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2021/09/03

オゾンとUVの力で手軽に除菌〜ViolaWave国内取扱開始!

API、Amphion、Prism Sound、Soyuzなど、高品位なオーディオ製品の国内代理店として有名なミックスウェーブ株式会社が、今まさにオーディオ業界が求める喫緊の課題を解決する新たなブランドの取扱いを開始したことが発表されました。 同社が9月8日より新たに販売を開始するViolaWave(ヴィオラウェーブ)は、オゾンと紫外線を使用することで、高リスクにもかかわらず除菌が困難だったマイク(特にコンデンサーマイク)やイヤホンを効果的に、かつ、手軽に除菌することができる画期的なソリューションを提供します。 ViolaWave製品は除菌効果の高い紫外線とオゾンを組み合わせることで、紫外線のみでは届かない箇所まで確実に除菌。従来のスプレー式消毒剤とは異なり、液体を直接吹きかけることはないため、繊細なオーディオデバイスにも安心して使用できます。 ライブやジャムセッションのシーンでは、すでにエチケットとして浸透しているマイクの除菌。ViolaWaveを使えば個人持ちのマイクやインイヤーモニターも安心して除菌できますね!しかも、中に入れられる大きさならメガネやペンなどの日用品も除菌が可能です! 詳細はミックスウェーブWEBサイトをご覧ください! 除菌力だけじゃない!使いやすさの4つのポイント ポータビリティー 製品の本体は特殊なシリコンを配合し、伸縮性があり、折りたたんで持ち運べます。そのため会議、テレビ、ラジオ、ライブ、レコーディング、カラオケ、パーティーなどの活動に最適です。 充電&外部電源 内蔵バッテリーを備えていますので、外への持ち出しも可能です。USB ポートを備えており、内蔵バッテリーを30分で充電完了します。また、USBポートは外部電源入力として使用することができます。 マイク全体を除菌 マイクのグリル部分だけを除菌する装置や、全体除菌でも紫外線だけを当てる装置は既存製品としてありました。しかしViolaWave は紫外線とオゾンの両方で細部まで除菌するため、手が触れるハンドル部分からグリルの内部まで、しっかり除菌します。また、形状を問わないため、デリケートなダイアフラムが故に掃除が困難とされていたコンデンサーマイクにも使用できます。 マイクやイヤホンだけでない! スマホ、メガネ、食器、アクセサリー、ペン、マスク、靴下… 入れば何でも除菌可能。 製品情報 ViolaWave / ROCKET 販売価格:¥12,650(本体価格:¥11,500) ワイヤレスマイクやコンデンサーマイクにも対応する、伸縮式の大型サイズ。マイクだけでなく、メガネや日用品などにも対応します。 外形寸法(展開時):330mm、直径 70mm 外形寸法(折畳時):240mm、直径 70mm 内部寸法(展開時):300mm、直径 63mm 重量:321g ViolaWave / GRENADE 販売価格:¥10,120(本体価格:¥9,200) イヤホンやアクセサリーにお勧めの小型サイズ。 カラビナ付で、バッグに付けて持ち出すのにも便利な仕様となっています。 外形寸法:100mm、直径 70mm 内部寸法:67.85mm、直径 63mm 重量:125g コンデンサーマイクにも安心して使える除菌/消毒グッズというのは、これまでありそうでなかったソリューション。サイズも価格もお手頃な上に、その効果にも期待できそうなViolaWave製品の国内流通開始は2021年9月8日を予定しています。 ご予約、ご購入のご相談はぜひROCK ON PROまで!
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2021/09/02

放送業務に携わる皆様は必見!Media ComposerとPro Tools統合ワークフローウェビナー開催

来週 9月8日(水)、ビデオ編集ソフトウェア Media Composer と音楽編集ソフトウェア Pro Tools の効率の高いコラボレーションをご紹介するオンラインセミナー「Media ComposerとPro Tools統合ワークフロー」が開催されます。 このウェビナーでは、ビデオおよびオーディオ・ソリューションを一社で提供するAvidならではの映像と音響のコラボレーションに関して、特に番組制作や報道制作で必要とされるケースを、小規模チームでの連携から大規模なエンタープライズ施設で求められるソリューションまで、AAFファイルの活用・Avid NEXISストレージ・Video Satellite機能・MediaCentral | Production Managementの使用の4つのステップに分けて提案します。 また、Avidの統合ワークフローを活用されている株式会社テレビ朝日様の事例も併せて紹介される予定です。 詳細は下記概要、および、お申し込みサイトをご覧ください。 Media ComposerとPro Tools統合ワークフローウェビナー 主催:アビッドテクノロジー株式会社 日時:2021年9月8日(水) 15:00~16:00 場所:オンライン開催 参加費:無料 *事前申し込みが必要です。 参加方法:こちらから事前申し込みをおこなってください。 映像と音声のコラボレーションが必須の番組制作・報道制作。Avidが提供する統合的なソリューションについて知るための、絶好の機会といえるでしょう。 https://pro.miroc.co.jp/headline/avid-pro-tools-carbon-promotion/#.YTCXIdP7Q-R https://pro.miroc.co.jp/headline/pro-tools-2021-7/#.YTCXQ9P7Q-Q
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2021/08/31

本日開催!!〜作編曲家 関 美奈子氏と対談!「Sibelius for mobile活用ウェビナー」

Sibeliusファミリー最新の 「Sibelius for mobile」 を最大限活用するためのセミナーが開催されます。先月ローンチされたばかりのこのアプリはSibeliusをiPadで使用することができるもので、作品を自由に持ち運んでいつでもどこにいても作業が可能になります。 このウェビナーでは、作編曲家 関 美奈子氏にAvidのSibeliusアプリケーション・スペシャリスト 小笠原 一恵 氏がお話しを伺いながら、楽譜作成ソフトウェアSibeliusと最新のアプリ Sibelius for mobileをデモを交えてご紹介します。 Sibelius for mobile活用ウェビナー 主催:アビッドテクノロジー株式会社、株式会社リガサウンド 日時:2021年8月31日(火) 20:00~21:00 場所:オンライン開催 参加費:無料 *事前申し込みが必要です。 参加方法:こちらから事前申し込みをおこなってください。 ゲスト紹介 関 美奈子(セキ ミナコ)氏 作編曲家。東京芸術大学音楽学部作曲科卒、同大学院修了後、アニメ、ゲーム、ドキュメンタリーや報道番組などの音楽制作に携わる。楽曲のデモ作りからレコーディング用の譜面制作までProToolsとSibeliusの組み合わせで行なっている。代表作:TVアニメ「ブラッククローバー」「キングダム」、ドキュメンタリー「空旅中国」「イギリスで一番美しい庭 ダルメイン」、自主プロジェクト「ARKHEMINA」 、編曲参加ではゲーム「ロマンシング サガ リ・ユニバース」等。 洗足学園音楽大学准教授(音楽・音響デザインコース)、日本作編曲家協会常任理事。
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2021/08/27

現役サウンドデザイナーによる実践レビュー!vol.4 ~Le Sound AudioTextureで短い素材も手軽に活用

既存のライブラリから音源を選び、尺を合わせて加工して、足りない音は収録…という従来のワークフローとはまったくことなるアプローチでサウンドデザインの世界を拡げるLe Soundプラグインは、効果音をシンセサイズするという、プロシージャルオーディオのコンセプトにもとづいたアプローチで自由自在なサウンドメイクを可能にします。 このLe Sound製品を、TV番組、CM、アニメーション、イベントなど幅広い分野で大活躍中のサウンドデザイナーである安江史男 氏(Tacit Knowledge Sound LLC)、荒川きよし氏(株式会社 Async)のおふた方に実際に使用していただき、実践的な使い方を教えてもおう!というこの企画。 全6回予定の第4弾は株式会社 Async 荒川 きよし 氏によるAudioTextureの実践レビュー。今回のテーマは素材から手軽にループを作成できるAudioTexture。前回同様、実際の番組制作にご活用いただいたということで、スペシャルムービーを使用した比較動画をご用意いただきました! 第1弾 安江氏によるAudioElec編はこちら>> 第2弾 荒川氏によるAudioWind編はこちら>> 第3弾 安江氏によるAudioTexture編はこちら>> 荒川 きよし 氏 プロフィール   1996年、NHK入局。 1998年より音響効果業務を担当。ドキュメンタリー、子供番組、コントやドラマなどジャンルレスに対応。   2018年に独立し株式会社Asyncを設立。現在はアニメーション、バラエティ、ドラマ、CM、web、映画などで、選曲と効果音をトータルでデザインしている。 AudioTextureを使用して、素材の尺を自然に伸ばす 今回はLE SOUNDの「AudioTexture」を使用したレビューをしていきます。 効果音を準備していると、「この素材使いたいけどちょっと短いんだよなぁ…」ということはよくありますよね。でもその音が古い音だったりするとその素材しか存在しなかったりするわけです。 その場合はその音をDAW上でエディットして尺を稼いだりするわけですが、短めの素材だと一定のリズムのループ感が出てしまうので、それをなくすためにループするポイントをランダムにずらして貼り付けて…ということが必要になってきます。 AudioTextureを使用すると、その作業を自動的に行ってくれるのですが、それだけではなく、さらにピッチコントロールのパラメータもあるのがミソです。 「短い素材をループ感なく伸ばしながら、映像を見ながらピッチのオートメーションをいじる」というオペレーションがごく短時間でできてしまいます。 実際やってみます。 こちら、バイクのアイドリングの4秒ほどの短い素材です。 普段はこのぐらい短い素材しかないとなると映像と合わせて使うのはちょっと厳しいかなと思ってしまいますね。なので今回はあえて短い素材にしてみました。 このファイルをAudioTextureに読み込ませます。 右上のLOADをクリックで自分のwavファイルをインポートすることができます。ウインドウにファイルをドラッグでも大丈夫です。ファイルパスの途中に日本語などの2byte文字のフォルダがあるとどうも読み込めない場合があるので、英数文字のフォルダの中に置いておきましょう。 STARTを押すと音のファイルを分析して、エンジン音がループ再生されます。X Rangeでループの範囲の設定、その上のスライダーでループの位置を決め、UnitSizeでループする細切れのセグメントのサイズや、Xfadeでそのクロスフェード具合を決めていきます。 さらに、Rateのつまみでピッチをいじることができます。 実はこのコンビネーションがかなり便利で、一定のピッチではなく映像に合わせて変化する必要がある音の場合はこの機能がめちゃめちゃ助かるのです。 この元の4秒ほどの短いアイドリングのエンジン音のファイルで、バイクの発進の映像に合わせてエディットしてみました。環境音とシフトチェンジの音は別で入れました。 まずエンジン音なしのものです。 これはこれで静かなバイクで面白いですね… 次にAudioTextureでエンジン音を入れたものです。 さすがに元がアイドリング音の4秒だけのファイルなのでピッチ変化だけでは不自然だったので、EQのオートメーションやアンビエンスのリバーブもつけています。 このような感じ。 一番上のオートメーションがAudioTextureのRateのつまみのオートメーションです。 今回は極端に短いアイドリングの素材だけであえてどうなるかやってみたので、さすがに本物のエンジン音とは違ってしまうのですが、回転数の高い部分の素材などもあればさらに自然につなぐこともできそうです。 他にも、例えばSF的な効果音などに使ってみるのも面白そうです。 たった4秒のシンプルな素材から、シーンに合わせたループを作成できるAudioTexure。自動で手軽な使い方もできる一方、荒川氏にご紹介いただいたように「いかにも」なループ感をなくすための細かな設定も備わっており、さまざまなシーンで作業時間を短縮することができます。 今回登場したプラグイン以外のLe Sound全ランナップも、ぜひこちらからチェック!きっとイメージに合うサウンドがあるはずです。 今回登場したプロダクトはこちら AudioTexture 販売価格:¥44,000(本体価格:¥ 40,000) 8/31まで!半期大決算3D立体セールFINAL! 販売価格:¥8,980 (本体価格:¥8,164) AudioTextureは読み込んだサウンドファイルから、無限のループサウンドを自動で生成することができるプラグインです。 独自のアルゴリズムにより、読み込んだファイルを自然に聞こえる単位に自動で分解。指定した範囲をランダムに再生することで、非常に時間のかかる作業だった背景効果音やループ素材の制作を劇的にシンプルにすることができます!もちろん、分解するユニット単位の大きさやループ範囲などのパラメーターはコントロールが可能。求めるサウンドテクスチャーを素早く実現します! Rock oN Line eStoreで購入>> https://pro.miroc.co.jp/headline/le-sound-review-sounddesign-1-audioelec https://pro.miroc.co.jp/headline/le-sound-review-sounddesign-2-audiowind/#.YSdn5dP7Q-Q https://pro.miroc.co.jp/headline/le-sound-review-sounddesign-3-audiotexture/#.YSdnytP7Q-Q
3D Audio
2021/08/27

いま、名古屋のバイノーラル現場がアツい !! 〜テレビ愛知株式会社のバイノーラル生配信レポート〜

ここ数年、名古屋の立体音響制作界隈が実にアツい 。これまでも在名放送局各社によるバイノーラル制作事例もある中、今年3月にはFlux:: / SPAT Revolutionを用いたバイノーラル配信という実験的な取り組みをテレビ愛知が行った。どのような手法でコンテンツを提供していくのか、制作にあたってのキーポイントはどのようなものか、そして一体名古屋で何が起こっているのか。取材班が見た現地レポートをお届けする。 ●ライブライブライブ!3日遅れのひな祭り <番組情報> <You Tube アーカイブ:ライブライブライブ!(完全ノーカット版)> いまこそ求められているバイノーラル制作 アナログ放送が終了し、地上デジタル放送に完全移行して早10年。それに伴って民生向けテレビの画質もフルハイビジョンから4K、8Kと急速に変化を遂げてきた。音に関する技術トレンドは、ハイレゾ音源が普及していく一方で、立体音響へのアプローチが進む。スピーカー配列のバリエーションはステレオから平面のサラウンドになり、そこに高さ方向のスピーカーが加わってイマーシブサラウンド、と年々より臨場感のある音響制作環境へとシフトしてきており、イマーシブ対応のスタジオもここ数年で急速に増加している。 従来、そういったスタジオで制作された本格的な立体音響作品を家庭で楽しむためには、専用のホームシアター環境を整備するほかなかったが、イネーブルドスピーカーやイマーシブ対応サウンドバーの登場により、天井にスピーカーを設置しなくても気軽に楽しめるようになった。しかしながら、日本の密接した住環境を考えると、より多くのユーザーに立体音響を楽しんでもらうにはイヤホンやヘッドホンでの再生ができるようにならなくてはならない。そこで鍵となるのは、もちろんバイノーラル録音・再生の技術だ。技術自体はおよそ1世紀ほど前から存在するが、世間一般的な普及具合はまだまだ伸びしろがあると言ってもいいこの技術。令和の時代を迎え、スマホ+ワイヤレスイヤホンでOTTコンテンツを楽しむ人々が増えたいま、そのポテンシャルがようやく発揮されようとしている。 SPAT Revolutionでバイノーラル出力 テレビ愛知の番組「ライブライブライブ!3日遅れのひな祭り」が今年3月に生配信された。当日は名古屋のご当地アイドル10組による無観客ライブの模様を、You Tube Liveと在名民放4局が立ち上げた動画配信サービスLocipo(ロキポ)にて生配信。後日そのダイジェスト版がテレビでも放送されたそうだ。そして、今回テレビ愛知では初となる取り組みとして、バイノーラルステレオ音声での制作が行われた。アイドルのライブを生配信でバイノーラル配信するという実験的な取り組みだが、そのきっかけは一体なんだったのだろうか。 時は遡り昨年秋、テレビ愛知より「近いうちにアイドルのライブ配信イベントを行うので、そこでイマーシブオーディオの制作に挑戦してみたい」という旨のご相談をいただいた。以前より弊社でも行っていたバイノーラル音源のデモやInter BEEでのプレゼンなどが印象に残っており、イマーシブ制作に触れられるタイミングを窺っていたそうだ。そこで、どういった方法で音をバイノーラル化するかといった部分から検討がスタートし、各種製品検討の結果、直感的にわかりやすいGUI、そしてMACでのPro Toolsとの連携ワークフローの親和性から、Flux:: / SPAT Revolutionを使用することになる。このSPAT Revolutionでは、スピーカーを360度の仮想立体空間上に自由に配置し、任意のスピーカー配列向けに出力できるほか、バイノーラル処理して出力することも可能だ。今回はこのSPAT Revolutionからのバイノーラル出力を配信ミックスを行なっている卓に戻し、各配信エンコーダーへ渡すという手法をとることになった。 📷FLUX:: SPAT Revolution そこでまず課題となったのが、元々のステレオミックスのオケからどのようにして立体感を演出するかということ。そのためには、SPATの仮想空間上で左右上下に広く空間をとって音源を配置し、広がりを感じさせるように仕向ける必要がある訳だが、ここに関してはボーカルの配置と会場のアンビエントの組み合わせで対応した。まずボーカルの配置については、出演者のハンドマイクを仮想立体空間上にアーチ状の等間隔に並べて、それぞれの分離を良くすることで一人ひとりのボーカルがハッキリと聴こえるような配置としている。オケとなるトラックと現場で収録される演者の音声の対比をはっきりさせることで、さらに空間のコントラストをつける試みがなされた。次に会場のアンビエントについてだが、ライブでありながらも無観客、ということも今の状況下のスタジオ収録では課題となる。どのように会場の空気感を演出するかということになるが、会場PAの音を活かすこと、またスタジオ自体は十分な体積と空間が取れているので、後方にアンビエント収録用のマイク( SCHOEPS MK4 )を設置することである程度の空気感を出せるのではないか、とスタジオ後部上方に4箇所アンビエントマイクが設けられている。 📷スタジオ後方、高さ3〜5mの位置に等間隔で4本設置されていたSCHOEPS MK4。バイノーラル空間上部に広く配置することで、会場の空気感演出に貢献している。 そして配信用のミキサーとのやりとりだが、配信用のミックスにはYamaha QL1が用いられている。そこへ、Focusrite Red 8PreをインターフェースとしたMAC PRO(Late 2013)をDante接続することで、LANケーブル一本でのバイノーラルプロセッシングシステム追加を実現した。 配信環境が持つクセを見抜く ここで改めて当日のシステム系統を整理する。まず、フロアからの音声をパラボックスで2系統に分割し、1系統はYamaha Rio1608で受けたのち会場PA用のYAMAHA QL1へ、もう1系統はアナログで第一スタジオのサブへと送られる。サブではアナログをYamaha Rio1608で受けたのち、こちらも配信ミックス用のQL1へ入力。ここからDanteの信号をFocusrite Red 8 PRE経由でMAC PROに送っている。Flux SPAT Revolution でバイノーラルプロセッシングを行い、再びDanteでQL1へリターン。QL1から常設のLocipo配信システムと、You Tube Live用のLive Shellへそれぞれ入力し、実際の配信へと音声が乗る仕組みになっている。 なお、You Tube Liveなどのライブ配信プラットフォームでの配信時に、どうしても生じてしまう高音域のロスがある。これは、サービスによっても異なるがそのプラットフォームで採用されている非可逆圧縮方式の音声コーデックの影響によるものだ。例えばAACやMP3といった高圧縮率重視の音声コーデックでは、人間の耳に比較的聴こえにくく、かつ再生に高いビットレートを必要とする15kHz前後から上の帯域をばっさりとフィルターでカットするような処理が行われている。こうして、ある程度の音質を保ちながらも、CD音質比で約90%ものデータ量削減を実現するというメリットはあるものの、トレードオフとなるハイ落ちの問題は避けられない。今回はテスト時からあらかじめハイシェルブのEQで2kHz以上の帯域を3〜6dbほど持ち上げるようにして対応していたが、この点は配信を行う前に事前テストで必ず実際の音声を確認し、解決策を講じておくポイントとなる。 📷演者の立ち位置とバイノーラルパンニングに違和感が無いよう、フロアアシスタントが手渡すマイクの配色でも管理。 また、今回はライブ中にボーカルマイクの音像定位を動かすということは行なっていない。配信映像は随時スイッチングされていくわけだが、これに合わせてリアルタイムにボーカルのパンニングを行うのは視聴者側も定位が次々と変化していくことになり混乱してしまうからだ。そこで、少しでも映像と音の違和感を無くすためにアイドルたちの基本の立ち位置を考慮してハンドマイクを渡すように管理、誰がどの立ち位置でどのマイクを持つのか、サブの配信ミキサーがフロアアシスタントとインカムで常にやりとりし対応している。また、オペレーションとしても常にボーカルの定位をスイッチングやアイドルたちの動きに合わせていくことは現実的ではないため、今回は前述したようにアーチ状の等間隔に配置したボーカル定位を固定して配信が行われている。むしろ、固定パンとすることできちんと空間を認識することができ、一人一人の声が分離してハッキリ聴こえる結果となるため、違和感を感じることなくコンテンツに没頭できる結果になったのではないだろうか。 配信ミックス用のYamaha QL1 QL1とDanteで信号をやり取りするためのFocusrite RED 8 PRE。SPAT RevolutionをインストールしたMAC PROのI/Oとなる。 配信ライブの需要が増えてきたいま、バイノーラルを取り入れた取り組みはリスナーに新たな発見や感動を伝える重要な機会となっている。今回の試みのように、日々研鑽を重ねる現場の音響技術者達の知恵やアイデアと、メーカーが開発意欲を燃やす最新技術、それらを積極的に取り入れたアーティストの制作意欲、これらが組み合わさって新たな技術トレンドが生まれていくのだろう。 まだまだアツいぞ!! 在名各局のバイノーラル!! ●"良いもの"だから使うスタンス / 中京テレビ放送株式会社 中京テレビでは、HPL(HeadPhoneListening)技術を活用したバイノーラルコンテンツのトライアル制作を2019年より行っている。2020年からは4Kや8Kの360°映像も加え、より没入感あふれる次世代コンテンツ制作に取り組んでいるそうだ。トライアルを含めた制作事例としては、2019年3月に地上波「ササシマ MUSIC BASE」 5.1ch放送をバイノーラル化して副音声で放送したのを皮切りに、音楽ライブ素材を使ったヘッドフォン環境での22.2chミキシング、4Kおよび8KVR + 立体音響(22.2ch)、5.1ch→バイノーラルステレオで12時間生配信(!)など、短期間の間に実に多彩な取り組みとなっている。 その中でノウハウも積み重ねられているようだが、やはりスピーカー環境と同様に、HPLをはじめそれぞれのプロセッサーの環境に慣れることでミックスが成立するというのが実感としてあるとのこと。また、基本の2MIX(または5.1ch MIX) とAmbisonicsマイクなどの空間ベースの組み合わせにより放送の延長線上でシステムを組めるという点でも手応えを得ている様子で、3Dオーディオプラグインが増え、DAWを使ってより手軽に立体音響制作ができるようになってきていることも更なる追い風になっているようだ。 表現の拡充、コンテンツの付加価値として効果的であることを技術スタッフ以外も音源を聴いて実感できているとのことで、"真新しいもの"だからではなく、"良いもの"だから使うスタンスでいきたい、とのコメントが印象的。実際に筆者もZoomでのウェビナーと並行して、YouTube Liveにて実際のVR映像を視聴することができたが、バーチャルなライブ会場の中で、巨大なPAスピーカーから音が出ているように感じられ、従来の固定カメラ+ステレオの配信より圧倒的な没入感を体験することができた。こうしたVR+バイノーラル音声でのコンテンツは、今後多くの視聴者にとって、配信ライブにおける付加価値として十分に受け入れられていくのではないだろうか。 ●頭外定位で積極的に定位を広げる / メ~テレ(名古屋テレビ放送株式会社) 2020年の夏頃よりバイノーラル制作の事前検証に着手した名古屋テレビ。同年12月に開催された名古屋ギター女子部による、ギタじょぶスペシャルライブ『Live in Re:POP!!』で制作ソリューションを検討することになったそうだ。検証にあたり、ソフト/ハード問わず4種のバイノーラルプロセッサーを比較した上で「低レイテンシーかつ音質変化が少なく自然な音質」との印象から、KLANG:technologiesのKLANG:fabrikを採用している。このKLANG:fabrikは、元々ステージ上のIEM(インイヤーモニター)として開発された製品、昨年サカナクションの配信ライブでも使用されたことで大きな注目を浴びた。 イベント当日、現場でのミキシングのコンセプトとして、実際のステレオMIXの音場より派手で極端なパンニング、会場の響きを感じられるようなアンビエンス感、コーラスのパートでの分離感と立体感、アコースティックギターに包まれているような立体感、という4つのテーマを掲げてセッティング。アンビエンスマイクを会場前方と後方にそれぞれ縦軸向け、横軸向けに設置し、縦軸向けのマイクは4本同じものを使用することで音質的なつながりを重視したり、パンニングを1名だけで行った際に定位感の個人差が生じる可能性を懸念し、2名交代で両者の聴こえ方の中間を取るような工夫を行ったそうだ。 実際のライブ映像は観客による手拍子やアコギの音が、広い空間から包み込まれるように聴こえてくることや、コーラスパートの立体感が特に印象的。ミックスにあたってまず得られたのは、頭外定位させることが可能なのでミキシングの幅を広げることができたとのこと。これは積極的に定位を広げることができることでもあり、立体的な演出表現の可能性を感じさせる。また、今回のアンビエンスマイクは縦軸と横軸を10cm以内のほぼ同軸上に設置し、結果的に時間差を発生させないことで上下配置は自然に感じることができたそうだ。その一方で、頭外定位により分離が良くなるため、ボリューム操作がよりシビアになり緻密なフェーダー操作が必要になるという。フェーダー操作でいかに立体的な音場を作るのか、バイノーラル配信におけるサウンドデザインの鍵も見えてきているのかもしれない。 こちらの 2 局の取り組みについては、AES 日本支部の2021年3月例会「インターネットを用いたライブ配信におけるバイノーラル音声の制作」と題 したウェビナーにて取り上げられ情報共有されている。積極的にバイノーラルに取り組む名古屋の放送各局、得られたノウハウもやはり実践的であり、制作意欲を大いに刺激されるのではないだろうか。   *ProceedMagazine2021号より転載
3D Audio
2021/08/20

