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ROCK ON PRO

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JAPRS主催 スタジオ見学会 Report!         〜Bunkamura Studio〜


JAPRS(社団法人日本音楽スタジオ協会)主催のスタジオ見学会が開催、JAPRS会員でもあります私どもROCK ON PROにも参加の機会をいただきました!今回は渋谷に立地し都内有数の規模を誇るBunkamura Studioスタジオの全面協力を得て行われ、そのコンセプトや音響設計についてを詳細解説、皆様へもその様子をレポートします!

■ 1 Studio / 2 Control Room

Bunkamura Studioは1989年の設立。渋谷という好立地にシアターコクーンやオーチャードホールなど劇場とともに文化複合施設として建設され、3年もの計画期間を経て完成されたとのこと。当時はレコードからCDへとメディア媒体が変化をしていた時代であった一方、音楽制作もアナログからデジタルへの変革期を迎えており、そのワークフローも当然の事ながら変化。Control Roomでの作業時間が長くなる事が見越される中で、限られたスペースをいかに有効活用するか、その解答がBunkamura Studioの特長ともいえる「1 Studio / 2 Control Room」という構成。
1つのスタジオを2つのコントロールルームで共有、お互いの作業時間について効率的な運用を可能にしたこのコンセプト。実はかのジョージ・マーティンのアイデアでもあったとのこと!同時に別プログラムを行う事が出来るこの構成は当然の事ながら2つのコントロールルームをアイソレーションする遮音対策が必要になったが湿式の完全浮構造(防振ゴム浮床)や4重のガラス窓など入念な対策を施し、一般的なスタジオでD-70とされるところ、D-80の遮音性能を実現。そのアイデアを実現し、スタジオワークを均質化する事に成功しています。

■ スタジオを楽器とするアイデア

また、スタジオ内の写真を見て頂くとお分かりの通りBunakmura Studioでは、エゾ松、トド松といった天然木をふんだんに使用。これは、木製であることが多い楽器から着想を得たそうで、その木の響きを最良の状態で収録するにはスタジオも楽器と同じく木材を使用する事が最高だと気がついたからだとのこと。

■ 日本初のアンテルーム、NC-15以下の空調。


さらに木材を使用する事によって得られるのがその居住性の高さ。ナチュラルな音響と明るさ、優しさを両立させてスタジオというある種閉じられた空間で長時間作業を行うことになるクリエイターにとってのストレスを多いに和らげています。
また、木材以外にもポイントとなるのが「空気」。これはスタジオ外のスペースでダクトスペースを贅沢に取り、空気がゆっくりと流れるように設計されており、その騒音レベルはなんとNC-15以下。この点も長時間作業に対する配慮であり、スタジオに一歩踏み入れたときからすぐに分かる清廉な空気感。まるで森林浴のような清々しさが感じらました。
そして、計画の中で特徴的であったのが日本初となったアンテルームの設置。

たとえ別プログラムがあっても個別の空間を確保をする事でクリエイターが制作作業に集中を出来る環境を整えた日本初の試み。A St / B St / C St の各スタジオにそれぞれ設置されており、プログラムの独立性が保たれています。
約25年の歳月を経て、更に熟成を進めるBunlamura Studio。長年において日本のトップスタジオたらしめるのは実は入念に計画されたもので、現代のスタジオ設計における源流とも感じられました。音響について当時最高峰の技術を結集させ、さらに高い居住性とクリエイターに対する細やかな配慮。そもそもスタジオはヒトが創造という仕事に集中をする大事な空間であることを改めて認識した時間となりました!


スタジオの概要コンセプトなどご解説をいただいた、株式会社バーディーハウス 代表取締役 伊藤 猛 氏、音響設計についてご解説いただいた、日東紡音響エンジニアリング株式会社 崎山 安洋 氏、急遽の取材ご協力をご快諾いただきありがとうございました!

伊藤 猛 氏

崎山 安洋 氏

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*記事中に掲載されている情報は2013年06月06日時点のものです。