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澤口 耕太

澤口 耕太

広範な知識で国内セールスから海外折衝、Web構築まで業務の垣根を軽々と超えるフットワークを発揮。ドラマーらしからぬ類まれなタイム感で毎朝のROCK ON PROを翻弄することもしばしば。実はもう40代。

現役サウンドデザイナーによる実践レビュー!vol.5 ~Le Sound SpaceMotors


既存のライブラリから音源を選び、尺を合わせて加工して、足りない音は収録…という従来のワークフローとはまったくことなるアプローチでサウンドデザインの世界を拡げるLe Soundプラグインは、効果音をシンセサイズするという、プロシージャルオーディオのコンセプトにもとづいたアプローチで自由自在なサウンドメイクを可能にします。

このLe Sound製品を、TV番組、CM、アニメーション、イベントなど幅広い分野で大活躍中のサウンドデザイナーである安江史男 氏(Tacit Knowledge Sound LLC)、荒川きよし氏(株式会社 Async)のおふた方に実際に使用していただき、実践的な使い方を教えてもおう!というこの企画。

全6回予定の第5弾はTacit Knowledge Sound LLC 安江氏によるSpaceMotorsの実践レビュー。

アイドリングや加速・減速感など、シンセだけで制作すると異常な手間と労力がかかるSF的なモーター音。SpaceMotorsはこれらの作業を自動化してくれるだけでなく、近未来的なSFカーから巨大戦艦の浮上音のような重厚なものまで自由自在なサウンドメイクが魅力。

その魅力の引き出し方を、安江氏が徹底解説してくださいます!

第1弾 安江氏によるAudioElec編はこちら>>
第2弾 荒川氏によるAudioWind編はこちら>>
第3弾 安江氏によるAudioTexture編はこちら>>
第4弾 荒川氏によるAudioTexture編はこちら>>

安江 史男 氏 プロフィール
 

愛知県春日井市生。カリフォルニア州立ノースリッジ大学で音楽ビジネスを学ぶ。外国人コーディネーターを経て、音響効果の世界へ。
TVCM、Web、イベント等、多種多様な効果音が必要な作品に従事。選曲も扱う。DJとしての活動も顕著。
 
公式サイト:https://www.yasuefumio.com
レーベル: www.bigpierecords.com


今回はSpaceMotorsについてご紹介します。

オシレーター、リアクター、ノイズ、グラニュレーターの4要素を組み合わせて音を生成し、Speedとあるノブを回すことでエンジンが回っているような音を精製できるプラグインです。

今回はSpaceMotorsの特に注目すべきポイントに焦点を当ててご紹介できればと思います。

上の画像はプラグイン画面です。

両サイドに生成する音を決めるパラメータが並び、真ん中の大きなノブでSpeedの値を決めます。真ん中上部と下部には、4つのパラメータが重なったマスターの音に対してかけるエフェクトがあります。

注目すべきは所々にあるAutoボタンです。
こちらをオンにすると、Speedの値が上がる毎に、追付いしてオンにしたパラメータの数値が可変するというものです。

まずはシンプルに未来感のある音を作ってみました。

オシレーター上部にシンセではお馴染みのサイン波、ノコギリ波、矩形波のマークがあります。
シュイーンといった音にしたかったので、こちらではサイン波を用い、なだらかな音にしています。

上げ下げするとAutoが白く点灯しているパラメータも可変しているのがわかると思います。

ただなだらかな音だと最大速の時に激しさが足りないので、真ん中下部のTremoloで揺らぎを出すようにしています。Shapeというパラメータは揺らぎの具合をサイン波、ノコギリ波、矩形波と同じ考え方で変えるものです。

数値としては0.00にするとサイン波、1.50でノコギリ波、3.00で矩形波と数値を変えることでシームレスに変えられます。こちらでは数値を大きめにしてカクカクしたTremoloにしています。こうすることで、Tremoloの値が大きくなった時に音に荒さを追加しています。


もう一つ、Space Motorsの特徴として、Glideというパラメーターがあります。こちらはSpeedの数値を上げ下げする際に音の加速度に遅延を与えるものです。

わかりにくいので、ちょっと極端ですが動画にしました。

映像冒頭ではGlideの値を最小にしたもの、23秒付近から最大値にしたものでご紹介しています。値最大の方を見ていただくと、遅延の具合がわかっていただけるかと思います。

こちらを用いることで、マウス操作でSpeedの値を変えても、モーター感、エンジン感のある音の加速度を作ることができます。


次の動画ではオシレーターをノコギリ波にして作ってみました。

未来感のある音でもトゲがあり、荒々しくできるかと思います。

また、TremoloのAmp、Freqの下部のパラメーターは、Autoをオンにした時のAmp、Freqの始点と終点を決めるものです。こちらでは高めの値で数値が上下するように設定しているので、Tremoloが激し目にかかり、荒々しさを追加できています。

また、Autoをオフにするとこのようなものになります。

Tremoloの具合も一定になるので、また別の使い方ができたりするかもしれません。

今回はSpaceMotorsについてご紹介させていただきました。焦点をTremoloとGlideに当ててしまったので、オシレーター、リアクター、ノイズ、グラニュレーター、ビブラートについて全く触れられませんでしたが、ぜひこちらは試してみてください(リアクターとグラニュレーターはかなり面白いです)。


いかがでしたでしょうか。SFカーの走行音やロボットの駆動音などを、映像の動きに合わせて制作する場合、シンセサイザーだけでは相当に複雑な作業になってしまいます。ご覧いただいた通り、SpaceMotorsはたったひとつのノブを操作するだけで、直感的にそうした音の動きの変化を生み出すことが可能です。

豊富なプリセットとかなり細かいところまで追い込めるパラメーターによって、どんなテイストのサウンドもサクッと作れてしまいます!

Le Soundプラグインの中ではいわゆるシンセにもっとも近いGUIなので、クリエイティブなプラグインシンセサイザーとしても活躍できるでしょう。


今回登場したプロダクトはこちら

SpaceMotors
販売価格:¥19,800(本体価格¥18,000)
ポッドレーサー、トランスフォーマー、トロン、ブレードランナーといった、SFカーの複雑でダイナミックなエンジン・サウンドを自由自在にクリエイト。ピュアなオシレーター・サウンドからアグレッシブなマシン・サウンドまで、無限の表現力を秘めています。
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*記事中に掲載されている情報は2021年10月21日時点のものです。