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NAB 2007の検索結果(20件)
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2007/04/19
NAB 2007 画像で会場をご案内!Part2
Dolbyでは、Dolby Eエンコード/デコードを使用した放送局用のワークフローを中心にプレゼンテーションを行っていました。
Soundcraftはブロードキャスト/ポスト・プロダクション用のデジタル・コンソールを展示。同じブースにはSTUDER Vista5/8も展示されていました。
本国日本よりも欧米で絶大な人気と評価を得ているAudio Technicaは、コンパクト・カムコーダー用のワイヤレス・システム、1800 Seriesを中心に、ワークフローを提案。
DPAは超軽量/高音質を誇る4017をアピール。ほんとに驚くほど軽量でコンパクトでした。
Harrisonはブロードキャスト用のデジタル・コンソールで、スピーディーな操作性をアピール。
Calrecは、デジタル・コンソール・システムBluefinの新しいオーディオ・インターフェイスを発表。デュアルEthernet接続によるスピーディな転送と、配線の容易さを実現。
様々なアプリケーションを、ユニバーサルにコントロール可能なMCは、来場者の注目を集めていました。ROCK ON PROデモブースでも実機をご確認いただけます。お気軽にどうぞ。
50周年を祝うSenheiserは、ブロードキャスト用ワイヤレス・システムを中心に展示。
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2007/04/17
NAB 2007 画像で会場をご案内!Part1
Adobe は、Adobe Premiere Pro CS3が登場!もちろんMac OSも対応。すべて出そろったSC3画像ソリューションの展開に期待!http://www.adobe.com/products/premiere/
AMDは、今年スポンサーを務めるFerrariのF1マシーンを展示。中身は何年型?!
http://www.amd.com/us-en/
MERGINからRamses MSR Console Control Systemを大々的に展示。Smart AV同等の操作性をDSD DXDの環境で実現。http://www.merging.com/
人体に付けたセンサーでリアルタイムに、3D画像をコントロール!の実演
30周年を迎える、FairlightではCC-1のソフトウエアがVersion UP。そのオペレーションは、POST向けに合理的に構成されています。
http://www.fairlightau.com/default_content.html
信頼の業界スタンダードHP invent http://welcome.hp.com/country/us/en/solutions.html
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2007/04/17
NAB 2007 SHOWの模様を画像で、ROCK ON PROスタッフがお届け!
世界最大のエレクトリック・メディア・ショーであるNAB 2007が、4/16〜19の日程にて、米国ネバダ州ラスベガス・コンベンション・センターにて開催中です。毎年、ブロードキャスト/TV/ラジオにおける、その年の動向を象徴する重要な祭典の情報を、ROCK ON PROスタッフが現地から簡易レポート。
今年のNABは、日本でもアナログ地上波の終息が間近になった状況もふまえ、数年前からの流れであるHigh Definition(HD)への移行に伴った製品の出展や、ワークフローの提案が一段と強くなっている印象を受けました。まだまだHDフォーマットの定着が不安定な現状から、より柔軟性の強い製品が好評を持って迎えられる傾向にあり、テープを使用した編集/MA作業が多い日本では、コストパフォーマンスの高いエポックメイキングな製品の登場があれば、一気にHDノンリニアの波がきそうな状況が整いつつあり、訪れる人々の熱気で、熱いラスベガスがますます熱くなっていました。
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2007/04/19
NAB2007 PrismSoundは話題のOrpheusを中心に展示
先に行われたMusikMesseでも話題になっていた、PrismSoundの新しいオーディオ・インターフェイスOrpheusがほぼ完成形で展示されていました。まるでAPOGEE ensembleのライバルを買って出たかのようなI/O構成と1Uラックマウント・サイズのコンパクトボディに、APOGEEにはないWindows WDM/ASIOドライバー対応が期待を大きくさせます。もちろん、Mac AUにも対応し、様々なアプリケーションでドライブさせることが可能な上、アメリカ製コンバーターとはひと味違った音質も期待できます。
会場では、細かい音質の確認はもちろんできませんでしたが、Cubaseに立ち上がったセッションをストレスなく再生していました。また、APOGEEやMOTUのようにコントロール・ソフトウェアも同根されるようで、Orpeusの上に置かれたPCには、その画面が立ち上がっていました。
気になる構成ですが、既報の通り、2chマイク/ライン/インストゥルメント、2chマイク/ライン、4chラインのアナログ8ch入力、8chアナログ・ライン出力の他、S/PDIF、ADAT(同軸は96kHz、ADATは48kHz対応。SMAXは不可)の最大10デジタル入出力を備え、マイクインにはMSデコーダーも装備されています。さらに、MIDI I/O、2chヘッドフォン端子も搭載し、2ポート装備したFireWire400端子でCPUとコミュニケートを行います。アナログI/Oは、24Bit/192kHzに対応し、PrismSoundお得意のピークリミッター、Over Killer機能も搭載されています。
外観は、ダイヤル式のヴォリュームつまみや、バリアブルに変化するピークメーターなど、何となくAPOGEEと関連がありそうですが(?)全くの新設計による商品とのことで、失礼な質問に少しムッとされてしまいました。(申し訳ございません!)高品位で名高いPrismSoundの技術が凝縮された感のあるOrpheusは、さぞかし高額の商品になるのかと思っていましたが、USリテール$5,000と、かなりなコストパフォーマンスを実現していました。日本の代理店様も、できる限りこの辺の価格を維持していただくと、潜在的に気になっているユーザー層に、大きくアピールするのではないでしょうか!(がんばってください!)
USでの発売開始は、6月〜7月を予定しているようで、日本発売も同時期に実現するといいですね!
その他、最近じわじわとユーザー層を増やしている8ch AD/DAコンバーターADA-8 XRをはじめとした、珠玉の商品群ももちろん展示されていました。
http://www.prismsound.com/
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2007/04/19
NAB2007 JL Cooperは早くもColorに対応のEclipse CX発表!
昨日レポートを行ったApple Final Cut Studio 2の目玉ソフトウェアである、Colorに早くも対応を表明したコントローラーが、JL Cooperより発表になっていました。大理石作りの豪華で堅牢なシャーシを使用し、様々な用途に応じたコントローラーを、数多くラインナップにそろえるJL Cooperの最新作Eclipse CXは、Ethernet、USB、RS-422/RS-232による接続をサポートする、カラー・コレクション・コントローラーです。
見た目からもわかる通り、適度なサイズの球形コントロールを持ち、カラースペースの調整を行うと言うのが主な目的になると思いますが、Mac OS X用のコントロール・ソフトを使用してFinal Cut Proのジョグ/シャトルのアサインも可能になっており、既存のコントローラーではそぐわない場面のあった、Final Cut Proをはじめとしたノンリニア編集ソフトに最適な内容になっています。特に、ノンリニアでの編集作業がまだまだ浸透していない日本では、専用編集機からの移行をより簡単にしてくれるものとして、おおきな話題を呼びそうです。
同時に、Eclipse CXのカラーコレクション用コントローラー部分のみを抜き出したようなMCS-SPECTRUMも展示されており、ブロードキャストなどの映像編集の祭典、NABならではの展示内容に感心してしまいました。
この高級感あふれるコントローラー、Eclipse CXは既にUSでは出荷開始されており、リテール$6,900と、少々値段がはりますが、その作りを含めた丁寧な仕事に好感が持てる商品でした。
http://www.jlcooper.com/
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2007/04/18
NAB2007 Apple Final Cut Studio 2、Final Cut Serverを発表!
Appleは、NAB会場でもひときわ大きなスペースを使用し、Final Cut Studioの最新版、Final Cut Studio 2の発表とデモンストレーションを大々的に行っていました。今回の進化は、Apple CPUの価値を高め、さらなる画像編集における表現の多様性と発展をもたらす大きな一歩かもしれません。
Final Cut Pro 6、DVD Studio 4、SoundTrack 2、Motion 3、Compressor 3、Colorで構成されるFinal Cut Studio 2ですが、今回のアップグレードの目玉は、なんといってもカラーグレーティング・ソフトウェアColorになるでしょう。Shakeのユーザー・インターフェイスや機能の一部が移植されていると思われるColorは、今までFinal Cutで細かくカラー調整をしていたことを考えると、非常に簡単に、柔軟性を持ってユーザーの要求に応えてくれるように仕上がっており、その動作も驚くほど機敏なものでした。(最新のMac Proの性能もあるかもしれませんが)
http://www.apple.com/jp/finalcutstudio/
簡単にそれぞれのソフトウェアをご紹介いたします。
・Final Cut Pro 6
HD制作が当たり前になってきている現在、様々なHDフォーマットと圧縮コーデックが存在するのが、一番現場の頭を悩ませていますが、新しいFCPは、どんなコーデックでも読み込みができるように、Apple ProRes 422コーデックを開発。AJAの協力を得て、ハードウェア圧縮によるスムースな取り込みを行えるようになっています。
//pro.miroc.co.jp/2007/04/17/nab-2007-show-aja/
また、どんなフォーマットでも混在できる、オープン・フォーマット・タイムラインの採用など、独自路線を進むメーカーが多い中、あくまでもユーザーの立場に立った製品開発に感心します。
その他、Shakeのスムースカム機能が搭載されたり、プロアプリケーションとの連携がさらに強化され、まるで単一のアプリケーションで作業しているかのような、スムーズさも健在です。
http://www.apple.com/jp/finalcutstudio/finalcutpro/
・Color
新たにFinal Cut Studio 2 に仲間入りしたColorは、これまでFCPでじっくりとカラーコレクションを行っていた方には、目から鱗のカラー・グレーティング・ソフトウェアです!
驚きは、そのレスポンスにあり、基本的なプレビューに関しては、ほぼリアルタイムでの確認が可能になっています!(もちろんレンダリングに関してはファイル・フォーマットとCPUによりますが・・・)
個人的にも、カラーコレクションには非常に時間と労力を使っていたので、このレスポンスと簡単操作は大きな期待を持ってしまいます!
http://www.apple.com/jp/finalcutstudio/color/
・Motion 3
昨年来、Shakeが驚きの価格改定が行われた時から、ある程度の予測もできましたが、今回のMotion 3は、まさに3Dを中心に、Shakeで培われている技術/インターフェイスが生かされたメジャー・バージョンアップになっています!
特にMotionがという訳でもないのですが、最適化が進んでいるせいか、機能が充実しているにも関わらず、非常にレスポンスもよくなっているのが印象的です。
これなら、急ぎのグラフィック合成の仕事が入っても、慌てることなく、作業ができることでしょう。
http://www.apple.com/jp/finalcutstudio/motion/
・Soundtrack Pro 2
まさに、サウンドトラック制作に特化したと言える、Soundtrack Pro 2はサラウンド・パンニングがより簡単に、直感的に操作できるように設計されており、映画製作はもとより、DVDのマスター制作にも威力を発揮するでしょう!
コンフォーミングに関しても、前回と変更なしの箇所には、その旨を警告する機能などが追加されていおり、より簡単に最終形態に持っていけるような印象です。
http://www.apple.com/jp/finalcutstudio/soundtrackpro/
・Compressor 3
今までどちらかと言うと、ネットワークレンダリングなどの機能面などよりも、エンコードの品質で評価されることの多かった、Compressor 3ですが、後述するFinal Cut Severとの連携を強化するとともに、エンコードの品質も向上しており、より総合的なユーティリティ として活躍してくれそうです。
http://www.apple.com/jp/finalcutstudio/compressor/
さらにAppleは、戦略的な価格設定でのFinal Cut Serverの発表を行い、すべてのFCPユーザーに、この新しいソリューションの導入を願っているようです。
ユーザーの方は十分理解していらっしゃると思いますが、FCPに限らずノンリニア・アプリケーションの煩雑な所は、ファイル管理にあると言えます。テープベースなら意外にちゃんと管理している人も、ファイルベースになるとからきしダメという場合も多いのではないでしょか?
Final Cut Serverは、あらゆるフォマットのビデオファイルを、メタデータとともにカタログ化してくれるだけでなく、様々なワークフローを自動化してくれます!サーバーと名前がつくからと言って、恐れることもありません。7月発売予定のFinal Cut Serverは、簡単操作と10クライアントでUSリテール$699の脅威的価格でストレスから解放してくれます!
http://www.apple.com/jp/finalcutserver/
円安の影響とColorの追加によって、多少価格が高くなりますが、それでも¥148,000という日本での価格は、他メーカーにとって脅威に値する、まさに万能ソフトのFinal Cut Studio 2は、来月発売開始になります。
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2007/04/18
NAB2007 P2 HDシステムを全面に打ち出した展開のPanasonic
余裕のブース展開を行っていたPanasonicブースも、ご多分に漏れず、HD制作関連のワークフローを中心に提案を行っていました。
しかし、他社と幾分様子が違っているように感じたのは、やはり、実績を十分に積み、各社のノンリニア・システムによって運用されている、P2システムに対する 自信の現れなのでしょうか?
メインのコーナーでは、P2カードスロットを使用したノンリニア・システムとの互換性アピールを、Final Cut Pro、Avid Xpress Pro、EDIUS、Premireの各ソフトウェアごとにデモンストレーションしており、サブコーナーに置かれたカメラレコーダーとあわせて、どこか誇らしげに感じられました。
Panasonicへのリンク
http://panasonic.biz/sav/p2/index_j.html
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2007/04/18
NAB2007 CANONは業務用HDVカムコーダーXHシリーズを展開!
P2や、XDCAMをはじめとした、テープレスのハンドヘルド・カムコーダーのシステムが業務用の世界に広がりを見せていますが、意外に予定の立てにくい取材関連の仕事や、ドキュメンタリーなどでは、信頼性の高いテープシステムが好まれることも多いようです。
キャノンは、フォーマットに縛られない丁寧な画面作りが昔から評価されていますが、XL H1は特に海外で絶大な人気を誇っており、外部取材では圧倒的シェアを誇っています。
その技術をフルに生かした上で、HD-SDI端子を搭載し、用途にも広がりを見せている自信作、XH G1を中心に、プレゼンテーションがなされていました。
それにしても、放送用カメラのデモンストレーションは、なぜ、どこも同じやり方なのでしょうか?
CANONへのリンク
http://cweb.canon.jp/prodv/index.html
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2007/04/18
NAB2007 SONY800G/9Xチューブ・マイクロフォン復活!
前々から噂になっていて、(AESのリポートの時も話題になりましたが)何度となく肩すかしにあった、チューブ・コンデンサー・マイクロフォンSONY C800G/9Xの復活が実現しました。
パーツの供給ができなくなっていたため、一時、生産中止状態となっていましたが、代替えパーツの供給が可能になったため、再度、生産が開始されたものです。
パーツ変更の影響が音質に出るかどうかは、今後の検証を待たなければいけませんが、とりあえずの復活はあきらめていた方には朗報です!
受注生産のため、納期には4ヶ月程度かかりますが、それも納得のクオリティと言えるでしょう。
隣の定番C38ともども、SONYの業務用機器の顔とも言える製品がそろうのは、感慨深いものがありますね!
