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2017/11/14

株式会社テレビ静岡様

◎ファイルベースが導入された新システムがスタート テレビ静岡は、フジテレビ系列の中部地区における基幹局。2017年の新局舎移転にあたり、2室あるMA室をお手伝いさせていただいた。旧局舎の隣に建てられた新局舎。2つのスタジオと、映像編集、MAと新規に設備の導入が行われた。   これまでは、Marging PyramixをメインDAWにYAMAHA DM2000とAV SmartのTANGOを使用していたテレビ静岡様。新局舎への移転を期に、Pro Toolsシステムへの変更を行なった。Pro Tools | HDをメインDAW、コントローラーにAvid S3とAvid Dockという組合せ。ステレオの作業がメインであるため、シンプルにまとまったシステムとなっている。Videoの再生にはVideo Slave 3 Proが導入されている。   これまでのMarging Pyramixでは同社のVQubeをVideo 再生として利用していたが、Video Slaveへと更新が行われた。これは、トータルのシステムアップの中で、編集との連携を考えた際に、Pro ToolsのもつVideo Trackでは実現できない幾つかの機能を持つことからこの選択となっている。特にタイムコード・キャラのオーバーレイ表示はVideo Slaveの特徴的な機能の一つだ。テレビ静岡の新局舎へ導入されたノンリニア編集機はEDIUSである。EDIUSでは従来コーデックであるCanopus HQXを利用しての運用が想定されている。その為、MAへファイルベースでデータを受け渡す際にも、そのままCanopus HQXでの運用ができないかということになった。Video Slaveではこのコーデックにも対応をしているということも、選択の一つの理由となった。   ファイルベースのシステムは、MAのシステム側に1台NASサーバーを設け、そのサーバーを介して編集とのデータの受け渡しを行っている。このNASサーバーはMAのDAWはもちろん、編集側のEDIUSからもマウントできるようになっている。これにより編集側からこのサーバーへ直接ファイルの書き出しが行えるように設定が行われている。MA側からも完パケのWAVデータをこのサーバー上に書き出すことで編集機から完パケ音声データを拾い上げることが出来るようになっている。テレビ静岡では、MA室にもEDIUSが用意されている。これは完パケデータ作成用の端末であり、映像編集済みのファイルを開き、MAで完成した音声を貼り込んで完パケデータを作成できるようになっている。ニュースなどリミットの厳しい作業時には、編集機の空きを待たずにMA室内で完パケデータが作成できるようにという仕掛けである。   本号の出版時には新局舎での運用が始まっているはずである。ファイルベースシステムが導入された新しいシステムの実稼働がまた一つスタートする。そのお手伝いをさせていただいたことをここに感謝し本レポートの締めくくりとさせていただく。 (左)株式会社テレビ静岡 技術局制作技術センター 佐野 亮 氏 (右) ROCK ON PRO Sales Engineer 廣井 敏孝     *ProceedMagazine2017-2018号より転載
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2017/11/14

株式会社タムコ様 / System Tが可能にした音声中継車の未来形

株式会社タムコは以前より稼働中の音声中継車「R-3」「R-4」に加え、新たに「R-1」を新設した。長年にわたる構想の末に満を持して完成した音声中継車「R-1」は、最新鋭の技術が詰め込まれた音声中継車となった。音声中継車の中心核であるコンソールにはSSLの新型デジタルコンソールであるSystem Tが据えられ、信号経路のほとんどをDanteで構築。これが日本1号機となるSystem Tを始め、システムのありとあらゆるポイントが革新的なシステムと言える「R-1」をご紹介したい。 ◎96kHzへのニーズに応える中継車を まずは、今回新たに製造された「R-1」のスペックをご紹介しよう。96kHz 128ch収録可能な音声中継車である「R-1」のコンソール「System T」は2クライアント対応の64フェーダーフレーム・3タッチスクリーンと、1クライアント対応の16リモートフェーダー・1タッチスクリーンPCの計80フェーダーで構成されている。Stage RackはMicPre 64chインプット・Lineアウト16chを基本セットとしたラックが3式用意され、最大で192ch インプット・48ch アウトプットに対応可能だ。そのほか、SSL Local I/Oとして、アナログ56ch(Mic)IN・24ch OUT、AES/EBU 128 I/O(96kHz時)MADI 7 I/O ポートなど、多彩な規格に対しても柔軟に対応できる。   音声中継車を造るという構想はあったものの、なかなか条件に見合うコンソールが見つからず、機材の選定には相当苦労されたようだ。その条件のうちの一つが、ハイ・サンプル・レートでの運用だったという。現在、「R-3」が96kHzに対応しているが、システム的制限でチャンネル数が半分になってしまうという。近年の動向として、放送業務でもマルチ収録が増えているそうで、その中でも96kHzへのニーズも多いという。96kHz対応という意味では「R-3」も対応しているが、システム上の制限があり収録可能なチャンネル数が半減してしまう。その点「R-1」は接続をAES67伝送信号に準拠しているDante HCを採用しており、プロジェクトが96kHzになったとしても収録チャンネル数は128chを確保できる。   新しい音声中継車を計画するにあたってクライアントである民放各局の意見を集めたが、すべての希望にしっかり答えるとなると当時はそれだけのコンソールが市場になかったという。そんな折、IBC 2015にて発表されたSSL System Tの高い拡張性と柔軟性、そして何より音質の良さが決定打となり、System Tが採用されたそうだ。 ◎Danteが拡げるSystem Tの可能性 長年に渡った構想の決定打になったSystem T。今回導入されたコンソールが国内では1号機となる。条件の一つであった「ハイ・サンプル・レートながらもマルチ・チャンネル収録が行える」という条件はSystem Tにおいてコンソールに関わるコンポーネントの通信にDanteが採用されたからではないだろうか。   2015年のIBCにて発表されたSystem Tは次世代のブロードキャストオーディオプロダクションシステムで、コントロールインターフェイスからエンジンまですべてがゼロから新規開発されたプラグシップモデルだ。エンジンは、これまでのブロードキャストコンソールであるCシリーズコンソールで採用されていたCenturi Coreとは異なり、64bit 浮動小数点処理のTempestが採用されている。すべてをゼロから設計しているゆえに、Cシリーズの後継機種という位置付けではなく、新たなフラグシップのシリーズとなる。それは音声中継車を造るにあたり一番の条件であった音質にも現れているそうで、SSLサウンドをしっかりと継承しつつ、さらに音質がはるかに向上しているとのことだ。   さらに、System Tはコンソールに関わるコンポーネントがすべてDanteで接続されている。SSL社はMADI フォーマットを規定する際に参画した1社で、これまでMADI関連の製品も多く販売してきた。しかし、MADIは48kHzでの伝送はBNCケーブル1本で64ch扱えるものの、96kHzになればその数は半減してしまう。その点、Danteは規格上Etherケーブル1本で最大512双方向(48kHz)のオーディオチャンネルを扱える。実際に扱えるチャンネル数は接続されるハードウェアにもよるが、規格上はMADIの8倍にも及ぶ。   System Tに採用されているDanteプロトコルは、冗長性にも長けている。Dante機器は1つのハードウェアをPrimaryとSecondaryの二重ネットワークで接続・構成が可能で、万が一Primaryネットワークの通信が遮断されても、瞬時にSecondaryネットワークに切り替えることが可能だ。この冗長性が、昨今のSR市場や音響設備において非常に重宝されている理由の一つでもある。前記の通り、System Tはコンポーネントの全てがDanteで接続されているが、エンジン自体も二重化されており、冗長化を図っている。音声中継車「R-1」においてもDanteは二重化されている。運転席の後方に配置されているラックにはSystem TのエンジンやNetwork I/Oらがラックマウントされているが、その最上部にPrimary、Secondaryと分けてSwitch HUBへと接続されている。さらにケーブルもPrimaryとSecondaryとで色分けされているので、メンテナンス時にも重宝するだろう。   サーフェイスはフロントに64ch、リアに16chの計80フェーダーが用意されている。同一ネットワークに接続されて個別に動作したり同一システムとして動作させることも可能だ。プロジェクトが大きくなれば大きくなるほど扱うチャンネルが増えるが、2マン・オペレートはもちろん、一人はバンド、一人はボーカル、一人はオーディエンスといった、3マン・オペレートで各自がフェーダを握ることも可能だ。タッチスクリーンを基本とした輝度の高いディスプレイは、非常に視認性が高い。タッチスクリーンはタムコとしても初の導入だそうが、その操作性は良いという。マスターセクションにはあまりボタンを多く配置せず、シンプルな設計ながらも、チャンネルストリップ部分には必要なハードウェアスイッチを備えており、必要なボタンにはすぐにアクセスできるように設計されている。なお、コンソールのチャンネルアサインなどのセッティングもこのタッチパネル上から行うので、1箇所で操作が可能だ。チャンネルストリップとセッティングを別々の画面を見ながら操作、という煩わしさからも解放されている。 ◎カスタマイズ自由なチャンネル拡張と冗長性 3ブロックからなるStage Rackには、SSL Network I/O Stageboxes SB i16とSB 8.8が計5台ラックマウントされており、1式につきAnalog 64 In/16 outを有している。上段にはラックマウントされたxMac ProServerとMac用のUPSが、下段にはNetwork I/O用のUPSとスライダックがそれぞれマウントされている。   冒頭に「R-1」のスペックをざっとご紹介したが、これはあくまでも「標準仕様」でのチャンネル数だ。Danteネットワークは、機材の追加などの変更が容易。それはもちろんSysytem Tでも例外ではなく、現在車載されている機材の他にも、臨時で入出力を増やしたい場合や異なる音色のHAが欲しい場合は、車載されているDAD TechnologyのAX32のようにDanteに対応したオーディオインターフェイスを接続すれば入出力数を増やすことも可能となる。   逆にチャンネル数が少ないプロジェクトの場合はStage Rackを1式のみ接続する、といった選択も可能だ。今回の「R-1」と同時に「R-2」という別の音声中継車も作成されており、そちらにはSSLのL300というSRコンソールが導入されているそうだ。L300 もSystem T 同様にDante ネットワークでの使用となるため、「R-1」で使用しないStage Rackは「R-2」でStage Rackとして使用したり、既存の音声中継車「R-3」のコンソールAurusに装着されたDanteカードを介してStage Rackを使用することも可能。このように「R-1」のためだけのStage Rackではなく、他の車両のStage Rackとしても活用が想定されている。さらには、音声中継車とは切り離して単独でYAMAHAなどのDante対応SRコンソールと接続したり、単独でのHAとして稼働も想定されているそうだ。フレキシブルに対応できる発想が可能なのはDanteならではだろう。 ◎安定した収録システム 車載されているDAWのAvid Pro Tools HDは、HDX2とHD MADI 2台で構成されている。なお、MacProはSonnet TechnologyのxMac Pro Serverにマウントされている。System Tに接続されたNetwork I/O MADI BridgeでDanteからMADIに変換された信号がHD MADIに入力される仕組みとなる。ストレージは3.5インチHDDを採用しており、xMac ProServerのPCIユニットからSonnet Tempo SATAカードを経由してHDDシャーシへアクセスしている。HDDシャーシはフロントからHDDの抜き差しが可能だ。収録が終わったらすぐにHDDを取り出すことができる。   Stage Rack にもマウント可能な MacPro には Nuendo と Dante カードがインストールされており、Pro Tools と同じインプットを Dante 上でパラレルにアサインしてサブ機として収録が可能だ。また、Focusrite RedNetのようなDanteポートを持つ機器をインターフェイスとしたPro Toolsを持ち込めば、こちらもバックアップとして収録をすることも容易にできる。 ◎車載された固定スピーカー 「R-1」は車両の長さが9m・幅約2.5mとミドルサイズに収まっている。しかし、コントロールルーム内は非常に広い印象を受ける。コントロールルームは奥行き3.6m、幅2.32m、高さ2mと外寸から比べると非常に広くスペースが取られている。完全カスタマイズの車両はボディがスチール製だが、ミキサー席から後方の壁面はあえて遮音壁を薄くして、低音が少し抜けるように設計されているそうだ。実際、コントロールルームで扉を閉めた時の圧迫感は低く、長時間作業でも苦にならなそうだ。   また「R-1」では常設スピーカーもマウントされた。「R-3」「R-4」では様々なクライアントが好みのスピーカーを設置できるよう対応するため、常設スピーカーは設置されてこなかった。今回常設されたMusikelectronic Geithain RL933K1は同軸3Wayモニタスピーカーだ。常設を選んだ理由としては「R-1の音色」を狙った設置ということだそうだ。もちろん、従来のようにクライアント持ち込みのスピーカーにも対応すべく、スピーカー設置スペースとしてスライド式のスペースも確保されている。その他にも外からアクセス可能なユーティリティースペースが設けられていた。ここにはStage Rack接続用のマルチケーブルなどを収納することができるので、そのまま配線作業が続けられる。こういった細部にも配慮された設計になっている。 既に稼働が始まっているという「R-1」、ユーザーからもそのサウンドは好評を得ているということだ。System Tの操作性と柔軟性、そして冗長性、安定性の確保、さらには他の中継車との運用も見据えた「R-1」は今後の中継車のベンチマークとも言えるべきものとなったのではないだろうか。ハイサンプルにも対応した将来性も豊かな「R-1」は今後も活躍を続けていくに違いない。     *ProceedMagazine2017-2018号より転載
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2017/11/14

