヴィンテージ機器の本物の音を知る男。寝ながらでもパンチイン・アウトを行うテクニック、その絶妙なクロスフェードでどんな波形も繋ぐその姿はさながら手術を行うドクターのよう。ソフトなキャラクターとは裏腹に、サウンドに対しての感性とPro Toolsのオペレートテクニックはメジャークラス。Sales Engineerとして『良い音』を目指す全ての方、現場の皆様の役に立つべく日々研鑽を積み重ねている。 音はスクリーンの外も表現できる! バウンス清水(以下、BS):本日は宜しくお願いします!最初に一番のテーマというか、、一番聞きたかったことをいきなり伺っちゃいます!硬くてスミマセンが、Dolby Atmosの魅力をお二人がどうお考えで、それをどう作品に反映させているのか、というのをお聞かせいただけますでしょうか。 古賀健一氏(以下、K):まず最初に魅力を感じたのはライブミックスですね。元々ライブをどう再現するかっていうのが課題としてあって、サラウンドでミックスしていても何か物足りないな、っていうのがずっとあったんです。会場では上下左右の音を聴いていて、それを僕らは音楽として気持ちいいと思っているから天井にスピーカーがあるというのは会場の再現としてとても効果的だと思います。Dolby Atmos Musicの音だけのミックスはまだやっていないのですが、無限の可能性があるのでアーティストと一緒に何か一つ作品を創ってみたいというのが正直なところですね。自由なキャンパスの中でどうアレンジ・ミックスするか、自分でもワクワクします。 染谷和孝氏(以下、S):僕の方は映像作品が中心なので、映像にまつわることが多くなってくるんですけど、一つ言えることは高さ方向が加わるということは表現力が大きく向上するということですので、音響演出上のポテンシャルが上がったということが大きいですね。古賀さんのお話でもありましたけど「ライブ会場にいる感覚」や「その場にいる感覚」みたいなものが明確に表現できるようになったというのが魅力ですかね。イマーシブは没入って意味じゃないですか、没入感が高くなる、そういった効果が見込めるようになったことですかね。 BS:リアリティを求めて、ってことなんですかね。 S:そのリアルって言葉が難しいんですけど、本当の音場と視聴者の皆さんが感じるリアルっていうのはまた違うんですよ。これはまた別のお話になってきますが、そうですね、簡潔に言えばリアルに感じてもらえる仮想空間を作りやすくなった、というのが一番いい表現かもしれませんね。 BS:さきほど古賀さんのお話に出たDolby Atmos Musicって、言い換えれば音をひとつずつ空間に配置して作品を作るという新たな手法が始まったとも言えると思うんですが、染谷さんもそういった自由度の高い作品って経験されてきたんでしょうか。 S:そうですね、映像作品ですと映像ありきですからね。たとえば、今回の古賀さんとコラボしたライブ作品とかですと、その空間をどのように表現していくべきか?といった「アイデア」を提案できて、しかもそのコントロールを任していただけるようになったというのが大きいですかね。 BS:まず空間を決めるんですか、こういう場所で、どれぐらいの大きさなのかとか。。 S:映像表現は通常スクリーンの中だけですが、音はスクリーンの外も表現できるんですよね。たとえば、登場人物がスクリーンに入って来る前から音を付加することで映像には映りませんが、何かを予感させることができる。そこに高さ方向が加わるので、とても表現力が高くなりますよね。ただ自由度が上がる分しっかり整理していないと時間ばかりかかってしまいます(笑)。 BS:そうですよね!極端なことを言えばスクリーン以外の部分でストーリーが作れてしまうということですもんね! S:そうなんですよ。オフスクリーンの音響表現も可能ですから、どういうふうに整理整頓して観ている皆さんの没入感を削ぐことなくストーリーを展開するかっていうのはサウンドデザイナーの腕の見せ所じゃないですか。 BS:なるほどー、それは腕と頭脳が要りますよね。。ヤバい!ボク、整理整頓は超苦手っす! ムーブメントをシェアしよう! BS:Dolby Atmosは自由度が高いが故の難しさもありそうですよね。現代っ子風に聞いちゃいますが、ズバリAtmos制作のコツとかってありますか? S:やはり基本になるのは5.1chだと思います。なので、5.1chの基本的な手法をしっかりマスターしておくとAtmosは作りやすいと思いますね。 K:そうですね。5.1chでこうやりたいのにできなかった、ということをDolby Atmosではやれますからね。 BS:なるほど!サラウンドの経験があると近道なんですね!近道大好きです! S:多分もう古賀さんの頭の中にはAtmosのフォーマットが入っていて、具体的なプランが聴こえていると思うんですよ。頭のなかに7.1.4とか9.1.4があると早いと思いますね。 BS:まず体験するということが大事ということですね! K:そうですね、この世界を知らないのはもったいなくって、制作者側にも知ってもらいたいですよね、なんせマスキングがないですから! BS:マスキングがないというのは大きいですよね!ボクもそれは新鮮だと思います。やはり、アーティスト側がいかにAtmosに触れるかが大事な気がするんですが、そういう機会を増やすことが必要ですよね。 K:このスタジオに来たらいいですよ。気軽に聴ける為に作りましたからいくらでも聴かせますよ!(笑)。 S:そうですね。僕らもいろいろなところで提案をさせていただいていますが、やはりシェアをすることが大切なんじゃないかなと思いますね。ムーブメントって独り占めするんじゃなくてみんなで共有しないと続いていかないと思うんです。だからこういうAtmosやイマーシブの説明も多くの方々とノウハウの技術共有するべきだとすごく思うんですよね。世界の人たちは普通に共有していますしね。 K:Atmosってエンジニア同士のコラボができるんですよね。StereoエンジニアとAtmosエンジニアのコラボレーションっていう感じとか。例えば演劇のAtmosだと、PAエンジニアとMAエンジニアのコラボっていうのもできるし、今回のヒゲダンさんも染谷さんと僕とMAエンジニアとのコラボだし。生配信ライブで、Stereo配信とAtmos配信チームのコラボもしました。 S:みんなで創るっていうのが大事ですよね。 BS:音楽制作でいうコラージュみたいな感じですね!ひとつのアーティストに対してさまざまな人が関わって、いろいろな人のカラーが出るようにするみたいな。エンジニアリングの部分もそうなっていくべきという感じですかね? K:今までもひとつのアーティスト作品に対してさまざまなエンジニアが関わることはあっても、エンジニアはその場に二人はいなくて、でき上がったものを集めるような関わり方だと思うんですよね。そうではなくてひとつの作品に向かって、同じ空間に技術者が複数いて作業するっていうのはとても楽しいことですよ! S:ツールもコンパクトになって、パーソナルでいろいろなことができるようになっています。ヘッドフォンではバイノーラルのモニターになりますが、ベーシックなことはできるようになっているので、とてもいいチャンスだと思います。 BS:そうですよね!ProTools とDolby Atmos Production Suiteがあれば制作は始められますもんね! S:家でベーシックを創って、古賀さんのスタジオに創った素材を持って来てAtmosミックスを仕上げるとか可能性は広がりますね。準備ができるってすごいことですよ! 立体音響ってものに触れてほしい! BS:お二人の話を聞いているとAtmosやるぞー!って気持ちがさらに高まってきました!!うぉーーー!!ちなみにお二人はDolby Atmosやるぞ!となったきっかけみたいなのはあるんですか。 S:AESとかではDolby Atmosというか、ハイト方向のサラウンドっていうのは、2000年明けたぐらいからデモンストレーションをやっていたんですよね。表現力がとんでもなくて、次ってこうなるんだなって思ってたんですけど、フォーマットとしてDolby Atmosが出てきて、それがだんだん浸透してきて、ツール自体も手が届くようになってきたので、新しいことにチャレンジしたい人たちはやはりその方向に進みますよね。なので、必然的に導かれて行ったというのが本当のところだと思います。 K:僕は清水さんのおかげですよ。 BS:えっ!ボクですかっ!? K:そうですよ。清水さんがいきなりAtmosっていうワードを出してきたとき、僕はまだ5.1chやVR Mixを一所懸命やっていて、Atmosって別の次元の話だと思ってたんですよ。でも清水さんが電話で「古賀さんAtmosやったらいいじゃないですか。Atmosで作って5.1chにダウンミックスすればいいんですよ、僕もパソコンでやってますよAtmos。」とか言っててですね。「はい?!?!」ってなりました(笑)。 そこから興味を持ったんですよね! BS:めちゃめちゃ偉そうですね、ボク(笑)!でもそう言っていただいて嬉しいですよ〜! K:で、その言葉がひっかかったまま、ハリウッドに勉強しに行く機会がちょうどあったんですよ。そのとき、ソニー・ピクチャーズのスタジオがちょうどAtmosに改修している最中とかで「やっぱりそういう時代になるよな」って思って。日本でもInterBeeでの展開とかNetflixの話とか聞いて、これはやっぱりやるしかないなって。ちょうど会社を作ろうとしていたタイミングでスタジオも作り直す予定だったので、もうAtmos対応にしちゃおうってなって始めた感じですね。 BS:いろいろタイミングが重なった感じなんですね。すごいっす。 K:当時は5.1.2chでいいかぐらいの軽い気持ちでしたが、最終的には9.1.4chになりました(笑)。 Xylomania Studio インタビューは古賀氏のスタジオとなるXylomania Studioで行われた。こちらはPMC twotwo6、twotwo5にて9.1.4chの環境を整えており、システムの中枢にはPro Tools | MTRXが据えられてDolby Atmosのモニタリングを司っている。また、もう一つのラックにはBlu-rayのAtmos作品視聴用にDENONのAVC-A110が鎮座。FerroFishのPulse 16 MXにてADしMADIでMTRXへ送られている格好だ。Dolby Atmos RendererはMac miniにて構成されたHT-RMUシステムとなっており、ProToolsとの接続はMADIで行われている。 BS:そういえばRockoNのリファレンススタジオもAtmos対応にしたんですよ。先ほども言ってましたが、まずDolby Atmosを体験してほしいですよね! K:これから10年で伸びるジャンルだと思うんですよ、立体音響は。別にDolby Atmosじゃなくていいんですよ、AuroでもDTSでもいいんです。まず、立体音響ってものに触れてほしいですね。 S:僕もそう思いますね。フォーマットはいろいろありますけど、体験したことがあれば、違うフォーマットでも流用できるんですよ。チャンネルベース、オブジェクトベースの差はあるにせよ、発想としては同じことだと思います。 K:そういえば、チャンネルベース、オブジェクトベースって最初よくわからないですよね(笑)。いまでこそすんなり入って来ますけど。 BS:いままでなかった概念ですもんね。 S:オブジェクトベースっていうのは「位置情報と音質・音量をミックス」するんですよ、それをやっておくと大きい会場になってもその位置情報と音量・音質はキープされ、いろんな部屋のサイズに合わせてレンダリングしてくれることがオブジェクトベースの素晴らしさですからね。 K:アーティストといつも課題になる"再現度"が上がるっていうのが、Atmosの良さですよね。 S:そうですね。またAtmosは基本になるBedsトラックとオブジェクトトラックで構成されていますから2つの定位表現ができるというのが、とてもいいところですよね。 BS:Beds、オブジェクトの使い分けって決まっていたりするんですか? K:例えばVocalでいうとちょっと上に音を定位したいとかってあるじゃないですか。僕は上に定位させたオブジェクトを用意しておいて、ちょっと上げたい時にそこにセンドする、っていう手法を使ってます。サビだけそこに送ったりして、印象を変えたりしますね。 BS:基本はBedsでやっているってことですか? K:まだ試行錯誤中ですが、オブジェクトのセンターとハードセンターって聴こえ方が違って聴こえることがあって使い分けてます。オブジェクトの時はSizeを積極的に調整したりしますね。 BS:オブジェクトはそんなに多くない?ってわけですか。 K:ヒゲダンさんの時は最終的にはオブジェクトは70~80ぐらいですかね。 BS:多いですね(笑)! K:まぁ、ある程度はBedsで頑張って、オブジェクトを効率的に使うって感じですね。想像力が無限に働くのでやってみたいことはいっぱいあるし、やれることもいっぱいある。自分自身の想像力次第ですね、ほんと。 もうこの際、、、手の内教えてください! BS:Dolby Atmosってマスタリングってどうすればいいですか?っていうのが疑問であるんですけど。 S:そこはテーマですよね。映像作品においての話をしますとですね、マスタリングということではないんですが、実はマルチチャンネルの音響制作を確実に成功させる方法があるんですよ(笑)。 BS:確実に!? S:ワークフローから考えると制作プロセスは4つに分割されます。それは①レコーディング、②エディティング、③プリミキシング、④ファイナルミキシングの4つです。①レコーディング、②エディティングは皆さんも頻繁に行っていると思いますのでワークフロー的な世界との差はそんなにないと思うんですが、次のプリミキシング。日本だとどうしてもこの部分を割愛しちゃうんですよね。 K:音楽においてはないですもんね。ほしいですけど。 S:日本でプリミキシングというと、各パートの音源を合わせることになっちゃうんですが、本来はそういうことじゃなくて、素材の段階から各音源をどのように立体化していくかっていうことを処理していきます。たとえばBGと呼ばれる環境音。これを立体化させるためにどういう風なサウンドデザインを行うべきか?は、ある程度のセオリーとマイルストーンが決まっているんですよ。それをハリウッドの人たちは合理的に組み上げていくノウハウを持っていて、それをなぞっていくんですよ。だから、ああいう濃厚で斬新なサウンドができてくる。たとえばLFEの使い方も全然違うじゃないですか。成功に導くためのセオリーとマイルストーンに沿って作っていく、そこに高さが加わっただけなので、彼らはAtmosだからって違和感なくすんなり入っていけるんですよね。昔からの合理的な手法を大切にして進化させているんです。王道は崩してないんですよ。 プリミックスの順番としてお勧めしているのは最初にダイアログ、その次にフォーリーに進めます。この時に環境合わせたReverbも付加します。具体的にはシーンに合った部屋の響きなどを付加するわけです。なぜ、ダイアログの後にフォーリーなのかっていうと、ダイアログの動きにフォーリーも合わせたいからです。その次にバックグラウンドノイズにいって、全体を聴いてみてだんだん雰囲気ができてくるわけですよ。全ての効果音源を組み上げてプリミックスを終わらせるという感じですね。 BS:オンの音から作っていくイメージですかね。オンの音からオフの音へというような。 S:そうですね。また、爆発音みたいなパルシブな音の時は、必ずダイアログを聴きながらプリミックスを進めます。大切なストーリーテリングであるダイアログを妨げないように定位に配慮します。マルチチャンネルの音響制作を成功に導くには、まず①「周波数分布を考えてサウンドデザインを行うこと」、②「定位配分分布を考えること」、最後は③「バランス」ですよ。 Mono のバランス勝負です。 BS:なるほどぉ〜! K:レコーディングだとマイキングの意識は変わりましたね。高さ情報を録りにいくマイキングが増えました。後でなんとかしようというAtmosと、最初から高さ情報を録ってあるAtmosでは明らかにリアリティが違うんですよね。正直、Reverbで作れるものではないと思っています。より完成を見据えて録るようになりますよね。「あとでなんとかしよう。精神」を打破するやり方ですよね。 BS:ミック沢口さんも同じようなことをおっしゃってましたよ。レコーディングは覚悟だと。 K:やった!目指せ、匠(笑)!ただ、マイクの本数増えるんでアシスタントに嫌われます(笑)。レコーディングは「完成をイメージする」というのが重要ですね。 BS:でも、どうしてもReverbかけるじゃないですか、音を作るために。Reverbの置き位置ってどうされているんですか? K:7.1.2chのReverbはだいたい法則化できましたね。でも、大事なのはやっぱりL / Rの空間はちゃんと作んなきゃダメです、奥行きを表現しておくのはリバーブに限らず大切です。 BS:いままでのStereoをしっかり作った上で、ということですね!その先はどうやって進めていくんですか。 K:Stereoミックスがよければ、Upミックスしただけでもうすでに気持ちいいんです。最初はそれでもいいかもしれないなって思います。Upミックスして気持ちいいStereoミックスを作るみたいな(笑)。で、Reverbの話ですが、天井は7.1.2chのReverbまでしかないので、僕はQuad Reverbをオブジェクトで上に置きます。それと7.1.2chのReverbを足すと、上に6chのReverbができるのでそういうやり方をしてます。Reverbについても想像力が大事ですね。でもやっぱりマイク立てる方がいいですね。 BS:Atmos Musicとなると実際に録音したマイクの音っていうのはないわけじゃないですか。そうするとReverbを駆使してという感じですかね。 K:でも何かしらレコーディングはするじゃないですか、きっと。ドラム録ったり、ストリングス録ったり、ギターアンプ鳴らしたり。そういう時にオフマイクを立てておいて、後ろの配置してあげたり。Ambeoみたいな一次アンビソニックスマイクを立てておけば、あとでいろいろ変換できますしね。 BS:なるほど!マスタリングについてはどうですか。 K:音楽のマスタリングだとマスタリングで2ミックスにさらに音作りをしてブラッシュアップみたいなことをすると思うんですが、Atmosだとそれができないんですよね。それで考えたのがステムミックスをする感覚でマスタリング用のADMファイルを作ることにしたんです。ミックスが終わったらADMファイルにして、で、ミックスの時にステムミックスをする感覚でグループ分けしたBedsチャンネルを作ったりして。それをマスタリングエンジニアに来てもらってさらに客観的にレベルの調整やEQを再度するっていう。 BS:そのステムミックスを作って行くのって、染谷さんがおっしゃっていたプリミックスに該当する部分のように思うんですが。 K:そうですね。それの音楽版という感じですよね! BS:やはりまとめ上げる前の下準備が大事ということですね。とても参考になりました!最後になりますが、、Dolby Atmos MusicやSony 360 RAが始まりましたが期待感はどうですか。 K:いやぁ、ほんと広まるといいですね!とても期待してますよ。やはりまず体感してほしいですよね、みなさんRock oNに聴きに行ってください(笑)。 S:そうですね!試聴会とかセミナーとか開催するのが良いのではないでしょうか? BS:やりたいですね!その際はお二人のお力もお借しください!本日はありがとうございました! どのお話もDolby Atmos Musicをかじり始めているバウンス清水にとっては刺激的なものばかり。もう、すぐにでも試してみたい!という気持ちの高まりが抑えきれません!うぉーーー!!そして、お話の後に思い至ったのは、やはりDolby Atmosがリスナーに与える感動はStereoの何倍もあるぞ、ということ。このムーブメントが一人でも多くのリスナーに届いてシェアされる、それがコンテンツの持つ感動という力をさらに倍増させるのかもしれませんよね!みなさんもぜひご一緒に! 右:染谷 和孝 氏(株式会社ソナ)、左:古賀 健一 氏、中央:バウンス清水(ROCK ON PRO)   *ProceedMagazine2021号より転載
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2021/09/03

オゾンとUVの力で手軽に除菌〜ViolaWave国内取扱開始!