SONYへのリンク
http://www.ecat.sony.co.jp/professional/audio/index.cfm?GroupID=2
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2007/04/17
NAB2007 digidesign RM1/RM2パワード・モニターシステム発表!
digidesign ICONの発表以来、MA市場でもPro Toolsの導入が一気に増加傾向にありますが、NABはそんな関係者にたいして、絶好の機会であると言えるかもしれません。
既に完成されてきているシステムと言えるPro Toolsですが、今回は意外なものがリリースされることとなりました。
digidesign RM1/RM2は、digidesign初のパワード・モニター・システムとなり、発表のあった本日から、本国アメリカでは発売も開始されます。現時点での日本発売は未定の状況ですが、PM1が1Pair約25万円前後、PM2が1Pair約45万円前後になる予定ですが、皆さんの熱い要望がないと、発売が遅れる可能性もあります。PMCのパワード・モニターをベースにして、ヒップホップ・アーティストのPro Toolsユーザーが多いアメリカの状況を考慮して、独自のローブースト・スイッチが追加されています。
これをOFFの状態にすると、オリジナルのPMC同様、フラットな音質になるのですが、専用のサブウーファーは用意されていないので、こちらはPMCのサブウーファーを使用する必要があるようです。
続いて早くもプレビューされていたのが、Pro Tools HD 7.4になります。これは、同じくプレビューされており、この秋にリリースされる予定のPro Tools専用HDビデオ・オプション、Video Satelite HD Optionに対応させるのを主眼に置いたアップグレードになります。このVideo Sateliteは、去年のInterBEEにも展示されていたものですが、Media Station|PTを専用Windowsマシンにインストールして、HD Videoの表示とPro Toolsとの同期を実現するものです。Pro Tools HD 7.4にはこの対応以外にもお楽しみがありそうですが・・・こちらも秋のリリースまで楽しみにとっておきましょう。
digidesignへのリンク
http://www.digidesign.com/index.cfm?navid=48&itemid=24927&langid=5&action=news_details
相変わらず人だかりの絶えないAvidとAPPLEのブース特徴。勢いを感じさせます。
久しぶりAppleに対応した、Avid Media Composer。長い間、Win版しかない状態が続きましたが、Apple版の使い勝手はかなり良さそうでした。
Media Composerの他にも、AvidはXpress ProやLiquid、Adrenalinを含めた、ワークフローの提案を中心に行っていました。
Avidのリンクへ
http://www.avid.com/
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2007/04/17
NAB2007 FW800、Apple ProRes 422に対応したAJA i/o HD発表。
Final Cut Proでの編集作業が一般的になってきた現在、番組制作や映画に使うプロフェッショナルの他にも、CPUパワーの上昇に伴い、もはやDVなどのSD編集では物足りないという方が多くなってきています。
また、様々なフォーマットの混在はもとより、HDの取り込みに対応する、シンプルなキャプチャーシステムを探している方も非常に多いと思われます。
そんな現状の中、放送局用のコンバーターで高い評価を得ているAJAから、KONAシリーズにその座を奪われていた感のあるビデオ・キャプチャー・システムi/oの最新版、i/o HDが発表されました。
i/o HDは一見、デジタル/アナログ変換のブレークアウト・ボックス風に見えますが、れっきとしたキャプチャーシステムとして独立しており、PCとの接続に FireWire800が採用されています。ビデオI/Oは、アナログ・コンポーネント/コンポジット/S-Videoを備え、HD対応のSDI端子2系統のほか、LTC/Video Refの入出力も完備しています。オーディオI/OはSDIによるエンベデット・オーディオのほか、8ch AES/EBU、4ch XLRアナログの計12chを備え、モニター用の2chアンバランス出力、マシンコントロール用RS-422のほか、なんとHDMIでの入出力にも対応しています。
これは、HDMI入力のある汎用モニターでのHDモニタリングが可能なことを意味しており、また、HDMI出力を備えたAVCHDなどのカメラレコーダーからの取り込みにも対応しているということになります。
このように至れり尽くせりのi/o HDの筐体は、ハンドル付きのコンパクトなもので、さらにAppleとの親和性を強調するように、今回のNABで発表になった、Final Cut Studio 2から採用された、Apple ProRes 422およびProRes 422 HQに対応しており、MacBook Proとあわせてどこでもキャプチャー/編集作業ができそうです。
AJAの主力製品であるKONAシリーズは、その性格上デスクトップ・モデルにしか対応できませんでしたが、この魅力的なi/o HDは、より制作の幅を広げてくれそうな柔軟な仕上がりになっています。
価格もUSリテール$3.495と魅力的なものになっており、今から発売を心待ちにしている方も多そうです。
AJA Video Systemへのリンク
http://www.aja.com/html/products_Io.html
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2007/04/17
NAB2007 SONYは、コンパクトさを実現したXDCAM EXを中心に展開。
増加の一途をたどるHD製作のコンテンツ製作に、高いレベルとコスト管理で応えなければならない制作会社の要望に、まさにぴったりと合致するワークフローが登場しそうです。
Blue-RayディスクをベースにしたProfessional Diskを使用し、独自のMPEG2 Long-GOP圧縮にて高画質と低データレートを実現したテープレス・システムXDCAMシリーズを推し薦めるSONYは、より低いデータレートとシステムのコンパクト化を実現する、XDCAM EXシステムを中心に展示を行っていました。
PCI Expressのシリアル・バスを使用し、800Mbpsの転送レートを誇るExpressカードを軸に、カラースペースを4:2:0にしたMPEG HDフォーマットを新たに採用。カラースペース4:2:2のMPEG HD422フォーマットを持つ、上位機種とのデータ互換を持たせながら、より低いデータレートと柔軟なファイル転送を、コンパクトなシステムで実現します。
16GBの容量を持つExpressカードは、カメラレコーダーのスロットに2枚挿すことが可能で、1枚当たり60分、合計120分のビデオ収録が可能です。(展示品には、32GBのカードも置いてあり、驚異的な録画時間が実現できそうです)さらに、HD-SDIデジタル出力および、エンベデット・オーディオ出力、クリップの確認が容易なメタデータ出力にも対応し、様々な用途に対応可能です。
Panasonicが提唱するP2システムとも似たところがありますが、汎用のExpressカードを採用したことにより、カードリーダーを必要とするP2と違い、(まだまだ対応機種は少ないですが)PCと直接データのやり取りができるところが魅力となっています。
既にFinal Cut Proなどで幅広く採用されたフォーマットであるXDCAMですが、機動力が倍増し、駆動系がなくなって安定性の増したXDCAM EXの登場は、ニュース番組の制作を中心に広がりを見せていきそうな製品であり、来場者の注目を集めていました。
余談ですが、ギリシャ・オリンピックで採用されたPanasonic P2システムは、まさに高画質とスポーツ/ニュース配信に置ける機動性の点が評価された経緯があり、XDCAM EXもこの点で期待が持てますが、唯一気になるのは、PCに取り込んだデータの編集レスポンスです。DVCPRO HDと同等のレスポンスが得られるならば、Panasonicにとっても驚異的な存在となることは間違いなしです。
気になる価格ですが、PWカメラレコーダーのリテール$8.000と、リーズナブルな価格も実現しています。
SONYへのリンク
http://www.sony.jp/products/Professional/XDCAM/
信頼のBVMマスターモニターも液晶パネルTRIMASTERでその精度をアピール。再現性の追求は、やみません。
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2007/04/17
NAB2007 Blackmagic、2K対応Multibridge Eclipseを発表。
AJAとライバル関係にありながら、常にコストパフォーマンスの点で優位な立場にたっている感のあるBlackmagic designですが、ユーザー・フレンドリーな開発と製品には定評があり、プロフェッショナルだけでなく、コンシューマーを中心に支持者が多いのが特徴です。目立たないが、技術力の点でAJAに決して劣らないBlackmagicは、すべてのビデオ・エディターに最適の製品を生み出していると言えます。
digidesign 192 I/Oを思わせる派手なレベルメーターが目立つ、一目見て新たな製品とわかるBlackmagic designの最新作は、従来のBlackmagicの技術を結集したともいえる、キャプチャー・システムMultibridge Eclipseです。
2Uサイズのスマートな筐体と、PCI Express接続のホストカードをDVIケーブルで接続する、個性的な製品であるMultibridge Eclipseは、デュアルリンクのSDI入出力端子を2系統装備し、SD/HDはもちろんのこと、デジタルシネマにも対応可能な2Kフォーマットの入出力にも対応します。
特徴的なレベルメーターが示す通り、オーディオのI/Oも豊富に備えており、アナログ4ch、AES/EBU 12chの計16chのほか、エンベデット・オーディオにも対応し、サラウンドが前提の映画製作が視野に入れられていることが容易に想像できます。
もちろん、ビデオ入出力にはコンポーネント/コンポジット/S-Video対応のBNC端子が備えられており(フォーマットは切り替え式)、モニタリング用アンバランス・オーディオ出力、RS-422マシンコントロール/Video-Refのほか、Intensity Proの技術を採用したHDMI端子も搭載されています。
同時のタイミングで奇しくも発表されたAJA i/o HDと、構成や入出力が非常に似ていますが、i/o HDがAppleとの連携を前提とした開発がされているのに対し、Multibridge Eclipseは、より広い間口とデジタルシネマをはじめとした、ハイエンドに対する対応を前提としているように見えます。
これも奇しくもi/o HDと同じUSリテール$3.495は、Blackmagicの集大成ともいえるMultibridge Eclipseにとっては、バーゲンプライスといえるかもしれません。
Blackmagic designへのリンク
http://www.blackmagic-design.com/products/multibridge/
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2012/08/06
NABのトレンドに見る、NEW ProductとNEW Technology
4KパイオニアREDの更なる躍進
今年になってEPICが日本でも多く使われるようになっている。
更にScarletもかなり優秀なカメラだ。その価格は驚くほどリーズナブルである。
4KのパイオニアといえばREDだ。2007年という、なんと今から4年半も前にREDは4Kカメラを市場にリリースした。あまりにも早すぎた4Kの登場に、そのすごさを理解できる人も当時は少なかったと言ってもいいだろう。またRAWという概念や、ソフトウエア現像といった特殊な映像処理の方法は難解であった。日本では、あまりいい印象を持っていない人も多く、「購入しても届かない」とか「故障した時のリスクが大きい」、「情報が英語」といった壁もあり、今でもREDはあまり効果的なカメラであると感じられていないのも事実だ。しかし2012年という4年以上もの間、4Kデジタルシネマという市場はほぼREDが独占していただけでなく、その年月の間培われた4K技術は、他の多くのカメラメーカーを大きく引き離すことになった。今では5KカメラであるEPICを筆頭に、150万円程度で購入できる4Kカメラ、Scarletもリリース。もはやREDの勢いは止まらない。
現状としてEPICが最も高いスペックを誇るファイルベースカメラである。13.5ストップというダイナミクスレンジや12bitRAW収録などという数字もさることながら、5Kという解像度は日本のトップメーカーでは未だ成しえない領域だ。もちろん4Kで120fps、2Kで300fpsというハイスピードに加え、ダイナミクスレンジ18ストップというHDRXモードも、制作にはあらゆる演出の可能性を与えてくれることだろう。またScarletも非常に魅力的なカメラだ。約150万円でEFマウントのキットが購入でき、4K QFHDの収録が可能になる。
編集の足回りを強化したことが、ワークフローの飛躍へつながった
Premiere Proであれば現像も行えるだけでなく、ネイティブでその再生も楽々だ。4Kを普段のHD素材のようにして扱えるとは、夢のようだ。
カメラの技術力もさることながら、一番も強みはポストプロダクションのフローをしっかりと確立していることだろう。REDのカメラコーデックであるR3Dファイルは4Kで約240Mbpsのビットレートを持ち、Wavelet圧縮のRAW記録という非常に珍しい形をしている。従来RAWと言えば連番ファイルが一般的であるが、独自のコーデックを持つことで4KRAWをお手頃なビットレートの中におさめることに成功した。さらにREDはAdobe Premiere Pro CS4の時代からR3D素材をシーケンスでそのまま編集できるように設計し、4Kのワークフローを一気に実用化させたことも評価が高い。ProResなどの中間コーデックに書き出すことなく、4Kの高解像度とRAWファイルの魅力をそのままでPremiere ProやAfter Effectsでも扱えることは非常に大きなメリットだと言える。さらにRAW現像という過程を編集の中に取り込むことで、迅速で確実なワークフローを見事に実現した。個人的な見解ではあるが、AdobeとREDの相性は抜群で、現在のところこのコンビネーションに勝る4Kソリューションはないと感じている。
そして6Kという未知の領域へ
NABで発表になったドラゴンセンサー。いよいよ6Kの世界がデジタルシネマで実現する。
そしてプロジェクターや再生機も参考展示。これが実現すれば4Kのソリューションが完結する。
更に今年のNABで、ようやくCanonが4Kソリューションを打ち出す中、REDはなんと6K・15ストップのダイナミクスレンジをもつ「ドラゴンセンサー」を発表。しかもフルフレームで5K/120pという規格をも視野に入れた。また驚きだったのが、ドラゴンセンサーに加え、Laser4Kプロジェクターや4KプレーヤーとなるREDrayといった「再生機」のハードウエアを発表したことだ。
カメラという入力部分だけでなく、4Kアウトプットも展開することで一貫した4Kソリューションが完成することになる。いよいよもって「どのカメラメーカーも追いつくことができない」ブランドへとREDは邁進することになったのだ。相次ぐハリウッド作品がREDを支持し、時代を反映した価格設定や技術開発で、いわゆるガレージメーカ―として始まったREDは世界ナンバーワンのデジタルシネマカメラメーカーへと変貌を遂げた。日本での印象も、今年から大きく変わって、現場で支持されるカメラとなることは間違いないだろう。
Canon 4Kに本格参戦
連日大盛況だったCanonブース。日本メーカーの中では、際立った存在感だった。
Cinema EOS Systemのフラッグシップ機となるEOS C500。4K RAW収録が可能なデジタルシネマカメラだ。
EOS C500の入出力インターフェイス。4K RAWの映像は3G HD-SDIから出力され外部収録で収録する。
EOS C500の4K RAW収録に対応している外部収録機6機種。
DSLRタイプのEOS-1D C。世界で初めて4K映像の内部収録を可能にした。
そして「ついに」と言うべきか、「ようやく」と言うべきか、Canonが4Kの世界に進出してきた。Cinema EOS Systemのフラッグシップ機となるEOS C500と、DSLRタイプのEOS-1D Cだ。NAB SHOWのタイミングに合わせて発表されたこの2機は、当然のことながらCanonブースを大いに盛り上げ、話題の中心となっていた。
EOS C500はCanonが満を持して投入してきた本格的な4Kデジタルシネマカメラだ。スーパー35mm相当のCMOSセンサーを搭載し、4K(4096×2106)の10bit/非圧縮RAWデータを2本の3G HD-SDIから出力できる。また、全ての撮影モードでCanon Logを選ぶことも可能だ。フレームレートも4Kで60p、4K-Half(4096×1080)であれば120pまで撮影可能となっている。筆者が考えるこのカメラのポイントは2つある。1つ目に、カメラに独自コーデックや収録機構を搭載せず、サードパーティのハードウェアに委ねてしまったところだ。すなわち、「レンズとセンサーで映像を捉え、一番綺麗な情報を外部へ出力するところ」までをカメラの役割としてとらえ、そこから先の収録方法は外部収録機とユーザーの判断に委ねてしまったのだ(なお、CFカードによる内部収録<MPEG2 MXF形式>もできる)。
NAB SHOWの時点ですでに6社がEOS C500に対応したレコーダーを製品化、開発中だ。カメラ本体で3000ドル前後を予定しているとのことだから、外部収録機と合わせても400万円以下で手が届くだろう。また2つめのポイントがEFレンズ群の運用だ。Canonの誇るEFレンズは、5Kや6Kといったスチルカメラの解像度に耐えうるだけの性能が備わっている。4K解像度は「待っていました」といったところだろう。PLレンズというシネマスタンダードと比較しても劣らない性能を有しているだけでなく、コストパフォーマンスでは遥かに上回るのだ。EFレンズ群とのコンビネーションは、ユーザーにとって極めて魅力的であることは間違いない。
もう一台のEOS-1D Cは、4K映像を内部収録できる世界初のカメラだ。DSLRタイプで、同社のスチルカメラのフラッグシップ機であるEOS-1D Xをベースモデルとしており、形もそっくりだ。フルサイズのセンサーを有するが、4K記録の際には4096×2160 dot by dotでクロップされるので、実質APS-H相当となる。また、4K記録は8bitのMotion JPEG/24pに限られるが、Canon Logを搭載しているので広いダイナミックレンジよる豊かな諧調が得られる。常用ISO感度が最高25600と、暗部にめっぽう強いのも特徴だ。DSLRとしての軽快さを維持しつつ4K記録を可能にしたEOS-1D Cは120万円前後での発売を予定している。
Canonはブース内で4Kシアターを展開。EOS C500やEOS-1D Cで撮影された作品を上映していた。HDを遥かに上回る表現力は、ポストHDの方向性が、確実に高解像度(High Resolution)へと向かっていくことを感じさせた。また、シアターの隣では業務用の30インチ4Kディスプレイも展示。Canonは日本メーカーの底力を誇示していた。
