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2023/09/13

SOUNDTRIP 2023 / media HYPERIUM / Immersive Sound@ L.A.

2023年のグラミー賞でBest Immersive Audio Albumを受賞した、Stewart Copeland, Ricky Kej & Herbert Waltl「Divine Tides」。その制作を担当したプロデューサー / Herbert Waltl 氏とエンジニア Eric Schilling 氏にインタビューの機会を得た。イマーシブオーディオに対しての向かい合い方、ミキシングに対する考え方、制作者目線での貴重なコメントをいくつもいただくことができたのでご紹介していきたい。 ステレオとイマーシブで2度のGrammy Winnerに 長年にわたり、音楽業界に多大なる足跡を残しているミュージシャンであり、プロデューサーのHerbert Waltl 氏と、グロリア・エステファンを始め、ラテン、ポップスなど多彩な音楽の制作に携わるエンジニアのEric Schilling 氏のお二人にHerbert Walti氏が1996年に立ち上げたmedia HYPERIUMでお話を伺った。まずは、お二人のこれまでの実績、今年のグラミー賞を受賞した作品について振り返る。 📷写真左よりROCK ON PRO 前田洋介、Herbert Waltl 氏、Eric Schilling 氏、株式会社メディア・インテグレーション北木 隆一 Herbert Waltl 氏は3度のグラミー賞受賞、3度のグラミー賞ノミネート、数々のプラチナディスクの制作に携わったプロデューサーである。テクノロジーに精通し、新しいフォーマットへの積極的な取り組みでも知られる。1996年にmedia HYPERIUMを立ち上げ、サラウンド作品の可能性を求めて様々な研究を行ってきた。その後、イマーシブオーディオにも積極的に取り組み、Ray Charles / Lady Gaga / Pink / Sting / Jason Derulo / Sheryl Crow / Chick Corea / S.F. Symphony / BR Symphony Orchestra / Royal Concertgebouw Orchestraなどの作品に携わっている。グラミー賞でもBest music DVD Awardなどにノミネートされていることからわかるが映像関連の制作の評価も高く、映画のサウンドトラックなどの制作も行っている。まさに、サラウンド〜イマーシブと音楽フォーマットの進化とともに歩み続けている、技術をしっかりと理解したプロデューサーと言えるだろう。 Eric Schilling氏は、アメリカのトップエンジニアの一人。2000年以降に4度のグラミー賞受賞、7度のラテングラミー賞受賞。代表的な作品としては、Gloria Estefanとの16枚のアルバムが挙げられる。それ以外にもNatalie Cole / Jon Secada / Elton John / Natalie Imbruglia / Shakiraなどのアルバムを手掛けている。ラテン音楽のエッセンスを取り入れたポップスに代表作が多い。サンフランシスコ出身だが、伝説的なプロデューサーBill Szymczykとの出会いから、彼のフロリダのスタジオBayshore studioへと移籍、そこで上記したようなマイアミ発の数多くのヒット作品に携わるようになる。現在も自宅と自身のスタジオはマイアミ、オークランドにある。近年はAlicia Keysのアルバムの360 Reality Audioフォーマットへのリミックス作業を、彼女のメインエンジニアであるAnn Mincieliを中心に、George Massenburgらと今回インタビューで伺ったmedia HYPERIUMで行った。他にも数多くのイマーシブ作品に関わっている。 Divine Tides / Stewart Copeland, Ricky Kej 2023 Grammy Winnerとなった「Divine Tides」は、Stewart Copeland / Ricky Kej & Herbert Waltlによる、様々なカテゴリーの音楽を集めた宝箱のような作品。クラシック、ラテン、ゴスペル、そのベースにはRicky Kejの出身であるインド音楽など多種多様なエッセンスが詰まっている。元The PoliceのドラマーStewart Copelandは近年映画のサウンドトラックの制作を精力的におこなっており、さらにはオーケストラ向けの楽曲や、バレエ音楽、オペラなども手掛けている。そんな世界観にインド出身の新進気鋭のミュージシャンRicky Kejのエキゾチックなエッセンスをベースとしたメロディー、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団によるオーケストレーション、Southan Gospel(南アフリカをベースとするゴスペル)でグラミー賞ワールド・ミュージック部門の常連であるSoweto Gospel Choirによるハーモニー、Rasika Shekarなどインド出身のミュージシャンによるコラボーレーションが重ねられ、2021年にリリース。そして2023年の本年にグラミーを受賞した作品だ。 これを、Herbert WaltiとEric Schillingがmedia HYPERIUMでイマーシブにミキシングした。この作品は、ステレオ音源で聴いてみていただいてもわかるように広大な世界観を持つ。Stewart Copelandによる空間が拡張していくようなパーカッションサウンド。もともとイマーシブオーディオのために作られたような世界観を持つこのアルバムが、二人によるイマーシブミックスでその本来の姿を現しグラミーを再び受賞している。ステレオでの新譜とイマーシブミックスが2度にわたりグラミーを受賞したのはかなり珍しいケースなのではないだろうか。 7.2.5 + 4B、media HYPERIUM インタービューをおこなったmedia HYPERIUMはロサンゼルスの南、ロングビーチの西にある小高い丘陵地Rolling Hillsにある。高級住宅地であるこの場所の一角にあるオフィスビルにこのスタジオはある。プール付きの豪邸が立ち並ぶ本当に静かな住宅街の商業エリアに突然スタジオがある、といったところだ。このスタジオにはミキシング用の部屋があるのみで、別の場所でレコーディングされたものをここでミキシングしているそうだ。 スピーカーはNeumannが選択されている。イヤーレベルのスピーカーはKH420、解像度が高く、大音量でなくともサウンドの迫力を感じることができる素晴らしいモデルだと絶賛されていた。イマーシブではスピーカー数が多いため、すぐに音圧過多になり疲れてしまうが、少し控えめの音量でもしっかりとサウンドを確認できるNeumann KHシリーズはお気に入りのモデルだということ。配置されたスピーカーのレイアウトは7.2.5 + 4B。