株式会社メディア・シティ様 / Avid S6でセンターポジションオペレーションを実現する

適度なライブ感を持ち、高い天井高による優れた音響環境を持ち合わせるMedia City Ginza East。そのシステムがFiarlight ConstellationからAvid S6へと更新された。そのコンセプト、そしてスタジオとしての魅力に迫っていきたい。 ◎天井高がもたらす飽和感のないサウンド このスタジオの特長は何といっても、高い天井。そして、国内のスタジオではあまり見ることの無い正面のハードバッフル。この組み合わせによる適度なライブ感を持った音響環境となっている。高い天井高は、空間容積に直結し、余裕のある響き、そして反射音の低減など様々なメリットをもたらす。そして、レンガにより作られたハードバッフル。一部分であればレンガ等の素材を使用したスタジオを見ることはあるが、正面の壁全面がレンガというこのスタジオコンセプトには驚かされる。天井高の高さもあり実現できたこの仕様。適度な、心地よい響きをスタジオにもたらしている。   天井高のもたらすメリットはサラウンド作業の際に一番顕著に感じるということだ。5.1chのシステムが組まれたこの部屋で、天井高のおかげもあり、サウンドが飽和すること無く気持ちよくミキシングを行うことが出来るという。まさに空間容積に余裕があるからこそのメリットだ。 ◎真っ先に選択肢に挙がったAvid S6 今回の更新では、その音響的な魅力には手を加えず、スタジオのオープン当時に導入されたFairlight ConstellationからAvid S6への更新が行われた。やはり更新にあたり、Pro ToolsというDAWは選択肢から外れることはなく、統合型の作業効率の良いプロダクトとして真っ先に選択肢に挙がったのは、やはりAvid S6。元々は、Avid System5を導入候補の筆頭としていたということだが、更新の時期にディスコンになり、その機能を受け継いだAvid S6を試したところ、System5の操作感を受け継ぎ、Pro Toolsをダイレクトにコントロールできるこのプロダクトが正常進化したモデルであると感じセレクトされている。作業の中心はDAW内部へと確実にシフトをしている今、Avid S6以外の候補が選ばれることはなかったということだ。   そして選ばれたAvid S6のサイズは非常にコンパクトなS6-M40-16Fader仕様。もっとフェーダーが必要ではないかとも考えたが、Avid S6の強力なレイアウト機能などを使いこなすことにより、常にセンターポジションで作業を行いたいということからも、あえてフェーダー数を減らしている。もちろん、もっとフェーダーが欲しいという意見も出たが、今回の更新は16フェーダーという決着を見ている。実際に作業を行うと、フェーダー数に関する不満が出ることはほとんど無く、むしろコンソールをコンパクトにすることで、作業スペースとなる両サイドのデスク面が大きく取れるなど、ほかのメリットも見えてきたそうだ。サラウンド・ミキシングにも対応したこの部屋、やはりセンターポジションで作業を行うということが第一のメリットだが、CM作業の多いこのスタジオにとっては作業スペースに余裕を持てたこともプラスとなっている。   Pro ToolsのシステムはHDX1、Media Composerを利用したVideo Satelliteのシステムが組まれている。サブのシステムはなく、1台のPro Toolsで全てをまかなっているという。InterfaceはHD I/Oが1台とSync HDというシンプルな構成。サラウンドモニター対応のシステムを1台のI/Oでまかなうためにはその設計にもストレスが掛かるが、シンプルに構成することでそれを回避している。Video SatelliteのシステムはVideo InterfaceにBlackmagic DesignのUltra Studioが組み合わされ、4Kに対応したシステムアップとなっている。メインのTVも4K化が済んでいるので、4K作業にも対応可能だ。 ◎各スタジオで統一されたサウンド システム上での音質的なポイントは、モニターコントローラーにセレクトをしたGrace Design m906。AVIDではS6の標準的なモニターコントローラーとしてICON時代より引き続きXMONを販売しているが、導入にあたりこの部分を好みの製品に変えたいということでGrace Design m906をセレクトしたということだ。複雑なモニターセレクトなどは必要ないのでシンプルに音質重視で設計されたこの機種は、スタジオの音のクオリティーに貢献しているという。このセレクトはMedia Cityのもう一つの拠点である品川スタジオと同じサウンドクオリティーを担保するという意味からも重要な機材の一つとなっている。メインモニターはバッフルに埋め込まれたGenelec 1037Bが目を引くが、普段の作業はニアフィールドのADAM A7Xで行うことが多いということ。このスピーカーはバランス良く低域から高域までストレートに再生することが出来るので、重宝している製品ということ。ただし、少し低域が強いのでそのあたりは補正をして使っているというこだわりも教えていただいた。音の出方の気に入った製品をチューニングして利用するという、エンジニアのこだわりが感じられるセレクト。サラウンド用にはGenelecの8030が用意されている。 Media City Ginza Eastのもう一部屋のMAも同時にシステム更新が行われ、Pro Tools周りのシステムは同一、コンソールをArtist Mix2台の16Faderとフェーダー数を揃えたシステムが導入されている。サウンドの統一を図るためにモニターコントローラーにはGrace Design m904、SpeakerはADAM A7Xとこちらも一貫したセレクト。ステレオ作業であればどちらの部屋でも、ほぼ同じ環境(流石にコントローラー部分はS6とArtist MIXで同じとは言えないが)サウンドクオリティーで作業を行うことが出来るよう工夫されている。 Media City MAグループ グループ長 清田 政男 氏 今後は、Dolby ATMOS、8Kなど新しい技術に対して積極的にチャレンジをして行きたいと熱くお話をさせていただいたの印象的であった。最後とはなるが、取材でお話をお伺いしたMedia City MAグループ グループ長の清田氏、そして、システム・インテグレーションを行われた株式会社MTRの富岡氏への感謝を持ってReportを終わらせていただく。     *ProceedMagazine2017-2018号より転載
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2017/11/14