話題騒然 Blackmagic Cinema Camera
突如発表されたBlackmagic Cinema Camera。お弁当のような筐体に人々は興味深々。2.5KのRAW収録ができ、EFマウント対応。世界初のProRes収録カメラでもある。
今年のNAB SHOWで、話題性という意味ではBlackmagic Design社のBlackmagic Cinema Cameraが一番であった。これまでポストプロダクション分野での製品を展開してきた同社が、突如として発表したカメラは、2.5K(2432×1366)のRAWとフルHDでの撮影が可能だ。センサーサイズは15.8mm×8.9mmでフォーサーズ相当。記録は2.5KならCinemaDNG 12bit RAW、フルHDならApple ProResかAvid DNxHD形式となる。内蔵リムーバブルSSDによる収録、13ストップというワイドなダイナミックレンジ、EFマウント対応、Log記録対応など目玉機能は多々あるが、筆者が一番注目する点は別にある。それは、Apple ProResという極めて優秀な「編集コーデック」で収録できる世界初のカメラだということだ。フルHDの10bit 4:2:2でProResという実に使い勝手の良いファイルは、ポストプロダクションでの軽快さ、運用を考慮すると非常に実用的だと感じるのだ。カメラにカラーグレーディングソフトのDaVinci Resolve、波形モニタリングのためのUltraScopeという3点セットで$2995という価格もリーズナブルであると言える。
SONYが発表した驚きのハイスピードカメラ
F65という4Kカメラを昨年発表し、いよいよ4Kの世界へ進み始めたSONY。AVIDやPremiere Proといったノンリニア編集ソフトウエアでもネイティブ対応を今夏以降することを発表し、懸念されていたポストプロダクションの環境も整いつつある。世界を牽引してきたカメラメーカーだけに、4K市場の活躍への期待は大きい。また大判センサーのデジタルシネマカメラPMW-F3の普及も順調で、多くのCMやPVだけでなく、映画やドラマにおいても広く使われている。
突然の発表・発売となったNEX-FS700。ハイスピードの需要に応える一台だ。
撮影スタイルも通常と変わらない。小型カメラでハイスピードをHDで行えるなんて夢のようでもある。
そんな中、今年のSONYが発表した注目のカメラがNEX-FS700だ。FS700は去年話題になったハンドヘルド型の大判センサーカメラFS100の後継機にあたるカメラである。もっともこのラインナップは中堅の業務機としての位置付けが色濃いため、ハイエンドの機能を期待するカメラではないのだが、驚く機能をFS700に搭載した。それがハイスピード機能である。最近のトレンドとしてハイスピードは非常に人気が高く、映画やCMにおいても多く使われるだけでなく、その美しいスローモーションの動きによる描写は大変効果的な演出を生み出している。そもそも時間解像度を上げるためのハイスピード撮影は、専用の特殊なカメラを必要とした。業務用としてはファントムやヴァイスカムといったカメラが主流で、1秒間に1000フレームといった非常に速いスピードで撮影することが可能で、人間の目では捉えられない動きを表現することができる。ファントムは通常レンタルするカメラであるが、一日平均20万円~30万円といったコストがかかるだけでなく、レンズの撮り回しや収録のスタイルといった面で特殊なノウハウを必要とするカメラでもある。そのため低予算のプロジェクトなどではこういったカメラを使用することは難しく、作品にハイスピードを取り入れることはなかなかできなかった。
FS700の動画の切り抜き。人間の目では捉えられない動きを収録できる。また大判センサーなので被写界深度の浅い画が魅力的だ。
ところが今回SONYが発表したFS700には、なんと毎秒240フレームというスピードをHDサイズで収録できる機能が踏査された。前述のREDのEPICですらHDでは毎秒200フレームまでしか撮影できないことを考えると、この機能は相当な価値があるといえる。しかもFS700の本体価格はおおよそ70万円であるため、そのコストパフォーマンスは非常に高い。実際に発売前のFS700を使用する機会を得たのだが、その映像はあまりにも美しく、思わず息を呑むほどのクオリティであった。
水しぶきの一粒一粒がきれいに描写されるだけでなく、人の表情などには新しい力をハイスピードは与えてくれる。毎秒1000フレームのようなハイスピードは科学的な実験映像などに向いているのに対して、人間の動きなどを撮影する際に最も効果的なフレームレートがズバリ毎秒240フレームであるというのが個人的な意見だ。ちなみにFS700は毎秒960フレームでも撮影は可能で、その際の画角はSDサイズ程度まで落とすことになる。
大判センサーとハイスピードが生み出す新しい世界
Metabones社のEF変換アダプター。これによりCanonのEFレンズを使用できる。絞りのコントロールも本体から行えるので、非常に便利だ。
ここで忘れてはならないのは、FS700のセンサーはスーパー35㎜相当であるということだ。つまりシネマライクな画質でハイスピードが撮影できるというのは大きな魅力だ。更に素晴らしいのは、サードパーティーの「Metabones社」から発売になっているEFマウント変換を使えばCanonのEFレンズを使うことができる。この変換マウントはカメラ内蔵の絞りコントロールを行うことができるので、EFレンズの良さを活かした撮影を行えるのが特徴だ。実際Eマウントのレンズも品質は高いのだが、やはりEFレンズ群を使用できるとなると、その汎用性は一気に高まると言える。
また4Kセンサーを使用しているため将来的に4K出力も可能ということで、いやはや魅力的な一台が登場したといっていいだろう。NDフィルターも内蔵されていたり、SDIとHDMIから同時に8bit4:2:2の信号が出力されていたり、様々な改良が施されFS100からFS700へ進化した。大判センサー×ハイスピードという新しい世界を是非ともみなさんにも体験していただきたい。
Adobe CS6が可能にした次世代の64bitワークフロー
先日発表・発売になったAdobe CS6シリーズ。Premiere ProやAfterEffectsなど、映像編集のプラットフォームは大きな進化を遂げた。
おそらく映像のコンポジットツールとしては最も使われているのがAfter Effects。その進化も止まらない。
4Kのカメラがようやく登場した中、編集というステージも大きな進化を遂げている。一番の注目はやはりAdobe CS6だろう。従来、映像編集と言えばFinal Cut Proが大きな支持を得ていた。確かにHD時代の編集を支えたFinal Cut Proの実績は輝かしく、期待を裏切らない性能を持ち合わせていたと思う。しかし4Kや3DといったポストHD時代にふさわしい編集スタイルは、やはりFinal Cut Proの次にくるものである必要があるだろう。それは次世代の編集とも言える環境であり、データサイズが大きくて複雑でも「安定」して「効率的」な編集が行えるツールだ。
そんなツールに求められる条件は「64bit」と「ファイルベースネイティブ」というキーワードに絞られると思う。64bit環境とは、64bitのOSで動く64bitのアプリケーションのことをいう。Final Cut Pro 7のように32bitのソフトウエアであると、最高で4GBまでのメモリにしかアクセスすることができなかった。しかし64bitとなれば実質192GBまでのメモリを使用することが可能だ。そうなると複数のHD素材や4Kといった映像を扱いやすくなるだけでなく、レンダリングやプレビュー環境が大幅に向上するメリットを享受できるようになる。間違いなくこれからの映像編集のプラットフォームは64bit上で動かす必要がでてくるだろう。
ADOBEはワークフロー全体を64bit化させた。編集から出力まで、すべての段階を64bitで作業できる。
あらゆるカメラのコーデックをそのまま読めるのが「ネイティブ」。中間コーデックに書き出す必要はない。またAdobe間のソフトウエアも、ファイルをネイティブで読みあえるのが大きな強みだ。
一方で「ファイルベースネイティブ」というのは、カメラで収録したカメラコーデックそのものを編集してしまおうということだ。多くの編集ツールの場合、収録された映像データを何かしらの「中間コーデック」に書き出す必要があった。Final Cut ProでいるProResがその例だ。例えばCanon EOS 5D MarkⅡで撮影した素材は、そのままでは編集ができないためFinal Cut Pro 7のタイムラインに載せるにはProResに変換しなければならなかった。このように一度中間コーデックに変換するとなると変換にかかる時間だけでなく、そのためのファイルスペースも膨大になるケースも多い。無論ProResは大変優秀なコーデックで、多くの外部収録機器に採用される理由は十分に理解できる。しかし中間コーデックとしての使用となると、作業の効率を大きく下げる原因になりかねなかった。Adobeが自社の編集ソフト「Premiere Pro」で目指したのは、乱立するあらゆるカメラコーデックを全て「そのまま」編集タイムラインに載せてしまおうというものだった。4KのRED素材であろうと、SONYのXDCAMであろうと、PanasonicのAVC-Intraであろうと、CanonのEOSムービーであろうと、パソコンにデータをコピーしたその瞬間から編集を始めることができる。
Mercury Playback Engineという怪物
4Kの素材であっても、レンダリングすることなくリアルタイムで再生できる。MPEの力はAdobeの映像編集を支える技術だ。
またAdobe Premiere Pro CS6の映像処理を支えるのがMercury Playback Engine(MPE)だ。64bitとファイルベースネイティブの力を十分に発揮するこの再生エンジンは、あらゆる映像素材を「レンダリングすることなく」再生してしまう力を持つ。再生解像度を変えることでマシンスペックに合わせた調整ができるのも素晴らしい。またnVIDIAの対応するグラフィックカードを使用すれば、GPUでMPEをアクセレレーションさせられるのだ。Quadro2000であれば5万円台で購入できるため非常に効率的な編集環境を整えられ、旧世代のCorei7であったとしても4Kの素材は1/2解像度で楽々リアルタイム再生をレンダリングなしで行える。
過去のイメージを一新したPremiere Proに注目
正直ノンリニアソフトの細かい機能は、それぞれにそれぞれのいいところがあると思う。AVIDやFinal Cut Proも長年使っていると他のソフトウエアに移行するのはなかなか敷居の高いものだ。しかも過去の悪いイメージを引きずっているPremiere Proは今でもあまり良い印象を持っている人は少ないだろう。しかしポストHDの時代の64bit・ファイルベースネイティブというキーワードを考えた際に、正直Premiere Pro CS6は他のソフトウエアとは比べ物にならないほど馬力を持っている。またAfter Effectsとの連携も抜群で、一切のレンダリング、書き出しなしでやり取りが可能だ。またPhotoshop、Illustratorのデータもレイヤー構造やパス情報をそのまま読み込めるため、ストレスのない編集環境を作り上げられる。CS6になってIllustratorやオーサリングのEncoreも64bit化し、ワークフロー全体が64bitとなり、一段と安定感と処理速度が増したと言えるだろう。おそらくAdobeの映像編集のプラットフォームがしばらく多くのクリエーターの支持を集めていくだろうと考えている。
ハイエンドの技術を多くの人が扱える時代に
次世代の映像編集は、技術の進歩に支えられて多くの人が「高解像度」のハイエンドの世界にコマを進めることになるだろう。1000万円かけて作った映像が、もはや50万円で制作できるような時代だ。大切なことは、目まぐるしく変遷する技術の波になるということだけでなく、一つ一つの技術を繋げて、自分の映像制作の可能性を広げることなのかもしれない。特権階級の人たちだけが手にできた映像を、いよいよ一般的なデスクトッパーズが作り始めることになるだろう。
江夏 由洋
marimoRECORDS
趣味:AfterEffects
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FILTER KYODAI blog
1998年TBS入社。スポーツ局に配属。主にスポーツ番組、スポーツ中継に携わる。ドキュメンタリー手法の映像制作を中心に、スポーツドキュメンタリー番組「zone」など数多くの番組を担当。オリンピックや世界陸上などの世界大会にも関わる。世界バレーでは中継番組制作のみならず、大会運営やスポーツライツも担当した。 2008年TBS退社。兄弟で独立。株式会社マリモレコーズとして、音楽・映像制作、音楽・映像コンサルティングを行なう。現在はCM制作やWEB映像などの制作に「独自」のデジタルワークフローで取り組んでいる。
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2007/09/08
Final Cutとの親和性を追求!AJA Video Solutionのデモンストレーション開始!
ROCK ON PROでは、そのコストパフォーマンスでシェアを大きくのばしてきているApple Final Cut Studioに、SD/HDを問わず高品位なビデオ入出力を提供するAJA Video System製品の展示および、デモンストレーションを開始いたします!
話題のHDコーデックApple ProRes 422に対応したIO HDをはじめ、DVCPRO HD/HDVでのアクセラレーションを実現するKONA LHe等、その実力を目の当たりにすることが出来ます!
AJA Video Systemテスト・レポート1 インストール編はこちら>>
お見積り/ご相談は、下記お問い合わせフォーム、または、お電話(03-3477- 1776)FAX(03-3477-1255)、メールにてもお待ちしております。
営業担当:岡田、梓澤、伊藤、前田までお気軽にどうぞ。
AJA Video System IO HD
2007 年4月にLas Vegasで行われたNAB 2007にて、Apple Final Cut Studio 2と同時に発表されたAJA IO HDは、FCS2でも最大の話題となったApple ProRes 422 HDコーデックに、世界初で対応したFireWire 800接続のビデオ・インターフェイス/アクセラレーターです。
ProRes 422とは、SDの4倍の解像度を持つHD画像を、非圧縮SDと同等の転送レートで実現するコーデックです。また、ProRes 422の名称通り、その画質は10bit 4:2:2の妥協の無いものとなっており、奇しくも、ビデオ業界でも大きなシェアを誇るAvidのHDコーデックDNxHDの転送レート220Mbpsと 同等の圧縮効率を誇ります。
豊富な入出力と、アクセラレーション機能を併せ持ち、FCS2との同時発表でもわかるAppleとの親密性が魅力のIO HDは、編集スタジオやMAスタジオのあり方を一変させる影響力をもつ製品かもしれません。
AJA IO HDの特徴
Apple ProRes 422およびProRes 422 HQコーデック(SD/HD 720/1080、
フル解像度10bit 4:2:2、リアルタイム処理)にハードウェアで対応
リアルタイム・アップ/ダウン/クロスコンバータを搭載
SD-SDIおよびHD-SDI入出力(各2系統)
アナログコンポーネント入出力(D1〜D4解像度に対応)
コンポジットおよびS入出力
HDMI入出力(オーディオ2ch)
SDIエンベデッドオーディオ入出力(8ch)
AES/EBU 8チャンネルアンバランスオーディオ入出力
XLRアナログバランスオーディオ入出力(4ch)
RCAアナログアンバランスオーディオ出力(2ch)
ゲンロック入力(ループスルー)
9pinデッキコントロール(RS-422)
LTCタイムコード入出力
MacとはFireWire 800一本の簡易な接続
Apple Final Cut Studio 2に対応
3年間の製品保証
IO HDについて詳細はこちら>>
AJA Video System IO HD ¥585,900
AJA Video System KONA LHe
AJA KONA LHeは、SDのみならず10bit 4:2:2非圧縮HDのSD/HD-SDI入出力に対応したPCI Express接続のビデオ・インターフェイス/アクセラレーター・カードです。(PCI-X Apple PowerMac G5に対応するKONA LHもラインナップ)
放送局で使用されることの多い、AJAダウンコンバート・テクノロジーを搭載するだけでなく、HDに対応したアナログ入出力を備えるのが、最大の特徴となっています。
非圧縮HD素材をFinal Cut Proで自在に操るには、ストレージとCPUクロックの問題が常につきまといますが、HD-SDI入力の非圧縮信号をDVCPRO HDにコンバートしながらFCSに取り込み可能なKONA LHeは、資産を活用しながら高品位な編集を行いたい編集スタジオに最適なソリューションと言えます。
付 属のブレイクアウト・ケーブルを使用してSD/HD-SDI、アナログ・コンポジット/コンポーネントのビデオ入出力、アナログ/デジタル・オーディオの 入出力、リファレンス入力が行えるほか、オプションのKL-BOX for KONA LH(KONA LH/KONA LHe共用)を使用すると、ラックマウントのブレイクアウト・ボックスとして、すっきりとまとめることが出来ます。
AJA KONA LHeの特徴
10bit非圧縮SD/HD QuickTimeキャプチャカード
12bit HDアナログコンポーネントI/O
12bit SDアナログコンポーネント、コンポジット、SビデオI/O
10bit HD to SDダウンコンバータ搭載
DVCPRO HDハードウェアアクセラレーション
ダイナミックRTエクストリーム対応ハードウェアアクセラレーション
SD/HD-SDI入力
2つの独立したSD、HD-SDI出力
2chバランスXLR AES、2chバランスXLRアナログオーディオI/O
8ch SDIエンベデッドI/O
HD/SDゲンロック、RS-422マシンコントロール
Final Cut Pro 5、Motion、After Effects、Combustion等に対応
ブレイクアウトケーブル同梱、KL-Boxオプションにも対応
3年間のハードウェア保証
PCI Express対応のKONA LHe
PCI/PCI-X対応のKONA LH
KONA LHeについて詳細はこちら>>
AJA Video System KONA LHe ¥294,000
AJA Video System KL-BOX for KONA LH ¥50,400
AJA Video System GEN10
GEN10は、接続されたすべての機材に対して高品位で安定した映像とオーディオの同期信号を提供する、コストパフォーマンスと順応性に優れたシンクジェネレーターです。
GEN10は、独立した2系統にグルーピング可能な6つのSD/HD出力と1系統のAES-11出力の合計7系統の出力を備え、SD出力はブラックバース トもしくはカラーバー、HD出力は今日利用されているほとんどのフォーマット(19種類)に切り替え可能な3値シンクを出力することができます。
驚くべく価格を実現したGEN10は、これから映像編集環境を整えたい方に最適なソリューションとなるでしょう!