イヤーレベルに7本のKH420、トップレイヤーにはKH310、ボトムはKH120とNeumannのKHシリーズで統一されている。ちなみに、特別な音響処理がなされている訳では無いオフィスとして作られたこの部屋の響きを気に入って使っているということだが、なぜこのようにバランスの取れたサウンドがするのかはあまり考えたことはなく、スピーカーを置いて鳴らしてみたら良い音がした、それがすべてだとシンプルかつ明確な答えをいただいた。 📷オフィス施設の一室に作られたスタジオ。写真の通り、水平面に7chのNeumann KH420、上部にはSONY 360 Reality Audioに合わせ仰角30度に設置された5chのKH310と、Dolby Atmosに合わせて仰角45度に設置された4chのKH150。壁面には厚手のカーテンが張り巡らされてはいるが、吸音・遮音などは行われていない。聴音用のパネルが左右に設置されているのみのシンプルなスタジオである。 音響空間の再現にとって必然の配置ができる さてここからは、どのようなお話を聞くことができたかお伝えしていきたい。映画音楽にも関係があった二人はサラウンド、そしてDolby Atmosなどのイマーシブフォーマットに以前より取り組まれていた。ステレオに対しての可能性の広がりをフォーマットの拡張とともに感じ、それぞれのフォーマットで作品をリリースしている。 中でも360 Reality Audioは、完全な360度 4πの空間を持つフルオブジェクト指向のフォーマットということでいち早くその先進性、可能性を感じ取って作品制作に携わってきている。音楽の表現として下方向が加わったということは大きいと言う印象を持たれていた。確かに下から聴こえてくる直接音というものは少ないかもしれないが、音響空間の再現にとっては非常に重要であるということを感じている。低音の表現に関しても、やはり音を配置できる空間が広いことで柔軟性が上がるというよりは必然性を持って音の配置が行えるようになった、という感覚ということだ。楽曲として、作品として、然るべき位置から然るべき音が鳴る。表現の自由とも言い換えることができるのかもしれないが、その一方で、これまでにそれほど音の配置に悩んだことはない、というコメントは印象的であった。普段の暮らしで接している音空間、それこそが4πの空間でありそれを再現する。その中に音楽としての刺激、感覚を盛り込んでいくという作業は非常に楽しい作業だとのこと。Dolby Atmosとの同時制作の場合にも、360 Reality Audioから制作をして順に再現できる空間を狭くするという手法をとっているということだ。 📷左手後方には機器ラックがある。この角度から見ると上部のスピーカーの位置を各フォーマットに合わせて設置されているのがよく分かる。 エンジニアのEric氏は、携わったアーティストのライブパフォーマンスのサポートなども行っていることもあり、音楽を生で楽しんでいる環境の音、そんなものまでも再現したという欲求もあるという。それを考えるとイマーシブオーディオは最適なフォーマット、というよりもイマーシブだからこそ会場の熱気のようなものまで伝えることができるようになってくるのではないかと大きな可能性を感じているということだ。アメリカはライブパフォーマンスを楽しむということを非常に重要視するカルチャーがある。ライブを楽しむということは、ミュージシャンのパフォーマンスを楽しむということであり、才能に触れ、それに感動するということでもある。音楽という一瞬にして消えていくパフォーマンスとの出会い、それを非常に大切にしているし、それに対しての対価を惜しまない。そんな文化が根底にあると感じている。 これはヨーロッパでも同様で、ヨーロッパに根付くクラッシク音楽の下地は同じようなところから来ているのではないだろうか。少し脱線してしまうが、アメリカ人の強さは、日本語で言うところの「一期一会」であると筆者は感じている。一度切りの出会い、チャンスをいかにつかめるか?その瞬間にかけるパワーが桁違いに感じられる。いま楽しむと決めたら、その時間は徹底的に恥も外聞もなく楽しむ。瞬間のパワーがすごいから、素晴らしいパフォーマンスに出会ったときの反応もすごい、それが連鎖的に全体の空気となり、さらに素晴らしい音楽、時間、空間を生み出す。遠慮がないといえばそうなのかもしれないが、音楽、エンターテインメントに触れるということにおいて遠慮は必要ないもの。会場の熱気、熱狂をそのまま詰め込んだイマーシブオーディオのアルバムが誕生するのは時間の問題かもしれない。 📷作業デスク前方はこのようになっており、ボトムの3chのKH150の姿が見える。さらに2本KH150が置かれているが、これはボトム・バックサイド用で360RA作業の際に接続して使っているということだ。 音楽の持つ可能性はイマーシブオーディオの誕生により確実に進化する。表現のできるキャンパスが広がったことで、これまでと違う音楽がこれから次々と登場してくるだろう。イマーシブオーディオを楽しむ環境も今はイヤホンやヘッドホンだが、これはアメリカには合っていない。車社会であるがゆえに、カーオーディオへのイマーシブオーディオの普及が重要なポイントになるという。カーオーディオが進化すれば、運転をしながらでも新しい体験、楽しみとしてイマーシブオーディオがさらに普及するだろうということだ。ロサンゼルスのようにどこへ移動するのも車で、そして渋滞も当たり前、1時間程度のドライブは日常茶飯事という環境であれば、カーオーディオというのはひとつのキーワードである。「なんせ、いつも車の中にいるからね、、」と少々うんざりとした表情で話してくれたが、その一方でイマーシブオーディオにおけるリスニング環境の未来については明確なビジョンが見えている様子でもあった。 📷機材ラックには大量のdCsのDAコンバーターが。往年の銘機であるdCsのDAコンバーターを以前より愛用しており、ここでもスピーカーへの出力はこれでDAしているとのこと。作業用のデスク上には、Avid S1が3台並ぶ。やはり作業デスクは前方からの音にとって障害となるので、できるだけコンパクトにまとめている。PCディスプレイを左右に振り分けているのも音の聴こえ方を考えてのこと。MergingのANUBUSはモニターコントローラーとして採用されている。 映画から普及が始まったイマーシブオーディオだが、固定された画面のある映画よりもヴィジュアルの存在しない音楽のほうがより自由であり、可能性が広がっているのではないかという。映画もイマーシブにより映像に描かれた世界の再現性というところに大きく寄与しているのは間違いないし、映像を印象づける強力なインパクトの一端になっている。しかし音にとって、大きな印象の差異を引き起こす映像がないということは、ユーザーそれぞれが音楽を自由に受け取り、それを楽しむことができるということでもある。映画音楽なども手掛けてきたからこそ感じる、音楽としてのイマーシブの可能性。二人のお話からは新たなフロンティアとして音楽表現の手法がより拡がったことを楽しんでいる様子がよく伺えた。   *ProceedMagazine2023号より転載
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2023/09/11