Dolby が Atmos Music 制作ワークフローWEBサイトを開設

Dolby Atmos Music 制作者に向けた、ワークフローを紹介するWEBサイトが開設されました。 Dolby Atmos Music Creator's Summit と名付けられたこのページでは、Dolby Atmos Music のワークフローを紹介するビデオや、DAWをはじめとした Dolby Atmos ミックスに必要な制作ツールを紹介するフローチャート、そして、実際に Dolby Atmos Music を制作しているエンジニアの方々のインタビュー動画などをご覧いただけます。 そのほか、Dolby Atmos Music Festival や Dolby × Sports Online Experience などのイベントサイトへのリンク、制作に使用できる機材や Dolby Atmos 対応サービスリストなどへのアクセスも設置されています。 Apple Music や Amazon Music HD が対応したことで、今後大きな広がりを見せるであろう Dolby Atmos Music。その知見を、もう一歩深めることができる内容になっていますので、ご関心をお持ちの方はぜひご覧いただくことをおすすめいたします。 Dolby Atmos Music Creator's Summit WEB ページ Dolby Atmos 制作ツールやシステム設計に関するお問い合わせは、ROCK ON PRO までお気軽にご連絡ください。
3D Audio
2021/08/19

Dolby Atmos 関連情報 ~ Avid Blog

ここ数年で、Netflix、Amazon、Appleなど、新世代のメディアプラットフォームの旗手が続々と Dolby Atmos 対応を表明し、ユーザーがイマーシブ/空間オーディオを体験する機会は今後も増えていくと予想されます。 Avid Blog には、Pro Tools を使用した環境に限らず、Dolby Atmos 制作にかかわる数多くのノウハウや事例が掲載されています。 これから Dolby Atmos 制作に挑戦したいと考えている方、イマーシブオーディオに関する知見をより深めたいエンジニアのみなさま、ご自身の音楽を Dolby Atmos フォーマットで発表したいと考えているミュージシャンの方々など、どのような方にも参考になりそうな内容ですので、こちらの記事で一気に紹介させていただきます。 Dolby Atmos Music 関連の最新記事 AvidPlayで Dolby Atmos® Music を配信する方法(Apple Music編) インディーズ系アーティスト/バンドやプロダクションが、AvidPlay を使って Apple Music の空間オーディオでコンテンツ配信する方法を、具体的に解説しています。 Dolby Atmos Musicでミックスするためのヒントとトリック Dolby Atmos Music をバイノーラルミックスする際のノウハウを、22項目に渡って解説しています。Dolby Atmos でのスピーカー・ミックスに関して、一定以上の知識/経験のある方がバイノーラル・ミックスに挑戦する場合に有効な、少し上級者向けの内容となっています。 まとめページ、動画再生リストなど Avid Web: Dolby Atmos Music関連情報ランディング・ページ Dolby Atmos Music 制作のためのAvid ソリューションなどを紹介しているページです。 Pro Tools | Ultimate - Dolby Atmosミキシング関連ビデオ Pro Tools | Ultimate で Dolby Atmos 制作を行う際の基本的なワークフローを解説しています。設定からデリバリーまで、実際の画面を見ながら確認できます。 Dolby Atmos Music トライアル・パッケージ 無償ダウンロード こちらの記事でも紹介した、Pro Tools | Ultimate と Dolby Atmos Renderer の無償トライアルパッケージです。 その他、Dolby Atmos 関連ブログ グラミー賞受賞者 ダレル・ソープのイマーシブミュージック・ミキシングに関する3つのポイント ヘッドフォンを使用してDolby Atmos Mixを作成する Netflix :オリジナル作品「Sol Levante」のDolby Atmos Pro Toolsセッション・ファイルを無償公開! Sound That Moves – イマーシブ・オーディオ・プロダクション統合ワークフローの解説 AvidPlayで Dolby Atmos® Music を配信する方法 Dolby Atmos® Music のミキシング体験とAvidPlayでの配信 Dolby Atmosの中核となるPro Toolsインターフェース あなたにとって、最適なDolby Atmos® ソフトウェアとは? Pro Tools | UltimateとMTRXでDolby Atmos Homeファイナル・ミックス・ステージを構築提案! Pro Tools | Ultimateによる Dolby Atmos 制作フローの概要 ROCK ON PRO では、お客様のご要望に合わせた最適なシステム提案をさせていただいております。ご相談・ご質問は、ぜひ下記 contact ボタンよりお気軽にお問い合わせください。
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2021/08/18

鹿児島-東京-和歌山がつながる、多拠点連続配信 〜鹿児島ジャズフェスティバルの挑戦!〜

予定調和を拒み、瞬間の閃きに命を賭ける…ジャズという音楽が持つこのリアルを伝えたいという思いで2017年にはじまった「鹿児島ジャズフェスティバル」。毎年順調に来場者数を伸ばしてきたこのイベントも、2020年からのコロナ禍の影響で例年通りの開催を断念せざるを得なかった。「それでもできることはあるはず」という実行委員長 松本氏が取った選択は、異例とも言える多拠点連続配信!ひとつのYouTube ページで鹿児島・東京・和歌山と配信元を切り替えながら連続配信を実施し、全国的に移動が制限された中で大型音楽イベントを成功させた「鹿児島ジャズフェスティバル2020オンライン」の挑戦を取材した。 ●鹿児島ジャズフェスティバル 鹿児島ジャズフェスティバル 公式HP 鹿児島ジャズフェスティバル2020オンライン 1st Day 鹿児島ジャズフェスティバル2020オンライン 2nd Day ピアニスト松本 圭使 氏が主体となって2017年より実施されていている鹿児島ジャズフェスティバル(通称:かごジャズ)は、ジャズという音楽の最大の特徴でもある"その時・その瞬間に生まれる音楽"という魅力を凝縮した形で届けたいという想いから生まれたジャズフェスティバル。そのため、ジャズシーンの第一線で活躍するアーティストたちを招聘しながらも、すでにマーケットされたグループ単位ではなく個人単位での出演をオファーしていることが最大の特徴だ。 各アーティストは期間中いくつかのステージに出演するが、その際の組み合わせも実行委員が考案し、毎回異なるメンバーによる演奏となるよう工夫がされている。オーディエンスはさまざまな組み合わせの演奏を楽しむことができ、アーティスト同士の出会いの場としても機能しているが、こうした手法を取る最大の目的はジャズミュージシャンの普段の活動をより身近に体験してほしい、ということにある。 海外からの招聘アーティストについても、みずからのグループによる出演だけでなく、国内のアーティストと共演してもらうステージを構成するなど、クラブギグに近いコンセプトのプログラムはまさに「毎晩違うハコに行って、毎晩違うメンバーと演奏する」というジャズミュージシャンの基本的な生活により近いものと言えるだろう。初年度は16,000人、2018年が31,000人、2019年が67,000人と動員も倍々で増加しており2020年も3月までは例年通り実施する予定だったが、コロナ禍とそれに伴う緊急事態宣言の影響により、2020年度はYouTube Liveを使用したオンラインでの開催となった。 ジャズのリアルを身近に ROCK ON PRO(以下、R):本日はお忙しい中にありがとうございます。はじめに、鹿児島ジャズフェスティバル全体のコンセプトをお聞かせいただけますでしょうか。 松本:鹿児島ジャズフェスティバルは「リアルなジャズを濃縮したようなフェスをやりたい」という思いで2017年に立ち上げました。そのため、グループとしてすでに出来上がったサウンドを聴いてもらうのではなく、ステージ上で「はじめまして」「で、(曲は)何やります?」というところからお客さんに観ていただいく形でやっています。その方が、アーティストを身近に感じてもらえるんじゃないかと思って。 R:実際に、本当に「はじめまして」の組み合わせもありましたね。 松本:はい。アーティスト同士の出会いの場としても機能させたいという気持ちもあります。それまで共演したことがなかった人たちが、鹿児島ジャズフェスティバルをきっかけに共演しはじめたという例もいくつかあります。 R:動員規模も年々大きくなっていった中で、新型コロナウイルスの影響はどの時点からあったのでしょうか。 松本:2020年も、3月までは例年通り実施する予定でした。概要の冊子を作ったり、協賛していただくみなさまを招いてのパーティなども実施していたのですが、新型コロナウイルスの影響が大きくなったことで、例年通りの形での実施はするべきではないと判断しました。ぼく自身もアルコールスプレーを持ち歩いていて「スプレー男」とか呼ばれるくらい(笑)感染には気をつけていましたし、少なくとも鹿児島県内では感染に対する危機感は当初から非常に高かったこともあります。 R:2020年度はすべてYouTube Liveによるオンラインでの実施となりました。こうした形での開催、そもそも、開催するという決断に至った経緯をお伺いできますでしょうか。 松本:5月頃には中止も考えたのですが、当時、多くの音楽イベントが配信という形で行われているのを見て、「こうした形ならやれるんじゃないか」と思ったんです。ライブを観たくても観れないというストレスを自分自身も感じる中、鹿児島ジャズフェスティバルなら、たとえ配信になってもジャズの本質を大事にした形でみなさんに楽しんでもらえるフェスができるんじゃないかと思いまして「よし、やるぞ!」と(笑)。そこから、どうやったら面白いものにできるかということを考えていった結果、「さまざまなアーティストがさまざまな組み合わせで出演する」という、これまでの鹿児島ジャズフェスティバルの形を踏襲した上で実施するのがよいのではないかということになりました。すると、まず会場は鹿児島と東京の2箇所が必要だということになります。 R:鹿児島と東京にいるアーティストがリアルタイムでセッションするのをライブ配信する、という珍しいステージもありました。 松本:ひとつのYouTube Liveのページで2会場が切り替わりながら配信するというだけでもほとんど前例がなかったように思いますが、さらにSYNCROOMを使ったコラボステージを組み合わせたらもっと面白いことができるんじゃないかと思って。当時、ぼくは夜な夜なSYNCROOMを使って遊んでたんですが(笑)、これを使ったら離れた会場でのコラボ演奏もいけるんじゃないか、と。それで「東京ステージ」「鹿児島ステージ」「つながるステージ」という3つを柱にしたプログラムを組むことにしました。 手探りで作り上げた3拠点から連続配信 R:配信元を切り替えながら連続配信するという点、そして、2会場間でセッションしている様子を配信するという点がユニークだったと感じています。これはどのように行なっていたのでしょうか。 松本:鹿児島ステージは鹿児島、東京ステージは東京から配信していました。つながるステージは和歌山のティースペック橋本さんのところから配信しました。ですので、3つの拠点からのストリームをひとつのページで配信していた形になります。 R:これらを実現するための機材や運用のシステムはどなたが設計されたのでしょうか。 松本:機材については各会場の方々にお任せしました。連続配信しながら2会場を切り替える方法については、ぼくが思いつきで実験していた方法を使用しています。例えば、鹿児島会場のバックアップストリームに東京会場からの映像を流し、時間が来たら鹿児島会場のメインストリームを落とすんです。すると、バックアップに流れている東京会場からの映像に切り替わる、というかなり危なっかしいやり方です(笑)。技術屋さんなら絶対に採用しない方法ですね(笑)。本番中はずっと電話でやりとりしながら、各会場の配信ストリームを流したり止めたりしてました。 野井倉:当時はライブ配信の技術というものが方法論として確立していなかったので、トライ&エラーを繰り返しながら段階的に組み立てていきました。東京会場からのストリームをいったん鹿児島に送ってもらって、配信元を鹿児島1本にするというやり方も最初に試しました。ただ、東京からも同じチャンネルに配信できるなら、それがいいんじゃないか、と。であれば、つながるステージに関しては橋本さんという遠隔セッションに関するプロフェッショナルの方がいらっしゃるのだから、そこできれいにまとめてもらって和歌山から配信するのがいいだろうということになりました。 松本:つながるステージに関しては、8月に実験的に一度やってみたんです。その時は、東京からの信号をいったん鹿児島に送ってもらって鹿児島が配信元になる形でした。実際にやってみると、東京からの信号を受けて、鹿児島側にディレイを入れて、その上でリップシンクを取って…結構しんどいね!ってことになって(笑)。そんな時に、友人のギタリストで今回東京会場のディレクターもお願いした松原慶史さんから、ティースペック橋本さんを紹介してもらったんです。 橋本:ちょうど中間地点ですし(笑) 松本:ライブ配信については、ぼくも野井倉さんも、コロナ禍がはじまった頃からぞれぞれ個人的にその可能性を探っていた状況でした。先述の松原さんが以前からYouTube配信を積極的におこなっていたので、彼からたくさんのことを教えてもらいました。バックアップストリームを使って配信元を切り替えるという方法も、彼に夜な夜な付き合ってもらって(笑) 野井倉:前例もほとんどなかったので、6月くらいから私と松本さんで毎週さまざまな設定を実際に試しながら、映像と音声のクオリティを追い込んでいきましたね。 3拠点を結ぶ各会場のシステム R:各会場ではどのようなシステムで配信をおこなっていたのでしょう。 野井倉:私のところ(鹿児島会場となったCAPARVOホール)はライブハウスなので、ステージに関しては通常のPA/SRシステムです。卓の2MixをPro Toolsに入れてリアルタイムでマスタリングしたものをOBSから配信しました。つながるステージではPro Toolsを挟むとレイテンシーが増えるので、配信用には卓のアウトを直接SYNCROOMで橋本さんのところへ送っています。鹿児島ステージの時はモニターには通常のころがしを使いましたが、つながるステージではキューボックスを入れてイヤーモニターしてもらいましたね。 松本:配信システムはDelquiが所有しているものを使用しました。マシンはMacbook Pro 16" i9 8コア メモリ64GB で、ハードウェアエンコーダーを使用するのがミソです。 R:東京会場は、鹿児島との大きな違いはレコーディングに近い環境を構築したことにあると思います。 吉川:東京会場は、ぼくが普段マスタリングで使用している機材などをすべて持ち込んでの配信でした。RCA 44-BXとかU 49、U 47とか持って行ったんで、いわゆる配信ではあまり見ない構成だったかも知れません。モニターも、転がしを使わずにヘッドホンでモニターしてもらいました。デジタルでの処理は一切おこなわず、卓のアウトをすべてアウトボードでマスタリングして、それをスイッチャーに入れてました。遅延はOBSで合わせてましたね。 R:デジタルを使用しなかったのは遅延を回避するためでしょうか。 吉川:というか、どのプラグインが何ms遅れるとか、そこまで詳しくは把握してなかったのと、ソフトを使っちゃうと、本番中に予期せず止まったりしたら怖いなと思って。アナログで完結させようと思ったんです。 R:つながるステージの時はどうでしたでしょうか。 吉川:つながるステージでは、SYNCROOMを使うためにPro Tools HDXシステムを使用しました。それまでSYNCROOMを使った経験があまりなかったので、使い慣れているHDXでキューなどを作りたかったんです。Blue Cats PatchWorksを使って、Pro ToolsにSYNCROOMをプラグインとして立ち上げてました。 R:映像はどのようになっていたのでしょうか。 松本:鹿児島ステージでは2台のスイッチャーを連結して、11台のカメラを使用しました。 野井倉:カメラは機種を合わせることができなかったので、色味を合わるのが大変でした。 松本:カメラはカメラマンさんに持ち寄ってもらったので、機種を揃えられなかったんです。東京はBlackmgic Design Pocket Cinema Camera 4Kを11台揃えていたので、鹿児島の映像関係の方々は「負けるもんか!」と燃えてましたね(笑) R:スイッチャーは何を使用されましたか? 野井倉:Roland V-60HDです。鹿児島ジャズフェスティバル自体が以前からRolandにサポートを受けている関係で、スイッチャーなどの一部の映像関係機器はRolandからお借りしました。カメラとPro ToolsのアウトをV-60HDに入れて、V-60HDのアウトをOBSに入れているという流れです。 吉川:東京は、映像関係はBlackmagic Designで揃えました。 R:つながるステージはどのような構成で配信していたのでしょうか。 橋本:鹿児島と東京からZOOMを受けるためのPCが各1台、計2台あり、SYNCROOMのためのPCが1台、ミキサーとしてWAVES LV-1、こちらだけOBSではなくWirecastでした。Wirecastの手前でZOOMの出力をATEM Mini Proに入れて、鹿児島か東京かを選ぶ、と。リップシンクはWirecast側でやってます。今回は、私のところでは音作りのようなことはしませんでした。当日は鹿児島と東京からまとまった音が来てたので、バランスだけこちらでフィックスしてそのままふたつを混ぜて送り出すと。もちろん、トータルのレベル管理とかはしてましたけど、リハーサルの段階でレベルはほとんどフィックスしてます。送り出しのレベルを「もう少し上がりますか、下がりますか」みたいな感じで確認しながら、本番中にどうしてもと感じた時だけ数dB触るか触らないかくらいの感じでミックスしてました。 R:SYNCROOMを使用する上でポイントとなるようなものはあるのでしょうか。 橋本:SYNCROOMはP to P接続なんです。今回は3箇所だったので、鹿児島-東京、鹿児島-和歌山、和歌山-東京、と、それぞれ別々の回線でつながっていました。そういう仕組みなので、音質も遅延もそれぞれの環境によって変わってくるんですね。すると、いま自分が聴いている2会場の音が本来のタイミングかどうかはわからないんですよ。鹿児島と東京から私のところに来ている音のタイミングがずれていても、鹿児島-東京間では合ってる可能性があるわけです。そうしたところもリハーサルの際に確認して、明らかにずれている時はこちらでディレイを調整します。 R:LV-1はSoundGrid Serverを使用した低遅延のプロセッシングが特徴ですが、今回は2系統のステレオを1系統にミックスしただけだったのでしょうか。 橋本:今回はそうでした。普段はわんさかプラグインを使いますよ(笑)。160ms分くらい使いますね。ZOOMだと私のとこには映像が300msくらい遅れてくるんです。だから、もっとプラグインを使っても大丈夫なんですが(笑)。 R:配信ソフトは普段からWirecastなのでしょうか。 橋本:そうです。私のところは多点配信が多いんです。それも、YouTube、Facebook、オリジナルサイト、などバラバラなんですよ。どこかひとつに不具合があった時、OBSだと全員止める必要があるんです。それが、Wirecastだとひとつずつ出したり止めたりできるんです。各信号ごとに解像度も変えられますし。Wirecastである理由はその一点だけです。少なくとも、私がWirecastを使い始めた当時のOBSではそれができなかったんですよ。 鹿児島ステージ 鹿児島ステージのオペレーション責任者は、鹿児島ジャズフェスティバル実行委員 でもありサウンドエンジニアでもある SRPlanning 代表取締役 野井倉 博史 氏が 担った。会場となった CAPARVO HALL は同じく野井倉氏が代表取締役を務め る有限会社 SR Factory が経営するライブハウスのため、マイクやモニタースピー カーなどのステージ周辺機器は常設の PA システムを使用している。普段のライ ブと同じ環境で演奏できたことは、アーティストからも好評だったようだ。 インタビューでも触れられている通り、FOH のメインアウトを別室にある Pro Tools HDX システムに入力し、配信のための整音 / マスタリングをリアルタイ ムにおこないながらの配信となった。FOH ミキサーは Roland M-5000。音作りはミキサーで行い、Pro Tools で は段階的に複数のプラグインを使用して YouTube Live に適した音に整えてい く。SYNCROOM を使用しておこなったつながるステージではレイテンシー の増加を抑えるために Pro Tools システムを通さず、M-5000 の2系統目のモニターアウトを直接 SYNCROOM に入力した。Pro Tools のアウトはビデオスイッチャー Roland V-60HD に送られ、ここでカメラの信号と同期を取ったあとで配信用 MacBook Pro に流し込まれる。MacBook Pro は松本 氏が所属する株式会社 delqui が所 有しているものを使用し、OBS から配信をおこなった。8 コア CPU、64GB メモ リを搭載したハイパワーマシンだが、CPU への負担を最小限にするためにハード ウェア・エンコード機能を使用したという。 和歌山:つながるステージ 鹿児島・東京の各会場にいるアーティスト同士がリモートセッションする様子をライブ配信したつながるステージ。このプログラムは和歌山にある有限会社 ティースペックのスタジオから配信され、システム設計とオペレーションは同社 代表取締役でライブPAエンジニア・遠隔セッションエンジニアでもある橋本 敏邦 氏が担った。氏は以前から遠隔セッションを業務として請け負っており、つながるセッションではそうした氏の豊富なノウハウと磐石なシステムがいかんなく生かされたと言えるだろう。このリモートセッションはオーディオ部分をYAMAHA SYNCROOM、映像はZOOMミーティングを使用することで実現している。SYNCROOMはPtoP接続となるため、リアルタイムセッションのために鹿児島-東京をつなぎ、配信用には別途、鹿児島と東京がそれぞれ和歌山と個別に接続した。 各会場からの音声はSYNCROOM用PCからDanteでWAVES LV-1に入れられ、そこでミックスされる。映像付きの遠隔セッションの場合、映像が音声に対して300msほど遅れて到達するため、大量のプラグインを使用しても遅延が問題になるケースはほとんどない。そのため、普段の配信業務ではLV-1で音作りをおこなうそうだが、今回は各会場からすでに処理が施された音声を受けていたため、レベル合わせと映像と同期させるためのディレイを入れるにとどまっている。ビデオスイッチャーはATEM Mini Pro、映像も各会場でスイッチングが施された信号が送られ、鹿児島にいる松本氏と連絡を取りながら和歌山で2会場からの映像をスイッチングしていた。 映像と音声はそれぞれ配信PCに送られるが、配信用アプリケーションにはWirecastが使用され、映像と音声の同期はWirecastで取る形を取った。有限会社 ティースペックではLive device事業部として業務用機器の開発・販売もおこなっており、橋本氏の配信システムではPCはすべてLive deviceオリジナルのものが使用されている。 東京ステージ 東京ステージのオペレーション責任者はSTUDIO Dede オーナーでレコーディング/マスタリングエンジニアの吉川 昭仁 氏。同スタジオはジャズミュージシャンなら知らぬ者などいない、国内でも最高峰のレコーディング/マスタリングスタジオのひとつだ。 そのため、東京ステージのシステムは鹿児島ステージとは打って変わって、スタジオレコーディングのような構成が特徴的。マイクはU-47、U-49、44-BXなどが並び、アーティストのモニターはヘッドホンを使用している。東京ステージの会場には外部のレンタルスペースが使用されたため、STUDIO Dedeの機材をそのまま持ち込んだ格好だ。デジタルドメインでの不意のトラブルを避けるため、アウトボードも多数持ち込まれ、東京ステージ単独での配信にはデジタル処理は一切おこなわれていない。対して、つながるステージ配信時にはモニターミックスを作るためにPro Tools HDXシステムを使用した。プラグインチェイナーであるBlue Cat PatchWorksを介して、VST連携モードのSYNCROOMにオーディオを入力するためだけに使用され、プロセッシングやトリートメントは東京ステージと同様アナログドメインで施している。 もともと実行委員会がある鹿児島会場に対して東京会場は人手が少なく、カメラマンを除くすべての作業をたった3人の人員で受け持っていたという。配信用のミックスはもちろん、キューミックスや映像のスイッチングまで、オペレーション関連は吉川氏がひとりで請け負った。 「配信」に最適化されたサウンドの探究 R:音質向上のために施した工夫などはありましたか? 野井倉:6月くらいから配信をやっていて思ったのが、ダイナミクスレンジが広い状態で送っちゃうと非常に聴きづらくなるんです。アーカイブになったものを聴く分にはまだいいんですけど、リアルタイムで聴く時には、卓のアウトをそのまま送っただけだとMCが聞こえないとか、曲によってはピークが叩かれて全体的にレベルが落ちちゃうとかがあって。マスタリングして出さなきゃダメだね、って結論に達したのが6月〜7月だったんですね。そこから本番の9月までの間に、レベル管理や実際にYouTubeで聴いた時の傾向も含めて、配信用の整音プリセットをPro Toolsで作っていきました。 R:EQやリミッターを使用しているのでしょうか? 野井倉:インプット段でEQを使ってますが、80Hz以下は結構切ってますし、上の方は逆に4kHzくらいからちょっと伸ばし気味にしてます。レコーディングだと8kHz〜10kHzを上げるとエアー感として残ってくるんですけど、配信だとまったく残らないです(笑)。なので、わりと下の方から持ち上げてたりしますね。そのあとはマスターのアウトプット段で掛けてます。補正用のEQが一発、その後がWAVESのCLA MixDown、L2、SSL G-Master Buss Compressorが掛かっている状態です。ミキサーで既に処理が掛かってますので、Pro Toolsでは1回でガツンと掛けるのではなく3段階に分けてちょっとずつなめしていく感じです。 R:東京側はいかがでしたでしょう。 吉川:主要楽器のマイクプリにNeveとAmpexを使ったことと、マスタリング用途として、レベルを上げるものと止めるものというのを使った程度ですかね。LA-2やSSLバスコンプ、LavryのソフトサチュレーターやMTPリミッターなど、普段マスタリングでやってることの初段と最終段をやったって感じです。全部ハードウェアで、プラグインは一切使いませんでした。 R:つながるステージはどうでしたでしょうか。 橋本:インターネット回線を通してくると、どうしてもS/Nが悪くなるんです。なので、各会場からSYNCROOMに送っていただくレベルをちょうどいいところにしてもらえるようにお願いしていました。普段だと必ずノイズサプレッサーを入れるんですが、今回は各会場でしっかり作られた音が来ていたのでなるべく触らず、そのまま混ぜて出した感じです。 トラブルもまた"ジャズ"らしさ!? R:ここは苦労したとか、やってみたら思ったようにいかなかった、といったポイントがあれば伺えますか。 野井倉:回線速度ですね。本番中にルーター再起動までかけました。鹿児島はやっぱり東京とくらべるとインフラが弱い。とにかく回線が安定しない。リハーサルの時はよかったけど、本番の時間帯には安定しなかった。そうした影響が極端に出ましたね。 松本:そういう意味では、配信元を分けたのは結果的によかったです。 野井倉:結局、フィナーレのつながるステージは構成を変えましたよね? 松本:もともとはリズムセクションは鹿児島のメンバーが乗って、フロントは東京からという予定だったのですが、鹿児島のSYNCROOMが調子悪くなったんです。リズムセクションが途中で落ちたらまずいということで、吉川さんが機転を利かせて東京会場に残っていた米木(康志 b)さんと福森(康 ds)くんをステージに上げてくれて。彼らには初見で演奏してもらうことになりましたが、それでことなきを得たということが起こっていました。吉川マジックでした(笑) 吉川:ちょっと大変だったのは、その時に「東京にもドラムとベース乗せよう」なんて言っちゃったものの、キューボックスを人数分しか用意してなかったんですよね。あれは焦りました。結局、ぼくのモニターを延長しまくってステージに送ったんですけど、その結果、フィナーレの時は遠くで鳴ってるドラムとボーカルの口元を頼りにスイッチングしてました。 R:東京会場はネットワークは安定していたのでしょうか。 吉川:東京の会場はNURO光が入っていたんです。それが理由で選んだというのもあったんですが、前日に会場入りしてみたらIP v6じゃなくて。そこを変更しなければならなかったということがありました。 松本:東京ステージは会場がDedeさんではなく外部に借りたので、仕込みなどもすべて前日にやってもらうことになってしまって。 吉川:鹿児島ステージと東京ステージが切り替わるタイミングで、なぜかぼくの携帯が切れちゃったりとか。でも、こんなのは全然マシで、ほかの仕事で大きな企業のイベントをやった時なんかは会場が漏電してシステム全体が4回落ちましたからね。かごジャズのトラブルはトラブルではなくて、本番中に「こんなことやりたい!」っていうのをやってしまったがためという、ある意味すごくジャズっぽいイベントで面白かったです。 R:和歌山はいかがだったでしょう? 橋本:私、実はかごジャズがスイッチャーのデビューだったんですよ。それまでの遠隔セッションはZOOMのギャラリービューを出していただけで、音だけはこっちでミックスするというスタイルでやってたんです。つながるセッションの配信を和歌山からやることが決まった時に「できれば全画面でスイッチングを…」ということで。「スイッチング、実は本番でやったことないんですけど」って言いましたら「大丈夫ですよ。2系統の切り替えだけですから!」なんて言われて(笑)。でも、それって実は○か×かの世界じゃないですか(笑) 松本:いや、完璧でしたよ(笑)。ぼくが譜面を見ながらキューを出してたんですけど、途中で「この譜面なんか変だな」と思ってよく見たら、全然違う曲の譜面見てたんです(笑)。でも、橋本さんは完璧にやってくださいました。 橋本:あとは、映像ですね。鹿児島と東京の映像が私の想像をはるかに超えるクオリティだったので「ちょっと待って!」と(笑)。つながるステージはZOOMからの映像なので、なんとかしようということでBlackmagic Design ATEM Streaming Bridgeを候補にしてたんですよ。でも、出荷開始時期が間に合わなかった。そこで、ZOOMで高画質配信ができる方法を探ろうということで、前日になってFull HDで送るモードを見つけたんですよ(笑)。 R:ATEM Streaming Bridgeは、発表されたその日にご注文いただいてました。残念ながら鹿児島ジャズフェスティバルが終了してからのお届けとなってしまいましたが、その後お使いいただく機会はありましたでしょうか。 松本:ZOOMよりは確実にきれいな映像でつながりますよ。 R:こうしたネットワーク系のソリューションというものは、今後もっと需要が高まりそうです。 橋本:そうですね。実際、ZOOMなんてもう普通に使われてますからね。 野井倉:地方は特にそうで、東京からゲストが来れなくなったとしてもイベント自体が中止になることはありません。すると、配信で出演してもらおう、って話になるものが結構多いんですね。東京では、そういう配信向けのスタジオが増えていることはありがたいですね。回線も含めて照明からなにからすべて揃っていて、とりあえずPCを持っていけばすぐ配信できる。それを現地でMCとかと混ぜて。トークショーなどは、今はこういう形が多いですよ。 何もしないという選択肢はない、2021年の展望 R:鹿児島ジャズフェスティバル2021の展望について伺えますでしょうか。 松本:結論から言うと、まだなんとも言えないというのが正直なところです。アーティスト自身が運営するイベントということで、これまでにも新しい可能性を提示してこれたと考えています。そのため、何もしないという選択肢はないと思っています。ただ、屋外での開催に戻るのか、またライブ配信になるのかといったところはまだ何も決まっていないという段階です。 R:リアルと配信を同時にやるという可能性は… 松本:できちゃいますよね(笑)。ライブ配信をおこなったことで、「これを観て鹿児島に行きたくなった」というご意見が一番多かったのですが、次に多かったのが「配信だから観ることができた」というご意見でした。ですので、リアルライブと配信を同時におこなうことも考えてはいます。 野井倉:2019年まではサテライトを含めて4~5会場でやってましたね。実はコロナ以前に一度あがった意見として、夜しかライブをしないサテライトステージに昼間はメインステージの映像を出すというものがありました。鹿児島ジャズフェスティバル2020を経た今なら、こうしたことはもう簡単にできちゃいますね。 松本:実際、以前は映像をリアルタイムにスイッチングして配信して、というソリューションは非常に高価でした。それが、ここ1年ほどで一気に手元まで降りてきた感覚はあります。そうした部分で、鹿児島ジャズフェスティバルのようなイベントにも、映像を使った可能性というものが広く開かれていると感じています。なにかしら面白いアイデアを見つけていこうかなと思っています。 橋本:本人が感染しなくても、濃厚接触者となって来場できなくなるというケースもあると思います。そうした場合は遠隔で参加してもらうというのはありですね。 松本:実は、遠隔出演は昨年8月に経験させていただいてました(ライスパワージャム・ハ!2020)。地方を拠点に活動している身としては、こうした技術はありがたいですね。音楽を楽しむ方法のひとつとして、今後も残っていくんじゃないかと思います。 R:今年も鹿児島ジャズフェスティバルを楽しみにしています!みなさま、本日はありがとうございました! 一同:ありがとうございました! ライブ配信が現在ほど浸透していなかった2020年夏の時点で、手探りで作り上げた手法によって大型音楽フェスティバルを成功させた『鹿児島ジャズフェスティバル 2020 オンライン』。成功の背景にあったのは、「ジャズという音楽の魅力を多くのひとに伝えたい」という一貫した情熱だったことが伝わってくるインタビューだった。どのような形であれ、2021年もすばらしい音楽を届けてくれるであろう鹿児島ジャズフェスティバルから、今後も目が離せない。 鹿児島ジャズフェスティバル 公式HP 鹿児島ジャズフェスティバル2020オンライン 1st Day 鹿児島ジャズフェスティバル2020オンライン 2nd Day   *ProceedMagazine2021号より転載
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2021/08/17