AJA GEN10の特徴
HD:3値シンク出力
SD:ブラックバーストもしくはカラーバー
SD/HD:独立した2系統のグループを切替可能
AES-11:サイレンス、トーンに切替可能
Sync DAなしにシステム全体の同期が可能
5-18 VのDC電源
ディップスイッチによる各種設定
GEN10について詳細はこちら>>
AJA Video System GEN10 ¥73,500
Apple Final Cut Studio 2 ¥148,000
Apple Final Cut Studio 2アップグレード版(Final Cut Pro/Production Suiteユーザー) ¥78,000
Apple Final Cut Studio 2アップグレード版(Final Cut Studio 1/5.1ユーザー) ¥58,000
Event
2023/03/09
【アーカイブ映像配信中!】AVID CREATIVE SUMMIT 2023
リアルな制作環境の「いま」、そしてクリエイターの「未来」をご提案する
サウンド制作のためのリアルノウハウイベント
コロナウィルスという未曾有の脅威により、激しい変革を迎えたエンターテインメント・ビジネス。その変化の中でWeb/IT/IPといったテクノロジーが劇的な進化を遂げ、制作環境もステップアップを行うタイミングが訪れました。長く続いた「ステレオ」から「イマーシブ」への革命が音楽のフォーマットに新しい風を吹き込み、CloudやIPの技術を活用した新しいソリューションが台頭、制作環境も劇的な変貌を遂げる準備が着々と進んでいます。
その「いま」を最新の情報・ノウハウとともに多方面から切り取り、そしてみなさまと共有する。次世代のAvid Creative Summitの幕開けとも言えるのが今回のラインナップです。これからの未来をともに歩むための第一歩として、会場に足を運んでいただき様々な情報共有、意見交換などが行える場にできたらとスタッフ一同、力を込めて準備を進めています。リアル開催+オンライン配信のハイブリッドでお届けする今年のAvid Creative Summit、多くの方のご参加をお待ちしております!
◎本配信は終了いたしました。多くの皆さまにご視聴いただき、誠にありがとうございました!一部のセミナーは下記アーカイブ配信にてお楽しみいただけます。※アーカイブ配信は予告なく公開終了場合がございます。あらかじめご了承ください。
NsSTREAM Liveでのアーカイブ配信ご視聴方法(Dolby Atmos)
◎NeSTREAM Liveを使用したDolby Atmosアーカイブ配信のご視聴方法詳細はこちらをお読みください。
すでにNeSTREAM Live アプリをインストール済みの方は、下記URLよりQRコードを読み込むことでご視聴可能です。
>>セミナー配信 ご視聴用QRコードはこちら:https://nestreamlive.radius.co.jp/special/sp_event12/
>>パソコン音楽クラブ スペシャルライブ ご視聴用QRコードはこちら:https://nestreamlive.radius.co.jp/special/sp_event13/
技術協力:株式会社クープ https://www.qooop.co.jp/index.html
NeSTREAM LIVE サービス詳細 https://nestreamlive.radius.co.jp/
You Tubeでのアーカイブ配信ご視聴方法
◎You Tubeでのアーカイブ配信のご視聴はこちら
※動画ウインドウ内右上の「再生リスト」をクリックすると公開中の全てのセミナーがご視聴いただけます。
TOPタイムテーブルオンラインの視聴方法DAY1セミナー紹介DAY2セミナー紹介協賛各社様展示コーナー同時開催コンソール展現地参加募集要項DolbyAtmos試聴方法
Pro Tools Studio / Artist 年間サブスクリプションライセンス当選者発表!
多数のご回答をいただき、誠にありがとうございました。厳正なる抽選の結果、下記のみなさまにプレゼントが当選いたしました!当選者のみなさまには別途メールにてご案内を送付しております。※メールが届いていないという方はお手数ですが迷惑メールフォルダのご確認をお願いします。
Avid Pro Tools Studio 年間サブスクリプション
新規ライセンス(4名様)
しゅるすと 様
Daisuke Sato 様
ななお 様
ヒデ 様
Avid Pro Tools Artist 年間サブスクリプション
新規ライセンス(8名様)
cafe 様 / こーが 様
さの 様 / Shizu 様
Nobuhiro 様 / 福本 様
リチャード様 / 33 様
◎タイムスケジュールのご案内
Avid Creative Summit 2023 Day1
Avid Creative Summit 2023 Day2
PDF:Avid Creative Summit 2023_Timetable_Day1
PDF:Avid Creative Summit 2023_Timetable_Day2
PDF:Avid Creative Summit 2023_Timetable_両日
【Day1】 4πが開く表現の扉
新しい表現、音楽を楽しむ環境が整った今、その制作ノウハウと最新TIPSを一挙公開
◎Day1 第一部(前半3セミナー)
◎Music Seminar #1 4πへの階段
〜 MILやVSVerb などを通して垣間見るイマーシブ制作のNext Step 〜
3月2日(木)13:15〜13:45 ◎抽選会あり
昨年誕生したMIL=Media Integration Labの音響設計を担当されたSONAの中原氏を講師に迎え、「イマーシブのその先にあるもの、次の目標地点とはどこなのか?」をテーマにお話いただきます。MILで実現した4π 試聴環境構築の舞台裏をはじめ、音響ハウスの響きを再現した話題のリバーブプラグイン「ONKIO Acoustics」のコア技術=VSVerbに関するお話など、既存フォーマットの先を見据えた立体音響のテクノロジーについて様々な視点から解説いただきます。
講師:中原 雅考 氏
株式会社ソナ 専務取締役
オンフューチャー株式会社 代表取締役
株式会社ソナ http://www.sona.co.jp/
1995年に九州芸術工科大学の修士課程を修了し、株式会社ソナに入社。以来、多くのスタジオ設計に携わる。2005年、九州大学より博士(芸術工学)を授与。2006年、尾本章教授(九州大学)とオンフューチャー株式会社を設立。ソナでの建築音響業務に加え、音響技術に関する開発などを行っている。例えば、ONKIO Acousticsに搭載されているリバーブエンジンVSVerbなどはその一例。2013年にAESジャパンアウォード、2021年に日本音響学会活動貢献賞を受賞。
◎Music Seminar #2 マスターファイルってどうなっているの?
〜 Dolby Atmos マスターファイル徹底解説 〜
3月2日(木) 14:00〜14:30
2021年6月、Apple Musicで空間オーディオが発表され、現在ではリリース作品も多く見受けられる状況となったDolby Atmos。国内でも対応スタジオやリリース作品も増え、Dolby Atmosでの作品リリースをお考えの方も多くなっているのではないでしょうか。制作のツールも揃い、誰でも手軽に制作が可能になっているということは、これまでにもいろいろな機会にご紹介させていただいています。このセミナーではミキシングが完成した後の工程を題材とし、マスターファイルってどんなフォーマット?どうやって作るの?など様々な疑問を解消すべくDolby Japan藤浪崇史氏をお招きしてお話を伺います。
講師: 藤浪 崇史 氏
Dolby Japan 株式会社
コンテンツ&ワークフロー部
コンテンツ・テクニカル・マネージャー
Dolby Japan https://www.dolbyjapan.com/
愛知県出身。カリフォルニア州立大学ノースリッジ校卒。同大学卒業後、名古屋の音響効果会社に入社。テレビやスポーツ(野球)、音楽ライブなど様々な現場で音響効果を担当する。 2022年9月Dolby Japan 入社。国内のDolby Atmosコンテンツ制作における技術サポートを担当。主な活動の一つとしてポストプロダクション、音楽スタジオ、エンジニア、アーティス トへ向けて、スタジオ制作から配信までのワークフローを解説、サポートする。
◎Music Seminar #3A.I. × Professional Vol.1
〜 iZotope Neutron 4 meets 土岐彩香 〜
3月2日(木) 14:45〜15:15 ◎抽選会あり ※アーカイブ配信なし
OzoneやNeutronに代表されるiZotopeソフトウェアが誇るA.I.アシスタント。その提案の長所と短所を捉え、どのように発展させれば良いか、A.I.アシスタントと第一線のプロエンジニアの技術が交差することで、発展への未来を導くシリーズ『A.I. × Professional』の第一回をAvid Creative Summit 2023にてお届けいたします。記念すべき第一回のゲストにはミキシングエンジニアの土岐彩香氏をお迎えし、Avid Pro Toolsセッション上でのNeutron 4との化学反応をお届けします。iZotopeのA.I.アシスタント機能は全く使っていないというエンジニア様にも、逆に頼りがちという初心者様にとっても、活用の糸口となるセミナーです。
講師:土岐 彩香 氏
Recording/Mixing engineer
WEB: https://toki.work/
青葉台スタジオからエンジニアのキャリアをスタートし、現在はフリーランスで活動中。 打ち込みと生音の合わさるダンスミュージックを得意とする。ついベースとキックを大きくしがちな、グルーブ好きエンジニア。
◎Day1 第二部(後半3セミナー)
◎Music Seminar #4 4πミックスの可能性
〜サウンドプロデューサーURU氏による360 Reality Audio ミキシングテクニック〜
3月2日(木) 15:45〜16:15 ※一部アーカイブ配信なし
イマーシブ・ミキシングは作品数が増えるにつれ、様々なテクニックやノウハウが生まれてきています。旧譜の再ミックスにはある一定のセオリーが誕生しているとも感じるようになってきていますが、新譜に関してはどうでしょうか?ソニー 360 Reality Audioでの楽曲リリースを実際に行っているURU氏を講師にお迎えし、プロデューサー、トラックメーカーをベースとした目線でのイマーシブ・ミキシングのあり方、実際の制作からのノウハウをお話しいただきます。アーティスト寄りの立場から生まれるアイデアとノウハウは、作品の世界ごと立体空間へフルダイブすることができるもの。イマーシブ・ミキシングを行っている方必見のセッションです。
講師: URU 氏
Sony Music Publishing,Japan専属作家
BIZM inc.プロデューサー
WEB:https://smpj.jp/songwriters/uru/
R&B、HIPHOP、JAZZ、ELECTRO、ROCK、LATINなど、幅広いジャンルのソングライティング、トラックメイキング、ミックスまでこなすサウンドプロデューサー。東京の自身のスタジオ”blue velvet studio”に拠点を置き、日本のアーティストに限らず、韓国、中国、台湾、香港、インドネシア、コロンビアなど、海外のアーティストの楽曲も数多く手がけている。近年は、360 Reality Audio Mixも多数手がけている。
講師:渡辺 忠敏 氏
ソニー株式会社
360 Reality Audioコンテンツ制作スペシャリスト
ソニー株式会社 https://www.sony.co.jp/
360 Reality Audioクリエイター向け特設ページ:https://www.sony.co.jp/Products/create360RA/
AVアンプなどコンシューマーオーディオ製品の音質設計やSuper Audio CDコンテンツ制作フィールドサポートを経て、現在360 Reality Audioコンテンツ制作のフィールドサポートとして国内外の制作の技術的サポートを行っている。
◎Music Seminar #5 What's New Avid Audio Product 2023
〜Pro Tools 最新情報&最新プロダクトの紹介〜
3月2日(木) 16:30〜17:00
2022年に発売されたAVID最新プロダクトMBOX Studioを中心に、Pro Toolsの最新アップデート情報やTipsをご紹介。
講師: 小笠原 一恵 氏
Avid Technology
オーディオ・ソリューション・スペシャリスト
Avid Technology:https://www.avid.com/ja/
ヨーロッパにてクラシックからジャズと幅広い音楽ジャンルでの作編曲および演奏活動を経て帰国、現在はAvidのオーディオ・ソリューション・スペシャリストとして活躍しています。
◎Music Seminar #6パソコン音楽クラブ SPECIAL LIVE!!
〜 Lush HubからDolby Atmosで生配信! Supported by NeSTREAM Live 〜
3月2日(木) 17:15〜17:45 ◎抽選会あり
イマーシブ・オーディオの次のステップは、ライブ配信だということに異存はないでしょう。実際にサービスを立ち上げ、活用が始まっているNeStream Liveを使ったMusic Liveを当日LUSH HUBより配信します!会場にお越しの方は、Dolby Atmosフォーマットでのライブ配信を行っている様子を、オンラインでご参加の方は実際に制作されたDolby Atmosでのライブ配信を体験。まさに、イマーシブにとって次のステップと言えるライブ配信の現在地を体験いただきます。
ゲストパフォーマンス:パソコン音楽クラブ
WEB:https://www.pasoconongaku.club/
2015年結成のDTMユニット。メンバーは⼤阪出⾝の柴⽥碧(シバタアオイ)と⻄⼭真登(ニシヤママサト)。往年のハードウェアシンセサイザー・⾳源モジュールを⽤いて⾳楽を制作している。他アーティスト作品への参加やリミックス制作も多数⼿がけており、ラフォーレ原宿グランバザールのTV-CMソング、TVドラマ「電影少⼥- VIDEO GIRL AI 2018 -」の劇伴制作、アニメ「ポケットモンスター」のEDテーマ制作など数多くの作品も担当している。演奏会も精⼒的に⾏っており、FUJIROCK2022へも出演し話題になる。2018年に初の全国流通盤となる1stアルバム『DREAM WALK』をリリース。2019年、2ndアルバム『Nigh t Flow』は第12回CDショップ⼤賞2020に⼊賞し注⽬を集める。2021年10⽉には3rdアルバム『See-Voice』をリリース。2022年7⽉には⾃⾝初のデジタルシングル『KICK&GO(feat.林⻘空)』、11⽉には『SIGN(feat.藤井隆)』をリリース。2023年トラック集「DEPOT」シリーズをリリース。
◎NeSTREAM LiveでのDolby Atmos 配信ご視聴方法
Dolby Atmosでのご視聴にはスマートフォンやApple TV 、 Fire TVにNeSTREAM LIVEのアプリをインストールする必要があります。詳細はこちらからご確認ください。
【Day2】 次世代 IP/IT/イマーシブが切り開くワークフロー
次の時代の制作環境を紐解くキーテクノロジーを、実際の事例とノウハウを交えご紹介
◎Day2 第一部(前半3セミナー)
◎Enterprise Seminar #1 Dolby Atmos制作実話
〜映画JSB3 LIVE FILM / RISING SOUND〜
3月3日(金) 13:15〜13:45 ◎抽選会あり ※アーカイブ配信なし
数多くのイマーシブ・ミキシング実績のある染谷和孝氏を講師にお迎えして、映画『JSB3 LIVE FILM / RISING SOUND』のライブフィルム制作実例を元にしたセッションをご紹介します。特に無観客ライブ映像を有観客のように感じさせるiZotope RX 10 Advancedを使用した多くのノウハウや、経験から創られるオーディエンストラックの処理方法は必見です。 ※本セミナーはアーカイブ配信の公開予定はございません。
講師:染谷 和孝 氏
株式会社ソナ
制作技術部
サウンドデザイナー/リレコーディングミキサー
株式会社ソナ http://www.sona.co.jp/
1963年東京生まれ。東京工学院専門学校卒業後、(株)ビクター青山スタジオ、(株)IMAGICA、(株)イメージスタジオ109、ソニーPCL株式会社を経て、2007年に(株)ダイマジックの7.1ch対応スタジオ、2014年には(株)ビー・ブルーのDolby Atmos対応スタジオの設立に参加。2020年に株式会社ソナ制作技術部に所属を移し、サウンドデザイナー/リレコーディングミキサーとして活動中。2006年よりAES(オーディオ・エンジニアリング・ソサエティー)「Audio for Games部門」のバイスチェアーを務める。また、2019年9月よりAES日本支部広報理事を担当。
◎Enterprise Seminar #2 最新!Avid Video Solution
〜 Avid NEXIS|EDGE、MediaCentralなど時代の先端をいくAvidの制作ソリューション 〜
3月3日(金) 14:00〜14:30
今後の制作システムを考えるにあたり、避けては通れないキーワードがクラウドではないでしょうか?国内ではようやく完全ファイルベースのソリューションが産声を上げたところですが、海外ではクラウドを活用した作業の効率化、合理化が進んでいます。Avidのクラウドソリューション、サーバーソリューションをご紹介するとともに、Media Composerの最新情報、またMedia composerとPro Toolsとの連携ワークフロー(Pix Mix)をご覧いただきます。Next Stepとしてのシステムのあり方をご体験ください。
講師:西岡 崇行 氏
Avid Technology
グローバル・プリセールス
ビデオ・ソリューションズ・スペシャリスト
Avid Technology:https://www.avid.com/ja/
Avid DSのアプリケーション・スペシャリストとしてアビッドテクノロジーに入社以来、20年以上に渡ってあらゆるソリューションに関わってきました。アセットマネージメントやストレージ、CGやオーディオまで、広範囲に渡る知識と経験を活かして、最適なメディア制作ソリューションの提案をミッションとし続けています。
◎Enterprise Seminar #3 サッカードイツ1部リーグで初のDolby Atmosライブリモートプロダクションを実現
3月3日(金) 14:45〜15:15 ※アーカイブ配信なし
近年発展の目覚ましいAoIP技術の一例として、ドイツのサッカー1部リーグのテレビ番組制作を実例にご紹介します。ドイツで圧倒的な人気を誇る同プログラムでは、コンテンツのさらなる充実と差別化を目的にDolby Atmosでの番組製作が始まっています。毎週ドイツの各地で行われる試合を、国内だけに留まらず世界各国の放送事業者に対して、Dolby Atmosで年間を通じてコンスタントに届けるために採用されたのが、ライブリモートプロダクションという方法です。遠隔地との通信ではある程度の遅延が発生する事は通常避けられませんが、特に生放送の番組制作では非常にシビアな事柄になってきます。今回取り上げるドイツの製作現場では、これをAoIPの技術で如何に解決して実用化へと結びつけているかという事にスポットライトを当てて、ご紹介致します。
講師:数金 千恵 氏
オタリテック株式会社
プリセールスマネージャー
オタリテック株式会社:https://otaritec.co.jp/
◎Day2 第二部(後半3セミナー)
◎Enterprise Seminar #4 Dante's Next Step!大規模システム、Videoとの共存、Dante第2章が始まります!
