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ROCK ON PRO
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変化をみせるPro Tools とAvid Video Engine。Pro Toolsで使えるビデオインターフェイスはこれだ!!
業界標準のオーディオ制作プラットフォームであるPro Tools。音楽制作の場はもちろんですが、MA編集作業でも大活躍しているのは周知のことだと思います。今年の4月には新しいビデオペリフェラルであるArtist|DNxIOが発表され、期待で大いに盛り上がっています。そこで、今回はMA編集には欠かせないビデオエンジンの仕組みについて、そして現在対応を発表しているビデオインターフェイスについてご説明・ご紹介したいと思います。
Pro Tools 10まではQuick Timeベースのビデオエンジンで動作しておりました。したがって、インポートできるコーデックはQuick Timeのみ。ちなみに、これはSteinberg社のNUENDOやCubaseも同じですね。ですが、Pro Tools 11からはビデオエンジンがAvid Video Engineに変更になりました。名前はもちろんですが、中身も大幅に変更され、AvidのDNxHDはもちろんのこと、SonyのXDCAMやPanasonicのAVC-IntraなどのMXFコーデックがインポートできるようになりました。
左の写真を見ていただくとわかるように、Pro Tooolsインストーラーには、このようなCodec Installerなるフォルダが増えました。ここの中にあるInstall Avid Codecs LE.pkgをインストールするとPro Toolsで使用できるコーデックが増えます。
ですが、そもそも「なんでビデオコーデックのインストーラーが別になったの?」という疑問が浮かんできますね。実は、Pro Tools 11からビデオエンジンがアプリケーションに含まれなくなりました。じゃあ、何のエンジンがビデオの処理をしているのか?といいますと、実はPro Toolsアプリケーションの裏で、まるでSatellite Linkのように連動したMedia Composerのビデオエンジンが動いているのです。
Media ComposerとはAvid社から発売されているビデオ編集用ソフトウェアで、こちらもアカデミー賞やカンヌ国際映画祭などの映画賞でノミネートされる映画作品や、ドラマを始めドキュメンタリーやバライティーなどのテレビ番組・配信動画サービスなどの制作現場で大活躍している、業界標準のアプリケーションです。
Media Composer自体は非常に多くのコーデックをサポートしているため、そのエンジンがPro Toolsで使用できるということは、対応コーデックの拡大につながるわけです。
実際に、先ほどのAvid Codecs LEをインストールすると増えるコーデックはこちら。
・Avid Meridien Uncompressed
・Avid Meridien Compressed
・Avid 1:1x
・Avid Packed
・Avid DNxHD
・Avid DV
・Avid DV100
・Avid MPEG2 IMX
なお、気になる今後の対応状況ですが、Pro Tools 12の時点でAvid Mojo DX、Nitris DXはもちろん、今秋発売予定のArtist | DNxIOも対応となります。サードパーティー製ビデオペリフェラルとしては、Blackmagic Design社とAJA社のビデオカードが正式にサポートされております。
(詳細はこちらを参照ください)
各社から正式にサポートされたビデオ・ペリフェラルはたくさんありますが、この中から何を注目して選べばいいのでしょうか?各社の代表的な製品を挙げて比較してみましょう。
・なんといってもメーカー純正!Avid Artist | DNxIO
今秋発売のArtist | DNxIOは、ビデオ系の新製品(なんと9年ぶり!!)として注目度が高いですが、新製品というだけでなくBlackmagic Design社とのパートナーシップとして初の製品リリースということも注目されています。
注目すべき点は、何と言ってもAvid初の4K対応機材ということと、接続がThunderbolt2とPCIeの両方を選べることが非常に大きいのではないでしょうか?映像編集の世界ではWindowsが圧倒的シェアを誇っていますが、Pro ToolsはやはりMacでシステムを構築されている方が非常に多いです。そのどちらにも対応できるよう、Thunderbolt2とPCIeが用意されているという訳ですね。また、LTC IN/OUTやRS422など、ありとあらゆるインターフェイスが実装されており、まさにフラグシップモデルといえるでしょう。