Pro Tools 2021.7 リリース情報 〜バグフィックス&macOSでの安定性が向上〜

Pro Tools 2021.6の課題修正バージョンであるPro Tools 2021.7が先日リリースされました。今回、新たな追加機能はありませんが、ビデオ関連の課題修正を含め、幾つかの重要な改善が行われており、最新のPro Tools 2021の機能をより安定した動作でご利用いただけます。 ※Pro tools 2021.7へのアップデート及びインストールに関する詳細は下記AVIDの公式ページに記載されています。事前に必ずご確認ください。 >>Avid Knowledge Base Pro Tools 2021.7 リリース情報 https://avid.secure.force.com/pkb/KB_Render_Download?id=kA26e000000cIp7&lang=ja 今回のバージョンアップに含まれるバグフィックス コントロールサーフェス ・S6や他のEuControlサーフェスを使用して左にパンする時、2の増分で移動しなくなりました(PT-275744)。 クラウド/コラボレーション ・Pro Tools はIce Lake プロセッサを搭載した Windows ベースのマシンでプロジェクトメディアをアップロードおよびダウンロードできるようになりました。また、これらのマシンでプロジェクトを作成した後に Pro Tools | First がクラッシュすることもなくなりました (PT-265808) クラッシュとエラー ・macOS Mojaveでオーディオ付きの一部のビデオファイルをインポートする際に発生するクラッシュを修正しました(PT-274595) ・macOSでPro Tools 2021.6を使用した際に、時折短いフリーズ/SWOD(レインボーサークル)が発生するケースを修正しました(PT-275568) Dolby Atmos ワークフロー ・Dolby Atmos Production Suite 及び Mastering Suite から Cinema Renderer へ接続を変更したときに、Bed/Object Group と Channel Description が引き継がれなくなりました (PT-268744) 編集 ・何も選択されていない場合、次に大きな値で"戻し/送り"のナッジができるようになりました (PT-274494) インストーラー ・macOSでのインストール時、管理者アカウントでPro Toolsプラグインのフォルダが「読み取り専用」にならないようになりました(PT-276034) UI ・カラーパレットのプリセットをmacOS上で権限の問題なく保存できるようになりました(PT-274720) ・英語以外の言語を使用している時、チャンネルの表示/非表示ダイアログに白いボーダーが表示されなくなりました(PT-274621) ビデオ ・セッションスタートがゼロ地点でない場合、非整数のフレームレートを持つビデオクリップがタイムラインのフレーム境界に合わない問題を修正しました(PT-275297/PT-275243/PT-275483)。 ・管理者以外のシステムでビデオエンジンを有効にする場合、管理者アカウントで事前に有効にする必要がなくなりました(UME-1631)。 ・多くのビデオファイルを含むセッションを開く時間が改善されました(PT-274719) ・macOSのFinderからドラッグしてビデオをインポートできない問題を修正しました(PT-274469) >>Pro Tools 2021.7 リリース・ノート https://avid.secure.force.com/pkb/KB_Render_ReadMe?id=kA56e000000cGko&lang=ja Pro Tools 2021.6のリリース情報につきましてはこちらの記事をご参照ください。 >>Pro Tools 2021.6 リリース ~ M1 Mac 対応、UltimateがHybrid Engine 対応!! https://pro.miroc.co.jp/headline/pro-tools-2021-6-hybrid-engine-apple-silicon-m1-mac-support/#.YRtN2NP7TOQ https://pro.miroc.co.jp/headline/pro-tools-2021-6-hybrid-engine-apple-silicon-m1-mac-support/#.YRtN2NP7TOQ https://pro.miroc.co.jp/headline/avid-pro-tools-carbon-promotion/#.YRuBztP7TOQ https://pro.miroc.co.jp/headline/3d-audio/#.YRuB-tP7TOQ https://pro.miroc.co.jp/solution/ndi-proceed2021/#.YRuCFtP7TOQ
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2021/08/12

株式会社富士巧芸社 FK Studio様 / 〜機能美を追求した質実剛健なシステム設計〜

赤坂駅と赤坂見附駅のちょうど中程にあるビル。ガラス張りのエレベーターから赤坂の街を眺めつつ最上階まで昇ると、この春オープンしたばかりのFK Studioがある。テレビ・放送業界への人材派遣業務を主な事業とする株式会社富士巧芸社が新設し、映像/音響/CG制作で知られるクリエイター集団 株式会社ラフトがプロデュースしたこのスタジオは編集室2部屋、MA室1部屋で構成されており、「誰もが気持ちよく仕事ができること」を目指してシンプルかつ十分なシステムと超高速なネットワーク設備を備えている。現在の番組制作に求められる機能を質実剛健に追求したこのFK Studioを紹介したい。 富士巧芸社の成り立ちからFK Studio開設まで 株式会社 富士巧芸社 代表取締役 内宮 健 氏 株式会社富士巧芸社(以下、「富士巧芸社」)は、テレビ・放送業界への人材派遣業務を主な事業とする企業だ。映像編集やMA業務に関わる制作技術系スタッフが約60名、ADなどの制作に関わるスタッフが約100名、その他にも配信業務・データ放送運用・マスター室の運用などの非制作業務に関わるスタッフなど、現在約300名におよぶテレビ放送の専門スタッフを抱えている。 富士巧芸社のルーツは昭和34年創業の同名の企業にある。かつて四ツ谷にあったその富士巧芸社はテロップやフリップを中心とした美術系制作物を放送局に納めており、内宮氏は同社の社員としてテレビ局への営業を担当していたそうだ。2000年代に入り、テロップなどの制作物の需要が減少したことでかつての富士巧芸社はのれんを降ろすことになったが、「テレビからテロップがなくなることはない。これからは編集機でテロップを打ち込む時代になる」と考えた内宮氏は編集機オペレーターの派遣事業を開始する。その際に、愛着のある「富士巧芸社」という社名だけを譲り受けたというのが、現在の富士巧芸社の成り立ちである。かつての富士巧芸社と現在の富士巧芸社は別々の法人だが、放送業界におけるその長い歴史と実績は内宮氏を通して脈々と受け継がれている。 富士巧芸社がはじめて自社で編集室を持ったのは5年前。同社の派遣オペレーター第一号であり、現在はポストプロダクションチーム チーフマネージャーの洲脇氏の提言によるものだという。「リニア編集が主流だった時代には、編集室を作るには大きな投資が必要でした。しかし、パソコンを使ったノンリニア編集がメインになったことで機材購入にかかる費用は大きく下がりました。当社は派遣業ということで人材は十分に在籍していましたので、これなら自社で編集業務も請け負えるのではないかと考えたんです」(洲脇氏)。 株式会社 ラフト 代表取締役 クリエイティブ・ディレクター 薗部 健 氏 こうして、MAを除くフィニッシングまで行える同社初の自社編集室が銀座にあるマンションの一室に作られた。「4~5年して、ある程度需要があることがわかってきました。銀座では狭い部屋を5人で回してたので、もう少し広くしてあげたいと思ったのもあって」(内宮氏)と、今回のFK Studio設立への計画が動き出したそうだ。「それならMA室も必要だよね、という話になったのですが、当社はMA室に関する知識はまったくなかった。そこで、以前からお付き合いのあったラフトさんに相談しまして「薗部さん、お願いします!」ということに(笑)」(内宮氏)。 このような経緯でFK Studioは株式会社ラフト(以下、「ラフト」)がプロデュース、同社代表取締役・クリエイティブディレクターである薗部氏がフルスケルトンの状態から設計することになった。最上階のフロアをフルスケルトンから作り直すというのは、天井高が確保でき、設計の自由度が高いというメリットもあるが、今回は飲食店からの転用であったため、空調や水回りをすべてやり直す必要があったり、消防法の関係で不燃認定を受けている素材を使用する必要があったりしたそうだ。スタジオでよく見るジャージクロスは難燃認定のため吸音材に使用せず、壁も天井もすべて不燃材を用いている。飲食店からの転用が意外な課題をもたらしていたようだ。 機能美にあふれ、誰もが仕事をしやすい環境 「お客様を迎える場所なので、内装などの見た目にはこだわりたかった」(内宮氏)というFK Studioは、実に洗練された暖かみを感じさせる空間になっている。エレベーターの扉が開くとそこは明るく開放的なロビーになっており、ここはそのまま各スタジオへの動線となっている。あざやかなオレンジ色の椅子が目を引くが、躯体の柱と色を合わせた漆色のテーブルがシックな雰囲気を演出し、ツヤ出し木製パネルの壁がそれらをつなげて、明るいながらも全体的に落ち着いた雰囲気をたたえた内装だ。このように印象的なスペースとなったのは、薗部氏の"機能美”へのこだわりにありそうだ。「見た目が美しくてもハリボテのようなものじゃダメ。ヘビーデューティでありながら美しい…作品を生み出す場所は、そうした"機能美"を備えていることが大切だと思ってます。天井のレールは垂直に、吸音板もスクウェアに、きっちり取り付けてもらいました」(薗部氏)。 📷 明るい色づかいながら、落ち着いた雰囲気のロビー。 こうしたコンセプトは居住性のみならず、スタジオ機能の面にも行き届いている。「編集オペレーターやエンジニアなどの社内スタッフはもちろん、来てくれるお客様にとっても、全員がすごしやすい…仕事がしやすい環境を作るのが一番だと考えていました。ひとが集まるところには自然に仕事が生まれる」(洲脇氏)とのコメントが印象的で、まさにスタジオ全体が内実をともなった美しさに溢れた空間になっているのだと強く感じさせる。 "ヘビーデューティ"なスタジオ設備 FK Studioの機材構成は一見シンプルだが、現代の番組制作をスムーズに行うための必要かつ十分な機能が備わっており、まさに"機能美"ということばがぴったりな仕様となっている。機材構成をメインで担当したのは、編集室が富士巧芸社 洲脇氏、MA室がラフト 音響クリエイターの髙橋氏だ。 📷 編集室 Edit 1。ディスプレイはすべて4K HDR対応。 2部屋ある編集室は、機材面ではまったく同じ構成となっている。メインとなるMac Proと、テロップ制作などを行うためのサブ機であるMac miniの2式構成、NLEはすべてAdobe Premier Proだ。「この規模のポスプロであれば、お客様もほぼPremierで作業している」(洲脇氏)というのが選定の理由だ。この2式のNLEを中心に、映像波形モニター、音声モニター用のステレオスピーカーとラック型のミキサー、そしてクライアント用の映像モニターといたってシンプルな構成となっている。しかし、ディスプレイはすべて4K対応、Mac Proは16コアプロセッサ・96GBメモリに加えGPUがRadeon Pro W5700X x 2に増設されたパワフルな仕様。さらに、ローカルストレージとして8TBの高速SSDレイドが導入され、4Kワークフローでもストレスのない制作が可能となっている。 📷 館内共用機器ラックには12Gルーターやネットワーク機器などを収容。各部屋からの信号は、館内のどのディスプレイにでも出力することができる。 FK Studioの大きな特徴のひとつに、現代的なネットワーク設備が挙げられる。共有ストレージにはSynologyのNASが導入され、すべてのスタジオ内ネットワークはひとつのルーターに接続されている。そのため、ひとつの編集室で書き出した素材をもうひとつの編集室やMA室と瞬時に共有することが可能だ。さらにいえば、ひとつの映像信号をFK Studio内のどのモニターにも出力できるため、ゲストの人数が多い時などはロビーで試写をすることも可能となっている。ちなみに、ラフトでも同じNASを使用しており、どちらのNASも2社が相互にアクセス可能な状態になっているという。「クラウドに近い環境。こうしたパートナーを増やしていけば、番組データの交換なども簡単になるかもしれませんね」(薗部氏)とのことだ。 社内ネットワークはルーターやケーブルも含めてすべて12G対応、インターネットは下り最大2Gbpsの通信速度を誇るNURO Biz。速度的なストレスは皆無の制作環境に仕上がっている。「今まではローカルのデバイスがボトルネックになるケースが多かった。ここ(FK Studio)はローカルデバイスのスペックがかなりいいので、逆にネットワークがボトルネックにならないように注意した」(薗部氏)ということだが、さらに、2Gbpsのインターネット帯域を「ゲスト用と社内用にルーターを分けている。そのため、ゲストが増えても館内ネットワークの速度には影響がない」(薗部氏)という徹底ぶり。まさに、"ヘビーデューティ"という表現がしっくりくる。「編集室にお客様が立ち合わないケースは増えています。完成品をチェックで送る時でも、ネットワークのスピードが高いので助かっている」(洲脇氏)とのことだ。 番組制作にとっての"普遍性"を示したMA室 📷 Pro Tools | S3を採用したことで、大きなゆとりを確保したMA室の作業デスク。台本の位置などを柔軟に運用できるのがメリットだ。メーター類や操作系も、見やすく手の届く範囲にまとめられており、作業に集中できる環境が整えられている。 NAルームが併設されたMA室はステレオ仕様、Pro ToolsシステムはHDXカード1枚、HD I/O、Sync HD、Pro Tools | S3という仕様の1式のみ、そして、Mac miniによるMedia Composerワークステーションという、こちらもシンプルな構成。「最高スペックを視野に入れたシステムを組むと、どうしても甘い部分が出てきてしまう。ならば最初から割り切ってステレオとかにした方がいい。そのかわり、4K HDR対応だし、Mac Proもスペックを整えたもの(8コアIntel Xeon W CPU/96GBメモリ/1TB SSD + BMD DeckLink Studio 4Kビデオカード)。モニターもSonyの業務用にして、TB3HDDレイドも入れてます」(薗部氏)という通り、MA制作に必要な機能に的をしぼることで、近年重視されるようになってきたスペックの部分をしっかりとフォローした"基礎体力"の高いシステムになっている。 I/OはHD I/O、コントロールサーフェスはPro Tools | S3だ。今回のスタジオ設計においては、大型コンソールを入れることははじめから考えていなかったという。「複数のパラメーターを同時に操作したい場合はコンソールが必要ですが、ワークのスタイルを大型コンソールに合わせるよりも、原稿を置く位置など作業スペースのレイアウトをその都度変えられたりといったことの方が重要かな、と。」(髙橋氏)ということが理由のようだ。I/Oについては「ぼくひとりで使うなら、どんなに複雑でも面白いものを作ればいいのでPro Tools | MTRXも考えましたが、誰が来ても見れば使えるというところを重視した結果、HD I/Oという選択になりました」(髙橋氏)という。モニターコントローラーはGrace Design m905が選ばれており、音質はもちろんのこと、その使いやすさが選定の大きな理由となっている。 📷 MA室併設のナレーションブース。圧迫感がなく居住性の高いスペース。 「音の入り口と出口にはリソースを割きたかった」(髙橋氏)ということで、マイクとスピーカーは奇をてらわずも最高峰のものが選ばれている。スピーカーはメインがGenelec 8341A、スモールスピーカーとしてFocal Shape 40が選ばれている。NA用マイクはNeumann U87 Ai、マイクプリはMillenia HV-3Cだ。8341Aは近年ポスプロスタジオでの導入事例が増えているGenelec社の同軸モデルのひとつ。以前、ラフトで代替機として借りた際にそのクオリティが気に入り、今回の選定に至ったという。この機種についての印象を髙橋氏に伺うと、「鳴りと定位感のよさから、番組をやるにあたって聴きやすいという点が気に入っています。以前のGenelecと比べると、最近のモデルはより解像度を重視しているように感じます。」(髙橋氏)という答えが返ってきた。こちらにはGLMを使用したチューニングが施されている。スモールについては「今時のよくある小さめのモニタースピーカーって、どうしても低音を出そうとしているように感じるんです。そもそも、スモールスピーカーを使うというのはテレビの条件に近づけるという意図があったのに、(最近のスピーカーだと)スモールに切り替えると余計に音がこもっちゃってよくわからない、ということが多かったんです。その点、Shapeシリーズはそうしたこもりとかを感じずに、使いやすいな、と感じています。」(髙橋氏)とMA向きな一面をShape 40に見出しているようだ。 📷 MAスタンダードの地位を獲得した感のあるGenelec Oneシリーズ。FK Studioでは8341Aが採用されている。解像度の高さだけでなく、鳴りと定位感の良さが好評だ。自前の補正システムGLMも人気の理由だろう。 📷 独自素材を積極的に開発し、引き締まった音像と定位感のよさに定評のあるFocal Shape 40。髙橋氏は自宅でもShapeシリーズを使用しているとのことで、大きな信頼を寄せている。 ビデオ再生はPro Toolsのビデオトラックだけでなく、Media Composer、Video Slave 4 Proでの再生も可能。スタジオ内のネットワークが高速なため、「編集室からNASにProResで書き出してもらったものをMedia Composerにリンクして再生することが多いです。」(髙橋氏)とのこと。ちなみに、ビデオI/OにはAvid DNxIVが採用されている。オーディオプラグインはWAVES Diamond、iZotope RX Post Production Suite、Nugen Audio Loudness Toolkit 2と、MAワークのスタンダードが並ぶ。特にRXについては「RXなしでは最近のMAは成り立たない」(髙橋氏)と、大きな信頼を寄せる。プラグインに関してもこうしたスタンダードなラインナップに集約することで、FK Studioで制作したセッションがほかのスタジオで開けないといったことを未然に防いでいる。まさに、「誰にとっても気持ちよく仕事ができる環境」作りを徹底しているように思えた。ラウドネス関連ではNugen Audioのほかに、テープ戻し用としてCLARITY M STEREOとFourbit LM-06も設置されている。はじめからあえて的をしぼることで実現された一縷の隙もないシステムは、現代の番組MAにとってひとつの"普遍性"を示していると言えるのではないだろうか。 📷 m905本体、Mac mini、DNxIV。普段は触らない機器もビシッと美しく設置されているところに、薗部氏の透徹した美学が垣間見える。 📷 Clarity M Stereoとm905リモコン。必要なボタンがハードとして存在していることは、スムースなMAワークには欠かせない要素だ。手軽に位置を動かせるコンパクトさも、スタジオのコンセプトにマッチしている。 細部まで徹底的にシビアな視線で設計されていながら、訪れる者には明るさと落ち着きを兼ね備えた居心地のよい空間となっているFK Studio。「仕上がりはイメージ以上。ラフトさんのお力添えなしにはここまでのものは作れませんでした。」という内宮氏。これからの展望をたずねると「これを機に、2号、3号とスタジオを増やして行けたらいいですね。」と答えてくださった。FK Studioから生まれた番組を観られる日が、今から待ち遠しい限りだ。 (前列左より)株式会社 富士巧芸社 代表取締役 内宮 健 氏、株式会社 ラフト 代表取締役 / クリエイティブ・ディレクター 薗部 健 氏 (後列左より)ROCK ON PRO 沢口耕太、株式会社 富士巧芸社 映像グループ ポストプロダクションチーム チーフマネージャー 洲脇 陽平 氏、株式会社ラフト 音響クリエイター 髙橋 友樹 氏、ROCK ON PRO 岡田詞朗   *ProceedMagazine2021号より転載
NEWS
2021/08/10