〜 Dante AVによるVideoとの統合、Dante on Demandによる遠隔地間の通信 〜
3月3日(金) 15:45〜16:15
AoIPの代表として市場に浸透しているDante。ライブの現場設備から、制作システムへの活用まで様々なところでその利便性が認められて普及しています。Danteの次のステップは、Dante AVと呼ばれる映像信号をDante Networkで伝送できるソリューション。映像と統合環境となることで幅広い環境でのDante活用が考えられます。また、従来はLocal Area Networkでの接続であったDanteの遠隔地点間の信号やり取りはDante Domein Managerで実現していますが、さらに大規模なシステムとしてDante on Demandの準備が進んでいます。AoIPの未来形をご覧ください。
講師:川北 敏樹 氏
Audinate
シニアマネージャー、ジャパン
Audinate:https://www.audinate.com/?lang=ja
2018年にAudinateに入社以来、AVoIPのパイオニアであるDanteを日本市場で普及させて参りました。オーディオのみのIPプラットフォームと思われがちなDanteですが、ビデオも本格化してきており、今後はクラウド環境など、さらに進化を続けてまいります。乞うご期待くださいませ。
◎Enterprise Seminar #5What's New Avid Audio Product 2023 for Post
〜 Pro Tools最新情報&最新プロダクトの紹介 〜
3月3日(金) 16:30〜17:00
Pro Toolsの最新アップデート情報やTipsなどを、Postにフューチャーした内容をハンズオンを交えながらご紹介。
講師: Daniel Lovell 氏
Avid Technology
APAC オーディオ・ソリューション・スペシャリスト
マネージャー
Avid Technology:https://www.avid.com/ja/
オーディオポストから経歴をスタートし、現在ではAvidのオーディオ・アプリケーション・スペシャリストであり、テレビのミキシングとサウンドデザインの仕事にも携わっています。20年に渡るキャリアであるサウンド、音楽、テクノロジーは、生涯におけるパッションとなっています。
◎Enterprise Seminar #6 ゲームとイマーシブ:なぜイマーシブが求められるのか?
〜 CAPCOMのゲーム制作現場から最新のゲームオーディオ事情 〜
3月3日(金) 17:15〜17:45 ◎抽選会あり
昨年、イマーシブミキシング対応にスタジオをリニューアルし、スピーカーでのDolby Atmos視聴環境を5室備えることとなった株式会社カプコン。ゲームにとってのイマーシブとは?なぜイマーシブで制作するのか?イマーシブによるゲームの革新と進化、インタラクティブ体験の向上、ユーザー・プレゼンス。そこにあるメリットや必然とはどのようなものなのか、実際に現場の先頭に立たれている瀧本和也氏にお話をいただきます。他業界からみても興味深い、エンターテインメントの最先端を行くゲーム業界の動向、考え方を感じていただけるセッションです。
講師: 瀧本 和也 氏
株式会社カプコン
サウンドプロダクション室
サウンドデザインチーム
シニアサウンドエンジニア
株式会社カプコン:https://www.capcom.co.jp/
CAP’S TONE Capcom Soundteam Official Web:https://www.capcom.co.jp/sound/
バイオハザードシリーズ、モンスターハンターシリーズを中心にミキシングエンジニアとしてゲーム開発に参加し、ゲームオーディオ全体のクオリティを支える。近年は特にダイアログについて多くの試みでクオリティアップを担い、ゲーム内の空間演出も担当。多くのイマーシブオーディオミキシングを積極的に行い、ゲームにおけるインタラクティブなミキシングと演出的な表現としてのミキシングの融合を目指し、研究を重ねている。
協賛各社様展示コーナー 〜話題の新製品をお見逃しなく!〜
当日は協賛各社様による最新ソリューション展示を行います。中には、まだ国内初展示となる話題の新製品の姿も!? 次世代を見据えたプロダクトを知り、流行を先取りできるチャンスをお見逃しなく!
以下、展示予定の製品/システムをご紹介いたします。※展示内容は予告なく変更となる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
出展ご協力社様(順不同):
・タックシステム株式会社 https://tacsystem.jp/
・オタリテック株式会社 https://otaritec.co.jp/
・Blackmagic Design
昨年発表され、瞬く間に話題となったDante/MADIインターフェイス NTP Technology DAD Core 256が、いよいよ国内初上陸。どこよりも早く、Avid Creative Summit LUSH HUB会場でお披露目いたします!
<展示予定製品>
・ONKIO Acoustics ・Zaor MIZA 88XL
・NeSTREAM LIVEアプリでDolby Atmos再生に対応している機器は
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2014/05/28
ROCK ON PRO PRESENTS Avid Creative Summit 2014 @SOUND INN 開催現地レポート!!
未来を紡ぐ百花繚乱のプロダクト、Network、Cloud、あらゆる場所で私たちがつながる!
2014年5月15日、東京麹町に立地するSOUND INN Studio AにてROCK ON PRO presents AVID Creative Summitを開催、非常に多くのお客様にご来場頂きました。そのセミナー内容はほぼ全編をYou Tubeへすでに公開させて頂いていますが、ダイジェストにてその開催内容をレポートしていきます!
ROCK ON PRO presents AVID Creative SummitはAVIDのプロダクトを中心に、講師を招きお届けをしたセミナーセッションと、プラグイン・外部機器などを取り扱う協賛各社様によるブース展示で開催されました。ブース展示は総勢7社、それぞれ簡単にご案内するとM.I.D.様はSlate Pro RAVEN MTiを中心とした展示。このRAVENはRock oN店頭でご覧になった方も多いかもしれませんが、AES 2012での発表で世界中の注目を集めたタッチスクリーンを使った新しいDAW controller。ミキサーの操作だけでなく、編集操作もタッチスクリーンを使用してフィジカルに操作可能なプロダクト、会場でもその動作にお客様の注目が集まっていました。
MI7/Syntax Japan様はRMEを中心としたMADIのソリューション。すでに確立され、安定した技術であるMADIはその安定性とケーブル1本での64ch伝送という高い汎用性を併せ持ち、DAWのパワーが向上した現代だからこそユースフルな規格として脚光を浴びています。様々なコンバーター、MADI搭載Mic Preなどを展示していただきました。
タックシステム様
ブレインミュージック様
MI7様
TAC SYSTEM様はDirect Out Technologies社のMADI製品群。こちらの注目はもう一つの多チャンネル伝送技術として注目のAoIPであるRavennaとMADIのコンバーター。それぞれの特徴はありますが、相互につなぎ合わせることの出来るソリューションの登場はシステムアップの柔軟性を増すこと間違いありません。もう一つNTP Technologyも忘れてはいけません。こちらはDigilinkによるPro Toolsと直接接続も可能なMADI / Danteのコンバーターとなっており、様々な利用シーンに幅広く対応するプロダクトです。
BrainMusic様はいち早くAVID S6設置可能なAKA design社のスタジオデスクを展示。使い勝手の良さそうな機能性を持ったデスクにお客様からも多くのご反響を頂いています。
Formula Audio様はリバーブプラグインとして定番の地位を占めるAltiverbを開発するAudioEase社の製品群を展示。ご利用中のお客様も多く、現場レベルの質問が飛び交っていたのが印象的です。最近AAXに対応したのもTOPICでした。Media Integration 輸入事業部はWAVES,McDSP,Sonnox,SoundToy等様々な取扱プラグインを展示。その他にもEVE audioのスピーカー、輸入取扱いが開始されたばかりのLewittのマイクなど多彩な展示。AVID様はブース展示にもS6を持ち込んでいただき、S3Lと合わせて最新のコンソールプロダクトを展開。その製品詳細は、セミナー本編に譲ることとします。
宮地楽器様
フォーミュラオーディオ様
メディア・インテグレーション
第一章 :AVID Everywhereその未来を探る、Eyes on AVID S6 / S3 / Protools Connect
Session#1はAVIDの製品群が中心となる「Eyes on AVID S6/S3/Protools Connect」定刻の開始時間にはすでにほぼ満員の盛況となりお客様の期待を感じながらのセッションスタートとなりました。先ずは、Avid APAC Director of Sales(Audio)のチャールズ・テタズ氏によるNAB 2014で発表となったAVID Everywhere、Pro Tools Cloudのご説明。通訳はAVID JAPANの三橋さんに行っていただきました。
[caption id="attachment_16348" align="aligncenter" width="636" caption=""][/caption]
[caption id="attachment_16350" align="alignright" width="250" caption="Avid APAC Director of Sales(Audio) チャールズ・テタズ 氏"][/caption]
AVID EverywhereはこれからAVIDの向かう将来、そしてAVIDが提案する未来のワークフローを表すメッセージ。AVIDはサーバー、NLE、DAWと今後ワークフローの中核となるプロダクトを持つ企業であり、これからは機能強化はもちろんだがワークフローの強化につながる『Cloud』『Archive』といった提案を行っていくということを表明しています。その一つがPro Tools Cloudであり、遠隔地の作曲家とミュージシャンがCloud Networkでつながり作業を共有していくというソリューション。ビデオチャット等のコミュニケーションツールがPro Toolsに組み込まれ遠隔地で同じセッションを共有し作業を行うことが出来るというまさに未来のワークフローを提案しています。NAB 2014ではステージ上でその実演も行われていたため、リリースまでもそれほど時間がかからないのではないかと感じさせる完成度を持った内容。
[caption id="attachment_16349" align="aligncenter" width="636" caption="Pro Tools クラウド概要資料"][/caption]
[caption id="attachment_16356" align="alignright" width="200" caption="Avid プロオーディオ・ジャパンセールスマネージャー 常盤野 司 氏"][/caption]
NAB 2014で発表された事項の説明を引継ぎ、Avid Pro Audio Japan Sales Managerの常盤野 司 氏から『Archive』に関しての解説。ここでのトピックはPro Tools Sessionをパッキングする『PXF=Production eXchange Format』の発表。PXFはPro Toolsのセッションをアーカイブするためのフォーマットでレンダリングしたデータの保存や、フリーズトラック機能、セッションのプレビュー等アーカイブ向けの多数の機能を盛り込みます。また、Avidの他のアプリケーションとの共有、互換に関しても考慮して設計された、まさに次の世代へ『Archive』するための待ちに待ったフォーマットの登場です。過去のデータが開けなくなった、ということはこのPXFが解決をしてくれることとなるでしょう。
[caption id="attachment_16357" align="aligncenter" width="636" caption="PXFファイル概要資料"][/caption]
そして、AVID Audio Aplication Specialist Daniel Lovell 氏とROCK ON PROのプロダクトスペシャリスト2名(洋介・赤尾)によるAVID S6を中心とするコンソールプロダクトの解説を行いました。Daniel氏は日本国内に常駐する初のAplication Specialist。このポジションは、次世代プロダクトの開発、バグフィックス、βテスト等を行うまさに開発チームの一員と言えるポジション。国内ユーザーの声が直接開発チームへと届けられる太いパイプが日本に置かれたと言っても過言ではありません。
[caption id="attachment_16359" align="alignleft" width="250" caption="Avid Audio Application Specialistダニエル・ラヴェル氏"][/caption]
セッション本編はS6の開発バックグラウンドにあるヒストリーの解説から。先ずはAVID ICONシリーズ。世界で最も成功したコンソール(なんと販売実績は5000台以上)となったICONはなぜここまで市場に受け入れられたのでしょうか?世界の音を取り扱う現場がTapeからDAWに取って代わられ、その背景から一番効率よくDAWを操作できるコンソールとしてICONは誕生し市場に受け入れられていきました。しかし、ユーザーからはもう少しコンパクトにならないか?モジュールで必要な部分だけを購入できないか?等多数の要望が寄せられていたのも事実です。もう一つのバックグランドヒストリーはAVID system 5。その登場はなんと1998年、すでにデビューから16年を経過したこのプロダクトはもちろん今でも現役です。今現在でも導入の話を聞くことができる現行製品。デジタル製品としては異例とも言える長寿の秘訣はどこにあるのでしょうか?それは、開発コンセプトの時点から既に先進的であったモジュール構造と、ソフトウェアベースのシステムにあると言えます。誕生当初、純粋なDigital Consoleであったsystem 5は2007年にHybridシステムと呼ばれる統合型のDAWコントロール機能を手に入れます。その特長はなんといってもLayout機能と呼ばれる、複数のDAWを同一の盤面に展開して操作可能という柔軟性。バックボーンにネットワーク構造を取り入れていたsystem 5だからこそ実現した機能であると言えるでしょう。
そして、ICON・system 5という大きな成功を納めた2つのプロダクトの血統を受け継いだ次世代型のコンソールが当日32fader仕様として展示したS6。Pro Tools専用設計だからこそ実現できたICONの高い親和性とコンソールメーカーが次世代のワークフローを考え実現したHybrid機能。これらの利点を全て盛り込み、ユーザーから得たフィードバックを活かし設計されたのがこのS6です。感覚的にフィジカルなコントローラーとして残さなければいけない部分(フェーダー、ノブ)と何度もボタンを押したり、メニューの階層を潜ったりするのではなく、スマートにタッチパネルでオペレーションを行い、これらをクリアに切り分けてコンパクトに再設計された製品。それぞれのモジュールは完全に独立しており、ユーザーのニーズに合わせた柔軟なシステムアップが可能。もちろんソフトウェアベースの構成となっており、長期に渡りアップデートによる機能追加が行われ、system 5と同様に現場のニーズを満たし続ける製品となることでしょう。
また、今後予定されているS6のアップデート情報もここでは紹介していただきました。ICONで実現していたSpill Fader機能。これは1ボタンで、手元にGroupや、VCA masterなどを呼び出す機能。ICONからはもう一つ、プラグインパラメータをストリップのノブに展開可能なMAP機能。system 5の中心機能とも言えるLayout機能。非常に強力な追加が予定されています。これらはソフトウェアのバージョンアップで提供されます。今後も我々ユーザーの要望により、またワークフローの変化に追従し様々な更新が期待されます。
次のコーナーはS3Lを題材に、AVIDの持つ先進の機能をご説明。AVIDもAoIP=Audio over IPと呼ばれるネットワークオーディオの実現を果たしているメーカーの一つです。S3LではAVBと呼ばれる規格を採用、こちらも今後の展開が期待される技術です。そして、system 5、S6でも採用されるEuCon。DAWとコントローラーを接続するこのプロトコルもネットワークをベースとした非常に汎用性と柔軟性を併せ持った技術。S6&PT11の組合せではEuCon 3.0へとバージョンアップをしています。これによりS6の高度なVisual FeedBack、そしてDisplay Moduleに表示されるWaveformを実現しています。
最後のコーナーはこれからのソリューション、ワークフローをここまでにご紹介したAVIDのプロダクトとともに考えるというROCK ON PRO洋介からご提案のコーナー。音楽業界を考えると冒頭のPro Tools Cloudによるコラボレーションワークフローはまさに未来像でしょう。合わせて、AoIPによる柔軟なシステムアップ、Digital Mic等システムのデジタル化が大きな変革への道筋ではないでしょうか。これらの実現により作業環境から多くのストレスが排除され、より良い作業環境が成立するのではないでしょうか。