API、Amphion、Prism Sound、Soyuzなど、高品位なオーディオ製品の国内代理店として有名なミックスウェーブ株式会社が、今まさにオーディオ業界が求める喫緊の課題を解決する新たなブランドの取扱いを開始したことが発表されました。 同社が9月8日より新たに販売を開始するViolaWave(ヴィオラウェーブ)は、オゾンと紫外線を使用することで、高リスクにもかかわらず除菌が困難だったマイク(特にコンデンサーマイク)やイヤホンを効果的に、かつ、手軽に除菌することができる画期的なソリューションを提供します。 ViolaWave製品は除菌効果の高い紫外線とオゾンを組み合わせることで、紫外線のみでは届かない箇所まで確実に除菌。従来のスプレー式消毒剤とは異なり、液体を直接吹きかけることはないため、繊細なオーディオデバイスにも安心して使用できます。 ライブやジャムセッションのシーンでは、すでにエチケットとして浸透しているマイクの除菌。ViolaWaveを使えば個人持ちのマイクやインイヤーモニターも安心して除菌できますね!しかも、中に入れられる大きさならメガネやペンなどの日用品も除菌が可能です! 詳細はミックスウェーブWEBサイトをご覧ください! 除菌力だけじゃない!使いやすさの4つのポイント ポータビリティー 製品の本体は特殊なシリコンを配合し、伸縮性があり、折りたたんで持ち運べます。そのため会議、テレビ、ラジオ、ライブ、レコーディング、カラオケ、パーティーなどの活動に最適です。 充電&外部電源 内蔵バッテリーを備えていますので、外への持ち出しも可能です。USB ポートを備えており、内蔵バッテリーを30分で充電完了します。また、USBポートは外部電源入力として使用することができます。 マイク全体を除菌 マイクのグリル部分だけを除菌する装置や、全体除菌でも紫外線だけを当てる装置は既存製品としてありました。しかしViolaWave は紫外線とオゾンの両方で細部まで除菌するため、手が触れるハンドル部分からグリルの内部まで、しっかり除菌します。また、形状を問わないため、デリケートなダイアフラムが故に掃除が困難とされていたコンデンサーマイクにも使用できます。 マイクやイヤホンだけでない! スマホ、メガネ、食器、アクセサリー、ペン、マスク、靴下… 入れば何でも除菌可能。 製品情報 ViolaWave / ROCKET 販売価格:¥12,650(本体価格:¥11,500) ワイヤレスマイクやコンデンサーマイクにも対応する、伸縮式の大型サイズ。マイクだけでなく、メガネや日用品などにも対応します。 外形寸法(展開時):330mm、直径 70mm 外形寸法(折畳時):240mm、直径 70mm 内部寸法(展開時):300mm、直径 63mm 重量:321g ViolaWave / GRENADE 販売価格:¥10,120(本体価格:¥9,200) イヤホンやアクセサリーにお勧めの小型サイズ。 カラビナ付で、バッグに付けて持ち出すのにも便利な仕様となっています。 外形寸法:100mm、直径 70mm 内部寸法:67.85mm、直径 63mm 重量:125g コンデンサーマイクにも安心して使える除菌/消毒グッズというのは、これまでありそうでなかったソリューション。サイズも価格もお手頃な上に、その効果にも期待できそうなViolaWave製品の国内流通開始は2021年9月8日を予定しています。 ご予約、ご購入のご相談はぜひROCK ON PROまで!
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2021/09/02

放送業務に携わる皆様は必見!Media ComposerとPro Tools統合ワークフローウェビナー開催

来週 9月8日(水)、ビデオ編集ソフトウェア Media Composer と音楽編集ソフトウェア Pro Tools の効率の高いコラボレーションをご紹介するオンラインセミナー「Media ComposerとPro Tools統合ワークフロー」が開催されます。 このウェビナーでは、ビデオおよびオーディオ・ソリューションを一社で提供するAvidならではの映像と音響のコラボレーションに関して、特に番組制作や報道制作で必要とされるケースを、小規模チームでの連携から大規模なエンタープライズ施設で求められるソリューションまで、AAFファイルの活用・Avid NEXISストレージ・Video Satellite機能・MediaCentral | Production Managementの使用の4つのステップに分けて提案します。 また、Avidの統合ワークフローを活用されている株式会社テレビ朝日様の事例も併せて紹介される予定です。 詳細は下記概要、および、お申し込みサイトをご覧ください。 Media ComposerとPro Tools統合ワークフローウェビナー 主催:アビッドテクノロジー株式会社 日時:2021年9月8日(水) 15:00~16:00 場所:オンライン開催 参加費:無料 *事前申し込みが必要です。 参加方法:こちらから事前申し込みをおこなってください。 映像と音声のコラボレーションが必須の番組制作・報道制作。Avidが提供する統合的なソリューションについて知るための、絶好の機会といえるでしょう。 https://pro.miroc.co.jp/headline/avid-pro-tools-carbon-promotion/#.YTCXIdP7Q-R https://pro.miroc.co.jp/headline/pro-tools-2021-7/#.YTCXQ9P7Q-Q
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2021/08/31

本日開催!!〜作編曲家 関 美奈子氏と対談!「Sibelius for mobile活用ウェビナー」

Sibeliusファミリー最新の 「Sibelius for mobile」 を最大限活用するためのセミナーが開催されます。先月ローンチされたばかりのこのアプリはSibeliusをiPadで使用することができるもので、作品を自由に持ち運んでいつでもどこにいても作業が可能になります。 このウェビナーでは、作編曲家 関 美奈子氏にAvidのSibeliusアプリケーション・スペシャリスト 小笠原 一恵 氏がお話しを伺いながら、楽譜作成ソフトウェアSibeliusと最新のアプリ Sibelius for mobileをデモを交えてご紹介します。 Sibelius for mobile活用ウェビナー 主催:アビッドテクノロジー株式会社、株式会社リガサウンド 日時:2021年8月31日(火) 20:00~21:00 場所:オンライン開催 参加費:無料 *事前申し込みが必要です。 参加方法:こちらから事前申し込みをおこなってください。 ゲスト紹介 関 美奈子(セキ ミナコ)氏 作編曲家。東京芸術大学音楽学部作曲科卒、同大学院修了後、アニメ、ゲーム、ドキュメンタリーや報道番組などの音楽制作に携わる。楽曲のデモ作りからレコーディング用の譜面制作までProToolsとSibeliusの組み合わせで行なっている。代表作:TVアニメ「ブラッククローバー」「キングダム」、ドキュメンタリー「空旅中国」「イギリスで一番美しい庭 ダルメイン」、自主プロジェクト「ARKHEMINA」 、編曲参加ではゲーム「ロマンシング サガ リ・ユニバース」等。 洗足学園音楽大学准教授(音楽・音響デザインコース)、日本作編曲家協会常任理事。
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2021/08/27

現役サウンドデザイナーによる実践レビュー!vol.4 ~Le Sound AudioTextureで短い素材も手軽に活用

既存のライブラリから音源を選び、尺を合わせて加工して、足りない音は収録…という従来のワークフローとはまったくことなるアプローチでサウンドデザインの世界を拡げるLe Soundプラグインは、効果音をシンセサイズするという、プロシージャルオーディオのコンセプトにもとづいたアプローチで自由自在なサウンドメイクを可能にします。 このLe Sound製品を、TV番組、CM、アニメーション、イベントなど幅広い分野で大活躍中のサウンドデザイナーである安江史男 氏(Tacit Knowledge Sound LLC)、荒川きよし氏(株式会社 Async)のおふた方に実際に使用していただき、実践的な使い方を教えてもおう!というこの企画。 全6回予定の第4弾は株式会社 Async 荒川 きよし 氏によるAudioTextureの実践レビュー。今回のテーマは素材から手軽にループを作成できるAudioTexture。前回同様、実際の番組制作にご活用いただいたということで、スペシャルムービーを使用した比較動画をご用意いただきました! 第1弾 安江氏によるAudioElec編はこちら>> 第2弾 荒川氏によるAudioWind編はこちら>> 第3弾 安江氏によるAudioTexture編はこちら>> 荒川 きよし 氏 プロフィール   1996年、NHK入局。 1998年より音響効果業務を担当。ドキュメンタリー、子供番組、コントやドラマなどジャンルレスに対応。   2018年に独立し株式会社Asyncを設立。現在はアニメーション、バラエティ、ドラマ、CM、web、映画などで、選曲と効果音をトータルでデザインしている。 AudioTextureを使用して、素材の尺を自然に伸ばす 今回はLE SOUNDの「AudioTexture」を使用したレビューをしていきます。 効果音を準備していると、「この素材使いたいけどちょっと短いんだよなぁ…」ということはよくありますよね。でもその音が古い音だったりするとその素材しか存在しなかったりするわけです。 その場合はその音をDAW上でエディットして尺を稼いだりするわけですが、短めの素材だと一定のリズムのループ感が出てしまうので、それをなくすためにループするポイントをランダムにずらして貼り付けて…ということが必要になってきます。 AudioTextureを使用すると、その作業を自動的に行ってくれるのですが、それだけではなく、さらにピッチコントロールのパラメータもあるのがミソです。 「短い素材をループ感なく伸ばしながら、映像を見ながらピッチのオートメーションをいじる」というオペレーションがごく短時間でできてしまいます。 実際やってみます。 こちら、バイクのアイドリングの4秒ほどの短い素材です。 普段はこのぐらい短い素材しかないとなると映像と合わせて使うのはちょっと厳しいかなと思ってしまいますね。なので今回はあえて短い素材にしてみました。 このファイルをAudioTextureに読み込ませます。 右上のLOADをクリックで自分のwavファイルをインポートすることができます。ウインドウにファイルをドラッグでも大丈夫です。ファイルパスの途中に日本語などの2byte文字のフォルダがあるとどうも読み込めない場合があるので、英数文字のフォルダの中に置いておきましょう。 STARTを押すと音のファイルを分析して、エンジン音がループ再生されます。X Rangeでループの範囲の設定、その上のスライダーでループの位置を決め、UnitSizeでループする細切れのセグメントのサイズや、Xfadeでそのクロスフェード具合を決めていきます。 さらに、Rateのつまみでピッチをいじることができます。 実はこのコンビネーションがかなり便利で、一定のピッチではなく映像に合わせて変化する必要がある音の場合はこの機能がめちゃめちゃ助かるのです。 この元の4秒ほどの短いアイドリングのエンジン音のファイルで、バイクの発進の映像に合わせてエディットしてみました。環境音とシフトチェンジの音は別で入れました。 まずエンジン音なしのものです。 これはこれで静かなバイクで面白いですね… 次にAudioTextureでエンジン音を入れたものです。 さすがに元がアイドリング音の4秒だけのファイルなのでピッチ変化だけでは不自然だったので、EQのオートメーションやアンビエンスのリバーブもつけています。 このような感じ。 一番上のオートメーションがAudioTextureのRateのつまみのオートメーションです。 今回は極端に短いアイドリングの素材だけであえてどうなるかやってみたので、さすがに本物のエンジン音とは違ってしまうのですが、回転数の高い部分の素材などもあればさらに自然につなぐこともできそうです。 他にも、例えばSF的な効果音などに使ってみるのも面白そうです。 たった4秒のシンプルな素材から、シーンに合わせたループを作成できるAudioTexure。自動で手軽な使い方もできる一方、荒川氏にご紹介いただいたように「いかにも」なループ感をなくすための細かな設定も備わっており、さまざまなシーンで作業時間を短縮することができます。 今回登場したプラグイン以外のLe Sound全ランナップも、ぜひこちらからチェック!きっとイメージに合うサウンドがあるはずです。 今回登場したプロダクトはこちら AudioTexture 販売価格:¥44,000(本体価格:¥ 40,000) 8/31まで!半期大決算3D立体セールFINAL! 販売価格:¥8,980 (本体価格:¥8,164) AudioTextureは読み込んだサウンドファイルから、無限のループサウンドを自動で生成することができるプラグインです。 独自のアルゴリズムにより、読み込んだファイルを自然に聞こえる単位に自動で分解。指定した範囲をランダムに再生することで、非常に時間のかかる作業だった背景効果音やループ素材の制作を劇的にシンプルにすることができます!もちろん、分解するユニット単位の大きさやループ範囲などのパラメーターはコントロールが可能。求めるサウンドテクスチャーを素早く実現します! Rock oN Line eStoreで購入>> https://pro.miroc.co.jp/headline/le-sound-review-sounddesign-1-audioelec https://pro.miroc.co.jp/headline/le-sound-review-sounddesign-2-audiowind/#.YSdn5dP7Q-Q https://pro.miroc.co.jp/headline/le-sound-review-sounddesign-3-audiotexture/#.YSdnytP7Q-Q
3D Audio
2021/08/27

いま、名古屋のバイノーラル現場がアツい !! 〜テレビ愛知株式会社のバイノーラル生配信レポート〜

ここ数年、名古屋の立体音響制作界隈が実にアツい 。これまでも在名放送局各社によるバイノーラル制作事例もある中、今年3月にはFlux:: / SPAT Revolutionを用いたバイノーラル配信という実験的な取り組みをテレビ愛知が行った。どのような手法でコンテンツを提供していくのか、制作にあたってのキーポイントはどのようなものか、そして一体名古屋で何が起こっているのか。取材班が見た現地レポートをお届けする。 ●ライブライブライブ!3日遅れのひな祭り <番組情報> <You Tube アーカイブ:ライブライブライブ!(完全ノーカット版)> いまこそ求められているバイノーラル制作 アナログ放送が終了し、地上デジタル放送に完全移行して早10年。それに伴って民生向けテレビの画質もフルハイビジョンから4K、8Kと急速に変化を遂げてきた。音に関する技術トレンドは、ハイレゾ音源が普及していく一方で、立体音響へのアプローチが進む。スピーカー配列のバリエーションはステレオから平面のサラウンドになり、そこに高さ方向のスピーカーが加わってイマーシブサラウンド、と年々より臨場感のある音響制作環境へとシフトしてきており、イマーシブ対応のスタジオもここ数年で急速に増加している。 従来、そういったスタジオで制作された本格的な立体音響作品を家庭で楽しむためには、専用のホームシアター環境を整備するほかなかったが、イネーブルドスピーカーやイマーシブ対応サウンドバーの登場により、天井にスピーカーを設置しなくても気軽に楽しめるようになった。しかしながら、日本の密接した住環境を考えると、より多くのユーザーに立体音響を楽しんでもらうにはイヤホンやヘッドホンでの再生ができるようにならなくてはならない。そこで鍵となるのは、もちろんバイノーラル録音・再生の技術だ。技術自体はおよそ1世紀ほど前から存在するが、世間一般的な普及具合はまだまだ伸びしろがあると言ってもいいこの技術。令和の時代を迎え、スマホ+ワイヤレスイヤホンでOTTコンテンツを楽しむ人々が増えたいま、そのポテンシャルがようやく発揮されようとしている。 SPAT Revolutionでバイノーラル出力 テレビ愛知の番組「ライブライブライブ!3日遅れのひな祭り」が今年3月に生配信された。当日は名古屋のご当地アイドル10組による無観客ライブの模様を、You Tube Liveと在名民放4局が立ち上げた動画配信サービスLocipo(ロキポ)にて生配信。後日そのダイジェスト版がテレビでも放送されたそうだ。そして、今回テレビ愛知では初となる取り組みとして、バイノーラルステレオ音声での制作が行われた。アイドルのライブを生配信でバイノーラル配信するという実験的な取り組みだが、そのきっかけは一体なんだったのだろうか。 時は遡り昨年秋、テレビ愛知より「近いうちにアイドルのライブ配信イベントを行うので、そこでイマーシブオーディオの制作に挑戦してみたい」という旨のご相談をいただいた。以前より弊社でも行っていたバイノーラル音源のデモやInter BEEでのプレゼンなどが印象に残っており、イマーシブ制作に触れられるタイミングを窺っていたそうだ。そこで、どういった方法で音をバイノーラル化するかといった部分から検討がスタートし、各種製品検討の結果、直感的にわかりやすいGUI、そしてMACでのPro Toolsとの連携ワークフローの親和性から、Flux:: / SPAT Revolutionを使用することになる。このSPAT Revolutionでは、スピーカーを360度の仮想立体空間上に自由に配置し、任意のスピーカー配列向けに出力できるほか、バイノーラル処理して出力することも可能だ。今回はこのSPAT Revolutionからのバイノーラル出力を配信ミックスを行なっている卓に戻し、各配信エンコーダーへ渡すという手法をとることになった。 📷FLUX:: SPAT Revolution そこでまず課題となったのが、元々のステレオミックスのオケからどのようにして立体感を演出するかということ。そのためには、SPATの仮想空間上で左右上下に広く空間をとって音源を配置し、広がりを感じさせるように仕向ける必要がある訳だが、ここに関してはボーカルの配置と会場のアンビエントの組み合わせで対応した。まずボーカルの配置については、出演者のハンドマイクを仮想立体空間上にアーチ状の等間隔に並べて、それぞれの分離を良くすることで一人ひとりのボーカルがハッキリと聴こえるような配置としている。オケとなるトラックと現場で収録される演者の音声の対比をはっきりさせることで、さらに空間のコントラストをつける試みがなされた。次に会場のアンビエントについてだが、ライブでありながらも無観客、ということも今の状況下のスタジオ収録では課題となる。どのように会場の空気感を演出するかということになるが、会場PAの音を活かすこと、またスタジオ自体は十分な体積と空間が取れているので、後方にアンビエント収録用のマイク( SCHOEPS MK4 )を設置することである程度の空気感を出せるのではないか、とスタジオ後部上方に4箇所アンビエントマイクが設けられている。 📷スタジオ後方、高さ3〜5mの位置に等間隔で4本設置されていたSCHOEPS MK4。バイノーラル空間上部に広く配置することで、会場の空気感演出に貢献している。 そして配信用のミキサーとのやりとりだが、配信用のミックスにはYamaha QL1が用いられている。そこへ、Focusrite Red 8PreをインターフェースとしたMAC PRO(Late 2013)をDante接続することで、LANケーブル一本でのバイノーラルプロセッシングシステム追加を実現した。 配信環境が持つクセを見抜く ここで改めて当日のシステム系統を整理する。まず、フロアからの音声をパラボックスで2系統に分割し、1系統はYamaha Rio1608で受けたのち会場PA用のYAMAHA QL1へ、もう1系統はアナログで第一スタジオのサブへと送られる。サブではアナログをYamaha Rio1608で受けたのち、こちらも配信ミックス用のQL1へ入力。ここからDanteの信号をFocusrite Red 8 PRE経由でMAC PROに送っている。Flux SPAT Revolution でバイノーラルプロセッシングを行い、再びDanteでQL1へリターン。QL1から常設のLocipo配信システムと、You Tube Live用のLive Shellへそれぞれ入力し、実際の配信へと音声が乗る仕組みになっている。 なお、You Tube Liveなどのライブ配信プラットフォームでの配信時に、どうしても生じてしまう高音域のロスがある。これは、サービスによっても異なるがそのプラットフォームで採用されている非可逆圧縮方式の音声コーデックの影響によるものだ。例えばAACやMP3といった高圧縮率重視の音声コーデックでは、人間の耳に比較的聴こえにくく、かつ再生に高いビットレートを必要とする15kHz前後から上の帯域をばっさりとフィルターでカットするような処理が行われている。こうして、ある程度の音質を保ちながらも、CD音質比で約90%ものデータ量削減を実現するというメリットはあるものの、トレードオフとなるハイ落ちの問題は避けられない。今回はテスト時からあらかじめハイシェルブのEQで2kHz以上の帯域を3〜6dbほど持ち上げるようにして対応していたが、この点は配信を行う前に事前テストで必ず実際の音声を確認し、解決策を講じておくポイントとなる。 📷演者の立ち位置とバイノーラルパンニングに違和感が無いよう、フロアアシスタントが手渡すマイクの配色でも管理。 また、今回はライブ中にボーカルマイクの音像定位を動かすということは行なっていない。配信映像は随時スイッチングされていくわけだが、これに合わせてリアルタイムにボーカルのパンニングを行うのは視聴者側も定位が次々と変化していくことになり混乱してしまうからだ。そこで、少しでも映像と音の違和感を無くすためにアイドルたちの基本の立ち位置を考慮してハンドマイクを渡すように管理、誰がどの立ち位置でどのマイクを持つのか、サブの配信ミキサーがフロアアシスタントとインカムで常にやりとりし対応している。また、オペレーションとしても常にボーカルの定位をスイッチングやアイドルたちの動きに合わせていくことは現実的ではないため、今回は前述したようにアーチ状の等間隔に配置したボーカル定位を固定して配信が行われている。むしろ、固定パンとすることできちんと空間を認識することができ、一人一人の声が分離してハッキリ聴こえる結果となるため、違和感を感じることなくコンテンツに没頭できる結果になったのではないだろうか。 配信ミックス用のYamaha QL1 QL1とDanteで信号をやり取りするためのFocusrite RED 8 PRE。SPAT RevolutionをインストールしたMAC PROのI/Oとなる。 配信ライブの需要が増えてきたいま、バイノーラルを取り入れた取り組みはリスナーに新たな発見や感動を伝える重要な機会となっている。今回の試みのように、日々研鑽を重ねる現場の音響技術者達の知恵やアイデアと、メーカーが開発意欲を燃やす最新技術、それらを積極的に取り入れたアーティストの制作意欲、これらが組み合わさって新たな技術トレンドが生まれていくのだろう。 まだまだアツいぞ!! 在名各局のバイノーラル!! ●"良いもの"だから使うスタンス / 中京テレビ放送株式会社 中京テレビでは、HPL(HeadPhoneListening)技術を活用したバイノーラルコンテンツのトライアル制作を2019年より行っている。2020年からは4Kや8Kの360°映像も加え、より没入感あふれる次世代コンテンツ制作に取り組んでいるそうだ。トライアルを含めた制作事例としては、2019年3月に地上波「ササシマ MUSIC BASE」 5.1ch放送をバイノーラル化して副音声で放送したのを皮切りに、音楽ライブ素材を使ったヘッドフォン環境での22.2chミキシング、4Kおよび8KVR + 立体音響(22.2ch)、5.1ch→バイノーラルステレオで12時間生配信(!)など、短期間の間に実に多彩な取り組みとなっている。 その中でノウハウも積み重ねられているようだが、やはりスピーカー環境と同様に、HPLをはじめそれぞれのプロセッサーの環境に慣れることでミックスが成立するというのが実感としてあるとのこと。また、基本の2MIX(または5.1ch MIX) とAmbisonicsマイクなどの空間ベースの組み合わせにより放送の延長線上でシステムを組めるという点でも手応えを得ている様子で、3Dオーディオプラグインが増え、DAWを使ってより手軽に立体音響制作ができるようになってきていることも更なる追い風になっているようだ。 表現の拡充、コンテンツの付加価値として効果的であることを技術スタッフ以外も音源を聴いて実感できているとのことで、"真新しいもの"だからではなく、"良いもの"だから使うスタンスでいきたい、とのコメントが印象的。実際に筆者もZoomでのウェビナーと並行して、YouTube Liveにて実際のVR映像を視聴することができたが、バーチャルなライブ会場の中で、巨大なPAスピーカーから音が出ているように感じられ、従来の固定カメラ+ステレオの配信より圧倒的な没入感を体験することができた。こうしたVR+バイノーラル音声でのコンテンツは、今後多くの視聴者にとって、配信ライブにおける付加価値として十分に受け入れられていくのではないだろうか。 ●頭外定位で積極的に定位を広げる / メ~テレ(名古屋テレビ放送株式会社) 2020年の夏頃よりバイノーラル制作の事前検証に着手した名古屋テレビ。同年12月に開催された名古屋ギター女子部による、ギタじょぶスペシャルライブ『Live in Re:POP!!』で制作ソリューションを検討することになったそうだ。検証にあたり、ソフト/ハード問わず4種のバイノーラルプロセッサーを比較した上で「低レイテンシーかつ音質変化が少なく自然な音質」との印象から、KLANG:technologiesのKLANG:fabrikを採用している。このKLANG:fabrikは、元々ステージ上のIEM(インイヤーモニター)として開発された製品、昨年サカナクションの配信ライブでも使用されたことで大きな注目を浴びた。 イベント当日、現場でのミキシングのコンセプトとして、実際のステレオMIXの音場より派手で極端なパンニング、会場の響きを感じられるようなアンビエンス感、コーラスのパートでの分離感と立体感、アコースティックギターに包まれているような立体感、という4つのテーマを掲げてセッティング。アンビエンスマイクを会場前方と後方にそれぞれ縦軸向け、横軸向けに設置し、縦軸向けのマイクは4本同じものを使用することで音質的なつながりを重視したり、パンニングを1名だけで行った際に定位感の個人差が生じる可能性を懸念し、2名交代で両者の聴こえ方の中間を取るような工夫を行ったそうだ。 実際のライブ映像は観客による手拍子やアコギの音が、広い空間から包み込まれるように聴こえてくることや、コーラスパートの立体感が特に印象的。ミックスにあたってまず得られたのは、頭外定位させることが可能なのでミキシングの幅を広げることができたとのこと。これは積極的に定位を広げることができることでもあり、立体的な演出表現の可能性を感じさせる。また、今回のアンビエンスマイクは縦軸と横軸を10cm以内のほぼ同軸上に設置し、結果的に時間差を発生させないことで上下配置は自然に感じることができたそうだ。その一方で、頭外定位により分離が良くなるため、ボリューム操作がよりシビアになり緻密なフェーダー操作が必要になるという。フェーダー操作でいかに立体的な音場を作るのか、バイノーラル配信におけるサウンドデザインの鍵も見えてきているのかもしれない。 こちらの 2 局の取り組みについては、AES 日本支部の2021年3月例会「インターネットを用いたライブ配信におけるバイノーラル音声の制作」と題 したウェビナーにて取り上げられ情報共有されている。積極的にバイノーラルに取り組む名古屋の放送各局、得られたノウハウもやはり実践的であり、制作意欲を大いに刺激されるのではないだろうか。   *ProceedMagazine2021号より転載
3D Audio
2021/08/20

