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佐々木 一成
[ROCK ON PRO Section Leader]20年以上に渡り、数々の機材の変遷を経験してきたそのキャリアはRockoN随一。長らくRockoN Store Managerとして活躍し、その豊富な経験と知識でお客様それぞれにマッチした提案を行なっている。Techno、Houseなどを音楽的なベースに持ちつつも、シンセ関係からアウトボード、スピーカー、アクセサリーや電源関係などそのノウハウも幅広い。
あの銘機がついに最終オーダーに!! Sony/C-800G/9X+AC-MC800G/9X !!
あって当たり前のものがなくなるということは、やはり衝撃的です。90年代初頭から幾多のレコーディングを支えてきた、あのC-800Gがついに最終出荷とアナウンスされました。デジタルレコーディング時代の訪れとともに、それにマッチするよう真空管のニュアンスとスピード感を両立させ、独特なフィンでの冷却など技術面でもエポックメイキングであったC-800G。まだまだ現役でスタジオ稼働してる例も多数な状況で正直なところまだディスコンは早いのでは、、と感じてしまいます。
ソニー・太陽株式会社でハンドメイドされる様子はちょうど昨年の今頃にレポートさせていただいたばかり。クラフトマンシップが溢れる工芸品のような存在であったC-800Gを手に入れる、、というよりは確保するラストチャンスとなります。ROCK ON PROでは最終オーダー分の在庫を確保、もちろん数量限定かつご納品までの期間も要しますが、まだまだあのサウンドを必要としているプロフェッショナルも多いはず。大変惜しくもありますが、最終オーダーのお知らせです!!
◎ついに最終オーダー!!
Sony / C-800G/9X + AC-MC800G/9X
価格:¥853,200(本体価格:¥790,000)
予定納期:3~4ヶ月以上
◎ご参考記事リンク
ソニー・太陽株式会社 国産マイクの系譜、日本が誇るべきクラフトマンシップ
◎800Gは800Gでほかに代わるものがありません
あの800Gが最終オーダーです。90年代から存在した定番中の定番であり、ディスコンは実に惜しいニュース。店舗でも定期的な真空管のメンテナンスで持ち込まれることも多く、エンドユーザーからも並々ならぬ愛情を持って扱われていました。そして、800Gといえば真っ先に思いつくのがあの「フィン」。あの根本に真空管が格納されており、その放熱をペルチェ素子を用いてフィンが行うのですが、開発の結果で生み出された必然とはいえ、そのルックスがスタジオで特別な印象を放っていたのも事実、800Gのアイコンともいえます。そのサウンドも高域の伸び方が特徴的で、Neumannでもなく、Braunerでもなく、いわゆるチューブではない800Gならではのサウンド。アタックをはっきり捉えるのにその特長であるスピード感が活きます。やはり、800Gは800Gでほかに代わるものがありません。(佐々木)
◎メインソースのRecに、この先も外せない!!
800Gと出会ったのはスタジオでのアシスタント時代でした。当時レコーディング前にとりあえず800Gと67をあっためておけばOK!というほど登場機会も多く、巨大な電源ユニットが只者ではないオーラを出していて、持ち運びにも緊張していたのを思い出します。スタジオでも800Gがセッティングされると、その見た目だけですでに独特な雰囲気を出していましたし、実際のところ高価なマイクですが、個人の方でもスペシャルな1本として導入される存在であり、スタジオで導入の方も「800Gがあるとそれだけでスタジオを使ってもらえる」とも言われるほど、使う側からしてみてもオンリーワンなマイク。ほぼボーカルに使われることが多いと思われますが、「上が速い」と評されることからも特に日本人のボーカルには重宝されているのではないでしょうか。それだけではなく音像の大きいサウンドが録れるのでメインソースのレコーディングに、この先も選択肢として外せません!!(清水)
培われた多くの技術とノウハウはC-100に受け継がれ、長年の生産を行ってきた職人の技はSonyマイクに引き続き息づいていますが、このサウンドはほかに代わるものが思い当たらない、というのがC-800Gの残してきた実績の証ではないでしょうか。なお、今後の保守メンテナンスについては従来通りということですが、新品は今回で最終オーダーです。このニュースを見て単純に「驚いた」という方は、きっと800Gに心残りがあるのではないでしょうか。数量もわずかになりますので、佐々木・清水までお早目のお問い合わせをお待ちしております。
*記事中に掲載されている情報は2018年12月21日時点のものです。