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Pyramixが切り開く、DAW新時代
Pyramixをご存知ですか?Marging社はDAW、ノンリニア編集機のDSPボード開発メーカーとして技術力を蓄えてきました。開発メーカーとして様々な要望を受け「DAWメーカーの為」製品を作ってきたからこそ出来る、高機能、高音質。海外で「理想のDAW」と呼ばれるその実力に迫ります。
Pyramix Story
スイス/マージングテクノロジーズ社のピラミックスというDAWをご存知でしょうか?恐らく聞き慣れない名前だと思います。ここ数年前からアメリカ,ヨーロッパを問わずプロフェッショナルの間では、「理想のDAWに最も近いDAW」と言われてきました。ここで、そのPyramixとその製品群をご紹介しましょう。
ピラミックスはソフトウェアだけでも60種以上のオプションを持つ、通常のユーザーにとってみれば買い難いDAWです。その原因は、実はピラミックスが「DAWメーカーのための製品」であったことに起因しています。
ピラミックスの製造元であるMerging Technologies(マージング)社は、1990年代初頭から今日に至るまで、様々な著名なメーカーのDAWやNLE(ノンリニア映像編集機)に、 心臓部分ともいえるDSPボード「Mykerinos(ミケリノス)」をOEM供給しています。そのDSPボードのSDK(ソフトウェア開発キット)の集大成がDAW「ピラミックス」のスタートでした。つまり、「DAWメーカーはユーザーから『この機能が欲しい』と言われた機能をマージング社に伝え、マージング社はその機能をSDKとして提供する」という繰り返しから、あらゆる機能を網羅したピラミックスはつくられました。
Pyramix誕生 〜OEMから自社販売へ〜
2000年、大きな変革が訪れます。ハードウェアのみならずソフトウェアまでもOEM供給していた某DAWメーカーが製品の生産を終了し、多くのユーザーがデータを保護するため、マージング社にSDKを製品として一般のユーザーが購入できる市場に出すよう要請してきたのです。そしてついに、2001年Pyramix v4.0は、ターンキー・システムとしてデビューします。
Pyramixは、あらゆるビット長、あらゆるサンプリングレート、あらゆるCodecを使用したメディア・ファイルをタイムライン上に乗せ、変換なく記録,再生,編集,ミックスからファイナルレンダーまでを行うというのが設計思想です。ファイルの互換性は、ピラミックス登場時から「読めないファイ ルは無い」と評されてきたように、多くのファイルフォーマットに対応しており、ファイル変換無しにいきなり再生,編集が可能です。また、編集作業においては、リアルタイム編集が採用されており、待ち時間のない軽快な編集作業を行うことができます。現在のバージョンであるv6.1は、あらゆる異なるサンプリングレートのあらゆるビット長のあらゆる種類のオーディオファイルを、自由に同一タイムライン上に並べ、たった一回のレンダリングでCDイメージにファイナルレンダーを行うことができます。もちろんTOCをはじめ、ISRCやCD TEXTを含んだ完全なCDのイメージを作り出すことができます。つくられたCDイメージは、添付アプリケーションであるDiscWriteを使用することで、実際にCD-Rに焼くことが可能な他、オプションのDDPサポートを加えると工場納品用のDDPファイルを完成させることが可能です。
MassCoreデビュー 〜DSPのいらないPyramix〜
これまでのピラミックスのラインアップは、ソフトウェアのみで動作するNativeシリーズ2種,DSPボードを使用するMykerinosシリーズ(使用用途により(Broadcast/Music/Mastering/PostProduction)の4種類のソフトウェア・パッケージ)と いう製品構成でしたが、v6からはDSPと同時にCPUをDSPとして使用するMassCoreシリーズ(使用用途により4種類のソフトウェア・パッケージ かつ、それぞれのソフトウェア・パッケージ毎に、同時録音チャンネル数(48ch/128ch/256ch@1Fs)により3種)が加わりました。さらにv6.1からは、Mykerinosシリーズ同様のソフトウェア・パッケージをそのままNativeシリーズのラインに落とし込み、4種のラインアップとなりました。つまり、Broadcast/Music/Mastering/PostProductionのソフトウェア・コンポーネントをそのまま Nativeシリーズとして発表しました。
