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iZotope RX 9 レンダリング速度対決 〜M1 vs Rosetta 2 vs Intel (vs M1 Max)〜 M1対応記念セールも実施中!!


数々の受賞歴を誇る業界標準オーディオリペアツール iZotope RX が最新バージョンv9.3.0より、待望の Apple Silicon M1へのネイティブ対応を果たしました!2021年秋に新たな機能を追加してバージョンアップしたばかりの RX 9 を、現時点でもっともパワフルな環境で使用することが可能となります。

ROCK ON PRO では早速、従来の Intel CPU や Rosetta 2 経由での動作と比較し、Apple M1ネイティブ対応の優位性を検証!

さらに、この Apple M1ネイティブ対応を記念して実施中のセール情報をお届けします!

iZotope RX 9 の詳細はこちら>>

レンダリング速度比較! 〜 M1 vs Rosetta 2 vs Intel Core i7 〜

先日、iZotope RXの Apple M1チップへのネイティブ対応が発表されました。M1搭載のMACをお使いのiZotopianのみなさまは既にお試しいただいてますでしょうか?ネット上では「かなり処理速度が上がった」「体感2倍〜3倍速い」などといったコメントが散見されますが、果たしてどれくらい処理速度は向上しているのか?実際に弊社環境でチェックしてみました。

◎そもそも「M1ネイティブ対応」とは何か
すでにご存知の方も多いかと思いますが、まずは「M1ネイティブ対応」の意味からおさらいしてみたいと思います。

改めてNativeという単語の意味を検索してみると、次のような意味とのことです。

Native=出生地の、自国の、本来の、その国に生まれた、その土地固有の、土着の、(…の)原産で、土産(どさん)で、生まれつきの、生来の
(参照:Weblio英和辞典 native)

「M1ネイティブ対応」という文脈においては「本来の」という意味で使用されているようなイメージでしょうか。
RXがM1チップ搭載MACでも使えるようになったのは、RX 8.5からですが、このバージョンから9.2までは「Rosetta 2」経由で処理を行っていました。

Rosetta は特定のアーキテクチャのプログラムコードを持つバイナリを、別のアーキテクチャに適宜変換 (en:Dynamic recompilation) することでバイナリの互換性を維持するAppleの技術。(参照:Wikipedia – Rosetta)

これがM1リリースに伴い、インテル製CPU向けアプリケーションとの互換性を保つために新たにRosetta 2 として発表されました。ただしこれはあくまで動作上の互換性を保つためのワークアラウンドであり、M1チップが保つ本来の性能を発揮できていないということになります。

つまり、今回のRXの「M1ネイティブ対応」は「M1本来の処理性能での動作に対応した」という意味になります。

ちなみに、今お使いのアプリケーションがM1で動いているのか、Rosetta 2で動いているかどうかを確認するためには「アクティビティモニタ」の「種類」の項目から確認できます。”Apple”もしくは”Intel”となっており、もしここが”Intel”と表示されている場合、Rosetta 2経由で動作していることを表しています。

◎検証環境

検証パターン
・2種類のCPU x 2種類のRXバージョン x 3種類の処理項目 = 12パターン
 – 2種類のRXバージョン( v9.0.1 or v9.3.0 )
 – 2種類のCPU ( M1 or Intel )
 – 3種類の処理項目( Dialogue Isolate or Repair Assistant or Music Rebalance)

今回検証に使用するマシンのスペックは以下になります。本来であれば全くの同スペックで検証するのが理想でしたが、現実はそううまくは行きません…。あくまで参考としてお考えください。

まずIntelマシンとして用意したのはMacbook Pro(15-inch,2016)。6年前のモデルということに驚きましたが、Quad-Core Intel Core i7とそれなりにパワフルなCPUを備えています。

MAC①:MacBook Pro(15-inch,2016)
・ OS:macOS 10.15.7 Catalina
・ CPU:2.7 GHz Quad-Core Intel Core i7
・ メモリ:16GB 2133MHz LPDDR3
・ グラフィックス:Intel HD Graphics 530 1536MB

対するM1マシンとして用意したのはiMac(24-inch,M1,2021)。iMacのラインナップの中では最もリーズナブルな構成のモデルですが、4つの高性能コアと4つの高効率コアを搭載しており、その処理性能は既に随所で高く評価されています。

