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ROCK ON PRO
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「新世代のミキシング・コンソール勉強会」イベントレポート
2014年2月14日に名古屋芸術大学東キャンパス2号館の大アンサンブル室で行われた「新世代のミキシング・コンソール勉強会」。名古屋芸術大学サウンドメディアコース、名古屋音ヤの会の主催で行われたイベントのレポートです。ROCK ON PROも運営協力という形でイベントの開催をバックアップさせていただきました。
*「音ヤの会」とは在名民放、NHK、局系プロダクションのオーディオ・スタッフ有志による集まりです。
まずは、当日のアジェンダと展示内容。
AVID S6セミナー
- 講師:AVID Product Specialist ダニエル氏 / ROCK ON PRO 前田洋介
YAMAHA Nuage 〜DOLBY ATMOSと切り拓く新時代の制作環境〜
- 講師:beBlue 染谷氏 / YAMAHA 藤井氏
XL-Desk- SSLが今、新たに打ち出すハイブリッドスタジオのスタンダード
- 講師:SSL JAPAN 鈴木氏
名古屋の新しい取り組み 〜TV局におけるファイルベース構築例〜
- 講師:名古屋テレビ 林氏 / ROCK ON PRO 前田洋介
【展示】
- AVID : S6 / Video Satellite
- MI7:RME MADI機器 / MAGIX SEQUOIA / Zynaptiq / Presonus / KSdigital
- SSL:XL-Desk / L500
- TAC system:VMC-102 / DAD AX-32 / DirectOut Technologies
- Digicom:Dan Dugan / Pivitec / FourAudio / Luminex / Fiberplex
- FormulaAudio:AudioEase / IOSONO
- MI:DiGiGrid / EVE Audio / Earthworks / LEWITT
- YAMAHA:Nuage
- Roland:OHRCA M-5000
朝10:30の開場と共に、お客様が集まり初回のセッションであるAVID S6の開始時点ではすでに40名近い状況に。展示のラインナップをご覧いただければわかるかとおもいますが、これだけの制作向けコンソールが一同に介する機会は非常に貴重なもの。名古屋近郊はもちろん、大阪、京都からもお客様がいらっしゃいました。
AVID S6のセミナーはスライドを使ったS6のコンセプトの解説を早々に切り上げ、実際にコンソールをハンズオンで動かしての機能紹介。VCA Spill、Layoutなど新たに追加された強力な機能の実際の動作を確認頂きました。
最後に質問で「モジュールが壊れた際の対応は?」というのを頂いた際には、Pro Toolsを再生したまま、ひとつのモジュールをコンソールから取り外す!!というデモンストレーションが。外すだけならまだしも、動いているそのままに再接続を行い復旧をするというところまで実現をしています。交換もモジュールさえあれば、不具合のモジュール交換が作業を文字通り止めることなく行えるということになります。これは、会場からもかなりの反響を呼んでいた印象的なデモ。
昼食を挟んで、YAMAHA NUAGEのセミナー。昨年DOLBY ATMOS HOME対応のスタジオとしてOPENし注目を集めるbeBlueの染谷氏による解説。Nuendo専用に思われがちなYANAHA Nuageを、Pro Toolsと組合せるという発想を実際どのようなシステムアップされているのか?実際にNuageとPro Toolsの組合せで使用してみての感想など、現場目線での貴重なコメントが有りました。サイズ・機能・価格のバランスが非常に優れたコントロールシステムだというコメントが印象的。そして、DOLBY ATMOS HOMEのマスタリング作業の解説も。昨年より国内でもリリースが始まっているBlu-ray等のパッケージメディア向けに今後導入が進むと考えられるDOLBY ATMOS HOME。世界的にもまさに最先端のそのテクノロジーとワークフローや実際の作業の流れを詳しくわかりやすく解説いただきました。
続いてSSLからのXL-Deskの紹介。開発コンセプトを中心としたセッションとなりました。時代の流れに逆行するかに思える完全アナログ設計のコンソール。このサイズでDAWのリモートも出来ないという割り切りはどのようなバックグラウンド、発想から生まれたのかが解説されました。DAWとコンソールの共存共栄のためにコンソールメーカーからの究極の回答がこのXL-Deskなのではないかと思います。
SSLは合わせて、同社初となるライブコンソールL500も合わせて紹介が行なわれました。作品の製作時に利用したSSLのコンソール、そのサウンドをライブでも再現したい!そのアーティストの要望を叶えるために社長ピーター・ガブリエル自らが開発を望んだという製品がこのL500です。発表と同時に世界中から熱い注目を集め、その音質評価により導入が進んでいる注目の製品。ライブコンソールということで放送局の副調整室などでも活用できる機能を有しているとも感じます。
最後のセッションは、ミキシング・コンソールからは離れるのですが、InterBEE 2014の音響チュートリアルセッション(有償)で行われた「放送局におけるファイルベース」をテーマにした公演のリバイバル。
放送局などで進むファイルベース。この課題を解決のアイディアとともに提案を行わせていただきました。実例として名古屋テレビ様のMA室のファイルベース化工事を元にそこで生じた課題とその実際の解決方法、そしてその後の更新から生まれた新しい問題とその解決策。現場の目線からの問題定義とその対処法を考えるという内容。皆様、非常に熱心にその内容にうなずかれていたのが印象的。
*記事中に掲載されている情報は2015年02月20日時点のものです。