オーディオブレインズが代々木ショールームをリニューアル

MSI Japanのグループ企業であり、設立以来、海外のプロフェッショナルから高い評価を得る音響機器、コミュニケーション機器の輸入販売並びにメンテナンスを行う株式会社オーディオブレインズ。 2023年9月1日より、同社 代々木ショールームがリニューアル・オープンしました。ライブサウンド、レコーディング、会議システムなど、オーディオブレインズが取り扱う製品をシステムの形で実際に体験することができる貴重な空間です。 詳細、及び、ご予約は同社WEBサイトをご覧ください。 >>代々木ショールームリニューアルオープンのお知らせ 今回リニューアルされたのは主に1F部分で、Martin Audioの中・小型スピーカー各種、Powersoft パワーアンプ、Avid S6Lライブコンソール、Flux:: Spat Revolutionなどが展示されています。 代々木・北参道からほど近くというどなたでもアクセスしやすい場所ですので、ぜひ、同社の提供する最新プロ・オーディオソリューションを体験してください。 完全ご予約制となっていますので、オーディオブレインズ社お問い合わせフォームからご予約をお願いいたします。
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2023/09/11

SOUND PARTICLES「40%オフ初秋セール」開催!

コンピュータ・グラフィックスのパワーとテクノロジーを音響の世界に持ち込み、全てのプラグインが最大9.1.6chまでのイマーシブオーディオ制作にも対応しているSOUND PARTICLE社が、9月12日より「40%オフ初秋セール」を開催! セール対象は全製品!新製品であるAudioMatrixや、9月6日にバージョン1.5のアップデートが発表された3DシンセサイザーSkyDust 3Dなど、SOUND PARTICLES製品を手に入れる絶好のチャンスです。 SOUND PARTICLES社 40%オフ初秋セール 概要:SOUND PARTICLES全製品が40% OFF 期間:2023年9月12日(火)19:00 〜 9月25日(月) 詳細なラインナップと価格は下記WEBページで! Rock oN Line eStore>> SOUND PARTICLES国内代理店フォーミュラ・オーディオWEBサイト>> https://pro.miroc.co.jp/headline/skydust-3d-sound-particles/ https://pro.miroc.co.jp/headline/sound-particles-density/ https://pro.miroc.co.jp/headline/sound-particles-apple-silicon-support/
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2023/09/11

SOUNDTRIP 2023 / GOLD-DIGGERS / LAにおけるSONY 360 VMEサービス測定スタジオ

サービス開始時点で世界に3拠点用意されたSONY 360 VME(Virtual Mixing Enviroment)の測定スタジオ。東京 / MIL Studio、NY / The Hit Factory、そしてLAにおける拠点がこのGOLD-DIGGERSだ。 ここではLAのスタジオを実際に訪問し、GOLD-DIGGERSがどのようなスタジオで、イマーシブ制作に対してどのような考えを持っていて、また、VMEというエポックメイキングなサービスをどのように捉えているのか、様々なお話を聞くことができたのでご紹介していきたい。 ●メディア・インテグレーション 360VMEサービス概要ページ ●メディア・インテグレーション 360VME測定サービスご案内ページ ●ソニー社:360VME解説ページ 再生された7部屋のレコーディングスタジオ 📷1920年代に建てられた当時の雰囲気を残す外観。この黄色い看板もビキニバー時代のものがそのまま残されているということだ。 まずは、GOLD-DIGGERSがどのようなスタジオなのかをご紹介したい。East Hollywoodにあるこのスタジオは、ホテル、バー、ライブハウスが併設された珍しい営業形態のスタジオである。望むならば日中レコーディングを行い、新曲を夜にライブハウスで披露、そのままホテルに宿泊、といったこともできてしまう他に類を見ないスタイルだ。このスタジオがあるのはロサンゼルスを東西に貫くサンタモニカ・ブルーバード沿いの1920年代に建てられたという歴史ある建物なのだが、遡るとここで営業していたビキニバーとその上階のホテルがそのスタートとなるそうだ。そして、そのバーの後ろにあった若いミュージシャンが多く利用していたというリハーサルスタジオが、現在のレコーディングスタジオの原型となっている。 ただし、若いミュージシャンと言ってもここはロサンゼルス。デビュー前のThe Doors、Jimi Hendrix、Slayer、Hollerwood Rose(Guns'n Rosesの前身)などが利用していた場所だったという。残念ながら1990年台にはほとんど廃墟のようになっていたそうだが、これらの設備に目をつけ、手直しを行い最新の設備を持った7部屋のレコーディングスタジオと、ライブバー、そしてブティック・ホテルという現在の営業スタイルに再生させている。歴史のある場所、建物、そういったものを大切に次の時代にあった施設へと生まれ変わらせていく。アメリカらしい伝統の引き継ぎ方を感じさせるスタジオだ。ちなみに、サンタモニカ・ブルーバードに向かって掲げられている看板は、オープン当初のビキニバーのものがそのまま使われているそうだ。 📷1Fにあるライブスペースのバーカウンター、これも歴史を感じさせる重厚さ。ライブスペースのステージも照明器具も球体状のシャンデリアと洒落た作り。 360RA & Atmosコンパチブル 📷後方を振り返ると上から、Atmos用、360RA用、水平面、ボトムと4層のスピーカーが配置されているのが分かる。 GOLD-DIGGERSは7部屋のレコーディングスタジオを持つが、そのうち2部屋がイマーシブ対応となっている。今回じっくりと見させていただいたStudio 6はSONY 360 Reality Audio 5.0.5 + 4BとDolby Atmos 9.1.4両対応のスピーカーシステムを持つ。写真からもわかるように天井にSONY 360 Reality Audio用の5chのスピーカー(仰角30度)と、Dolby Atmos対応の4chのスピーカー(仰角45度)がそれぞれ独立して用意されている。この仰角の違いは音響表現にかなりの違いをもたらす。特にリアルレコーディングした音源を再現しようとした際に、音場のつながりなどに大きな影響がある。また、下方向にあたるボトムスピーカーを4ch導入しているのも特徴的。前方向だけではなく、全天周の表現ができる360 Reality Audioをしっかりとスピーカーで再現するためには、ボトムスピーカーが後方にもあったほうが効果的ということだ。確かに真下に音像を配置した際に、ボトムスピーカーで後方に配置したものがないとイヤーレベルで後方のソースが鳴ってしまう。下方向のものはしっかりとボトムスピーカーからだけ鳴らしたい、ということを考えれば理にかなったスピーカー設置である。 この部屋では、音楽作品の制作はもちろんだが、East Hollywoodという土地柄から映画のサウンドトラックの仕事も多いという。中でもイマーシブ制作への需要は高く、こちらのStudio 6は人気の高い部屋だということだ。また、写真を見ると黄色い光が強く差し込んでいることがわかる。得てして外部とは遮断された穴蔵のような空間になりがちな制作スタジオだが、こちらでは屋根から光を導くミラートンネルが用意されていて、外光をスタジオにいながら浴びることができる仕掛けがあった。晴天率の高いロサンゼルスらしいギミックだ。 📷元々ボーカルブースであった部屋をマシンルームとして使用している。フロントのL,C,Rch以外はパッシブのスピーカーとなるためアンプもこちらに収められていた。 ヘッドホンで高い精度でのプリミックスを 肝心の360 VMEの話を聞いてみると、これは本当にエキサイティングな出来事だと興奮気味に話していただいた。コマーシャルベースのスタジオということもあり、自分たちのスタジオのファシリティー、そのサウンドを持ち帰ってもらうことができるこの360VMEは革命的な出来事だという。前にも述べたようにイマーシブ制作の需要は高く、部屋が埋まってしまっているために受けられない仕事もあるということだが、360VMEサービスを使えば他の部屋でもヘッドホンでかなり高い精度でのプリミックスを行うことができる。作業の最後に一日だけスピーカーの設置されたStudio 6で作品を仕上げ、完成させるといったこともできそうだ。音楽にとって高い可能性を持つイマーシブフォーマットでの制作を停滞させることなく、逆にアクセラレートすることもできる素晴らしい技術だと表現していた。 📷今回スタジオをご案内いただいたチーフエンジニアのEd McEntee氏と筆者。 イマーシブの持つ表現力、空間の広がりは全く新しいもので、2つの大きな可能性を感じている。一つは、従来の録音というサイエンスが追い求めている空間をそのままキャプチャーして再現(「リプロデュース」という言葉を使っていたのが印象的であった)するもの。音響においてのキャンバスが、やっと実世界と同等の広がりを持ったことで実現できる高い精度でのリプロデュース。これは、今後さらに高いレベルでの制作物が登場するのではないかという期待とともに、自身もそんなチャレンジを行ってみたいと熱く語っていただいた。 もう一つは、新しい4π空間というキャンバスに対して新しいアートを誕生させるアーティストが出現してくるのではないかという期待。GOLD-DIGGERSはサイズの異なるスタジオを複数用意することで、予算の大小に関わらずアーティストを受け入れることができるようになっている。新進気鋭の才能あふれるアーティストの受け入れも積極的に行っており、その中から新しい音楽が生まれてくることに期待しているということだ。過去のメジャータイトルのイマーシブでのリミックスも多く行われているが、やはり思い出とともにあるステレオミックスの感覚を捨てられないでいる作品も多い。もちろん、イマーシブに触れるきっかけとしてリミックスという手法は素晴らしいが、その魅力を100%伝えられているかというとそうではなく、もっと素晴らしいものが生み出される可能性を秘めていると感じているそうだ。 STUDIO DIGEST !! 📷チーフのEd氏が一番のお気に入りだというStudio2。ビンテージのNeve8014が鎮座する。MicPreは最初の8chがNeve 33102、次の8chは1073という仕様。センターセクションには2254Eが2ch分埋め込まれている。その上にはBrentAvirilがMicPreとしてノックアウトしたことで有名になったラインアンプ1272が並ぶ。Neve好きにはたまらない仕様にカスタムされている。別スタジオのStudio1にはAPI 2448 32chがある。 📷もう一つのイマーシブ・ミキシング・ルームであるStudio 9(7,8は欠番)。こちらはPMC6をL,C,Rchに9.1.4ch仕様の部屋となる。 📷収録のためのSoundStage。楽器庫かと思うほどの充実したビンテージアンプ、機材のコレクションを備え、すべてのスタジオの共用ブースとしてコントロールできるように設計されている。 📷マイクコレクションの一部、こちらにはAKG D12がズラリ。マイクのコレクションは新旧問わずに評価の高いモデルが取り揃えられている。 📷こちらもビンテージのAKG C12A。Telefunkenと並び銘機となるAKG C12の後継機、C414シリーズとの端境期に生産されていた製品。そのサウンドはC12の型番通りの音が出る。 360 VMEサービスで、イマーシブ作品を作る敷居はぐっと低くなる。GOLD-DIGGERSのStudio 6をヘッドホンとともに持って帰ってもらうことで、イマーシブ制作のホームスタジオとしての価値も高まる。制作のペースも上がることが予想できる。サービスインが待ちきれないということが本当に強く感じられた。今後は、東京のMIL Studio、NewYorkのThe Hit Factory、そしてLAのGOLD-DIGGERS。このスタートラインに立っている3つのスタジオでも連携してノウハウを積み重ね、360 VMEをイマーシブ音楽制作の起爆剤にしていきたい。   *ProceedMagazine2023号より転載
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2023/09/08