Dolby が Atmos Music 制作ワークフローWEBサイトを開設

Dolby Atmos Music 制作者に向けた、ワークフローを紹介するWEBサイトが開設されました。 Dolby Atmos Music Creator's Summit と名付けられたこのページでは、Dolby Atmos Music のワークフローを紹介するビデオや、DAWをはじめとした Dolby Atmos ミックスに必要な制作ツールを紹介するフローチャート、そして、実際に Dolby Atmos Music を制作しているエンジニアの方々のインタビュー動画などをご覧いただけます。 そのほか、Dolby Atmos Music Festival や Dolby × Sports Online Experience などのイベントサイトへのリンク、制作に使用できる機材や Dolby Atmos 対応サービスリストなどへのアクセスも設置されています。 Apple Music や Amazon Music HD が対応したことで、今後大きな広がりを見せるであろう Dolby Atmos Music。その知見を、もう一歩深めることができる内容になっていますので、ご関心をお持ちの方はぜひご覧いただくことをおすすめいたします。 Dolby Atmos Music Creator's Summit WEB ページ Dolby Atmos 制作ツールやシステム設計に関するお問い合わせは、ROCK ON PRO までお気軽にご連絡ください。
3D Audio
2021/08/19

Dolby Atmos 関連情報 ~ Avid Blog

ここ数年で、Netflix、Amazon、Appleなど、新世代のメディアプラットフォームの旗手が続々と Dolby Atmos 対応を表明し、ユーザーがイマーシブ/空間オーディオを体験する機会は今後も増えていくと予想されます。 Avid Blog には、Pro Tools を使用した環境に限らず、Dolby Atmos 制作にかかわる数多くのノウハウや事例が掲載されています。 これから Dolby Atmos 制作に挑戦したいと考えている方、イマーシブオーディオに関する知見をより深めたいエンジニアのみなさま、ご自身の音楽を Dolby Atmos フォーマットで発表したいと考えているミュージシャンの方々など、どのような方にも参考になりそうな内容ですので、こちらの記事で一気に紹介させていただきます。 Dolby Atmos Music 関連の最新記事 AvidPlayで Dolby Atmos® Music を配信する方法(Apple Music編) インディーズ系アーティスト/バンドやプロダクションが、AvidPlay を使って Apple Music の空間オーディオでコンテンツ配信する方法を、具体的に解説しています。 Dolby Atmos Musicでミックスするためのヒントとトリック Dolby Atmos Music をバイノーラルミックスする際のノウハウを、22項目に渡って解説しています。Dolby Atmos でのスピーカー・ミックスに関して、一定以上の知識/経験のある方がバイノーラル・ミックスに挑戦する場合に有効な、少し上級者向けの内容となっています。 まとめページ、動画再生リストなど Avid Web: Dolby Atmos Music関連情報ランディング・ページ Dolby Atmos Music 制作のためのAvid ソリューションなどを紹介しているページです。 Pro Tools | Ultimate - Dolby Atmosミキシング関連ビデオ Pro Tools | Ultimate で Dolby Atmos 制作を行う際の基本的なワークフローを解説しています。設定からデリバリーまで、実際の画面を見ながら確認できます。 Dolby Atmos Music トライアル・パッケージ 無償ダウンロード こちらの記事でも紹介した、Pro Tools | Ultimate と Dolby Atmos Renderer の無償トライアルパッケージです。 その他、Dolby Atmos 関連ブログ グラミー賞受賞者 ダレル・ソープのイマーシブミュージック・ミキシングに関する3つのポイント ヘッドフォンを使用してDolby Atmos Mixを作成する Netflix :オリジナル作品「Sol Levante」のDolby Atmos Pro Toolsセッション・ファイルを無償公開! Sound That Moves – イマーシブ・オーディオ・プロダクション統合ワークフローの解説 AvidPlayで Dolby Atmos® Music を配信する方法 Dolby Atmos® Music のミキシング体験とAvidPlayでの配信 Dolby Atmosの中核となるPro Toolsインターフェース あなたにとって、最適なDolby Atmos® ソフトウェアとは? Pro Tools | UltimateとMTRXでDolby Atmos Homeファイナル・ミックス・ステージを構築提案! Pro Tools | Ultimateによる Dolby Atmos 制作フローの概要 ROCK ON PRO では、お客様のご要望に合わせた最適なシステム提案をさせていただいております。ご相談・ご質問は、ぜひ下記 contact ボタンよりお気軽にお問い合わせください。
Review
2021/08/18

