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ROCK ON PRO

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Prismsound dScopeIII~〜ガチンコ・ハードウエア・アナライズ〜いろいろみてみよう!!=第一回=

dsope1.jpg
第一回目は文字数が多いですが我慢して読むと幸せになれます(…多分)


このページでは:皆さんが普段使っている機材の普段は見る事の出来ない部分、例えば、A/Dコンバータの出 力信号のステータスとか、フルパワーで頑張っている時のパワーアンプの出力波形やノイズフロアなどを見ていきます。もちろん、機材の内部写真なども必要で あればのせていきます。そんな訳でページタイトルは『いろいろみてみよう!』です。

第一回目なので主旨説明などをまず始めに。。。

いろいろ!みてみようといっても、まぁ、ただ見るだけではふ~んで終わってしまいますので、そこは皆さんに実益があるように構成していきます。そこはご期待ください。
とはいえ『実益って何だよ?』というつっこみや疑問も多々あると思いますので、まずは簡単にご説明していきたと思います。
先に挙げたデジタル出力のステータスの中で、最もわかりやすいサンプリング周波数のずれについてから考えてみましょう。
皆さんは今、自分の職場や制作環境に組み込まれている機材のデジタルアウトについて出力の周波数を48kHzに設定したからといって、リアルに48kHzではなくて、47,998.765Hzみたいにちょっとの誤差はあるよな~、という知識はお持ちだと思います。
では、『じゃあ、ちょっとの誤差ってどれくらいだよ?』と聞かれると、『その誤差の範囲を大体これくらいじゃないの』と答えられる人はどれ位いるでしょう?
恐らく殆どの人が、『ちょっとの誤差はあるだろうけどつながっている機材の間でロックが外れなければいいや~』くらいの感覚でそれらの機材を使っていると思います。
graphic_web1.jpg一方、デジタル機器が一般的になるにつれて、やれ、ジッターが低い方が良いだの、このマスタークロックはスゴいんだぜ、とかいう話が割と日常的になってきているのも事実。
しかし、ジッターが低いとどう良いのか?世間で評判のマスタークロックの出力は何がどうスゴいのか?という知識はとても一般的な日常会話レベルに達しているとはいえません。
つまり、現状での使用している機材及びその運用方法と、求めるところの環境を構築するために必要な知識との間には、ものスゴい溝がデジタル機材周りに限らずガッツリ!?ある訳です。
つまり!その溝を埋める事がこのページの主旨であり、さらにはそれが皆さんの実益になるように頑張っていこうというのがこのコーナの最大の目標であります。
では、その溝をどう埋めていくのか。。。。ここからが、本番です!

測定器だよ!いろいろみてみよう!

いろいろみていこうとは言っても、普段我々の周りにある機材ではロックがかかってるな~、とか出音歪んでねぇ?程度の事しかわからないのが現状です。
いろいろみるためには、いろいろみることの出来る機材が必要なのです!いわゆる測定器、測ってなんぼ!?という奴です。
zenkeiweb.jpg測定器というと昔ながらの固いイメージに引いてしまう人が多いのですが、今日の測定器は表示がグラフィカルになり、あまり難しく構えなくても全然大丈夫、分かり易く、見方もすぐに飲み込めます。
実際、出張修理などに行くと、皆さん測定器にかなり興味を持たれていて、色々とご質問も受けます。
その場でさくっと簡単に説明をするだけで、じゃあこの部分で歪んでるんだね~など、測定結果の見方をすぐに理解されます。
今回は私が普段使っているPrism SoundのdScope SeriesIIIという測定器を使っていろいろみていきたいと思います。
このdScope SeriesIIIⅢという測定器は任意の波形を出力できるジェネレータとしての機能と、波形、ノイズフロア、チャンネル間位相、等々いろいろな項目を同時に測定できる機能がそれぞれ、アナログ/デジタル両方にあり、
さらにデジタル信号のステータスビット、Video信号(SDのみ)まで見る事の出来る、要するに 優れモノ なのです。
上の写真が実際にいろいろみているところです。右側がdScope Seriesで左側のノートPCでdScope Seriesを制御しています。
ノートPCの下にあるのがいろいろみられちゃってるMatric HaloのMobile I/O ULN-2です。

では今回の生贄です

ULN2DSPweb.jpg今、名前を出したMatric HaloのMobile I/O ULN2が今回の生贄です。詳しいスペックはこちらをご覧になっていただくとして、ざっくり説明するとアナログ2in/4out、AES/EBU、S/PDIF(排他利用)が2in/2out、ADAT optical8in/8out (合計12in/14out)、アナログインプットには6dBステップのゲインとトリム、ファンタム供給、センド/リターンを装備して、各I/0のルーティング、ミキシングはFirewire経由のソフトウエアで行い、もちろんcore audio経由でシーケンサのI/Oとして使用でき、更にヘッドフォンアウトまでついた正にオールインワンなI/Oです。初回なので、いろいろな測定ができるULN-2を選びました。