ポスト・プロダクションには、ファイルベース化による高効率化が求められると考えています。サーバーによるファイルシェアはもちろん、ファシリティーの共有による運用自体の効率化も求められる内容です。そのためには、KVM、Audio、Videoの回線にMatrixが必要となりますが、ここではそれらを実現するソリューションのご提案を行わせていただきました。
次は放送業界に向けたご提案として、作業の速度、確実性を求めたファイルベースでの高度に自動化されたソリューションワークフローのご提案。ここでキーワードとなるのがtranscoder。バックグラウンドで自動的に作業の工程を進めることが可能なエンジンを準備することで、作業効率の向上と確実性を確保することが可能です。最後に教育機関に向けたご提案。最新のソリューションワークフローを理解し運用が出来る人材の育成は今後の大きな課題。そのために必要な機材、ソリューションのご案内も行っているとお話をさせていただきました。
第二章 :東映最新ダビングスタジオ設計に見るDOLBY ATMOSとHDXの運用
[caption id="attachment_16367" align="alignright" width="150" caption="東映株式会社デジタルセンター 畠山 宗之 氏"][/caption]
休憩を挟み行われた、セッション2は次世代の音響フォーマットであるDOLBY ATMOSの解説を、国内で初のダビングステージとなる東映株式会社デジタルセンターの畠山 宗之 氏とDOLBY JAPAN株式会社の中山 尚幸 氏にお話を頂きました。
先ずは中山氏よりDOLBY ATMOSがどのようなものなのか、どのようなスピーカー配置なのか、そしてその制作においてキーワードとなるBedとObjectの解説、必要なエンコーダーとしてRMUのご紹介をしていただきました。そして、畠山氏からはPro Tools上での設定などを含めてのATMOSミックス手法を詳細に解説、実際にスタジオのシステムと合わせてご紹介頂きました。使用されているモニターから、その配置、更には実際の制作工程を丁寧に追っていただき、まさに日々行われている現場でのワークフローを解説。
[caption id="attachment_16435" align="aligncenter" width="636" caption="ATMOSでのスピーカーレイアウト"][/caption]
昨年秋のオープンから、まだ数名のエンジニアしか行ったことがないATMOSでのミキシング。その手法はまさに貴重な情報です。その詳細については是非とも公開されている動画をご覧頂きたいと思います。
最後に中山氏よりATMOSの世界市場での動向。このセミナー開催時点でATMOSでミックスされた作品は118作品以上、劇場は550以上、ダビングステージは55以上になっているとご紹介いただきました。
[caption id="attachment_16368" align="alignleft" width="250" caption="DOLBY JAPAN株式会社シニア・テクニカル・マネージャ 中山 尚幸 氏"][/caption]
国内でも稼働中の劇場が6館、年内には10館以上になる予定であるとのコメントも。世界的にもATMOS作品は増え続けており5.1chフォーマットであるDOLBY Digitalの立ち上がりよりも速いペースで世界中に広がっているとのことです。ちなみに稼働中の映画館は関東では船橋、幕張、日本橋、平和島。関西では大阪、和歌山と各地に展開しています。
なお、立体音響ということでアクション等の派手な効果音などを想像される方も多いかと思いますが、ATMOSはあくまでも臨場感の向上を主眼に設計されたフォーマットであり、その高い臨場感を是非とも体感してもらいたいとお話を頂きました。今後続々とDolby ATMOS導入予定映画館が増えていきますので、是非とも一回体験をしていただきたいところです。
第三章 :リアルJazz Vocal 録音体験で知る、Recording Engineer ニラジ氏のテクニック
[caption id="attachment_16369" align="aligncenter" width="636" caption="サウンドエンジニア ニラジ・カジャンチ氏"][/caption]
最後のセッションはエンジニア、ニラジ・カジャンチ氏をお迎えしてのボーカルレコーディングセッション。まずはニラジ氏のプロフィールのご紹介から。フィル・ラモーン氏を師徒してNew YorkのHit Soundでそのキャリアをスタート、ミックスよりもレコーディングが好きだとお話いただきました。そしてROCK ON Staffも知らなかったPro Toolsの便利なTIPSも。
[caption id="attachment_16436" align="alignright" width="100" caption="通常設定での-18db"][/caption]
まず初めのTIPSはどのようなレベルでレコーディングを行うのか、自身のRefernceをどのように設定するのかについてのお話。レコーディングにあたっては使用するアウトボードの美味しい部分を余すところ無く引き出すのがレコーディングのクオリティを上げる条件となります。様々な機材、また各々のノウハウもありますがニラジ氏はその経験からReferenceを-18dbに置いているとの事。ところが、デフォルトで設定されているProToolsのメーターにおける-18dbは不安になるほどの小さな振れ幅。またヘッドルームの確認も含めてレベル管理が非常に狭い範囲での確認となってしまい制作の効率を大きく損ないかねません。
そこでTIPSとなるのがProTools11より対応したメーターセッティング画面。Preferenceの右上にあるセッティングのPTメーターの0db表示を任意に設定可能となっており、ここを変更する事でレベル管理のしやすい表示を可能にします。
[caption id="attachment_16437" align="alignleft" width="636" caption="ProTools11のPreference画面。右上のメーターセッティングがポイント"][/caption]
[caption id="attachment_16438" align="alignright" width="100" caption="セッティングのメーター表示、狙ったレベル管理を容易に行える。"][/caption]
さらにその下に位置するColor Breakの設定を変更すれば、メーター表示色の切り替わる境目を変更する事が可能です。つまり、レコーディングの判断基準となるレベルの範囲を色分けすることができ、狙ったレベルの管理を一目で確認する事も可能。つまり、色の境目をハッキリさせてその範囲にレベルが振れていればOKという確実かつ簡潔なレベル管理方法が実現しています。
この手法でアウトボードが持つ一番のクオリティを確保したレコーディングを確実に行える事になります。それぞれの基準とするレベルはレコーディングを行う方それぞれのノウハウかと思われますが、それを管理する手法としてメーターの設定を行う事は、ジャンルを問わない応用範囲が広いTIPSと言えるのではないでしょうか。
セッティング自体はとてもシンプルなものですので、お手元のシステムでもすぐに導入する事ができます。多くの楽曲を集中的にミックス、そしてそのクオリティを確保するために効率を考慮して自身のワークフローにソフトウェアを適合させる。F1ドライバーがシートポジションを突き詰めるのと同じようなプロフェッショナルのこだわりを感じるTIPSでした。
続いて2つ目のTIPSとしてTrack Template機能の解説。数々のセッションを短期間に集中して行うというニラジ氏。しかしながら受け取るセッションによって含まれたセッティング環境も様々というのが実情です。スピーディーに自身のセッティングを行いセッションを円滑に進める事はエンジニアの抱えるストレスを大いに軽減することになります。
[caption id="attachment_16439" align="aligncenter" width="636" caption="New Tracksの画面プルダウンに独自にプリセットされたネームが並ぶ"][/caption]
[caption id="attachment_16440" align="alignright" width="100" caption="プリセットで作成された新規トラック。作成して即時に次の作業へ移る事が出来る。"][/caption]
そこでニラジ氏が普段から行っているのがこの新規トラック作成時のTrack Templateに自身のプリセットを組み込む方法。自身のワークフローに沿ったプラグインやセンドなどが予め準備されたトラックを作成できるという非常に便利な機能です。
例えばプルダウンにあるFemale Vocalを選択すると写真のようにプラグイン、バスまでセッティングされたトラックが新規に作成されます。余計なオートメーションが残ってしまう事も無く、安心していつもの作業にすぐ取りかかれる。これはレコーディングセッションをスムーズに進める大きなポイントとなります。
実際の設定は、トラック作成、プラグインの挿し込み、バスの設定など自分のワークフローに沿った形で作り、これをFile→Export→Selected Tracks as New Sessionを選択。これをDocumentsフォルダ内のProTools→Track Presets→Audioのフォルダに格納します。Documents内のProToolsフォルダに保存しないといけないこのがポイントです。ちなみにTrack PresetsとAudioはデフォルトでは存在しませんので、この名前の通りに自分で作成することとなります。
[caption id="attachment_16441" align="align left" width="636" caption="作成したテンプレートの保存先、Documents内であるのがポイント"][/caption]
そしてもう一作業が肝心です、セーブされたファイルは「〜.ptx」ですがこれを「〜.ptxt」に変更。この後表示されるポップアップでも「.ptxt」を選択します。拡張子にテンプレートを意味する「t」を加える事で新規トラック作成のプルダウンにテンプレートとして表示されるようになります。
[caption id="attachment_16442" align="aligncenter" width="636" caption="最後に保存したファイルの拡張子を「.ptxt」に変更"][/caption]
これで設定は完了。再起動もすることなく、再度新規トラック作成をしてみると表示がされます。自身のシステムに設定をしておけばどのスタジオでも同じ環境・プラグイン・レイアウトでワークフローを即スタートする事ができます!ちなみに、1つのトラックだけではなく、複数のトラックを1つのテンプレートとして覚えさせることができるのでドラムのレコーディング用のチャンネル、ドラムマスターなどを覚えさせると非常に便利だとのこと。会場でも1名の方しかこの機能は知らなかったという非常にレアな機能。もちろんマニュアルにも載っていません。
[caption id="attachment_16372" align="alignleft" width="250" caption="ゲストボーカリスト マヤ・ハッチさん"][/caption]
そして注目のボーカルレコーディング。ゲストボーカリストにマヤ・ハッチさんをお迎えし、なんとコンソールの正面に設置されたマイクでヘッドフォン無しでレコーディング。セッション内ではスタジオ側でしたがコントロールルームでボーカルを録音するという想定。左右のスピーカーからの低域をキャンセルする位置へ狙ってマイクをセッティングすることで、ほとんどモニターと当たらないレコーディングが実現できるという実践。録音したトラックをソロにして再生も行いましたが、驚くほど少ないカブリで録音されていました。これには、会場のお客様もかなり驚かれた様子です。
やはり国内でのボーカルダビングといえば、遮音をきっちりとしたブースでヘッドフォンをしてというのが常識になっていますが、アーティストとのコミュニケーションなどを考えるとこの手法は是非とも試してもらいたい方法だと感じました。そして、更にかぶりをキャンセルする方法やマイクをセットするポイントの探し方などをご解説いただきました。
それ以外にも、Pro Tools 11になってそのサウンドの変化によりセレクトするアウトボードも変化したことや、お気に入りの機材の話などをしていただきました。非常に興味深いお話が満載のセッション。こちらも動画公開されていますので是非ともご覧ください。また、Web上でも改めて解説をアップ予定です!
3つのセミナーセッションの後には、懇親会を行わせていただきました。ブース展示をしていただいた各メーカーの方もご参加いただきアチラコチラで濃い内容の会話が飛び交っていたのが印象的。この記事をお読みの皆様も、動画を見てのご感想、ご質問お気軽にお寄せ下さい。出来る限りお答えします。また、末文になりましたが今回の開催にあたっては関係各社様より多大なるご協力、ご尽力を賜りました、誠にありがとうございました!
そして、この先のAvidソリューションはまさしくグローバルな規模感でEverywhereを実現していくことが実感できました、クリエイターの制作環境もProTools Cloudによって海を越えて行く、世界サイズでのコラボレーションが新たなミュージックシーンを作り上げて行くのかもしれません。可能性を更に拡げる未来を見据えたプロダクトの登場に期待で胸が沸き立ちます!今後もROCK ON PROでは皆様に有用なインフォメーションをもたらすイベントを開催して行きます!ご期待ください!
講師プロフィール
■1st Session
Daniel Lovell(ダニエル ラヴェル)氏(AVID)
Daniel James Lovell
Avid Audio Application Specialist
1979年6月16日 ニュージーランド、オークランド生まれ
1998年 Music and Audio Institute of New Zealand
Music Production and Audio Technology課程をMerit Passにて卒業
1999-2008年 Auckland AudioにAssistant-Engineerとして入社
その後Head Engineer and Technical Managerとなる。
2008年~ Freelance活動を開始、EngineeringとStudio Integrationを行う。
2009年~ Fairlight Japanに入社
Fairlight Japan Technical Support, Application Development and Testingとして活躍。
2012年~ Avid Technologyに入社
Avid Japan Application Specialistとして活躍の傍らFreelance Engineer and Sound Designerとしても活動を続けている。
■2nd Session
畠山 宗之 氏(東映株式会社)
2005年 東放学園音響専門学校 卒業
2005年 株式会社IMAGICAディオ 入社
TVCMの音声収録、MAスタジオエンジニアとして勤務。
2007年 株式会社ミディアルタエンタテインメントワークス 入社
映画作品におけるダビングスタジオエンジニアとして勤務。その他にもレコーディングやアニメーションのアフレコ等様々なジャンルのスタジオオペレートを担当。
2011年 東映株式会社 デジタルセンター 入社
映画作品におけるダビングスタジオエンジニア、リレコーディングミキサーとして勤務。2013年10月に完成稼働した、新ダビングステージ計画に携わる。
中山 尚幸 氏(Dolby Japan 株式会社)
Pro製品営業部 コンテンツ技術担当 シニア・テクニカル・マネージャ
1983年レーザーディスク株式会社(後のパイオニアLDC)入社
レーザーディスクの品質管理やレーザービジョンフォーマット関連業務に従事。
その後DVDフォーマットやDVD-Video/Audioディスク制作を担当し、
2000年にDolby Japanに転職。コンテンツ制作に関する技術サポートと
Pro用製品のサポート、劇場音響調整を担当。
■3rd Session
Neeraj Khajanchi(ニラジ カジャンチ)氏
マライア・キャリー、ボーイズIIメン、ジャヒーム、ヨランダ・アダムス、ケリー・ローランド、セリーヌ・ディオン、ランディー・ジャクソン、ボビー・バレンティノ、ティンバランドなどの海外一流アーティストをはじめ、Ai、中川翔子、三浦大知、福原美穂、ゴスペラーズ、伊藤由奈、鈴木雅之などの国内アーティストまでを幅広く手掛ける今最も多忙なレコーディング&ミキシングエンジニアの一人。
◎Guest Vocalist
Maya Hatch(マヤ・ハッチ)
マヤ・ハッチ
1985年8月18日、アメリカ・ワシントン州・シアトル生まれ。 弱冠12歳にしてNHKのスタジオ収録に参加。13歳の時、TBS系列のオーディション番組「チャンスの殿堂!」に応募し、約14,000人の中から選び抜かれた4人のうちの ひとりとして6ヶ月間に渡り登場。国内外において数多くの賞を受賞。2009年「マイ・フーリッシュ・ハート」でデビュー。2010年BSフジの人気番組「Beポンキッキ」に、歌のお姉さんとしてレギュラー出演。これを機会にニューヨークから東京に拠点を移す。2011年ラックス・シャンプーのCM起用。そのCMソングが話題となり、ロングバージョン版「Grow Your Beauty」がEMIミュージック・ジャパンのコンピレーションアルバム「Jazz Now」に収録。2013年にはロン・カーターとの共演を果たし、現在はEXILE ATSUSHIのバックコーラスを務め、さまざまなジャンルを幅広くこなす本格的シンガーとして注目を集めている。
Tech
2012/03/21
なぜ今、ラウドネスメーターなのか?
なぜ今ラウドネスメーターなのか?
