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MAにはMAの、最新鋭の最適機を〜FAIRLIGHT CC-1ご紹介〜

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文:技術担当 水本
<今、MA現場で最も求められているコストと作業時間に注目>
現在の放送・映画産業は、ハイビジョン化、デジタル放送への移行、多チャンネル化といった大きな課題を背景にコンテンツのクオリティーのアップを迫られる一方で、制作現場におけるコスト削減、制作時間の短縮化といった二律背反を抱えています。
CC1bdy.jpg特にポストプロダクション業界ではスタジオでの作業は「かかる時間=制作費増加」の構図があるので、プロデューサーやディレクターなどの制作管理サイドにとってデジタル編集での制作時間短縮は大変歓迎されることなのですが、それを要求される現場の技術サイドはたまったものではありません。制作とは恐ろしい存在で、短縮化された時間に慣れてしまうと、更なる短縮化を要求してくるのです。尻を叩けばいくらでも短縮化すると思っている制作サイドvsもう既にいろいろ限界なんだよと思っている現場技術サイドの永遠の対立は、劇的な時間短縮化を可能にしてしまったデジタル編集の弊害と言えるかもしれません。
<MA現場にはMA現場の声で育ったFAIRIGHTこそが最適解>
日本のポスプロ現場で使われるDAWはちょうど更新時期を迎えており、どの現場も次期導入機種をどうするか、コスト対効果の面でも頭を抱えて悩んでいるのが実情かと思います。近頃の経済動向も影響してか、いつにも増してスタジオでも「コストダウン」を念頭に置いているようで、そうした背景から機器構成を変更することでコストを調整できるプロダクトやソリューションに人気が集まっているようです。
しかし、その初期導入コストを少し多めに払っておくことで、後々制作現場での「時間的余裕」を買うことができるとしたらどうでしょう? それが可能なDAWこそ「FAIRLIGHT」であり、オススメする最大のポイントです。
やはり餅は餅屋とでも言うべきでしょうか。主に音楽シーンで育ってきた他のDAWと、音楽とは全く違うポスプロ視点で育まれたFAIRLIGTでは大きく違う操作性が求められ、お互いに特化した長所短所があるので単純に比較する訳にはいきませんが、ポスプロに特化してきたFAIRLIGHTでは「操作性を追求したインターフェース」「映像との調走の確実性」「単純であることの強み」といった長所をMFX3、DreamSatelliteと継承してきました。
同じ音の仕事であっても音楽制作では考えられない制約を持つのがポスプロMA最大の特徴で、その一つが「映像ありきの音」を操る点。音楽のように音が最優先されるのではなく、あくまで「映像に従属する音」をハンドルするMAでは「映像とのシンク」こそ最優先であり、映像と音の時間軸関係が破綻することは致命的です。FAIRLIGHTにおける代表的な優位点としてはVTRと調走させる際の9pinコントロールの確実性、正確性でしょう。ノンリニア/リニアを問わずMAでは映像とのシンクがプライオリティーであり、そこでのトラブルはスタジオの評判に関わる生命線です。複雑化するポストプロダクション現場を見据え、外部調走の重要性を認識していたからこそ、FAIRLIGHTは卓越した9pinプロトコル制御性能追求し、ポスプロで愛用されてきたのです。将来的には9pinも新しい制御プロトコルにとってかわられる日が来るでしょう。が、その日が来たとしてもFAIRLIGHTは新しいプロトコルに対応し、今と変わらない完璧な外部調走を見せてくれるのではないでしょうか。
<FAIRLIHTなら作業に余裕を持たせてくれる>
例えば「導火線に火のついた爆弾が爆発」という動作の一連の映像に、効果音を付けるとき、MAのミキサーや助手は何に注目して、どういった操作を行うでしょうか?
MAの人間はこういう時、爆発の最初の閃光が見える瞬間に注目しているはずで、爆発音を爆発の閃光に対して正確に貼付け、映像に説得力を持たそうとしているはずです。
では実際の作業を考えてみましょう。
使う効果音ライブラリの「爆発」サウンドはどうなっているでしょうか。
大抵は、着火〜導火線の音〜爆発〜余韻といった流れでまとめて入っています。しかも頭には約1秒ほどの無音も入っています。
仮にクリップのド頭をつかんで爆発の閃光が見える瞬間に貼付けたとしても、ド頭を貼付けたのでは無音や導火線の音があるため、映像とはかけ離れたところで爆発音が鳴ってしまいます。

    ★FAIRLIGHTの操作性の一例

先述のようなとき、FAIRLIGHTであれば
  1. 音ネタの爆発音部分の頭出を探ってCUT Clipを押す(掴んで)
2. 映像をジョグして閃光が見えたフレームでボタンを離して音を貼付ける(放す)