いよいよみていきます

大分前置きが長くなりましたが、いよいよいろいろみていきます。今回は第一回目なので最も一般的と思われるアナログイン>アナログアウトを見てみましょう。
A_Aweb_1.jpg接続は図にあるようにdScopeのジェネレータアウトからULN-2のアナログインに、ULN-2のセンドアウトからdScopeのアナライザー インに2Chで信号が流れるようにします。その他の設定については測定結果の説明をしつつ詳細を示していきます。



で、いきなりですが測定結果です。

ULN2A_Aweb22.jpg



signakgenefunc_web.jpg右図にあるのがdScope のGeneratorの設定です。1kHzのサイン波を+4dBuで出力している事がわかると思います。ここには見えていませんが測定結果を見やすくする ためにCh Bの出力はCh Aに対して位相を180度遅らせています。ULN-2側で6dB増幅した信号が画像で見えているその他の項目になります。各項目の簡単な説明です。


signalanaldet.jpgSignal Analyzer Detectors:dScopeのAnalyzer inに入ってきた信号の基本情報
RMS amplitude:いわゆるレベル。単位はいろいろ選べますが大抵dBuで見ておくと便利。
Frequency:周波数
Inter-channel phase:Ch間位相。
ftt_R_web.jpgFFT Reading:FFTについてはこの辺を参照して下さい。
THD-N-relative:歪み率  簡単にいうとどれだけ歪んじゃったかという値

項目別に見ていきましょう!



SAD_web.jpgRMS amplitudeはCh A:9.920dBu/ Ch B:9.927dBuですからCh間のレベル差は0.007dBuで非常に小さい事がわかります。また、+4dBuの信号をULN-2で6dB増幅した結果ですので理論値である+10dBuにほぼあっている事がわかります。Frequencyは両Chとも1000.002Hzでこれも優秀な値です。 Inter-channel phaseは-179.98度でこれもほぼ設定通りで問題がない事がわかります。緑、及び青のサイン波がそれぞれCh A/ Bの出力波形で、下の方にあるギザギザの線(赤、及び黄がそれぞれCh A/ B)が45kHzまでのFFT、所謂ノイズフロアになります。1kHzのところのみCh Aの赤線しか見えませんが、これは完全に重なっている場合はハイライトされたChが前面に表示されるdScopeの仕様によるものでCh AのFFT表示を切ると1kHzの部分の黄色い線が見えるようになります。


thd_rc.jpgTHD-N-relativeはCh A:0.00053%/ Ch B:0.00062%で        誤差0.00009%でこちらも問題ありません。このTHDの値はスペックシートを見るとHarmonic Distortion @1kHz(+9dBu in @ 6 dB Gain)/ 0.0005%となっていて、カタログスペックがきちんと実現されている事がわかります。


カタログスペックつながりで周波数特性も見てみましょう。テスト環境はdScopeの出力周波数以外は全て上と同じです。スペックシートでは18 Hz -> 20 kHz/ ±0.1 dBとなっていますが実際はどうでしょうか。

ULN2A_Afreqweb1.jpg

上図が計測結果です。画面真ん中上くらいで横に伸びている線が周波数特性になります(黄、及び紫がそれぞれCh A/ B)。グラフ縦軸の黄色い数字が周波数特性のレベルになります。横軸も同じく黄色い数字で18~20kHzにあわせてあるのが確認できると思います。この 結果からカタログスペックである±0.1 dBどころか±0.02dBである事が確認できます。ULN2A_Afreq._pictjpg
今回計測したULN-2のアナログイン>センドアウトはULN-2のアナログエンドのみで完結しているルーティングで、この計測結果はチャンネル間誤差、歪み率、周波数特性全てにおいて非常に優秀であるといえます。
初回という事で長くなってしまいましたが第一回目はここまで。
次回は同じULN-2を生贄にさらにいろいろみていきます。

生贄大募集!!

うちのこれは凄いから是非紹介してくれと言うメーカー、代理店の皆さん、いろいろみられてみませんか?このコーナーは生贄を提出してくれる奇特な皆さんが頼りです。みられちゃってもいいよ〜という取り扱い機材のある方はこちらまで!!
(技術担当:千葉)

prism_web33.jpg

お見積もり、ご相談は、下記お問い合わせフォーム、または お電話(03-3477-1776)/FAX(03-3477-1255)メールにてもお待ちしております。


営業担当:岡田、梓澤、洋介 技術担当:中林、千葉、水本までお気軽にどうぞ。

 

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*記事中に掲載されている情報は2008年12月01日時点のものです。