有限会社ガリレオクラブ様 / Yamaha MMP1が司り、Danteが全てをつなぐ

・STUDIO-A 大阪で1991年に創業した有限会社ガリレオクラブ。MA専門のポストプロダクションとしてこれまでにも様々な新しいチャレンジを行なってきた同社が、3部屋のMAのシステムを一新した。いち早くサラウンドへ取り組んだり、大阪で最初にFairlightでのMAを始めたりとチャレンジを続ける同社。2006年に現在の扇町に移転をしてから初の大規模更新となった今回。更新システムはYamaha Nuageという選択となった。そのお話を同社、石川氏と飯田氏にお話を伺った。 ◎Nuendoシステムを支える環境 導入当時はDAW界のポルシェなどという呼び声も聞こえたFairlightを長く使ってきたガリレオクラブ、同社が何故FairlightからSteinberg NuendoとYamaha Nuageという組み合わせに移行したのだろうか?まず挙げられたのはサポートの側面。やはり業務で使用するシステムであるため、大阪に拠点を構えすぐにメンテナンスの体制が取れるYamahaは選択肢の一つとなった。またSteinberg Nuendoに古くから携わるYamaha 山本氏が在阪していることも大きな理由となったのではないだろうか。専用ハードウェアでの構成となるFairlightがタイムリーなサポートを求められるのはなおさらで、拠点の有無は大きな要素となったようだ。 また、飯田氏は個人的にCubaseのユーザーであり、Nuendoに対しての抵抗感がまったくなく、むしろ良い部分を知っていたというのも大きなポイント。7.1ch対応のサラウンド制作も行っている同社としてはトラック数の制約なく作業ができるNuendoの魅力は大きい。いち早く22.2chやDOLBY ATMOS、AURO等のフォーマットへの対応を果たすなど、今後の作業の発展次第では安心感のある機能を持っているのもNuendoの魅力である。   そして、Windows環境でも安定運用できるというのも導入の理由となっている。Cubaseから派生したNuendoの歴史を紐解いても、やはり開発の軸足がWindowsにあることは確か。カスタマイズ性の高いPCを使用することにより快適な作業が期待できる。そして何より大阪には、Steinberg PartnerのDAW専用PCメーカーOM Factoryがあるのも心強い。PCの構成の自由度が高いということはそれだけ相性問題などに出会う確率も高くなる。その部分を担保した専門性の高いメーカーが近くにあるということで、安心してWindowsでNuendoという環境が成立できる。実際今回の導入されたNuendoは全てがOM Factory製のカスタムPCでの導入となっている。 ・記事冒頭のSTUDIO-Aに付設されるBOOTH-A ◎Danteがすべての部屋をつなぐ もちろん、Fairlightから他のDAWへの更新を考えた際にPro Toolsが候補に上がったのは間違いない。国内でも多くのポストプロダクションがPro Toolsを使用しているのは事実である。Avid S6 + Pro Tools、そして旧来のコンソール+DAWというアイデアも候補に上がったということだが、やはりトータル・リコールの出来る一体型のシステムであるFairlight Constellationを使っていた同社にとって、コンソール+DAWの環境は魅力的ではあるものの効率面を考えると候補から脱落。Avid S6 + Pro Toolsはシステムの手堅さ、他のスタジオとの互換性などメリットは十分に感じたが採用には至らなかった。その理由はここからご紹介するシステムアップ面にある。   今回、ガリレオクラブの3部屋のMA更新とともに、3部屋あるSoundDesign(仕込み)も更新された。そして、以前から構想としてあった全てのスタジオの音声回線を繋いでおきたいというトータルでの目的もあった。そこで目を付けたのが、NuageシステムのフロントエンドとなるNuage I/Oが採用するDanteだ。AoIPとしてすでにPAの現場などで普及しているDanteは手堅いシステムであり、失敗の許されない現場で使われているということからも信頼性の高い機材であるといえる。今回3室のMAと3室のSoundDesignは全てが共通のDante Networkへと接続が行われている。   ご覧いただきたいのだが、MA室に関してはPCからの回線、Nuage I/Oからの回線、そして、モニターコントロール用のYamaha MMP1全てが同一のDante Networkへと接続されている。Sound EditはPCからのDanteとI/Oを兼ねるYamaha O1V96にオプションとして追加されたDante-MY16-AUD2が接続される。これにより、どこからでも自由に制約なく信号の受け渡しが可能となっている。このシステムが組めるということがNuage導入の最後の決め手となったのは間違いない。その背景には、次にご紹介するYamaha MMP1の存在が大きい。 ◎シグナルを司るYamaha MMP1 Nuageシステムはコントローラーとしてという側面だけでなく、「Nuendoをエンジンとしたコンソールを作りたい」というYamahaの思想が色濃く反映されたシステム。この考えもコンソール+DAWも候補として挙がっていたガリレオクラブの考えと一致する部分だ。しかし、従来のNuageシステムは、モニターコントロールに関してはNuendoのソフトウェアに統合されたControl Room機能を活用するということでのシステムアップが推奨されていた。やはり、外部にハードウェアでモニターコントローラーを持たせ、トークバック、カフコントロールなどのコミュニケーションと合わせて制御できるソリューションが望まれていた。その要望を受けてYamahaが従来はDME64Nが担っていたようなプロセッシングを、現代のスタジオに合わせより特化した機能を搭載して登場させたのが、MMP1だ。   それでは、Yamaha MMP1を詳しく見ていきたい。Yamahaがこれまでに培ったDMEシリーズ、MTXシリーズ等のシグナルプロセッサー。その技術を用いて、Nuageのモニターセクションにジャストフィットする製品として作られたのがこちらのMMP1。特徴的なのはその入力部分。基本の入力をDanteとして、Analogは8in / 8out、AES/EBU 16in / 16out と最低限。Danteのネットワーク上に接続して利用することを前提とし、最低限のEXT INPUTと、スピーカー接続用のOUTに絞った非常にコンセプトの明快な製品に仕上がっている。内部はDME譲りの柔軟なシグナルフローに加えて、モニターセクションが自由自在に構築できるようになっている。取材時点ではNuageとの融合の実態を全て確認することはできなかったが、NuageのMMP1コントロール対応については2017年冬にアップデートのリリースを予定しており、トータルでのインテグレートが期待できる製品といえる。   この製品の登場により、Nuageは単体でのコンソールとしての機能を手に入れることとなる。そして、前述の通り16in / 10outの自由にアサイン可能なGPIを持つことにより、カフコントロール、トークバックなどのコミュニケーション機能をMMP1の内部で完結することが可能となる。ここでもDanteの持つシグナルルーティングの柔軟性が生きる部分である。マイク入力は、一旦Nuage I/OによりDanteの1回線となれば、まずMMP1に送り込みカフの制御を受けた上で、PCのDante Acceleratorへと接続され、DAWへと入力される。全てがNetwork上での出来事であり、シンプルなEthernet回線の中でそのシグナルルーティングは行われる。   ガリレオクラブの思い描く次世代のスタジオのあり方。全てのスタジオの音声がネットワークを介して自由に接続されるという未来が、MMP1の登場により一気に現実のものとなった。もちろんDante I/Oを多数用意して、一旦Analogにした後にシグナルプロセッシングを行い、またDanteへと戻すということも出来るが、システム規模は非常に大きくなってしまう。MMP1の様に基本的に全てをDante Network上で信号の受け渡しの出来る製品は、まさに今回のキーデバイスと言えるだろう。 ・STUDIO-B ◎従来の作業効率を失わない工夫 Nuageを中心にNuendoをメインDAWとしてシステムアップをされたガリレオクラブだが、効果用にPro Toolsの用意もある。NuageはPro Toolsに切り替えたとしても、その操作は行える。Nuageの持つ操作の柔軟性、そういった点からも便利に使えているということだ。   実際にこのシステムを見たお客様からは、デスクについて褒められることが多いという。カスタムで作られ、サイドテーブルと一台となるデザインの机。その細部には細かいこだわりが多くある。まず、Nuageの設置についてはフェーダー面とフラットになるように設計されている。従来設置のFairlight Constellationは角度の付いた面にフェーダーがあったため、その操作感との統一も考えてNuageは後ろを少し持ち上げて設定、Constellationと合わせるために7度の角度が付けられている。また、コンパクトになったことを感じさせないように、サイドテーブルを大きくした。これによりディレクタースペースが大きくなり好評いただいている部分ということだ。   また、Nuage I/Oの音質に関しても高い評価をしているということだ。Pro Toolsは以前より候補として外せない存在であり、その評価は常に行なっていたということ。それでも、メインのDAWとして導入が行われなかったのは、以前の192 I/Oの音質が満足できるものではなかったからだということだ。当時使用していたFairlightの音質は高く、さすがは専用設計のDAW界のポルシェと言ったところ。今回Nuage I/Oをテストしたところ、そのFairlightの音質とほぼ同等だという結論が出ている。もちろん、Avid HD I/Oが音質向上しているということは知っているが、それ以上にNuage I/Oの音質は優れているという判断が導入の際にはあったということだ。 ・STUDIO-C ◎Yamaha MMP1 Yamaha Nuageの登場から早くも3年以上が過ぎようとしている。YamahaのNuageリリース時のコンセプトであるNuendoをミキシングエンジンとしたコンソール。これを実現するピースとして登場が待ち望まれていたハードウェアでのモニターセクション、それがこのMMP1である。こう書いてしまうとNuageでしか使えないように聞こえてしまうが、そうではない汎用性を持ちつつもNuageとの深いインテグレートを実現した機器ということだ。 MMP1の詳細を見てみたい。その入出力はAnalog IN/OUT 8ch、AES/EBU 16ch、そしてDante 64chとなる。そして内部には8chのChannel Stripとフレキシブルな40 x 32のMonitor Matrix、32 x 32のSpeaker Matrixがあり、32chのOutputに対してEQ/Dlyといったスピーカーマネージメント用のプロセッサー、そして全てのチャンネルを跨いだBass Managementが備わっている。   もちろんモニターセクションなので、これらの機能を外部からコントロールすることで、ソースの切替、スピーカーセットの切替、ボリュームコントロールなどを行うことができる。Nuageであれば、Nuage Masterからのコントロールが可能である。そのコントロール信号は、Danteの回線に重畳させることが可能なので別途コントロール用の信号線を準備する必要はない。Nuage以外のシステムとへのインテグレーション時もDanteでシステムアップを行っていればそのネットワーク経由でのコントロールが可能である。   スピーカーマネージメント部分は、定評あるYamaha DME譲り。8band EQとDelayが備わる。プロセッサーパワーの関係から残念ながらFIRの採用は見送られたものの、DSPの世代としては最新の物が使われているため音質に関してもブラッシュアップされているということだ。位相に関してシビアなベースマネジメント用のフィルターにはFIRが備えられているのは特筆すべき点ではないだろうか。   そして、Yamahaの製品らしく非常に豊富なGPIを備えているのがMMP1の特徴の一つ。内部のプロセッシングほぼすべてのファンクションのコントロールが可能な柔軟なGPIを持っている。Yamahaのコンセプトとしては、このGPIを活用してCough ControlもMMP1に担わせるように設計が行われている。そのためにInputにChannel Stripが用意されており、ここへMicの回線をアサインしCoughのON/OFFに合わせてMuteを制御、それによりCoughの制御を実現できる。このGPI信号に合わせてBTなどを総合制御することでCough Control unitなどの機能をMMP1が実現する。 今後Danteベースのシステムアップが増えると、MMP1はそのシステムのスピーカーマネージメントシステムとして脚光を浴びることだろう。32chものスピーカーマネージメントを行うことが可能なパワフルな製品。そう考えるとコストパフォーマンスも抜群に高く、すでにこの製品を中核としたシステムアップも行われている。AoIPを活用したプロダクション・スタジオシステムのラストピースが誕生したと言えるだろう。 国内でも先行してDante Networkを活用したスタジオのシステム構築を行われたガリレオクラブの皆様、そしてシステム設計を行われた日豊株式会社の池谷氏、株式会社ヤマハ・ミュージック・ジャパンの山本氏、豊浦氏のチャレンジに敬意を表しこのReportを締めくくらせていただきたい。     *ProceedMagazine2017-2018号より転載
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2017/11/14