という掴んで放すだけの2ステップで作業が完了します。
こうしたMAで必要な基本作業で、多くのDAWはもういくつかのステップが必要な場合もあり、スピードを要求される場面でFAIRLIGHTは有利な要素を多く持っています 。
「掴んで放すだけ」というテープのスプライス編集に近い感覚の操作を、処理ラグ等の引っかかりのない専用コントローラーで、スムースに快適に行えるのです。
最大の利点は「編集にマウス/キーボード一切不要」な点で、最新のCC-1 Xynergiも大型ジョグシャトル搭載の専用コントローラーを採用しています。基本編集に必要な全てがジョグシャトル周辺に効果的に配置され、CUT/COPY/TRIM/FADEといった編集ファンクションの選択ボタンと、常に画面中央に位置する音声ヘッド線を基準に、ファンクションを適用する位置を表したHEAD/TAIL/CLIPという3つのボタンだけで操作するため非常にシンプルで分かりやすいDAWです。
意外と見落としがちですが、編集画面は常に画面中央が音声ヘッドとなっていて、他のDAWでありがちな、編集位置と再生位置が画面で不一致となって自分がどこを再生してるのかを見失うようなことも絶対にありません。ジョグする感覚、ヘッドが常に目の前にある感覚などは、少し古いたとえですが6mmデッキその物の感覚と言えるかもしれません。
操作に対するレスポンス精度が非常に高い洗練されたジョグダイアルは、ラグやオーバーシュートのない確実なインターフェイスとして仕上がっていて、歴代FAIRLIGHT機の特徴とも言 えます。その操作フィーリングはまさに6mmテープのリールを手でジョグしている「動かしただけ過不足無く正確に反応がある」感覚です。こうした大型ジョグダイ アルが「標準装備」されたDAWは少なく、マシンを確実に思い通りコントロールできている操作感がまた操作のスピードを上げる一因となっています。
このようにFAIRLIGHTの操作体系は、人間の原始的な感覚に非常に近く作られており、ジョグで回した回転量と、画面上で移動する量が完全に一致するようにできています。(JOG FACTORという設定数値を増減するだけでどんなユーザーの感覚にも合わせて完璧に微調整可能)ほとんどの機能がボタンを押しながらこのジョグシャトルを回し、ボタンから手を離すだけ。マウスでいうDrag&Dropの感覚ですが、ジョグシャトルは縦にぶれたり横にぶれたりしないのでよりスムーズに編集できるので快適です。
システム的に見ても音声処理をする本体と、コントローラーでそれぞれCPUを独立して持つスタンドアロン型コントローラであり、独立したCPUを持つおかげで、重い音声処理中でも引っかかり無く、素早い編集オペレーション処理にラグ無く追従します。もちろん最新のCC-1 Xynergiでも、コントローラに専用CPUを内蔵し、ストレス無い作業を保証してくれます。
もうお分かりいただいたと思いますが、Fairlightは標準装備の大型ジョグダイアルを最大限に活用したオペレーション体系を徹底しており、前述のとおり編集はだけでなく、システムの設定、パラメータ、数値などのほとんどをジョグダイアルで設定することができます。
特にMAではカット変わりや、テロップ・CGなどタイミングきっかけの調整が多いため、ちょっとしたフィーリングの善し悪しがロスタイムへと繋がり、その蓄積は最終的に何時間単位で差が出てきます。
また、FAIRLIGHTの再生トラック上のクリップを「レイヤー」構造で扱う点も大きなメリットをもたらす特徴です。パンチイン/パンチアウトを繰り返してトラック上の既存リージョンの上に別のリージョンを重ねた場合でも、FAIRLIGHTの場合、レイヤー(層)として管理されているため常に再生可能な状態下のレイヤーが出てきます。この機能のおかげで、同じ箇所に手動のパンチイン/パンチアウトを繰り返して、何度もテイクを録り直したとしても、テイクを安全にわかりやすく管理することが可能です。(FAIRLIGHTはレイヤー構造で素材を何層も重ねてトラックに置いておけるおかげで、毎回プレイリストを切り替えて管理したり、リージョンリスト内を探しまわる必要がなく、貴重な時間と精神的な余裕をキープすることが容易です!)cc1xng.jpg
<単なるテレコの代わりから脱却したFAIRLIGHT>
MFX3、DreamSatelliteと、常にシビアな現場の要求に応えてポスプロ業界を席巻してきたFAIRLIGHTですが、持っている基本機能からすると「電子編集可能で便利なテレコ」でしかなく、あくまでコンテンツを完成させるためには音声卓に音を立ち上げて、卓でダビング(ミックスダウン)する必要が有りました。この点で「全てをDAW内で完結させる」という昨今の他のDAW群が追求する「MIX in the BOX」という思想は一歩先行く革新的製品でした。対してFAIRLIGHTの「ミックスは卓でやろう」という思想は、今ではもう古い概念になってしまい、今日では使いづらい場面も多く出てきました。
ですが当時全盛だった音声のDSP処理技術の限界を見極め、全てを欲張らず、潔くミックスに関しては卓に委ねることで機能の単純化を追求した結果、抜群の操作フィーリングを獲得し、今日現場で語られるFAIRLIGHT神話につながっているのでしょう。
