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株式会社イノセンス 様 / 作業効率を追い求めた結果 〜AVID S6導入事例〜

北陸、金沢に本社を置く株式会社イノセンス。試写室を四国・松山にも置き、この2つの拠点で制作から撮影〜編集〜MAとワンストップでのマルチメディア・サービスを提供している。地元のCM制作、起業PRのVPなど様々なコンテンツの制作を行われている会社である。作業量はかなり多く、リコール性、作業効率というものが求められる現場である。

◎旧システムとの互換を確保する

今回導入となったAVID S6だが、そのストーリーはPro Toolsシステムの検討から始まった。それまではFairlight QDCとConstelationを使用していたが、そのサポート終了・システムの老朽化に伴い、AVID Pro Toolsへの更新を検討されていた。しかし、単純にシステムの入替えというわけにはいかない。業務におけるかなりのウェイトを占めるのがこれまでに制作したコンテンツの改定作業となるからだ。そうなると、それまでのFairlightとのデータの互換性の無いPro Toolsへの更新は、単純に入れ替えるという訳にはいかない。まず、第一段階としてPro Toolsのシステムを仮設し、使用頻度の高いデータから順にデータコピーを行うこととなる。これは、シンプルにAESで2台のDAWを繋ぎ、同期をとってのコピー作業。すでにFairlightが提供していたMXF exchangeは手に入らず、Fairlight QDC独自フォーマットのファイルをファイルベースでコンバートすることは難しくなっていたからだ。

◎完全ファイルベースのフローにS6が合致

当初は1年程度の期間を設けFairlightのデータを移植したところで、全体的なシステムの更新を行う予定ではあったが、Pro Tools導入から半年程度たったところでConstelationの調子がどうにも悪くなってしまった。その為、計画を前倒ししてAVID S6の導入に踏み切った。AVID S6に関しては、Pro Tools導入後に次のメインシステムとなるコンソールの選定候補として実機を金沢まで持ち込みデモを行なっている。実際にその操作性を体感していただき、作業効率も求めるイノセンス様のワークフローともしっかり合致した。DAWをエンジンとするコンソールということで言えば、Fairlight Constelationと同じコンセプトではあるが、デジタルコンソールの模倣にとどまらず、更に踏み込んだ提案が数多く搭載されたAVID S6はイノセンス様の目線からも新鮮に映るポイントは多かったという。
 
リコール性能の高さは言うまでもなく、Display Moduleに表示される波形、自由にコンソール上のフェーダーにアサインすることの出来るレイアウト機能など、レコーダーとコンソールという従来の概念を更新することの出来るAVID S6。作業効率を第一として検討を行なっていたイノセンス様のワークフローにしっかりとマッチしたと言える。
 
余談ではあるが、イノセンス様のMAは完全ファイルベースでのフローとなっている。すでにVTRでの素材搬入はほぼ無く(年に1回程度)、松山支社のコンテンツMAも一手に引き受けているためにファイルでのデータのやり取りが普通のフローとして日々行われている。

◎S6のファンクションが実現したコンパクトシステム

導入いただいたのはPro Tools HDX1、映像再生用にVideo Satellite SystemとしてAVID Media Composer、AVID S6-M40-16-5-DPというのがメインのシステムだ。AVID S6は16フェーダー5ノブというコンパクトなシステム。これまでのConstelationが24Faderということで不安はあったものの、レイアウト機能、Spill機能などを駆使することでコンパクトなシステムでも同等以上の使い勝手を得ることが出来ると判断されての導入となっている。Pro Tools HDXシステムも、サラウンド作業は無く、ステレオ作業のみということで、DSPパワー的に問題ないと判断をした。Video Satellite Systemの導入は前述のとおり、完全にファイルベースでの素材の受け渡しが前提となっているために、受入可能なファイルフォーマットの多いMedia Composerの導入は必須であった。また、キャラの表示もMedia Composerであれば問題なく行えるというのもポイントであった。Video InterfaceにはAVID DNxIOを入れさせていただき、将来の4Kフローへの準備も行なっている。

◎VMC-102+ANDIAMOに集約、パッチベイも僅か3面に

次にシステムのディテールに目を向ける。モニターコントローラーはTAC systemのVMC-102を選択、VMC-102とTritech AGS-VMC、そしてDirectout Technologies ANDIAMO.XTの組合せで、コミュニケーション、モニター関係を集約している。回線の切替、TBのSummingなどをVMC-102で、スタジオ回線のマトリクス、信号分岐などをDirectout ANDIAMOで実現している。スタジオ機材ほぼ全てをANDIAMOへ集約することで非常にシンプルなシステムアップを実現している。ちなみに、AndiamoからPro Toolsへの接続はAESでの16chとなっている。
 
VMC-102とANDIAMO.XTの組合せでシステムのコアを構築したことでパッチベイがアナログ2面、ビデオ1面と非常にコンパクトに纏めることが出来た。エマージェンシー対応を考えた最低限のパッチが物理的に立ち上がっている。物理接点数を減らす、システム工事費の低減など、様々なメリットがこのシステムアップにより実現している。工事に関しても、既存のConstelationの解体撤去からS6の設置、調整まで4日間というスピード工事。5日目には動作確認、6日目にはトレーニングと、1週間を切るスケジュールでのシステム更新工事であった。もちろんこれは、システム設計、工事を担当していただいたレアルソニード様の力によるところも大きい。更にAVID S6とVMC-102,ANDIAMOの組合せというコンパクトなシステムだからこそということも出来る。
 
エンジニアの口出様は、AVID S6の魅力的なソフトキーをカスタマイズし、使いたいキーをフロントに持ってきたりと、作業効率を求めかなり使い込んで頂いている。このソフトキー機能は、EuConの恩恵により、Pro Toolsのほぼ全ての機能を網羅し、ショートカットにないような機能でもアサインが可能となっている。キーボード+マウスでの編集からS6+マウスでの編集になっているということが伺えるエピソードである。


東京、大阪に次ぐS6の導入事例となったイノセンス様、地方の活力を感じるとともにワンストップでのワークフローを確立していることで、一歩進んだトータルワークフローを現実のものとして形にされている。今後もバージョンアップにより進化してゆくAVID S6とともに、効率的なワークフローを確立することだろう。改めて、株式会社イノセンスの皆様、システム工事を担当されたレアルソニード様への感謝を申し上げて結びとしたい。
 
 
 
 
 
左より、アシスタントミキサー 水口慎也氏、同社取締役/プロデューサー 直野雅哉氏、チーフミキサー 口出洋徳氏


 
 
*ProceedMagazine2016Summer号より転載

*記事中に掲載されている情報は2016年07月01日時点のものです。