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ROCK ON PRO
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ラウドネス運用まもなくスタート
ラウドネス運用まもなくスタート
遂にその時が迫っています。ラウドネスの運用開始日2012年10月1日。様々なところでの周知活動やラウドネス運用に関するイベントが開催され、その実施に向けた努力が続いています。すでに現場レベルでも再放送を念頭にいち早くラウドネス基準を満たした作品をOnAIRしている局も存在している様です。
ラウドネス管理とは、そもそもデジタル放送時代の品質改善に向けて新しい音声レベルの基準を作ろうということでスタート。グローバルに『国際番組交換基準』といった文章がリリースされた影響もありますが、現在は、如何に視聴者にやさしい、レベルジャンプの少ない番組作りを行えるのかということが、最大のテーマとなっています。これは、音声、音楽等々の作品をより素材の持っているクオリティーを維持した状態で視聴者まで届けるのかといったテーマにつながって行くようです。今回は、ラウドネスメーターをリリースされている各社のお力を借りて具体的に、その全容を探っていきます。
技術的解説は、是非//pro.miroc.co.jpやProceed Magazine 2011-12号を参考にしてください。
体系化されるラウドネスメータとは
現在、ラウドネス関連商品を大きく分けると3種類。ソフトウェアとハードウェアのメーター、そして、自動補正機能を持った商品というように分類できます。DAW等、デジタル音声の扱いに優れたソフトウェア(プラグイン)は、ファイルベースでのラウドネス解析が可能であったりと、ユーザーのニーズに合わせた様々な機能を実装しているのが魅力。ハードウェアは、メータとしての視認性、そしてポスプロ作業の最終段に使用されることを念頭にAES音声のSDIエンベデッド機能を持つものなど、着実に進化を遂げています。
自動補正機能に関しては、ハードウェアの製品において中継の現場などで活用が始まっています。この分野も新商品の発売が続いています。ここ最近では、ファイルベースの自動補正エンジンを持つソフトウェアが多数リリースされ、過去アーカイブの一括変換等、アーカイブを所有する全てのポロダクション、放送局などで、活用できる商品もリリースされています。動画の音声部分だけを抽出し、補正後、再ラッピングしてくれるものまで登場しています。サーバーを利用した、ファイルベースでのワークフローなどを念頭に置くと効果的な運用が可能となることでしょう。
基準であるがゆえに、追求された誤差と信頼!?
ラウドネスメータの精度に不安があるというお話を耳にします。メータ(測定器)である以上、精度の出ていないものは、商品として成り立ちません。基本的のどのメーカーもITU-R.BS 1770-2と呼ばれるラウドネス測定基準に則ってメーターをリリースしています。しかし、実際のところはどうなのでしょうか?
ファイルベースで、スタートポイント/エンドポイントの特定が不可能な測定を行う以上は、100msというゲートのスライド幅に対して音声の位置に誤差が生じます。これが原因で生じる測定誤差の理論上の最大値が±0.1LKFS、これは手動でスタート/ストップを行う以上、回避の出来ない問題となります。
もう一つの要因が、ITUの規格書には記述のない小数点以下第2位の値の取扱に関して。表示に関しては、小数点以下第1位までの表示を行なっているのですが、2桁目に関しての扱いに違いがあることが、現在懸念されています。ARIB TR-B032には2桁目は四捨五入と明記されているのですが、ARIBプリセットを持つ機種すべてが四捨五入を行なっているのかという所がポイントとなっています。これにより、各ゲーティングブロックの値に誤差が生じ、ロングタームの積算値にも誤差が生じるということになります。こちらも、理論値としては±0.1LKFSの誤差を生じる可能性があるということになります。
合計すると±0.2LKFSの誤差が生じる可能性を、現状の機器は持っているということになります。この問題に関しても、スタートストップの部分は今後も課題になるとして、残る部分に関しての検証は弊社でも進行し皆様の商品選択のお役に立てればと考えております。
今まさに、運用に向けての動きが加速
アナログ放送開始後、初めての音声に対した大改革となるラウドネス運用。実際の運用はどの様になるのでしょうか?