・種類の豊富さと低コストハイリターンなBlackmagic Design
Avidとのパートナーシップを契約しているBlackmagic Designからは3機種ご紹介したいと思います。
まずはUltrastudio 4K Extreme。Artist | DNxIOを紹介した直後なのでなおさらデジャヴ感たっぷりですが、Blackmagic Designが自社ブランドとしてリリースしたインターフェイスとなります。これら二つの唯一の違いは、Avidが自社のコーデックとなるDNxHR のコーデックチップを、Blackmagic DesignはH.265/ProRessのコーデックチップを搭載していること。両方とも12G-SDIも実装されており、4Kをターゲットとされています。
一方、MA作業はそこまで高解像度で作業はしない!という方におすすめなのがUltraStudio Express。こちらも接続はThunderboltですがSDI入出力1系統、HDMI入出力1系統、そして小さいながらもリファレンス入力を搭載しております。しかも、電源供給はThunderboltポートから。ただし、横幅167mmと非常に小型なので、RS422端子やリファレンス入力などがブレイクアウトケーブルになってしまいます。また、SDI出力が1系統しかありませんので、モニタを複数枚設置したい場合には、別途分配機が必要ですね。
3つ目はPCIタイプのDeckLinkシリーズからDeckLink 4K シリーズ。こちらは4K対応である12G-SDI対応のモデルと6G-SDI対応のモデルの計5つの製品が該当します。そもそもDeckLinkシリーズは、今からさかのぼること7年前、Pro Tools HD 8が初めてサードパーティー製ビデオペリフェラルをサポートしたのですが、そのときサポートされたのがこのシリーズ。当然当時サポートされた型番は既に生産完了となっておりますが、後継機種が続々と発売されており、その人気は不動のものとなっています。
・安心のクオリティと故障率の低さが人気のAJA
こちらもパートナーシップを契約しているAJA。AJAは、Avidのみならず、Adobe PremiereやApple Final Cutなどの映像編集ソフトで対応が表明されています。
AJAの最強コンビといったらKONA4、そしてK3G-BOXの組み合わせです。PCIeカードであるKONA4はNAB2014で発表された4K対応のビデオインターフェイスです。KONA4単体でももちろん使用可能なのですが、このカードはブレイクアウトボックスであるK3G-Boxを組み合わせて初めて本領を発揮するカードです。K3G-Boxを拡張することで、外部との接続性が格段にアップされます。通常、PCIeカードタイプのビデオカードは大半のコネクタがブレイクアウトケーブルで拡張しますが、その長さはせいぜい15cm程度で、コンピューターの背面でぶら下がっているイメージが非常に強く、コネクタを接続すると、その重さでPCIeカードにダメージを与えかねません。ですが、このような1Uのブレイクブレイクボックスに立ち上げると、その危険も回避できます。
こちらはThunderbolt接続のio 4K。ハーフラックサイズの筐体ですが、もちろんこのサイズでもRS422ポートを搭載。しかも、ブレイクアウトではなくポートとして背面に実装されているのはさすがAJA。そして、Tunderbolt2ポートを2系統搭載しているのでデイジーチェーンにも対応していますので、高解像度ディスプレイや大容量ストレージなど他のデバイスと接続しやすく、Thunderboltのポートをつぶさずに済みます。
このように、Pro Toolsに正式対応しているビデオペリフェラルは高性能なものがたくさんリリースされています。各社Avidとのパートナーシップの契約がされていることから、今後も各社のサポートが続くことが伺えますので、安心して使用を継続できますね。
メーカー純正であるArtist | DNxIOはまだ発売されておりませんのでさておきますが、各社のビデオインターフェイスの装着・ドライバーインストールにはちょっとしたコツがあります。Pro Toolsのバージョンに合ったドライバーや、装着するスロットなど、細かいポイントがたくさんありますので、まずは弊社へお問い合わせください!製品の選定はもちろんのこと、システム構築のコツや裏技、全体のワークフローなど様々なご質問にお答えさせていただきます!
お気軽にお問い合わせください!お待ちしております。