9/23(土)、24(日) サンレコフェス2023で360VMEを体験しよう!

9月23日(土・祝)、24日(日)、KANDA SQUARE ROOM & CONFERENCEにて、サウンド&レコーディング・マガジン主催のセミナー&展示会イベント『サンレコフェス2023』が開催されます。そのサンレコフェスにて、MIL studioでの測定サービスを実施中であるSONY 360 Virtual Mixing Environment(360VME)の体験ルームが特設されることになりました! サンレコフェスでVME体験! https://www.minet.jp/brand/sony-360-vme/sony-360-vitual-mixing-environment/ 360VMEは、複数のスピーカーで構成されたイマーシブスタジオの音場を、独自の測定技術によりヘッドホンで正確に再現する技術です。測定サービスは現在、世界で3つのスタジオでのみ開始されており、国内では弊社の運営するMIL studioにて測定を行っています。そんな360VMEの貴重な体験会が、サンレコフェス2023の会場で実施されます!イマーシブ制作に興味はあるが環境構築に踏み出せていない方や、個人最適化された最高品質のバイノーラルを体験したい方など、興味のある方は是非ご来場ください。 360VME体験ブース詳細:https://www.snrec.jp/entry/news/srfes2023_360vme もちろんMIL studioでの測定サービスも受付中です。詳細はコチラから! サンレコフェス2023 開催概要 ◎日時 ・9月23日(土・祝) 13:00〜18:00 ・9月24日(日) 10:00〜18:00 ◎会場:KANDA SQUARE ROOM & CONFERENCE 〒101-0054 東京都千代田区神田錦町二丁目2番地1 ◎入場無料(※登録制、詳しくは公式サイトをご確認下さい)  サンレコフェスでは、他にも弊社メディア・インテグレーション含む多くの企業ブースや、イマーシブ環境構築から宅録まで様々なテーマのセミナー・イベントも開催される予定です!ぜひご来場ください! MILでのVME測定や、イマーシブオーディオの制作環境構築に関するお問い合わせはROCK ON PROまで! https://pro.miroc.co.jp/2023/07/13/360vme-launch/ https://pro.miroc.co.jp/solution/360vme-proceed2023/ https://pro.miroc.co.jp/headline/sony_360-vme_report/
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2023/09/06