ARIB・民放連 国内ラウドネス規格策定に関わる 松永氏へのスペシャル・インタビュー
株式会社フジテレビジョン 松永 英一 氏
民放連、ARIBの規格制定に携わられた松永英一さん(株式会社フジテレビジョン)に音声基準としてのラウドネスが生まれた背景と国内基準が出来るまでのお話をいただきました。苦労の滲むお話も多く、国際基準の中で、日本がどのような基準でTV音声を作ってゆくのかを読み解きます。今回は松永さんへのインタビューの模様をお伝えいたします。
なぜ、今ラウドネスなのか?
現状テレビを見ていて、突然大きな音がしてびっくりした、チャンネルを変えたら音が聞こえなくなった、番宣が入って音が大きくなった、などテレビの音についていろいろと気になることがあると思います。我々としては、こういったことが、視聴者にとって不利益なのでなんとかしたい。そういうことがまず前提にありました。実は、テレビ受像機の一部メーカーは上記の様な放送の実情を緩和し視聴者を保護する目的で、DolbyVolumeなどの技術を利用し、番組間のレベル差、ソースがかわったときのレベル差を解消しようという動きがありました。このような機能がテレビ受像機に搭載されており、メーカーによっては、購入時にONとなっている場合もあり、視聴者は知らずに自動調整された音声を聞いているということになります。
このような機能を搭載したテレビというのは、一見良さそうなのですが、オートゲインコントロールの様なものなので、制作者が意図的にメリハリをつけた部分、意図的に大きく作った部分が押さえられたり、意図的に小さく作った部分が持ち上げられたりと、制作意図に反することになります。しかし、この様な機能がテレビに搭載されてしまったことは、そもそも放送局側でコンテンツの音量管理ができていないのではないか?だとすれば、我々、放送局側が自主規制をするべきではないか?そう考えたのが、きっかけの一つです。
国内での音声レベルの基準作りのスタート/ワーキンググループの発足
民放連では音声技術研修会という、ミキサー講習会を毎年2月〜3月頃に行っています。その講師の反省会の場で、民放連に対して、『現状の放送音声のバラバラ感を何とかしたい。民放連に音声のレベルに対しての基準がないように感じている、なんとかしたい』と相談をしました。『それならば、ワーキンググループを作って検討しましょう』ということになりました。4度の準備会合ののち、2009年5月の技術委員会でワーキンググループの設置提案をし、ご承認頂きました。それを受けて2009年7月1日から、ワーキンググループを正式に立ち上げました。準備会合時点では在京メンバー(WOWOWは当初から参加)だけで検討を開始していましたが、正式に発足してからは参加メンバーの枠を広げ、在名、在阪のメンバーを加え、更に音声技術者だけではなく、マスターのスタッフを加え、現在は、19名の委員とオブザーバー1名でワーキンググループの活動を行っています。
番組のレベルを統一するために
ワーキンググループが目指すこととは、まずは、「番組ごとのレベルを統一しなければいけない」というのが、一つの大命題となります。もう一つは、「放送局間のレベルをあわせないと、結局のところは、また意味のないものになってしまう。」ということ。放送局間の問題に関しては、日本放送協会(NHK)との協力が不可欠であり、ワーキンググループの検討と平行して日本放送協会(NHK)とも話し合いを行なってきました。
今までのアナログ放送からデジタル放送へ
2011年7月に停波した従来のアナログの放送では、FM変調で実質50Hz~12KHz程度に帯域制限をして放送していました。また、放送音声にピーク成分があると映像に影響が出るといった問題もあった為、送出段にLim/Comp機能を有したオートレベルコントローラーが組み込まれていました。さらにその後段に、完全にピーク成分をカットするソフトスライサーが設備されていました。その為、あくまでも結果論ではありますが、素材がばらついていても送出段階で、ある程度が抑制されていました。
しかし、デジタル放送ではこの様なレベル抑制のための機器を通さず、そのまま送出のTS(TRANSPORTSTREAM)と呼ばれるデータに変換してしまうのが一般的です。デジタル放送のメリット活かす為には、送出段階でのレベルコントロールはできる限り行いたくない。ということは逆に、素材の音量差がそのまま放送波に乗ってしまうということなので、これは非常に大きな問題を孕んでいます。2011年7月24日の完全デジタル化に向けて、危機感を募らせていました。
現状での音量規制の状況
今まで、民放連には一般番組に対しての音声レベルに関する基準がありませんでしたので、各社、各系列ごとに個別に運用規定(社内ルール的なもの)を作って運用していました。各社とも0VUという目安はありましたが、それをどう運用するのかという決まりはなく、唯一、CM素材だけはサイマル放送時の暫定版の搬入基準があって、『0VUを厳守。超えた場合にはリミッター等で、ひずむ可能性があるので注意するように』との記述があります。
民放連としては、『0VUを厳守。』はVUメータのピーク値が0VUという短い測定区間で算出される意味合いで規定していたのですが、CMで0VUを上限としラウドネス値て守っているものがほとんどないのが実情なのです。実際に、CMの制作関係の方にお伺いしたところ、『平均値で0VUをこえなければいいのでは』という解釈をされている方もいらっしゃるという状況です。
VUメータの問題点とラウドネス
そもそもVUメータは単なる電圧計でしかなく、人間の感覚と同じとは限らないものなのです。アナログメータなので、見る角度によっても読み取り誤差が生じますよね。また、瞬時値を測っているので平均的なレベルに関しては、そもそも確認できないメータなのです。ご存知のように、人間の耳はf特を持っているので、(これは等ラウドネス曲線が有名です。)f特がフラットなVUメータではそもそもレベルを揃えることは無理だと考えています。
もちろんワーキンググループの立ち上げの当初は既存の放送設備でなんとかできないかと検討を重ねたのは事実で、VUメータとPeakメータでなんとかしたいと考えていました。しかしながらVUメータには前述のような限界があり、ITU-R BS.1770で規定されたラウドネスvsVUメータで音量問題を解決するのにどちらが有益なのか、実証実験を行いました。その実験結果を受けてVUメータで音量規定するのは無理だという判断をくだし、ラウドネスへ方向転換しました。(VUメータだけでレベルをあわせても聴感には等ラウドネス曲線のf特があるので、フラットな特性の番組とハイ上がりのCMではまだ、明らかな音量差が残ってしまいます。もちろんCMだけでなく最近では、バラエティーなども固い音が増えてしまっているのが現実なのですが、これはCMに引っ張られてそのような音作りをしてしまっている、というのが現状だと思います。
ITU-R BS.1770の制定
このようなテレビ放送における音量問題は世界共通の課題であり、ITU(国際通信連盟)では2000年位から研究を始め、2006年にRecommendを発表しました。これにはラウドネス測定のアルゴリズムとメータの要求用件(ITU-R BS.1770と1771)が発表されています。この発表以前に国内でも、日本放送協会(NHK)とヤマキ電気株式会社が共同開発したラウドネスメータもあり、ITUでも一つの方法論として検証、検討がされました。永年にわたる研究の集大成が、このITU-R BS.1770(ラウドネス測定のアルゴリズム)と1771(ラウドネスメータの要求要件)なのです。これが、ラウドネスの出発点となっています。
国際番組交換基準の決定による世界的な動向の加速
ラウドネス測定アルゴリズムとラウドネスメーターの要求要件が決まったことで、運用方法の検討が始まりました。多くの時間を費やしましたが、2010年3月にITU-R BS.1864「デジタルテレビ放送用番組の国際交換におけるラウドネス運用規準」が発表されました。内容は、-24LKFSで国際番組交換を実行するというもので、世界的なラウドネス運用の流れのスタートとなりました。
欧米の動向としては、アメリカではITU-R BS.1864に先駆けてATSC A85としてラウドネスの運用規定を制定しています。このATSC A85のITU-R BS.1864との違いは、変動幅の解釈の違いであり、ITUではターゲット値に対して、変動幅を最大2dBと記述していますが、アメリカ(A85)では±2dBとしています。ちなみに、日本(ARIB)とヨーロッパ(EBU)はターゲットラウドネス値±1dBとしています。この点が唯一の違いです。ヨーロッパも2010年9月にR-128「ラウドネス標準化と最大許容音声レベル」とTech3341「R128に準拠したメータの要求要件(EBUモード)」を発表しました。
EBU の発行するラウドネス基準と技術資料
・R128:Loundness Recommendation(2010.09)
・Tech3341:Metering specification(2010.12)
・Tech3342:Loundness Range descriptor(2010.12)
・Tech3343:Production Guidelines(2011.02)
・Tech3344:Distribution Guidelines(2011.04)
CALM法案の成立〜CommercialAdvertisementLoudnessMitigation
アメリカでは「A85」を運用中ですが、もう一つ大きく影響しているのが、CALM法案です。この法案はCMの音声に対しての音量規制法案で、罰則規定があるのが特徴です。2010年12月15日にオバマ大統領が調印したもので、一定の周知期間を持って実施される予定です。簡単に言えば、番組よりもCMの方が大きくてはいけないということなのですが、世界で初めて、テレビ音声に対しての罰則法案ということで、戦々恐々としているようです。また今年、フランスでも同様の法制化の動きがあったようです。
EBUに於けるP-Loud
ヨーロッパでは、EBUP-Loudと呼ばれる団体が音量問題の研究を行っています。このP-Loudは各国の放送局だけでなく、メーカー(例えば、TCelectronicやRTW)などの有識者も参加し、150人規模の集まりで、そこで、R-128などの策定を進めていました。そこからは、ラウドネスレンジ(ダイナミックレンジのラウドネス版のようなもの)という考え方も提言されています。ラウドネスレンジに関しては、ITUでの検討は始まったばかりという状況です。実は、モーメンタリ・ラウドネスや、ショートターム・ラウドネスに関してもEBUから提案されITU-R BS.1771の改訂という形でこれから国際照会されると聞きました。また、EBUでは運用のガイドラインとしてtech3343や、tech3344といった、技術資料を配布しています。運用開始に関しては、P-Loudの議長のフローリアン・キャメロン氏(ORFオーストリア放送協会)は、2012年1月から始めたいと、各加盟国に対してアプローチを行っているそうです。キャメロン氏は、2010年に開催された、InterBEE2010にプレゼンターとして来日されました。
日本国内のラウドネスへの動き
さて日本ですが、1997年からNHKが聴感心理モデルを採用したラウドネスメータ開発をヤマキ電気株式会社と行ったことが、近年のラウドネス研究に関する大きな動きだったと思います。ARIBもこの問題には早くから着目し、検討を行なっていたようです。民放連では、2009年7月に「テレビ音声レベルWG」を立ち上げ、検討を開始しました。当初は、VUメーターでの運用を考えていたのですが(このご時世、なるべく既存の放送設備で何とかできないか模索)、各種検討の結果、無理だということが分かり、ITU-R BS.1770で規定されたラウドネスに方向転換をしました。これは、等価騒音レベルの変化形でありK-Filterを使用したアルゴリズムで、音声モード(モノ、ステレオ、サラウンド)に関係無く測定結果として一つの値が出るようになっています。その測定値を合わせることによって番組の音量感が揃うという訳です。
我々、民放連としては、「ラウドネスで行く」という方向性が決まったので、規準作成に着手しました。目的の一つめの「番組間のレベルの統一」は、民放連加盟各社では実現出来るだろうと考えましたが、日本放送協会(NHK)とのレベル差については、課題として残ります。そもそもNHKと民放各社のアライメントレベルが2dB異なっており(NHK:-18dBFS/民放連:-20dBFS)、同じVUレベルで制作した場合、NHK制作番組は2dB高く出てきてしまうというのが現状です。このことを含め、同一の基準でラウドネスによる運用を行えば放送局間のレベル差は解消するので、是非とも民放連とNHKの協力体制を構築したいと思い、2009年12月から、意見交換を始めました。最初は、有志の非公式会合として話し合いを重ねました。その流れの中から、ARIBに対し、「国内基準を作れないか」という話を持っていきました。もちろんNHKの同意のもとで、ですけどね。
その頃は、私もARIB「スタジオ音声作業班」の委員になっていたのですが、2010年6月に提案をして合意を得ましたので、8月頃からARIB基準の策定作業に入りました。その中で大きかったのが、2010年10月のITU会合で、ITU-R BS.1770-2に改訂が決まりそうだということでした。
ITU-R BS1770-2への改訂
半年に一度開かれるITU会合には、日本からも20名程のメンバーで行くのですが、通例として民放連からも3名が行くことになっています。2010年10月のITU会合は、ITU-R BS.1770の改訂提案の審議が行われることが解っていて、今回の会合がその山場でした。民放連から参加する3名に事前にお集まりいただき『今回のSG6(WP6C)会合ではラウドネスに関する大切な改訂提案の審議が行われるので、参加して意見を入力してほしい』とお願いをして送り出したんです。ITU会期中も国際電話で、会議に出席したメンバーと情報交換しながら意見入力をしてもらったんです。議題の一つであったオーバーラップについても、EBUからの提案では50%だったんですが、それを75%にして欲しいと意見を出しました。これは、国内のCMには前後に0.5sの無音部分があるんですが、400msの50%だと200msでのオーダーとなるので、測定誤差が大きくなってしまいます。測定誤差を小さくする為に、民放連からは400msの75%を提案しました。その結果かどうかはわかりませんが、75%で合意、EBUからG8で提案された相対ゲーティングに関してもG10で合意に至りました。
以降、3ヶ月間の国際照会期間を経て2011年3月にITU-R BS.1770がITU-R BS.1770-2に改訂されました。今回のITU-R BS.1770-2の国際標準化に対してエミー賞が贈られたそうです。世界的にそれほど大きなインパクトと成果をもたらす決定であったことが伺えます。この決定にあわせ、EBUもR-128を改訂しG8であった相対ゲーティングを国際基準にあわせたG10に、オーバーラップも50%から75%に変更しています。
ARIB基準策定へ
ARIBでは、2010年8月からラウドネス基準策定PGで基準の策定作業に着手しました。当初は、議論が先行していたEBUモード(R-128)で行こうかという話もありましたが、1770の改訂が行われることが解っていたこともあり、国際規格であるITUに準拠することとしました。当初は色々と悩みましたが、今はEBUにぶれなくてよかったと思っています。1770-2の改訂内容は熟知していたので、ARIB TR-B32で記述したラウドネス測定アルゴリズムはITU-R BS.1770-2の和訳に近いものになっています。運用ルールは、ITU-R BS.1864に準拠しました。2011年2月にドラフトを終え、承認作業に入りましたが、親会の審査では一言一句注文が入るような状況になり非常に苦労をしました。一度は、ムリかとも思うくらいつらい作業だったのですが、なんとか2011年3月28日の規格会議への提案にこぎつけました。これもITU-R BS.1770-2が2011年3月8日に国際承認されたことが非常に大きく、ITU基準に則ったものとして2011年3月28日にARIBで承認、制定されました。
民放連T032策定へ
私が、ARIBスタジオ音声作業班、民放連テレビ音声レベルWG、両方の委員だったこともあり、民放連規準の策定作業も、ARIBに歩調を合わせることが可能でした。ARIBが決まったらその方向性でいこうという事は、民放連WG内でコンセンサスが取れていました。民放連には総則というものがあります。このポリシーに則って技術基準が制定されました。
民放連T032の運用においては、民放の特殊事情ですが、番組よりもCMのほうが問題となることが予想されました。番組は各局に個別に入稿されますが、CMは同じ素材がコピーされ各局にばら撒かれます。どこの局で掛かるかわからないので、同じ素材がA局では納品OKだが、B局では規格外で改稿なんて事態が発生する可能性がありました。なのでCM素材搬入基準は民放連で統一しておかなければならないと思い、NHKへの打診と同じくらいのタイミングで、民放連営業委員会にも話をしました。事前に話をしておいたということもあり、営業委員会の方で決めているCM素材搬入基準は、我々の基準に沿ってやってもらえるということになりました。
と、ここまでは良かったのですが、また、営業委員会というのが一筋縄ではいかない。やはり営業という立場からか、総則に書かれているポリシーは理解してくれても、それでは仕事にならないと、なかなかそれぞれの立場で難しい事が多くあります。NAB技術規準T032は、提案のタイミングを図っていたのですが、ITU-R BS.1770-2が2011年3月8日に国際承認され制定、それを受けてARIBも近日中に承認されるということで2011年3月10日の技術委員会に提案しました。この3月10日というのもまた、絶妙で3月11日の東日本大震災の前日なんですよ。一日ずれていたら、技術委員会は2ヶ月に1回しか開催されないので2ヶ月平気で遅れていたということになります。