運用規定上はターゲットレベルを-24LKFS(±1LKFS)との記載がありますが、あくまでもポスプロ作業を通過する作品に関しては-24LKFSがターゲットとなり、+1LKFSの部分は生放送用のマージンとしての運用となるよう、各団体からガイドラインの準備が進んでいます。今後も、民放連からのTR-B032だけでなく、各局ごとの細かい規定がリリースされることが予想されます。実運用に向けて、運用側も、制作側も大きな変革の時期となっています。
この原稿執筆時点でも、再放送を念頭にした作品に関してはラウドネスを想定しての作品納入をプロダクションから求められたり、実際のラウドネス運用は未だかつて無い勢いで始まっています。どのラウドネスメータを選べば良いのか?ご質問を受けることが多くあります。前述の誤差の問題が、一人歩きをして、良いメータと悪いメータがあるような勘違いをされている方も中にはいらっしゃいます。しかし、ITU-R.1770-2対応のメータであれば、見当違いの値を返すことはありません。測定方法に起因する誤差を含んでいるということで、±0.1LKFSの誤差は、許容範囲とするしかありません。この様な事実を元に、実運用上のメータとしての特色を中心に各プロダクトのご紹介を御覧ください。
ROCK ON PROでは、あなたのニーズにあったスタイルを確認いただく各種プロダクトの貸出を行っております。お気軽に担当洋介(TEL:03-3477-1776)までお問い合わせください。
RTW オーディオメータのリーディングカンパニー
RTWは1965年ドイツのケルンで設立されたオーディオメータ専業メーカーです。40年以上前から世界中の放送局やスタジオ向けにピークメータ、位相計やベクトルスコープを提供してきました。サラウンドが話題に上がるとともに革新的なサラウンド監視方式であるサラウンドサウンドアナライザを開発し、業界をリードしてきました。ラウドネスについても基準策定時からEBU内ラウドネスワーキンググループに参加して規準策定に大きくかかわっており、製造販売のみならず技術開発においてもオーディオメータのリーディングカンパニーとあるべく日々努力しています。
Pick Up Review : Touch Monitor TM3
◆メータはどれも無骨で無機質で。。。
TM3は、メータらしからぬスタイリッシュなデザインのラウドネスメータです。見やすく美しい液晶画面は見る者を魅了して「使いたい」と思わせます。曲線を多用したフォルム、ハードのボタンが一つも無く全てタッチパネルで操作するというスマートフォンのようなスタイルは現代のクリエイターに良く似合います。
◆見かけだけで中身は大したことないんじゃないの?
ARIB TR-B32準拠の平均ラウドネスメータはもちろん、モーメンタリラウドネスメータ、ショートタームラウドネスメータ、ラウドネスレンジメータにトゥルーピークメータも搭載しています。
◆多機能だと見づらかったり使いづらかったりするじゃない?
TM3は使用する機能、画面のレイアウトをユーザーがカスタマイズできます。「平均ラウドネス値とトゥルーピークメータしかいらない」という場合は平均ラウドネス値の数字表示機能とトゥルーピークメータだけ表示してあげればよいのです。カスタマイズしたレイアウト(プリセット)は10種類まで本体に記憶でき、タッチパネルを優しくスライドさせるだけでプリセットを切り替えることができます。
◆良さそうなのはわかってきたけど縦長のメータを卓の上に置けないよ?
TM3は画面レイアウトだけでなく、本体の向きも変えることができるのです。縦長のメータが邪魔だと思う方は横置きで使って下さい。縦横の切り替えは画面を縦か横にスッとタッチするだけです。
◆でも設定変更ってめんどうなんでしょ?