しかし、音声処理に従来のDSPにかわって近年急成長を遂げているFPGA(Field Programable Gate Array=論理回路を書換可能なプロセッサ)を採用したことによりFAIRLIGHT CC-1では様々なプロセシング機能を獲得しました。
その新しいFAIRLIGHT CC−1が実現する数々の機能をご紹介しましょう。
・WAVESをはじめ、数々のVSTプラグインの利用を実現
・音だけでなくPyxis SD/HDをCC-1に内包、追加ハード無しでHD非圧縮4:4:4ノンリニア映像を見ながらの音声作業も可能
・内部に72mix busを持ち、それらを自由にI/Oへアサイン可能
・EQなど音質が関わる操作には内部72bit浮動小数点演算でのオーディオ操作を適用
・384KHzでのハイサンプリング周波数でのレコーディングにも対応
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従来のMFX3ではプラグイン自体が扱えなかったわけですが、CC-1ではトラック毎にプラグインをさせるのです!
ステレオカップリングしかできなかったMFX3は、今やサラウンドミックス対応です!
映像も音もCC-1カードのみで処理するため非圧縮4:4:4のHD映像を追加ハード無しで自由自在に再生可能!
有り余るCC-1の処理能力で低域のEQ処理も音質的に圧倒的優位!
こんなに制作意欲の湧くFAIRLIGHTの進化は始めてでしょう。
従来のDSPからFPGA(Field Programable Gate Array=論理回路を書換可能なプロセッサ)を採用したことで、汎用の演算用途に作られたDSPよりも効率よく信号処理を行う回路設計が可能になり、FPGA搭載のPCIカード1枚でCC-1カード1枚で230チャンネルオーディオ同時処理、その全チャンネルに8bandEQ,3stageDYNをインサートして、72bus、220の物理的なi/o接続を処理可能な上、同時に同じFPGAカード上でHD非圧縮4:4:4の映像を処理してもまだ余力があるという圧倒的処理能力を獲得しています。
<FPGAとDSPのそれぞれの特徴。>
FPGAとDSPの優位性についての論議は様々ありますが、用途や規模等で一長一短があり、単純に比較はできませんが、FAIRLIGT CC-1においては、従来のDSPからFPGAへベースを切り替えることで飛躍的な進化を実現しました。
Field Programable Gate Arrayという名が示す通り、FPGAは開発側の意図した通りにデバイス内部の論理回路をプログラミング可能なプロセッサで、DSPのように汎用に作られてはいるものの処理系に変更の利かない半導体を使うよりも効率の良い信号処理が可能になり、結果として、より効率の良い高速なプロダクトを実現できるというテクノロジーです。FPGA1個がDSP何個分程度の性能かというと一概に単純比較はできませんが、従来最大規模だったFAIRLIGHT QDC XT EngineがSharc-DSPを64個搭載しており、「CC-1」1つでそれを遥かに上回る処理能力を有していることから、少なくともCC-1に搭載されたFPGA1個>Sharc-DSP 64個 であると言えるでしょう。また「効率の良い処理=低消費電力」ということでもあり、従来600Wを必要とした処理を8Wで処理し、機器の劣化に影響する発熱量の大幅な削減も実現しています。二酸化炭素放出量で換算すると1時間あたり800gから11gに減少しました。
しかも、FPGAの「プログラミング可能」が意味するところは、将来より効率的な処理アルゴリズム等が登場した場合でも使用中のFPGAに搭載されたゲートアレイ数が不足しない限りは、論理回路の書き換えのみで対応でき、ハードウェアへの投資が最小限となることを意味します。つまり上記の制限にかからない限り、システムの大規模な変更の際もハードウェア自体を書き換え可能なので、シビアになるコスト管理の中、将来的な機材更新に関わる費用と工期中のロスタイムを抑えられ、大きな強みとなります。(ハードウェアの入替にかかる費用は数百万円単位ですが、FPGAの書き換えはそれと比較して原理的に安くすみますし、かかる時間もせいぜい数時間でしょう。)
CC1KEY.jpgその他にもCC-1は専用コントローラーに「セルフラベリングキースイッチ」というディスプレイを内蔵したコントローラーで、オペレーターがそのとき必要とする機能に限定して自動的に瞬時に表示するという革新的技術も搭載しており、従来よりもさらに高速なオペレーションが可能です。
また近年VTR編集で勢いのあがっているFINALCUTへの対応も、オプションのAV TRANSFER経由で可能な点も見逃せません。
今、MA現場で最も求められているコストと作業時間の短縮を、先進性や柔軟性でバランスよく実現したFAIRLIGHT CC-1にふれて、その確実な動作をぜひご自身の目でご確認ください。
fairlight official siteはこちら>>>

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*記事中に掲載されている情報は2008年12月08日時点のものです。