超豪華ゲストによるグランドオープン配信イベント!~渋谷にクリエイターの聖地 LUSH HUB が誕生

#WHATISLUSHHUB ~LUSH HUB グランドオープニング・オンライン・イベント~ 日時:2021年8月12日(木) 18:00配信開始予定 場所:YouTube Live配信 配信ページはこちら ゲスト:古坂大魔王、本間昭光、江島啓一(サカナクション)、土岐彩香、DÉ DÉ MOUSE、SO-SO、Carpainter(敬称略) 時代に立ち向かうクリエイターとオーディエンスの為に立ち上げられたLUSH HUB。2021年8月12日、ついにグランドオープニングを迎えるこのLUSH HUBから7名の超豪華ゲストと共に3部構成のスペシャルオンライン・イベント番組が配信されます。 イベント詳細はこちらから>> LUSH HUBとは? 「時代に立ち向かうクリエイターとオーディエンスのために」をテーマに生まれたLUSH HUB。テクノロジー、芸術、メディアの輝かしい融合点として、最新・最先端のテクノロジーが詰め込まれた空間です。渋谷で探求し、世界に向けて輝きを発信するLUSH HUBでは、多くのリアルを展開します。 既存の価値観にとらわれず、新しい表現に積極的にチャレンジする。そんな体験をクリエイターとともに生み出し、オーディエンスへとお届けするために生まれた創造のための新たな聖地 LUSH HUB。 ぜひ、こちらから詳細をご確認ください。 注目の超豪華ゲストによる3部構成 + リアルタイム視聴者プレゼントも! 第一部 LUSH HUB REPORT ゲスト:古坂大魔王 LUSH HUBの全貌が明らかになる!お笑いとともに音楽を突き詰める古坂大魔王がNEVE ExhibitionやDMXコンソールAvolight Quartzを使ったRGB照明やムービングライトのコントロール体験、そしてNuTek TriCasterを使った生配信やクロマキー合成によるライブ演出を体験する。あの名曲も飛び出す!? 第二部 LUSH HUB TALK ゲスト:本間昭光、江島啓一(サカナクション)、土岐彩香 LUSH HUBが注目する人物の鼎談企画。第一線で活躍するトップクリエイター3名をゲストに迎え、アーティスト、プロデューサー、エンジニアの視点からそれぞれが目指す未来のサウンドについてスペシャル対談を行う。3名が見据える先にあるイマーシブサウンド。これからの音楽表現はどうなるのか。集まったことのない三人が起こす化学反応を目撃しよう。 本間昭光氏 江島啓一氏 土岐彩香氏 第三部 LUSH HUB LIVE ゲスト:DÉ DÉ MOUSE、SO-SO、Carpainter DMX照明やクロマキー合成を使った総合演出をアーティストと共に作り上げ、パフォーマンスだけでは伝えきれない世界観を伝えるLIVE配信。今回はアンダーグラウンドとメインストリームを自在に行き来し、時代や流行という型にハマらないフリーフォームな創造力を発揮するスペシャルゲスト3組が出演し、圧倒的なパフォーマンスを披露する。 DÉ DÉ MOUSE 氏 SO-SO 氏 Carpainter 氏 リアルタイム視聴者限定プレゼント #WHATISLUSHHUBをリアルタイムでご視聴いただいた方には、抽選で豪華ゲスト陣のサインが入ったTシャツをプレゼント。詳細は番組内で発表されますので、お見逃しなく! (追記8.13) ※こちらのプレゼントへの応募は終了しました。多数のご応募、ご感想をいただき誠にありがとうございました!
Broadcast
2021/08/06

株式会社毎日放送様 / ~多様なアウトプットに対応する、正確な回答を導き出せる音環境~

以前にも本誌紙面でご紹介した毎日放送のMA室がリニューアルした。前回のご紹介時にはAvid S6とMTRXの導入を中心にお伝えしたが、今回はそれらの機材はそのままにして内装のブラッシュアップとシステムの大幅な組み換えを行っている。さらには、準備対応であったイマーシブ・オーディオへの対応も本格化するという更新となった。 システム内の役割を切り分けるということ まずはシステムの更新の部分を見ていこう。今回の更新ではAvid S6はそのままに、モニター周り、Avid S6のマスターセクションをどのように構築するのかという部分に大きなメスが入った。これまでのシステムはスタジオに送られる全ての信号がMTRXに入り、Avid S6のMTMによるモニターセクションが構築されていた。その全ての信号の中にはPro Toolsからの信号も含まれDigiLinkで直接MTRXの入力ソースの一つとして扱われる仕様である。 このシステムをどのように変更したのかというと、まずはMTRXをPro ToolsとDigiLinkで接続し、Audio Interfaceとして使用しないこととした。昨今のシステムアップのトレンドとは逆の発想である。これにはもちろん理由があり、トラブルの要因の切り分けという点が大きい。従来は1台のPro Toolsのシステムであったものが、今回の更新で2台に増強されているのだが、こうなるとトラブル発生時の切り分けの際に、全てがMTRXにダイレクトに接続されていることの弊害が浮かび上がってくるわけだ。MTRXへダイレクトに接続した場合には、Pro ToolsのシステムからAudio Interface、モニターセクションといったスタジオ全体が一つの大きなシステムとなる。俯瞰するとシンプルであり、何でも柔軟に対応できるメリットはあるが、トラブル時にはどこが悪いのか何が問題なのかへたどり着くまで、システムを構成する機器が多いために手間がかかる。これを解決するために、2台に増強されたそれぞれのPro ToolsにAudio Interfaceを持たせ、スタジオのマスターセクションにあたるMTRXへ接続をするというシステムアップをとった。 これは、システムが大きくなった際には非常に有効な手法である。Avid S6以前のシステムを思い返せば、レコーダー / プレイヤー / 編集機としてのPro Tools、そしてミキシング、スタジオのシステムコアとしてのミキサー。このようにそれぞれの機器の役割がはっきりしていたため、トラブル時にどこが悪いのか、何に問題が生じているのかということが非常に明確であった。この役割分担を明確にするという考え方を改めて取り入れたAvid S6のシステムが今回の更新で実現している。 📷Audio Interface関係、VTR、パッチベイは、室内のディレクターデスクにラックマウントされている。手前の列から、映像の切替器、VTR、2台のPro Toolsに直結されたAvid純正のInterface。中央の列には、AntelopeのMasterClock OCX HD、RupertNeve Design 5012、Avid MTRXなど、システムのコアとなる製品が収まる。右列は、パッチベイとBDプレーヤーが収まっている。左から右へと信号の流れに沿ったレイアウトになっている。 MTRXをスタンドアローンで運用する 今回の更新により、MTRXは純粋にAvid S6のモニターセクション、マスターセクションとして独立し、Pro Toolsシステムとは縁が切れている状態となる。MTRXはどうしてもPro ToolsのAudio Interfaceという色合いが強いが、スタンドアローンでも利用できる非常に柔軟性の高い製品である。弊社ではこれまでにも、Artware Hubでの36.8chシステムのモニタープロセッサーとして、また松竹映像センターにおけるダビングシステムのマスターセクションとしてなど、様々な形でMTRXをスタンドアローンで活用していただいている。常にシステムに対しての理解が深い方が利用するのであれば、一つの大きなシステムとしたほうが様々なケースに対応でき、物理パッチからも解放されるなど様々なメリットを享受できるが、不特定多数の方が使用するシステムとなると、やはり従来型のミキサーとレコーダーが独立したシステムのほうが理解が早いというのは確かである。 ある意味逆説的な発想ではあるが、一つの大きく複雑なシステムになっていたものを、紐解いてシンプルな形に落とし込んだとも言えるだろう。この部分に関して、ミキサーとしてのマトリクス・ルーティングというものは、放送用のミキサーで慣れ親しんだものなので抵抗なく馴染める。今回のシステムは、そういったシステムとの整合性も高く、利用する技術者にとってはわかりやすいものとすることができたとお話をいただいている。MTRXをスタンドアローンで運用するため、今回の更新ではDADman を常に起動しておくための専用のPCとしてMac miniを導入いただいている。これにより、まさにAvid S6がMTRXをエンジンとした単体のコンソールのように振る舞うことを実現したわけだ。 📷もう一部屋のMA室でも採用した、コンソールを左右に移動させるという仕組みをこの部屋にも実装している。編集時にはキーボード・マウスなどがセンターに、MIXを行う際にはフェーダーがセンターに来る、という理想的な作業環境を実現するために、コンソール自体を左右に移動できるわけだ。これであれば、ミキサーは常にセンターポジションで作業を行うことができる。なお、専用に作られたミキサースタンドにはキャスターがあり、電動で左右に動く仕組みだ。これにより左右に動かした際、位置が変わることもなく常に理想的なポジションを維持できる。ちなみに一番右の写真はコンソールを動かすための専用リモコンとなっている。 イマーシブ・オーディオへの対応は、モニターセクションとしてスタンバイをする、ということとしている。5.1chサラウンドまでは常設のスピーカーですぐに作業が可能だが、ハイトスピーカーに関しては、もう一部屋のMA室との共有設備となる。これまでもトラスを組んで、仮設でのハイトチャンネル増設でイマーシブ・オーディオの制作を行ってきたが、モニターセクションのアウトとしても準備を行い、ハイト用のスピーカーをスタンドごと持ち込めば準備が完了するようにブラッシュアップが図られた。これにより、5.1.4chのシステム、もしくは7.1.2chのシステムにすぐに変更できるようになっている。地上波ではイマーシブ・オーディオを送り出すことはできない。とはいえ、インターネットの世界ではイマーシブ・オーディオを発信する環境は整いつつある。そしてこれらを見据えて研究、研鑽を積み重ねていくことにも大きな意味がある。まさにこれまでも積極的に5.1chサラウンド作品などを制作してきた毎日放送ならではの未来を見据えたビジョンが見える部分だ。 全てに対して正確な回答を導き出すための要素 📷一番作業としては多いステレオ用のラージスピーカーはMusik Electronic Geithain RL901KとBasis 14Kの組み合わせ。2本のSub Wooferを組み合わせ、2.1chではなく2.2chのシステムとしている。なお、サラウンド用には同社RL906が採用されており、こちらのスピーカースタンドは特注品となっている。 今回のシステム更新において、一番の更新点だと語っていただいたのが、スピーカーの入れ替え。古くなったから更新という既定路線の買い替えに留まらない、大きな含みを持った入れ替えとなっている。従来、この部屋のスピーカーはDynaudio Air6が導入されていたのだが、それをもう一つのMA室に導入されているMusik Electoronic Gaithin社の同一モデルへと更新。Musik社のスピーカーは、サブ(副調整室)にも採用されており、今回の更新で音声の固定設備としてのスピーカーをMusikに全て統一することができたわけだ。同じモデルなのでそのサウンドのキャラクターを揃え、毎日放送としてのリファレンスの音を作ることができたこととなる。 音質に対してのこだわりである、光城精機のAray MK Ⅱはコンソールの足元に設置されている。1台あたりで1000VAの出力を持つAray MK Ⅱが3台、スピーカーの電源及び最終段のアナログMTRX I/Oの電源が供給されている。 「Musikの音」という表現をされていたのが非常に印象的ではあるが、このメーカーのスピーカーは他社には真似のできない独自の世界観、サウンドを持っている。この意見には強く同意をするところである。同軸の正確な定位、ふくよかな低域、解像度の高い高域と言葉では伝えられない魅力を多く持つ製品である。お話を伺う中で、Musikに対してスピーカー界の「仙人」という言葉を使われていたのだが、たしかにMusikはオーディオエンジニアにとって「仙人」という存在なのかもしれない。いろいろなことを教えてくれる、また気づかせてくれる、そして、長時間音を聞いていても疲れない、まさに理想のスピーカーであるとのことだ。 放送局にとってMusikというスピーカーはハイクオリティではないかという意見も聞いたことがある。その意見は正しい部分もあるのかもしれないが、放送局だからこそ様々なアウトプットに対しての制作を求められ、どのような環境にも対応した音環境を持っていなければならない。そのためには、全てに対して正確な回答を導き出せる音環境が必要であり、ハイクオリティな環境であることは却って必要な要素であるというお話をいただいた。筆者もまさにその通りだと感じている。地上波だけではなく様々なアウトプットへの制作が求められるからこそ、ベストを尽くすことへの重要性が高まっているということは間違いない。 このハイクオリティな音環境を象徴するような機器が光城精工のArray 2の導入であろう。一見コンシューマ向け(オーディオマニア)の製品というイメージもあるかもしれないが、光城精工はスタジオ向け電源機器で一斉を風靡したシナノから独立された方が創業されたメーカー。もちろんプロフェッショナル業界のことも熟知した上での製品開発が行われている。Array 2は音響用のクリーン電源として高い評価を得ており、絶縁トランスでも単純なインバーターでもなくクリーン電源を突き詰めた、これも独自の世界を持った製品である。このArray 2が今回の更新ではスピーカー、モニタリングの最終アナログ段の電源として導入されている。アウトプットされるサウンドに対して絶対の信頼を持つため、また自信を持って作品を送り出すために、最高の音環境を整えようという強い意志がここからも読み取ることができる。 これらの更新により、音環境としては高さ方向を含めたマルチチャンネルへの対応、そしてハイレゾへの対応が行われ、スペックとして録音再生ができるということではなく、それらがしっかりと聴いて判断ができる環境というものが構築されている。Dolby Atmos、360 Reality Audio をはじめとするイマーシブ・オーディオ、これから登場するであろう様々なフォーマット、もちろん将来への実験、研鑽を積むためのシステムでもある。頻繁に更新することが難しいスタジオのシステム、今回の更新で未来を見据えたシステムアップが実現できたと強く感じるところである。そして、実験的な取り組みもすでにトライされているようで、これらの成果が実際に我々の環境へ届く日が早く来てほしいと願うばかりだ。この部屋で制作された新しい「音」、「仙人」モードでミックスされた音、非常に楽しみにして待つことにしたい。 (左)株式会社毎日放送 総合技術局 制作技術センター音声担当 部次長 田中 聖二 氏、(右)株式会社毎日放送 総合技術局 制作技術センター音声担当 大谷 紗代 氏 *ProceedMagazine2021号より転載
Review
2021/07/29

現役サウンドデザイナーによる実践レビュー!vol.3 ~Le Sound AudioTextureでクリエイティブなループを制作

既存のライブラリから音源を選び、尺を合わせて加工して、足りない音は収録…という従来のワークフローとはまったくことなるアプローチでサウンドデザインの世界を拡げるLe Soundプラグインは、効果音をシンセサイズするという、プロシージャルオーディオのコンセプトにもとづいたアプローチで自由自在なサウンドメイクを可能にします。 このLe Sound製品を、TV番組、CM、アニメーション、イベントなど幅広い分野で大活躍中のサウンドデザイナーである安江史男 氏(Tacit Knowledge Sound LLC)、荒川きよし氏(株式会社 Async)のおふた方に実際に使用していただき、実践的な使い方を教えてもおう!というこの企画。 全6回予定の第3弾はTacit Knowledge Sound LLC 安江氏によるAudioTextureの実践レビュー。 手持ちの素材から違和感なくループを作成したり、まるでシンセのような新しいサウンドを生み出したり…クリエイティブと遊び心が満載の実践レビュー第3弾をお楽しみください! 安江 史男 氏 プロフィール   愛知県春日井市生。カリフォルニア州立ノースリッジ大学で音楽ビジネスを学ぶ。外国人コーディネーターを経て、音響効果の世界へ。 TVCM、Web、イベント等、多種多様な効果音が必要な作品に従事。選曲も扱う。DJとしての活動も顕著。   公式サイト:https://www.yasuefumio.com レーベル: www.bigpierecords.com vol.1 ~Le Sound AudioElecで電撃サウンドを自在にデザイン vol.2 ~Le Sound AudioWindでロケ映像を美しく仕上げる AudioTextureで自然なループからトガったシンセサウンドまで! 第3回はAudio Textureについてご紹介します。 こちらは音を精製するものというよりは、基本的には、音源を元に、鳴らす箇所をランダマイズさせることで、無限ループを作ることができるプラグインです。 ピッチ可変も可能で、こちらもランダマイズできるので、揺らぎを作りながら無限に鳴らし続けることができます。 プラグイン画面です。右上のLoadから音源ファイルを指定してAudio Texture内に取り込みます。 取り込むと自動的にマーカーを生成してくれます。このマーカーはランダマイズさせる際の音源のトリガーポイントになります。左下のUnit Sizeのノブは再生される音源の長さを調整できます。マーカーから次のマーカーまでが再生される音源の長さになるので、Unit Sizeを動かすとマーカーの数が変わります。このマーカーは任意で動かしたり、ダブルクリックで追加することが可能です。 次にループして欲しい音源のエリアの中心を、波形画面下の横に長いバーのポインターを動かして指定し、真ん中の方にあるX Rangeのノブで幅の調整をします。 また、Rateで音源のピッチの上げ下げができます。さらにR Rangeでピッチのランダマイズができるようになり、値を上げていくとランダマイズされるピッチの幅が高低音域に広がって行きます。 まずは無限ループの映像です。 こちらでは水の音をループ感を軽減するために3つ重ねています。 冒頭で大元の音源をPreviewボタンを用いて流しています。Startボタンを押したところから、パラメータに沿ったランダマイズが始まります。 左と真ん中は同じ音源を読み込んでいますが、ピッチとX Rangeの使い方、またマーカーの位置を変えることで同じ音が鳴らないようにしています。これに右の音をベース音として載せることでさらに同じ音と感じさせないようにしてみたつもりです。大元の音源は短い音源ではありますが、長い音源に変化できることがなんとなくわかっていただけるかと思います。 次はシンセ系の音で、ちょっと違ったこともやってみました。 こちらは前回のAudio ElecからTelemetryの音だけを書き出したものを音源としています。X Rangeは最大、そしてUnit Sizeをかなり小さくし、マーカー位置を極端に増やすことでランダマイズされる箇所を増やし、複雑な音にしてみています。 また、後半ではX RangeとR Rangeを最小、Unit Sizeも小さめにし、Rateを上げ下げすることで、駆け上がり下がり音も作ってみています。 シンセでない音でも同じようなことをしてみました。 シェルシェイカーの音を元にしています。収録音関係をシンセサイズすることで手動では鳴らせない音に可変できるのが良いところかと思います。 第3回はAudioTextureをご紹介しました。 音源によって試せることが多様に変わるので、是非色々試行錯誤してみてください! AudioTextureの魅力は、手持ちの音源の長さを映像の尺に合わせて自在にコントロールできること。さらに、安江氏にご紹介いただいたようにシンセサイザーならではの加工もできる点がさらに便利なところです。 ノイズが入った部分をカットしているうちに尺が足りなくなってしまった音源を伸ばす、短い時間でも音源にダイナミクスを持たせるためにランダマイズする、自然音や生音を素材に新しいサウンドを創造する…使い方もまさに無限大のAudioTextureの魅力にぜひ触れてみてください! 今回登場したプラグイン以外のLe Sound全ランナップも、ぜひこちらからチェック!きっとイメージに合うサウンドがあるはずです。 今回登場したプロダクトはこちら AudioTexture 販売価格:¥19,800(本体価格¥18,000) AudioTextureはとても大きな創造の可能性を秘めています。AudioTextureのサウンドを重ねて、たったひとつのシンプルな素材から重層的なサウンドを生成したり、素材を複数使用してサウンド・シーンを制作してください。 Rock oN Line eStoreで購入>> https://pro.miroc.co.jp/headline/le-sound-review-sounddesign-1-audioelec/#.YQFSalP7Q-Q https://pro.miroc.co.jp/headline/le-sound-review-sounddesign-2-audiowind/#.YQFSjVP7Q-Q
Media
2021/07/28