SOUNDTRIP 2023 / Village Studios / LAの音楽史を作った、そして作り続けるスタジオ

アメリカ西海岸でも特にロサンゼルスは音楽の歴史を語る上で外せない街の一つだろう。ゴールドラッシュに代表される、アメリカ西部開拓史の最終目的地の一つでもあるこの街からは、今でもフロンティアスピリッツに代表される新しいものへの貪欲さ、そして挑戦するという気概が感じられる。音楽にあってもウェストコーストロックなどとひとくくりにされることも多いが、やはりロンドンともニューヨークとも異なったマインドの音楽がこの街から誕生している。そんなロサンゼルスを代表する老舗のレコーディングスタジオ「Village Studios」を訪問したのでその模様をレポートしたい。 LAにおける音楽カルチャーの生誕地 まずは、この「Village Studios」の歴史を少し紹介していきたい。立地としてはWest Hollywoodということになるが、高級ブティックが立ち並ぶビバリーヒルズよりも海側となり、ビーチで有名なSanta Monicaに限りなく近い場所にある。このスタジオは1922年にMasonic Templeとして作られた建物を改装してRecording Studioとしている。Masonic Templeとは、フリーメイソンの教会であり、一般の教会とは異ってラウンジのような作りになっていたようである。その後、1960年ごろにはMaharishi Mahesh Yogiによる超越瞑想のセンターとして使われていたそうだ。超越瞑想といえばフラワームーブメント世代のアーティストが、ヴェーダに由来するマントラ瞑想法として取り入れ、かの時代を代表するサブカルチャーとして一世を風靡したことで知られる。The Beatlesのメンバーがそれを学んだのは有名な話で、インドでのPV撮影などそれを印象づけるものが多く残されている。 この施設を実業家であるGeordie Hormelが1968年に買取りスタートしたのが今のVillage Studiosである。このあとに一部屋づつ紹介するが、このスタジオにはまさに歴史を作ったといえるNeve 8048コンソールがあり、それ以外の部屋にもNeve 88Rコンソール、最新のイマーシブミキシングルーム、Neve Genesysの部屋などがある。このスタジオでのレコーディングされた作品を紹介しようとすると誌面がそれだけで埋まってしまうので、受付前に飾られていたプラチナディスクのコレクションからいくつか紹介すると、The Rolling Stones "山羊の頭のスープ"、The Red Hot Chill Peppers "CALIFOLNICATION"、Stealy Dan "AJA"、Phil Collins "Face Value"、Nine Inch Nails "with teeth"、Smasing Pumpkins "メロンコリーそして終わりのない悲しみ"、その他にもVillage Studiosで多くのレコーディングを行ったアーティストとしては、The DoorsのJim Morrison、Bob Dylan、Santanaなど枚挙にいとまがない。スタジオに置かれているハンドブック「Greenbook」がWebにも公開されているが、まさに錚々たるミュージシャンが名を連ねている。 それ以外にも、映画のサウンドトラックも多く手掛けている。音楽スタジオであるためミュージカル・ムービーのサウンドトラックが多いのだが、近年のヒット作としてはLady GAGAとBradry Cooperの名演と高い音楽性でアカデミー賞を受賞した「アリー/スター誕生」のサウンドトラックもこのスタジオから生まれている。それ以外にも「ショーシャンクの空に」「君につづく道」「カーズ」「トイ・ストーリー2」など、どれも聞いたことがあるビッグタイトルばかりではないだろうか、ハリウッドお膝元のスタジオならではの作品群である。 Studio A Village Studiosを代表するのは、間違いなくこのSutdio Aだろう。歴史的なNeve 8048が据えられており、数え切れないほどの名作がここで生み出された。しっかりとメンテナンスされ、状態の保たれたコンソール。気品すら漂うその様は改めて音楽の制作方法について問いただされているような気がした。近年ではやはり収録には、Pro Toolsを使うことがほとんどだということだが、コンソールの脇にはFlying Faderを扱うためのコンピューターがしっかりと鎮座している。演奏を録音する、そこで生み出された音楽を残すための行為、それこそがレコーディング。素晴らしい演奏を生み出すのをアシストし、余すことなく記録する。そのための施設がレコーディングスタジオである。そんなことを改めて感じさせる部屋であった。このNeve 8048について、あれこれと語るのはここではナンセンスな気がする。隣のスタジオで生まれる素晴らしい音楽を収録するために、必然性を持ってここにある、そんな存在だ。 この日は、レコーディングセッションを始める前に見学をさせてもらったため、すぐにでもセッションが始められるようにすべてがセッティング済み。さすがに誰のセッションが行われるのかまでは教えてもらえなかったが、きれいに片付けられたスタジオよりも実感があってよかった。コントロールルーム側には、コンソール以外にも溢れんばかりのビンテージ機器。当たり前のようにオリジナルのPultecがあり、Lexiconのリバーブがある。少しタイムスリップをしたかのような感覚にさえ感じられる。 スタジオ側もマイクがスタンバイされている。VocalとGuitar、そしてPianoというトリオ構成のセッティング。それぞれに向けられているマイクが機材好きにはたまらないチョイスだ。Vocalには、オリジナルのELAM251(!!)、PianoにはOff micがRCA BX44、On micがAKG C12。GuitarにはNeumann U 67(もちろんオリジナル)。最低限かつ最強のセッティングではないだろうか、垂涎の眼差しが止まらない。こんなところからも老舗のレコーディングスタジオならではの凄みが感じられる。この日、案内をしてくれた若いスタッフも、この機材コレクションには今でも感動していると自慢気に話をしてくれた。 Studio D 次に案内されたのが、Villageで一番広いスタジオとなるStudio D。こちらのコンソールはNeve 88R。国内ではほとんどお目にかからないモデルではあるが、現行モデルであるNeve 88RSに連なるNeveのアナログコンソールの始祖にあたるモデルだ。Small / Large Faderを備えたインライン仕様のマルチトラックレコーディング対応モデルで、もちろんFlying Fader仕様の72Faderコンソール。マイクプリはNeve 1081が備わっている。サイドデスクとしてBMCコンソール(1073仕様)が設置されていた。こちらは、マイクプリとして活用されているようだ。モニタースピーカーはカスタムメイドのモデルで、ユニットはTADのドライバーが使われている。あとから追加されたのであろう、スーパーツイーターが増設されているのが印象的であった。オリジナルを大切にしながら時代に合わせてモディファイを行う。そんな一幕を垣間見た気がした。 スタジオ側は広いスペースでゆったりとミュージシャンが配置されている。床にラグを敷いてそこに席を置いている。アメリカのレコーディングスタジオらしいところだ。日本であれば、パーテションで仕切ってしまいたくなるところだが、それをしていないのもやはり文化の違いを感じるところ。素敵な装飾、ライトが設られたブースとしても使えるスペースもあるのだが、この日のセッションでは荷物の置き場として使われていた、なんとも贅沢である。それ以外にもミーティングスペースとしてプライベート空間が確保されている、その重厚な雰囲気からは歴史を感じさせられる。 Studio F 3部屋目にしてやっと現行の製品に出会うことができた。こちらの部屋が最新のイマーシブミキシングに対応したStudio Fである。Avid S6をメインコンソールとして5.1.4chのイマーシブミキシングルームとなっていた。この部屋はミキシング専用ということではあるが、他のスタジオとのタイラインが確保されており、バックアップのレコーディングなども行えるようになっているということだ。タイラインはあえてアナログ。音質などを考慮すると音楽においてはまだまだアナログがベストチョイスだという判断をしているということだ。スピーカーはKALI Audioのモデルが使われていた。 2F Studio こちらは、コンパクトなコントロールルームでNeve Genesysが設置された部屋。コンパクトとはいってもNeve Genesysの48Fader仕様、それだけでも中々な迫力だ。この部屋はオープン当初はスタジオではなかったそうだが、途中で部屋を増やすにあたり改装されて今の形になっているそうだ。一台づつコメントを付けて紹介したくなるようなアウトボードのコレクションがサイドボードに。モニタースピーカーはOcean Wayが採用されている。 Stage 当初は物置部屋として使われていた部屋にステージを設置し、いまはライブの配信などを行っているスペース。ここは、まさにコロナ禍の様々な制約により生まれたスペースである。これだけの天井の高いスペースが余っているということ自体が驚きではあるのだが、思いついたことをすぐに実行するそのモチベーションは素晴らしい。カメラや、ビデオスイッチャーなどを用意してライブパフォーマンスの配信を行っているということだ。 Studio 古代の神殿のような荘厳な造りのスタジオ。天井も高く容積もあるため響きの良い空間である。日本ではどうしても響きを殺してそれぞれのサウンドのセパレーションをよく収録をしたいと考えてしまうが、響きがあることで生まれる音楽もある。特にクラシック楽器などは、ホールの響きと合わさって一つの楽器の音色が完成されるという考え方もある。そんなことを思い出させる空間であった。この部屋に置かれているピアノは、オスカー・ピーターソンが愛用していたピアノを譲り受けたものだそうだ。こういったちょっとしたエピソードにもレジェンドの名前が挙がってくる。 Lab 最後に紹介するのはこちらのLab。残念ながら常駐のメンテナンススタッフはいないということだが、定期的に通ってきてもらい、スタジオのすべての機器はここで修理メンテナンスを行っているということだ。そのための保守パーツなどもすべてストックされているとのこと。こういったことの積み重ねでこのスタジオが60年以上の歳月に渡って維持されてきているということだ。そして、この部屋の反対側の壁にはストックされているアウトボードがぎっしり(!)。こちらももう説明不要かと思うが、歴史的な銘機が完動状態で保管されている。これだけのものを維持する労力は計り知れない、歴史的なスタジオではあるが、それを維持し運営することの努力を垣間見ることができた。 やはり、ウェスト・コーストロックの震源地の一つであったVillage Studios。歴史を作ったそのスタジオは雰囲気、空気、そのすべてにオーラを纏っている。そしてもともとからの装飾であると思われるスタンドグラスや、素晴らしい調度品の数々。スタジオに入るとすぐにその歴史と伝統を感じずにはいられない空間であった。そんなVillage Studiosもコロナ禍においては開業より一度も火を落としたことのなかったVillage StudiosのNeveも60年ぶりに電源が落とされることもあったそうだが、スタジオからのライブ配信、コンサート・イベントなど新しい形での営業が少しづつ始めていったとのことだ。なお、このコロナ禍でのロサンゼルスのスタジオの様子はLA Timesに記事として掲載されている。これまでもこうして時代の流れに柔軟な対応をとってきたのだろう、困難から再び立ち上がるさまは改めて称賛に値する。 「さすが」としか言いようがない完璧なスタジオと、それにより積み重ねられてきた歴史。コロナ禍という未曾有の驚異にも現代的に対応して変化を続けるVillage Studios、今後も次の歴史を積み重ねて音楽との歩みを紡いでいってもらいたい。   *ProceedMagazine2023号より転載
Tech
2023/09/04

