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ROCK ON PRO
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コンパクトなライヴサウンド・ソリューションdigidesign VENUE SC48登場!その実力をいち早くレポートします!
この数年でPA/SR業界にも押し寄せてきたデジタルコンソールへの機材更新の波。各メーカーの製品も世代を経るごとにユーザーインターフェイスを改良し、より使いやすいデジタルコンソールをリリースしてきた結果、この1、2年でユーザーサイドもデジタルコンソールへの理解が深まり、デジタルコンソールを使いたいという気運も高まっているようです。国内メーカーもデジタルコンソール開発には熱心で、YAMAHA、Roland、FOSTEX・・・と各社、国内PA/SRカンパニーの実情をよく踏まえた製品ラインナップでその地位を確立しようと奮闘しているのがよくわかります。
そのPA/SRのジャンルにおいて、国内外のメジャーアーティストのツアーを支えるデジタルコンソールのひとつが“Digidesign VENUEシリーズ”です。VENUEシリーズには「D-Show」、D-Showをコンパクトにした「D-Show/Profile」という2ラインがありましたが、今回さらにコンパクトになりコストパフォーマンスに優れた「SC48」が発表されました。
今回は5月20日に東京・恵比寿で開かれたDigidesign内覧会にて発表された「SC48」をいち早くレポートします。
まず「SC48」の基本スペックですが以下のとおりです。
- 上位の「D-Show」「D-Show/Profile」とのコンソール情報の完全互換性
- 完全一体型コンポーネントのデジタルコンソール
- 48アナログ入力(XLR MIC/LINE対応)
- 16アナログ出力(XLR)
- 16本の入力フェーダー、8本の出力フェーダー、1本のメインフェーダー
- 上記フェーダーに加え、新たに搭載された1本のフレックスチャンネルフェーダー
では、何が上位の「D-Show」「D-Show/Profile」と違うのでしょうか。
- D-ShowラインナップではSideCarで増設できるフェーダー数も、SC48では増設できない。
- ミックスの全てを司るDSPカードは2枚を搭載し、これ以上の増設はできない。
- DSP資産を最適運用しても外部プラグインは20個までしか起動できない制限。
- 入力は48CHアナログを標準搭載し、これ以上の増設は出来ない。
- Pro Toolsを接続したシームレスなPLAYBACK、RECが可能だがPro Tools LEのみ。
上記のように、主に将来的なアップグレードや、付加システムの利用を割り切ることで大幅なコストダウンと、サイズダウンを可能にしたのがSC48といえるでしょう。しかしそれ以外の機能や音質にはまったく差異は無く、上位の「D-Show」「D-Show/Profile」とのコンソール情報の完全互換性がある点は、評価すべき点でしょう。SC48とD-Showはスタンドアロンでの基本的性能はまったく同じなのです。
写真をみていただくとわかるのですが、左から16本の入力フェーダーストリップはフェーダー1本に1個のマルチファンクションエンコーダー、SOLO、 MUTE、SELECTのボタン、入力レベルメーターを備えた伝統的なPAコンソールを踏襲したスプリット型の配置となっており、直感的にわかりやすい配置となっています。
1〜16CH、17〜32CH、33〜48CHのバンク切り替えも、エンコーダー下のディスプレイに表示されるチャンネル名のおかげで迷うことも無く、視認性に優れた自照式ボタン一発で切り替わるのでストレスの無いオペレーションが可能です。
入力フェーダーが16本しかないことに不安を感じる方もおられるでしょうが、あらかじめリハーサルなどでVCAグループを組んでおけば、表面に見えていないときでもVCAとして操作が可能。しかも今回のSC48リリースにあわせたVENUEソフトウェアのバージョンアップで「VCAスピル」が機能として加わり、VCAマスターのSELECTボタンをダブルクリックで瞬時にグループ内のフェーダーが入力フェーダーにアサインされ、VCAグループ内のミックスバランスをサクッと整えられるという強力な機能ができました。この機能はミックスの完成度向上にとても有効な便利機能です!