IPビデオ伝送の筆頭格、NDIを知る。〜ソフトウェアベースでハンドリングする先進のIP伝送〜

弊社刊行のProceedMagazineでは以前より音声信号、映像信号のIP化を取り上げてきた。新たな規格が登場するたびにそれらの特徴をご紹介してきているが、今回はNewtek社によって開発された、現在世界で最も利用されているIPビデオ伝送方式のひとつであるNDIを取り上げその特徴をじっくりと見ていきたい。IPビデオ伝送ということは、汎用のEthernetを通じVideo/Audio信号を伝送するためのソリューション、ということである。いま現場に必要とされる先進的な要素を多く持つNDI、その全貌に迫る。 一歩先を行くIPビデオ伝送方式 NDI=Network Device Interface。SDI/HDMIとの親和性が高く、映像配信システムなどの構築に向いている利便性の高い規格である。このIP伝送方式は、NewTek社により2015年9月にアムステルダムで開催された国際展示会IBCで発表された。そして、その特徴としてまず挙げられるのがソフトウェアベースであるということであり、マーケティング的にも無償で使用できるロイヤリティー・フリーのSDKが配付されている。ソフトウェアベースであるということは、特定のハードウェアを必要とせず汎用のEthernet機器が活用可能であるということである。これは機器の設計製造などでも有利に働き、特別にカスタム設計した機器でなくとも、汎用製品を組み合わせて活用することで製品コストを抑えられることにつながっている。この特徴を体現した製品はソフトウェアとしていくつもリリースされている。詳しい紹介は後述するが、汎用のPCがプロフェッショナルグレードの映像機器として活用できるようになる、と捉えていただいても良い。 フルHD映像信号をを100Mbit/s程度にまで圧縮を行い、汎用のEthernetで伝送を行うNDIはIBC2015でも非常に高い注目を集め、NewTekのブースには来場者が入りきれないほどであったのを覚えている。以前、ProceedMagazineでも大々的に取り上げたSMPTE ST2110が基礎の部分となるTR-03、TR-04の発表よりも約2ヶ月早いタイミングで、NDIは完成形とも言える圧縮伝送を実現した規格として登場したわけだ。非圧縮でのSDI信号の置換えを目指した規格であるSMPTE ST-2022が注目を集めていた時期に、圧縮での低遅延リアルタイム伝送を実現し、ロイヤリティーフリーで特定のハードウェアを必要とせずにソフトウェアベースで動作するNDIはこの時すでに一歩先を行くテクノロジーであったということが言える。そして、本記事を執筆している時点でNDIはバージョン4.6.2となっている。この更新の中では、さらに圧縮率の高いNDI HX、NDI HX2などを登場させその先進性に磨きがかけられた。 📷これまでにもご紹介してきた放送業界が中心となり進めているSMPTE 2022 / 2110との比較をまとめてみた。大規模なインフラにも対応できるように工夫の凝らされたSMPTE規格に対し、イントラネットでのコンパクトな運用を目指したNDIという特徴が見てとれる。NDIは使い勝手を重視した進化をしていることがこちらの表からも浮かんでくるのではないだろうか。 100Mbit/s、利便性とクオリティ NDIの詳細部分に踏み込んで見ていこう。テクノロジーとしての特徴は、前述の通り圧縮伝送であるということがまず大きい。映像のクオリティにこだわれば、もちろん非圧縮がベストであることに異論はないが、Full HD/30pで1.5Gbit/sにもなる映像信号を汎用のEhternetで伝送しようと考えた際に、伝送路の帯域が不足してくるということは直感的にご理解いただけるのではないだろうか。シンプルに言い換えれば一般的に普及しているGigabit Ethernetでは非圧縮のFull HD信号の1Streamすら送れないということである。利便性という目線で考えても、普及価格帯になっているGigabit Ethernetを活用できず10GbEthernetが必須になってしまっては、IPビデオ伝送の持つ手軽さや利便性に足かせがついてしまう。 NDIは当初より圧縮信号を前提としており、標準では100Mbit/sまで圧縮した信号を伝送する。圧縮することでGigabitEthernetでの複数Streamの伝送、さらにはワイヤレス(Wi-Fi)の伝送などにも対応している。4K伝送時も同様に圧縮がかかり、こちらもGigabit Ethernetでの伝送が可能である。もちろん10GbEthernetを利用すれば、さらに多くのStreamの伝送が可能となる。放送業界で標準的に使用されているSONY XDCAMの圧縮率が50Mbit/sであることを考えれば、十分にクオリティが担保された映像であることはご想像いただけるだろう。さらにNDI HXでは20Mbit/sまでの圧縮を行いワイヤレス機器などとの親和性を高め、最新の規格となるNDI HX2ではH.265圧縮を活用し、NDIと同様の使い勝手で半分の50Mbit./sでの運用を実現している。 Ethernet Cable 1本でセットできる 代表的なNDI製品であるPTZカメラ。 次の特徴は、Ethernet技術の持つ「双方向性」を非常にうまく使っているということだ。映像信号はもちろん一方向の伝送ではあるが、逆方向の伝送路をタリー信号やPTZカメラのコントロール、各機器の設定変更などに活用している。これらの制御信号は、SMPTE ST2022/ST2110では共通項目として規格化が行われていない部分だ。 NDIではこれらの制御信号も規格化され、メーカーをまたいだ共通化が進められている。わかりやすい部分としてはPTZカメラのコントロールであろう。すでにNDI対応のPTZカメラはPoE=Power over Ethernet対応の製品であれば、Ethernet Cable1本の接続で映像信号の伝送から、カメラコントロール、電源供給までが行えるということになる。従来の製品では3本、もしくはそれ以上のケーブルの接続が必要なシーンでも1本のケーブルで済んでしまうということは大きなメリットだ。天井などに設置をすることが多いPTZカメラ。固定設備としての設置工事時にもこれは大きな魅力となるだろう。NDIに対応した製品であれば、基本的にNDIとして接続されたEthernetケーブルを通じて設定変更などが行える。別途USBケーブル等を接続してPCから設定を流し込む、などといった作業から解放されることになる。 📷左がリモートコントローラーとなる。写真のBirdDog P200であれば、PoE対応なので映像信号、電源供給、コントロール信号が1本のEthernet Cableで済む。 帯域を最大限に有効活用する仕組み NDIの先進性を物語る特徴はまだある。こちらはあまり目に見える部分ではないが、帯域保護をする機能がNDIには搭載されている。これは前述のタリー信号をカメラ側へ伝送できる機能をさらに活用している部分だ。実際にスイッチャーで選択されていない(双方向で接続は確立されているが、最終の出力としては利用されていない)信号は、データの圧縮率が高められたプロキシ伝送となる。本線として利用されていない(タリーの戻ってきていない)カメラは、自動的にプロキシ伝送に切り替わり帯域の圧縮を防ぐということになる。これは本線で使用されていたとしても、PinP=Picture in Picture の副画像などの場合でも同様だ。画面の1/4以上で利用されている場合にはフルクオリティの出力で、1/4以下であればプロキシへと自動的に切り替わる。双方向に情報を伝達できるNDIはスイッチャーが必要とする時にカメラ側へフルクオリティー画像の伝送をリクエストして切り替える、この機能を利用しているわけだ。数多くのカメラを同一のネットワーク上に接続した場合にはその帯域が不安になることも多いが、NDIであればネットワークの持つ帯域を最大限に有効活用する仕組みが組み込まれている。 信号伝送の帯域に関しての特徴はほかにもあり、MulticastとUnicastの切り替えが可能というのもNDIの特徴だ。接続が確立された機器同士でのUnicast伝送を行うというのがNDIの基本的な考え方だが、スイッチャーから配信機材やレコーダーといった複数に対して信号が送られる場合にはMulticastへと手動で切り替えが可能となっている。もちろん、全ての信号伝送をMulticastできちんと設定してしまえば、特に考えることもなく全ての機器で信号を受け取ることができるが、実際のシステム上では設定も簡易なUnicastで十分な接続がほとんどである。イントラネットを前提とするNDIのシステム規模感であれば、Unicast/Multicast両対応というのは理にかなっている。AoIPであるDanteも同じく基本はUnicastで、必要に応じてMulticastへと変更できるということからも、イントラであればこの考え方が正しいということがわかる。 また、IP機器ということで設定に専門的な知識が必要になるのではと思われるかもしれない。NDIは相互の認識にBonjour(mDNS)を使っている、これはDanteと同様である。同一のネットワーク上に存在している機器であれば自動的に見つけてきてくれるという認識性の高さは、Danteを使ったことのある方であれば体験済みだろう。もちろん、トラブルシュートのために最低限のIPの知識はもっておいたほうが良いが、ITエンジニアレベルの高いスキルを求められる訳ではない。汎用のEthernet Switchに対応機器を接続することで自動的に機器が認識されていき、一度認識すればネットワーク上に障害が生じない限りそのまま使い続けることができる。 IPビデオ伝送ならでは、クラウドベースへ 非圧縮映像信号のリアルタイム伝送を目的として策定された SMPTE ST-2110との比較も気になるポイントだろう。SMPTE ST-2110はMulticastを基本とした大規模なネットワークを前提にしており、Video PacketとAudio Packetが分離できるため、オーディオ・プロダクションとの親和性も考えられている。各メーカーから様々な機器が登場を始めているが、相互の接続性など規格対応製品のスタート時期にありがちな問題の解決中という状況だ。NDIについてはすでに製品のリリースから6年が経過し高い相互接続性を保っている。 NDIはイントラ・ネットワーク限定の単一のシステムアップを前提としているために、大規模なシステムアップのための仕組みという部分では少し物足りないものがあるかもしれない。WWW=World Wide Webを経由してNDIを伝送するというソリューションも登場を始めているが、まだまだNDIとしてはチャレンジ段階であると言える。その取り組みを見ると、2017年には200マイル離れたスタジアムからのカメラ回線をプロダクションするといった実験や、Microsoft Azure、AWSといったクラウドサーバーを介してのプロダクションの実験など、様々なチャレンジが行われたそうだ。なお、こちらの実験ではクラウドサーバーまでNDIの信号を接続し、そこからYoutube Liveへの配信を行うということを実現している。つまり、高い安定性が求められる配信PCをクラウド化し、複数のストリーミング・サービスへの同時配信を行う、といったパワフルなクラウドサーバーを活用したひとつの未来的なアイデアである。このようなクラウド・ベースのソリューションは、まさにIPビデオ伝送ならではの取り組みと言える。業界的にもこれからの活用が模索されるクラウド・サービス、SMPTE ST-2110もNDIもIP伝送方式ということでここに関しての可能性に大きな差異は感じないが、NDIが先行して様々なチャレンジを行っているというのが現状だ。 NDIをハンドリングする無償アプリ 次に、NDIの使い勝手にフォーカスをあてていくが、キーワードとなるのは最大の特徴と言ってもいいソフトウェアベースであるということ。それを端的に表している製品、NewTekが無償で配布しているNDI Toolsを紹介していこう。 NDIを活用するためのアプリケーションが詰まったこのNDI Toolsは、Windows用とMac用が用意され9種類のツールが含まれている。メインとなるツールはネットワーク内を流れるNDI信号=NDIソースのモニターを行うNDI Studio Monitor。NDI信号が流れるネットワークにPCを接続しアプリケーションを起動することで、信号のモニターがPCで可能となる。SDIやHDMIのようにそれぞれの入力を備えたモニターの準備は不要、シンプルながらもIPビデオ伝送ならではの機能を提供するソフトウェアだ。次は、VLCで再生した映像をNDI信号としてPCから出力できるようにするNDI VLC Plugin。こちらを立ち上げれば、外部のVideo PlayerをPCを置き換え可能となる。そして、PCから各種テストパターンを出力するNDI Test Patterns。高価な測定器なしにPCでテストパターンの出力を実現している。ここまでの3点だけでも、最初に調整のためのテストパターンを出力し、調整が終わったらVLCを使ってVideo再生を行いつつ、最終出力のモニタリングをNDI Srtudio Monitorで行う、といったフローがPC1台で組み上げられる。IPビデオ伝送ならではの使い勝手と言えるのではないだろうか。 利便性という面で紹介したいのがNDI Virtual Input。これはWindows用となり、PCが参加しているネットワーク内のNDIソースをWindows Video / Audioソースとして認識させることができる。つまり、NDIの入力信号をウェブカメラ等と同じように扱えるようになるということだ。なお、Mac向けにはNDI Webcam Inputというツールで同じようにWEBカメラとしてNDIソースを認識させることができる。すでにZoom / Skypeはその標準機能でNDIソースへの対応を果たしており、IPベースのシステムのPCとの親和性を物語る。そして、NDI for Adobe CCは、Premier / After Effectの出力をNDI信号としてPCから出力、イントラネット越しに別の場所でのプレビューを行ったり、プレイヤーの代替に使ったりとアイデアが広がるソフトウェアだ。他にもいくつかのソフトウェアが付属するが、ハードウェアで整えようとすればかなりのコストとなる機能が無償のソフトウェアで提供されるというのは大きな魅力と言える。 NDI Tools紹介ページ NDI Toolsダウンロードページ NDIの可能性を広げる製品群 続々と登場している製品群にも注目しておきたい。まずは、Medialooks社が無償で配布を行なっているSDI to NDI Converter、NDI to SDI Converter。Blackmagic Design DecklinkシリーズなどでPCに入力されたSDIの信号をNDIとして出力することができる、またその逆を行うことができるソフトウェアで、IPビデオらしくPCを映像のコンバーターとして活用できるアプリケーション。有償のソフトウェアとしてはNDI製品を多数リリースするBirdDog社よりDante NDI Bridgeが登場している。こちらはソフトウェアベースのDante to NDIのコンバーターで、最大6chのDante AudioをNDIに変換して出力する。ステレオ3ペアの信号を3つのNDI信号として出力することも、6chの一つのNDIの信号として出力することもできる使い勝手の良い製品だ。同社のラインナップにはNDI Multiveiwというアプリケーションもある。こちらは、その名の通りネットワーク上のNDI信号のMultiview出力をソフトウェア上で組み立て、自身のDisplay用だけではなくNDI信号として出力するという製品。ソースの名称、オーディオメーター、タリーの表示に対応し、複数のMuliviewをプリセットとして切り替えることが行える。 また、BirdDog社は現場で必須となるインカムの回線をNDIに乗せるというソリューションも展開、SDI / HDMI to NDIのコンバーターにインカム用のヘッドセットIN/OUTを設け、その制御のためのComms Proというアプリケーションをリリースしている。このソリューションはネットワークの持つ双方向性を活用した技術。映像信号とペアでセレクトが可能なためどの映像を撮っているカメラマンなのかが視覚的にも確認できるインカムシステムだ。もちろん、パーティラインなど高度なコミュニケーションラインの構築も可能。ハードウェアとの組み合わせでの機能とはなるが、$299で追加できる機能とは思えないほどの多機能さ。どのような信号でも流すことができるネットワークベースであることのメリットを活かした優れたソリューションと言える。 今回写真でご紹介しているのが、Rock oN渋谷でも導入している NewTek TriCaster Mini 4K、NDI自体を牽引しているとも言えるビデオスイッチャーである。NDIのメリットを前面に出した多機能さが最大のアピールポイント。先述した接続の簡便さ、また、双方向性のメリットとして挙げたPTZカメラのコントロール機能では対応機種であればIRIS、GAINなどの調整も可能となる。そして、TriCasterシリーズはソフトウェアベースとなるためVideo Playerが組み込まれている、これもビデオスイッチャーとしては画期的だ。さらには、Video Recorder機能、Web配信機能などもひとつのシステムの中に盛り込まれる。肝心のビデオスイッチャー部もこのサイズで、4M/E、12Buffer、2DDRという強力な性能を誇っているほか、TriCasterだけでクロマキー合成ができたりとDVEに関しても驚くほど多彩な機能を内包している。 📷 NDIを提唱するNewTekの代表的な製品であるTriCasterシリーズ。こちらはTriCaster Mini 4Kとなる。コンパクトな筐体がエンジン部分、4系統のNDI用の1GbEのポートが見える。TriCasterシリーズは、本体とコントロールパネルがセットになったバンドルでの購入ができる。写真のMini 4Kのバンドルは、エンジン本体、1M/Eのコンパクトなコントローラー、そしてSpeak plus IO 4K(HDMI-NDIコンバーター)が2台のバンドルセットとなる。そのセットがキャリングハンドルの付いたハードケースに収まった状態で納品される。セットアップが簡単なTriCasterシリーズ、こちらを持ち運んで使用するユーザーが多いことの裏付けであろう。 すでにInternetを越えて運用されるNDI イントラ・ネットワークでの運用を前提としてスタートしたNDIだが、すでにInternetを越えて運用するソリューションも登場している。これから脚光を浴びる分野とも言えるが、その中からも製品をいくつか紹介したい。まずは、Medialooks社のVideo Transport。こちらは、NDIソースをインターネット越しに伝送するアプリケーションだ。PCがトランスミッターとなりNDI信号をH.265で圧縮を行い、ストリーミングサイズを落とすことで一般回線を利用した伝送を実現した。フルクオリティの伝送ではないが、汎用のインターネットを越えて世界中のどこへでも伝送できるということに大きな魅力を感じさせる。また、データサイズを減らしてはいるが、瞬間的な帯域の低下などによるコマ落ちなど、一般回線を使用しているからこその問題をはらんでいる。バッファーサイズの向上など、技術的なブレイクスルーで安定したクオリティーの担保ができるようになることが期待されるソリューションだ。 BirdDog社ではBirdDog Cloudというソリューションを展開している。こちらは実際の挙動をテストできていないが、SRT=Secure Reliable Transportという映像伝送プロトコルを使い、インターネット越しでの安定した伝送を実現している。また、こちらのソリューションはNDIをそのまま伝送するということに加え、同社Comms ProやPTZカメラのコントロールなども同時に通信が可能であるとのこと。しっかりと検証してまたご紹介させていただきたいソリューションだ。 Rock oN渋谷でも近々にNewTek TriCasterを中心としたNDIのシステムを導入を行い、製品ハンズオンはもちろんのことウェビナー配信でもNDIを活用していくことになる。セットアップも簡便なNDIの製品群。ライブ配信の現場での運用がスタートしているが、この使い勝手の良さは今後のスタジオシステムにおけるSDIを置き換えていく可能性が大いにあるのではないだろうか。大規模なシステムアップに向いたSMPTE ST-2110との棲み分けが行われ、その存在感も日増しに高くなっていくことは想像に難くない。IP伝送方式の中でも筆頭格として考えられるNDIがどのようにワークフローに浸透していくのか、この先もその動向に注目しておくべきだろう。   *ProceedMagazine2021号より転載
Music
2021/07/21

Chimpanzee Studio 様 / 〜コンパクトスタジオのスタイルを広げるDolby Atmos〜

本職はプロのミュージシャン。ドラマーを生業としつつ、スタジオの経営を鹿児島で行う大久保氏。そのスタジオにDolby Atmosの制作システムを導入させていただいたので詳細をお伝えしたい。かなり幅広い作品の録音に携わりつつも、自身もミュージシャンとしてステージに立つ大久保氏。どのようにしてスタジオ運営を始め、そしてDolby Atmosに出会ったのだろうか?まずは、スタジオ開設までのお話からお伺いした。 90年代のロスで積み重ねた感覚 それではスタジオ開設に至る経緯をたどってみたい。鹿児島出身である大久保氏は学生時代より楽器を始め、広島の大学に進学。その頃より本格的に音楽活動を始めていたということだ。普通であれば、学生時代に特にミュージシャンとしての道を見出した多くの場合は、ライブハウスの数、レコーディングセッションの数など仕事が多くある東京、大阪、福岡といった大都市をベースに活動を本格化させるのが一般的である。しかし大久保氏は日本を飛び出し、全てにおいて規模が大きく好きな音楽がたくさん生まれたロサンジェルスの地へと一気に飛び立った。ロサンジェルスは、ハリウッドを始めとしたエンターテイメント産業の中心地。大規模なプロジェクト、本場のエンターテイメントに触れることとなる。なぜ、アメリカ、そしてロサンジェルスを選んだのか?その答えは文化の違いとのことだ。アメリカには町ごとに音楽がある。ロス、ニューヨーク、シアトル、アトランタ、それぞれの街にそれぞれの音楽がある。そんな多様性、幅の広さが魅力だという。 Chimpanzee Studio(チンパンジースタジオ) 大久保 重樹 氏 ロスに移住してからは、ミュージシャンとして活躍をする傍ら、住んでいた近くにあったレコーディングスタジオのブッキングマネージメント、日本からのミュージシャンのコンサルなどを行ったということだ。時代は1990年代、まだまだ日本のアーティストたちもこぞってアメリカまでレコーディングに出かけていた時代。そこで、自身もミュージシャンで参加したり、スタジオ・コーディネイトを行ったりと忙しい日々を過ごしていたそうで、ロスでも老舗のSunset Soundやバーニー・グランドマンにも頻繁に通っていたというからその活躍がいかに本格的なものであったかが伺える。 そんな環境下で、スタジオによく出入りをし、実際にレコーディングを数多く経験するうちに、録音というものに興味が湧いてきたということだ。まずは、自身のドラムの音を理想に近づけたい、どうしたらより良いサウンドへと変わるのか?そういったことに興味を持った。そして、今でも現役として使っているBrent Averillのマイクプリを入手することになる。今では名前が変わりBAE Audioとなっているが、当時はまさに自宅の一角に作業場を設け、手作業で一台ずつ製品を作っていた文字通りガレージメーカーだった時代。創業者の名前をそのままにメーカー名をBrent Averillとしていたのも、自身の名前をフロントパネルにサイン代わりにプリントした程度、というなんとものどかな時代である。 大久保氏は、実際にBrent氏の自宅(本社?)へ出向き今でもメインで活用しているMic Preを購入したそうだ。そのエピソードも非常に面白いものなので少し紹介したい。Brentさんの自宅は大久保氏とは近所だったというのも訪問したきっかけだった。そしてそこで対応してもらったのが、なんと現Chandler Limitedの創業者であるWade Goeke氏。その後、世界を代表するアウトボードメーカーを立ち上げることとなるGoeke氏の下積み時代に出会っているというのは、ロサンジェルスという街の懐の深さを感じさせるエピソードだ。 📷Pro ToolsのI/O関連とMicPreは正面デスクの右側に設置。上のラックにはDirectout ANDIAMO、AVID MTRX。下のラックには、DBX 160A、Brent Avirill NEVE 1272、Drawmer 1960が入っている。 ネットの可能性を汲み取った1997年、鹿児島へ そんなロスでの生活は1990年に始まったそうだが、時代はインターネットが普及への黎明期を迎えていた時期でもある。ロスと日本の通信は国際電話もあったが、すでにEメールが活用され始めていたということ。必然性、仕事のためのツールとしてインターネットにいち早く触れた大久保氏は「これさえあれば世界のどこでも仕事ができる」と感じた。アーティストならではなのだろうか?いち早くその技術の持つ可能性を感じ取り、活用方法を思いつく。感性と一言で言ってしまえば容易いが、人よりも一歩先をゆく感覚を信じ、鹿児島へと居を移すこととなる。ロスで知り合ったいろいろな方とのコネクション、人脈はインターネットがあればつながっていられる。それを信じて帰国の際に地元である鹿児島へと戻ったのである。帰国したのが1997年、日本ではこれからインターネットが本格的に普及しようかというタイミングである。その感性の高さには驚かされる。 鹿児島に帰ってからは、マンションでヤマハのアビテックスで防音した部屋を作りDAWを導入したということだ。最初はDigital PerfomerにADATという当時主流であったシステム。もちろんミュージシャンが本職なので、最初はエンジニアというよりも自分のスキルを上げるための作業といった色合いが強かったそうだ。そのエンジニアリングも、やればやるほど奥が深くどんどんとのめり込んで行き、自身でドラムのレコーディングができるスタジオの設立を夢に描くようになる。ドラムということで防音のことを考え、少し市街地から離れた田んぼの真ん中に土地を見つけ、自宅の引っ越しとともに3年がかりで作り上げたのが、現在のチンパンジースタジオだということだ。今は周りも住宅地となっているが、引っ越した当時は本当に田んぼの真ん中だったということ。音響・防音工事は株式会社SONAに依頼をし、Pro Toolsシステムを導入した。 スタジオのオープンは2007年。オープンしてからは、国内のアーティストだけではなく、韓国のアーティストの作品を手掛けることも多いということだ。チンパンジースタジオができるまではライブハウスや練習スタジオに併設する形での簡易的な録音のできる場所しかなかったそうで、鹿児島で録音に特化したスタジオはここだけとなる。チンパンジースタジオでの録音作業は、地元のCM音楽の制作が一番多いということだ。自身がメインで演奏活動を行うJazzはやはり多くなるものの、ジャンルにこだわりはなく様々なミュージシャンの録音を行っている。 地元ゆかりのアーティストがライブで鹿児島に来た際にレコーディングを行うというケースも多いということだ。名前は挙げられないが大御所のアーティストも地元でゆっくりとしつつ、レコーディングを行うということもあるということ。また面白いのは韓国のアーティストのレコーディング。特に釜山からレコーディングに来るアーティストが多いということだ。福岡の対岸に位置する釜山は、福岡の倍以上の人口を抱える韓国第2の都市でもある。しかし、韓国も日本と同様にソウルへの1極集中が起こっており、釜山には録音のできる施設が無いのが実情の様子。そんな中、海外レコーディング先としてこのチンパンジースタジオが選ばれることが多いということだ。 📷錦江湾から望む鹿児島のシンボルとも言える桜島。チンパンジースタジオは市街から15分ほどの距離にある。 📷Proceed Magazine本誌で別途記事を掲載している鹿児島ジャズフェスティバルのステッカーがここにも、大久保氏はプレイヤーとして参加している。 省スペースDolby Atmos環境のカギ 📷内装のブラッシュアップに合わせ、レッドとブラックを基調としスタイリッシュにリフォームされたコントロールルーム。右にあるSSL XL Deskはもともと正面に設置されていたものだが、DAWでの作業が増えてきたこと、またAtmosの制作作業がメインとなることを考えPCのデスクと位置が入れ替えられている。またリフォームの際にサラウンド側の回線が壁から出るようにコンセントプレートが増設されている様子がわかる。Atmos用のスピーカーはGenelec 8020、メインのステレオスピーカーはADAM A7Xとなっている。 スタジオをオープンさせてからは、憧れであったアナログコンソールSSL XL Deskを導入したりマイクを買い集めていったりと、少しづつその環境を進化をさせていった。そして今回、大きな更新となるDolby Atmos環境の導入を迎えることとなる。Dolby Atmosを知るきっかけは、とあるお客様からDolby Atmosでの制作はできないか?という問い合わせがあったところから。それこそAtmosとは?というところから調べていき、これこそが次の時代を切り拓くものになると感じたということ。この問い合わせがあったのはまさにコロナ禍での自粛中。今まで通りの活動もできずにいたところでもあり、なにか新しいことへの試みをと考えていたこともあってAtmos導入へと踏み切ったそうだ。 当初は、部屋内にトラスを組みスピーカーを取り付けるという追加工事で行おうという簡易的なプランだったというが、やるのであればしっかりやろうということなり天井、壁面の内装工事をやり直してスピーカーを取り付けている。レギュレーションとして45度という角度を要求するDolby Atmosのスピーカー設置位置を理想のポジションへと取り付けるためには、ある程度の天井高が必要であるが、もともとの天井の高さもあり取り付けの位置に関しても理想に近い位置への設置が可能であった。取り付けについても補強を施すことで対応しているという。合わせて、壁面にも補強を行いスピーカーを取り付けている。このような設置とすることで、部屋の中にスピーカースタンドが林立することを避け、すっきりとした仕上がりになっている。また、同時にワイヤリングも壁面内部に埋め込むことで、仕上がりの美しさにもつながっている。環境構築にはパワードスピーカーを用いるケースが多いが、そうなると、天井や後方のサラウンドスピーカーの位置までオーディオ・ケーブルとともに電源も引き回さなければならない。これをきれいに仕上げるためには、やはり内装をやり直すということは効果的な方法と言える。 📷天井のスピーカーはDolby Atmosのリファレンスに沿って、開き角度(Azimuth)45度、仰角(Elevation)45度に設置されている。天井が高く余裕を持って理想の位置へ設置が行われた。 今回のDolby Atmos環境の導入に関しては、内装工事という物理的にスピーカーを取り付ける工事もあったが、システムとしてはオーディオインターフェースをMTRXへと更新し、Dolby Atmos Production Suiteを導入いただいたというシンプルな更新となっている。XL Deskを使ったアナログのシステム部分はそのままにMTRXでモニターコントロールを行うAtmos Speakerシステムを追加したような形だ。録音と従来のステレオミキシングに関しては、今まで通りSSL XL Deskをメインとしたシステムとなるが、Dolby Atmosミックスを行う際にも従来システムとの融合を図った更新が行われている。やはり今回のシステム更新においてMTRXの存在は大きく、ローコストでのDolby Atmos環境構築にはなくてはならないキーデバイスとしてシステムの中核を担っている。 📷今回更新のキーデバイスとなったAvid MTRX、持ち出しての出張レコーディングなどでも利用するため別ラックへのマウントとなっている。 📷収録時のメインコンソールとなるSSL XL Desk。プレイヤーモニターへのCueMixなどはこのミキサーの中で作られる。アナログミキサーなのでピュアにゼロレイテンシーでのモニタリングが可能だ。 📷ブースはドラム収録できる容積が与えられ、天井も高くアコースティックも考えられた設計だ。 Dolby Atmos構築のハードルを下げるには エンドユーザーに関しては、ヘッドフォンでの視聴がメインとなるDolby Atmos Musicだが、制作段階においてスピーカーでしっかりと確認を行えることは重要だ。仕込み作業をヘッドフォンで行うことはもちろん、ヘッドフォンでのミックスを最終的にしっかりと確認することは必要なポイントではある。しかし、ヘッドフォンでの視聴となるとバイノーラルのプロセッサーを挟んだサウンドを聴くことになる。バイノーラルのプロセスでは、上下や後方といった音像定位を表現するために、周波数分布、位相といったものに手が加わることとなる。サウンドに手を加えることにより、擬似的に通常のヘッドフォン再生では再現できない位置へと音像を定位させているのだ。これは技術的にも必要悪とも言える部分であり、これを無くすことは難しい。スピーカーでの再生であればバイノーラルのプロセスを通らないサウンドを確認することができ、プロセス前のサウンドで位相や定位などがおかしくないか、といったことを確認できる。これは業務として納品物の状態を確認するという視点からも重要だと言える。 制作の流れとしては、スピーカーで仕上げ、その後にヘッドフォンでどのように聴こえるかを確認するわけだが、バイノーラルのプロセスを通っているということは、ここに個人差が生じることになる。よって、ヘッドフォンでの確認に関して絶対ということは無い。ステレオでのMIXでもどのような再生装置で再生するのかによってサウンドは変質するが、その度合がバイノーラルでは耳の形、頭の形といった個人差により更に変化が生じるということになる。ここで、何をリファレンスとすればよいのかという課題が生じ、その答え探しの模索が始まったところだと言えるだろう。バイノーラルのプロセスでは音像を定位させた位置により、音色にも変化が生じる。そういったところをスピーカーとヘッドフォンで聴き比べながら調整を進めるということになる。 制作のノウハウ的な部分に話が脱線してしまったが、スピーカーでサウンドを確認できる環境が重要であるということをご理解いただけたのではないだろうか。省スペースなDolby Atmos環境であっても、物理的に複数のスピーカーを導入するといった機材の追加は、その後に制作される作品のクオリティのために必要となる。また、システムとしてはAvid MTRXの登場が大きい。モニターコントローラーや、スピーカーチューニングなどこれまでであれば個別に必要であった様々な機器を、この一台に集約することができている。チンパンジースタジオでは、このMTRXの機能をフルに活用し、機材の更新は最低限にして、内装更新やスピーカー設置といったフィジカルな部分に予算のウェイトを置いている。前号でご紹介した弊社のリファレンスルームもしかり、そのスペースにおけるキーポイント明らかにし、そこに焦点をあてて予算を投入することで、Dolby Atmos Music制作環境の構築はそれほど高いハードルにはならないということをご理解いただきたい。 大久保氏は今回Dolby Atmosのシステムを導入するまでは、完全にステレオ・オンリーの制作を行ってきており、5.1chサラウンドのミキシング経験もなかったそうだが、今回の導入でステレオから一気にDolby Atmos 7.1.4chへとジャンプアップしている格好だ。お話をお伺いしたときには、まだまだ練習中ですと謙遜されていたが、実際にミックスもすでに行っており本格稼働が近いことも感じられる。今後はアーティストの作品はもちろん、ライブ空間の再現など様々なことにチャレンジしたいと意気込みを聞くことができた。鹿児島で導入されたDolby Atmosが、その活動に新たな扉を開いているようである。   *ProceedMagazine2021号より転載
Education
2021/07/14