Pix & Mixで深まるラウンドトリップ / Media Composer & Pro Tools

Avidのビデオ編集ソフトウェアMedia Composerと世界中から支持を集めるDAWであるPro Toolsの間でのデータ移行をスムーズにする機能、通称「Pix & Mix」が2022年12月に発表された。Avidでは33年もの歴史がありながらも、この2つのアプリケーションが互いに直接やり取りすることができなかったことは少し奇妙にも感じられるが、OMFやAAFといったオープンファイルフォーマットを提唱し、これまで牽引してきたAvidが満を持してこの機能強化を行っていくと公表している。ここでは従来の変換方法がどのようなものだったかを振り返りつつ、このPix & Mixがどのように2つのアプリケーションを連携させていくのかを確認していこう。 Media ComposerとPro Tools連携の従来フローを再確認! これまで発表されているPix & Mixの機能について説明をしていくが、その前にMedia Composerのオペレーションで必要となる用語について説明をしておきたい。これらの用語とMedia Composerの構造についての概要を理解しておけば、制作ワークフローもより簡単で身近なものになるはずだ。また、互換性を最大限活用するために今までのデータ移行方法であるAAFでのやり取りについても再確認してみよう。 Media Composerの基礎用語 ●プロジェクト Media Composerではプロジェクトに複数のシーケンスとビンを作ることができ、そのデータはファイルとして1つのフォルダに保存される。Pro Toolsにはこのプロジェクトに相当するものはないが、作業を1つのフォルダにまとめるという意味ではセッションファイルやその他のデータを保存しているフォルダに似ている。 ●シーケンス Pro Toolsのセッションがこれに相当する。これまでもOMF / AAFといったファイル形式に変換されてPro Toolsに持ち込まれているものだ。Media Composerでは1つのプロジェクトに複数のシーケンスを作ることができる。 ●レンダリング / ミックスダウン タイムラインにあるエフェクトが適応されたメディアファイルを作成する。単一のクリップまたはトラックにするという観点からPro Toolsのバウンスと同様のものだ。 ●ビン Media ComposerのビンはPro Toolsにおけるクリップリストがこれにあたる。クリップだけでなくシーケンスやエフェクトのデータもこの中に保存される。 Media ComposerとPro ToolsのAAF互換 これまでのフローでは、OMF / AAF(Open Media Framework / Avid Authring Format)ファイルを介してデータ移行を行っていた。これらのファイルはオープンファイルフォーマットであり、Avid製品だけではなく他社メーカーにおいてもこのファイルをサポートすることにより、ビデオまたはオーディオのタイムラインデータのやり取りをすることができる相互に互換性を持ったフォーマットだ。 AAFを介する方法では、ビデオ編集側でシーケンスデータをAAFファイルに変換してエクスポートし、Pro Tools側ではそのAAFファイルをインポートしてセッションファイルに変換、というビデオ側とPro Tools側の両方でデータ変換が必要になる。また、その場合にPro Toolsではトラックの割り当て、ビデオの選択などセッションデータのインポートの項目で各項をひとつずつ確認、選択することでデータを開くことになる。 変換でトラック名はどうなる? Media ComposerもPro Toolsもトラック名を変更することができる。通常はA1、A2と表示されているトラック名だが、この名前をMedia Composer側で変更しておくと、Pro Toolsにインポートした際に同じ名前で表示されるため素材の管理も簡単になる。 マルチトラックの扱いは? Media Composerはモノ、ステレオ、5.1、7.1のマルチチャンネルトラックを扱うことができる。素材がモノである場合はモノトラックに、ステレオのものはステレオトラックに編集されたままでPro Toolsに渡すことができる。 ボリューム・パンオートメーションはそのまま? Media Composerで書いたボリューム・パンオートメーションも、そのままの状態でPro Toolsにインポートすることができる。またクリップベースのゲインのデータもフェードのデータも互換がある。さらに、Media Composerで設定したトラックエフェクトは、トラックプラグインとしてPro Toolsにインポートされる。ただし、Pro Toolsでこれを再現するためには、Pro Toolsにもインストールされている標準のプラグイン、またはサードパーティのAAXプラグインを使用することが必要となる。 新機能Pix & Mix によるセッションファイル互換! これからのMedia ComposerとPro Tools間でのデータの流れは、Pix & Mixによってセッションデータで行うことができる。Media Composerバージョン2022.12からは、セッションデータ(.ptxファイル)をエクスポートすることができるようになったため、Pro Toolsではそのファイルをダブルクリックするだけで移行されたファイルを開くことができるようになった。まずは、その移行方法のオペレーションを実際のエクスポート画面に沿って見ていこう。 Media ComposerでPro Toolsセッションファイルをエクスポート 【手順】 1. ビンの中でシーケンスを右クリックし、出力>ファイルにエクスポート…を選択。 2. エクスポートダイアログボックスでOptionsをクリックすると、エクスポート設定ウィンドウが開く。 3. エクスポート設定のプルダウンメニューから「Pro Toolsセッション」を選択。 4. 「保存ボタン」をクリックし、保存場所や名前を指定して保存。 【選択オプション解説】 ●マークを使用 シーケンスにイン点とアウト点がついている場合には、そのマークが優先されインアウト間がエスクポートの対象になる。チェックを外すとシーケンス全体をエクスポートする。 ●選択されたトラックを使用 シーケンスでアクティブになっているトラックだけをエクスポートする。ビデオのカット点をPro Toolsでも確認したい時は、ビデオの編集点があるトラックを選択する。 ●アクティブでないオーディオトラックを含む シーケンスで選択されていないオーディオトラックをエクスポートの対象にしたい場合には、このオプションを有効にする。 ●シーケンスのビデオ / オーディオトラックすべてを含む さらに、Media Composerからのエクスポートでは、セッションファイルと一緒にメディアをコピーするかしないかを選択する。このオプションが選択されていないと、ビデオ、オーディオメディアをセッションファイルに関連付することができないため、必ずチェックを入れておきたい。 オプションを選択した後は、ビデオ / オーディオの詳細の項目で細かな設定を選択していく。ポイントとなるのはメディアのコピーを行うのかどうかだ。Avid NEXISのような共有サーバーがある場合には、メディアのコピーをしない選択で良いだろう。ビデオ・オーディオメディアなどすべてのメディアをコピーせずとも、シーケンスで使われている同一メディアにリンクして使用することができるからだ。この場合、エクスポート方法は「メディアにリンク」を選択する。この時の注意点として、ビデオトラックにエフェクトがある場合には、エフェクトがレンダリングされていることを確認する。Pro Toolsにはビデオエフェクトを適用する機能がないため、レンダリングしたメディアにリンクする必要がある。 また、共有サーバーがない場合には、メディアをコピーしてPro Toolsへ持ち込む必要があるため「すべてのメディアをコピー」または「メディアをコンソリデート」を選択する。この項目はビデオとオーディオに対してそれぞれ設定することになる。 エクスポートされたセッションファイルは、.ptxが読み込み可能なすべてのバージョンのPro Toolsで開くことができるが、マーカーを含めた互換性を実現するためには、Pro Tools 2022.12以降の使用が推奨だ。 メディアコピーに関する機能向上 Media Composer 2023.3では、セッションファイルへのエクスポートのプロセスでメディアをコピーする際のオプションが追加された。エクスポート画面の「ビデオ / データの詳細」と「オーディオの詳細」、それぞれのタブで「以前のシークエンスに含まれるビデオまたはオーディオメディアを除くかを尋ねる」のオプションを選択すると、ビンのコンテンツ全体を比較し差分をエクスポートできる。以前は2つのシーケンスを比べることしかできなかったが、このバージョンからはビン全体を対象にすることができる。 これをチェックした上で「保存」ボタンをクリックしファイル場所を選択すると、「Select Sequence(シーケンス選択)」ダイアログボックスが表示され、「Exclude Audio and Video Media Referenced from Sequence(シーケンスで参照されたオーディオ・ビデオメディアを除外)」ドロップダウンメニューから、ビン内のコンテンツ(「すべて」)を選択することができる。また、「メディアをコンソリデート」でのエクスポート方法でも、同様に差分をエクスポートすることが可能だ。 また、「WAVではないメディアをBWFに変換」オプションは、エクスポート中にメディアの差分をコピーしながらファイル変換を行う。「ビンのフィールドレコーダーメタデータをオーディオにエンベデッドする」は、Media ComposerにあるメタデータをすべてPro Toolsに渡すことができるオプション項目だ。 Pro Tools 2023.6で対応、トラック・マーカー機能 Media Composerのシーケンスでは2種類のマーカーが使用されている。シーケンスのトラック(クリップ)に置かれるトラックマーカーと、タイムラインに置かれるタイムラインマーカーだ。AAFファイルではこれらは区別されず、Media ComposerのマーカーはPro Toolsでファイルを開いた際にすべてタイムラインマーカーとして表示される。しかし、Pro Tools 2023.6からはMedia Composerのトラックにあるマーカーはセッションファイルの受け渡しによって、トラックマーカーとして表示。また、そのマーカーについているコメント(日本語可)やカラーもそのまま再現できるため、視認性がより良くなることはもちろんのこと、コメントを確認することでビデオ編集者とのコミュニケーションも取れるようになる。 以上のように、セッションでのエクスポートの利点は、ビデオタイムラインをスピーディーにそのまま再現できることにある。Media Composerで編集された編集点が、Pro Toolsのタイムラインでそのまま再構築され、トラックの表示、オーディオプラグイン、マーカー、コメントも再現でき、MA作業のスピードアップにつながる。Avidからのメッセージでは、Media ComposerとPro Toolsの互換性はこれまで以上にアップしていく予定だという。今回の解説と逆方向に、Pro ToolsからMedia Composerへのデータ戻しも可能になるかもしれない。このようなラウンドトリップ機能の向上が、さらなるワークフローの変化をもたらすことにも期待していきたいところだ。   *ProceedMagazine2023号より転載
Review
2023/08/30

