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ROCK ON PRO

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ROCK ON PRO Buying Guide!! ~Comp/Limiter編~

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コンプレッサーといえども数あるメーカーや製品の中から、皆様がどれを選ぶべきなのか、なぜその機材をチョイスするべきなのか、一生モノともなるアウトボードを納得してご導入いただくため、その選択のヒントになる特集がROCK ON PRO Buying Guideです。第1回はComp/Limitter編、一般に「音量を制御」するCompresserやLimiterがありますが、今回はその動作検出方式や作動方式のパターンを分けて製品をカテゴライズしご案内します!!

◎レベル検出回路と音量制御回路でカテゴライズするコンプレッサー、リミッター

コンプレッサーは「ゲインセル」とも呼ばれるボリュームコントロールを行う要素がオーディオ信号の経路に挿入され、信号レベルは常に監視され、その情報はゲインセルでのコントロールに使用されます。回路はレベル検出回路と音量制御回路で構成されています。具体的にはアナログ音声信号は電力なので、まずはスレッショルドで指定された電力量以上の部分を抽出します。これがレベル検出回路。そしてそこで取り出された電力を増幅回路のバイアス側へ負の方向で入力することにより音量抑制を行います。これが音量制御回路です。
レベル検出回路の方式として「FET」「オプティカル」、音量制御回路における作動方式として「真空管」「VCA」と大きくカテゴライズされます。音量を制御する目的としては同一ながら、その効果やニュアンスの違いによってレコーディングの世界ではこれを使い分け、オリジナルなサウンドを作り出すノウハウであり、こだわりの部分とも言えます。

◎PART1:レベル検出回路で見分ける、Comp/Limiterの代表製品はこちら!!

◉ FET
1176_image
FETとは電解効果トランジスタ(Field Effect Transistor)の略。半導体素子によるレベル検出を行なっているため、レスポンスの早さが特徴。一般的に言う「Hard Knee(ハードニー)」タイプがこれに当たります。付随する回路設計次第で幅広いパラメータを実現するため、コントロールのしやすさという点でも秀でています。代表として挙げられるものはやはりUniversalAudio(オリジナルはUrei)の1176。それぞれインプット段とアウトプット段のトランス等の回路によって独特な味付けがその機種の評価となっており、そのレスポンスの速さからボーカル/ベース/ギターなど様々なソースに対してオールマイティに使用する事が出来ます。PurpleのMC77のVPR版であるActionや、1176タイプのコンプレッサーに更に機能を付けたSlate Pro AudioのDragon等もこのFETコンプレッサーにあたります。感度も相当に高いので攻めのセッティングに使用できることと裏腹に、それぞれのセッティングに対し細心の注意を払う事も重要です。
FET方式を使用した代表的な製品

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【200*200】20160412_dragon_Comp_BuyingSelect
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【200*200】20160412_Action_Comp_BuyingSelect
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◉ オプティカル
LA2A
オプティカルコンプとはLEDとその受光体であるフォトセルを組み合わせたフォトカプラーという素子を利用します。まず、入力された信号(電流)でLEDを光らせます。そうすると音の大小が光の大きさになります。フォトセル(cdsセンサー)がその光の大小によって電流を発生させます。わかりやすく言えばフォトセルは太陽電池のようなものなので、光の強さを電力量に変換していると言えます。反応速度が遅く、音量に対しての特性も精密にリニアなものではないですが、それが逆にオプティカルコンプレッサーの音、味ともいえます。一般的には「Soft Knee(ソフトニー) 」タイプがこの方式です。スタジオによくある機材でいうとLA-2Aが代表的に挙げられ、Avalon VT-737やTUBE-TECHのCL1Bもこの検出方式です。オプティカルコンプ→FETコンプの2段がけ(薄ーくピークを削っていきましょう!!)も自然なニュアンスを保ったままレベルを平均化できるのでおすすめです。
オプティカル方式を使用した代表的な製品

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【200*200】20160412_CL1B_Comp_BuyingSelect
【200*200】20160412_AD2044_Comp_BuyingSelect
【200*200】20160412_VT737_Comp_BuyingSelect
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◎PART2:音量制御回路で見分ける、Comp/Limitterの代表製品はこちら!!