TM3の設定は専用の設定編集ソフトDC-1を用いて行えます。メータウィンドウをダブルクリックするだけでそのメータの設定変更画面が呼ばれます。大きさの変更はメータウィンドウをドラックするだけです。
TouchMonitorシリーズ
TM3シリーズにはステレオタイプのTM3と6ch対応のTM3-6CHがあります。TM3とTM3-6CHは基本的な機能は同じですが、AESが3系統同時に測定できます。これは5.1サラウンド対応でもありますが、2ステはもちろん3系統までのステレオラウドネスを同時に測定できるのも嬉しいところです。
RTW社ではTM3以外にもTM7、TM9というトータルオーディオメータも展開しています。TM7/9は位相や周波数解析、サラウンドアナライザも表示可能で、1台で全部見たい!という方にはTM7やTM9がマッチしています。
TouchMonitorシリーズ ラインナップ
TM3 ¥204,000(税込) |
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Jünger Audio 「ユンガー・オーディオ」社はベルリンに本社を置くデジタル・オーディオ機器を中心に製造・開発を行っている企業です。社長の Jünger 氏は長年放送局に勤務し、蓄積したノウハウを元に Jünger Audio 社を設立しました。Jünger Audio は本国ドイツを中心にヨーロッパ各国からアメリカ、世界各国の放送局、レコーディング・スタジオ、マスタリング・スタジオに実績を持ち、今も新たにデジタル・プロセッサーの製品開発を行っています。
Pick Up Review : T*AP
Jünger T*APは、Jünger Audio伝統のLEVEL MAGIC™ ver.2 アルゴリズムを搭載した8chオーディオ・プロセッサーです。
LEVEL MAGIC™ はマルチループ・ダイナミクスコントロール理論に基づく緩やかなレベル変動に対応したAGCと素早いレベル変動に対応したトランジェントプロセッサ、先読みによるトゥルーピーク制御の組み合わせにより、あらゆる音声素材でポンピング、ブリージングや歪なしにレベル調整するアルゴリズム。これに各国のラウドネス規格(ITU-R BS 1770、ARIB TR-B32など)を適合させたのがLEVEL MAGIC™ ver.2です。LEVEL MAGIC™ ver.2 アルゴリズムがラウドネスの安定度を保つ有効な解決手段となります。
本機は、標準搭載のデジタル(AES3)入力と2つのオプション・スロットを介して、SDI の全バージョン(SD、HD、3G)を含む他の一般的な音声フォーマットを扱うことができます。また、プロセッサー本体はEthernet接続で取外し式のフロントパネルを使って制御可能ですので、1台のフロントパネルで複数のプロセッサーを管理したり、ラック室に設置したプロセッサーを卓上手元で管理するなど、設置場所や制御方法に大きな自由度を提供します。
フロントパネルだけで各chのショートターム・ラウドネス値、ロングターム・ラウドネス値など必要とする情報を表示可能ですが、PCとの接続によりブラウザ上で各chの入出力情報などのバーメーター、プロセッサーのルーティング情報、GPI制御、プリセット管理など緻密な設定管理が可能です。
ラインナップ紹介
LEVEL MAGIC™ ver.2を搭載した、ラウドネス・コントロールユニットのラインナップ。用途に合わせ3種類をリリース、全てに2重化電源を用意するなど、送出、中継現場等、クリティカルな用途での使用を想定した仕様。T*AP / LM4にはSDIもオプションで用意、GUI制御とともに現場のニーズに答えます。
T*AP T*AP ¥1,627,500(税込)〜 |
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主にテレビ送出やスタジオやアーカイブ用に設計された広帯域 8chプロセッサー(8×1、4×2、5.1+2)。 (3G対応)HD-SDIインターフェース、アナログI/Oはオプション対応 |
D*AP LM4 D*AP LM4-SP ¥945,000(税込)〜 |
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放送コンテンツ制作やラウドネス制御を必要とするテレビ放送局やビデオ制作、ポストプロダクションに適した4chプロセッサー |
D*AP LM2 D*AP LM2-SP ¥756,000(税込)〜 |
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ダイナミクス制御とラウドネス制御の強力な組み合わせを提供する、テレビ、ラジオ、音楽制作、PA を含む幅広い用途に適した2chプロセッサー (2012年9月以降発売予定) |