静岡放送株式会社様

◎Pro Tools+Video Slaveの構成で実現した効率的な作業環境 1952年に民放のAMラジオ局として全国17番目にオンエアを開始、その6年後の1958年に民放のアナログテレビ局として全国12番目に本放送をスタートした静岡放送。そのMA室の改修工事を担当させていただいた。県下最大のシェアを持つ地元新聞、静岡新聞の系列で、報道をはじめドキュメンタリーや情報系など自社制作に力を入れている放送局である。   MA室は2年前に内装の更新を行なったが、機材はそのままという状況であった。今回、機材の一新とともにミキサーデスクなどの什器の刷新、ブースとのコミュニケーション関連の機器の更新を行っている。これまでのPro Tools + Video Satelliteというシステムから、1台のPCによるPro Tools + Video Slaveというシンプルな構成に入替えが行われた。やはり、Video Slave導入の最大のポイントはタイムコードキャラクターのオーバーレイ表示。MAエンジニアには馴染みの無いノンリニアの編集機を利用するVideo Satelliteは、多機能すぎて操作の煩雑さを感じていたということ。ファンクション自体はフル機能のノンリニア編集ソリューションであるMedia Composerを使うVideo Satelliteには劣るものの、MA作業として欲しい機能が網羅されているVideo Slaveは、まさに静岡放送様のワークフローにジャストフィットするものであった。   今回の更新では、これまで使用してきたAVID C24からAVID S3への更新も行われている。フェーダー数は減ったものの、ロータリーエンコーダーは増えており、EuConの持つレイアウト機能を活用すればフェーダー数の減少はフォローできる。さらに、エンコーダーが増えていることによってプラグインの操作などでメリットが生まれることになる。また、サイズがコンパクトになった事により、デスク上が広く使えるようになったという点も作業上ではメリットがある。   また、VTRラックとの音声のやり取りをこれまではAESで行なっていたが、今回の更新ではSDI-Embeddedへとシステムを更新している。これによりVTRラックにあるSDI Routerを活用しての柔軟な運用を実現している。ちょっとした工夫ではあるが、使い勝手の向上した部分だ。 改装からそれほど時間のたっていない、このMA室に新しい什器、機器が導入されたことでまるで新設の部屋のようにフレッシュな環境となっている。PCの台数も1台となり、シンプルで効率の良い作業環境が実現できている。常設ではないが、サラウンド用のスピーカーセットもあり様々なコンテンツに対応ができる静岡放送のMA室。その更新をお手伝いできたことに感謝を述べ、本レポートの終わりとしたい。     *ProceedMagazine2017-2018号より転載
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2017/11/14