MAC②:iMac(24-inch,M1,2021)
・ OS:macOS 11.3 Big Sur
・ CPU:Apple M1
・ メモリ:8GBユニファイドメモリ
・ グラフィックス:Apple M1

さらに、とある協力者様のご協力によりM1 MAXのデータも得ることができました(V9.3.0のみ)

MAC③:MacBook Pro (16-inch ,2021)
・ OS:macOS 11.2 Monterey
・ CPU:Apple M1 MAX
・ メモリ:32GBユニファイドメモリ
・ グラフィックス:Apple M1 MAX

RXのバージョンは同一マシンでのRosetta 2経由 / M1ネイティブでの処理速度の違いをみるために、それぞれV9.0.1、そして最新のV9.3.0の2種類のバージョンのRXを用意しました。

処理項目は3種類。雑音の中から音声を分離するDialogue Isolate、最適な処理を提案してくれるRepair Assistant、そして楽曲をパートごとに分離可能なMusic Rebalanceと、比較的CPUへの負担が大きそうな処理項目を使用します。

素材は2種類。工事現場の雑音の中での話し声を録音した音声素材(13秒)と、商用フリーの音楽素材(4分23秒)を用意しました。

検証に使った素材
サンプル1:工事現場の雑音の中での話し声、13秒
 -> Dialogue Isolate、Repair Assistant
サンプル2:フリーの音楽素材、4分23秒
 -> Music Rebalanceでパートごとの個別トラックに分離

測定方法はDialogue IsolateとRepair Assistantについては上記サンプル1を、Music Rebalanceについてはサンプル2を使用し、処理の実行終了後、画面左下に表示される処理時間を記録しました。

1.Dialogue Isolateのパラメータ設定
2.Repair Assistantのパラメータ設定
2.Music Rebalanceのパラメータ設定


計測方法
●1.Dialogue Isolate
 サンプル1(雑音+話し声)を以下のパラメーターで実行し、”Render”ボタン押下〜完了後、画面左下に表示される処理時間を記録。
●2.Repair Assistant
 サンプル1(雑音+話し声)を以下のパラメーターで実行し、”Render”ボタン押下〜分析が終わりサジェストが表示されるまでの実時間を計測。(結果欄ではそれぞれ”_1″、”_2″で表記。)
●3.Music Rebalance
 サンプル2(音源)を以下のパラメーターで実行し、”Separate”ボタン押下〜完了後、画面左下に表示される処理時間を記録

検証結果 〜やはりM1ネイティブ対応版は速かった!〜
表1:検証結果 – 全パターン結果


結論から申し上げますと、追加で検証を実施したM1 MAX(Native)がぶっちぎりで速いという結果に。MAXはさておき、無印のM1ネイティブをRosetta 2と比較すると約1.3倍ほど速く、Intelとの比較では約2倍ほど速いという結果になりました。(表3 上段)ちなみにRosetta 2とIntelとの比較でも1.3倍ほど前者が速かったです。また、処理中に表示される推定残り時間を見ていても、明らかにM1ネイティブが少ない残り時間の表示となっていました。

表2:検証結果 – 項目ごとの順位(V9.3抽出)


それにしてもM1 MAXの処理速度の速さには驚きです。Intel MBPより平均3.5倍ほど速いです。Music Rebalanceでは、オリジナルが4分23秒の音楽素材をたったの111秒=1分51秒で綺麗に4パートに分離しました。

表3:検証結果 – 速度比(V9.3抽出)

個人的な感想として、M1ネイティブ対応のv9.3.0は比較的キビキビとした挙動で、「仕事で毎日RXを使っている」という方もストレスフリーな作業が期待できると思います。

皆さんも、是非ともM1ネイティブ対応で本領発揮したiZotope RX 9の真価をご体験ください!

※一部、Music Rebalanceについては例外的な結果となっている部分もありますが、今回の結果はあくまで弊社環境によるものですので、あくまで参考程度にお考えください。また分離後の音質の評価までは残念ながら実施できていないので、そのあたりを比べてみると差が出てくるという可能性も大いにあります。


Apple Silicon ネイティブ対応を記念したセールが開催中!


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*記事中に掲載されている情報は2022年03月15日時点のものです。