鹿児島-東京-和歌山がつながる、多拠点連続配信 〜鹿児島ジャズフェスティバルの挑戦!〜

予定調和を拒み、瞬間の閃きに命を賭ける…ジャズという音楽が持つこのリアルを伝えたいという思いで2017年にはじまった「鹿児島ジャズフェスティバル」。毎年順調に来場者数を伸ばしてきたこのイベントも、2020年からのコロナ禍の影響で例年通りの開催を断念せざるを得なかった。「それでもできることはあるはず」という実行委員長 松本氏が取った選択は、異例とも言える多拠点連続配信!ひとつのYouTube ページで鹿児島・東京・和歌山と配信元を切り替えながら連続配信を実施し、全国的に移動が制限された中で大型音楽イベントを成功させた「鹿児島ジャズフェスティバル2020オンライン」の挑戦を取材した。 ●鹿児島ジャズフェスティバル 鹿児島ジャズフェスティバル 公式HP 鹿児島ジャズフェスティバル2020オンライン 1st Day 鹿児島ジャズフェスティバル2020オンライン 2nd Day ピアニスト松本 圭使 氏が主体となって2017年より実施されていている鹿児島ジャズフェスティバル(通称:かごジャズ)は、ジャズという音楽の最大の特徴でもある"その時・その瞬間に生まれる音楽"という魅力を凝縮した形で届けたいという想いから生まれたジャズフェスティバル。そのため、ジャズシーンの第一線で活躍するアーティストたちを招聘しながらも、すでにマーケットされたグループ単位ではなく個人単位での出演をオファーしていることが最大の特徴だ。 各アーティストは期間中いくつかのステージに出演するが、その際の組み合わせも実行委員が考案し、毎回異なるメンバーによる演奏となるよう工夫がされている。オーディエンスはさまざまな組み合わせの演奏を楽しむことができ、アーティスト同士の出会いの場としても機能しているが、こうした手法を取る最大の目的はジャズミュージシャンの普段の活動をより身近に体験してほしい、ということにある。 海外からの招聘アーティストについても、みずからのグループによる出演だけでなく、国内のアーティストと共演してもらうステージを構成するなど、クラブギグに近いコンセプトのプログラムはまさに「毎晩違うハコに行って、毎晩違うメンバーと演奏する」というジャズミュージシャンの基本的な生活により近いものと言えるだろう。初年度は16,000人、2018年が31,000人、2019年が67,000人と動員も倍々で増加しており2020年も3月までは例年通り実施する予定だったが、コロナ禍とそれに伴う緊急事態宣言の影響により、2020年度はYouTube Liveを使用したオンラインでの開催となった。 ジャズのリアルを身近に ROCK ON PRO(以下、R):本日はお忙しい中にありがとうございます。はじめに、鹿児島ジャズフェスティバル全体のコンセプトをお聞かせいただけますでしょうか。 松本:鹿児島ジャズフェスティバルは「リアルなジャズを濃縮したようなフェスをやりたい」という思いで2017年に立ち上げました。そのため、グループとしてすでに出来上がったサウンドを聴いてもらうのではなく、ステージ上で「はじめまして」「で、(曲は)何やります?」というところからお客さんに観ていただいく形でやっています。その方が、アーティストを身近に感じてもらえるんじゃないかと思って。 R:実際に、本当に「はじめまして」の組み合わせもありましたね。 松本:はい。アーティスト同士の出会いの場としても機能させたいという気持ちもあります。それまで共演したことがなかった人たちが、鹿児島ジャズフェスティバルをきっかけに共演しはじめたという例もいくつかあります。 R:動員規模も年々大きくなっていった中で、新型コロナウイルスの影響はどの時点からあったのでしょうか。 松本:2020年も、3月までは例年通り実施する予定でした。概要の冊子を作ったり、協賛していただくみなさまを招いてのパーティなども実施していたのですが、新型コロナウイルスの影響が大きくなったことで、例年通りの形での実施はするべきではないと判断しました。ぼく自身もアルコールスプレーを持ち歩いていて「スプレー男」とか呼ばれるくらい(笑)感染には気をつけていましたし、少なくとも鹿児島県内では感染に対する危機感は当初から非常に高かったこともあります。 R:2020年度はすべてYouTube Liveによるオンラインでの実施となりました。こうした形での開催、そもそも、開催するという決断に至った経緯をお伺いできますでしょうか。 松本:5月頃には中止も考えたのですが、当時、多くの音楽イベントが配信という形で行われているのを見て、「こうした形ならやれるんじゃないか」と思ったんです。ライブを観たくても観れないというストレスを自分自身も感じる中、鹿児島ジャズフェスティバルなら、たとえ配信になってもジャズの本質を大事にした形でみなさんに楽しんでもらえるフェスができるんじゃないかと思いまして「よし、やるぞ!」と(笑)。そこから、どうやったら面白いものにできるかということを考えていった結果、「さまざまなアーティストがさまざまな組み合わせで出演する」という、これまでの鹿児島ジャズフェスティバルの形を踏襲した上で実施するのがよいのではないかということになりました。すると、まず会場は鹿児島と東京の2箇所が必要だということになります。 R:鹿児島と東京にいるアーティストがリアルタイムでセッションするのをライブ配信する、という珍しいステージもありました。 松本:ひとつのYouTube Liveのページで2会場が切り替わりながら配信するというだけでもほとんど前例がなかったように思いますが、さらにSYNCROOMを使ったコラボステージを組み合わせたらもっと面白いことができるんじゃないかと思って。当時、ぼくは夜な夜なSYNCROOMを使って遊んでたんですが(笑)、これを使ったら離れた会場でのコラボ演奏もいけるんじゃないか、と。それで「東京ステージ」「鹿児島ステージ」「つながるステージ」という3つを柱にしたプログラムを組むことにしました。 手探りで作り上げた3拠点から連続配信 R:配信元を切り替えながら連続配信するという点、そして、2会場間でセッションしている様子を配信するという点がユニークだったと感じています。これはどのように行なっていたのでしょうか。 松本:鹿児島ステージは鹿児島、東京ステージは東京から配信していました。つながるステージは和歌山のティースペック橋本さんのところから配信しました。ですので、3つの拠点からのストリームをひとつのページで配信していた形になります。 R:これらを実現するための機材や運用のシステムはどなたが設計されたのでしょうか。 松本:機材については各会場の方々にお任せしました。連続配信しながら2会場を切り替える方法については、ぼくが思いつきで実験していた方法を使用しています。例えば、鹿児島会場のバックアップストリームに東京会場からの映像を流し、時間が来たら鹿児島会場のメインストリームを落とすんです。すると、バックアップに流れている東京会場からの映像に切り替わる、というかなり危なっかしいやり方です(笑)。技術屋さんなら絶対に採用しない方法ですね(笑)。本番中はずっと電話でやりとりしながら、各会場の配信ストリームを流したり止めたりしてました。 野井倉:当時はライブ配信の技術というものが方法論として確立していなかったので、トライ&エラーを繰り返しながら段階的に組み立てていきました。東京会場からのストリームをいったん鹿児島に送ってもらって、配信元を鹿児島1本にするというやり方も最初に試しました。ただ、東京からも同じチャンネルに配信できるなら、それがいいんじゃないか、と。であれば、つながるステージに関しては橋本さんという遠隔セッションに関するプロフェッショナルの方がいらっしゃるのだから、そこできれいにまとめてもらって和歌山から配信するのがいいだろうということになりました。 松本:つながるステージに関しては、8月に実験的に一度やってみたんです。その時は、東京からの信号をいったん鹿児島に送ってもらって鹿児島が配信元になる形でした。実際にやってみると、東京からの信号を受けて、鹿児島側にディレイを入れて、その上でリップシンクを取って…結構しんどいね!ってことになって(笑)。そんな時に、友人のギタリストで今回東京会場のディレクターもお願いした松原慶史さんから、ティースペック橋本さんを紹介してもらったんです。 橋本:ちょうど中間地点ですし(笑) 松本:ライブ配信については、ぼくも野井倉さんも、コロナ禍がはじまった頃からぞれぞれ個人的にその可能性を探っていた状況でした。先述の松原さんが以前からYouTube配信を積極的におこなっていたので、彼からたくさんのことを教えてもらいました。バックアップストリームを使って配信元を切り替えるという方法も、彼に夜な夜な付き合ってもらって(笑) 野井倉:前例もほとんどなかったので、6月くらいから私と松本さんで毎週さまざまな設定を実際に試しながら、映像と音声のクオリティを追い込んでいきましたね。 3拠点を結ぶ各会場のシステム R:各会場ではどのようなシステムで配信をおこなっていたのでしょう。 野井倉:私のところ(鹿児島会場となったCAPARVOホール)はライブハウスなので、ステージに関しては通常のPA/SRシステムです。卓の2MixをPro Toolsに入れてリアルタイムでマスタリングしたものをOBSから配信しました。つながるステージではPro Toolsを挟むとレイテンシーが増えるので、配信用には卓のアウトを直接SYNCROOMで橋本さんのところへ送っています。鹿児島ステージの時はモニターには通常のころがしを使いましたが、つながるステージではキューボックスを入れてイヤーモニターしてもらいましたね。 松本:配信システムはDelquiが所有しているものを使用しました。マシンはMacbook Pro 16" i9 8コア メモリ64GB で、ハードウェアエンコーダーを使用するのがミソです。 R:東京会場は、鹿児島との大きな違いはレコーディングに近い環境を構築したことにあると思います。 吉川:東京会場は、ぼくが普段マスタリングで使用している機材などをすべて持ち込んでの配信でした。RCA 44-BXとかU 49、U 47とか持って行ったんで、いわゆる配信ではあまり見ない構成だったかも知れません。モニターも、転がしを使わずにヘッドホンでモニターしてもらいました。デジタルでの処理は一切おこなわず、卓のアウトをすべてアウトボードでマスタリングして、それをスイッチャーに入れてました。遅延はOBSで合わせてましたね。 R:デジタルを使用しなかったのは遅延を回避するためでしょうか。 吉川:というか、どのプラグインが何ms遅れるとか、そこまで詳しくは把握してなかったのと、ソフトを使っちゃうと、本番中に予期せず止まったりしたら怖いなと思って。アナログで完結させようと思ったんです。 R:つながるステージの時はどうでしたでしょうか。 吉川:つながるステージでは、SYNCROOMを使うためにPro Tools HDXシステムを使用しました。それまでSYNCROOMを使った経験があまりなかったので、使い慣れているHDXでキューなどを作りたかったんです。Blue Cats PatchWorksを使って、Pro ToolsにSYNCROOMをプラグインとして立ち上げてました。 R:映像はどのようになっていたのでしょうか。 松本:鹿児島ステージでは2台のスイッチャーを連結して、11台のカメラを使用しました。 野井倉:カメラは機種を合わせることができなかったので、色味を合わるのが大変でした。 松本:カメラはカメラマンさんに持ち寄ってもらったので、機種を揃えられなかったんです。東京はBlackmgic Design Pocket Cinema Camera 4Kを11台揃えていたので、鹿児島の映像関係の方々は「負けるもんか!」と燃えてましたね(笑) R:スイッチャーは何を使用されましたか? 野井倉:Roland V-60HDです。鹿児島ジャズフェスティバル自体が以前からRolandにサポートを受けている関係で、スイッチャーなどの一部の映像関係機器はRolandからお借りしました。カメラとPro ToolsのアウトをV-60HDに入れて、V-60HDのアウトをOBSに入れているという流れです。 吉川:東京は、映像関係はBlackmagic Designで揃えました。 R:つながるステージはどのような構成で配信していたのでしょうか。 橋本:鹿児島と東京からZOOMを受けるためのPCが各1台、計2台あり、SYNCROOMのためのPCが1台、ミキサーとしてWAVES LV-1、こちらだけOBSではなくWirecastでした。Wirecastの手前でZOOMの出力をATEM Mini Proに入れて、鹿児島か東京かを選ぶ、と。リップシンクはWirecast側でやってます。今回は、私のところでは音作りのようなことはしませんでした。当日は鹿児島と東京からまとまった音が来てたので、バランスだけこちらでフィックスしてそのままふたつを混ぜて送り出すと。もちろん、トータルのレベル管理とかはしてましたけど、リハーサルの段階でレベルはほとんどフィックスしてます。送り出しのレベルを「もう少し上がりますか、下がりますか」みたいな感じで確認しながら、本番中にどうしてもと感じた時だけ数dB触るか触らないかくらいの感じでミックスしてました。 R:SYNCROOMを使用する上でポイントとなるようなものはあるのでしょうか。 橋本:SYNCROOMはP to P接続なんです。今回は3箇所だったので、鹿児島-東京、鹿児島-和歌山、和歌山-東京、と、それぞれ別々の回線でつながっていました。そういう仕組みなので、音質も遅延もそれぞれの環境によって変わってくるんですね。すると、いま自分が聴いている2会場の音が本来のタイミングかどうかはわからないんですよ。鹿児島と東京から私のところに来ている音のタイミングがずれていても、鹿児島-東京間では合ってる可能性があるわけです。そうしたところもリハーサルの際に確認して、明らかにずれている時はこちらでディレイを調整します。 R:LV-1はSoundGrid Serverを使用した低遅延のプロセッシングが特徴ですが、今回は2系統のステレオを1系統にミックスしただけだったのでしょうか。 橋本:今回はそうでした。普段はわんさかプラグインを使いますよ(笑)。160ms分くらい使いますね。ZOOMだと私のとこには映像が300msくらい遅れてくるんです。だから、もっとプラグインを使っても大丈夫なんですが(笑)。 R:配信ソフトは普段からWirecastなのでしょうか。 橋本:そうです。私のところは多点配信が多いんです。それも、YouTube、Facebook、オリジナルサイト、などバラバラなんですよ。どこかひとつに不具合があった時、OBSだと全員止める必要があるんです。それが、Wirecastだとひとつずつ出したり止めたりできるんです。各信号ごとに解像度も変えられますし。Wirecastである理由はその一点だけです。少なくとも、私がWirecastを使い始めた当時のOBSではそれができなかったんですよ。 鹿児島ステージ 鹿児島ステージのオペレーション責任者は、鹿児島ジャズフェスティバル実行委員 でもありサウンドエンジニアでもある SRPlanning 代表取締役 野井倉 博史 氏が 担った。会場となった CAPARVO HALL は同じく野井倉氏が代表取締役を務め る有限会社 SR Factory が経営するライブハウスのため、マイクやモニタースピー カーなどのステージ周辺機器は常設の PA システムを使用している。普段のライ ブと同じ環境で演奏できたことは、アーティストからも好評だったようだ。 インタビューでも触れられている通り、FOH のメインアウトを別室にある Pro Tools HDX システムに入力し、配信のための整音 / マスタリングをリアルタイ ムにおこないながらの配信となった。FOH ミキサーは Roland M-5000。音作りはミキサーで行い、Pro Tools で は段階的に複数のプラグインを使用して YouTube Live に適した音に整えてい く。SYNCROOM を使用しておこなったつながるステージではレイテンシー の増加を抑えるために Pro Tools システムを通さず、M-5000 の2系統目のモニターアウトを直接 SYNCROOM に入力した。Pro Tools のアウトはビデオスイッチャー Roland V-60HD に送られ、ここでカメラの信号と同期を取ったあとで配信用 MacBook Pro に流し込まれる。MacBook Pro は松本 氏が所属する株式会社 delqui が所 有しているものを使用し、OBS から配信をおこなった。8 コア CPU、64GB メモ リを搭載したハイパワーマシンだが、CPU への負担を最小限にするためにハード ウェア・エンコード機能を使用したという。 和歌山:つながるステージ 鹿児島・東京の各会場にいるアーティスト同士がリモートセッションする様子をライブ配信したつながるステージ。このプログラムは和歌山にある有限会社 ティースペックのスタジオから配信され、システム設計とオペレーションは同社 代表取締役でライブPAエンジニア・遠隔セッションエンジニアでもある橋本 敏邦 氏が担った。氏は以前から遠隔セッションを業務として請け負っており、つながるセッションではそうした氏の豊富なノウハウと磐石なシステムがいかんなく生かされたと言えるだろう。このリモートセッションはオーディオ部分をYAMAHA SYNCROOM、映像はZOOMミーティングを使用することで実現している。SYNCROOMはPtoP接続となるため、リアルタイムセッションのために鹿児島-東京をつなぎ、配信用には別途、鹿児島と東京がそれぞれ和歌山と個別に接続した。 各会場からの音声はSYNCROOM用PCからDanteでWAVES LV-1に入れられ、そこでミックスされる。映像付きの遠隔セッションの場合、映像が音声に対して300msほど遅れて到達するため、大量のプラグインを使用しても遅延が問題になるケースはほとんどない。そのため、普段の配信業務ではLV-1で音作りをおこなうそうだが、今回は各会場からすでに処理が施された音声を受けていたため、レベル合わせと映像と同期させるためのディレイを入れるにとどまっている。ビデオスイッチャーはATEM Mini Pro、映像も各会場でスイッチングが施された信号が送られ、鹿児島にいる松本氏と連絡を取りながら和歌山で2会場からの映像をスイッチングしていた。 映像と音声はそれぞれ配信PCに送られるが、配信用アプリケーションにはWirecastが使用され、映像と音声の同期はWirecastで取る形を取った。有限会社 ティースペックではLive device事業部として業務用機器の開発・販売もおこなっており、橋本氏の配信システムではPCはすべてLive deviceオリジナルのものが使用されている。 東京ステージ 東京ステージのオペレーション責任者はSTUDIO Dede オーナーでレコーディング/マスタリングエンジニアの吉川 昭仁 氏。同スタジオはジャズミュージシャンなら知らぬ者などいない、国内でも最高峰のレコーディング/マスタリングスタジオのひとつだ。 そのため、東京ステージのシステムは鹿児島ステージとは打って変わって、スタジオレコーディングのような構成が特徴的。マイクはU-47、U-49、44-BXなどが並び、アーティストのモニターはヘッドホンを使用している。東京ステージの会場には外部のレンタルスペースが使用されたため、STUDIO Dedeの機材をそのまま持ち込んだ格好だ。デジタルドメインでの不意のトラブルを避けるため、アウトボードも多数持ち込まれ、東京ステージ単独での配信にはデジタル処理は一切おこなわれていない。対して、つながるステージ配信時にはモニターミックスを作るためにPro Tools HDXシステムを使用した。プラグインチェイナーであるBlue Cat PatchWorksを介して、VST連携モードのSYNCROOMにオーディオを入力するためだけに使用され、プロセッシングやトリートメントは東京ステージと同様アナログドメインで施している。 もともと実行委員会がある鹿児島会場に対して東京会場は人手が少なく、カメラマンを除くすべての作業をたった3人の人員で受け持っていたという。配信用のミックスはもちろん、キューミックスや映像のスイッチングまで、オペレーション関連は吉川氏がひとりで請け負った。 「配信」に最適化されたサウンドの探究 R:音質向上のために施した工夫などはありましたか? 野井倉:6月くらいから配信をやっていて思ったのが、ダイナミクスレンジが広い状態で送っちゃうと非常に聴きづらくなるんです。アーカイブになったものを聴く分にはまだいいんですけど、リアルタイムで聴く時には、卓のアウトをそのまま送っただけだとMCが聞こえないとか、曲によってはピークが叩かれて全体的にレベルが落ちちゃうとかがあって。マスタリングして出さなきゃダメだね、って結論に達したのが6月〜7月だったんですね。そこから本番の9月までの間に、レベル管理や実際にYouTubeで聴いた時の傾向も含めて、配信用の整音プリセットをPro Toolsで作っていきました。 R:EQやリミッターを使用しているのでしょうか? 野井倉:インプット段でEQを使ってますが、80Hz以下は結構切ってますし、上の方は逆に4kHzくらいからちょっと伸ばし気味にしてます。レコーディングだと8kHz〜10kHzを上げるとエアー感として残ってくるんですけど、配信だとまったく残らないです(笑)。なので、わりと下の方から持ち上げてたりしますね。そのあとはマスターのアウトプット段で掛けてます。補正用のEQが一発、その後がWAVESのCLA MixDown、L2、SSL G-Master Buss Compressorが掛かっている状態です。ミキサーで既に処理が掛かってますので、Pro Toolsでは1回でガツンと掛けるのではなく3段階に分けてちょっとずつなめしていく感じです。 R:東京側はいかがでしたでしょう。 吉川:主要楽器のマイクプリにNeveとAmpexを使ったことと、マスタリング用途として、レベルを上げるものと止めるものというのを使った程度ですかね。LA-2やSSLバスコンプ、LavryのソフトサチュレーターやMTPリミッターなど、普段マスタリングでやってることの初段と最終段をやったって感じです。全部ハードウェアで、プラグインは一切使いませんでした。 R:つながるステージはどうでしたでしょうか。 橋本:インターネット回線を通してくると、どうしてもS/Nが悪くなるんです。なので、各会場からSYNCROOMに送っていただくレベルをちょうどいいところにしてもらえるようにお願いしていました。普段だと必ずノイズサプレッサーを入れるんですが、今回は各会場でしっかり作られた音が来ていたのでなるべく触らず、そのまま混ぜて出した感じです。 トラブルもまた"ジャズ"らしさ!? R:ここは苦労したとか、やってみたら思ったようにいかなかった、といったポイントがあれば伺えますか。 野井倉:回線速度ですね。本番中にルーター再起動までかけました。鹿児島はやっぱり東京とくらべるとインフラが弱い。とにかく回線が安定しない。リハーサルの時はよかったけど、本番の時間帯には安定しなかった。そうした影響が極端に出ましたね。 松本:そういう意味では、配信元を分けたのは結果的によかったです。 野井倉:結局、フィナーレのつながるステージは構成を変えましたよね? 松本:もともとはリズムセクションは鹿児島のメンバーが乗って、フロントは東京からという予定だったのですが、鹿児島のSYNCROOMが調子悪くなったんです。リズムセクションが途中で落ちたらまずいということで、吉川さんが機転を利かせて東京会場に残っていた米木(康志 b)さんと福森(康 ds)くんをステージに上げてくれて。彼らには初見で演奏してもらうことになりましたが、それでことなきを得たということが起こっていました。吉川マジックでした(笑) 吉川:ちょっと大変だったのは、その時に「東京にもドラムとベース乗せよう」なんて言っちゃったものの、キューボックスを人数分しか用意してなかったんですよね。あれは焦りました。結局、ぼくのモニターを延長しまくってステージに送ったんですけど、その結果、フィナーレの時は遠くで鳴ってるドラムとボーカルの口元を頼りにスイッチングしてました。 R:東京会場はネットワークは安定していたのでしょうか。 吉川:東京の会場はNURO光が入っていたんです。それが理由で選んだというのもあったんですが、前日に会場入りしてみたらIP v6じゃなくて。そこを変更しなければならなかったということがありました。 松本:東京ステージは会場がDedeさんではなく外部に借りたので、仕込みなどもすべて前日にやってもらうことになってしまって。 吉川:鹿児島ステージと東京ステージが切り替わるタイミングで、なぜかぼくの携帯が切れちゃったりとか。でも、こんなのは全然マシで、ほかの仕事で大きな企業のイベントをやった時なんかは会場が漏電してシステム全体が4回落ちましたからね。かごジャズのトラブルはトラブルではなくて、本番中に「こんなことやりたい!」っていうのをやってしまったがためという、ある意味すごくジャズっぽいイベントで面白かったです。 R:和歌山はいかがだったでしょう? 橋本:私、実はかごジャズがスイッチャーのデビューだったんですよ。それまでの遠隔セッションはZOOMのギャラリービューを出していただけで、音だけはこっちでミックスするというスタイルでやってたんです。つながるセッションの配信を和歌山からやることが決まった時に「できれば全画面でスイッチングを…」ということで。「スイッチング、実は本番でやったことないんですけど」って言いましたら「大丈夫ですよ。2系統の切り替えだけですから!」なんて言われて(笑)。でも、それって実は○か×かの世界じゃないですか(笑) 松本:いや、完璧でしたよ(笑)。ぼくが譜面を見ながらキューを出してたんですけど、途中で「この譜面なんか変だな」と思ってよく見たら、全然違う曲の譜面見てたんです(笑)。でも、橋本さんは完璧にやってくださいました。 橋本:あとは、映像ですね。鹿児島と東京の映像が私の想像をはるかに超えるクオリティだったので「ちょっと待って!」と(笑)。つながるステージはZOOMからの映像なので、なんとかしようということでBlackmagic Design ATEM Streaming Bridgeを候補にしてたんですよ。でも、出荷開始時期が間に合わなかった。そこで、ZOOMで高画質配信ができる方法を探ろうということで、前日になってFull HDで送るモードを見つけたんですよ(笑)。 R:ATEM Streaming Bridgeは、発表されたその日にご注文いただいてました。残念ながら鹿児島ジャズフェスティバルが終了してからのお届けとなってしまいましたが、その後お使いいただく機会はありましたでしょうか。 松本:ZOOMよりは確実にきれいな映像でつながりますよ。 R:こうしたネットワーク系のソリューションというものは、今後もっと需要が高まりそうです。 橋本:そうですね。実際、ZOOMなんてもう普通に使われてますからね。 野井倉:地方は特にそうで、東京からゲストが来れなくなったとしてもイベント自体が中止になることはありません。すると、配信で出演してもらおう、って話になるものが結構多いんですね。東京では、そういう配信向けのスタジオが増えていることはありがたいですね。回線も含めて照明からなにからすべて揃っていて、とりあえずPCを持っていけばすぐ配信できる。それを現地でMCとかと混ぜて。トークショーなどは、今はこういう形が多いですよ。 何もしないという選択肢はない、2021年の展望 R:鹿児島ジャズフェスティバル2021の展望について伺えますでしょうか。 松本:結論から言うと、まだなんとも言えないというのが正直なところです。アーティスト自身が運営するイベントということで、これまでにも新しい可能性を提示してこれたと考えています。そのため、何もしないという選択肢はないと思っています。ただ、屋外での開催に戻るのか、またライブ配信になるのかといったところはまだ何も決まっていないという段階です。 R:リアルと配信を同時にやるという可能性は… 松本:できちゃいますよね(笑)。ライブ配信をおこなったことで、「これを観て鹿児島に行きたくなった」というご意見が一番多かったのですが、次に多かったのが「配信だから観ることができた」というご意見でした。ですので、リアルライブと配信を同時におこなうことも考えてはいます。 野井倉:2019年まではサテライトを含めて4~5会場でやってましたね。実はコロナ以前に一度あがった意見として、夜しかライブをしないサテライトステージに昼間はメインステージの映像を出すというものがありました。鹿児島ジャズフェスティバル2020を経た今なら、こうしたことはもう簡単にできちゃいますね。 松本:実際、以前は映像をリアルタイムにスイッチングして配信して、というソリューションは非常に高価でした。それが、ここ1年ほどで一気に手元まで降りてきた感覚はあります。そうした部分で、鹿児島ジャズフェスティバルのようなイベントにも、映像を使った可能性というものが広く開かれていると感じています。なにかしら面白いアイデアを見つけていこうかなと思っています。 橋本:本人が感染しなくても、濃厚接触者となって来場できなくなるというケースもあると思います。そうした場合は遠隔で参加してもらうというのはありですね。 松本:実は、遠隔出演は昨年8月に経験させていただいてました(ライスパワージャム・ハ!2020)。地方を拠点に活動している身としては、こうした技術はありがたいですね。音楽を楽しむ方法のひとつとして、今後も残っていくんじゃないかと思います。 R:今年も鹿児島ジャズフェスティバルを楽しみにしています!みなさま、本日はありがとうございました! 一同:ありがとうございました! ライブ配信が現在ほど浸透していなかった2020年夏の時点で、手探りで作り上げた手法によって大型音楽フェスティバルを成功させた『鹿児島ジャズフェスティバル 2020 オンライン』。成功の背景にあったのは、「ジャズという音楽の魅力を多くのひとに伝えたい」という一貫した情熱だったことが伝わってくるインタビューだった。どのような形であれ、2021年もすばらしい音楽を届けてくれるであろう鹿児島ジャズフェスティバルから、今後も目が離せない。 鹿児島ジャズフェスティバル 公式HP 鹿児島ジャズフェスティバル2020オンライン 1st Day 鹿児島ジャズフェスティバル2020オンライン 2nd Day   *ProceedMagazine2021号より転載
NEWS
2021/08/17

Pro Tools 2021.7 リリース情報 〜バグフィックス&macOSでの安定性が向上〜

Pro Tools 2021.6の課題修正バージョンであるPro Tools 2021.7が先日リリースされました。今回、新たな追加機能はありませんが、ビデオ関連の課題修正を含め、幾つかの重要な改善が行われており、最新のPro Tools 2021の機能をより安定した動作でご利用いただけます。 ※Pro tools 2021.7へのアップデート及びインストールに関する詳細は下記AVIDの公式ページに記載されています。事前に必ずご確認ください。 >>Avid Knowledge Base Pro Tools 2021.7 リリース情報 https://avid.secure.force.com/pkb/KB_Render_Download?id=kA26e000000cIp7&lang=ja 今回のバージョンアップに含まれるバグフィックス コントロールサーフェス ・S6や他のEuControlサーフェスを使用して左にパンする時、2の増分で移動しなくなりました(PT-275744)。 クラウド/コラボレーション ・Pro Tools はIce Lake プロセッサを搭載した Windows ベースのマシンでプロジェクトメディアをアップロードおよびダウンロードできるようになりました。また、これらのマシンでプロジェクトを作成した後に Pro Tools | First がクラッシュすることもなくなりました (PT-265808) クラッシュとエラー ・macOS Mojaveでオーディオ付きの一部のビデオファイルをインポートする際に発生するクラッシュを修正しました(PT-274595) ・macOSでPro Tools 2021.6を使用した際に、時折短いフリーズ/SWOD(レインボーサークル)が発生するケースを修正しました(PT-275568) Dolby Atmos ワークフロー ・Dolby Atmos Production Suite 及び Mastering Suite から Cinema Renderer へ接続を変更したときに、Bed/Object Group と Channel Description が引き継がれなくなりました (PT-268744) 編集 ・何も選択されていない場合、次に大きな値で"戻し/送り"のナッジができるようになりました (PT-274494) インストーラー ・macOSでのインストール時、管理者アカウントでPro Toolsプラグインのフォルダが「読み取り専用」にならないようになりました(PT-276034) UI ・カラーパレットのプリセットをmacOS上で権限の問題なく保存できるようになりました(PT-274720) ・英語以外の言語を使用している時、チャンネルの表示/非表示ダイアログに白いボーダーが表示されなくなりました(PT-274621) ビデオ ・セッションスタートがゼロ地点でない場合、非整数のフレームレートを持つビデオクリップがタイムラインのフレーム境界に合わない問題を修正しました(PT-275297/PT-275243/PT-275483)。 ・管理者以外のシステムでビデオエンジンを有効にする場合、管理者アカウントで事前に有効にする必要がなくなりました(UME-1631)。 ・多くのビデオファイルを含むセッションを開く時間が改善されました(PT-274719) ・macOSのFinderからドラッグしてビデオをインポートできない問題を修正しました(PT-274469) >>Pro Tools 2021.7 リリース・ノート https://avid.secure.force.com/pkb/KB_Render_ReadMe?id=kA56e000000cGko&lang=ja Pro Tools 2021.6のリリース情報につきましてはこちらの記事をご参照ください。 >>Pro Tools 2021.6 リリース ~ M1 Mac 対応、UltimateがHybrid Engine 対応!! https://pro.miroc.co.jp/headline/pro-tools-2021-6-hybrid-engine-apple-silicon-m1-mac-support/#.YRtN2NP7TOQ https://pro.miroc.co.jp/headline/pro-tools-2021-6-hybrid-engine-apple-silicon-m1-mac-support/#.YRtN2NP7TOQ https://pro.miroc.co.jp/headline/avid-pro-tools-carbon-promotion/#.YRuBztP7TOQ https://pro.miroc.co.jp/headline/3d-audio/#.YRuB-tP7TOQ https://pro.miroc.co.jp/solution/ndi-proceed2021/#.YRuCFtP7TOQ
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2021/08/12