佐藤直紀邸ワークスペース

スタジオ感を徹底排除したワークスペース、総計12台のMacが連携したリアルタイム演奏システム、そしてその華麗なる融合。今回は2年の月日をかけて遂に完成した佐藤直紀氏のワークスペースを取材。佐藤直紀氏本人、そして住友林業株式会社と共に施工を請け負ったSONAプロジェクトマネージャー萩原氏両名によるスペシャルインタビューをお届けする。 佐藤 直紀 氏 1970年5月2日生まれ、千葉県出身。 1993年、東京音楽大学作曲科映画放送音楽コースを卒業後、映画、TVドラマ、CMなど、様々な音楽分野で幅広く活躍する。第29回日本アカデミー賞最優秀音楽賞受賞、第31回、38回、40回日本アカデミー賞優秀音楽賞受賞。 萩原 一哉 氏 (株)ソナ 統括管理グループ プロジェクトマネージャー 稲葉建設(株) 建築音響グループ 統括マネージャー 常にお客様の立場に立って、様々なご要望に沿ったご提案ができるよう日々精進しています。趣味は、ギタープレーとバンド活動。自身のバンドで彼方此方ライブ活動 ◎部屋の空気をスタジオに近づけない Rock:この度は完成おめでとうございます。最初に設計当初の目的から伺っても良いでしょうか? 佐藤:そうですね、まず私からは『スタジオにしたくなかった』ということです。これだけの広さがあって予算があればスタジオを作ることも可能でしたが、仕事場=スタジオとなると居心地が良い場所ではない。あくまで私の仕事は曲を書くことですので一番大事なのは仕事をしやすいリラックスできる環境でした。そのため『スタジオをつくらない』、『スタジオっぽい内装を避けたい』という点がポイントでしたね。 萩原:そうですね、その点が前提でしたので、一般的なものを極力使わず、かつ機能的な部分とバランスを保つことがポイントでした。住友林業のデザイナーさんに、どこに音響的な材料を使うべきかをお伝えし、外観が所謂スタジオのようにならないよう留意しました。 佐藤:音響的観点であれば当然窓がない方がいいのですが、窓がない家は日常的な空間ではなく、ストレスも溜まります。私の本音をいえば防音すらもしたくなくて、外から鳥の声や近所の子供の声が聞こえる方がベストなのです。しかし仕事場として24時間使用しなければいけない状況もありますから、今回は自分の部屋にいる感覚で仕事をできるようお願いいたしました。 萩原:防音の部分では佐藤さんの作業環境について事前に詳細を把握、相談の上、一般的なスタジオにあるような防音設備を取り入れてはいません。佐藤さんがお仕事をされても近隣に迷惑がかからない程度の仕様になっています。 Rock:内装やインテリアも素敵ですが、このデザインの希望はどのような経緯で決まったのでしょう? 萩原:インテリアについては、住友林業のデザイナーさんに全てを一任しています。SONAは音響的観点だけをお伝えして、それに見合った材料をお伝えしたのみです。あとはどこにその材料を使うかですが、例えば布が貼ってある壁や、天井の掘り上げた黒い部分、コンソールの正面の大型テレビ部分などに対して吸音措置を行い、部屋全体的には吸音をしすぎず『部屋の空気の雰囲気をスタジオに近づけない』いわばリビングっぽい響きになっていますね。 Rock:なるほど、中でも椅子や作業机などのデザインはこだわりを感じますね。 佐藤:これは私や萩原さんのこだわりではなく住友林業のインテリアデザイナーさんのこだわりです。ここの部屋の雰囲気のセンスやデザインは住友林業さん結構楽しんでやってもらいました。私は先ほどのコンセプトだけを話して、あとは『いい部屋を作ってくださいね』とだけお伝えしました。私のこだわりというわけではない、というと気に入ってないみたいですが、とても気に入っていますよ(笑) 萩原:最初に住友林業の建築士の方と話された際、建築士さんからいくつかパターンを提出しますか?と聞かれ、佐藤さんが『あなたが思っている一番をください』と言われたのが印象的でしたね。あれが忘れられないですね。その集大成がここです。 佐藤:もちろん途中少し遊んでもらった部分もありますよ(笑)。例えばこの線がまっすぐだったのを斜めにしました。 萩原:そう! 床のラインと天井のラインがあってないですよね。 佐藤:遊び心がありますね。 萩原:音響的観点から考えるとどうしてもシンメトリーにしたいと考えてしまいますが、そういう観点を持たない方が作るとこうなるのだなと感心しました。 佐藤:この斜めのラインには意味があって、実は外壁に対しては垂直なのですよ。斜めの箱の中に違う箱が入っている計算されたイメージなのです。 Rock:なるほど、家としてみたら幾何学的な模様なのですね! 佐藤:もちろんそんなことスタジオの中に入ったらわかりませんけどね(笑)  でも物を作るこだわりってそういうことなのだと思っています。基本的に建築設計と曲を書くことは似ている部分があると思っていて、何パターンを作っても本人の中で良いものは一つなのだと思います。それをまず出してもらうことが良いものができる秘訣だと考えています。 ◎空間と機能の両立 Rock:ベストと思ったイメージを具現化したわけですね! 具体的に防音遮音というカテゴリについては、SONAさんと住友林業さんとの作業分岐のポイントはどこだったのでしょう? 萩原:まず当初は防音工事の作業の仕方を住友林業さんに理解してもらわなければなりませんでした。ただ厚く重たい素材を貼れば防音になると思われがちですが、床や天井についてなぜこのような作業が必要かを説明し、先方から図面をいただいて、すり合わせのやり取りが度々発生しましたね。例えば空調も家庭用エアコンではなく、機械は部屋の外置きかつ機械本体の騒音が聞こえないようにするダクトの処理など、一般の建設会社では施工できません。空調機械自体は住友林業さんで設置しましたが、それら以降のダクト工事などは弊社で行わせていただきました。 Rock:となると今回のSONAさんとしてのクリアすべきラインはどの辺りだったのでしょう? 萩原:空調もそうですし、佐藤さんがお使いの機材に関わる電源のことなどですね。スタジオっぽくないとは言いつつも業務上必要です。ノイズカット機能や無停電の機能があるトランス、あとはマシンルームから各機材への配線方法などです。いかにスタジオっぽく見えないような方法、でも実際はスタジオっぽいことを行う、そのアイデアを出す作業を今回行わせていただきました。 佐藤:萩原さんにとってそこは一番大変でしたよね。私も住友さんも『スタジオっぽくしたくない』と言いながら、スタジオとしての機能はなければいけない部屋です。両立の部分で最も苦労されたと思います。音の響きよりも『ここに石を使いたい』などインテリア的な要望とのバランスはご苦労されたと思います。 萩原:作業場は見ての通りモニター画面もたくさん並んでいますが、スタジオっぽくなくデザインできたと思います。例えば防音ドアもスタジオと考えるならよくあるガチャっと開くハンドル式の重量ドアになりますが、今回は防音ドアのパッキン部分をマグネットにすることで、冷蔵庫方式でのように密閉する特殊なドアを使っています。スタジオドアのように締め付けなくて良いのです。これは作るのが大変で非常にシビアな製作工程がありますので、苦労したのはそういう部分ですね。 Rock:確かにドア一つで印象が大きく変わりますね。メインデスク周辺の機材配置などワークフロー上はどのような意味がありますでしょうか? 佐藤:私が中央に座って、素早く各PC前に行けること、中央席からでも見やすいことですね。 萩原:正面の机は調整設計に時間をかけましたね。メインデスクの構成は作家さんのスタイルで鍵盤優先か、PC優先かで変わります。佐藤さんの場合は作譜作業がメインですから、鍵盤の位置が通常より高いのです。 佐藤:私の場合は譜面を書くということが一番長い作業なので、メインとする配置を作っていただきました。 ◎あくまでワークスペースであること Rock:メインデスク周りはハードウェア音源などがありませんが、PC環境ベースへの移行はいつ頃ですか? 佐藤:ソフトシンセに移行した段階からですね。一個一個段階を経て増えていったもので、突然こうなったわけではないのです。最初はもちろんハードウェア音源、途中でギガサンプラーの頃は2台のみの環境でした。ハードウェア音源が徐々に減りつつソフトウェア音源へクロスフェードしていったのは自然の流れですね。 Rock:現在でもハードウェアシンセサイザーではアナログシーンが再燃していますが、そのあたりに興味を感じますか? 佐藤:私自身は機材自体に全く興味がなく、その辺りはROCK ON PROさんにお任せしています。なぜなら私は曲を書くのが仕事なので、音の良し悪しはエンジニアに任せています。響き自体に関してシビアというでもありません、ここでトラックダウンするわけでもありませんしね。『曲を書きやすい環境』があれば良いので、機材構成もそのための構成になっています。アナログシンセは元来作成した音を保存して呼び出せるわけでもありませんし、便利ではないものにこだわる時間よりは1曲でも多くを書きたいですね。 Rock:作曲と編集を割り切ることでシステム構成はクリアになりますよね。昨今の若いクリエイターなどは作曲から編集、ミックスまで任されてしまうことも多いようですが、そのあたりはどう感じられますか? 佐藤:実際はそうですよね。確実に音楽の予算は減っていますから、作曲からミックスまでやらなければいけない。スタジオを作りたくないというのは、それが嫌だったのもあります。スタジオというと『トラックダウンができますよね』『Vocal一本くらい入れられますよね』うちがスタジオと言わず仕事場と言っているのは、スタジオと言った時点でそれら全てを担ってしまう恐怖です。 