洗足学園音楽大学様 / ~作編曲と録音の両分野をシームレスに学ぶハイブリッド環境~

クラシック系、ポピュラー系と実に18もの幅広いコースを持ち業界各所へ卒業生を輩出している洗足学園音楽大学。その中で音楽音響デザインコースの一角である、B305教室、B306教室、B307教室、B308教室の4部屋についてシステムの更新がなされた。作編曲と録音の両分野をシームレスに学ぶ環境を整えることになった今回の更新ではAvid S6が採用され、またその横にはTrident 78が据えられている。アナログ・デジタルのハイブリッドとなった洗足学園音楽大学の最新システムをご紹介したい。 日本国内で一番学生数が多い音楽大学 神奈川県川崎市高津区にある洗足学園音楽大学は1967年に設立された音楽大学で、音楽の基盤となるクラシック系からポピュラー系まで実に多彩な18のコースを有している。大学院まで含めると約2300人の学生が在学しており、現在日本国内で一番学生数が多い音楽大学である。 音楽大学の基盤となるクラシック音楽系のコースはもちろんだが、新しい時代の音楽表現を模索するポピュラー音楽系のコースとして、音楽・音響デザイン、ロック& ポップス、ミュージカル、ジャズコースなど多彩なコースがあり、特に近年は声優アニメソングやバレエ、ダンス、そして舞台スタッフを育成する音楽環境創造コースなど、音楽の周辺分野まで学べるコースも設立されており、近年ますます学生が増え続けているのも特徴である。 各分野には著名な教授陣がおり、音楽制作の分野ではゲーム音楽作曲家の植松伸夫氏、伊藤賢治氏、劇伴音楽やアニソン作曲家の山下康介氏、渡辺俊幸氏、神前暁氏、さらに録音分野の教授として深田晃氏や伊藤圭一氏などが教鞭をとっている。卒業後は国内の主要オーケストラや声楽家、ミュージカル俳優、声優、劇伴作曲家やゲーム会社、大手音楽スタジオエンジニアなどへ卒業生を多数輩出している。 作編曲と録音の両分野をシームレスに 現在、洗足学園では3つのスタジオを含む複数の音響設備を備えた教室が多数稼働している。メインスタジオではオーケストラや吹奏楽など大編成のレコーディングが可能で、ピアノやドラムなどをアイソレート可能なスモールブースも完備されている。これをはじめとする3つのスタジオではSSLのアナログコンソールが導入されており、音楽・音響デザインコースの生徒だけではなく、複数のコースの生徒がレコーディングなどの授業やレッスンで使用している。また、その他にも音響設備が備えられている教室の中には、Auro-3D 13.1chシステムを設置したイマーシブオーディオ用の教室が2つあり、Pro Tools UltimateとFlux:: SPAT Revolutionが導入され、電子音響音楽の制作やゲーム音響のサウンドデザインの授業が行われている。 📷学内にある大編成レコーディングも可能なメインスタジオ、ブースは天井高を高く取られている。 今回教室の改修が行われたのは、洗足学園音楽大学(以下、洗足学園)の音楽音響デザインコースの一角である、B305教室、B306教室、B307教室、B308教室の4部屋だ。近年、音楽・音響デザインコースを専攻する学生が増えており、既存のスタジオに加えてマルチブース完備のスタジオ増設が急務となったそうだ。主科で作編曲を学ぶクリエイター系の学生は音源制作をPC内でほぼ完結しているケースが多いが、さらに録音のスキルも身につけることによってより質の高い音源を制作できるようになる。このように作編曲と録音の両分野をシームレスに学ぶことができる環境を整えることが今回のテーマの一つとなった。そして、今回の改修でのもう一つのテーマは、アナログとデジタルが融合されたハイブリッドシステムを形成すること。これは授業内容なども考慮された大学ならではのシステム設計だろう。 📷今回改修が行われた4部屋の中でも、Avid S6を中心としたコントロールルームの役割を持つB305教室。 Avid S6とTrident 78によるハイブリッド 新たに導入されたPro Tools | MTRXは既存のHD I/Oと合わせてAD/DA 48chの入出力が可能。 今回改修された4教室は大きさがそれぞれ異なり、合わせて使用することで1つのスタジオとして稼働できるよう計画された。一番広いB305教室は、Avid S6を中心としたコントロールルームの役割を持つ。既存のスタジオが主にアナログ機器を中心とした設計なのに対し、今回改修された4教室ではデジタル中心のシステムを組むように考慮され、B305教室の既存Pro Tools HDXシステムには、Pro Tools | MTRXが追加導入された。これらのAvid S6システムは、録音はもちろんMAでも数多く導入実績があり、さらにDolby Atmosなどのイマーシブ・オーディオへの拡張性も申し分ない。授業においてPro Toolsを使用することが前提の教室で、これらの点を考慮した結果、Avid S6以外の選択肢はなかったそうだ。 S6の構成は5Knob・24Faderで、サラウンドミックスに対応できるようにJoystick Moduleも追加されている。もともとこちらの教室ではサラウンドシステムを導入しており、以前はJL CooperのSurround Pannerが使用されていた。なお、Joystick Moduleはファブリックの統一感のために専用スペースに納められている。Pro Tools | MTRXはADカード24ch(うち8chはMic Pre付き)、DAカード24chとSPQカードを増設。さらに既存のHD I/O 2台と組み合わせて、Pro ToolsとしてはトータルでAD/DA 48chの入出力可能なシステムへと強化された。HAはPro Tools | MTRXに増設された8chのほか、SSLやRME、FocusriteなどのMic Preが30ch以上用意されており、好きなMic Preを選択可能のほか、最大48chのマルチチャンネル録音も可能とした。 📷アナログパッチベイとHA類。SSL、RME、FocusriteなどのMic Preが30ch以上用意されている。 今回の改修で特徴となったのが、Avid S6横に設置されたTrident 78。デジタルとアナログのハイブリットシステムを構築しているわけだが、授業ではスタジオ録音を初めて経験する1年生から上級生まで様々な学生が使用するため、デジタル機器だけではなくアナログ機器についての学習も行えるようにハイブリッドシステムが採用されたということだ。Trident 78をHAやサミング・ミキサーとしても使用できるよう、Monitor OutはPro Tools | MTRXへ、Direct OutとGroup OutはHD I/Oへとそれぞれパッチベイ経由で接続されている。特にTrident 78のMonitor Outがパッチベイ経由なのは、デジタル中心のシステムではあるが、授業内容によってはTridentのみでも授業が行えるように、あえてAvid S6とPro Tools | MTRXを経由せずにも使用できるように設計された。 📷B305教室にはAvid S6 5Knob-24faderとTrident 78が並ぶ、アナログ機器の学習も行えるハイブリッドなシステムだ。Trident 78の下にはAV AmpとBlu-rayプレイヤー、Apple TVが収められている。 また、Pro Tools | MTRXはモニターコントロールとしても設定された。AD/DAのチャンネル数が豊富に拡張されているが、モニター系統はいたってシンプルに構成されており、ソースはPro Tools、TridentとAV Ampの3つに絞られたが、5.1chサラウンドで構成されている。AV AmpはBlu-rayプレイヤーのほか、Apple TVとHDMI外部入力が用意されており、持ち込みPCなど映像だけではなく音声もメインスピーカーからサラウンドで視聴が可能だ。民生機系の機材をAV Ampにまとめることで、音声のレベル差なども解消させている。 S6マスターセクションの隣に用意された専用スペースにはJoystick Moduleが収められている。 ソース切り替えに連動させるため、Pro Tools | MTRXとAES/EBU接続されたClarity M。 ワイヤレスで揃えられたマウスとキーボードは授業形態の自由度を高めるために、Avid S6とセパレートされた。 独立して使用可能なB308教室 マルチブースのなかで一番広いB308教室にはドラムセットが常設され、マイクの種類や位置など集中的にマイキングに関する授業やレッスンができるよう考慮された。これらの回線は壁面パネル経由でB305教室での録音を可能にしたほか、B308教室に設置されているPro Toolsシステムでも録音可能である。 こちらの独立したPro ToolsシステムではインターフェイスにPro Tools | Carbonが採用され、こちらでもPro Toolsを中心とした授業が行えるよう設計された。こちらの教室は単独で授業を行うことが多く、作曲系のレッスンで使用されることも多いため、Pro Tools以外にもLogicがインストールされている。こういったHost DAWが複数ある場合、それぞれのアプリケーションで同一インターフェイスを使用することが想定される。従来のインターフェイスであれば、それぞれのアプリケーションを同時に起動することは難しいが、Pro Tools | CarbonのAVB接続ではPro Toolsと他アプリケーションで同時にI/Oを共有できる。AVBのストリームをPro Tools専用の帯域とCore Audioとして使用可能な帯域とで分けることにより、Pro Toolsと他DAWが同時起動できる仕組みは、こちらの教室では非常に有効な機能だ。 📷B308教室の独立したPro Tools システムはPro Tools | Carbonをインターフェイスにし、AVB接続による他DAWと同時起動できる仕組みを活かした授業が行われている。また、こちらのClarity MはUSB接続となっている。 また、Pro Tools | Carbonの特長でもあるハイブリッド・エンジンにより、DSPエンジンの恩恵を受けることができるため、DSPプラグインを使用したり、ローレイテンシーでレコーディングをする、といった作業も可能だ。音質についても講師陣からの評価が非常に高く、作編曲と録音の両分野をシームレスに学ぶという点でも最適なインターフェイスである。システムの中心がPro Tools | Carbonではあるが、こちらの教室でも様々な授業が行われるため、B305教室と同様にHDMI外部入力にも対応したシステムが構築されている。こちらはAvid S6やPro Tools | MTRXのようなシステムはないため、モニターシステムはSPL MTCが導入されている。 4教室を連結、1つのスタジオに 今回の改修において最大の特徴である教室間を連携したシステムは、録音ができるマルチブースを完備するためでもあるが、昨今のコロナ対策として密集を避けて録音授業やレッスンを実施できるようにする目的もある。各教室は一般の録音スタジオのようにガラス窓などは設けられていないが、その代わりに各教室壁面に用意されたパネルには音声トランク回線のほか映像回線も用意されており、全てがB305教室とB308教室へ接続することができる。 📷4分割表示されたモニタディスプレイ。画面の上部には小型カメラが設置されている。 B305教室の映像系ラック。Smart Videohubでソースアサインを可能にしている。 4部屋に用意されたテレビモニターシステムは、モニタディスプレイと上部に設置された監視カメラ用の小型カメラから構成されている。B305教室では、各教室のカメラ回線がBlackmagic Design Smart Videohub Clean Switch 12x12に接続されており、各部屋への分配を可能にしている。さらに組み込まれたMulti View 4で4部屋のカメラ映像をまとめて1画面で表示し、各教室同士でコミュニケーションを可能にした。それだけではなく、分散授業の際にはB305教室の模様を全画面でディスプレイに表示し、B305教室では各部屋の学生の様子をモニタリングしたりと、授業内容によって自由にカスタマイズ可能である。 もちろんCUE Boxも各部屋に配置されているが、授業という形態を取るにあたり受講者全員がヘッドホンモニタリングするということは難しい。そのため、CUEシステムの1、2chをSDIに変換してモニタディスプレイの回線にエンベデッドし、各モニタディスプレイに分配、ディスプレイの音量ボリュームを上げることで、ヘッドホンをしていない受講者もCUE回線を聴くことができるよう設計された。こういった活用方法は一般の音楽スタジオでは見られない設計で、大学の教室ならではの特徴である。 ジャンルを越えていく教室の活用法 実際にAvid S6を使用して、まずはじめにPro Tools | MTRXの音質の良さが際立ったという。音質に定評のあるPro Tools | MTRXは音楽大学の講師陣からも絶賛だ。さらに、Avid |S6はレイアウトモードが大変便利だという。24ch仕様でフェーダー数に限りがあるため、レイアウトをカスタマイズできる機能は操作性が良く、柔軟にレイアウトを組むことができて再現性も高い。レイアウトデータがセッションに保存されるところも特徴で管理がしやすいのも特徴だ。視認性の高さという点では、ディスプレイモジュールに波形が表示され、リアルタイムに縦にスクロール表示されるのも視覚的に発音タイミングを掴みやすいので、MAなどで活用できそうだという。 実際にこちらの教室で行われる授業は、録音系の授業やレッスンでは実習が中心となり、学生作品や他コースからの依頼などで様々なジャンル、編成でのレコーディングやトラックダウンをS6で学び、またTrident 78、SSL Logic Alpha、RME Octamic、MTRXなどの様々なマイクプリの比較や、アナログとデジタルの音質の聴き比べなども行う。今後はMAやゲーム音響制作のレッスンでも使用予定だそうで、今回導入したJoystick Moduleもぜひ活用していきたいと語る。ほかにも、ジャンルの枠にとらわれないコース間のコラボレーション企画や学生の自主企画が多く執り行われており、2021年3月には、声優アニメソングコース、ダンスコース、音楽・音響デザインコース、音楽環境創造コースのコラボレーションによる、2.5次元ミュージカルが上映された。このようにユニークな企画が多く開催されているのも、学生の自主性を重んじる洗足学園ならではである。 また、コロナ禍により全面的な遠隔授業やレッスン室にパーティションを設置するなど、万全の感染対策を施した上で、いち早く対面でのレッスンを実現したことや、年間200回以上も上演されている演奏会では、入場者数の制限や無観客の配信イベントとして開催するなど、学生の学びを止めることなく、実践を積み重ねることで専門性を磨き、能力や技術の幅を広げている。 今後、このS6システムを活用して学生作品のコンペを実施し、優秀作品をこのスタジオで制作することを検討しているという。音楽大学のリソースを活かして、演奏系コースとのレコーディングプロジェクトを進めたり、こちらの教室を中核にした学内の遠隔レコーディングネットワークをさらに充実させる計画もある。アフターコロナでどの音楽大学も学びのスタイルを模索している中ではあるが、このように洗足学園ならではの制作環境を実現し、学びの場を提供し続けていくのではないだろうか。 洗足学園音楽大学 音楽・音響デザインコースで教鞭をとる各氏。前列左から、伊藤 圭一氏、森 威功氏、山下 康介氏、林 洋子氏。また、後列はスタジオ改修に携わった株式会社楽器音響 日下部 紀臣氏(右)、ROCK ON PRO 赤尾真由美(左) *ProceedMagazine2021号より転載
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2021/07/09

Dolby AtmosやSONY 360 RA関連記事が一度に見られる!3D Audioボタンを設置しました。

Apple Musicでの配信がスタートしたことで、いよいよ本格的な普及が予想されるDolby Atmos Music。次世代放送規格MPEG-Hコーデックを使用し、これから爆発的な普及もあり得るSONY 360 Reality Audio(360 RA)。 これらに代表される、3Dオーディオ/空間オーディオ/Immersive Sound関連の記事をピックアップして表示することができる「3D Audio」ボタンをROCK ON PRO WEBサイトトップページに設置しました。 この分野の初期から様々な情報を発信してきたROCK ON PROならではの豊富なリソースを、ぜひご活用ください! 3Dオーディオ関連記事一覧>>
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2021/07/07

Proceed Magazine 2021 販売開始! 特集:Sound on 4π

  Proceed Magazine 2021号が発刊です!今号のテーマは「Sound on 4π」。Apple MusicがDolby Atmos対応を果たしたことも記憶に新しいところですが、Amazon Music HDやDeezer、nugs.net、TIDALといった配信サービスがソニーの立体音響技術を活用した360 Reality Audioでの配信をスタートさせるなど、新たなテクノロジーが生む広大な音のフィールドがリスナーの手元に届けられるようになっています。そのオーディオリスニングに新たな体験をもたらすテクノロジーをクリエイターがどう作品に昇華させることができるのか、制作の最前線から技術解説に至るまでを詳細に追いかけました。さあ!皆さんもこのムーブメントをシェアしましょう!   テクノロジーの進化を待たずして日常的な体験をもたらすことが今こそ求められる! ◎特集:Sound on 4π 「4π」、それはソナ中原氏も音場という点でのゴールだという上下空間も含む360度の空間。その空間を描く力は、クリエイターの作品を拡張する手段。しかしその力は、一般ユーザーに届くのか。それが私達の未来を創る。 これまで現実味があるとは言い難かったオンラインでのバーチャルなテクノロジーが、半ば強制的にではあるが実生活に使われ出したのが2020年。そのメリットもデメリットも実感としてあらわになっているが、人々の生活に根付くことで新たなテクノロジーを迎え入れることへの心理的なハードルは間違いなく下がってきている。 これに伴うようにコンテンツの提供方法についても再構築されていくのが2021年の潮流なのではないだろうか。音楽の分野でDolby Atmos Musicが胎動するように、放送・OTT・映画・ゲームなどのコンテンツでもよりイマーシブでパーソナルな環境が提供され出している。ここに音響の側面から新たな価値観を普遍的に提供できるキーテクノロジーとなるのがbinauralであり、広くあまねく多くの人々が4πの新たな音響定位を体験することになる。 テクノロジーの進化を待たずして日常的な体験をもたらすことが今こそ求められる。ユーザーに強いることは意味を持たない。挑まなければならない、それが私達のテーマだ。 Proceed Magazine 2021 全144ページ 販売価格:500円(本体価格463円) 発行:株式会社メディア・インテグレーション   ◎SAMPLE (画像クリックで拡大表示)   ◎Contents ★People of Sound Kevin Penkin 氏インタビュー ★ROCK ON PRO 導入事例 洗足学園音楽大学 ★Sound on 4π 染谷和孝氏、古賀健一氏 / 360 Reality Audio / 名古屋バイノーラル現場 / 鹿児島チンパンジースタジオ / イマーシブ制作ツールの選び方2021 ★Product Inside AMS Neve 8424 / iZotope Spire Gen2 ★ROCK ON PRO 導入事例 株式会社富士巧芸社 FK Studio / 株式会社毎日放送 ★ROCK ON PRO Technology IPビデオ伝送の筆頭格、NDIを知る。 / どんなDAWでもできるぞ!! Dolby Atmos / しまモンの、だってわかんないんだモン!! ★Build Up Your Studio パーソナル・スタジオ設計の音響学 その23 特別編 音響設計実践道場 〜第四回 ロビングエラー〜 ★Power of Music 鹿児島ジャズフェスティバル / TOONTRACK EZ BASS / ROTH BART BARON 三船雅也 ★BrandNew SSL / Earthworks / Blackmagic Design / Focal / Avid / Ableton / PHONON / YAMAHA / Sonarworks / Gamechanger Audio / Focusrite / Modal Electronics / Antelope / ELEKTRON / Universal Audio / SENNHEISER / SAMSUNG ★FUN FUN FUN デザインアンダーグラウンド SHIBUYA-BASE アメリカンミュージックの神髄 ◎Proceed Magazineバックナンバーも好評販売中! Proceed Magazine 2020-2021 Proceed Magazine 2020 Proceed Magazine 2019-2020 Proceed Magazine 2019 Proceed Magazineへの広告掲載依頼や、内容に関するお問い合わせ、ご意見・ご感想などございましたら、下記コンタクトフォームよりご送信ください。
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2021/07/02

現役サウンドデザイナーによる実践レビュー!vol.2 ~Le Sound AudioWindでロケ映像を美しく仕上げる

既存のライブラリから音源を選び、尺を合わせて加工して、足りない音は収録…という従来のワークフローとはまったくことなるアプローチでサウンドデザインの世界を拡げるLe Soundプラグインは、効果音をシンセサイズするという、プロシージャルオーディオのコンセプトにもとづいたアプローチで自由自在なサウンドメイクを可能にします。 このLe Sound製品を、TV番組、CM、アニメーション、イベントなど幅広い分野で大活躍中のサウンドデザイナーである安江史男 氏(Tacit Knowledge Sound LLC)、荒川きよし氏(株式会社 Async)のおふた方に実際に使用していただき、実践的な使い方を教えてもおう!というこの企画。 全6回予定の第2弾は株式会社 Async 荒川 きよし 氏によるAudioWindの実践レビュー。NHKで20年にわたりあらゆるジャンルのテレビ番組でサウンドデザインを担当してきた同氏は本稿執筆に先立ち、5.1chサラウンドでのドキュメンタリー番組にAudioWindを使用。 記事後半では荒川氏謹製スペシャルムービーを使用して、カメラ内蔵マイク / ロケ音声のみ / ロケ音声 + AudioWindの比較動画もご用意しております! 第1弾 安江氏によるAudioElec編はこちら>> 荒川 きよし 氏 プロフィール   1996年、NHK入局。 1998年より音響効果業務を担当。ドキュメンタリー、子供番組、コントやドラマなどジャンルレスに対応。   2018年に独立し株式会社Asyncを設立。現在はアニメーション、バラエティ、ドラマ、CM、web、映画などで、選曲と効果音をトータルでデザインしている。 ナチュラルなサウンドがドキュメンタリーにさらなるリアリティを! 今回ドキュメンタリーのテレビ番組を制作する案件があり、これは絶好のタイミング!ということで、LE SOUNDのAudioWindプラグインを活用させていただきました。 今回の番組は5.1chサラウンドで作成するというとで、現地で録音されたサラウンドでの音ロケ素材もたくさんありました。 MAに入る前の効果音の仕込み段階では、実際の映像の同録音声とともにロケ音のサラウンド環境音をベースに、エディットしながら全体の環境音を作りんこんでいくのですが、もちろんそれだけでは成立しない部分も出てくるので、風音やフォーリーなどでも補強しながらサウンドデザインしていきます。 特に風音などはサラウンドで表現しようとするとステレオのライブラリー素材などをエディットして作り込んでいくのですが、ライブラリーも無限にはないのでだんだん似たような感じになってきてしまったり… ということで今回の「AudioWind」。 最初はなんとなく人工的なサウンドをイメージして立ち上げたのですが… 適当なプリセットを選択すると、なんだか心地よい風音が…!ナチュラルで使いやすい感じの音色ですね。 しかも5.1バスに接続するとサラウンドで立ち上がりました。 これを映像に合わせてオートメーション使ってエディットできるとなるとこれは相当使えるのでは…! 最初に使い始めた人はプリセットのOutsideのなかのForest Lowなんかを聞いてみると、すごく使いやすい音色なのがわかるのではないでしょうか。 GLOBALのSPEEDのところのパラメータを動かすと風速が変化して、映像に合わせてそのつまみをいじるだけで簡単に抑揚のついた風を作ることができます。 LFEの送りのパラメータもあり、このへんをオートメーションで揺らすとLFEを使用した爆風の迫力も簡単に調整できます。 通常、既存の録音された音などで抑揚のついた風を作るとなると、風の盛り上がっているところを抜き出して繋いだり、EQやボリュームなどのオートメーションを書いていくのですが、このLE SOUNDのプラグインの強みは手間をかけずに映像に合わせて狙った抑揚を作り出せることですね。限られた時間の中で制作する現場においては非常に強力なツールになりそうです。 プリセットも非常に使いやすい音色が多く、森林のそよ風から切り立った山頂の爆風まで、イメージに近いものからエディットしていけば時間を圧縮しながらも思い通りのサウンドを作ることができました。 撮りおろしデモムービーでAudioWindの実力をチェック! 実際に制作した番組の映像素材はアップできないので、木々が風に揺らいでいる映像をテキトーに撮影して、AudioWindで仕上げてみました。 まず最初はiPhoneで撮影したオリジナルの映像です。マイクはiPhoneのマイクになります。 テーブルに置いて撮影したものですが、さすがに音のほうは吹かれていて使えませんね… 次の動画はZoom H2nで、近くの場所で鳥や虫などを別録音した素材で差し替えたものです。フロントのMSマイク素材をMIDSIDE MATRIXのプラグインで調整し、AUDIO EASE Altiverbで少しアンビエンスをつけています。 これだとやはりちょっと物足りないですね… これにAudioWindで風音を足していきます。4トラック分のAudioWindを走らせてあちこちオートメーションをいじってみます。 NUENDO側のEQ、VOLUMEも書き込んでいます。 出来上がったものがこちらです。 AudioWindのオートメーションはこんな感じ(↓)です。割とテキトーです。 NUENDO側のEQやボリュームもオートメーション書きました。 セッション上半分 セッション下半分 コントローラブルな風音が手元にあるのというのは非常に心強いですね。もっと細かくいじっていくとさらに表情を作っていけそうです。 これからかなり出番が多くなりそうなプラグインでした! Le Sound 実践レビュー第2弾、いかがでしたでしょうか!?最後のムービーでは、0:30付近からググっと風音が大きくなってくる時のニュアンスなどが、収録音声のみのムービーよりもかなりリアリティをもって迫ってくるのが印象的でした。 自然音というのは常に変化していて、そのバリエーションはまさに無限です。しかし、そもそも、風や雨といった素材はマイクという機材にとって非常に相性が悪いもので、ライブラリや生音収録だけではバリエーションに限界があります。 今回荒川氏にご紹介いただいたように、現場でロケ収録した素材とともにLe Soundプラグインを使用すれば、自然が生み出す絶え間ない変化に近いサウンドを制作できるのではないでしょうか。 今回登場したプロダクトはこちら AudioWind V2 Pro 販売価格:¥44,000(本体価格:¥ 40,000) ダイナミックに天候を操る、風のシンセサイザー。プロシージャル・オーディオ技術を用いた革新的なプラグインで、パーフェクトな風の音をたった数分で作成することを可能にします。わずかなコンピューター・リソースで動作し、Le SoundのD.O.S.E.テクノロジーによって、5.1chまでリアルタイムで動作します。全体を作り直すことなく、サウンドを微調整することが可能になります。 Rock oN Line eStoreで購入>> https://pro.miroc.co.jp/headline/le-sound-review-sounddesign-1-audioelec
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2021/06/25

Pro Tools 2021.6 リリース ~ M1 Mac 対応、UltimateがHybrid Engine 対応!!