株式会社富士巧芸社 FK Studio様 / 〜機能美を追求した質実剛健なシステム設計〜

赤坂駅と赤坂見附駅のちょうど中程にあるビル。ガラス張りのエレベーターから赤坂の街を眺めつつ最上階まで昇ると、この春オープンしたばかりのFK Studioがある。テレビ・放送業界への人材派遣業務を主な事業とする株式会社富士巧芸社が新設し、映像/音響/CG制作で知られるクリエイター集団 株式会社ラフトがプロデュースしたこのスタジオは編集室2部屋、MA室1部屋で構成されており、「誰もが気持ちよく仕事ができること」を目指してシンプルかつ十分なシステムと超高速なネットワーク設備を備えている。現在の番組制作に求められる機能を質実剛健に追求したこのFK Studioを紹介したい。 富士巧芸社の成り立ちからFK Studio開設まで 株式会社 富士巧芸社 代表取締役 内宮 健 氏 株式会社富士巧芸社(以下、「富士巧芸社」)は、テレビ・放送業界への人材派遣業務を主な事業とする企業だ。映像編集やMA業務に関わる制作技術系スタッフが約60名、ADなどの制作に関わるスタッフが約100名、その他にも配信業務・データ放送運用・マスター室の運用などの非制作業務に関わるスタッフなど、現在約300名におよぶテレビ放送の専門スタッフを抱えている。 富士巧芸社のルーツは昭和34年創業の同名の企業にある。かつて四ツ谷にあったその富士巧芸社はテロップやフリップを中心とした美術系制作物を放送局に納めており、内宮氏は同社の社員としてテレビ局への営業を担当していたそうだ。2000年代に入り、テロップなどの制作物の需要が減少したことでかつての富士巧芸社はのれんを降ろすことになったが、「テレビからテロップがなくなることはない。これからは編集機でテロップを打ち込む時代になる」と考えた内宮氏は編集機オペレーターの派遣事業を開始する。その際に、愛着のある「富士巧芸社」という社名だけを譲り受けたというのが、現在の富士巧芸社の成り立ちである。かつての富士巧芸社と現在の富士巧芸社は別々の法人だが、放送業界におけるその長い歴史と実績は内宮氏を通して脈々と受け継がれている。 富士巧芸社がはじめて自社で編集室を持ったのは5年前。同社の派遣オペレーター第一号であり、現在はポストプロダクションチーム チーフマネージャーの洲脇氏の提言によるものだという。「リニア編集が主流だった時代には、編集室を作るには大きな投資が必要でした。しかし、パソコンを使ったノンリニア編集がメインになったことで機材購入にかかる費用は大きく下がりました。当社は派遣業ということで人材は十分に在籍していましたので、これなら自社で編集業務も請け負えるのではないかと考えたんです」(洲脇氏)。 株式会社 ラフト 代表取締役 クリエイティブ・ディレクター 薗部 健 氏 こうして、MAを除くフィニッシングまで行える同社初の自社編集室が銀座にあるマンションの一室に作られた。「4~5年して、ある程度需要があることがわかってきました。銀座では狭い部屋を5人で回してたので、もう少し広くしてあげたいと思ったのもあって」(内宮氏)と、今回のFK Studio設立への計画が動き出したそうだ。「それならMA室も必要だよね、という話になったのですが、当社はMA室に関する知識はまったくなかった。そこで、以前からお付き合いのあったラフトさんに相談しまして「薗部さん、お願いします!」ということに(笑)」(内宮氏)。 このような経緯でFK Studioは株式会社ラフト(以下、「ラフト」)がプロデュース、同社代表取締役・クリエイティブディレクターである薗部氏がフルスケルトンの状態から設計することになった。最上階のフロアをフルスケルトンから作り直すというのは、天井高が確保でき、設計の自由度が高いというメリットもあるが、今回は飲食店からの転用であったため、空調や水回りをすべてやり直す必要があったり、消防法の関係で不燃認定を受けている素材を使用する必要があったりしたそうだ。スタジオでよく見るジャージクロスは難燃認定のため吸音材に使用せず、壁も天井もすべて不燃材を用いている。飲食店からの転用が意外な課題をもたらしていたようだ。 機能美にあふれ、誰もが仕事をしやすい環境 「お客様を迎える場所なので、内装などの見た目にはこだわりたかった」(内宮氏)というFK Studioは、実に洗練された暖かみを感じさせる空間になっている。エレベーターの扉が開くとそこは明るく開放的なロビーになっており、ここはそのまま各スタジオへの動線となっている。あざやかなオレンジ色の椅子が目を引くが、躯体の柱と色を合わせた漆色のテーブルがシックな雰囲気を演出し、ツヤ出し木製パネルの壁がそれらをつなげて、明るいながらも全体的に落ち着いた雰囲気をたたえた内装だ。このように印象的なスペースとなったのは、薗部氏の"機能美”へのこだわりにありそうだ。「見た目が美しくてもハリボテのようなものじゃダメ。ヘビーデューティでありながら美しい…作品を生み出す場所は、そうした"機能美"を備えていることが大切だと思ってます。天井のレールは垂直に、吸音板もスクウェアに、きっちり取り付けてもらいました」(薗部氏)。 📷 明るい色づかいながら、落ち着いた雰囲気のロビー。 こうしたコンセプトは居住性のみならず、スタジオ機能の面にも行き届いている。「編集オペレーターやエンジニアなどの社内スタッフはもちろん、来てくれるお客様にとっても、全員がすごしやすい…仕事がしやすい環境を作るのが一番だと考えていました。ひとが集まるところには自然に仕事が生まれる」(洲脇氏)とのコメントが印象的で、まさにスタジオ全体が内実をともなった美しさに溢れた空間になっているのだと強く感じさせる。 "ヘビーデューティ"なスタジオ設備 FK Studioの機材構成は一見シンプルだが、現代の番組制作をスムーズに行うための必要かつ十分な機能が備わっており、まさに"機能美"ということばがぴったりな仕様となっている。機材構成をメインで担当したのは、編集室が富士巧芸社 洲脇氏、MA室がラフト 音響クリエイターの髙橋氏だ。 📷 編集室 Edit 1。ディスプレイはすべて4K HDR対応。 2部屋ある編集室は、機材面ではまったく同じ構成となっている。メインとなるMac Proと、テロップ制作などを行うためのサブ機であるMac miniの2式構成、NLEはすべてAdobe Premier Proだ。「この規模のポスプロであれば、お客様もほぼPremierで作業している」(洲脇氏)というのが選定の理由だ。この2式のNLEを中心に、映像波形モニター、音声モニター用のステレオスピーカーとラック型のミキサー、そしてクライアント用の映像モニターといたってシンプルな構成となっている。しかし、ディスプレイはすべて4K対応、Mac Proは16コアプロセッサ・96GBメモリに加えGPUがRadeon Pro W5700X x 2に増設されたパワフルな仕様。さらに、ローカルストレージとして8TBの高速SSDレイドが導入され、4Kワークフローでもストレスのない制作が可能となっている。 📷 館内共用機器ラックには12Gルーターやネットワーク機器などを収容。各部屋からの信号は、館内のどのディスプレイにでも出力することができる。 FK Studioの大きな特徴のひとつに、現代的なネットワーク設備が挙げられる。共有ストレージにはSynologyのNASが導入され、すべてのスタジオ内ネットワークはひとつのルーターに接続されている。そのため、ひとつの編集室で書き出した素材をもうひとつの編集室やMA室と瞬時に共有することが可能だ。さらにいえば、ひとつの映像信号をFK Studio内のどのモニターにも出力できるため、ゲストの人数が多い時などはロビーで試写をすることも可能となっている。ちなみに、ラフトでも同じNASを使用しており、どちらのNASも2社が相互にアクセス可能な状態になっているという。「クラウドに近い環境。こうしたパートナーを増やしていけば、番組データの交換なども簡単になるかもしれませんね」(薗部氏)とのことだ。 社内ネットワークはルーターやケーブルも含めてすべて12G対応、インターネットは下り最大2Gbpsの通信速度を誇るNURO Biz。速度的なストレスは皆無の制作環境に仕上がっている。「今まではローカルのデバイスがボトルネックになるケースが多かった。ここ(FK Studio)はローカルデバイスのスペックがかなりいいので、逆にネットワークがボトルネックにならないように注意した」(薗部氏)ということだが、さらに、2Gbpsのインターネット帯域を「ゲスト用と社内用にルーターを分けている。そのため、ゲストが増えても館内ネットワークの速度には影響がない」(薗部氏)という徹底ぶり。まさに、"ヘビーデューティ"という表現がしっくりくる。「編集室にお客様が立ち合わないケースは増えています。完成品をチェックで送る時でも、ネットワークのスピードが高いので助かっている」(洲脇氏)とのことだ。 番組制作にとっての"普遍性"を示したMA室 📷 Pro Tools | S3を採用したことで、大きなゆとりを確保したMA室の作業デスク。台本の位置などを柔軟に運用できるのがメリットだ。メーター類や操作系も、見やすく手の届く範囲にまとめられており、作業に集中できる環境が整えられている。 NAルームが併設されたMA室はステレオ仕様、Pro ToolsシステムはHDXカード1枚、HD I/O、Sync HD、Pro Tools | S3という仕様の1式のみ、そして、Mac miniによるMedia Composerワークステーションという、こちらもシンプルな構成。「最高スペックを視野に入れたシステムを組むと、どうしても甘い部分が出てきてしまう。ならば最初から割り切ってステレオとかにした方がいい。そのかわり、4K HDR対応だし、Mac Proもスペックを整えたもの(8コアIntel Xeon W CPU/96GBメモリ/1TB SSD + BMD DeckLink Studio 4Kビデオカード)。モニターもSonyの業務用にして、TB3HDDレイドも入れてます」(薗部氏)という通り、MA制作に必要な機能に的をしぼることで、近年重視されるようになってきたスペックの部分をしっかりとフォローした"基礎体力"の高いシステムになっている。 I/OはHD I/O、コントロールサーフェスはPro Tools | S3だ。今回のスタジオ設計においては、大型コンソールを入れることははじめから考えていなかったという。「複数のパラメーターを同時に操作したい場合はコンソールが必要ですが、ワークのスタイルを大型コンソールに合わせるよりも、原稿を置く位置など作業スペースのレイアウトをその都度変えられたりといったことの方が重要かな、と。」(髙橋氏)ということが理由のようだ。I/Oについては「ぼくひとりで使うなら、どんなに複雑でも面白いものを作ればいいのでPro Tools | MTRXも考えましたが、誰が来ても見れば使えるというところを重視した結果、HD I/Oという選択になりました」(髙橋氏)という。モニターコントローラーはGrace Design m905が選ばれており、音質はもちろんのこと、その使いやすさが選定の大きな理由となっている。 📷 MA室併設のナレーションブース。圧迫感がなく居住性の高いスペース。 「音の入り口と出口にはリソースを割きたかった」(髙橋氏)ということで、マイクとスピーカーは奇をてらわずも最高峰のものが選ばれている。スピーカーはメインがGenelec 8341A、スモールスピーカーとしてFocal Shape 40が選ばれている。NA用マイクはNeumann U87 Ai、マイクプリはMillenia HV-3Cだ。8341Aは近年ポスプロスタジオでの導入事例が増えているGenelec社の同軸モデルのひとつ。以前、ラフトで代替機として借りた際にそのクオリティが気に入り、今回の選定に至ったという。この機種についての印象を髙橋氏に伺うと、「鳴りと定位感のよさから、番組をやるにあたって聴きやすいという点が気に入っています。以前のGenelecと比べると、最近のモデルはより解像度を重視しているように感じます。」(髙橋氏)という答えが返ってきた。こちらにはGLMを使用したチューニングが施されている。スモールについては「今時のよくある小さめのモニタースピーカーって、どうしても低音を出そうとしているように感じるんです。そもそも、スモールスピーカーを使うというのはテレビの条件に近づけるという意図があったのに、(最近のスピーカーだと)スモールに切り替えると余計に音がこもっちゃってよくわからない、ということが多かったんです。その点、Shapeシリーズはそうしたこもりとかを感じずに、使いやすいな、と感じています。」(髙橋氏)とMA向きな一面をShape 40に見出しているようだ。 📷 MAスタンダードの地位を獲得した感のあるGenelec Oneシリーズ。FK Studioでは8341Aが採用されている。解像度の高さだけでなく、鳴りと定位感の良さが好評だ。自前の補正システムGLMも人気の理由だろう。 📷 独自素材を積極的に開発し、引き締まった音像と定位感のよさに定評のあるFocal Shape 40。髙橋氏は自宅でもShapeシリーズを使用しているとのことで、大きな信頼を寄せている。 ビデオ再生はPro Toolsのビデオトラックだけでなく、Media Composer、Video Slave 4 Proでの再生も可能。スタジオ内のネットワークが高速なため、「編集室からNASにProResで書き出してもらったものをMedia Composerにリンクして再生することが多いです。」(髙橋氏)とのこと。ちなみに、ビデオI/OにはAvid DNxIVが採用されている。オーディオプラグインはWAVES Diamond、iZotope RX Post Production Suite、Nugen Audio Loudness Toolkit 2と、MAワークのスタンダードが並ぶ。特にRXについては「RXなしでは最近のMAは成り立たない」(髙橋氏)と、大きな信頼を寄せる。プラグインに関してもこうしたスタンダードなラインナップに集約することで、FK Studioで制作したセッションがほかのスタジオで開けないといったことを未然に防いでいる。まさに、「誰にとっても気持ちよく仕事ができる環境」作りを徹底しているように思えた。ラウドネス関連ではNugen Audioのほかに、テープ戻し用としてCLARITY M STEREOとFourbit LM-06も設置されている。はじめからあえて的をしぼることで実現された一縷の隙もないシステムは、現代の番組MAにとってひとつの"普遍性"を示していると言えるのではないだろうか。 📷 m905本体、Mac mini、DNxIV。普段は触らない機器もビシッと美しく設置されているところに、薗部氏の透徹した美学が垣間見える。 📷 Clarity M Stereoとm905リモコン。必要なボタンがハードとして存在していることは、スムースなMAワークには欠かせない要素だ。手軽に位置を動かせるコンパクトさも、スタジオのコンセプトにマッチしている。 細部まで徹底的にシビアな視線で設計されていながら、訪れる者には明るさと落ち着きを兼ね備えた居心地のよい空間となっているFK Studio。「仕上がりはイメージ以上。ラフトさんのお力添えなしにはここまでのものは作れませんでした。」という内宮氏。これからの展望をたずねると「これを機に、2号、3号とスタジオを増やして行けたらいいですね。」と答えてくださった。FK Studioから生まれた番組を観られる日が、今から待ち遠しい限りだ。 (前列左より)株式会社 富士巧芸社 代表取締役 内宮 健 氏、株式会社 ラフト 代表取締役 / クリエイティブ・ディレクター 薗部 健 氏 (後列左より)ROCK ON PRO 沢口耕太、株式会社 富士巧芸社 映像グループ ポストプロダクションチーム チーフマネージャー 洲脇 陽平 氏、株式会社ラフト 音響クリエイター 髙橋 友樹 氏、ROCK ON PRO 岡田詞朗   *ProceedMagazine2021号より転載
NEWS
2021/08/10

超豪華ゲストによるグランドオープン配信イベント!~渋谷にクリエイターの聖地 LUSH HUB が誕生

#WHATISLUSHHUB ~LUSH HUB グランドオープニング・オンライン・イベント~ 日時:2021年8月12日(木) 18:00配信開始予定 場所:YouTube Live配信 配信ページはこちら ゲスト:古坂大魔王、本間昭光、江島啓一(サカナクション)、土岐彩香、DÉ DÉ MOUSE、SO-SO、Carpainter(敬称略) 時代に立ち向かうクリエイターとオーディエンスの為に立ち上げられたLUSH HUB。2021年8月12日、ついにグランドオープニングを迎えるこのLUSH HUBから7名の超豪華ゲストと共に3部構成のスペシャルオンライン・イベント番組が配信されます。 イベント詳細はこちらから>> LUSH HUBとは? 「時代に立ち向かうクリエイターとオーディエンスのために」をテーマに生まれたLUSH HUB。テクノロジー、芸術、メディアの輝かしい融合点として、最新・最先端のテクノロジーが詰め込まれた空間です。渋谷で探求し、世界に向けて輝きを発信するLUSH HUBでは、多くのリアルを展開します。 既存の価値観にとらわれず、新しい表現に積極的にチャレンジする。そんな体験をクリエイターとともに生み出し、オーディエンスへとお届けするために生まれた創造のための新たな聖地 LUSH HUB。 ぜひ、こちらから詳細をご確認ください。 注目の超豪華ゲストによる3部構成 + リアルタイム視聴者プレゼントも! 第一部 LUSH HUB REPORT ゲスト:古坂大魔王 LUSH HUBの全貌が明らかになる!お笑いとともに音楽を突き詰める古坂大魔王がNEVE ExhibitionやDMXコンソールAvolight Quartzを使ったRGB照明やムービングライトのコントロール体験、そしてNuTek TriCasterを使った生配信やクロマキー合成によるライブ演出を体験する。あの名曲も飛び出す!? 第二部 LUSH HUB TALK ゲスト:本間昭光、江島啓一(サカナクション)、土岐彩香 LUSH HUBが注目する人物の鼎談企画。第一線で活躍するトップクリエイター3名をゲストに迎え、アーティスト、プロデューサー、エンジニアの視点からそれぞれが目指す未来のサウンドについてスペシャル対談を行う。3名が見据える先にあるイマーシブサウンド。これからの音楽表現はどうなるのか。集まったことのない三人が起こす化学反応を目撃しよう。 本間昭光氏 江島啓一氏 土岐彩香氏 第三部 LUSH HUB LIVE ゲスト:DÉ DÉ MOUSE、SO-SO、Carpainter DMX照明やクロマキー合成を使った総合演出をアーティストと共に作り上げ、パフォーマンスだけでは伝えきれない世界観を伝えるLIVE配信。今回はアンダーグラウンドとメインストリームを自在に行き来し、時代や流行という型にハマらないフリーフォームな創造力を発揮するスペシャルゲスト3組が出演し、圧倒的なパフォーマンスを披露する。 DÉ DÉ MOUSE 氏 SO-SO 氏 Carpainter 氏 リアルタイム視聴者限定プレゼント #WHATISLUSHHUBをリアルタイムでご視聴いただいた方には、抽選で豪華ゲスト陣のサインが入ったTシャツをプレゼント。詳細は番組内で発表されますので、お見逃しなく! (追記8.13) ※こちらのプレゼントへの応募は終了しました。多数のご応募、ご感想をいただき誠にありがとうございました!
Broadcast
2021/08/06