デンマークの名門音響機器メーカー、TC Electronic。90年代よりFinalizerや、MD3(M5000用アルゴリズム)、昨今ではMD4、Brickwall Limiter(System6000用アルゴリズム)など、ワールドワイドで定評あるダイナミクス系アルゴリズムを輩出している。特にマルチバンド・ダイナミクスや、リミッターなどの音声処理精度は高く、オリジナル音声に忠実な処理が特徴。自らを「ラウドネス・オーソリティ」と冠し、ラウドネス問題に対してコミットする姿勢を打ち出しており、今後の新技術、新開発に大きな期待の持てるメーカーである。
Pick Up Review : TM7 / TM9
2003年初頭より老人性難聴などの研究を進めてきた同社。その結果を基に開発したラウドネス・メーターは、ラウドネス値の推移を同心円状のレーダーとして表示するユニークなGUIが最大の特徴だ。この画期的なGUIでは、プログラム・ラウドネス、トゥルー・ピーク、ショートターム、モメンタリーといった値に加え、レーダーによってそのプログラムにおけるラウドネス値の推移を一目で確認/監視することができる。瞬間値ではなく、積算値を見る必要のある「ラウドネス」という概念に対応する非常に優れたアイデアだと言えよう。さらに同社が初めて開発し、その後EBU R-128規格に組み込まれたラウドネス・レンジ(プログラムが持つラウドネス値の幅)も表示でき、ミックスの現場などではレーダーとともに強力なツールとなるだろう。
そのTC Electronic独自のラウドネス・レーダーとRTW社とのコラボレーションで実現したTouch Monitorシリーズは、9インチと7インチのタッチパネル・ディスプレイが選べるラインアップで、「モジュール」と称したRTW社の様々な測定アルゴリズムを追加することで、より包括的なオーディオ・モニタリングを可能にするTC Electronic社の意欲作だ。3G SDI対応オプションはTM9のみだが、ステレオ/マルチチャンネル入出力に対応するラインアップが用意されている他、GPI/O、USB、VGA、LAN端子が標準装備されており、運用現場に柔軟に対応することが可能だ。また、表示するモジュールの配置、リサイズが可能で、個別の設定値に加えてそれらの設定もプリセットとして保存することができ、運用現場はもとより担当者レベルのニーズに対応する。プリセットはUSBキーなどに保存してバックアップできるため管理も容易だ。
ラインナップ紹介
TC Electronic社のラウドネス・メーターは、『制作の初期段階から送出までのすべての音声編集現場で同一の管理ができるように』、というコンセプトの元、同社の持つ製品ラインアップ全てに同一の特徴的な『Redar Meter』を採用している。
DB4/8mkⅡ DB4&DB8mkⅡ ¥お問い合わせ |
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SDI入出力、ラウドネスレベルの補正等、放送局、中継現場などで必要とされる機能を盛り込んだラウドネス運用の中核となる製品 |
DB2 DB2 ¥577,500(税込) |
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ラウドネスレベルコントールに特化した2chの製品、小規模な現場に最適です。 |
LM2 LM2 ¥262,500(税込) |
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AES入出力を備えた2chのラウドネスメータ・ユニット。外部のPCとUSB接続することで、『Redar Meter』の表示も可能。長時間のLog記録ができるのもこの機種の特徴の一つです。 |
P2 -Level Pilot- P2 -Level Pilot- ¥504,000(税込) |
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自動レべル補正エンジンとして高い精度を誇るP2もバージョンアップで、ラウドネスに対応しています。 |
LM6 LM6 ¥73,500(税込) |
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いち早くAAXプラグイン化したラウドネスメータ。VST,AUでも使用可能なので、ホストを選ばずにハードウェア製品と同じ『Redar Meter』表示が可能です。 |
「VU計のヤマキ」として音量計の老舗であり、放送局、録音スタジオなどで音量のリファレンススタンダードとして広くご採用いただき絶対の信頼得ています。ラウドネスメータ( ISO532B(等ラウドネス曲線) )の開発は1998年からNHK技研殿と行っており、その経験からリアルタイムに「音を見せる」コンセプトで、今回ITU-R BS.1770-2に対応した製品を開発しました。1軸2針メータを採用したVUライクな表示や高精細度LED表示、必須機能をシンプルに実現した操作部など現場の使い勝手を追求したラインアップを用意します。
Pick Up Review : YLM-ND02TS