日本時間2021年6月25日未明、Pro Toolsの最新バージョンとなる Pro Tools 2021.6 がリリースされました。有効なサブスクリプション・ライセンスおよび年間プラン付永続ライセンス・ユーザーは、既にAvidLinkまたはMyAvidよりダウンロードして使用することが可能です。 主な新機能は下記記事をご参照ください。 Pro Tools HDX が Hybrid Engine に対応(Pro Tools | Ultimateのみ) Pro Tools | Carbonのリリースとともに発表され、大きな話題となったHybrid Engine。Pro Tools + Pro Tools | Carbonという組み合わせでした使用できなかったこの機能が、Pro Tools HDX システムでも使用可能になりました。 これにより、Pro Tools | Ultimateソフトウェア単体で最大2048トラック/ボイスという大幅な機能拡張を果たしています。 Hybrid Engineについてのより詳細な解説は、下記Avidブログをご参照ください。 HDX用ハイブリッドエンジンについて リ・レコーディング・ミキサー”ジョナサン・ウェールズ”による、HDX用ハイブリッド・エンジンの革新性に関する考察 Pro Tools | Carbon のレイテンシー処理はなぜ"高速"なのか? コラム:Hybrid Engineって何がすごいの!?   従来のHDXシステムの仕組みは、Pro Toolsに関する処理を"原則としてDSPがおこなう"というものでした。そのため、最大ボイス数はHDXカード1枚あたり256ボイス、最大規模のHDXカード3枚構成でも768ボイスという制限がありました。 さらに、HDXシステム上でNativeプラグインを使用した場合、HDXとCPUの間をオーディオが往来することになり、その都度ボイス数を消費し、システムレイテンシーも増加していたのです。   これは、Dolby Atmosをはじめとした大規模化するオーディオポストプロダクションにおいて、作成できるセッションの規模やワークの効率を制限してしまう要因となってしまっていました。   近年のCPUは、最大能力という点ではすでにDSPチップを上回っています。しかし、CPUはオーディオ処理だけでなく、アプリケーションやコンピューター自体が動作するための数多くのタスクをこなしています。そして、それらのタスクに優先順位をつけることがCPUにはできないため、同じ操作をしてもレイテンシーやクオリティがつねに一定になるとは限りません。   同じ操作に対してつねに一定の結果を返す(「決定論的」と呼ばれる)、というHDXの利点は、レイテンシーやオーディオクオリティが絶対的に重要となるプロフェッショナルな現場において、これからも大きな意味を持つのです。   Hybrid Engineは、このCPUの性能とHDXの利点をともに最大限に活用するために開発された新しいコンセプトです。   Hybrid Engineでは、CPUを主役としてDSPを補助的に使用します。負荷の分散やニアゼロレイテンシー実現のために必要なトラックだけをHDXカードに処理させることで、Pro Tools | Ultimateにおける最大ボイス/トラック数はすべてのサンプリングレートで2,048まで増加しました。しかも、HDXカードがなくてもこの恩恵にあずかることが可能です。   また、CPUとDSPの処理は別々のプロセスとして処理されるため、DSPプラグインの後ろにNativeプラグインを使用しても、従来のようにボイスを消費することもなく、システムレイテンシーも大幅に軽減されるようになります。 Pro Tools 2021.6ではこのHybrid Engineを使用できるほか、従来のHDXシステム(HDXクラシック)も選択可能です。 Hybrid Engineによる恩恵が存分に生かされるイマーシブオーディオ制作に関する記事はこちら 音楽配信NOW!! 〜イマーシブ時代の音楽配信サービスとは〜 Dolby Atmos Music トライアル・パッケージを配布中! M1ベースMacでの動作が可能に!(全てのPro Tools) こちらも待望の公式サポート!! Pro Tools 2021.6では、Pro Tools | First、Pro Tools およびPro Tools | Ultimateの各ソフトウエアが、AppleのM1プロセッサー搭載Macで動作することが可能となりました。 全Pro Tools、Pro Tools 2021.6ソフトウエアおよびそこに含まれるAvidプラグイン、さらには、その上で動作するAvid コントロール・サーフェスが、Rosetta を介してM1ベースMacコンピュータ上のmacOS Big Surに対応しました。 しかし、残念ながらAvid ビデオ・エンジン、Pro Tools | HDX、HD Native、および、DADMan softwareはApple silicon (M1)に正式対応していません。 業務用スタジオやMTRX / MTRX Studioをご使用のユーザー様は、まだM1 Macへのお買い替えはお控えくださいませ! より詳細はAvid Knowledge Baseをご参照ください。 Pro Tools システム要件〜Pro Tools & Pro Tools | Ultimate ソフトウェアのシステム要件と互換性情報 macOS 11 (Big Sur) と Avid 製品の対応状況 UIテーマのカスタマイズ(Pro Tools およびPro Tools | Ultimate) Pro Tools 2021.6では、ユーザー・インターフェースの色や明度を自由に変更可能となり、お好みの設定をプリセットとして保存し、いつでも呼び出すことができるようになりました。さらに、Pro Toolsの再起動無しで、ダーク・テーマとクラシック・テーマの切り替えも可能となりました。 H.265/HEVC ビデオ (Pro Tools | Ultimate のみ) 低ビットレートでより高品位な映像を実現でき、映像クリエイターの間で人気の高いH.265/HEVC (High Efficiency Video Coding)に対応しました。Pro Tools | Ultimateを使い、このH.265ビデオ・コーデックでのサウンド・プロジェクト作業が可能となり、インポート/エクスポートにも対応しています。 サイド・チェーン時の自動遅延補正対応 (Pro Tools およびPro Tools | Ultimate) これまでPro Tools | HDX上でのみ可能だった、サイド・チェーン時の自動遅延補正がPro ToolsおよびPro Tools | Ultimateソフトウエアでも可能となりました。これにより、サイド・チェーンされたトラック同士を完璧にシンクさせることが、両ソフトウエア上で実行できるようになります。 Pro Tools 2021.6その他の追加機能/改良点 クリップ無しトラックのチャンネル幅の変更 異なったチャンネル幅を持つトラックへのプラグインのドラッグ・アサイン チャンネル幅別トラック表示フィルター(Pro Tools | Ultimateのみ) Intel Turbo Boost 有効/無効 [ファン・ノイズ管理](Intel Turbo Boost 使用可能なIntel Mac上のPro Toolsのみ) SyncX/Sync HD使用時改善点….他   その他、詳細なバグフィックスなどはAvid Knowledge Baseをご参照ください。 Pro Tools 2021.6 リリース・ノート 大規模セッションへの対応を可能にするだけでなくよりスムースなワークフローを可能にするHybrid Engine、そして、待望のM1 Mac対応など、大きなブラッシュアップが果たされたPro Tools 2021.6。アップデート、新規導入のご相談はROCK ON PRO までお問い合わせください!
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2021/06/21

現役サウンドデザイナーによる実践レビュー!vol.1 ~Le Sound AudioElecで電撃サウンドを自在にデザイン

既存のライブラリから音源を選び、尺を合わせて加工して、足りない音は収録…という従来のワークフローとはまったくことなるアプローチでサウンドデザインの世界を拡げるLe Soundプラグインは、効果音をシンセサイズするという、プロシージャルオーディオのコンセプトにもとづいたアプローチで自由自在なサウンドメイクを可能にします。 このLe Sound製品を、TV番組、CM、アニメーション、イベントなど幅広い分野で大活躍中のサウンドデザイナーである安江史男 氏(Tacit Knowledge Sound LLC)、荒川きよし氏(株式会社 Async)のおふた方に実際に使用していただき、実践的な使い方を教えてもおう!というこの企画。 全6回予定の第1弾はTacit Knowledge Sound LLC 安江氏によるAudioElecとAudioWindの実践レビュー。これまでにもCM制作などで実際に愛用しているということで、なんとこの記事のためにショートムービーを制作してくださいました! 安江 史男 氏 プロフィール   愛知県春日井市生。カリフォルニア州立ノースリッジ大学で音楽ビジネスを学ぶ。外国人コーディネーターを経て、音響効果の世界へ。 TVCM、Web、イベント等、多種多様な効果音が必要な作品に従事。選曲も扱う。DJとしての活動も顕著。   公式サイト:https://www.yasuefumio.com レーベル: www.bigpierecords.com AudioElec + AudioWindで多彩な電撃サウンドを作る! LE Soundは炎、雨、風といった音をシンセサイズで作り出す、音源型プラグインです。 今回の連載では、いくつかのプラグインを取り上げて、僕はこんな感じで使用しているというのをご紹介します。 -AudioElec- 今回はAudioElecにフォーカスしてお送りできればと思います。複数の電気音を重ね合わせて電気空間を作るのに長けているプラグインです。 ミキサーが備え付けでありますので、プラグイン上でボリューム操作して作り込んでから、オートメーションで音を可変させて一定の音にならないようにすることが可能です。 …が、僕は音を後からタイミングを変えたり他のプラグインで加工したりすることが多いので、別のやり方でお話を進めようと思います。 プラグイン画面です。一旦ここで大体こんな音にしたいという状態を作ります。 プリセットにたくさんのテンプレートがありますので、こちらで一度選んでから好みの音にしていくのが早いかと思います。 音を決めたら、一度それぞれ個々に書き出します。 ミキサーのソロボタンで単独の音がMasterに流れるようにします。 このような形でざっくり一個一個書き出します。(AudioWindも立ち上がっていますが、後ほど。) 書き出した後は通常の素材を映像に当てていく作業をします。 先ほどは全部のチャンネルを書き出しましたが、映像に当てていると不必要に感じる音が出てきたり、個々で調整したい部分が出てくるので、個々で書き出しておけば後処理がやりやすいかと思います。 それでは早速これで作った映像です! この映像は所々真っ暗になるので、そこは音を消して映像に合うようにしています。 LE Soundのプラグインは環境音的に使われることが多いかと思いますが、このようにして映像との整合性をとることができるかと思います。 この映像は前後半に分けてみました。後半にはTelemetryの音を追加しています。 このTelemetryの音を足すと雰囲気が変わるのと、ラジオノイズのような雰囲気を追加できます。 また、Telemetryの音にはPitch'n Timeを使ってこんな加工をしてみました。 音を一定にしておくのはもったいないので、ガンガン揺らしています。 また、このTelemetryの音はポップ目のグラニュラーシンセのような音でもあるので、電気系統に関わらずかなり汎用性のある音と感じています。アイデア次第で全く違う使い方ができると思います。 全く別の考え方で… こちらでは電気の音にディストーションをかけてよりビリビリくるようにしています。 また、AudioWindを用いてWhooshを作り、通過感を足しました。 プリセットのFXから適当に選んで、Master Levelを手動で動かしながら書き出すと、かなりお手軽に風系Whooshが作れます。 今回はAudioElecと、軽くAudioWindも紹介させていただきました。 パラメータがいっぱいあるので絶対他にもやり方やテクニックがあるはずです。 是非試してみてください! アイデア次第で無限のバリエーションを生み出すことができるLe Soundプラグイン。Telemetoryを加えてサウンドをポップにする、AudioWindを使って厚みを加えるなど、多彩な手法で狙った音を作り込む安江氏のノウハウの一端をご紹介いただきました。 今回登場したプラグイン以外のLe Sound全ランナップも、ぜひこちらからチェック!きっとイメージに合うサウンドがあるはずです。 Le Soundに関するお問い合わせ、ご相談はcontactバナーからROCK ON PROまでご連絡ください! 今回登場したプロダクトはこちら AudioElec 販売価格:¥19,800(本体価格:¥ 18,000) AudioElecは電気音エミュレーション専用のプラグイン・シンセサイザーです。ダイナミック・モデリング技術に基づいており、サンプリング技術は非常に限られたモジュールにしか使用されていません。つまり、電気のさまざまな要素の近似値をモデリングした数学的な方程式を、オンザフライで解くことによってサウンドを生成します。この複雑なシンセ・エンジンは受信した制御信号にダイナミックに反応し、生成されたシンセ・モデルに緻密で繊細な制御を提供します。 Rock oN Line eStoreで購入>> AudioWind V2 Pro 販売価格:¥44,000(本体価格:¥ 40,000) ダイナミックに天候を操る、風のシンセサイザー。プロシージャル・オーディオ技術を用いた革新的なプラグインで、パーフェクトな風の音をたった数分で作成することを可能にします。わずかなコンピューター・リソースで動作し、Le SoundのD.O.S.E.テクノロジーによって、5.1chまでリアルタイムで動作します。全体を作り直すことなく、サウンドを微調整することが可能になります。 Rock oN Line eStoreで購入>>
Support
2021/06/17

【AVID】Dolby Atmos Music トライアル・パッケージを配布中!

Apple Musicの"空間オーディオ"対応で世間の関心が高まっているイマがチャンス! 先日、ついにApple Musicの「空間オーディオ」機能の提供が開始されました。「早速試してみた!」という"耳が早い"音楽ファン達によるネット上の反応も概ね上々。いわゆる頭内定位が発生しない(※1)という点が、「音楽はスピーカーでしか聴かない」という層にも徐々に受け入れられ始めているのではないでしょうか。(※1 頭内定位:通常のステレオ音源をイヤフォンやヘッドフォンで聴く際、音像が頭の中で鳴っているように聞こえる現象) さて、普段よりDAWでの楽曲制作に親しんでいる皆さまの中には、「自分の楽曲をDolby Atmos Music化してみたい!」と思った方も多いはず。本記事では、そんなあなたへの朗報をお届けします! >>「そもそもDolby Atmosって何!?」という方はこちらの記事をチェック↓ https://pro.miroc.co.jp/solution/dolby-atmos-proceed2020/#.YMs6yDb7TOQ 必要なモノはPCとヘッドフォン!〜Dolby Atmos Music トライアル・パッケージを無料で入手〜
NEWS
2021/06/16

Satellite Link対応の最新バージョン Video Sync 5 Pro リリース〜数量限定でお得にアップグレード!

過去数年でビデオ同期再生のスタンダードとしての地位を確立したVideo Slave 4 Proの最新バージョンが、その名も新たにVideo Sync 5 Proとしてリリースされました。この最新版に、お得にアップグレードできる数量限定ライセンスも! 既存のビデオコーデックのほとんどに対応し、キャプチャーやアプリケーションへのコピーなしでビデオファイルを直接再生。MTC/MMCを使用することでほとんどすべてのDAWのタイムラインに同期することができる従来の機能に加え、最新バージョンではなんとAvidとのコラボレーションが実現! Avid Statellite Linkに対応することでPro Tools | Ultimateとのより緊密な同期再生を実現します。 Video Sync 5 Pro についての詳細はこちら>> Avid Satellite Linkに対応した最新バージョン Video Sync 5 Proへお得にアップグレード! いま、前バージョンVideo Slave 4 Proをアクティベートしたユーザーは、無償でVideo Sync 5 Proへアップグレード可能。Video Slave 3 より以前のライセンスをお持ちのユーザー様は、これを利用してVideo Sync 5 Proをお得にゲットできます! 数量限定! Upgrade to Video Slave 4 Pro 最終在庫 販売価格:¥27,280(本体価格:¥24,800)¥18,700のValue!! 対象:Video Slave 3 以前のライセンスをお持ちのユーザー様 いますぐ購入!>> *Video Sync 5 Proにアップグレードすると、元のライセンスはサレンダーされます。 *Video Sync 5 Proのライセンスでは、Video Slave 4 ProとVideo Sync 5 Proが動作します。 *引き続きバージョン3以前を併用されたいユーザー様はVideo Sync 5 Pro新規ライセンスをご購入ください。 本製品を利用して最新のVideo Sync 5 Proへのアップグレードをご希望の方は、Video Slave 4 Proへアップグレードした後、専用フォームより無償アップグレードの申請をおこなってください。通常、2~3営業日でアカウントに新しいライセンスがデポジットされます。 *Video Slave 4 Proのライセンスは失効しますのでご注意ください。 バージョン5 新機能 Avid® Satellite Linkに対応 Non-Lethal ApplicationsとAvidの協働により、Video Sync 5はSatellite Linkを使用してPro Tools | Ultimateと同期することが可能になりました。この機能はDAWとの同期を実現する上でもっとも望ましいソリューションと言えるでしょう。圧倒的に正確な同期を最速で実現するだけでなく、セットアップも非常に簡単ですばやく行うことが可能です。 2つのビデオトラックを同時再生可能に デュアルフレームプレイバックはボイスタレントやフォーリーレコーディングを担当するひとびとにとって非常に便利な機能です。タイミングをずらして同じファイルを再生すれば、キューの手前から準備することができます。異なるふたつのテイクを並べて比較することもできるようになります。Video Sync 5では横並びやピクチャインピクチャなど、3種類の方式からデュアルフレームプレイバックを選択することが可能です。 その他 ・ダークUIモード ・メディア・ビンをスリムにすることが可能に ・iLok Network、iLok Cloudに対応 Video Sync 5 Pro 製品ラインナップ Video Sync 5 Pro Video Sync 5 Pro 新規ライセンス 販売価格:¥76,780(本体価格:¥69,800) Rock oN Line eStoreでのご購入はこちらから>> Video Sync 5 Pro Upgrade from Video Slave 4 Pro Video Slave 4 Proからのアップグレード 販売価格:¥34,980(本体価格:¥31,800) Rock oN Line eStoreでのご購入はこちらから>> Video Sync 5 Pro Upgrade from Video Slave 3 or earlier Video Slave 3 およびそれ以前のバージョンからのアップグレード 販売価格:¥45,980(本体価格:¥41,800) Rock oN Line eStoreでのご購入はこちらから>>   Video Sync 5 Pro 無償アップグレードのご案内 対象:2021年3月15日以降にアクティベートされたVideo Slave 4 Proのライセンス アップグレード方法:下記、専用申し込みフォームへ必要事項を入力し、「送信」ボタンをクリックしてください。 必要な情報:メーカーアカウントにご登録のEメールアドレス、ライセンスコード、アクティベーション年月日 備考:いただいた情報は本国メーカーに伝達いたします。通常、2~3営業日でアカウントに新しいライセンスがデポジットされます。 *Video Slave 4 Proのライセンスは失効しますのでご注意ください。 Video Sync 5 Pro 無償アップグレード申請フォーム 申請の手順と、申請に必要な情報の取得方法は下記をご参照ください。 Video Sync 5 Pro 無償アップグレード申請方法 下記リンク先、メーカーWEBサイトにアクセスしアカウントにログインします。ログインに使用したEメールアドレスは無償UPG申請の際に必要となりますので、お控えください。 https://non-lethal-applications.com/my-licenses アカウントにログインするとMy Licenseページに遷移します。画像を参考に、無償アップグレードご希望のライセンスの"Serial / iLok Code"と"Purchase date"をお控えください。 こちらのフォームに必要事項を入力の上、フォーム末尾「送信」ボタンをクリックすれば申請完了です。 申請後2〜3営業日ほどでアカウントにアップグレードライセンスが自動的にデポジットされます。 *アップグレード元となったVideo Slave 4 Proのライセンスはサレンダー(失効)されますので、ご注意ください。 Avid Satellite Link、デュアルトラックプレイバックなどの新機能のほか、TCオーバーレイ、簡易ビデオ編集、ビデオ/オーディオファイルの書き出し、ビジュアルキューの追加など、ワークフローをスムースにする機能を多数備えたVideo Sync 5 Pro。 ぜひ、下記リンク先より詳細をチェックの上、ROCK ON PRO までお問い合わせください! Video Sync 5 Pro についての詳細はこちら>>
Sales
2021/06/11

追記:約40% OFF!Pro Tools サブスクリプション プロモーション

Pro Tools、および、Pro Tools | Ultimateのサブスクリプション版をお得に入手できるプロモーションがスタートしました!6月30日(水)までの限定で、約40% OFFの価格で入手していただくことが可能です。 2021/6/11 追記 これまで、すべてのPro Toolsユーザーに提供されていた「無償特典プログラム」が「Pro Tools Inner Circle」という、年間サブスクリプションユーザーのための新たなプログラムに置き換わりました。 Pro Tools本体だけでなく、現時点で¥150.000相当の特典をお得に手に入れるチャンスです!詳細は記事後半をご参照ください。 Pro Tools サブスクリプション プロモーション 期間:6月30日(水)まで 対象:Pro Tools、および、Pro Tools | Ultimate 年間サブスクリプションライセンス *EDU版は対象外となります。 価格:下記参照 Pro Tools Subscription 1-Year Subscription NEW(Pro Tools 年間サブスクリプション 新規) 通常価格¥38,830 → プロモ特価¥25,850(本体価格¥23,500) Pro Tools | Ultimate 1-Year Subscription License NEW(Pro Tools | Ultimate 年間サブスクリプション 新規) 通常価格¥103,950 → プロモ特価¥64,900(本体価格¥59,000) 年間サブスク・ユーザーの為の新たな特典プログラム”Pro Tools Inner Circle”が登場! これまで、Pro Toolsユーザーに提供されていた「無償特典プログラム」が、Pro Tools / Pro Tools | Ultimate 年間サブスクリプションユーザーのみを対象とした「Pro Tools Inner Circle」となって生まれ変わりました。 2021年6月時点で無償提供されている特典は下記の通りで、ラインナップは今後も6~8週間単位で新たな特典が提供されることが予定されています。 Pro Tools Inner Circle 無償特典製品(2021/6/7現在) ・Baby Audio – Comeback Kid (クリエイティブ・ディレイ・プラグイン) ・IK Multimedia – Amplitube 5 SE & T-RackS 5 SE (ギターアンプおよびエフェクト・プラグイン) ・Tracktion – BioTek Organic Synthesizer (オーガニック・シンセ・VIプラグイン) ・Impulse Record – Convology XT and 17 Physical Plates (コンボリューション・リバーブ・プラグイン) ・Accusonus – ERA Voice Leveler (ボーカル・レベル修正プラグイン) ・Pro Sound Effects – Foley Essentials (フォーリー用サウンド・エフェクト・ライブラリ) ・Sound Ideas – 50 Royalty Free Music Tracks (著作権フリー楽曲ライブラリ) ・その他、Pro Toolsトレーニング・ビデオ(英語版)等 この新しい特典プログラムは年間サブスクリプションユーザー(新規/更新)のみに提供され、マンスリーサブスクリプション及び永続ライセンスユーザーは対象外となります。* *既存のマンスリーサブスクリプション及び永続ライセンス(年間サポート加入中)のユーザー様は引き続き「無償特典プログラム」をご利用いただけますが、今後追加される特典についてはお受け取りいただけません。 Pro Tools Inner Circleのより詳細な情報はAvidブログ日本語版でご確認いただけます。 https://pro.miroc.co.jp/headline/massive-pack-2021/#.YLRBV2b7Q-Q https://pro.miroc.co.jp/headline/ilok3-usb-c/#.YLRBbGb7Q-Q https://pro.miroc.co.jp/headline/dadman-v5-4-5-mtrx-mtrx-studio-macos-bigsur/#.YLRBgWb7Q-Q https://pro.miroc.co.jp/headline/pro-tools-2021-3-1-bug-fix/#.YLRBkmb7Q-Q
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2021/05/31