株式会社毎日放送様 / ~多様なアウトプットに対応する、正確な回答を導き出せる音環境~

以前にも本誌紙面でご紹介した毎日放送のMA室がリニューアルした。前回のご紹介時にはAvid S6とMTRXの導入を中心にお伝えしたが、今回はそれらの機材はそのままにして内装のブラッシュアップとシステムの大幅な組み換えを行っている。さらには、準備対応であったイマーシブ・オーディオへの対応も本格化するという更新となった。 システム内の役割を切り分けるということ まずはシステムの更新の部分を見ていこう。今回の更新ではAvid S6はそのままに、モニター周り、Avid S6のマスターセクションをどのように構築するのかという部分に大きなメスが入った。これまでのシステムはスタジオに送られる全ての信号がMTRXに入り、Avid S6のMTMによるモニターセクションが構築されていた。その全ての信号の中にはPro Toolsからの信号も含まれDigiLinkで直接MTRXの入力ソースの一つとして扱われる仕様である。 このシステムをどのように変更したのかというと、まずはMTRXをPro ToolsとDigiLinkで接続し、Audio Interfaceとして使用しないこととした。昨今のシステムアップのトレンドとは逆の発想である。これにはもちろん理由があり、トラブルの要因の切り分けという点が大きい。従来は1台のPro Toolsのシステムであったものが、今回の更新で2台に増強されているのだが、こうなるとトラブル発生時の切り分けの際に、全てがMTRXにダイレクトに接続されていることの弊害が浮かび上がってくるわけだ。MTRXへダイレクトに接続した場合には、Pro ToolsのシステムからAudio Interface、モニターセクションといったスタジオ全体が一つの大きなシステムとなる。俯瞰するとシンプルであり、何でも柔軟に対応できるメリットはあるが、トラブル時にはどこが悪いのか何が問題なのかへたどり着くまで、システムを構成する機器が多いために手間がかかる。これを解決するために、2台に増強されたそれぞれのPro ToolsにAudio Interfaceを持たせ、スタジオのマスターセクションにあたるMTRXへ接続をするというシステムアップをとった。 これは、システムが大きくなった際には非常に有効な手法である。Avid S6以前のシステムを思い返せば、レコーダー / プレイヤー / 編集機としてのPro Tools、そしてミキシング、スタジオのシステムコアとしてのミキサー。このようにそれぞれの機器の役割がはっきりしていたため、トラブル時にどこが悪いのか、何に問題が生じているのかということが非常に明確であった。この役割分担を明確にするという考え方を改めて取り入れたAvid S6のシステムが今回の更新で実現している。 📷Audio Interface関係、VTR、パッチベイは、室内のディレクターデスクにラックマウントされている。手前の列から、映像の切替器、VTR、2台のPro Toolsに直結されたAvid純正のInterface。中央の列には、AntelopeのMasterClock OCX HD、RupertNeve Design 5012、Avid MTRXなど、システムのコアとなる製品が収まる。右列は、パッチベイとBDプレーヤーが収まっている。左から右へと信号の流れに沿ったレイアウトになっている。 MTRXをスタンドアローンで運用する 今回の更新により、MTRXは純粋にAvid S6のモニターセクション、マスターセクションとして独立し、Pro Toolsシステムとは縁が切れている状態となる。MTRXはどうしてもPro ToolsのAudio Interfaceという色合いが強いが、スタンドアローンでも利用できる非常に柔軟性の高い製品である。弊社ではこれまでにも、Artware Hubでの36.8chシステムのモニタープロセッサーとして、また松竹映像センターにおけるダビングシステムのマスターセクションとしてなど、様々な形でMTRXをスタンドアローンで活用していただいている。常にシステムに対しての理解が深い方が利用するのであれば、一つの大きなシステムとしたほうが様々なケースに対応でき、物理パッチからも解放されるなど様々なメリットを享受できるが、不特定多数の方が使用するシステムとなると、やはり従来型のミキサーとレコーダーが独立したシステムのほうが理解が早いというのは確かである。 ある意味逆説的な発想ではあるが、一つの大きく複雑なシステムになっていたものを、紐解いてシンプルな形に落とし込んだとも言えるだろう。この部分に関して、ミキサーとしてのマトリクス・ルーティングというものは、放送用のミキサーで慣れ親しんだものなので抵抗なく馴染める。今回のシステムは、そういったシステムとの整合性も高く、利用する技術者にとってはわかりやすいものとすることができたとお話をいただいている。MTRXをスタンドアローンで運用するため、今回の更新ではDADman を常に起動しておくための専用のPCとしてMac miniを導入いただいている。これにより、まさにAvid S6がMTRXをエンジンとした単体のコンソールのように振る舞うことを実現したわけだ。 📷もう一部屋のMA室でも採用した、コンソールを左右に移動させるという仕組みをこの部屋にも実装している。編集時にはキーボード・マウスなどがセンターに、MIXを行う際にはフェーダーがセンターに来る、という理想的な作業環境を実現するために、コンソール自体を左右に移動できるわけだ。これであれば、ミキサーは常にセンターポジションで作業を行うことができる。なお、専用に作られたミキサースタンドにはキャスターがあり、電動で左右に動く仕組みだ。これにより左右に動かした際、位置が変わることもなく常に理想的なポジションを維持できる。ちなみに一番右の写真はコンソールを動かすための専用リモコンとなっている。 イマーシブ・オーディオへの対応は、モニターセクションとしてスタンバイをする、ということとしている。5.1chサラウンドまでは常設のスピーカーですぐに作業が可能だが、ハイトスピーカーに関しては、もう一部屋のMA室との共有設備となる。これまでもトラスを組んで、仮設でのハイトチャンネル増設でイマーシブ・オーディオの制作を行ってきたが、モニターセクションのアウトとしても準備を行い、ハイト用のスピーカーをスタンドごと持ち込めば準備が完了するようにブラッシュアップが図られた。これにより、5.1.4chのシステム、もしくは7.1.2chのシステムにすぐに変更できるようになっている。地上波ではイマーシブ・オーディオを送り出すことはできない。とはいえ、インターネットの世界ではイマーシブ・オーディオを発信する環境は整いつつある。そしてこれらを見据えて研究、研鑽を積み重ねていくことにも大きな意味がある。まさにこれまでも積極的に5.1chサラウンド作品などを制作してきた毎日放送ならではの未来を見据えたビジョンが見える部分だ。 全てに対して正確な回答を導き出すための要素 📷一番作業としては多いステレオ用のラージスピーカーはMusik Electronic Geithain RL901KとBasis 14Kの組み合わせ。2本のSub Wooferを組み合わせ、2.1chではなく2.2chのシステムとしている。なお、サラウンド用には同社RL906が採用されており、こちらのスピーカースタンドは特注品となっている。 今回のシステム更新において、一番の更新点だと語っていただいたのが、スピーカーの入れ替え。古くなったから更新という既定路線の買い替えに留まらない、大きな含みを持った入れ替えとなっている。従来、この部屋のスピーカーはDynaudio Air6が導入されていたのだが、それをもう一つのMA室に導入されているMusik Electoronic Gaithin社の同一モデルへと更新。Musik社のスピーカーは、サブ(副調整室)にも採用されており、今回の更新で音声の固定設備としてのスピーカーをMusikに全て統一することができたわけだ。同じモデルなのでそのサウンドのキャラクターを揃え、毎日放送としてのリファレンスの音を作ることができたこととなる。 音質に対してのこだわりである、光城精機のAray MK Ⅱはコンソールの足元に設置されている。1台あたりで1000VAの出力を持つAray MK Ⅱが3台、スピーカーの電源及び最終段のアナログMTRX I/Oの電源が供給されている。 「Musikの音」という表現をされていたのが非常に印象的ではあるが、このメーカーのスピーカーは他社には真似のできない独自の世界観、サウンドを持っている。この意見には強く同意をするところである。同軸の正確な定位、ふくよかな低域、解像度の高い高域と言葉では伝えられない魅力を多く持つ製品である。お話を伺う中で、Musikに対してスピーカー界の「仙人」という言葉を使われていたのだが、たしかにMusikはオーディオエンジニアにとって「仙人」という存在なのかもしれない。いろいろなことを教えてくれる、また気づかせてくれる、そして、長時間音を聞いていても疲れない、まさに理想のスピーカーであるとのことだ。 放送局にとってMusikというスピーカーはハイクオリティではないかという意見も聞いたことがある。その意見は正しい部分もあるのかもしれないが、放送局だからこそ様々なアウトプットに対しての制作を求められ、どのような環境にも対応した音環境を持っていなければならない。そのためには、全てに対して正確な回答を導き出せる音環境が必要であり、ハイクオリティな環境であることは却って必要な要素であるというお話をいただいた。筆者もまさにその通りだと感じている。地上波だけではなく様々なアウトプットへの制作が求められるからこそ、ベストを尽くすことへの重要性が高まっているということは間違いない。 このハイクオリティな音環境を象徴するような機器が光城精工のArray 2の導入であろう。一見コンシューマ向け(オーディオマニア)の製品というイメージもあるかもしれないが、光城精工はスタジオ向け電源機器で一斉を風靡したシナノから独立された方が創業されたメーカー。もちろんプロフェッショナル業界のことも熟知した上での製品開発が行われている。Array 2は音響用のクリーン電源として高い評価を得ており、絶縁トランスでも単純なインバーターでもなくクリーン電源を突き詰めた、これも独自の世界を持った製品である。このArray 2が今回の更新ではスピーカー、モニタリングの最終アナログ段の電源として導入されている。アウトプットされるサウンドに対して絶対の信頼を持つため、また自信を持って作品を送り出すために、最高の音環境を整えようという強い意志がここからも読み取ることができる。 これらの更新により、音環境としては高さ方向を含めたマルチチャンネルへの対応、そしてハイレゾへの対応が行われ、スペックとして録音再生ができるということではなく、それらがしっかりと聴いて判断ができる環境というものが構築されている。Dolby Atmos、360 Reality Audio をはじめとするイマーシブ・オーディオ、これから登場するであろう様々なフォーマット、もちろん将来への実験、研鑽を積むためのシステムでもある。頻繁に更新することが難しいスタジオのシステム、今回の更新で未来を見据えたシステムアップが実現できたと強く感じるところである。そして、実験的な取り組みもすでにトライされているようで、これらの成果が実際に我々の環境へ届く日が早く来てほしいと願うばかりだ。この部屋で制作された新しい「音」、「仙人」モードでミックスされた音、非常に楽しみにして待つことにしたい。 (左)株式会社毎日放送 総合技術局 制作技術センター音声担当 部次長 田中 聖二 氏、(右)株式会社毎日放送 総合技術局 制作技術センター音声担当 大谷 紗代 氏 *ProceedMagazine2021号より転載
Review
2021/07/29

現役サウンドデザイナーによる実践レビュー!vol.3 ~Le Sound AudioTextureでクリエイティブなループを制作

既存のライブラリから音源を選び、尺を合わせて加工して、足りない音は収録…という従来のワークフローとはまったくことなるアプローチでサウンドデザインの世界を拡げるLe Soundプラグインは、効果音をシンセサイズするという、プロシージャルオーディオのコンセプトにもとづいたアプローチで自由自在なサウンドメイクを可能にします。 このLe Sound製品を、TV番組、CM、アニメーション、イベントなど幅広い分野で大活躍中のサウンドデザイナーである安江史男 氏(Tacit Knowledge Sound LLC)、荒川きよし氏(株式会社 Async)のおふた方に実際に使用していただき、実践的な使い方を教えてもおう!というこの企画。 全6回予定の第3弾はTacit Knowledge Sound LLC 安江氏によるAudioTextureの実践レビュー。 手持ちの素材から違和感なくループを作成したり、まるでシンセのような新しいサウンドを生み出したり…クリエイティブと遊び心が満載の実践レビュー第3弾をお楽しみください! 安江 史男 氏 プロフィール   愛知県春日井市生。カリフォルニア州立ノースリッジ大学で音楽ビジネスを学ぶ。外国人コーディネーターを経て、音響効果の世界へ。 TVCM、Web、イベント等、多種多様な効果音が必要な作品に従事。選曲も扱う。DJとしての活動も顕著。   公式サイト:https://www.yasuefumio.com レーベル: www.bigpierecords.com vol.1 ~Le Sound AudioElecで電撃サウンドを自在にデザイン vol.2 ~Le Sound AudioWindでロケ映像を美しく仕上げる AudioTextureで自然なループからトガったシンセサウンドまで! 第3回はAudio Textureについてご紹介します。 こちらは音を精製するものというよりは、基本的には、音源を元に、鳴らす箇所をランダマイズさせることで、無限ループを作ることができるプラグインです。 ピッチ可変も可能で、こちらもランダマイズできるので、揺らぎを作りながら無限に鳴らし続けることができます。 プラグイン画面です。右上のLoadから音源ファイルを指定してAudio Texture内に取り込みます。 取り込むと自動的にマーカーを生成してくれます。このマーカーはランダマイズさせる際の音源のトリガーポイントになります。左下のUnit Sizeのノブは再生される音源の長さを調整できます。マーカーから次のマーカーまでが再生される音源の長さになるので、Unit Sizeを動かすとマーカーの数が変わります。このマーカーは任意で動かしたり、ダブルクリックで追加することが可能です。 次にループして欲しい音源のエリアの中心を、波形画面下の横に長いバーのポインターを動かして指定し、真ん中の方にあるX Rangeのノブで幅の調整をします。 また、Rateで音源のピッチの上げ下げができます。さらにR Rangeでピッチのランダマイズができるようになり、値を上げていくとランダマイズされるピッチの幅が高低音域に広がって行きます。 まずは無限ループの映像です。 こちらでは水の音をループ感を軽減するために3つ重ねています。 冒頭で大元の音源をPreviewボタンを用いて流しています。Startボタンを押したところから、パラメータに沿ったランダマイズが始まります。 左と真ん中は同じ音源を読み込んでいますが、ピッチとX Rangeの使い方、またマーカーの位置を変えることで同じ音が鳴らないようにしています。これに右の音をベース音として載せることでさらに同じ音と感じさせないようにしてみたつもりです。大元の音源は短い音源ではありますが、長い音源に変化できることがなんとなくわかっていただけるかと思います。 次はシンセ系の音で、ちょっと違ったこともやってみました。 こちらは前回のAudio ElecからTelemetryの音だけを書き出したものを音源としています。X Rangeは最大、そしてUnit Sizeをかなり小さくし、マーカー位置を極端に増やすことでランダマイズされる箇所を増やし、複雑な音にしてみています。 また、後半ではX RangeとR Rangeを最小、Unit Sizeも小さめにし、Rateを上げ下げすることで、駆け上がり下がり音も作ってみています。 シンセでない音でも同じようなことをしてみました。 シェルシェイカーの音を元にしています。収録音関係をシンセサイズすることで手動では鳴らせない音に可変できるのが良いところかと思います。 第3回はAudioTextureをご紹介しました。 音源によって試せることが多様に変わるので、是非色々試行錯誤してみてください! AudioTextureの魅力は、手持ちの音源の長さを映像の尺に合わせて自在にコントロールできること。さらに、安江氏にご紹介いただいたようにシンセサイザーならではの加工もできる点がさらに便利なところです。 ノイズが入った部分をカットしているうちに尺が足りなくなってしまった音源を伸ばす、短い時間でも音源にダイナミクスを持たせるためにランダマイズする、自然音や生音を素材に新しいサウンドを創造する…使い方もまさに無限大のAudioTextureの魅力にぜひ触れてみてください! 今回登場したプラグイン以外のLe Sound全ランナップも、ぜひこちらからチェック!きっとイメージに合うサウンドがあるはずです。 今回登場したプロダクトはこちら AudioTexture 販売価格:¥19,800(本体価格¥18,000) AudioTextureはとても大きな創造の可能性を秘めています。AudioTextureのサウンドを重ねて、たったひとつのシンプルな素材から重層的なサウンドを生成したり、素材を複数使用してサウンド・シーンを制作してください。 Rock oN Line eStoreで購入>> https://pro.miroc.co.jp/headline/le-sound-review-sounddesign-1-audioelec/#.YQFSalP7Q-Q https://pro.miroc.co.jp/headline/le-sound-review-sounddesign-2-audiowind/#.YQFSjVP7Q-Q
Media
2021/07/28

IPビデオ伝送の筆頭格、NDIを知る。〜ソフトウェアベースでハンドリングする先進のIP伝送〜

弊社刊行のProceedMagazineでは以前より音声信号、映像信号のIP化を取り上げてきた。新たな規格が登場するたびにそれらの特徴をご紹介してきているが、今回はNewtek社によって開発された、現在世界で最も利用されているIPビデオ伝送方式のひとつであるNDIを取り上げその特徴をじっくりと見ていきたい。IPビデオ伝送ということは、汎用のEthernetを通じVideo/Audio信号を伝送するためのソリューション、ということである。いま現場に必要とされる先進的な要素を多く持つNDI、その全貌に迫る。 一歩先を行くIPビデオ伝送方式 NDI=Network Device Interface。SDI/HDMIとの親和性が高く、映像配信システムなどの構築に向いている利便性の高い規格である。このIP伝送方式は、NewTek社により2015年9月にアムステルダムで開催された国際展示会IBCで発表された。そして、その特徴としてまず挙げられるのがソフトウェアベースであるということであり、マーケティング的にも無償で使用できるロイヤリティー・フリーのSDKが配付されている。ソフトウェアベースであるということは、特定のハードウェアを必要とせず汎用のEthernet機器が活用可能であるということである。これは機器の設計製造などでも有利に働き、特別にカスタム設計した機器でなくとも、汎用製品を組み合わせて活用することで製品コストを抑えられることにつながっている。この特徴を体現した製品はソフトウェアとしていくつもリリースされている。詳しい紹介は後述するが、汎用のPCがプロフェッショナルグレードの映像機器として活用できるようになる、と捉えていただいても良い。 フルHD映像信号をを100Mbit/s程度にまで圧縮を行い、汎用のEthernetで伝送を行うNDIはIBC2015でも非常に高い注目を集め、NewTekのブースには来場者が入りきれないほどであったのを覚えている。以前、ProceedMagazineでも大々的に取り上げたSMPTE ST2110が基礎の部分となるTR-03、TR-04の発表よりも約2ヶ月早いタイミングで、NDIは完成形とも言える圧縮伝送を実現した規格として登場したわけだ。非圧縮でのSDI信号の置換えを目指した規格であるSMPTE ST-2022が注目を集めていた時期に、圧縮での低遅延リアルタイム伝送を実現し、ロイヤリティーフリーで特定のハードウェアを必要とせずにソフトウェアベースで動作するNDIはこの時すでに一歩先を行くテクノロジーであったということが言える。そして、本記事を執筆している時点でNDIはバージョン4.6.2となっている。この更新の中では、さらに圧縮率の高いNDI HX、NDI HX2などを登場させその先進性に磨きがかけられた。 📷これまでにもご紹介してきた放送業界が中心となり進めているSMPTE 2022 / 2110との比較をまとめてみた。大規模なインフラにも対応できるように工夫の凝らされたSMPTE規格に対し、イントラネットでのコンパクトな運用を目指したNDIという特徴が見てとれる。NDIは使い勝手を重視した進化をしていることがこちらの表からも浮かんでくるのではないだろうか。 100Mbit/s、利便性とクオリティ NDIの詳細部分に踏み込んで見ていこう。テクノロジーとしての特徴は、前述の通り圧縮伝送であるということがまず大きい。映像のクオリティにこだわれば、もちろん非圧縮がベストであることに異論はないが、Full HD/30pで1.5Gbit/sにもなる映像信号を汎用のEhternetで伝送しようと考えた際に、伝送路の帯域が不足してくるということは直感的にご理解いただけるのではないだろうか。シンプルに言い換えれば一般的に普及しているGigabit Ethernetでは非圧縮のFull HD信号の1Streamすら送れないということである。利便性という目線で考えても、普及価格帯になっているGigabit Ethernetを活用できず10GbEthernetが必須になってしまっては、IPビデオ伝送の持つ手軽さや利便性に足かせがついてしまう。 NDIは当初より圧縮信号を前提としており、標準では100Mbit/sまで圧縮した信号を伝送する。圧縮することでGigabitEthernetでの複数Streamの伝送、さらにはワイヤレス(Wi-Fi)の伝送などにも対応している。4K伝送時も同様に圧縮がかかり、こちらもGigabit Ethernetでの伝送が可能である。もちろん10GbEthernetを利用すれば、さらに多くのStreamの伝送が可能となる。放送業界で標準的に使用されているSONY XDCAMの圧縮率が50Mbit/sであることを考えれば、十分にクオリティが担保された映像であることはご想像いただけるだろう。さらにNDI HXでは20Mbit/sまでの圧縮を行いワイヤレス機器などとの親和性を高め、最新の規格となるNDI HX2ではH.265圧縮を活用し、NDIと同様の使い勝手で半分の50Mbit./sでの運用を実現している。 Ethernet Cable 1本でセットできる 代表的なNDI製品であるPTZカメラ。 次の特徴は、Ethernet技術の持つ「双方向性」を非常にうまく使っているということだ。映像信号はもちろん一方向の伝送ではあるが、逆方向の伝送路をタリー信号やPTZカメラのコントロール、各機器の設定変更などに活用している。これらの制御信号は、SMPTE ST2022/ST2110では共通項目として規格化が行われていない部分だ。 NDIではこれらの制御信号も規格化され、メーカーをまたいだ共通化が進められている。わかりやすい部分としてはPTZカメラのコントロールであろう。すでにNDI対応のPTZカメラはPoE=Power over Ethernet対応の製品であれば、Ethernet Cable1本の接続で映像信号の伝送から、カメラコントロール、電源供給までが行えるということになる。従来の製品では3本、もしくはそれ以上のケーブルの接続が必要なシーンでも1本のケーブルで済んでしまうということは大きなメリットだ。天井などに設置をすることが多いPTZカメラ。固定設備としての設置工事時にもこれは大きな魅力となるだろう。NDIに対応した製品であれば、基本的にNDIとして接続されたEthernetケーブルを通じて設定変更などが行える。別途USBケーブル等を接続してPCから設定を流し込む、などといった作業から解放されることになる。 📷左がリモートコントローラーとなる。写真のBirdDog P200であれば、PoE対応なので映像信号、電源供給、コントロール信号が1本のEthernet Cableで済む。 帯域を最大限に有効活用する仕組み NDIの先進性を物語る特徴はまだある。こちらはあまり目に見える部分ではないが、帯域保護をする機能がNDIには搭載されている。これは前述のタリー信号をカメラ側へ伝送できる機能をさらに活用している部分だ。実際にスイッチャーで選択されていない(双方向で接続は確立されているが、最終の出力としては利用されていない)信号は、データの圧縮率が高められたプロキシ伝送となる。本線として利用されていない(タリーの戻ってきていない)カメラは、自動的にプロキシ伝送に切り替わり帯域の圧縮を防ぐということになる。これは本線で使用されていたとしても、PinP=Picture in Picture の副画像などの場合でも同様だ。画面の1/4以上で利用されている場合にはフルクオリティの出力で、1/4以下であればプロキシへと自動的に切り替わる。双方向に情報を伝達できるNDIはスイッチャーが必要とする時にカメラ側へフルクオリティー画像の伝送をリクエストして切り替える、この機能を利用しているわけだ。数多くのカメラを同一のネットワーク上に接続した場合にはその帯域が不安になることも多いが、NDIであればネットワークの持つ帯域を最大限に有効活用する仕組みが組み込まれている。 信号伝送の帯域に関しての特徴はほかにもあり、MulticastとUnicastの切り替えが可能というのもNDIの特徴だ。接続が確立された機器同士でのUnicast伝送を行うというのがNDIの基本的な考え方だが、スイッチャーから配信機材やレコーダーといった複数に対して信号が送られる場合にはMulticastへと手動で切り替えが可能となっている。もちろん、全ての信号伝送をMulticastできちんと設定してしまえば、特に考えることもなく全ての機器で信号を受け取ることができるが、実際のシステム上では設定も簡易なUnicastで十分な接続がほとんどである。イントラネットを前提とするNDIのシステム規模感であれば、Unicast/Multicast両対応というのは理にかなっている。AoIPであるDanteも同じく基本はUnicastで、必要に応じてMulticastへと変更できるということからも、イントラであればこの考え方が正しいということがわかる。 また、IP機器ということで設定に専門的な知識が必要になるのではと思われるかもしれない。NDIは相互の認識にBonjour(mDNS)を使っている、これはDanteと同様である。同一のネットワーク上に存在している機器であれば自動的に見つけてきてくれるという認識性の高さは、Danteを使ったことのある方であれば体験済みだろう。もちろん、トラブルシュートのために最低限のIPの知識はもっておいたほうが良いが、ITエンジニアレベルの高いスキルを求められる訳ではない。汎用のEthernet Switchに対応機器を接続することで自動的に機器が認識されていき、一度認識すればネットワーク上に障害が生じない限りそのまま使い続けることができる。 IPビデオ伝送ならでは、クラウドベースへ 非圧縮映像信号のリアルタイム伝送を目的として策定された SMPTE ST-2110との比較も気になるポイントだろう。SMPTE ST-2110はMulticastを基本とした大規模なネットワークを前提にしており、Video PacketとAudio Packetが分離できるため、オーディオ・プロダクションとの親和性も考えられている。各メーカーから様々な機器が登場を始めているが、相互の接続性など規格対応製品のスタート時期にありがちな問題の解決中という状況だ。NDIについてはすでに製品のリリースから6年が経過し高い相互接続性を保っている。 NDIはイントラ・ネットワーク限定の単一のシステムアップを前提としているために、大規模なシステムアップのための仕組みという部分では少し物足りないものがあるかもしれない。WWW=World Wide Webを経由してNDIを伝送するというソリューションも登場を始めているが、まだまだNDIとしてはチャレンジ段階であると言える。その取り組みを見ると、2017年には200マイル離れたスタジアムからのカメラ回線をプロダクションするといった実験や、Microsoft Azure、AWSといったクラウドサーバーを介してのプロダクションの実験など、様々なチャレンジが行われたそうだ。なお、こちらの実験ではクラウドサーバーまでNDIの信号を接続し、そこからYoutube Liveへの配信を行うということを実現している。つまり、高い安定性が求められる配信PCをクラウド化し、複数のストリーミング・サービスへの同時配信を行う、といったパワフルなクラウドサーバーを活用したひとつの未来的なアイデアである。このようなクラウド・ベースのソリューションは、まさにIPビデオ伝送ならではの取り組みと言える。業界的にもこれからの活用が模索されるクラウド・サービス、SMPTE ST-2110もNDIもIP伝送方式ということでここに関しての可能性に大きな差異は感じないが、NDIが先行して様々なチャレンジを行っているというのが現状だ。 NDIをハンドリングする無償アプリ 次に、NDIの使い勝手にフォーカスをあてていくが、キーワードとなるのは最大の特徴と言ってもいいソフトウェアベースであるということ。それを端的に表している製品、NewTekが無償で配布しているNDI Toolsを紹介していこう。 NDIを活用するためのアプリケーションが詰まったこのNDI Toolsは、Windows用とMac用が用意され9種類のツールが含まれている。メインとなるツールはネットワーク内を流れるNDI信号=NDIソースのモニターを行うNDI Studio Monitor。NDI信号が流れるネットワークにPCを接続しアプリケーションを起動することで、信号のモニターがPCで可能となる。SDIやHDMIのようにそれぞれの入力を備えたモニターの準備は不要、シンプルながらもIPビデオ伝送ならではの機能を提供するソフトウェアだ。次は、VLCで再生した映像をNDI信号としてPCから出力できるようにするNDI VLC Plugin。こちらを立ち上げれば、外部のVideo PlayerをPCを置き換え可能となる。そして、PCから各種テストパターンを出力するNDI Test Patterns。高価な測定器なしにPCでテストパターンの出力を実現している。ここまでの3点だけでも、最初に調整のためのテストパターンを出力し、調整が終わったらVLCを使ってVideo再生を行いつつ、最終出力のモニタリングをNDI Srtudio Monitorで行う、といったフローがPC1台で組み上げられる。IPビデオ伝送ならではの使い勝手と言えるのではないだろうか。 利便性という面で紹介したいのがNDI Virtual Input。これはWindows用となり、PCが参加しているネットワーク内のNDIソースをWindows Video / Audioソースとして認識させることができる。つまり、NDIの入力信号をウェブカメラ等と同じように扱えるようになるということだ。なお、Mac向けにはNDI Webcam Inputというツールで同じようにWEBカメラとしてNDIソースを認識させることができる。すでにZoom / Skypeはその標準機能でNDIソースへの対応を果たしており、IPベースのシステムのPCとの親和性を物語る。そして、NDI for Adobe CCは、Premier / After Effectの出力をNDI信号としてPCから出力、イントラネット越しに別の場所でのプレビューを行ったり、プレイヤーの代替に使ったりとアイデアが広がるソフトウェアだ。他にもいくつかのソフトウェアが付属するが、ハードウェアで整えようとすればかなりのコストとなる機能が無償のソフトウェアで提供されるというのは大きな魅力と言える。 NDI Tools紹介ページ NDI Toolsダウンロードページ NDIの可能性を広げる製品群 続々と登場している製品群にも注目しておきたい。まずは、Medialooks社が無償で配布を行なっているSDI to NDI Converter、NDI to SDI Converter。Blackmagic Design DecklinkシリーズなどでPCに入力されたSDIの信号をNDIとして出力することができる、またその逆を行うことができるソフトウェアで、IPビデオらしくPCを映像のコンバーターとして活用できるアプリケーション。有償のソフトウェアとしてはNDI製品を多数リリースするBirdDog社よりDante NDI Bridgeが登場している。こちらはソフトウェアベースのDante to NDIのコンバーターで、最大6chのDante AudioをNDIに変換して出力する。ステレオ3ペアの信号を3つのNDI信号として出力することも、6chの一つのNDIの信号として出力することもできる使い勝手の良い製品だ。同社のラインナップにはNDI Multiveiwというアプリケーションもある。こちらは、その名の通りネットワーク上のNDI信号のMultiview出力をソフトウェア上で組み立て、自身のDisplay用だけではなくNDI信号として出力するという製品。ソースの名称、オーディオメーター、タリーの表示に対応し、複数のMuliviewをプリセットとして切り替えることが行える。 また、BirdDog社は現場で必須となるインカムの回線をNDIに乗せるというソリューションも展開、SDI / HDMI to NDIのコンバーターにインカム用のヘッドセットIN/OUTを設け、その制御のためのComms Proというアプリケーションをリリースしている。このソリューションはネットワークの持つ双方向性を活用した技術。映像信号とペアでセレクトが可能なためどの映像を撮っているカメラマンなのかが視覚的にも確認できるインカムシステムだ。もちろん、パーティラインなど高度なコミュニケーションラインの構築も可能。ハードウェアとの組み合わせでの機能とはなるが、$299で追加できる機能とは思えないほどの多機能さ。どのような信号でも流すことができるネットワークベースであることのメリットを活かした優れたソリューションと言える。 今回写真でご紹介しているのが、Rock oN渋谷でも導入している NewTek TriCaster Mini 4K、NDI自体を牽引しているとも言えるビデオスイッチャーである。NDIのメリットを前面に出した多機能さが最大のアピールポイント。先述した接続の簡便さ、また、双方向性のメリットとして挙げたPTZカメラのコントロール機能では対応機種であればIRIS、GAINなどの調整も可能となる。そして、TriCasterシリーズはソフトウェアベースとなるためVideo Playerが組み込まれている、これもビデオスイッチャーとしては画期的だ。さらには、Video Recorder機能、Web配信機能などもひとつのシステムの中に盛り込まれる。肝心のビデオスイッチャー部もこのサイズで、4M/E、12Buffer、2DDRという強力な性能を誇っているほか、TriCasterだけでクロマキー合成ができたりとDVEに関しても驚くほど多彩な機能を内包している。 📷 NDIを提唱するNewTekの代表的な製品であるTriCasterシリーズ。こちらはTriCaster Mini 4Kとなる。コンパクトな筐体がエンジン部分、4系統のNDI用の1GbEのポートが見える。TriCasterシリーズは、本体とコントロールパネルがセットになったバンドルでの購入ができる。写真のMini 4Kのバンドルは、エンジン本体、1M/Eのコンパクトなコントローラー、そしてSpeak plus IO 4K(HDMI-NDIコンバーター)が2台のバンドルセットとなる。そのセットがキャリングハンドルの付いたハードケースに収まった状態で納品される。セットアップが簡単なTriCasterシリーズ、こちらを持ち運んで使用するユーザーが多いことの裏付けであろう。 すでにInternetを越えて運用されるNDI イントラ・ネットワークでの運用を前提としてスタートしたNDIだが、すでにInternetを越えて運用するソリューションも登場している。これから脚光を浴びる分野とも言えるが、その中からも製品をいくつか紹介したい。まずは、Medialooks社のVideo Transport。こちらは、NDIソースをインターネット越しに伝送するアプリケーションだ。PCがトランスミッターとなりNDI信号をH.265で圧縮を行い、ストリーミングサイズを落とすことで一般回線を利用した伝送を実現した。フルクオリティの伝送ではないが、汎用のインターネットを越えて世界中のどこへでも伝送できるということに大きな魅力を感じさせる。また、データサイズを減らしてはいるが、瞬間的な帯域の低下などによるコマ落ちなど、一般回線を使用しているからこその問題をはらんでいる。バッファーサイズの向上など、技術的なブレイクスルーで安定したクオリティーの担保ができるようになることが期待されるソリューションだ。 BirdDog社ではBirdDog Cloudというソリューションを展開している。こちらは実際の挙動をテストできていないが、SRT=Secure Reliable Transportという映像伝送プロトコルを使い、インターネット越しでの安定した伝送を実現している。また、こちらのソリューションはNDIをそのまま伝送するということに加え、同社Comms ProやPTZカメラのコントロールなども同時に通信が可能であるとのこと。しっかりと検証してまたご紹介させていただきたいソリューションだ。 Rock oN渋谷でも近々にNewTek TriCasterを中心としたNDIのシステムを導入を行い、製品ハンズオンはもちろんのことウェビナー配信でもNDIを活用していくことになる。セットアップも簡便なNDIの製品群。ライブ配信の現場での運用がスタートしているが、この使い勝手の良さは今後のスタジオシステムにおけるSDIを置き換えていく可能性が大いにあるのではないだろうか。大規模なシステムアップに向いたSMPTE ST-2110との棲み分けが行われ、その存在感も日増しに高くなっていくことは想像に難くない。IP伝送方式の中でも筆頭格として考えられるNDIがどのようにワークフローに浸透していくのか、この先もその動向に注目しておくべきだろう。   *ProceedMagazine2021号より転載
Music
2021/07/21

