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澤口 耕太

広範な知識で国内セールスから海外折衝、Web構築まで業務の垣根を軽々と超えるフットワークを発揮。ドラマーらしからぬ類まれなタイム感で毎朝のROCK ON PROを翻弄することもしばしば。実はもう40代。

Pro Tools 2021.6 リリース ~ M1 Mac 対応、UltimateがHybrid Engine 対応!!


日本時間2021年6月25日未明、Pro Toolsの最新バージョンとなる Pro Tools 2021.6 がリリースされました。有効なサブスクリプション・ライセンスおよび年間プラン付永続ライセンス・ユーザーは、既にAvidLinkまたはMyAvidよりダウンロードして使用することが可能です。

主な新機能は下記記事をご参照ください。

Pro Tools HDX が Hybrid Engine に対応(Pro Tools | Ultimateのみ)


Pro Tools | Carbonのリリースとともに発表され、大きな話題となったHybrid Engine。Pro Tools + Pro Tools | Carbonという組み合わせでした使用できなかったこの機能が、Pro Tools HDX システムでも使用可能になりました。

これにより、Pro Tools | Ultimateソフトウェア単体で最大2048トラック/ボイスという大幅な機能拡張を果たしています。

Hybrid Engineについてのより詳細な解説は、下記Avidブログをご参照ください。
HDX用ハイブリッドエンジンについて
リ・レコーディング・ミキサー”ジョナサン・ウェールズ”による、HDX用ハイブリッド・エンジンの革新性に関する考察
Pro Tools | Carbon のレイテンシー処理はなぜ”高速”なのか?

コラム:Hybrid Engineって何がすごいの!?
 
従来のHDXシステムの仕組みは、Pro Toolsに関する処理を“原則としてDSPがおこなう”というものでした。そのため、最大ボイス数はHDXカード1枚あたり256ボイス、最大規模のHDXカード3枚構成でも768ボイスという制限がありました。
さらに、HDXシステム上でNativeプラグインを使用した場合、HDXとCPUの間をオーディオが往来することになり、その都度ボイス数を消費し、システムレイテンシーも増加していたのです。
 
これは、Dolby Atmosをはじめとした大規模化するオーディオポストプロダクションにおいて、作成できるセッションの規模やワークの効率を制限してしまう要因となってしまっていました。
 
近年のCPUは、最大能力という点ではすでにDSPチップを上回っています。しかし、CPUはオーディオ処理だけでなく、アプリケーションやコンピューター自体が動作するための数多くのタスクをこなしています。そして、それらのタスクに優先順位をつけることがCPUにはできないため、同じ操作をしてもレイテンシーやクオリティがつねに一定になるとは限りません。
 
同じ操作に対してつねに一定の結果を返す(「決定論的」と呼ばれる)、というHDXの利点は、レイテンシーやオーディオクオリティが絶対的に重要となるプロフェッショナルな現場において、これからも大きな意味を持つのです。
 
Hybrid Engineは、このCPUの性能とHDXの利点をともに最大限に活用するために開発された新しいコンセプトです。
 
Hybrid Engineでは、CPUを主役としてDSPを補助的に使用します。負荷の分散やニアゼロレイテンシー実現のために必要なトラックだけをHDXカードに処理させることで、Pro Tools | Ultimateにおける最大ボイス/トラック数はすべてのサンプリングレートで2,048まで増加しました。しかも、HDXカードがなくてもこの恩恵にあずかることが可能です。
 
また、CPUとDSPの処理は別々のプロセスとして処理されるため、DSPプラグインの後ろにNativeプラグインを使用しても、従来のようにボイスを消費することもなく、システムレイテンシーも大幅に軽減されるようになります。

Pro Tools 2021.6ではこのHybrid Engineを使用できるほか、従来のHDXシステム(HDXクラシック)も選択可能です。

Hybrid Engineによる恩恵が存分に生かされるイマーシブオーディオ制作に関する記事はこちら
音楽配信NOW!! 〜イマーシブ時代の音楽配信サービスとは〜
Dolby Atmos Music トライアル・パッケージを配布中!

M1ベースMacでの動作が可能に!(全てのPro Tools)

こちらも待望の公式サポート!! Pro Tools 2021.6では、Pro Tools | First、Pro Tools およびPro Tools | Ultimateの各ソフトウエアが、AppleのM1プロセッサー搭載Macで動作することが可能となりました。

全Pro Tools、Pro Tools 2021.6ソフトウエアおよびそこに含まれるAvidプラグイン、さらには、その上で動作するAvid コントロール・サーフェスが、Rosetta を介してM1ベースMacコンピュータ上のmacOS Big Surに対応しました。

しかし、残念ながらAvid ビデオ・エンジン、Pro Tools | HDX、HD Native、および、DADMan softwareApple silicon (M1)に正式対応していません。

業務用スタジオやMTRX / MTRX Studioをご使用のユーザー様は、まだM1 Macへのお買い替えはお控えくださいませ!

より詳細はAvid Knowledge Baseをご参照ください。
Pro Tools システム要件〜Pro Tools & Pro Tools | Ultimate ソフトウェアのシステム要件と互換性情報
macOS 11 (Big Sur) と Avid 製品の対応状況

UIテーマのカスタマイズ(Pro Tools およびPro Tools | Ultimate)


Pro Tools 2021.6では、ユーザー・インターフェースの色や明度を自由に変更可能となり、お好みの設定をプリセットとして保存し、いつでも呼び出すことができるようになりました。さらに、Pro Toolsの再起動無しで、ダーク・テーマとクラシック・テーマの切り替えも可能となりました。

H.265/HEVC ビデオ (Pro Tools | Ultimate のみ)


低ビットレートでより高品位な映像を実現でき、映像クリエイターの間で人気の高いH.265/HEVC (High Efficiency Video Coding)に対応しました。Pro Tools | Ultimateを使い、このH.265ビデオ・コーデックでのサウンド・プロジェクト作業が可能となり、インポート/エクスポートにも対応しています。

サイド・チェーン時の自動遅延補正対応 (Pro Tools およびPro Tools | Ultimate)


これまでPro Tools | HDX上でのみ可能だった、サイド・チェーン時の自動遅延補正がPro ToolsおよびPro Tools | Ultimateソフトウエアでも可能となりました。これにより、サイド・チェーンされたトラック同士を完璧にシンクさせることが、両ソフトウエア上で実行できるようになります。

Pro Tools 2021.6その他の追加機能/改良点
  • クリップ無しトラックのチャンネル幅の変更
  • 異なったチャンネル幅を持つトラックへのプラグインのドラッグ・アサイン
  • チャンネル幅別トラック表示フィルター(Pro Tools | Ultimateのみ)
  • Intel Turbo Boost 有効/無効 [ファン・ノイズ管理](Intel Turbo Boost 使用可能なIntel Mac上のPro Toolsのみ)
  • SyncX/Sync HD使用時改善点….他
  •  
    その他、詳細なバグフィックスなどはAvid Knowledge Baseをご参照ください。
    Pro Tools 2021.6 リリース・ノート


    大規模セッションへの対応を可能にするだけでなくよりスムースなワークフローを可能にするHybrid Engine、そして、待望のM1 Mac対応など、大きなブラッシュアップが果たされたPro Tools 2021.6。アップデート、新規導入のご相談はROCK ON PRO までお問い合わせください!

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    *記事中に掲載されている情報は2021年06月25日時点のものです。