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メジャーバージョンアップ級のアップデート内容満載!Media Composer 8.4リリース

1500709_avid_information先日のPro Tools 12.1リリースに引き続き、AvidよりMedia Composer 8.4がリリースされました。今回はメジャーバージョンアップではないものの、新規追加機能や機能改善など、じつに多くの機能が搭載されました。20項目近くのバージョンアップがされたバージョンですが、どんな機能が追加されたのでしょうか?気になる主な追加機能をご確認ください。

・カスタムフレームサイズのプロジェクト

プロジェクトを新規作成するとき、ラスターサイズをカスタマイズし、手動で設定可能になりました。しかも、フレームレートは23.976fpsから60fpsまで現在サポートされているフレームレートすべてに対応。ちなみに、最小サイズは256×128から、最大サイズは8192×8192まで入力可能です。
今まではここの解像度が固定のみでしたので、自由に解像度をカスタマイズすることができ、カスタムを選択した時のみ、ウィンドウ右下の「Save Preset」が有効になります。
ここでセーブした内容は「My Preset」として保存され、次回から使用することが可能です。
※ただし、一度プロジェクトを作成してからのフォーマット変更時にはラスターサイズをカスタマイズすることはできないようです。
RasterDimension

・XAVC-I および ProRes ネイティブサポート

今回、新たにSony XAVC-IとApple ProResのコーデックをネイティブで対応しました。もちろん、Media Composer 8.4は4Kまで対応しておりますので、これらのコーデックも4Kまでネイティブ対応。それぞれのクリップがリアルタイムで再生されます。(NAB2015では、このあたりの情報が好評されておりました。)

・クローズドキャプションの機能強化

まず、D-Trackからクローズドキャプションの情報がレコードモニタ、ソースモニタ、ポップアップモニタ上でプレビューすることができるようになりました。プレビューしたいモニタ上で右クリックすることでキャプション表示され、かつD-Trackへと表示されます。
クローズドキャプションをテキストとしてエクスポートも可能です。また、タイムライン上でのクローズドキャプション内テキストを検索も可能です。
こちらの機能は残念ながら日本語未対応とのことですが、今後の対応が期待されます。

・シーケンスからのカラーアダプター削除

シーケンスからカラーアダプタを削除することが可能になりました。カラーアダプタのバージョンを保存するためにシーケンスをコピーしてから、シーケンスを右クリックで「シーケンスを更新」からRemove Color Adaptersを選択すると、シーケンス上からカラーアダプターが削除されます。この作業はシーケンスレベルで削除されますが、マスタークリップ上のアダプタには影響しません。カラーアダプタを削除したシーケンスは、AAFへのエクスポートが可能になります。
RemoveColorAdapt

・タイムラインの検索機能向上

タイムラインウィンドウの左下に検索のためのTimeline Quick Findフィールドが追加されました。ここで入力した文字をタイムライン上で検索できます。
しかも、レゾリューション、クリップ名、コメント、マーカ、全て検索対象まで絞り込むことが可能です。
TimelineQuickFind

・キャプチャのサポートフォーマット

今回新たに2K・4K・UHDなどのキャプチャーが可能になりました。
対応したフォーマットは下記の通りです。

Project Format Frame Size Frame/Sec
1080p 1920 x 1080 50p,59.94p,60p
2K 2048 x 1152 23.976p,24p,25p
2K Full Aperture 2048 x 1556 23.976p,24p,25p
Ultra HD 3840 x 2160 23.976p,24p,25p,50p,59.94p,60p
4K DCI Full 4096 x 2160 23.976p,24p,25p,50p,59.94p,60p

・モニターのリサイズ

コンポーザーウィンドウを単一のモニタとして表示させた際のリサイズがより広範囲になりました。今までよりも大きく表示が可能になりますので、より細かな編集時や4Kをプレビューしているときなど作業効率が格段にあがります。
MonitorResize

・Link (旧AMA)の 改善

以前までAMA Linkと呼ばれていた機能がLinkという名称に変わりました。この名称変更に伴い、設定ウィンドウではLinkとして表示されます。もちろん、今までサブメニューなどで「AMA Link to Media」として表示されていたメニューもAMAが外れ、「Link to Media」という表記に変わります。
メジャーバージョンアップではないだけに、ここは要注意です。
ただし、Media ComposerのアプリケーションからAMAという言葉が完全になくなるのではないようです。コンポーザー画面で右クリックすると、「AMAファイルエクスポート」という単語が残っていたり、コンソールにてAMAと検索してみると、従来通りAMAに関連する項目が表示されておりました。
Link