Chimpanzee Studio 様 / 〜コンパクトスタジオのスタイルを広げるDolby Atmos〜

本職はプロのミュージシャン。ドラマーを生業としつつ、スタジオの経営を鹿児島で行う大久保氏。そのスタジオにDolby Atmosの制作システムを導入させていただいたので詳細をお伝えしたい。かなり幅広い作品の録音に携わりつつも、自身もミュージシャンとしてステージに立つ大久保氏。どのようにしてスタジオ運営を始め、そしてDolby Atmosに出会ったのだろうか?まずは、スタジオ開設までのお話からお伺いした。 90年代のロスで積み重ねた感覚 それではスタジオ開設に至る経緯をたどってみたい。鹿児島出身である大久保氏は学生時代より楽器を始め、広島の大学に進学。その頃より本格的に音楽活動を始めていたということだ。普通であれば、学生時代に特にミュージシャンとしての道を見出した多くの場合は、ライブハウスの数、レコーディングセッションの数など仕事が多くある東京、大阪、福岡といった大都市をベースに活動を本格化させるのが一般的である。しかし大久保氏は日本を飛び出し、全てにおいて規模が大きく好きな音楽がたくさん生まれたロサンジェルスの地へと一気に飛び立った。ロサンジェルスは、ハリウッドを始めとしたエンターテイメント産業の中心地。大規模なプロジェクト、本場のエンターテイメントに触れることとなる。なぜ、アメリカ、そしてロサンジェルスを選んだのか?その答えは文化の違いとのことだ。アメリカには町ごとに音楽がある。ロス、ニューヨーク、シアトル、アトランタ、それぞれの街にそれぞれの音楽がある。そんな多様性、幅の広さが魅力だという。 Chimpanzee Studio(チンパンジースタジオ) 大久保 重樹 氏 ロスに移住してからは、ミュージシャンとして活躍をする傍ら、住んでいた近くにあったレコーディングスタジオのブッキングマネージメント、日本からのミュージシャンのコンサルなどを行ったということだ。時代は1990年代、まだまだ日本のアーティストたちもこぞってアメリカまでレコーディングに出かけていた時代。そこで、自身もミュージシャンで参加したり、スタジオ・コーディネイトを行ったりと忙しい日々を過ごしていたそうで、ロスでも老舗のSunset Soundやバーニー・グランドマンにも頻繁に通っていたというからその活躍がいかに本格的なものであったかが伺える。 そんな環境下で、スタジオによく出入りをし、実際にレコーディングを数多く経験するうちに、録音というものに興味が湧いてきたということだ。まずは、自身のドラムの音を理想に近づけたい、どうしたらより良いサウンドへと変わるのか?そういったことに興味を持った。そして、今でも現役として使っているBrent Averillのマイクプリを入手することになる。今では名前が変わりBAE Audioとなっているが、当時はまさに自宅の一角に作業場を設け、手作業で一台ずつ製品を作っていた文字通りガレージメーカーだった時代。創業者の名前をそのままにメーカー名をBrent Averillとしていたのも、自身の名前をフロントパネルにサイン代わりにプリントした程度、というなんとものどかな時代である。 大久保氏は、実際にBrent氏の自宅(本社?)へ出向き今でもメインで活用しているMic Preを購入したそうだ。そのエピソードも非常に面白いものなので少し紹介したい。Brentさんの自宅は大久保氏とは近所だったというのも訪問したきっかけだった。そしてそこで対応してもらったのが、なんと現Chandler Limitedの創業者であるWade Goeke氏。その後、世界を代表するアウトボードメーカーを立ち上げることとなるGoeke氏の下積み時代に出会っているというのは、ロサンジェルスという街の懐の深さを感じさせるエピソードだ。 📷Pro ToolsのI/O関連とMicPreは正面デスクの右側に設置。上のラックにはDirectout ANDIAMO、AVID MTRX。下のラックには、DBX 160A、Brent Avirill NEVE 1272、Drawmer 1960が入っている。 ネットの可能性を汲み取った1997年、鹿児島へ そんなロスでの生活は1990年に始まったそうだが、時代はインターネットが普及への黎明期を迎えていた時期でもある。ロスと日本の通信は国際電話もあったが、すでにEメールが活用され始めていたということ。必然性、仕事のためのツールとしてインターネットにいち早く触れた大久保氏は「これさえあれば世界のどこでも仕事ができる」と感じた。アーティストならではなのだろうか?いち早くその技術の持つ可能性を感じ取り、活用方法を思いつく。感性と一言で言ってしまえば容易いが、人よりも一歩先をゆく感覚を信じ、鹿児島へと居を移すこととなる。ロスで知り合ったいろいろな方とのコネクション、人脈はインターネットがあればつながっていられる。それを信じて帰国の際に地元である鹿児島へと戻ったのである。帰国したのが1997年、日本ではこれからインターネットが本格的に普及しようかというタイミングである。その感性の高さには驚かされる。 鹿児島に帰ってからは、マンションでヤマハのアビテックスで防音した部屋を作りDAWを導入したということだ。最初はDigital PerfomerにADATという当時主流であったシステム。もちろんミュージシャンが本職なので、最初はエンジニアというよりも自分のスキルを上げるための作業といった色合いが強かったそうだ。そのエンジニアリングも、やればやるほど奥が深くどんどんとのめり込んで行き、自身でドラムのレコーディングができるスタジオの設立を夢に描くようになる。ドラムということで防音のことを考え、少し市街地から離れた田んぼの真ん中に土地を見つけ、自宅の引っ越しとともに3年がかりで作り上げたのが、現在のチンパンジースタジオだということだ。今は周りも住宅地となっているが、引っ越した当時は本当に田んぼの真ん中だったということ。音響・防音工事は株式会社SONAに依頼をし、Pro Toolsシステムを導入した。 スタジオのオープンは2007年。オープンしてからは、国内のアーティストだけではなく、韓国のアーティストの作品を手掛けることも多いということだ。チンパンジースタジオができるまではライブハウスや練習スタジオに併設する形での簡易的な録音のできる場所しかなかったそうで、鹿児島で録音に特化したスタジオはここだけとなる。チンパンジースタジオでの録音作業は、地元のCM音楽の制作が一番多いということだ。自身がメインで演奏活動を行うJazzはやはり多くなるものの、ジャンルにこだわりはなく様々なミュージシャンの録音を行っている。 地元ゆかりのアーティストがライブで鹿児島に来た際にレコーディングを行うというケースも多いということだ。名前は挙げられないが大御所のアーティストも地元でゆっくりとしつつ、レコーディングを行うということもあるということ。また面白いのは韓国のアーティストのレコーディング。特に釜山からレコーディングに来るアーティストが多いということだ。福岡の対岸に位置する釜山は、福岡の倍以上の人口を抱える韓国第2の都市でもある。しかし、韓国も日本と同様にソウルへの1極集中が起こっており、釜山には録音のできる施設が無いのが実情の様子。そんな中、海外レコーディング先としてこのチンパンジースタジオが選ばれることが多いということだ。 📷錦江湾から望む鹿児島のシンボルとも言える桜島。チンパンジースタジオは市街から15分ほどの距離にある。 📷Proceed Magazine本誌で別途記事を掲載している鹿児島ジャズフェスティバルのステッカーがここにも、大久保氏はプレイヤーとして参加している。 省スペースDolby Atmos環境のカギ 📷内装のブラッシュアップに合わせ、レッドとブラックを基調としスタイリッシュにリフォームされたコントロールルーム。右にあるSSL XL Deskはもともと正面に設置されていたものだが、DAWでの作業が増えてきたこと、またAtmosの制作作業がメインとなることを考えPCのデスクと位置が入れ替えられている。またリフォームの際にサラウンド側の回線が壁から出るようにコンセントプレートが増設されている様子がわかる。Atmos用のスピーカーはGenelec 8020、メインのステレオスピーカーはADAM A7Xとなっている。 スタジオをオープンさせてからは、憧れであったアナログコンソールSSL XL Deskを導入したりマイクを買い集めていったりと、少しづつその環境を進化をさせていった。そして今回、大きな更新となるDolby Atmos環境の導入を迎えることとなる。Dolby Atmosを知るきっかけは、とあるお客様からDolby Atmosでの制作はできないか?という問い合わせがあったところから。それこそAtmosとは?というところから調べていき、これこそが次の時代を切り拓くものになると感じたということ。この問い合わせがあったのはまさにコロナ禍での自粛中。今まで通りの活動もできずにいたところでもあり、なにか新しいことへの試みをと考えていたこともあってAtmos導入へと踏み切ったそうだ。 当初は、部屋内にトラスを組みスピーカーを取り付けるという追加工事で行おうという簡易的なプランだったというが、やるのであればしっかりやろうということなり天井、壁面の内装工事をやり直してスピーカーを取り付けている。レギュレーションとして45度という角度を要求するDolby Atmosのスピーカー設置位置を理想のポジションへと取り付けるためには、ある程度の天井高が必要であるが、もともとの天井の高さもあり取り付けの位置に関しても理想に近い位置への設置が可能であった。取り付けについても補強を施すことで対応しているという。合わせて、壁面にも補強を行いスピーカーを取り付けている。このような設置とすることで、部屋の中にスピーカースタンドが林立することを避け、すっきりとした仕上がりになっている。また、同時にワイヤリングも壁面内部に埋め込むことで、仕上がりの美しさにもつながっている。環境構築にはパワードスピーカーを用いるケースが多いが、そうなると、天井や後方のサラウンドスピーカーの位置までオーディオ・ケーブルとともに電源も引き回さなければならない。これをきれいに仕上げるためには、やはり内装をやり直すということは効果的な方法と言える。 📷天井のスピーカーはDolby Atmosのリファレンスに沿って、開き角度(Azimuth)45度、仰角(Elevation)45度に設置されている。天井が高く余裕を持って理想の位置へ設置が行われた。 今回のDolby Atmos環境の導入に関しては、内装工事という物理的にスピーカーを取り付ける工事もあったが、システムとしてはオーディオインターフェースをMTRXへと更新し、Dolby Atmos Production Suiteを導入いただいたというシンプルな更新となっている。XL Deskを使ったアナログのシステム部分はそのままにMTRXでモニターコントロールを行うAtmos Speakerシステムを追加したような形だ。録音と従来のステレオミキシングに関しては、今まで通りSSL XL Deskをメインとしたシステムとなるが、Dolby Atmosミックスを行う際にも従来システムとの融合を図った更新が行われている。やはり今回のシステム更新においてMTRXの存在は大きく、ローコストでのDolby Atmos環境構築にはなくてはならないキーデバイスとしてシステムの中核を担っている。 📷今回更新のキーデバイスとなったAvid MTRX、持ち出しての出張レコーディングなどでも利用するため別ラックへのマウントとなっている。 📷収録時のメインコンソールとなるSSL XL Desk。プレイヤーモニターへのCueMixなどはこのミキサーの中で作られる。アナログミキサーなのでピュアにゼロレイテンシーでのモニタリングが可能だ。 📷ブースはドラム収録できる容積が与えられ、天井も高くアコースティックも考えられた設計だ。 Dolby Atmos構築のハードルを下げるには エンドユーザーに関しては、ヘッドフォンでの視聴がメインとなるDolby Atmos Musicだが、制作段階においてスピーカーでしっかりと確認を行えることは重要だ。仕込み作業をヘッドフォンで行うことはもちろん、ヘッドフォンでのミックスを最終的にしっかりと確認することは必要なポイントではある。しかし、ヘッドフォンでの視聴となるとバイノーラルのプロセッサーを挟んだサウンドを聴くことになる。バイノーラルのプロセスでは、上下や後方といった音像定位を表現するために、周波数分布、位相といったものに手が加わることとなる。サウンドに手を加えることにより、擬似的に通常のヘッドフォン再生では再現できない位置へと音像を定位させているのだ。これは技術的にも必要悪とも言える部分であり、これを無くすことは難しい。スピーカーでの再生であればバイノーラルのプロセスを通らないサウンドを確認することができ、プロセス前のサウンドで位相や定位などがおかしくないか、といったことを確認できる。これは業務として納品物の状態を確認するという視点からも重要だと言える。 制作の流れとしては、スピーカーで仕上げ、その後にヘッドフォンでどのように聴こえるかを確認するわけだが、バイノーラルのプロセスを通っているということは、ここに個人差が生じることになる。よって、ヘッドフォンでの確認に関して絶対ということは無い。ステレオでのMIXでもどのような再生装置で再生するのかによってサウンドは変質するが、その度合がバイノーラルでは耳の形、頭の形といった個人差により更に変化が生じるということになる。ここで、何をリファレンスとすればよいのかという課題が生じ、その答え探しの模索が始まったところだと言えるだろう。バイノーラルのプロセスでは音像を定位させた位置により、音色にも変化が生じる。そういったところをスピーカーとヘッドフォンで聴き比べながら調整を進めるということになる。 制作のノウハウ的な部分に話が脱線してしまったが、スピーカーでサウンドを確認できる環境が重要であるということをご理解いただけたのではないだろうか。省スペースなDolby Atmos環境であっても、物理的に複数のスピーカーを導入するといった機材の追加は、その後に制作される作品のクオリティのために必要となる。また、システムとしてはAvid MTRXの登場が大きい。モニターコントローラーや、スピーカーチューニングなどこれまでであれば個別に必要であった様々な機器を、この一台に集約することができている。チンパンジースタジオでは、このMTRXの機能をフルに活用し、機材の更新は最低限にして、内装更新やスピーカー設置といったフィジカルな部分に予算のウェイトを置いている。前号でご紹介した弊社のリファレンスルームもしかり、そのスペースにおけるキーポイント明らかにし、そこに焦点をあてて予算を投入することで、Dolby Atmos Music制作環境の構築はそれほど高いハードルにはならないということをご理解いただきたい。 大久保氏は今回Dolby Atmosのシステムを導入するまでは、完全にステレオ・オンリーの制作を行ってきており、5.1chサラウンドのミキシング経験もなかったそうだが、今回の導入でステレオから一気にDolby Atmos 7.1.4chへとジャンプアップしている格好だ。お話をお伺いしたときには、まだまだ練習中ですと謙遜されていたが、実際にミックスもすでに行っており本格稼働が近いことも感じられる。今後はアーティストの作品はもちろん、ライブ空間の再現など様々なことにチャレンジしたいと意気込みを聞くことができた。鹿児島で導入されたDolby Atmosが、その活動に新たな扉を開いているようである。   *ProceedMagazine2021号より転載
Education
2021/07/14