Pyramixで出来ること 〜魅力的なプラグイン〜
上記のストーリーにあるように、ピラミックスはオーディオ編集に特化されたスペシャルDAWです。どんな素材も、並べて(変換無しにです!)そのままミックスデータのままマスタリングが可能。オプションを加えることによりPro Toolsのデータを読み込んだり、DDPデータを作成したりプロフェッショナルの現場で求められている機能がずらっと揃います。プラグインに関しても VSTプラグインと共にPyramix独自のオプションとして高品質で有名な各メーカーの物が揃います。マスタリング迄出来るということでノイズリダク ションがもっとも充実、CEDAR,Algorithmix,PureNoteが使用可能。マスタリングプロセッサーとしてはヨーロッパで絶大な評価を得 るFLUXが使用可能。タイムストレッチはProsoniqと、どれを一つとっても魅力にあふれるプラグインが用意されています。使い慣れたVSTプラグインとの併用も可能ですので可能性が広がります。このオプションプラグインが使いたいという目的でPyramixを導入しても決して損は無いでしょう。
VCUBE 〜映像同期の最右翼〜
この約10-15年間のPCの性能向上は目を見張るものがあり、テキストや画像データのみの処理の時代から、あっという間にHD動画録画,再生までが可能になってきました。これはハードウェアの進歩もありますが、Codecなど優れたソフトウェアの進歩も見逃すことができません。ところが一方では互換性の問題も起こるようになっているのも事実です。Vcube(ブイキューブ)は、あらゆるビデオ・フォーマットとビデオCodecを内蔵した業務用ビデオ・プレーヤーです。単にあらゆるビデオ・ファイルを再生するのでしたら「VLC」などのソフトウェアで可能ですが、タイムコードへのチェイスや外部制御でコントロールすることが業務では求められます。Vcubeは、あらゆるビデオ・ファイルをタイムライン上に並べ、外部制御で再生することが可能です。外部制御は、DAWからのコントロールはもとより、ビデオ編集機からの制御や、単純なタイムコードへのチェイスも行えます。また並べられたビデオ・ファイルは、ビデオ・クリップとしてDAW上のオーディオ・クリップのように編集が可能な他、テキストをクリップにして画面上にスーパー・インポーズさせることや、画面のリサイズ,PinPなどの編集も可能です。さらに、編集結果を別のビデオ・ファイルとしてファイナルレンダーを行うことも可能です。
Vcubeは、基本的にはターンキー・システムとして提供されますが、ソフトウェアのみのNativeとしても発売を開始いたします。Vcube Nativeは、ハードウェア・プラグインとしてXenaカードをサポートしています。ファイナルカットProのインストールされたMACOSの裏側にWindowsをインストールしてVcubeを動作させると、ファイナルカットで作ったプロジェクトをすぐにMA作業に回すことなどもできそうです。
ピラミックスとのインテグレーションでは、通常の9pinでの操作も行えますが、LANによるネットワーク・クラスタリングが可能です。クラスタリングとは複数のコンピュータを接続し、1台のコンピュータのように動作させる技術で、ピラミックスとVcubeでは再生,録音(録画),ロケートなどのコマンドがLANを介してスマートに行うことが可能になっています。さらに複数台のピラミックスとVcubeがLAN上にある場合、どの組み合わせでもアイコンのドラッグ&ドロップで簡単にクラスタリングが組めるようになっています。また、マージング社のリモートコントロール・プロトコルであるOASISもLAN経由での通信であるため、Ramsesコンソールとの接続もLANケーブル1本でまかなえるのも大きなアドバンテージといえます。さらに、ピラミックスもVcubeもWindowsのアプリケーションとして動作していますので、スペックの高いPCを使用することで、同一のPC上で動作させることも可能です。もちろんそれぞれのアプリケーション間のリンクも完全に行えます。1台でビデオ,オーディオ,ミックスのデータ・プロセッシングが行えるスーパーDAW。ピラミックス・システムには、21世紀らしい未来が詰まっているような感じがしませんか?
ますます製品展開の広がりを始めたピラミックスに、どうぞご期待ください。
なお、新製品情報については、Native取り扱い店のスタッフにお気軽にお問い合わせください。
(文責:DSP Japan柳瀬)
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