1軸2針メータを搭載した、リアルタイムに音を操るユーザに好評な製品です。従来のVU計を使い慣れた環境で、平均ラウドネス値をターゲットラウドネスに近づけるために必要なモーメンタリラウドネスとショートタームラウドネスを1軸2針メータに同時表示します。またオプションのYLM-RBと組み合わせることで、平均ラウドネス値の測定START/PAUSE、RESET操作を手元で行うことも可能です。平均ラウドネス値表示、トゥルーピークインジケータ表示および、HD/SD-SDI、AES入力( 5.1chマルチチャネル対応 )を搭載したコンパクトな筐体に必要機能を凝縮した1台となっています。
ラインナップ紹介
ラウドネスメータのラインアップです。用途に合わせた機種、全てにオプションのYLM-RBが使用可能など、各現場での使用を想定しています。どの機種も視認性が良く、操作が容易であることから、すぐに使用することができます。
LLM-miniⅡ LLM-miniⅡ ¥92,400(税込) |
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平均ラウドネス値測定、サンプルピークインジケータ表示のみ搭載した単機能モデルです。コンテンツの出荷検査、受け入れ検査および、ファイリング作業などのレベル確認用としてコンパクト、安価で好評です。オプションのYLM-RBと組み合わせることで、手元で測定操作が可能ですので検品などの作業効率が改善できます。 |
Nugen Audioは、マスタリング・エンジニアJon Schorahによって英国ロンドンで2004年に設立された、比較的新しいプラグイン・デベロッパーです。ここで紹介するVisLM-Hをはじめとするラウドネス関連製品以外にも、音響解析プラグインVisualizer、全周波数帯域にわたってカーブ、位相が歪まないリニア・フェイズEQ、SEQシリーズ、モノ互換性を保ったままステレオ音像を実現したStereoizer、低音域の位相の乱れを補正してモノにするMonofilterなど、マスタリング・エンジニアらしい視点と音響理論が結びついた製品をリリースしています。
Pick Up Review : LM-Correct
LM-Correctは、リアルタイムの処理が必要だった従来のラウドネス・レベル分析・補正に対し、これらの処理を自動化、高速化すべく設計されたAudio Suiteプラグインです。
ラウドネス規格を考慮せずにミキシングされたオーディオ素材を補正するために使うことも、NUGEN Audio VisLMなど、リアルタイムのラウドネス・メーター・プラグインと併用して、要求されるラウドネス値を満たすよう、微調整に使うことも可能です。ARIB TR-B32、EBU R128、ATSC A/85、ITU-R BS. 1770-2といった豊富なプリセットを利用して、規格に沿ったラウドネス値が自動で設定され、シンプルな操作にも関わらず最小限の時間で高速処理を行うことができます。CPUの処理速度にもよりますが、60分のステレオ・ファイルなら、1分程度で、解析または補正を行うことができます。
複数のクリップを選択してAudio Suiteでプロセスすることも可能ですが、セッション内で使用しているプラグインによる効果や、フェーダーによるゲインの設定などは結果に反映されませんので注意が必要です。編集中は、ProTools HD v7.4以降に搭載されているディストラクティブ・パンチ・レコーディング機能を使って、ミックス後のファイルが常に一本化された状態を作っておけば、バウンス作業に実時間をかけずに、計測/補正を行えるので便利です。
LM-Correctは、最終段階のセーフティネットとしての役割も果たします。完成したファイルに、ラウドネス仕様を満たさないエラーが発見された場合、これをその場で補正することができます。
ラインナップ紹介
VisLM-H Loudness Meter VisLM-H ¥38,850(税込) |
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Nugenのラウドネス・メーター・プラグイン、VisLMは、Pro ToolsやNuendoをはじめ代表的なDAWソフトウェアでプラグインとして動作し、編集段階からラウドネス値を意識してミックスを行なうことを可能にします。 |
LM-Correct LM-Correct ¥34,650(税込) |
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インテグレーテッド・ラウドネス値の正確な値を求めるには、プログラムの最初から最後まで計測する必要があります。LM-CorrectはAudioSuite対応プラグインで、計測/補正作業をCPUの計算スピードで行なうことが可能です。 |
LMB LMB ¥85,050(税込) |
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ラウドネス値を監視、自動補正するスタンド・アローンのソフトウェア。ファイルが一括管理されているサーバーにアクセスすることも可能で、追加されたファイルを常にモニターし、自動でログを保存/自動補正します。 |
*記事中に掲載されている情報は2012年07月18日時点のものです。