洗足学園音楽大学様 / ~作編曲と録音の両分野をシームレスに学ぶハイブリッド環境~

クラシック系、ポピュラー系と実に18もの幅広いコースを持ち業界各所へ卒業生を輩出している洗足学園音楽大学。その中で音楽音響デザインコースの一角である、B305教室、B306教室、B307教室、B308教室の4部屋についてシステムの更新がなされた。作編曲と録音の両分野をシームレスに学ぶ環境を整えることになった今回の更新ではAvid S6が採用され、またその横にはTrident 78が据えられている。アナログ・デジタルのハイブリッドとなった洗足学園音楽大学の最新システムをご紹介したい。 日本国内で一番学生数が多い音楽大学 神奈川県川崎市高津区にある洗足学園音楽大学は1967年に設立された音楽大学で、音楽の基盤となるクラシック系からポピュラー系まで実に多彩な18のコースを有している。大学院まで含めると約2300人の学生が在学しており、現在日本国内で一番学生数が多い音楽大学である。 音楽大学の基盤となるクラシック音楽系のコースはもちろんだが、新しい時代の音楽表現を模索するポピュラー音楽系のコースとして、音楽・音響デザイン、ロック& ポップス、ミュージカル、ジャズコースなど多彩なコースがあり、特に近年は声優アニメソングやバレエ、ダンス、そして舞台スタッフを育成する音楽環境創造コースなど、音楽の周辺分野まで学べるコースも設立されており、近年ますます学生が増え続けているのも特徴である。 各分野には著名な教授陣がおり、音楽制作の分野ではゲーム音楽作曲家の植松伸夫氏、伊藤賢治氏、劇伴音楽やアニソン作曲家の山下康介氏、渡辺俊幸氏、神前暁氏、さらに録音分野の教授として深田晃氏や伊藤圭一氏などが教鞭をとっている。卒業後は国内の主要オーケストラや声楽家、ミュージカル俳優、声優、劇伴作曲家やゲーム会社、大手音楽スタジオエンジニアなどへ卒業生を多数輩出している。 作編曲と録音の両分野をシームレスに 現在、洗足学園では3つのスタジオを含む複数の音響設備を備えた教室が多数稼働している。メインスタジオではオーケストラや吹奏楽など大編成のレコーディングが可能で、ピアノやドラムなどをアイソレート可能なスモールブースも完備されている。これをはじめとする3つのスタジオではSSLのアナログコンソールが導入されており、音楽・音響デザインコースの生徒だけではなく、複数のコースの生徒がレコーディングなどの授業やレッスンで使用している。また、その他にも音響設備が備えられている教室の中には、Auro-3D 13.1chシステムを設置したイマーシブオーディオ用の教室が2つあり、Pro Tools UltimateとFlux:: SPAT Revolutionが導入され、電子音響音楽の制作やゲーム音響のサウンドデザインの授業が行われている。 📷学内にある大編成レコーディングも可能なメインスタジオ、ブースは天井高を高く取られている。 今回教室の改修が行われたのは、洗足学園音楽大学(以下、洗足学園)の音楽音響デザインコースの一角である、B305教室、B306教室、B307教室、B308教室の4部屋だ。近年、音楽・音響デザインコースを専攻する学生が増えており、既存のスタジオに加えてマルチブース完備のスタジオ増設が急務となったそうだ。主科で作編曲を学ぶクリエイター系の学生は音源制作をPC内でほぼ完結しているケースが多いが、さらに録音のスキルも身につけることによってより質の高い音源を制作できるようになる。このように作編曲と録音の両分野をシームレスに学ぶことができる環境を整えることが今回のテーマの一つとなった。そして、今回の改修でのもう一つのテーマは、アナログとデジタルが融合されたハイブリッドシステムを形成すること。これは授業内容なども考慮された大学ならではのシステム設計だろう。 📷今回改修が行われた4部屋の中でも、Avid S6を中心としたコントロールルームの役割を持つB305教室。 Avid S6とTrident 78によるハイブリッド 新たに導入されたPro Tools | MTRXは既存のHD I/Oと合わせてAD/DA 48chの入出力が可能。 今回改修された4教室は大きさがそれぞれ異なり、合わせて使用することで1つのスタジオとして稼働できるよう計画された。一番広いB305教室は、Avid S6を中心としたコントロールルームの役割を持つ。既存のスタジオが主にアナログ機器を中心とした設計なのに対し、今回改修された4教室ではデジタル中心のシステムを組むように考慮され、B305教室の既存Pro Tools HDXシステムには、Pro Tools | MTRXが追加導入された。これらのAvid S6システムは、録音はもちろんMAでも数多く導入実績があり、さらにDolby Atmosなどのイマーシブ・オーディオへの拡張性も申し分ない。授業においてPro Toolsを使用することが前提の教室で、これらの点を考慮した結果、Avid S6以外の選択肢はなかったそうだ。 S6の構成は5Knob・24Faderで、サラウンドミックスに対応できるようにJoystick Moduleも追加されている。もともとこちらの教室ではサラウンドシステムを導入しており、以前はJL CooperのSurround Pannerが使用されていた。なお、Joystick Moduleはファブリックの統一感のために専用スペースに納められている。Pro Tools | MTRXはADカード24ch(うち8chはMic Pre付き)、DAカード24chとSPQカードを増設。さらに既存のHD I/O 2台と組み合わせて、Pro ToolsとしてはトータルでAD/DA 48chの入出力可能なシステムへと強化された。HAはPro Tools | MTRXに増設された8chのほか、SSLやRME、FocusriteなどのMic Preが30ch以上用意されており、好きなMic Preを選択可能のほか、最大48chのマルチチャンネル録音も可能とした。 📷アナログパッチベイとHA類。SSL、RME、FocusriteなどのMic Preが30ch以上用意されている。 今回の改修で特徴となったのが、Avid S6横に設置されたTrident 78。デジタルとアナログのハイブリットシステムを構築しているわけだが、授業ではスタジオ録音を初めて経験する1年生から上級生まで様々な学生が使用するため、デジタル機器だけではなくアナログ機器についての学習も行えるようにハイブリッドシステムが採用されたということだ。Trident 78をHAやサミング・ミキサーとしても使用できるよう、Monitor OutはPro Tools | MTRXへ、Direct OutとGroup OutはHD I/Oへとそれぞれパッチベイ経由で接続されている。特にTrident 78のMonitor Outがパッチベイ経由なのは、デジタル中心のシステムではあるが、授業内容によってはTridentのみでも授業が行えるように、あえてAvid S6とPro Tools | MTRXを経由せずにも使用できるように設計された。 📷B305教室にはAvid S6 5Knob-24faderとTrident 78が並ぶ、アナログ機器の学習も行えるハイブリッドなシステムだ。Trident 78の下にはAV AmpとBlu-rayプレイヤー、Apple TVが収められている。 また、Pro Tools | MTRXはモニターコントロールとしても設定された。AD/DAのチャンネル数が豊富に拡張されているが、モニター系統はいたってシンプルに構成されており、ソースはPro Tools、TridentとAV Ampの3つに絞られたが、5.1chサラウンドで構成されている。AV AmpはBlu-rayプレイヤーのほか、Apple TVとHDMI外部入力が用意されており、持ち込みPCなど映像だけではなく音声もメインスピーカーからサラウンドで視聴が可能だ。民生機系の機材をAV Ampにまとめることで、音声のレベル差なども解消させている。 S6マスターセクションの隣に用意された専用スペースにはJoystick Moduleが収められている。 ソース切り替えに連動させるため、Pro Tools | MTRXとAES/EBU接続されたClarity M。 ワイヤレスで揃えられたマウスとキーボードは授業形態の自由度を高めるために、Avid S6とセパレートされた。 独立して使用可能なB308教室 マルチブースのなかで一番広いB308教室にはドラムセットが常設され、マイクの種類や位置など集中的にマイキングに関する授業やレッスンができるよう考慮された。これらの回線は壁面パネル経由でB305教室での録音を可能にしたほか、B308教室に設置されているPro Toolsシステムでも録音可能である。 こちらの独立したPro ToolsシステムではインターフェイスにPro Tools | Carbonが採用され、こちらでもPro Toolsを中心とした授業が行えるよう設計された。こちらの教室は単独で授業を行うことが多く、作曲系のレッスンで使用されることも多いため、Pro Tools以外にもLogicがインストールされている。こういったHost DAWが複数ある場合、それぞれのアプリケーションで同一インターフェイスを使用することが想定される。従来のインターフェイスであれば、それぞれのアプリケーションを同時に起動することは難しいが、Pro Tools | CarbonのAVB接続ではPro Toolsと他アプリケーションで同時にI/Oを共有できる。AVBのストリームをPro Tools専用の帯域とCore Audioとして使用可能な帯域とで分けることにより、Pro Toolsと他DAWが同時起動できる仕組みは、こちらの教室では非常に有効な機能だ。 📷B308教室の独立したPro Tools システムはPro Tools | Carbonをインターフェイスにし、AVB接続による他DAWと同時起動できる仕組みを活かした授業が行われている。また、こちらのClarity MはUSB接続となっている。 また、Pro Tools | Carbonの特長でもあるハイブリッド・エンジンにより、DSPエンジンの恩恵を受けることができるため、DSPプラグインを使用したり、ローレイテンシーでレコーディングをする、といった作業も可能だ。音質についても講師陣からの評価が非常に高く、作編曲と録音の両分野をシームレスに学ぶという点でも最適なインターフェイスである。システムの中心がPro Tools | Carbonではあるが、こちらの教室でも様々な授業が行われるため、B305教室と同様にHDMI外部入力にも対応したシステムが構築されている。こちらはAvid S6やPro Tools | MTRXのようなシステムはないため、モニターシステムはSPL MTCが導入されている。 4教室を連結、1つのスタジオに 今回の改修において最大の特徴である教室間を連携したシステムは、録音ができるマルチブースを完備するためでもあるが、昨今のコロナ対策として密集を避けて録音授業やレッスンを実施できるようにする目的もある。各教室は一般の録音スタジオのようにガラス窓などは設けられていないが、その代わりに各教室壁面に用意されたパネルには音声トランク回線のほか映像回線も用意されており、全てがB305教室とB308教室へ接続することができる。 📷4分割表示されたモニタディスプレイ。画面の上部には小型カメラが設置されている。 B305教室の映像系ラック。Smart Videohubでソースアサインを可能にしている。 4部屋に用意されたテレビモニターシステムは、モニタディスプレイと上部に設置された監視カメラ用の小型カメラから構成されている。B305教室では、各教室のカメラ回線がBlackmagic Design Smart Videohub Clean Switch 12x12に接続されており、各部屋への分配を可能にしている。さらに組み込まれたMulti View 4で4部屋のカメラ映像をまとめて1画面で表示し、各教室同士でコミュニケーションを可能にした。それだけではなく、分散授業の際にはB305教室の模様を全画面でディスプレイに表示し、B305教室では各部屋の学生の様子をモニタリングしたりと、授業内容によって自由にカスタマイズ可能である。 もちろんCUE Boxも各部屋に配置されているが、授業という形態を取るにあたり受講者全員がヘッドホンモニタリングするということは難しい。そのため、CUEシステムの1、2chをSDIに変換してモニタディスプレイの回線にエンベデッドし、各モニタディスプレイに分配、ディスプレイの音量ボリュームを上げることで、ヘッドホンをしていない受講者もCUE回線を聴くことができるよう設計された。こういった活用方法は一般の音楽スタジオでは見られない設計で、大学の教室ならではの特徴である。 ジャンルを越えていく教室の活用法 実際にAvid S6を使用して、まずはじめにPro Tools | MTRXの音質の良さが際立ったという。音質に定評のあるPro Tools | MTRXは音楽大学の講師陣からも絶賛だ。さらに、Avid |S6はレイアウトモードが大変便利だという。24ch仕様でフェーダー数に限りがあるため、レイアウトをカスタマイズできる機能は操作性が良く、柔軟にレイアウトを組むことができて再現性も高い。レイアウトデータがセッションに保存されるところも特徴で管理がしやすいのも特徴だ。視認性の高さという点では、ディスプレイモジュールに波形が表示され、リアルタイムに縦にスクロール表示されるのも視覚的に発音タイミングを掴みやすいので、MAなどで活用できそうだという。 実際にこちらの教室で行われる授業は、録音系の授業やレッスンでは実習が中心となり、学生作品や他コースからの依頼などで様々なジャンル、編成でのレコーディングやトラックダウンをS6で学び、またTrident 78、SSL Logic Alpha、RME Octamic、MTRXなどの様々なマイクプリの比較や、アナログとデジタルの音質の聴き比べなども行う。今後はMAやゲーム音響制作のレッスンでも使用予定だそうで、今回導入したJoystick Moduleもぜひ活用していきたいと語る。ほかにも、ジャンルの枠にとらわれないコース間のコラボレーション企画や学生の自主企画が多く執り行われており、2021年3月には、声優アニメソングコース、ダンスコース、音楽・音響デザインコース、音楽環境創造コースのコラボレーションによる、2.5次元ミュージカルが上映された。このようにユニークな企画が多く開催されているのも、学生の自主性を重んじる洗足学園ならではである。 また、コロナ禍により全面的な遠隔授業やレッスン室にパーティションを設置するなど、万全の感染対策を施した上で、いち早く対面でのレッスンを実現したことや、年間200回以上も上演されている演奏会では、入場者数の制限や無観客の配信イベントとして開催するなど、学生の学びを止めることなく、実践を積み重ねることで専門性を磨き、能力や技術の幅を広げている。 今後、このS6システムを活用して学生作品のコンペを実施し、優秀作品をこのスタジオで制作することを検討しているという。音楽大学のリソースを活かして、演奏系コースとのレコーディングプロジェクトを進めたり、こちらの教室を中核にした学内の遠隔レコーディングネットワークをさらに充実させる計画もある。アフターコロナでどの音楽大学も学びのスタイルを模索している中ではあるが、このように洗足学園ならではの制作環境を実現し、学びの場を提供し続けていくのではないだろうか。 洗足学園音楽大学 音楽・音響デザインコースで教鞭をとる各氏。前列左から、伊藤 圭一氏、森 威功氏、山下 康介氏、林 洋子氏。また、後列はスタジオ改修に携わった株式会社楽器音響 日下部 紀臣氏(右)、ROCK ON PRO 赤尾真由美(左) *ProceedMagazine2021号より転載
NEWS
2021/07/09

Dolby AtmosやSONY 360 RA関連記事が一度に見られる!3D Audioボタンを設置しました。

Apple Musicでの配信がスタートしたことで、いよいよ本格的な普及が予想されるDolby Atmos Music。次世代放送規格MPEG-Hコーデックを使用し、これから爆発的な普及もあり得るSONY 360 Reality Audio(360 RA)。 これらに代表される、3Dオーディオ/空間オーディオ/Immersive Sound関連の記事をピックアップして表示することができる「3D Audio」ボタンをROCK ON PRO WEBサイトトップページに設置しました。 この分野の初期から様々な情報を発信してきたROCK ON PROならではの豊富なリソースを、ぜひご活用ください! 3Dオーディオ関連記事一覧>>
NEWS
2021/07/07

Proceed Magazine 2021 販売開始! 特集:Sound on 4π

  Proceed Magazine 2021号が発刊です!今号のテーマは「Sound on 4π」。Apple MusicがDolby Atmos対応を果たしたことも記憶に新しいところですが、Amazon Music HDやDeezer、nugs.net、TIDALといった配信サービスがソニーの立体音響技術を活用した360 Reality Audioでの配信をスタートさせるなど、新たなテクノロジーが生む広大な音のフィールドがリスナーの手元に届けられるようになっています。そのオーディオリスニングに新たな体験をもたらすテクノロジーをクリエイターがどう作品に昇華させることができるのか、制作の最前線から技術解説に至るまでを詳細に追いかけました。さあ!皆さんもこのムーブメントをシェアしましょう!   テクノロジーの進化を待たずして日常的な体験をもたらすことが今こそ求められる! ◎特集:Sound on 4π 「4π」、それはソナ中原氏も音場という点でのゴールだという上下空間も含む360度の空間。その空間を描く力は、クリエイターの作品を拡張する手段。しかしその力は、一般ユーザーに届くのか。それが私達の未来を創る。 これまで現実味があるとは言い難かったオンラインでのバーチャルなテクノロジーが、半ば強制的にではあるが実生活に使われ出したのが2020年。そのメリットもデメリットも実感としてあらわになっているが、人々の生活に根付くことで新たなテクノロジーを迎え入れることへの心理的なハードルは間違いなく下がってきている。 これに伴うようにコンテンツの提供方法についても再構築されていくのが2021年の潮流なのではないだろうか。音楽の分野でDolby Atmos Musicが胎動するように、放送・OTT・映画・ゲームなどのコンテンツでもよりイマーシブでパーソナルな環境が提供され出している。ここに音響の側面から新たな価値観を普遍的に提供できるキーテクノロジーとなるのがbinauralであり、広くあまねく多くの人々が4πの新たな音響定位を体験することになる。 テクノロジーの進化を待たずして日常的な体験をもたらすことが今こそ求められる。ユーザーに強いることは意味を持たない。挑まなければならない、それが私達のテーマだ。 Proceed Magazine 2021 全144ページ 販売価格:500円(本体価格463円) 発行:株式会社メディア・インテグレーション   ◎SAMPLE (画像クリックで拡大表示)   ◎Contents ★People of Sound Kevin Penkin 氏インタビュー ★ROCK ON PRO 導入事例 洗足学園音楽大学 ★Sound on 4π 染谷和孝氏、古賀健一氏 / 360 Reality Audio / 名古屋バイノーラル現場 / 鹿児島チンパンジースタジオ / イマーシブ制作ツールの選び方2021 ★Product Inside AMS Neve 8424 / iZotope Spire Gen2 ★ROCK ON PRO 導入事例 株式会社富士巧芸社 FK Studio / 株式会社毎日放送 ★ROCK ON PRO Technology IPビデオ伝送の筆頭格、NDIを知る。 / どんなDAWでもできるぞ!! Dolby Atmos / しまモンの、だってわかんないんだモン!! ★Build Up Your Studio パーソナル・スタジオ設計の音響学 その23 特別編 音響設計実践道場 〜第四回 ロビングエラー〜 ★Power of Music 鹿児島ジャズフェスティバル / TOONTRACK EZ BASS / ROTH BART BARON 三船雅也 ★BrandNew SSL / Earthworks / Blackmagic Design / Focal / Avid / Ableton / PHONON / YAMAHA / Sonarworks / Gamechanger Audio / Focusrite / Modal Electronics / Antelope / ELEKTRON / Universal Audio / SENNHEISER / SAMSUNG ★FUN FUN FUN デザインアンダーグラウンド SHIBUYA-BASE アメリカンミュージックの神髄 ◎Proceed Magazineバックナンバーも好評販売中! Proceed Magazine 2020-2021 Proceed Magazine 2020 Proceed Magazine 2019-2020 Proceed Magazine 2019 Proceed Magazineへの広告掲載依頼や、内容に関するお問い合わせ、ご意見・ご感想などございましたら、下記コンタクトフォームよりご送信ください。