Avid Pro Tools | MTRX II / Thunderbolt 3オプション〜期待を裏切らないフラッグシップ機の更新〜

2016年の発表以来、Avid製オーディオI/Fのフラッグシップとして多くの現場で愛用されてきたPro Tools | MTRX。AvidはNAMM Show 2023でさらなるブラッシュアップを施した後継機「Pro Tools | MTRX II」と、フラッグシップ機をNative DAWで使用するためのThunderbolt 3 オプションモジュールを併せて発表。大注目の新製品についてその機能を概観するとともにシステムアップ上の利点を考えてみたい。 ●PRO TOOLS | MTRX ll / ¥1,089,000(本体価格¥990,000) MTRXをベースに新たなFPGAを用いて、オリジナルと同等の音質を維持しつつ開発された MTRX II 。内蔵SPQ、Dante 256 Ch内蔵(Dante 128 Optionも併用可能)、マトリクスルーティングは4096 x4096へ。イマーシブ時代におけるミキシングおよびモニタリング・キャパ シティーの拡張を実現している。従来のMTRX Optionカードと完全互換を持ち、アナログ入出力を全8スロットへフルに使用することも可能。 Avidのフラッグシップモデルがいまリロードされた。 Pro Tools | MTRX ファミリーがNative環境で使用可能に! 大注目のThunderbolt 3モジュールに対応 Avid製フラッグシップ・オーディオI/Fとして信頼を寄せられてきたPro Tools | MTRX(以下、「初代MTRX」)。1500 x 1500という大規模なクロスポイントを備えたルーティング・マトリクス、モジュール方式を採用することによる高い柔軟性と拡張性、そして比類なきオーディオクオリティがプロフェッショナルな現場で愛されてきた大きな理由だろう。4月に開催されたNAMM Show2023では、その初代MTRXにさらなるパワーアップを施したPro Tools | MTRX II(以下、「MTRX II」)が発表された。MTRXファミリーの代名詞でもあるルーティングマトリクスの強化や、Dante / SPQの内蔵、アナログI/Oカードの換装上限撤廃など、さまざまな機能強化が図られている。さらに、大注目は同時に発表されたThunderbolt 3オプションモジュール。MTRX IIとMTRX StudioをついにNative環境で使用することが可能になっている。 MTRX II 自体の機能も気になるところだが、ある意味でそれ以上に注目されそうなプロダクトが、MTRX IIと同時に発表されたThunderbolt 3オプションモジュールだ。これは、オプションカードスロットではなく本体にインストールするタイプのモジュールとなっており、MTRX IIとMTRX Studioで使用することが可能。残念ながら、初代MTRXに追加することはできないのでご注意いただきたい。 これまで、Pro Tools | MTRX ファミリー(初代MTRX / MTRX II / MTRX Studio、以下、「MTRXファミリー」)をMac / PCと接続するには、本体ユニットまたはオプションカードのDigiLinkポートを使用するしかなかったが、Thunderbolt 3オプションモジュールを換装することでMTRX IIとMTRX StudioをNative環境でも使用することができるようになる。具体的に言えば、Pro Tools Studio / Artistはもちろん、Steinberg NUENDO、Apple Logic Pro、Presonus Studio OneなどのCoreAudio対応DAWにおけるNative制作環境で、AvidフラッグシップI/Oを使用できるようになるということだ。特に、ver.2022.4でマルチチャンネル制作に対応したPro Tools Studioを使用したNative環境で、大規模なルーティングとモニタリング機能を備えたMTRXファミリーを使用することができるというのは、ユーザーにとっては大きなトピックではないだろうか。 ●Thunderbolt 3 Module ¥135,080(本体価格¥122,800) 📷MTRX IIとMTRX Studioの両製品に対応したThunderbolt 3モジュールがリリース。これによりDigiLink接続によるパワフルなDSP統合環境に加えて、 Thunderbolt 3経由で実現する低レイテンシーなCore Audio環境での柔軟性も実現可能となる。Thunderbolt 3オプション・モジュール経由で、MTRX IIでの使用時に256ch、MTRX Studioの場合では64chにアクセスが可能、他のアプリケーション等をDADmanソフトウエアにルートし、より先進的なDolby Atmosワークフローが実現できる。 Avidの発表によれば、Thunderbolt 3オプションはHDXとの併用が可能。DADmanのルーティングマトリクスに、I/OソースとしてHDXとは別にThunderbolt 3の入出力が見えるようになり、これらをMTRX上でルーティングすることができるようになるとのこと。イメージとしては、従来のDigiLink I/O オプション・カードを使用して複数のPro ToolsシステムをMTRXに接続する場合に近いものになる。 この機能を利用することで、メイン機とは別のマシンにインストールされたCoreAudio対応DAWとの間で信号のやりとりができるのはもちろんだが、大きな期待が寄せられるのが、MTRX II / MTRX Studio 1台で、Pro ToolsとDolby Atmosハードウェア・レンダラー間の信号をやりとりできるようになるのでは!?ということだ。システムにおいてクリティカルな部分となるため、発売開始後に実際の挙動などを実機で検証する必要はあるが、仕様上はこうした構成を取ることが可能となっている。Dolby Atmos制作のシステムアップにも一石を投じる可能性を持ったプロダクトに大いに期待したい。 Dante / SPQ内蔵など、機能面での性能もアップ 初代MTRXの拡張カードの中でも需要が高かった128ch Dante I/OとSPQだが、MTRX IIでは256ch分(@44.1/48kHz)のDante I/Oと、SPQ機能がはじめから本体の機能として内蔵されることになる。Dolby Atmosや360 Reality Audioなどのイマーシブ制作においては、オーディオ入出力もスピーカーシステムも従来よりはるかに大規模となるため、多数のオーディオを伝送できるDanteと、最大1,024のフィルターを追加して音響補正機能を提供するSPQというふたつの機能が本体内蔵になるのは、かなり豪華なアップデートではないだろうか。 ちなみに、初代MTRX用のオプションカードはMTRX IIでも引き続き使用することが可能だ。MTRX IIにビルトインされるDante I/OにはSRC機能がないため、SRCが必要な場合や、さらなるI/O数が必要な場合などは、従来通り128ch Danteカードを追加することで対応することができる。極端な例だが、8スロットすべてにDanteカードを追加した場合、MTRX II 1台で合計1280chのDante信号を扱うことができるということだ。MTRX II に内蔵されるSPQはオプションカードとして初代MTRXで使用できるものと同じ128 EQチャンネル+最大1,024フィルター。MTRX Studioに内蔵されているものとは異なり、SPQの機能をフルに使用することができる。反面、初代MTRXに内蔵されていたAES/EBU I/Oは廃止されてしまった。今後はAES/EBU信号を扱いたい場合には、オプションカードを追加することで対応することになる。 オプションカードに関してもうひとつ嬉しいアップデートは、アナログI/Oインストール数の上限が撤廃されたことだ。初代MTRXではアナログのオプションカードはInput / Output合計で6枚までしかインストールすることができなかったため、Pro Toolsシステムを大規模なアナログコンソールと接続する場合などにネックになってしまうことがあった。MTRX II ではこの上限がなくなり、8つのスロットすべてにアナログI/Oカードをインストールすることができるようになっている。 さらに、MTRXファミリーの特徴であるルーティングマトリクスとモニタープロファイル機能にも大幅なパワーアップが施されている。ルーティングマトリクスのクロスポイントは従来の1500 x 1500から、3倍近くとなる4096 x 4096に増加。モニタープロファイルで使用できる内部サミングミキサーは256 × 32から512 × 64に増加する。このアップデートにより劇場用のDolby Atmos制作においても十分な数のチャンネルを扱うことができるようになる。 初代MTRXと同様、システムのコアデバイスとしての活躍が期待されるMTRX II。AvidフラッグシップI/Fとしての期待を裏切らない仕様だ。また、待望のThunderbolt 3モジュールもついに発表となり、こちらも今後の制作環境に大きな柔軟性をもたらすことが期待される。やはり、ハードウェアで開発される新製品は、制作システムを構成するにあたりに大きなインパクトを与えることになる、今からその登場を心待ちにしたい。   *ProceedMagazine2023号より転載
NEWS
2023/08/28