萩原:あくまで佐藤邸ワークスペースというのを部屋の名前にしています。日頃スタジオを作っている我々としてはそういう意味では楽でした。1m数万円のケーブルにこだわる方もたくさんいますが、佐藤さんからはそのような部分への要求はなく、又、この空間でそれらのクオリティの違いを聞き分けるには、モニタリング環境はよりシビアになり、結果スタジオになってしまいますからね。 Rock:新しいワークスペースを完成させての喜びをコメントにしていただいてもいいですか? 佐藤:僕以上に色々な方々とこだわって作ったワークスペース、実に2年かかりました。これだけ良いワークスペースは長く作曲家を続けるモチベーションになります。 Rock:この部屋だからこういう曲が生まれるという化学反応はありますか? 佐藤:まだ始まったばかりですが、それはわからないです。長く居る空間ですから居心地のいい部屋を作ることは絶対でしたが、必ずしも良い部屋を作ったから良い曲が作るわけではありません。もちろん、書けるといいですけど(笑) Rock:曲作りを本格的に始められた頃の機材環境はどうだったんでしょう? 佐藤:一人暮らしをしていた六本木が最初のワークスペースだったと思います。当時はサンプラーが多かったですね、AKAI Sシリーズを6、7台使って、あとはEMUなどラックシンセを多数活用していました。機材や音源との出会いという面ではずっと前に遡りますがYAMAHA DX7などTOTOやハワードジョーンズとかのサウンドを聞いて憧れて買ってもらったのを覚えています。 Rock:ハワードジョーンズは当時衝撃的でしたね。サウンドもPOPでしたし。プリンスの前座だったのを覚えています。 佐藤:あの当時はキーボード並べて弾くってのが格好良かったですね。最初のワークスペースに話を戻しますが、私は自宅とワークスペースの場所を分けてしまうと、仕事に向かう足が止まってしまうんですよ(笑)。 よく切り替えられる人もいると聞きますが、私はおそらくなんだかんだ理由つけていかなくなって(笑) 眠たくなったら1分で寝られる、仕事しようかと思ったらすぐいける、という環境を作っておくのが重要です。 Rock:部屋の一部という発想はその頃から継承されているのですね。職業作家を目指されたきっかけは何でしょう? 佐藤:今でこそ劇伴作家をやりたい方は多くなりました。私は映画やドラマなどのエンターテインメントが好きなので、音楽という立場からそのように関わりたいと漠然とした目標を持っていました。ただ当時は映像音楽だけでなくJ-POPなど色々やりたかった。およその記憶ですが、当時15年前くらい前にSMAPが一流のミュージシャンを使って、凄いレベルの高い曲を書いていました。あれに憧れてSMAPのための曲を散々書いたのですが全く採用されませんでした。 Rock:コンペなどにも出されたのですか? 佐藤:当時はコンペおよそ200曲、300曲が当たり前でした。本当は曲が書きたいのではなく、アレンジがやりたかった。海外の一流ミュージシャンとの仕事ができることに憧れていましたが、アレンジャーとしてだけでは業界に入れないので曲を書きながらやりなさいと当時先輩方に言われて、SMAP用の曲を何曲も書きましたが結果は全然ダメでした。 Rock:海外ではアレンジャー専門職はいないのでしょうか 佐藤:いらっしゃるでしょう。ただ日本では曲が採用されたらアレンジもできるという内容で売っていかないと仕事が入り辛いと当時制作の方から言われたのを覚えています。 Rock:当時のSMAPというと米国西海岸で収録したCDですね。 佐藤:はい、私はフュージョンが大学の頃は大好きで、CDにクレジットされていたアーティストたちがSMAPのアルバムに多く参加しているんですよ。彼らと会う一番の近道はこれだ! と当時思いましたね(笑) あの頃のSMAPのアルバムがいい意味でやりたい放題で、セールス面以上にレベルの高い楽曲を多く入れていて純粋に憧れましたね。その後J-POPと映画音楽と両立をできればよかったのですが、そんなに甘くなかったです。劇伴音楽以上にJ-POPはレベルが高すぎて、何かの傍らというやり方ではとても出来ませんでした。 Rock:専業でないと厳しそうですか? 佐藤:はい、J-POPのアレンジャーとか本当に私は尊敬します。あのクオリティはとても生半可な関わり方ではできないです。 ◎書き続けたことが今に繋がっている Rock:その後の佐藤さんのご活躍は皆知るところですが、現在の職業作家を取り巻く環境についてはどう思われますか? 佐藤:なかなか作曲家にとって難しい時代に来ていると思います。一人で多様な仕事をこなす人=優秀とされているので、エンジニア的な能力など作曲と違う技能が必要です。楽器や音源が多い人のほうがサウンドは残念ながら純粋に曲を書く技術がなくとも豊かになるし、曲を書けなくても楽器でカバーできるシーンもありますから当然お金も必要です。純粋な作曲家としての道は以前より険しいでしょうね。 Rock:工夫が必要ということですね。 佐藤:昔よりもバランス感覚がとても大事になっており、素直に大変だと思います。ただ私が本当に危惧していることは『バランス感覚が良い人は、便利屋として専門になってしまう』状況です。低予算で仕事をこなし続けることで、その後同様の仕事が膨大に増えてしまうことが問題です。器用に依頼をこなすほど便利屋として使われてしまうのは難しい話です。 Rock:確かにPCベースの制作環境の中、より純粋に音楽に向かい合うのが難しくなっていると我々も感じます。 佐藤:それはもう音楽に限らないと思います。職人的な人にとって非常に難しい時代です。役者さんも、役者馬鹿なんて言葉はもう通用しない。テレビ番宣で気の利いたコメントも短い時間で言えないと本職さえもやっていけない時代です。ひと昔だと曲だけ書ければ良いという時代もありましたが、人間性、コミュニケーション能力などが必ず必要となってきます。 Rock:ここまで来ると運の部分がありますね。 佐藤:頑張ってもらうしかないですね。大きいチャンスを掴んだ際にどのようにブレイクするか。作曲家としては、いい曲をとにかく書き続けて、タイミングと運を待つことしかないですね。 Rock:良い曲は降ってきますか? 佐藤:降ってきませんよ! すんなり書けることは一回もなくて、今回こそ書けないかもと思い、締め切りに間に合わないと思いながらギリギリで出来上がる奇跡の連続なのです。一ヶ月に30〜40曲作る必要があるので、風呂入りながら鼻歌で作るとか、散歩しながらドライブしながらなんてことは全くなくて、机に向かって1日1曲以上必要ですから必死に絞り出すんです。1日1曲書いたら明らかにインプットよりアウトプットのほうが多いので、そんなスラスラと書けるわけはありません。しかし、そんな中でもとにかく書き続けたことが今に繋がっていると考えています。 ◎KEY POINT   ・Mac pro 2台、銀Mac pro 2台、Mac mini 8台の計12台が連動した驚異のシステム 中核を担うMacpro2台にはDigital PerformerとAvid ProToolsがそれぞれスタンバイ。このDigital Performerから複数台のMacminiへとiConnectivity社のmio10×2台を通じてMIDI情報を分配。8台のMacmini上のソフト音源を同時演奏し、そのオーディオをもう一台のMacproをベースとしたAvid ProToolsHDXシステムでリアルタイムに収録。HD I/O 16×16 Analog 4台併用で64トラックの同時録音に対応している。Macmini各機のオーディオインターフェースは主にRME FirefaceUCをスタンバイ。Digital PerformerからMIDI分配を行うMacproには不要となるオーディオインターフェースは接続されていない。     ・Mac mini毎に異なるカテゴリのViennaInstrumentsがスタンドアローン起動 まず4台のMacminiと1台の銀Macpro上ではViennaInstrumentsがスタンドアローンで起動。それぞれ弦/金管/木管/パーカッション(+BFD3)/ハープ&コーラスと1台毎に担うカテゴリが整理されている。残りの4台はLA ScoringStringsなどいわゆるKONTAKT系ライブラリを完備。まさに音源の多さはサウンドを豊かにするという氏の言葉を体現するライブラリ集だ。   ・ワイヤリング 床下コンクリート中に配管を打ち、テーブル類の背面からアクセスが可能な仕様。配線ピットで蓋が取れる構造すら削除し、ディスプレイ以外完全にケーブルが視界から消えるようにデザイン。マウス類もワイヤレス。スタジオ機材専用電源は照明や雑用コンセントと系統から分別。3kVA電源+無停電装置バッテリーも用意されている。     ・防音ドア 防音ドアのパッキン部分をマグネットにすることで、冷蔵庫方式で密閉するドアを採用。ハンドル付き重量ドアを使わないだけで出入りのストレスを極限まで軽減。   構想から2年の月日を経て完成した「ワークスペース」。長い時間を過ごす空間だからこそ、その居住性も問われ、もちろんワークスペースとしての機能も求められる。その実現のために音楽、建築とフィールドは違えどクリエイター同士のアイデアが切磋琢磨してできあがった空間、この場所にいると感じられるその空気感も佐藤氏のクリエイティブの源泉になっていくのではないだろうか。     *ProceedMagazine2017-2018号より転載
Event
2017/11/08