提案後、速やかに民放連加盟全社、NHK、JPPAに意見照会を行うのが常なのですが、震災直後の東北に答申を出すのはどうかということもあり、遅れて4月に答申を出しました。5月19日の技術委員会に最終提案を行い、承認され制定されました。CM素材搬入規準も同日に開催された営業委員会で承認、制定されました。
民間放送連盟 技術基準 T032 総則
・テレビ放送における音声は、視聴環境を考慮して制作するべき であり、視聴者に違和感や不快感を与えてはならない。
・本技術規準は、テレビ放送用の番組が視聴者にとって適正で統 一された音量・音質で制作・放送されることを目的とし、ラウド ネス(人が感じる音の大きさ)という概念を用いて測定する。
・なお、本技術規準の順守によるラウドネスメーターの整備など 運用に向けての準備が必要であるため、適用開始時期については 別途定める。
民放連T032とは
適用範囲は全ての完成番組(オンエアするすべての素材)としており、制作途中の素材は適用外となっています。CMだけ、番組だけでもダメだということで、全てのオンエアされるものを対象としています。また、ARIB TR-B32に準拠したものであり、レベルは-24LKFS±1dBに決まりました。民放連では、それ以外に標準音源というものを作成して、その音源との比較も追加しました。これは民放連HP上で、無償配布を行う予定となっています。
また運用面でも、ARIB TR-B032に準拠したラウドネスメータで番組を測定し、測定結果を納品物の添付書類に必ず明記するよう規定しています。重要な許容差(プラスマイナスの解釈)については、あくまでもターゲットは-24LKFSとし、±1dBについては、やり直しの出来ない生放送や、メータの測定誤差に対応するための±1dBということで、決して-23LKFSで納品しても良いという事ではないということは、今後、理解を広めていきたいと考えます。
ARIB TR-B032には、”「例外」として、「創造的な制作要求」が最優先される番組の場合、ターゲットラウドネス値を下回る値を目標として制作することが出来る”とありますが、T032では下限値を-28LKFSに設定し、小さすぎるレベル差にたいしても規定を行なっています。ただし、例えばフィラーや、BGVみたいに低いレベルの方が相応しい物は、-28LKFS以下で制作しても良いが、添付書類に理由を明記して下さいということにしてあります。(-28LKFS以下の番組が納品された場合、納品された局側で演出意図なのか、制作過程のどこかのミスで低くなってしまったのかの判別がつきにくいので、その旨を明記して欲しいというお願いです)
5.1サラウンドへの対応
これが、一番揉めたところです。国内の場合はARIB STD B-21という受像機の規格があり、ダウンミックスステレオの場合(通常のステレオ受像機で視聴した場合)には全体係数1/√2が係り3dBさがりますので、明確な規準を提示しにくかったので、最初は記述しない方向で進めていました。しかし、営業委員会との話し合いの中でサラウンドを規定してくれないとサラウンドのCMは制作できない、規定に加えることはMUSTだと強く要望されました。今回策定した概要は、ダウンミックスステレオを測定するのではなく、LFEは除く5.0chで測定すること、国際番組交換を行う際はITU-R BS.1864に準拠して-24LKFSでの受渡しをすること、などです。
ただし、国内の場合は、ARIB STD B-21により、ダウンミックスステレオが3dB下がりますので、それを考慮して暫定措置で「ターゲットラウドネス値+2dBを最大許容量とする。」と規定しました。これは、両面があり、ステレオで聞いている人に対しては、サラウンド番組は若干低い状態。サラウンドで楽しんでいる方にはサラウンド番組が若干高い状態となりますが、苦肉の策として両方の視聴者にあまり祖語のない方法を取りました。ARIB STD B-21がある以上仕方が無いのですが、これは、問題点として残ってしまっています。
ダイナミックレンジの復活
視聴する環境の暗騒音のレベルによって、聴こえる音の範囲は異なります。T032では「一般家庭の視聴環境を想定して、制作して欲しい。ホール、劇場などの比較的静かな環境での再生を考慮して制作された作品は、そのまま使用するのでなく、テレビ放送用として最適化することが望ましい。」と願いを込めて、記述しました。例えば、静かな劇場と暗騒音の高い渋谷の街角では聞こえ方、聴こえる部分が全然違うということです。家庭はその中間でしょうか。
映画関係の方には是非ともご説明したいと思っています。映画は劇場公開が前提なので、平均変調レベルが低いのですがピークは高い、ダイナミックレンジは広大です。劇場公開用としては正解なのですが、そのままテレビで放送すると、もちろんクレームになります。聞こえないとか、CMが大きい、など。要するに、番組とCMのレベル差がものすごいことになってしまうという訳です。最近では、パッケージ用、テレビ用に別ミックスを用意している場合もありますが、そうでない場合に問題になっています。ラウドネスとは別の話ですが、現状の放送上の問題点として規定させて頂きました。
局としての運用上の問題点
自局の話で恐縮ですが、問題提起です。もちろん局から、局へ番組を売る場合のことですが。T032の適用開始後に制作された番組は問題ないと思いますが、適用開始後も、番販では過去素材を販売することがあると思います。フジテレビから番販する場合は、過去の作品も全て再測定を行い、-24LKFSに合わせて、納品して欲しいと関係スタッフに話をしているところです。キー局からもらった素材だから大丈夫だろうということで、オンエアされて、レベルが規格外だったら、目も当てられませんからね。もちろん、実際に行うのは、運用が始まってからの話ではあるのですが、今から下準備を始めています。
Q&A
Q:なぜ、K-カーブなのか?
A:これは、人間の感覚に沿ったメータでなければならないのですが、メータの作りやすさということも選択の理由になっていると思います。K-カーブは2段の単純なIRフィルターで構成されているだけですので、メータの設計は楽だと思います。厳密に等ラウドネス曲線に合わせようとすると、音圧レベル別にカーブを変更しなければなりません。これは、非常に困難で現実的ではありません。
Q:映画で使用されている、m-カーブを採用しないのはなぜでしょうか。
A:m-カーブはこのあとの高木さんにお任せするとして、このカーブは、ダイアログ中心に考えられたものですよね。当然テレビ番組はダイアログが中心の番組が多いのですが、音楽番組、ドキュメンタリーなど、その他の要素が多い番組もあり、一つの基準で全ての番組を制御するときに等ラウドネス曲線により近いk-カーブが採用されたのだと思っています。あくまでも私見で、根拠はありません。
Q:運用開始後の希望は?
A:とりあえず、視聴者がボリュームコントロールをしなくていい世界になってほしいです。
とはいえ、まだまだ課題は多く残っています。民放連の加盟社は現状、地上波とBS放送までであり、CSやCATVなどは非加盟です。(新規参入のBS放送局も非加盟)CATVも非加盟ですので、全くT032適用範囲外です。さらには、インターネットやDVD。ゲームなど様々な媒体にも、それらの出力レベルが統一されていません。多くの課題がありますが、テレビ受像機を使用する全てのコンテンツのレベル差がなくなるといいですよね。
Q:これから、オーバーコンプ、オーバーEQが通用しなくなる。本来のナチュラルなサウンドを届けられるようになるのでは?
A:本当はそれが言いたいのです。デジタル放送はCD並以上の音が出せるのです。この事を有効活用できるような基準を作りたいと思いました。もっと豊かな音を作りたい、家庭にお届けしたいという思いがあり、今までのCMにレベル負けしていたような自然な音の作り方でもしっかりと出せる。変に意図的に音をいじらなくてもよくなるということです。そんな放送にしていければというのがT032の裏に隠れた我々のねらいです。
松永 英一
(株)フジテレビジョン 技術局 制作技術センター
制作技術部 エグゼクティブ・エンジニア
1997年のフジテレビ本社のお台場への移転、2007年の湾岸スタジオ新設において音声設備の構築を行った。また、20年以上に渡り、民放連音声技術研修会の講師も担当している。
現在はエグゼクティブ・エンジニアとして、後進の指導を行っている。
1979年 (株)フジテレビジョン入社 放送部に配属。マスター、回線系を担当
1981年 制作技術部音声に異動 以降、一貫して音声業務に従事。その間「ミュージックフェア」、「僕らの音楽」などの音楽番組、「夕やけニャンニャン」「クイズ・ドレミファドン」「なるほど!ザ・ワールド」などのバラエティー番組及びドラマ、映画の音声を担当
1999年 文化庁芸術祭優秀賞受賞ドラマ「少年H」の音声を担当
2002年 バレエ「ドラゴンクエスト」で日本プロ音楽録音賞放送部門優秀賞受賞
2009年 民放連技術委員会の下部組織である「テレビ音声レベルWG」の主査を担当
2010年 ARIB「スタジオ音声作業班」に委員として参加
2011年 3月に制定された ARIB TR-B32 策定にもPGリーダーとして参加
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2009/06/04
ダイレクトProResレコーダー、AJA KiPRO発表!AJA新製品発表会 at Apple初台セミナールーム1
高品位なビデオ・キャプチャー・ボードやスケーリング技術で、放送局をはじめとしたポスト・プロダクションの現場で、絶大な信頼を得るAJAの新製品発表会が、2009年6月4日Appl初台のセミナールームにて開催されました。
今回のプロダクトは、先日ラスベガスで開催されたNAB 2009で発表された物で、いよいよ満を持してリリースが開始される期待の製品たちです。
その内容を2回に分けて、ROCK ON PRO映像編集担当の梓澤がレポートいたします。
お見積もり、ご相談は、下記お問い合わせフォーム、または お電話(03-3477-1776)/FAX(03-3744-1255)メールにてもお待ちしております。営業担当:岡田、梓澤、洋介までお気軽にどうぞ。
これまで番組や映画/プロモーション・ビデオのHD制作などでノンリニア・システムを採用した場合、映像のシューティングを行った後には、ビデオのデジタイズや取り込みなどの作業が必要でした。
しかし、現在多くのポスト・プロダクションで編集に使用されているDVCPRO HDやHDV等のコーデックは、1920 x 1080のフルラスター(解像度)を実現しておらず、色深度は8bitになっています。本来は、1920 x 1080フルラスター及び、10bit 4:2:2の色深度を実現する非圧縮HDを採用するのがベストですが、膨大なバンド幅を必要とするストレージ環境のコストを考えると、これもあまり現実的ではありません。
AJAですとKONAに代表されるビデオ・キャプチャー・ボードを使用して、ストレージに負荷が掛かりにくく、編集のしやすいDVCPRO HDなどに変換しながら取り込みを行ったり、最近使用されることの多くなったXDCAM HD/EX、AVCHDなどをネイティブ・フォーマットのまま編集することが一般的です。
しかし、2007年に発表されたAppleの編集用コーデック、ProRes 422とAJA IO HDが登場して以来、非圧縮HDと比較しても遜色のないその画質と、DVCPRO HDの約2倍程度しかバンド幅を使用しない経済性を両立しながら、10bit 4:2:2 フルラスターを実現した、理想的なコーデックとして注目を集めてきました。
レンダリングを繰り返しても画質の劣化が少ないことも採用が増えた一因でしょう。
このProRes 422は、編集には最適な環境をもたらす反面、Apple提唱のコーデックと言うこともあり、カムコーダー・メーカーがネイティブで搭載するのは難しい一面があり、編集でProRes 422を使用するには、時間の掛かるビデオ取り込みを、IO HDなどのProRes対応キャプチャー・システムで行う他ありませんでした。
今回の発表会の目玉とも言えるのが、ダイレクトにProRes 422コーデックのビデオを、リムーバブルHDやExpressカード互換メモリーにレコーディングすることを可能にしたKiPROです!
AJAエリック氏が、流暢な通訳で紹介してくれたビデオをご覧下さい。
AJA KiPRO1 Apple Japan 発表会
AJA KiPRO1 Apple Japan 発表会 Part2
実物を目にすると、そのコンパクトさと軽さに驚かされるKiPROは、カメラとノンリニアシステムをつなぐ効率の良いポータブル・テープレス・システムと言えます。専用のカメラマウント・アダプターKiPRO Exoskeletonを使ってスタンドに固定すると、まるで最初からそうであったような自然なカメラ・システムが出来上がります。
HD/SD-SDI、HDMI、コンポーネント、コンポジットはもとより、アナログ・オーディオ、LTC、カメラコントロール/タイムコード用FireWireポート、さらには有線/無線(!)のLANまで搭載した豊富な入出力を持ち、ノートPCや果てはiPhoneなどからのKiPROリモートまで可能になっています。
また、入出力にはアップ/ダウンコンバーターの他、クロスコンバーターまで搭載され、720p > 1080iへの変換はもとより、SDカメラをアップコンバートしながらのProRes 422 HD収録迄可能にします!
本体上部には、ロック式のリムーバブルHDが搭載され、その右にはExpress 32 slot互換のメモリーカードが搭載可能になっており、収録が終了した直後から、Macに接続してFinal Cut Studioでの編集作業が行えます。
XDCAMなどにネイティブ対応しているFinal Cut Studioですが、専用のクリップ・ブラウザーからの転送が必要だったりと、編集開始までにひと手間かかることが多いのですが、KiPROの場合は、HDが認識されればすぐにブラウザに読み込んでタイムラインに並べることが出来、そのレスポンスの良さは特筆物でした。
AJA KiPRO1 Apple Japan 発表会 Part3
KiPROは、先にも述べた通り、接続するカメラを選ばない柔軟性を持っているため、様々な運用法が考えられます。
例えば、近年我が国でも急速に注目を集めているRed Oneの場合、Red Rawと言われるネイティブ・フォーマットでの編集は快適とは言えないかもしれません。
しかし、撮影時にRed Rawで収録しながら、KiPROにProResにて同時レコーディングできたなら、カメラの持つ最高の映像を維持しながら、快適な編集環境をもたらすことができるのです!
もちろん、従来のワークフローでもIO HDを使用すること等によって、ProResでの取り込みなどは可能でしたが、デジタイズの手間に時間を掛けるなら、編集内容の吟味に時間をかけた方が良いのは、誰が考えても分かることでしょう!
ノンリニアシステムでの最高の効率を追求したAJA KiPROは、そのポータビリティとユーザビリティによってあらゆる現場で重宝されるに違いありません!
AJA KONA LHiをご紹介!AJA新製品発表会 at Apple初台セミナールーム その2はこちら>>
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2007/10/22
事例:株式会社ミキサーズ・ラボ WESTSIDE STUDIO様
いち早くPro Tools|HDシステムを活用した録音/ミックス 環境の構築を行い、業界にも多大な影響をもたらす株式会社ミキサーズ ・ラボ様は、WEST SIDE/WARNER MUSIC RECORDING STUDIO/WARNER MUSIC MASTERINGと幅広い展開で、様々なニーズに対応可能です。
世田谷環八通り沿いからやや奥まった、閑静な住宅街の入口に位置するWESTSIDE STUDIO様は、株式会社ミキサーズ・ラボ様が運営する総合ミュージック・プロダクション・スタジオです。
広大なメインルームに、用途に応じたブースを備えるStudio A & Bの両スタジオには、Pro Tools HD AccelとSSLコンソールを核に据えたシステムを備え、Pro Tools内部ミックスはもちろん、192 I/Oからの48outをSSLに入力してのステムミックスにも対応した柔軟な運営が行われています。
Studio Aにおいては、GENELEC 1035A、1037B、1038ACで構成されたサラウンド・ミックスにも対応し、音楽制作におけるあらゆるニーズに敏感かつ迅速に対応する姿勢は、まさに業界のリーダーに相応しいと言えるでしょう。
Studio A & B Pro Tools HD System
Pro Tools|HD3 Accel
192 I/O x 3(24in/48out)
SYNC I/O
Apple PowerMac G5 2GHz Dual
Pro Tools 7.2 & 6.9.3
ANTARES AutoTune4 & 5
Bomb Factory Plug-in
CRANESONG Phoenix
digidesign Plug-in
McDSP Plug-in
WAVES Platinum TDM Bundle
etc
Studio A Equipment
SSL SL6072G+ VU-Ultimation
SONY PCM-3348
STUDER A-820(24tr)
STUDER A-820(1/2)
GENELEC 1035A、1037B、1038AC Surround
YAMAHA NS-10M Studio
Studio B Equipment
SSL SL4056Gup VU-TR
SONY PCM-3348
STUDER A-820(1/2)
YAMAHA NS-10M Studio
MIXER'S LABS WESTSIDE STUDIO
担当:手塚 雅夫様
〒156-0055 東京都世田谷区船橋4-36-6
4-36-6 Funabashi,setagaya-ku,Tokyo,Japan
156-0055
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