◉ 真空管コンプ
Manley
音量制御回路とは、通常のアンプとは逆にグリッドへの入力信号に応じた利得(ゲイン)を得るのではなく、レベル検出回路で得られたしきい値(スレショルド)を超えた電力量を元に、負の利得を得るものです。その利得回路に真空管を使用することでコンプレッションが深く掛かれば掛かるほど(負方向のゲインが上がれば上がるほど)、その真空管のニュアンスが出現してきます。半導体と比べ歪の多い真空管回路ではゲインリダクションが深く掛かった際にサチュレーションが出現するものもあり、それが一つのキャラクターともなっているわけです。
真空管を制御回路に使用した製品のほとんどは、前後のゲインステージも真空管により構成され、そのニュアンスを最大限に得ることが出来る製品が多いのも特徴。Fairchildに代表されるようなVariable-Mu回路など特徴的な設計が多いのは、半導体技術が発展する前の時代の試行錯誤の賜物であると言えます。現在多くのコンプレッサーが真空管コンプと称されて販売されていますが、純粋に半導体を使用しない真空管コンプと呼べるものは今や、ManleyのStereo Variable Mu Limiter Compressorや670の回路を忠実に再現したともいえるADL660/670など数少ない希少な存在です。
真空管を使用した代表的な製品

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【200*200】20160412_660_Comp_BuyingSelect
【200*200】20160412_RS124_Comp_BuyingSelect
【200*200】20160412_PhoenixSB_Comp_BuyingSelect
【200*200】20160412_Falcon_Comp_BuyingSelect
◉ VCAコンプ
aws-916-large
多くの製品に使われているVCAでの音量制御回路。VCAとはVoltage Controlled Amprifireの略で、電力で制御されるアンプということになります。非常にシンプルな構成でアンプの増幅率を外部の電力制御によりコントロール、コンプレッサーではレベル検出回路により得られた電飾がコントロール信号となり負方向への利得を得るアンプへ接続されます。
この設計を利用することで機器内部のアンプの構成段数を減らすことが可能となります。通常であれば入力段のアンプから制御回路のアンプ、そして出力段のと最低でも3段のアンプを利用することとなりますが、VCAでは入力段側の増幅率をコントロールすることで、入力段と出力段の2段増幅とすることが可能。もちろんすべての回路構成が、このような形ではありませんが、実際の音声信号が通過する経路を少なくすることでピュアな信号を取り出すことが出来るという特徴があります。SSLのStereo Bus CompresserやDangerous MusicのDangerous Compressorなどが代表機種、レスポンスの早い、クリーンで素直な出音が特徴です。
VCAを使用した代表的な製品

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【200*200】20160412_DangerousComp_Comp_BuyingSelect
【200*200】20160412_RNC1773_Comp_BuyingSelect
【200*200】20160412_RNLA7239_Comp_BuyingSelect
【200*200】20160412_RNC500_Comp_BuyingSelect
【200*200】20160412_RNLA500_Comp_BuyingSelect

一概に音量を制御するコンプレッサーやリミッターでも以上のようなレベル検出回路と音量制御回路との違いにより、コンプレッションの効果や音色の傾向も変化していきます。この方式の違いを使い分けることはレコーディングでのノウハウともなり、イメージするサウンドをミックスしていく過程での醍醐味とも言えるのではないでしょうか。もちろん、求めるサウンドや用途などををお伺いさせていただければ、経験豊富なROCK ON PROスタッフがご提案させていただきます。そのサウンドにフィットする一台を見つけてください!!
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*記事中に掲載されている情報は2016年04月12日時点のものです。