InterBEE2017〜ROCK ON PROへお立ち寄りください!!

ROCK ON PROは今年も国内最大級の放送機器展示会InterBEE2017に出展いたします。HALL2/2314 メディア・インテグレーションブースでは、beBlue 染谷氏による「効果音をシンセサイズするSoundDesignテクニック」、Sonologic Design 牛島氏によるAmbisonicsをテーマとした「Immersive Audio最前線」、そのほかにも制作ワークフローに必須となる情報を多彩に折り込んだセミナーセッションを開催。また、HALL6/6402 Avidパートナーブースへも出展し、Dolby Atmosを始めとした多彩なソリューションでお迎えいたします。、詳細内容は下記掲載のPDFでもご確認いただけます、2ブースでの展開となるInterBEEでのROCK ON PROにご期待ください!! ◎ROCK ON PRO 出展ブース ・HALL2/2314:Media Integration ・HALL6/6402:Avid PDFをDL PDFをDL ◎Stage Experience テクノロジーのいま、そして未来を見据えた最新の情報とノウハウを提供するStage Experience。今年はHALL2/2314 Media Integrationブース、HALL6/6402のAvidブースの2会場で総計33セミナーを開催します。immersive Audioのいま、そしてそのサウンドを制作するためのノウハウや制作ツール、ネットワークソリューションで繋がる制作環境の進化系など、制作最前線のインフォメーションを新たにするセミナーセッションです。 効果音をシンセサイズするSoundDesignテクニック 〜AudioGaming LE SOUNDシリーズが実現する次世代の制作環境〜 講師:染谷 和孝 氏(有限会社ビー・ブルー) 場所:HALL 2 #2314 時間:各日 15:30〜 サンプルライブラリーから素材を探して貼り込み、シーンに合わせた編集・プロセッシングを繰り返し…という従来のワークフローに一石を投じるプラグインが登場。効果音をシンセサイズして、リアルタイムに自由度高くサウンドを変化させるAudioGaming社LE SOUNDシリーズはこれまでのSoundDesignの手法に新しい可能性を加えるツールです。 Immersive Audio最前線 〜Ambisonicsの持つ可能性と、その使いこなし〜 講師:牛島 正人 氏(Sonologic Design) 場所:HALL 2 #2314 時間:各日 13:00〜 Ambisonicsのメリット・デメリット、そしてその特徴をよく知ることで、Immersive Sound制作における表現の幅を広げ、狙ったサウンド・音響を手に入れたい方は必見のセッション。以前よりゲーム業界で取り組まれてきたサウンドメイクでの経験とテクニックを用いて、Ambisonicsに関して鋭く切り込みます。 RED先生の!! いま最先端を創り出すImmersive Sound Tools!! 〜そのワークフローを実現する、注目のキープロダクト〜 講師:赤尾 真由美(ROCK ON PRO) 場所:HALL 2 #2314 時間:11/15 11:00〜, 11/17 11:00〜 ver.12.8.2で3rd OrderまでのAmbisonicsミックスが可能となったPro Tools | HD。業界標準とも言えるソフトウェアが実装した数々の機能と、Immersive Soundを実現するキープロダクトとなるFlux:: Spat Revolution / Audio Ease 360PAN Suite / Nugen Halo Upmix,Downmixを用いたその最先端ワークフローをご紹介します。 Pro Toolsが実現するImmersive Soundの世界 〜ワークフローと実際のシステムを最新情報とともにお届け〜 講師:Daniel Lovell (Avid)、前田 洋介(ROCK ON PRO) 場所:HALL 6 #6402 時間:各日 11:20〜, 16:00〜 Pro Tools 12.8で実現した深いDolby Atmosワークフローとの融合、Atmos Production Suiteを使ったプリプロダクションシステムから、マスタリングまでを見据えたAtomos Mastering Suiteの情報、更には12.8.2で実装されたAmbisonicへの対応などImmarsive Soundへの対応そして具体的なワークフローを一挙にご紹介します。 ◎ROCK ON PROはAVIDパートナーブースへ出展、お待ちしております! InterBEE 2017ではROCK ON PROはAVIDオーディオ・パートナーとしてAVIDパートナーブースに出展を行っております。Pro Tools | HD 12.8で実装されたDolby Atmosをはじめとして、制作ワークフローを加速させる多彩なソリューションを用意してみなさまのお越しをお待ちしております。 AVIDブース:HALL6 6402 ◎Pro Tools + Dolby Atmos 従来の平面サラウンドから脱却した新たな体験を生み出すDolby Atmos。Dolby Atmos Mastering Suite Dealerの認定を受けているROCK ON PROが、Dolby Atmos HomeにおけるRMU(Rendering and Mastring Unit)を使用したマスタリング環境、Pro Toolsにおけるセットアップなど、その制作に必要となるシステムをご提案します。 ◎Pro Tools + LE SOUND 効果音をシンセサイズする、Sound Designに新たなるアプローチをもたらすAudioGaming / LE SOUND。雨、風はもちろん、エンジン音、さらに炎や電気まで、その効果音をシンセサイズで創り出し、直感的なパラメーターでリアルタイムにサウンドを変化。これまで以上にシーンに合わせたSound Designを行います。ワークフローへの新たなアプローチとクオリティをご体験ください。 ◎Pro Tools + DiGiGrid CPUパワーの枠を超え、Pro Toolsの可能性をさらに拡張していくSoundGridサーバー。リアルタイムのDSPプロセッシング能力を追加し、プラグインをたった0.8msのレイテンシーで動作させます。Pro Toolsをフィジカルに拡張するS3 / Dockと併せ、Immersive Soundまで対応したパワフルな制作ソリューションをハンズオンします。 ◎Pro Tools + NugenAudio ますます多様化する音楽や映像の配信メディアとそのフォーマット。配信デバイスやサービスによって異なるラウドネス・マッチングのアルゴリズムの影響をDAW上で即座に検証することが可能なMasterCheck Pro、ポスト・プロダクションでは定番となったNugen Audioのラウドネス管理ツールの機能をハンズオンします。 ◎Inter BEE 2017開催概要 会場:幕張メッセ 開催期間: 11 月 15 日 (水) 10:00 ~ 17:30 11 月 16 日 (木) 10:00 ~ 17:30 11 月 17 日 (金) 10:00 ~ 17:00 ・入場無料 (全来場者登録入場制) ・事前申込みはこちらから Inter BEE ホームページ:http://www.inter-bee.com ROCK ON PROではその制作最前線のインフォメーションを新たにし、制作に閃きを得られるノウハウとツールを皆様と共有します。InterBEEへご来場の際には、ROCK ON PRO出展の各ブースへぜひお立ち寄りください、心よりお待ち申し上げております!!
Support
2017/11/02

Pro Tools Information – Pro Tools 12.8.2で追加された各機能の詳細がAvid日本語ブログに掲載!

先月のAES NYにて発表され、多くの機能追加が話題を呼んだPro Tools 12.8.2。その主な追加機能について、ワークフローの一例にまで踏み込んだ詳細な解説がAvid日本語ブログにて公開されましたのでお知らせいたします! ◎Facebook 360 Spatial WorkstationとPro Tools | HD 12.8.2 Pro Tools | HD 12.8でのDolby Atmos®への対応に続き、イマーシブ音響に関する機能追加です。Pro Tools | HD 12.8.2にはFacebook 360 Spatial Workstationが標準で付属するようになり、Facebookをはじめ、YouTube、Oculus Videoなどのメディアで再生可能な3D音場の制作をPro Tools HD内部で完結することが可能になりました。Facebook 360 Spatial WorkstationはDAWで動作するプラグイン集の形で提供され、3次(3rd order)までのAmbisonicsに対応します。 ブログでは各プラグインが備える機能を解説、どのようなフローでVRコンテンツ動画にサウンドを配置して行くのかイメージ出来る内容になっています。 >>Avid日本語ブログ「Facebook 360 Spatial WorkstationとPro Tools | HD 12.8.2」 ◎Pro Tools 12.8.2のバッチ・リネーム機能を使って、トラックおよびクリップのグループ名を変更 プロユースのお客様にとっては待望の機能追加!といったところではないでしょうか!? これで大量のテイク/トラックを管理するために手作業でリネームをする作業から解放されます。詳細な設定を行えるダイアログボックスを使用した形式となっており、一見複雑に見えますが、一度設定してしまえばあとは簡単に大量のトラック/クリップを自動でリネームすることが出来るようになります!クリエイティブな作業のための時間を作ってくれる、地味ですがインパクトのある機能追加と言えるでしょう。 ブログではライターの実作業を例に、この機能の使用法を順を追って解説しています。 >>Avid日本語ブログ「Pro Tools 12.8.2のバッチ・リネーム機能を使って、トラックおよびクリップのグループ名を変更」 ◎Pro Tools 12.8.2でMIDIワークフローを加速 最近のアップデートでは楽曲制作に関わる機能強化にも力を入れているPro Tools。12.8.2ではMIDI機能の強化という形で音楽制作へのさらなるコミットが図られています。 ブログでは各機能について簡単な動画とともに解説しています。 >>Avid日本語ブログ「Pro Tools 12.8.2でMIDIワークフローを加速」 Pro Tools 12.8.2をさらに知るには、こちらの記事もどうぞ! ◎Pro Tools 12.8.2がAES NY 2017にて発表! – Pro Tools Information ◎Pro Tools Information / Pro Tools | HD 12.8によるDolby Atmos® 制作フローの概要がAvidブログで公開されました! ◎Avid Pro Tools Native 期間限定20%OFF!最新12.8.2で強化されたMIDI機能で効率UP。クリエイターも注目!
NEWS
2017/11/01

Pro Tools Native版が期間限定で20%OFF!〜Pro Tools Information

Pro Tools以外のDAWユーザー様がPro Toolsを導入するチャンス到来です!下記対象DAWをお持ちのお客様は、2017年12月27日までの期間限定でPro Toolsスタンダード・ソフトウェア(Native版)を20%OFFでご購入いただけます! >>キャンペーン詳細はこちら(Avidブログ日本語版) 実施期間:2017/11/1—2017/12/27 プロモ価格: ・Pro Tools永続ライセンス版:¥61,560(本体価格:¥57,000) ・Pro Tools年間サブスクリプション版:¥30,780(本体価格:¥28,500) 本プロモ対象となるお客様: 現在下記DAWをお持ちのお客様 Garageband / Cubase / Logic / Live / FL STUDIO /Audition / Reason / Digital Performer / ABILITY /Singer Song Writer / Studio One / Sonar / SONY ACID/KORG Gadget ※各ソフトウエアのバージョン/クラスは問いません。 ※本クロスグレードは、上記DTM/DAWソフトウエアとのデータ互換や同時動作を保証するものではありません。データ移行の方法並びに、それぞれのソフトウエアの共存動作環境は、お客様自身にてご確認ください(>>Pro Tools 12システム要件はこちら) ※お手持ちのDTM/DAWソフトは返却/交換の必要はありません。そのまま継続してご利用いただけます。 ◎2017年末その他のAvidプロモ関連はこちら!!
Review
2017/10/31