ドラムのグループ内のバランスを瞬時に整えたい時、コーラスグループのバランスを整えたい時、空間系エフェクトのバランスを整えたい時・・・。VCAさえ組んであれば、どんな盤面状況であってもその入力フェーダーが瞬時に手元に飛んでくるので、忙しい現場でもパニックにならずにすむ頼もしい必須機能でしょう!
またSC48に新たに搭載されたフレックスチャンネルフェーダー(以下FCフェーダー)は、各入力チャンネルのSELECTボタンで選択されたフェーダーが呼び出されるフェーダーですが、FCフェーダーのSELECTボタンを見ると「LATCH DBL PRESS」の文字。なんとここをダブルクリックでFCフェーダーに呼び出されたフェーダーをFCフェーダー上にロックしつづけることが出来るのです。
たとえボーカルは17〜32CHのバンクにあって、ギターは32〜48CHのバンクにあるような場合、ボーカルをコントロールし続けるためにSELECT ボタンを押し、FCフェーダーに呼び出してダブルクリックロックすることで、互いに違うバンクにいるギターとボーカルのコントロールをすばやく両立できるのです。従来からD-Showラインナップに搭載されていたレイヤーセーフ機能(FCフェーダーのロック機能とほぼ同じ)とあわせて更に便利になる機能です。
また、チャンネルコントロールセクションは8つの押下げ型ノブエンコーダーが装備されており、EQモード、COMP/LIMモード、EXP/GATEモードを切り替えて使用できます。加えてUSERアサイナブルモードとして、8個のエンコーダーに前述のEQなど3機能以外に、AUX、INPUTGAINなど、VENUEに搭載された全てのノブ機能を
アサイン可能。各モードでエンコーダーは色分けされており、EQ=緑、AUX=紫、COMP=青、EXP=黄色、GAIN=白など、色を覚えると直感で手が届くよう設計されています。ステージ進行中に常に手元においておきたい必須のパラメータを素早く操作することが出来る非常に便利な機能として注目を集めていました。
チャンネルコントロールやマスターコントロールのセクションも、初めてSC48を見た私にも一目で操作方法が推測できるような洗練された配置で操作に迷うことはありませんでした。
そのほか、自由に出力バスを組みなおす機能や、演劇の転換などに有効なGPIコントロールでのシーンリコール、痒いところに手の届く自由なスナップショット機能など、ほしいと思っていた機能が全て揃っているのがSC48を含めた「VENUEシリーズ」だなと再認識できました。
SC48は小さいながら、Digidesignがワールドワイドに実績を積み上げてきたD-Showラインナップのノウハウを注ぎ込んだ結晶ともいえるプロダクト。
知ってのとおりDigidesignといえば、音楽業界のデファクトスタンダード「Pro Tools」を生み出したメーカー。実質的世界標準となった Pro Toolsと同じエンジンを利用しレコーディングクオリティでのPA/SRを可能にしたのが“VENUE”ですが、中小規模の現場が多いPA/SR カンパニーさんでは、従来のD-ShowやD-Show/Profileではオーバースペックとなり、採算の面からもなかなか導入に踏み切れないと言った声もあり、今回はそうした声に応える形で「SC48」をリリース、新ラインナップ投入です。
プロダクト担当の宮村氏に詳細をお聞きしながら、駆け足でのレポートとなりましたが、VENUEディーラーでもあるROCK ON PROとしても、より用途のはっきりとしたラインナップが整い、より細かなニーズに合わせたご提案をさせていただけるソリューションになったと思います。
SC48の価格はYAMAHAのM7CLに対抗する「300万弱」という、性能と可能性を考えると驚くほどの低価格です。すでに本国ではものすごい数のオーダーでパンク状態だとか。日本も既にバックオーダー状態・・・様々な現場でVENUEを目にする事も多くなってきた我が国ですが、SC48のコストパフォーマンスによって、さらに接する機会が増える事は間違いないでしょう!
ROCK ON PROのみならず、Rock oN Companyでもお取り扱いいたしますので、お気軽にお問い合わせください。お待ちしております!
digidesign VENUE SC48について詳しくはこちらもご覧ください>>
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