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前田 洋介

[ROCK ON PRO Product Specialist]レコーディングエンジニア、PAエンジニアの現場経験を活かしプロダクトスペシャリストとして様々な商品のデモンストレーションを行っている。映画音楽などの現場経験から、映像と音声を繋ぐワークフロー運用改善、現場で培った音の感性、実体験に基づく商品説明、技術解説、システム構築を行っている。

第1回:リモートプロダクションを実現するソリューションを紹介 ~Soundwhale~


外出自粛など様々な行動に制約が課される中、リモートでの制作作業の出来るソリューションに注目が集まっています。ワークスタイルに合わせて、いろいろなやり方があるとは思いますが、そんな中からいくつかのソリューションを2回に分けて紹介したいと思います。まず、今回紹介するのはSoundwhale(サウンド・ホエール)、チャット機能なども組み込んだAll-in-oneな製品です。

第2回の記事はこちら>>

リモート・ソリューションに求められるもの

実際のプロダクトのご紹介の前に、これらのツールに必要な機能を少し一緒に考えてみましょう。

これまで”通常”行われてきたレコーディングやミキシングなどの作業であれば、スタジオなどの同じ空間で一緒に作業をして、作業中の音を聞いてもらいながらリアルタイムに反応を得ることが出来ました。しかし、制作に関わるひとびとが離れた場所にいる場合、何もツールがなければ、DAWで作業をしたものを2mixとして書き出して、ファイル転送サービスなどで送り、聞いてもらい、反応を得る。アップロード/ダウンロードの時間が掛かり、やりとりの途中で誤ったミックスを書き出してしまったり、別のテイクを送ってしまったり…やはり作業効率の差は歴然と言えるでしょう。

そうなると必要なのは、DAWで再生している(録音している)音声をリアルタイムで共有できること。これにより、ファイル転送や、そのために毎回DAWから書き出すなどの必要がなくなります(もちろん、完パケのデータ共有は必要かと思いますが、、)。
そして、コミュニケーションを取るための機能。これは、別途Skypeなどのソーシャルツールを使っても良いかもしれませんが、一つのアプリとしてまとまっていてくれたほうがシンプルで使いやすいものであることは間違いありません。DAWとチャットアプリをいちいち切り替えながら作業するのは非常に煩雑で、オペレーションミスの原因にもなりますね。

必要な機能をひとつのアプリケーションで網羅するsoundwhale

これらの機能を、All-in-oneのパッケージとして提供してくれるのが、今回ご紹介するsoundwhale。その主な機能は、

  • 可逆圧縮(ロスレス)の音声伝送(共有)
  • PC内部で再生している動画の伝送(共有)
  • ビデオ・チャット機能
  • トークバック機能
  • バックグラウンドアプリ(DAW等)との同期
  • 伝送されてきた音声の録音
  • ファイル転送
  • MIDIデータの伝送
  • 画面共有
  • ネットワークごしにsoundwhaleを同期
  • iOSにも対応
  • となっており、リモートプロダクションに必要な機能が網羅されています。機能は限定されますが、無償版も用意されているので、ストリームされているセッションを共有したい、チャットに参加したいということであれば、費用は発生せずに参加が可能です。


    *クリックで拡大

    このsoundwhaleは、DAWからはAudio Deviceとして認識されます。Audioの出力先をsoundwhaleにするだけで、DAW側の準備は完了です。あとは、soundwhale側で共有ストリームとして出力するチャンネルを選択、そして、soundwhaleで普段使用しているAudio Interfaceを選択するということで設定を進めていきます。



    *クリックで拡大

    soundwhaleでは、Audio Interfaceに接続されているMicなどをダイレクトに共有ストリームとしてNetoworkへ流すことも可能。これにより、ミュージシャンの自宅での演奏を、手元のPCでダイレクトに録音するということもできます。その際に、手元のPCからバックトラックを再生すれば、それに合わせての演奏を録音するということも。

    これが、Video Chatを接続しながら行えるというのがsoundwhaleの提供するリモート・プロダクション。音声をストリーム共有するというソリューションはこれまでにもいくつも登場していますが、soundwhaleの特徴はコミュニケーションの統合された製品という部分。

    ポストプロダクション・ワークも視野に入れた充実の機能

    もう一つの大きな特徴は、ポストプロダクション向けにsoundwhaleとDAWのTimecode同期はもちろん、soundwhale同士のTimecode同期。soundwhale上で再生されるVideo StreamのNetwork越しでの共有。開発されている方が、ポストプロダクション出身ということもあり、このように充実の機能が搭載されています。

    制作、プロダクションのみではなく、ディレクター、プロデューサーなどのみなさんが、打ち合わせ等をリモートで行う上で非常に便利な製品となっているのではないでしょうか。共有した音声をsoundwhaleのタイムライン上で再生することで、共有しながら打ち合わせを行う。同じように、動画も共有しながら打ち合わせを行う、もちろん、一般的なコミュニケーションツールでも行うことは可能かと思いますが、一つのアプリケーションの中で完結できるということの便利さは、オンラインでの打ち合わせを行ったことがある方であれば理解いただけるのではないでしょうか?
    iOSアプリもあるため、ディレクターさんやプロデューサーさんが外出先でスタジオにいるエンジニアとやり取りしながら制作をディレクションする、といったことも可能です。


    近日国内での販売も開始されるsoundwhale。本国WEBサイトの日本語はまだGoogle翻訳ですが、こちらも近日更新される予定とのこと。
    ぜひとも、チェックしていただきたい製品です。

    メーカーサイトはこちら>>
    チュートリアルビデオ(英語)はこちら>>

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    *記事中に掲載されている情報は2020年04月24日時点のものです。