NEXT LEVEL MONITOR EXPERIENCE Vol.1~大型ニアフィールドがもたらすモニタリングの新次元~

暑い日々も終わり急に寒い日が続く今日この頃、みなさまいかがお過ごしでしょうか。寒くなってくると、スピーカーも大きめのサイズを使用してゆとりと厚みのある音を聴きたくなりませんか!? 空気を大きく動かすことで、なんだか部屋の温度も少し上がる気がします!!(編注:それは排熱のせいではないかと思われます。)ROCK ON PROではそんな季節にぴったりの企画をご用意いたしました!!ROCK ON PRO渋谷リファレンススタジオにて、大型ニアフィールド・モニタースピーカーにフォーカスした展示を開始いたします!! 60万円~100万円クラスのモニターを2機種ずつ入れ替わりで展示。ADAM S3H、Amphion Two18、EVE Audio SC407、Focal SM9、GENELEC 8351AM、Musik RL904、Neumann KH420、PMC twotwo 8などを順次展示予定です!! ニアフィールドとはいえ、このクラスになるとじっくりと試聴する機会はなかなか持てないのではないでしょうか!? ご自身の環境で試すにもモニターを入れ替えるだけで大仕事、とはいえ外部では試聴環境が気になるところです…。その点、ROCK ON PRO渋谷リファレンススタジオではスピーカーはすでに設置済み、切り替えもスタッフでも行います。何よりリファレンス環境でのシビアな試聴が可能です!気になる機種がある方は、この機会に是非ご来店ください!!暖かい店内で美味しいコーヒーを召し上がりながら、落ち着いた雰囲気でご試聴いただけるよう準備してお待ちしております!! 気になる展示機種ですが、第一弾はFocal / SM9とEVE Audio/ SC407の2機種。SM9は2012年、SC407は2013年の発売と導入実績も積み重ね、モデルとしても熟成を重ねた逸品。その2機種のポイントをまとめましたのでご確認ください!! ◎Focal哲学を結集したフルアナログ・ヘビー級フラッグシップ!! Focal / SM9(ペア) 価格:958,000円(本体価格887,037円) POINT1 3Way、2Wayを切り替えることができるFocus機能の搭載がSM9の特徴です。この機能は後発のTrio 6 Beにも搭載されているもので、Focusモード時には前面外側のサブウーファーと上面のパッシブ・ラジエーターがOFFになります。3Wayモードでは30Hz – 40kHz (+/- 3dB)、2Wayモードでは90Hz – 20kHz (+/- 3dB)という特性に変化し、これ1台で『小さいモニターで聞いたときはこんな感じ、、』という具合にサイズの違う2台による聴き比べが出来てしまうという画期的な機能です!これは「スピーカーを設置するのに最適な場所はひとつの部屋にたった一ヶ所しかない」というFocalの音響哲学の結果から生まれた機能だとのこと。ことの是非はともかくとして、プロダクト・デザインを通して思想が一貫している感じは凄味があります! POINT2 さらに特徴的なのは天面に搭載された11インチのパッシブラジエーター。パッシブですので電磁気回路もなく、スピーカー筐体内の空気振動を利用して動作することから「天然のサブウーファー」とも呼ばれている機構です。このパッシブラジエーターの搭載により低音の量感が大幅にアップしており、ラージモニター、サブウーファーがなくともしっかり低域の確認ができるのはSM9導入の大きなメリットと言えます。 2way / 3wayの切り替えで一台二役を担えるリスニングに対する柔軟性、パッシブラジエーターによる優れた低域のモニタリングという点、そして見逃せないのはその能力を適度な筐体サイズにまとめている点ではないでしょうか。プロジェクトスタジオにもフィットし、コンパクトなニアフィールドモニターとは明らかに一線を画するFocal / SM9、その実力をリファレンススタジオでお試しください!! 製品仕様 周波数特性3 ウェイモード:30Hz – 40kHz (+/- 3dB)、40Hz ― 20kHz (+/- 1dB) 2 ウェイモード [Focus]:90Hz ― 20kHz (+/- 3dB) 最大音圧レベル3 ウェイモード:116dB SPL (peak @ 1m) 2 ウェイモード [Focus]:106dB SPL (peak @ 1m) クロスオーバー周波数3 ウェイモード:250Hz, 2.5kHz 2 ウェイモード [Focus]:2.5kHz パッシブラジエーター11 インチ (27cm) Focal "W" コンポジット ・ サンドイッチ・コーン・ ピストン , エクストラワイド ・ リバース・サラウンド・ラジエーター サブウーファー8 インチ (20cm) Focal "W" コンポジット ・ サンドイッチ・コーン ミッドレンジ6.5 インチ (16.5cm) Focal "W" コンポジット ・ サンドイッチ・コーン ツィーター1 インチ ピュアベリリウム ・ リバースドーム型 TB872 入力10kΩ バランス XLR 電源電圧115V [6.3A fuse] IEC インレッ 100V 駆動検査済 LF アンプ段400W rms, class AB MF アンプ段100W rms, class AB HF アンプ段100W rms, class AB サイズH320 W490 D390 mm 重量35kg ◎リボンツイーターとフルデジタル回路がシルキーでワイドな音像を描き出す!! EVE Audio/ SC407(ペア) 価格:751,680円(本体価格696,000円) POINT1 SC407に限らずEVEのスピーカーすべてに言えることですが、EVE Audioの強みは高解像度のDSP回路にあります。フルデジタル制御のため左右差が生まれることはなく、位相のズレがない解像度の高い音でモニターすることができます!SC407クラスの大きなモデルになるとその『位相のズレがない』という印象が如実に見えてきます。SC407は2つのウーファーが同じ帯域を再生するという少し変わった構成を持つ4Wayですが、ウーファー2つが同時に駆動するということはより正確性が要求されるということにもなります。これを実現するのがDSP制御とも言えるのではないでしょうか。その結果、2つのウーファーを使ったその音像はとてもゆとりのあるもの。さらに、左右のレベルやフィルター設定などもDSP制御により正確に行えます。このコントロールはフロントノブで行えるのため、調整のたびにわざわざ後ろに回って、、というような煩わしさもありません! POINT2 低域は2つのウーファーによって再生することで解像度とパワー感を高めていますが、EVE Audioのもう一つの特徴はAMT(Air Motion Trance)と呼ばれるリボンツイーターにあります。このツイーターは、側面の電極に電流が流れると隣り合ったアコーディオン状のダイアフラムが引き合い、その隙間の空気を圧縮して空気をダイレクトに動かします(エアモーション)。その結果、伝達ロスや歪みの発生がなく楽器の質感や残響成分、倍音までも正確に再現させることができ、立ち上がりも早く解像度が非常に高いサウンドを実現しています。高域の見えやすさと空気感の捉えやすさはミックスのクオリティを引き上げてくれるのではないでしょうか。 ダブルウーファーによる低域、リボンツイーターによる高域と、両方向にとても余裕のあるサウンドがSC407の特徴です。こちらも渋谷リファレンススタジオでじっくりと試聴可能、ご来店お待ちしています! 製品仕様 種別4-way System 寸法(WxHxD) [mm]600 x 260 x 320 周波数特性(-3dB)35Hz – 21kHz ツイーターAMT RS3 クロスオーバー周波数280Hz/3000Hz 最大音圧レベル116dB 搭載アンプ数4 総電力(ショートターム)600W 保護リミッター有り ボリューム調整範囲-inf. – +6dB ディップスイッチ(インプット)+7dBu/+22dBu 消費電力(スタンバイ時)< 1W 出力電圧300VA 重量(kg/lb)18 / 39.7 ◎対象商品ご購入で下記の4製品よりお好きなものをプレゼント! 展示期間中にご来店の上、対象機種をご購入いただいたお客様に、モニターの実力を引き出す選べる4つのプレゼントをご用意しました。下記の4製品の中からお好きなものをおひとつ差し上げます!どれもモニターの実力をさらに発揮させることができるマストバイな製品です!! ◎SELECT 1:Sonarworks / Reference 4 Studio edition with mic - boxed 通常販売価格42,800円(税込)相当 スピーカー測定ソフトウェア、スピーカー・キャリブレーション・プラグインに加え、ヘッドフォン・キャリブレーション・プラグインであるSystemwide、さらに、あらかじめSonarworksの音響技師によりANSI準拠の測定マイクと比較・測定されて出荷される測定マイクを収録しています。ご購入いただいたスピーカーの実力を100%発揮できる製品です! ◎SELECT 2:Iso Acoustics / ISO-PUCK 8個 通常販売価格28,080円(税込)相当 IsoAcoustics ISO-PUCKは、スタジオモニター、ギターアンプなどのシステムをアイソレートする革新的なアイテムです。ISO-PUCKのユニークなデザインは、高度なアイソレーションを実現しながら、横方向の動きと振動に抵抗し、サウンドの明瞭さとリスニング・フォーカスを高めます。すべてのエネルギーはISO-PUCKのコア部で管理され、優れたアイソレーションとコントロール性を得られるよう注意深く調整されています。設置面からスタジオモニターをアイソレートし、エネルギーの転移とその結果起こるサウンドの不鮮明さや色付けを排除する最新鋭のインシュレーターです。 ◎SELECT 3:ACOUSTIC REVIVE / AC-2.0 TripleC×2本 通常販売価格32,600円(税込)相当 鍛造による世界初のオーディオ専用導体PC-TripleCを導体に採用。10万円クラスの電源ケーブルと比べても勝るとも劣らない贅を尽くした素材と構造で電源クオリティを向上させます。 ◎SELECT 4:Zaor / MIZA Stand V36 通常販売価格14,800円(税込)相当 MIZA V-STANDSは、技術的なパフォーマンスとデザインを最良のスタンダードとして両立することを目標として設計されています。プロフェッショナルな使用に対応しつつ扱いやすさも実現したモニタースタンド。AERSTOPパッドを天板に追加し、スピーカーとスタンドとのより良好なアイソレーションを確保、スピーカーからスタンド、フロア、ルームへの低域の伝播を抑制することができます。 次回はADAM S3H、PMC twotwo 8を展示予定、大型ニアフィールドがもたらすモニタリングの新次元とも言えるそのサウンドを是非渋谷リファレンススタジオでご体験ください!なお、展示日程などの詳細は決定次第ROCK ON PROウェブサイト上でお知らせいたします、ご期待ください!
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