SCFEDイベのスタジオ探報記 第4回 キング関口台スタジオ / RockoN Webサイトにて公開中!

憧れのスタジオを訪問してスタジオの魅力、ハイエンド機材やビンテージ機材の魅力、そして“スタジオで生まれる特別なマジック”の正体について解き明かすインタビューシリーズ「SCFEDイベのスタジオ探報記」。第4回は、「キング関口台スタジオ」にスタジオ探報です! 『SCFEDイベのスタジオ探訪記 第4回:キング関口台スタジオ』 >>>>記事本編はコチラ
Support
2023/08/25

【Avidサポート情報】アカデミック版の認証方法が変更されました。

Avid製品のアカデミック(EDU)ライセンスの認証方法が変更されました。EDUライセンスをご購入いただいたユーザー様は、ご自身のアカウントにライセンスを登録した後、アカウント内からアカデミック認証を完了するまで製品をダウンロードすることができませんのでご注意ください。 アカデミックライセンスの認証方法はこれまでの「identit-e」に変わり、「Proxi.ID」を使用したライセンス認証となります。 Proxi.IDのSSO(シングルサインオン)システムに登録されている教育機関の場合、認証は即座に行われ、従来のように証明書のファイルを転送したり何時間も待つことはなくなります。 Proxi.IDに登録がない教育機関の場合でも、メールアドレスでの認証、または、identit-eの場合と同じように証明書のアップロードによって認証を受けることができます(この場合、12〜48時間ほど掛かります)。 Avidソフトウェア製品をアカウントに登録した後の詳細な手順、および、アカデミック認証に関する良くあるご質問は以下のリンク先をご覧ください。 アカデミック版 (Redemption Code) 製品の Proxi.ID 認証手順>> アカデミック認証に関する良くあるご質問>> この変更は学生・教員向け(個人名義)ライセンスの認証に関するものです。教育機関向け(教室用)ライセンスに関してはROCK ON PRO営業担当までお問い合わせください。 Avidは学生・教員向け/教育機関向けのアカデミックライセンスをラインナップしています。ニーズに合ったプロダクトを提案させていただきますので、ライセンスについてご不明な点はお気軽にお問い合わせください。 ROCK ON PROでは音響・映像に関するシステム設計、スタジオ構築のご相談を随時お待ちしております。ハードウェアを含めたご相談も、contactボタンからお気軽にご連絡ください。
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制作環境を飛躍させる

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そのワークフローを実現する

Avid が提供する統合型ソリューションが体験できる Avid Creative Space (ACS) 。Avid Advanced Console、Hybrid Engine、NEXIS + MediaCentral、など規模やワークフローに応じたソリューションを総合的に体験できる3つの空間をぜひご活用ください。

DAWのタイムラインに同期したビデオ再生ソリューションであるVideo Slaveが、その名も新たにVideo Sync 5 Proとして最新バージョンになりました。従来の機能に加え、AvidとのコラボレーションによりStatellite Linkに対応。Pro Tools | Ultimateとのより緊密な同期再生を実現し、プロフェッショナルな現場に、より滑らかなワークフローを提供します。

Focusriteは、1985年に現在ではプロオーディオ界のレジェンドとなっているRupert Neveによって創設された、ハイレベルな計測による高い水準と、音楽的なサウンドの心地よさを追求した英国のメーカーです。

ROCK ON PROはDolby Atmos Mastering Suite Dealerとして認証を受けております。Dolby Atmosの制作環境から、RMU/ Mastering Suiteの導入までご相談ください。

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