・カラーレベルの表記変更

今まではコンピューターRGB(0−255)、コンピューターRGB、ディザ画像カラー、601 SD/ 709 HD(16-235)という表記だったものが、より直感的な表記に変更されました。Import設定ではDo not modify,treat as legal rangeとScale from full range to legal rangeへの2種類、Export設定ではKeep as legal RangeとScale from Legal to Full Rangeの2種類になり、判断に迷うことがなくなります。

・タイムライン上のアダプター表示

今まで、ソース側にカラー・Spatial・Temporalアダプタがあるときは緑色のドットが表示されていましたが、今回のバージョンアップで、カラーにはC、SpatialにはS、TemporalにはTとイニシャルが表示され、それぞれどのアダプタがかけられているかがわかりやすく変わりました。
TSC

・リストツール改善

リストツール自体はMedia Composer 8.3で搭載されましたが、この機能自体が改善されました。改善されたポイントは以下の通りです。
・EDLイベントにハンドルを追加可能
・プレビューウィンドウにツールバーを追加
・EDL EventでのTimeline Blue Barへの対応
・フォントザイズボタンの追加
・編集モード時の背景色の変更
・編集モード時有効な検索ツールボタンの表示
・リストのプリントアウト対応
・リストのクリア

・Media Composer | Cloud内でのバックグラウンド処理

今までのバージョンでは、編集アプリケーションとMedia Composer | Cloudのトランスコードサービスは別々にインストールされ、互換性がなく、ダイナミックメディアフォルダが使用できませんでした。今回のアップグレードでは、トランスコードサービスが統合されましたので、ダイナミックメディアフォルダでバックグラウンドレンダーとバックグラウンドトランスコードが実行できます。

・AAX プリセット機能対応

Media Composer7で対応していたPro ToolsのプラグインフォーマットであるAAXプラグインに搭載されているプリセットが使用できるようになりました。また、Userプリセットも作成することができるようになりましたので、Pro Toolsで作成したプラグインセッティングを書き出しておけば、Media Composer上でもそのプリセットを読み込むことも可能です。
AAX

・Quicktime DNxHRでのアルファサポート

アフターエフェクトなどのサードパーティー製アプリケーションを使用してのQuickTime DNxHRのアルファチャンネルが対応されました。この機能を使用するには、DNxHR QuickTimeコンポーネントをインストールする必要があります。

・非アクティブなオーディオトラックを含むエクスポート

今回のバージョンから、非アクティブに設定したオーディオトラックもエクスポート可能になりました。Export設定からチェックを入れることで、出力時に非アクティブトラックを含めるか、除くかの選択が可能です。
Inactive

・HDプロジェクトのオリジナルメディアfpsでのトランスコーディング

Media Composer 8.3ではラスターサイズをプロジェクトに合わせるのか素材のサイズに合わせるのかを設定できるようになりましたが、今回のバージョンアップではさらにフレームレートをプロジェクトかクリップ素材のままにするのかを設定できるようになりました。

・リンクメディアのリフォーマット

リンク設定に新しく、リンクされたメディアに対するリフォーマット設定を設定可能になりました。設定できる項目はストレッチ、ピラーボックス/レターボックス、センタークロップ、中央でサイズを維持の4つです。また、常にSD画像を16:9で設定する項目も設けられました。

・4 chオーディオモニタリング

オーディオミキサーツール及び、オーディオプロジェクト設定で今回新たに4chのモニタリングオプションが追加されました。
4chの組み合わせは下記の通りです。
・4 channel LRCLfe:L R C LFE
・4 channel LRCS:L R C S
・4 channel Quadraphonic:L R Ls Rs
従来のMono、Stereo、5.1(Pro ToolsおよびSMPTE)、7.1(Pro ToolsおよびSMPTE)、Direct(Pro ToolsおよびSMPTE)とあわせて、計11種類の中から選択となります。

・GPUサポート追加

今回のリリースで、FirePro w7100とw8100 AMDグラフィックカードがサポートされました。
また、Quadra FXシリーズに代わり、NVIDIA Driver 347.52が新しいグラフィックスカードに認証されました。
SubscripsionやStandard Avid Supportへ加入されているMedia Composerユーザーは、これらの機能が無償でアップグレード可能です。(各種ライセンスの有効期間にご注意ください。)My AvidやAvid Video Download Centerより最新版の8.4が入手可能ですので、ぜひダウンロードしてお試しください。

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*記事中に掲載されている情報は2015年07月09日時点のものです。