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Avidの描く未来を占う!! Subscription、Cloud Collabration、Market Placeという3つのキーワードとは!?

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Avid Everywhereというキーワードの発表からすでに1年。Pro Toolsのライセンス形態がサブスクリプションベースへ変更されたりと、大きな変革が訪れているAVID。キーワードとなるSubscription、Cloud Collabration、Market Placeという3つのキーワードに沿って未来を占ってみたい。

Avid Everywhereの正体とは!?

大前提となる『Avid Everywhere』。直訳すれば「AVIDどこでも」ということになるが、やはりこのEverywhereに込められた思いは大きなものであるということが、昨年NAB 2014にあわせて開催が始まったAvid Connectからも感じることが出来る。Avidは映像と音響それぞれの制作ツールであるMedia ComposerとPro Toolsを持つ業界随一のメーカー。そしてISISシリーズというサーバーシステム。Media AssetのためのInterplayなど多種多様の製品群を持つことも特徴と言える。映像のみのトータルソリューションを持つメーカー、音響のトータルソリューションを持つメーカーは他にもあるが、両方を兼ね備えたメーカーはAVIDだけであるということが大きなポイントになる。
そのAvidが唱える「Everywhere」は実際のところ場所を指しているのではなく、クリエイターを指していると考えてもらうとわかりやすい。世界中のクリエイターを結びつけ、新しいマーケットの創造、そして新しい作品の誕生のための方法を提供するという構想である。インタラクティブメディアが進化した現代、映像だけ音声だけというソリューションではなく、両者を統合したコミュニティーの創造がこのAvid Everywhereの正体である。そしてその計画の最終目標地点はそのコミュニティーで生まれた作品がユーザーへ直接届くというところまでのビジョンが語られている。乱暴に言ってしまえば、Pro Toolsでバウンスした完成作品が直接iTune Storeに登録されるようなイメージだろうか?Avidではこのような「作品を対価へと変える」ことをマネタイズと呼んでいる。クリエイト=制作とマネタイズが相互にリンクして循環することでAvid Everywhereは本当の意味での完成を迎えることとなる。ユーザーとメーカーそれぞれがWin-WInの関係となれたタイミングこそがゴールになるいうことだ。それではポイントとなる布石をそれぞれ見て行きたいと思う。

無償のPro Tools Firstが制作環境のギャップを埋める
-Cloud Collaboration-


先ずは、コミュニティー内での作業環境のベースとなるCloud Collaboration。Pro Toolsのユーザー同士がデータを共有し、まさにコラボレーションした作業環境を実現するためのソリューションの立ち上げだ。クラウド上で共有されたセッションは修正、更新をプッシュするたびに他のユーザーがその変更を受け取れるようになる。もちろん、現時点ではまさに生まれたてのソリューションになるため、今後ユーザーからのフィードバックを受けて様々な機能が実装されていくことになるのではないだろうか。そして、そのコラボレーションによるコミュニティーを拡大するためのツールがPro Tools Firstだ。無償で提供されるこのPro Tools Firstはまさにコラボレーションをするメンバーのためのビューワーとも言えるソフトウェア。Pro Toolsを持っていない、他のDAWを利用しているといったユーザーもこれがあればCloud Collaborationに参加できるということになる。この点からもAVIDの本気をうかがい知ることが出来ると感じている。現時点では、コラボレーションをしたメンバー同士のためのチャット機能などが実装されるということが表明されているが、言い換えればSkypeなどを使用しなくてもPro Toolsだけで制作にまつわるコミュニケーションを完結できるソリューションになるということ。インターネット越しでのコラボレーションの実現なので、まさに世界中のクリエイターが「つながって」いくこととなる。

ユーザーの作品が世界中でマネタイズされる
-Market Place-

次のステップといえるのがMarket Place。すでにベースとなる部分はAVID storeとして実装されている、プラグインのライセンス購入機能が先ずはアピールされているが、その実態はまさにAvid Everywhereのコアとなるマネタイズ(制作した作品を対価へ変える)という重要な役割をもった機能に進化をする予定だ。Market Placeで自分の作品をアピールしたり、プレイヤーとしてのアピールを行い、他のユーザーとのコラボレーション作業によりその対価を得る。これが一つの大きな柱。AVIDの想像する新しいマーケット、コミュニティーだ。世界中のアーティスト、クリエイターが自由に参加できるMarketをつくり上げるということだ。つながりをもったら、Cloud Collaborationにより、シームレスに作業にとりかかることが出来る環境ということになる。このMarket Placeには更に先のビジョンが有り、そのままユーザーとつながり作品を販売するというまさに最終ゴールまでがビジョンとしては描かれている。

全てのクラウドユーザーへ共通のサービスを提供する

-Subscription-

そして、このCloud Collabartation、Market Placeの維持運営のための変更といえるのが、Subscription制の導入。これまでのビジネスモデルと違い、先に対価をユーザーから預かり、サービスを提供するというビジョンだ。実際にCloud Collaboration、Market Placeが本格的に稼働を始め、世界中のユーザーがそのソリューションを活用し始めれば、Pro Toolsのライセンスはまさにそれらのサービスへの接続用のキーを兼ねることになる。まさにAdobeがユーザーへのセキュアな大容量クラウドストレージの提供とともにサブスクリプションへ移行したこととイメージは近い。AVIDはそこから一歩先のビジョンを描き、コラボレーションツールとしての意味合いを強めることでその魅力をいっそう引き出していると感じる。
期間限定のライセンスを購入するシステムへとそのライセンス形態を変革させたことで、これまでの『魅力的な新機能が搭載されたからバージョンアップ費を支払って下さい。』という形態から『魅力的なサービスを提供するので対価をお支払ください。』というモデルへと変革を遂げる。このサービスにはもちろん機能の追加、Cloud Collaborationのサービス提供といったことも含まれる。完成した新機能は順次追加され、今まで以上に頻繁なバージョンアップが行われることになると思われる。これには、もう一つ裏の側面も有り全てのユーザーに共通のサービスを提供することとなるCloud Collaborationの安定的な提供のためには、クライアントであるアプリケーションのバージョン統一は不可欠であると言う技術的側面も含まれる。先にその対価を預かることで、それにユーザーが満足できるレベルでのサービスを提供する。その対価に見合わないと判断した場合には、翌年は購入しなければそれまでというわけだ。

これらの魅力的なアイディアを次々と市場へ投げかけているAVID。今後、どのような形でこれらが実現していくのか?サービスの開始はいつなのか?その興味は尽きないところだ。ROCK ON PROではそれらの情報をいち早く皆様へお届けするためにAVIDと密な連携を取りながら情報を発信していきたい。是非ともこれからのAVIDの最新情報に期待してもらいたい。

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*記事中に掲載されている情報は2015年06月25日時点のものです。