音楽配信NOW!! 〜イマーシブ時代の音楽配信サービスとは〜

レコードからCDの時代を経て、音楽の聴き方や楽しみ方は日々変化を続けている。すでにパッケージメディアの販売額を配信の売上が超えて何年も経過している。最初は1曲単位での販売からスタートした配信での音楽販売が、月額固定での聴き放題に移行、その月額固定となるサブスクリプション形式での音楽配信サービスに大きな転機が訪れている。新しい音楽のフォーマットとして注目を集めるDolby Atmos Music、SONY 360 Reality Audio。これらの配信を前提としたイマーシブフォーマットの配信サービスがサブスク配信上でスタートしている。いま、何が音楽配信サービスに起こっているかをお伝えしたい。 目次 いよいよ風向きが変わってきたハイレゾ バイノーラルという付加価値が始まっている イマーシブは一般的なリスナーにも届く 1.いよいよ風向きが変わってきたハイレゾ レコードからCDへとそのメディアが変わってから、音楽の最終フォーマットは44.1kHz-16bitのデジタルデータという時代がいまだに続いている。Apple Music、Spotify等のサブスクサービスも44.1kHz-16bitのデジタルデータの圧縮である。そんな現実を振り返ると、2013年頃にハイレゾ(High Resolution Audio)という言葉が一斉を風靡した際に48kHz-24bit以上(これを含む)の音源をハイレゾとするという判断は間違っていなかったとも感じる。逆に言えば、制作の現場でデフォルトとなっている48kHz-24bitというデジタルデータは、まだまだその音源を聴くユーザーの元へ届けられていないということになる。ハイレゾ音源に関しては、付加価値のある音源として1曲単位での販売がインターネット上で行われている。DVD Audioや、SACDなどハイレゾに対応したパッケージも存在はしたが、残念ながらすでに過去のものとなってしまっている。これらの音源は残念ながら一般には広く普及せず、一部の音楽愛好家の層への浸透で終わってしまった。 もちろん、その素晴らしさは誰もが認めるところではあるが、対応した再生機器が高額であったり、そもそも音源自体もCDクオリティーよりも高価に設定されていたため、手を出しにくかったりということもあった。しかし再生機器に関してはスマホが普及価格帯の製品までハイレゾ対応になり、イヤフォンやヘッドフォンもハイレゾを十分に再生できるスペックの製品が安価になってきている。 そのような中、2019年よりハイレゾ音源、96kHz-24bitの音源をサブスクサービスで提供するという動きが活発化している。国内ではAmazon Music HD、mora qualitasが2019年にサービス開始、2020年にはDeezerがスタート、海外に目を向けるとTIDAL、Qobuzがハイレゾ音源のサブスクサービスを開始している。多くのユーザーが利用するSpotifyやApple Musicよりも高額のサブスクサービスだが、ほぼすべての楽曲をロスレスのCDクオリティーで聴くことができ、その一部はハイレゾでも楽しめる。この付加価値に対してユーザーがどこまで付いてくるのか非常に注目度が高い。個人的には「一度ロスレスの音源を聴いてしまうと圧縮音声には戻りたくない」という思いになる。ハイレゾの音源であればなおのこと、その情報量の多さ、圧縮により失われたものがどれだけ多いかを思い知ることになる。あくまでも個人的な感想だが、すでにサブスクサービスにお金を支払って音楽を楽しんでいるユーザーの多くが、さらにハイクオリティーなサブスクサービスへの移行を、たとえ高価であっても検討するのではないかと考えている。 執筆時点では日本国内でのサービスが始まっていないTIDAL。Dolby Atmos、SONY 360 Reality Audio、ハイレゾすべてが聴き放題の配信サービスとなっており、ミュージシャンのJAY-Zがオーナーのサブスク配信サービスとしても有名である。Dolby Atmosを聴くためには、HiFiプランに加入してDolby Atmos対応の端末(下部製品が一例)を利用することとなる。 2.バイノーラルという付加価値が始まっている 今の音楽の楽しみ方は、スマホで再生をして、ヘッドフォンやイヤホンで楽しむ、といった形態が大部分となっている。音楽のヘビーユーザーである若年層の部屋には、ラジカセはもちろん、スピーカーの付いた製品はすでに存在していない状況にある。高価なハイレゾ対応のオーディオコンポで楽しむのではなく、手軽にどこへでも音楽を持ち出し、好きなところで好きな曲を楽しむというのがサブスクサービスの利用者ほとんどの実態ではないだろうか。 好きな音楽を少しでも高音質に楽しみたい。そんな願いを手軽に叶えてくれるのがハイレゾのサブスクサービスである。原盤が96kHz/24bitというのは、ここ数年の作品であれば存在しているものも多い。また海外からはデジタル・リマスター版として過去の名盤が多数ハイレゾフォーマットで登場している。 さらに、音楽の楽しみ方に次の時代がやってきている。Dolby Atmos MusicとSONY 360 Reality Audio(以下、Sony 360RA)という2つのフォーマット。イマーシブ(3D)の音源である。後方や天井にスピーカーを設置して聴くのではなく、バイノーラルに変換したものをヘッドフォンで楽しむ。フォーマットを作ったメーカーもそういった楽しみ方を想定し、ターゲットにして作ったものだ。そしてこれらのフォーマットは、ハイレゾサブスクサービスのさらなる付加価値として提供が始まっている。Dolby Atmos Musicであれば、Amazon Music HD、TIDAL。Sony 360RAは、Amazon Music HD、Deezer、TIDALで楽しむことができる。すべてを楽しもうというのであれば、両者とも対応のTIDALということになる。 表1 主要音楽配信サービス概要(2021年5月現在) ※画像クリックで拡大 (※1)2021年5月追記 2021年後半にはSpotifyが「Spotify HiFi」としていくつかの地域でロスレス配信に対応することを発表しました。さらには、2021年6月にはApple Musicがロスレスとハイレゾ、そして空間オーディオ(Apple製品におけるイマーシブフォーマットの呼称)への対応を発表しています。 ただし、さすがに最新のフォーマットということで少しだけ制約がある。特にDolby Atmosに関しては再生端末がDolby Atmosに対応している必要があるが、これも徐々に対応機器が増えている状況。高価なものだけではなく、Amazon Fire HDといった廉価なタブレットにも対応製品があるのでそれほどのハードルではない。Amazon Music HDでの視聴は執筆時点ではEcho Studioでの再生に限られているのでここも注意が必要だ。また、本記事中に登場するQobuz、TIDALは日本国内でのサービスは提供前の状況となる。 こちらは国内ですでにサービス提供されているAmazon Music HD。このサブスク配信サービスもDolby Atmos、SONY 360 Reality Audio、ハイレゾすべてが聴き放題。ただし、Dolby Atmos、SONY 360 Reality Audioを楽しむことができるのはAmazon Echo Studioのみという対応状況になる。 3.イマーシブは一般的なリスナーにも届く これらのハイレゾサブスクサービスの展開により、手軽にイマーシブ音響を楽しむ土壌はできあがる。バイノーラルで音楽を楽しむということが普通になるかもしれない。もちろんハイレゾを日々聴くことの楽しみもある。ここで注目をしたいのは、ハイレゾの魅力によりハイレゾサブスクサービスを楽しみ始めたユーザーが、イマーシブも追加のコスト無しで聴けるという点だ。これまでのイマーシブは興味はあっても設備に費用がかかる、スピーカーも多数必要、設置ができない、そういったハードルを超えた先にある存在だった。それが、いま手元にあるスマホとヘッドフォンでサブスクサービスの範囲内で楽しめるということになる。映画館ですらDolby Atmosの特別料金が設定されているが、ハイレゾサブスクサービスにはそれがない。多くのユーザーがその楽しさに気づくことにより、より一層制作も加速することとなるだろう。 制作側の話にも触れておこう。Proceed Magazineでは、以前よりDolby Atmos、SONY 360RAを記事として取り上げてきている。 Dolby Atmosは、7.1.2chのBEDトラックと最大118chのObject Audioにより制作される。Dolby Atmos Musicでは、バイノーラルでの視聴が前提となるため、レンダラーに標準で備わるバイノーラルアウトを使って作業を行うこととなる。となると、最終の仕上げまでDolby Atmos Production Suiteで行えるということになる。Dolby Atmosの制作に対応したPro Tools Ultimate、NUENDOがあれば、Production Suiteの追加でDolby Atmos Musicの制作は始めることができる。 https://pro.miroc.co.jp/headline/daps-90day-trial/#.YK3ozZP7TOQ SONY 360RAの制作ツールは執筆時点ではベータ版しか存在しない。(※2)まさに、ベータテスターのエンジニアから多くのリクエストを吸収し正式版がその登場の瞬間を待っている状況だ。360RAはベースの技術としてはAmbisonicsが使われており、完全に全天周をカバーする広い音場での制作が可能となる。すでにパンニングのオートメーションなども実装され、DAWとの連携機能も徐々にブラッシュアップされている。正式版がリリースされれば、いち早く本誌紙面でも紹介したいところだ。 (※2)2021年5月追記 360RA制作用プラグイン、360 Reality Audio Creative Suite (通称:360RACS)がリリースされました! 価格:$299 対応フォーマット:AAX、VST 対応DAW:Avid Pro Tools、Ableton Live ※いずれも2021年5月現在 https://360ra.com/ja/ さらなる詳細は次号Proceed Magazine 2021にてご紹介予定です。 ←TIDALの音質選択の画面。Normal=高圧縮、High=低圧縮、HiFi=CDクオリティー、Master=ハイレゾの4種類が、対応楽曲であれば選択できる。Wifi接続時とモバイル通信時で別のクオリティー選択ができるのもユーザーに嬉しいポイント。※画像クリックで拡大 ←TIDALがDolby Atmosで配信している楽曲リストの一部。最新のヒットソングから70年代のロック、Jazzなど幅広い楽曲がDolby Atmosで提供されている。対応楽曲は、楽曲名の後ろにがDolbyロゴが付いている。※画像クリックで拡大 ハイレゾサブスクサービスは、新しいユーザーへの音楽の楽しみを提供し、そのユーザーがイマーシブ、バイノーラルというさらに新しい楽しみに出会う。CDフォーマットの誕生から40年かかって、やっとデジタル・オーディオの新しいフォーマットが一般化しようとしているように感じる。CDから一旦配信サービスが主流となり、圧縮音声が普及するという回り道をしてきたが、やっと次のステップへの道筋が見えてきたと言えるのではないだろうか。これまでにも色々な試みが行われ、それが過去のものとなっていったが、ハイレゾというすでに評価を得ているフォーマットの一般化の後押しも得て、イマーシブ、バイノーラルといった新たなサウンドがユーザーにも浸透し定着していくことを願ってやまない。 https://pro.miroc.co.jp/headline/rock-on-reference-room-dolby-atmos/#.YLTeSpP7TOQ https://pro.miroc.co.jp/solution/dolby-atmos-proceed2020/#.YLTeFJP7TOQ https://pro.miroc.co.jp/headline/netflix-sol-levante-dolby-atmos-pro-tools-session-file-open-source/#.YLTd9ZP7TOQ https://pro.miroc.co.jp/headline/pro-tools-carbon-proceedmagazine/#.YLTdn5P7TOQ https://pro.miroc.co.jp/solution/mac-mini-ht-rmu/#.YLTen5P7TOQ
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2021/05/27

数量限定!! 最大86%OFF!! MASSIVE PACK 2021 !!

●Avid製品購入で対象プラグイン数量限定!最大86%OFF!! Avid対象製品をひとつ買うだけで、ROCK ON PRO厳選のプラグインがどれでも1点から破格で買えてしまうキャンペーンがスタート!驚異的なクオリティと効率的なワークフローをかつてないValueでご提供します!対象となるAvid製品は注目のHDX内臓I/O、Pro Tools Carbonからシャーシ類、ソフトウェアに到るまで多種多彩、各プラグインは数量限定です!この機会をお見逃しなく! ●MASSIVE PACK 2021 対象プラグイン!! ●参考関連記事 ・34種類ものアナログライクなモジュールで自在にサウンドメイク McDSP / 6060 Ultimate Module Collection HD〜Massive Pack Bundleプラグイン紹介! ●参考関連記事 ・最高に普通なEQプラグイン、それこそがクオリティーの証明 SONNOX Oxford EQ〜Massive Pack Bundleプラグイン紹介! ・そのプラグイン、ワザモノにつき Sonnox Oxford SuprEsser〜Massive Pack Bundleプラグイン紹介! ●参考関連記事 ・手持ちの音源から無限のバリエーションを生み出す!Le Sound AudioTexture〜Massive Pack Bundleプラグイン紹介 ●参考関連記事 ・低負荷、低遅延の秀逸Lo-FiフィルターMcDSP FutzBox 〜Massive Pack Bundleプラグイン紹介!〜 ●参考関連記事 ・最高に普通なEQプラグイン、それこそがクオリティーの証明 SONNOX Oxford EQ〜Massive Pack Bundleプラグイン紹介! ・そのプラグイン、ワザモノにつき Sonnox Oxford SuprEsser〜Massive Pack Bundleプラグイン紹介! ●参考関連記事 ・DAWの機能を「拡張」する NUGEN Producer〜Massive Pack Bundleプラグイン紹介! ●MASSIVE PACK 2021 Avid対象製品!! 厳選のプラグインと組み合わせるAvid製品はコチラ!!導入が進む新世代I/OとなるCarbon / MTRX Studio / MTRXはもちろんのこと、Pro Toolsソフトウェア、シャーシ類、オプションカードのご購入1点でも同時購入であればプラグインをMASSIVE PRICEでご提供します!!お見積もり・ご購入のご相談は専用お見積もりフォームリンクよりお寄せください!! ●I/O関連製品 ・PRO TOOLS CARBON US ¥478,500 ・PRO TOOLS MTRX STUDIO ¥650,100 ・Pro Tools | MTRX Base unit with MADI and Pro|Mon ¥650,100 ・Pro Tools | MTRX 8 Line Pristine AD card ¥272,800 ・Pro Tools | MTRX Pristine 8 DA card ¥272,800 ・Pro Tools | MTRX 8 Mic/Line Pristine AD card ¥390,500 ・Pro Tools | MTRX 2 Mic/Line Pristine AD card ¥166,100 ・Pro Tools | MTRX 8 AES3 I/O Card ¥214,500 ・Pro Tools | MTRX 64 channel IP Audio Dante Module ¥74,800 ・Pro Tools | MTRX 128 Channel IP Audio Dante Card ¥299,200 ・Pro Tools | MTRX Dual MADI I/O Card w/o SFP ¥272,800 ・Pro Tools | MTRX Dual SDI/HD/3G emb/deembed. Card w. SRC ¥357,500 ・Pro Tools | MTRX MADI Module for Base Unit ¥42,790 ・MTRX SPQ Speaker Processing Card ¥286,000 ・HD I/O 8x8x8 ¥455,400 ・HD I/O 16x16 Analog ¥585,200 ・MADI ¥585,200 ・Pro Tools | Sync X ¥390,500 ・SYNC HD ¥272,800 ・HD I/O AD Option ¥168,300 ・HD I/O DA Option ¥168,300 ・HD I/O Digital Option ¥129,800 ・Pro Tools DigiLink I/O License ¥38,830 ●PICK UP!! PRO TOOLS CARBON Built to capture brilliance – 音楽の輝きを捉えるために生まれた – Pro Tools | Carbonは、そのキャッチコピーの通りミュージック・クリエイターをメイン・ターゲットとしたプロダクトです。同時最大25in/34outの豊富な入出力、新開発のマイクプリ、インストゥルメント入力のインピーダンス可変機能、そして、大注目の内蔵HDXチップなど、機能面を見ただけでもソロからバンド編成のミュージシャン、音楽エンジニア/プロデューサーなど、音楽制作で使用するために必要十分な機能がふんだんに盛り込まれています。気になる関連記事は下記のリンクをチェック!!   ・Avidから音楽のための新I/O、Pro Tools | Carbon ~Built to capture brilliance ~<ProceedMagazine掲載記事>   ・Pro Tools|Carbon発表!! HDXパワーを追加する革新的I/O!!   ●Pro Tools Software ・Pro Tools | Ultimate Perpetual License NEW ¥337,700 ・Pro Tools | Ultimate 1-Year Subscription NEW ¥103,950 (3/31(水)まで¥51,920半額キャンペーン中!) ・Pro Tools Ult 1Y Updates+Support RENEWAL ¥48,730 ・Pro Tools Perpetual License NEW 1-year software download with updates + support for a year  ¥77,880 ・PT 1Y Softw Updates+Support Plan RENEWAL ¥24,310 ●PICK UP!! Pro Tools | Ultimate 1-Year Subscription Pro Tools | Ultimate 年間サブスクリプションが期間限定で50% OFF!!HDXシステムによるニアゼロレイテンシーでのモニタリングやパワフルなプラグインプロセッシングだけでなく、サラウンド/Dolby Atmos/アンビソニック環境でのミキシング、デストラクティブ・パンチ、Satellite Link対応など、業務使用に必須の機能を揃えたPro Tools | Ultimate。年間サポートプランが切れてしまった!という方の更新にも最適なプロモーションとなっております!3/31(水)のキャンペーン締切まで残りわずか、お問い合わせください!!   ・期間限定50%OFF!! Pro Tools | Ultimate 年間サブスクリプション March Madness Promotion ●Control surface ・Pro Tools | S3 Control Surface Studio ¥650,100 ・AVID S1 ¥168,300 ・Pro Tools | Dock Control Surface ¥129,800 ●HDX / HDNative System ・Pro Tools HD Native TB ¥129,800 ・Pro Tools HD Native TB with Pro Tools | Ultimate Perpetual License NEW ¥390,500 ・Pro Tools HDX Core ¥520,300 ・Pro Tools HDX Core with Pro Tools | Ultimate Perpetual License NEW ¥754,600 ・PT HDX TB 3 MTRX STUDIO SYS DESK ¥1,298,000 ・PT HDX TB 3 MTRX STUDIO SYS RACK ¥1,298,000 ・HDX THUNDERBOLT 3 CHASSIS,DESK ¥64,900 ・HDX THUNDERBOLT 3 CHASSIS,RACK ¥90,860 *表記価格はすべて税込となります。 厳選のプラグインとAvid製品の組み合わせでこれまでにないValueをご提供するMASSIVE PACK 2021!効率的なワークフローをバリュープライスで導入するチャンス到来です!詳細お問い合わせ、ご相談はROCK ON PRO渋谷03-3477-1776、ROCK ON PRO 梅田06-6131-3078までご連絡ください。また、お見積もりのご依頼はページ内各所の「専用お見積もりフォーム」からも可能です、お問い合わせお待ちしております!
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2021/05/26

Steinberg Nuendo 11 クロスグレードキャンペーン実施のご案内

パッケージ版Nuendo11(パッケージ版)のクロスグレードキャンペーンが開催中です。キャンペーン期間中、他社製DAWをお使いのユーザー様がNuendo 11をお得にお買い求めいただける内容となっております。 現在お持ちのライセンスをお手元に残したまま、Nuendo 11を導入いただけるチャンスです! Nuendo 11 クロスグレードキャンペーン 概要:対象DAWをお持ちのユーザー様にNuendo 11/R(パッケージ版)を40%OFFにて提供 通常価格¥110,000→特価¥66,000円(本体価格¥60,000) 期間:6/21(木)受注分まで 対象:下記、対象DAWをご所有のユーザー様 Ableton Live - Standard & Suite ※Live Intro除く Logic Pro X Avid Pro Tools Native & HD/Ultimat ※Pro Tools First除く MOTU Digital Performer Cakewalk Sonar Platinum & Professional ※Sonar Artist除く Image-Line FL Studio Signature & Producer ※Fruity Edition除く Presonus Studio One Professional ※Studio One Artist & Prime除く Propellerheads Reason ※バージョン6以降のみ Cockos Reaper commercial license ※Discounted license除く *ご購入時にお申込書へのご記入が必要です。詳細はROCK ON PROまでお問い合わせください。
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2021/05/21

あの銘機が復活!! SONY C-800G/9X 販売再開

90年代初頭から幾多のレコーディングを支え、特に日本人ボーカルに重宝されてきた銘機中の銘機であるSONY C-800G。2018年末に惜しまれつつも一度製造中止となった本製品ですが、ユーザーのアツい要望により2021年1月より生産を再開いたしました! デジタルレコーディング時代にマッチした温かみとスピード感を兼ね備えたサウンド、大きなフィンを背負った独特の形状など、長いレコーディングの歴史の中でもほかには代えられない確かな個性を持った本製品。再び生産中止となる前に、ぜひその実力をご体験ください。 ◎C-800Gを含めたSONYマイクロフォンの歴史、製造工程などについてはこちら! ソニー・太陽株式会社 国産マイクの系譜、日本が誇るべきクラフトマンシップ ◎佐々木, 清水 & 洋介のROCK ON PRO CHECK!! ◎800Gは800Gでほかに代わるものがありません 90年代から存在した定番中の定番であり、エンドユーザーからも並々ならぬ愛情を持って扱われていました。店舗でも定期的な真空管のメンテナンスで持ち込まれることも多いです。そして、800Gといえば真っ先に思いつくのがあの「フィン」。あの根本に真空管が格納されており、その放熱をペルチェ素子を用いてフィンが行うのですが、開発の結果で生み出された必然とはいえ、そのルックスがスタジオで特別な印象を放っていたのも事実、800Gのアイコンともいえます。そのサウンドも高域の伸び方が特徴的で、Neumannでもなく、Braunerでもなく、いわゆるチューブではない800Gならではのサウンド。アタックをはっきり捉えるのにその特長であるスピード感が活きます。やはり、800Gは800Gでほかに代わるものがありません。(佐々木) ◎メインソースのRecに、この先も外せない!! 800Gと出会ったのはスタジオでのアシスタント時代でした。当時レコーディング前にとりあえず800Gと67をあっためておけばOK!というほど登場機会も多く、巨大な電源ユニットが只者ではないオーラを出していて、持ち運びにも緊張していたのを思い出します。スタジオでも800Gがセッティングされると、その見た目だけですでに独特な雰囲気を出していましたし、実際のところ高価なマイクですが、個人の方でもスペシャルな1本として導入される存在であり、スタジオで導入の方も「800Gがあるとそれだけでスタジオを使ってもらえる」とも言われるほど、使う側からしてみてもオンリーワンなマイク。ほぼボーカルに使われることが多いと思われますが、「上が速い」と評されることからも特に日本人のボーカルには重宝されているのではないでしょうか。それだけではなく音像の大きいサウンドが録れるのでメインソースのレコーディングに、この先も選択肢として外せません!!(清水) ◎日本人男性ボーカル録りのベストチョイス C-800Gは男性ボーカル向けのベストチョイスかと思います。男性ボーカルは帯域が低いからなのか、母音が立たないことが多い。ソロで聴いたら言葉になっているけど、ミックスをすると埋もれがちです。でも、SONYのマイクは日本語のボーカルに特化したチューニングをしてあるので、日本語が言葉としてはっきりと聴こえてくるんです。 SONYは当時、信濃町とか六本木にスタジオを持っていたので、SONY C-800Gをはじめとするマイクはそこのエンジニアと一緒にチューニングして作ったマイクなんです。ボーカルを録りながら音を作ったので、日本人特化型ですね。今でも、ヒップホップでラップを入れたりする時はC-800Gは大定番です。(洋介) SONY C-800G/9X + AC-MC800G/9X(本体+専用電源ユニット) 販売価格 ¥1,188,000 (本体価格 ¥ 1,080,000) スタジオには「あって当たり前」とまで言われたSONY C-800G。ご購入・デモのご相談はお気軽にROCK ON PROまでお問い合わせください。
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2021/05/21

瀬川 英史 氏による劇伴音楽制作&プロジェクト管理術〜Pro Tools マスタークラス ONLINE 開催情報

Avidが第一線で活躍するエンジニアやアーティストをゲストに迎え、それぞれの作品のプロダクションについての解説が聞けるセミナー「Pro Tools マスタークラス ONLINE」。 今回は、CM音楽並びに劇伴作曲家として幅広く活躍中の瀬川 英史氏を迎え、その近況、作曲術、使用しているプロダクション・システムやワークフロー等の話を伺うとともに、劇伴音楽制作時のプロジェクト管理で使用するPro Tools上での様々なテクニックなどについても解説される内容となっています。 さらに、瀬川氏による「Pro Tools~劇伴音楽プロジェクト管理術」ビデオを制作。シリーズ全4本のうち、最初の2本をセミナーに先駆けて公開。その内容に関するご質問を事前に受け付け、セミナー当日、瀬川氏に解説して頂くという新らしい趣向のセミナーを実施。 後半のビデオ2本はセミナー上で公開。リアルタイムで皆さまからいただいたご質問にご回答いただきながら、瀬川氏がプロジェクト管理術を語ります。 公開したビデオを含む詳細、お申込みは、こちらのページにて受け付けています。 瀬川 英史 氏  岩手県盛岡市生まれ。 1986 年 CM 音楽の作曲家として活動開始、現在までに 2500 本以上 の CM 音楽を手掛ける。アメリカ、フランス、イギリス、インド、ブルガリア等海外録音の 経験も多数。近年は劇伴作曲家としての活動の場を広げている。2012 年、サウンドトラックを担当したフランス短編映画『Le Dernier Jour de l’Hiver』がフランス国立映画祭イエール・レ・パ ルミエで最高音楽賞受賞。 2020年 NHK 朝ドラ『エール』、映画『新解釈三国志』、『高津川』、NHKスペシャル『被曝の森』、TVドラマ『浦安鉄筋家族』。  公式URL : https://miraclebus.com/composer/eishisegawa 日時:2021年5月28日(金) 16:00~17:30 場所:Avid特設ページ(オンライン) 参加費:無料 参加方法:こちらのリンクより事前登録の上、ご参加ください。 *ご参加は無料ですが、事前のご登録が必要です。 *内容は予告なく変更になる場合がございます。予めご了承ください。 関連記事 https://pro.miroc.co.jp/headline/avidjapan-youtube-playlists-update-202007/#.YKeKJ2b7Q-Q https://pro.miroc.co.jp/headline/massive-pack-2021/#.YKeKpmb7Q-Q https://pro.miroc.co.jp/headline/pro-tools-2021-3-1-bug-fix/#.YKeKwWb7Q-Q https://pro.miroc.co.jp/headline/dadman-v5-4-5-mtrx-mtrx-studio-macos-bigsur/#.YKeK0Wb7Q-Q
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2021/05/17

DNxIO to DNxIQ トレードイン・プロモーション!

来年2022年3月末でサポート終了(EOS)となるAvidビデオI/O、Artist DNxIOからArtist DNxIQへのトレードイン・プロモーションがアナウンスされました。 現在、DNxIOをご使用中のユーザー様は特別価格でDNxIQへ交換アップグレードすることが可能になるプロモーションとなっております。 ぜひこの機会に、サポート終了(EOS)まで1年未満と迫ったDNxIOから新しいArtist DNxIQへの入れ替えをご検討ください。 Artist | DNxIO to DNxIQ Trade-In 期間:2021年6月15日(火)締切 通常価格¥558,800 → プロモ特価:¥487,300(本体価格:¥443,000) *ご注文時に、現在お持ちのDNxIOのSystem IDとシリアルナンバーをお知らせください。 *お買い上げから一定期間内に、DNxIOハードウェア本体をご返却いただきます。 本プロモーションの詳細につきましては、contactバナーよりROCK ON PROまで、または営業担当までお気軽にお問い合わせください。
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2021/05/14

iLok3にUSB-Cタイプが新登場!

iLok3にUSB-Cタイプが新登場です!従来のUSB-Aタイプと同様の堅牢なメタルジャケット仕様により、使用中の破損リスクを大幅に軽減。最大1500オーソライゼーション・キーを保持することが可能です。近日入荷予定となっておりますので、最新のMacBookなどへの買い替えをご検討中の方はぜひ新しいiLok USB-Cを合わせてご検討ください! PACE iLok USB-C 販売価格:¥9,130(本体価格:¥8,300) 近日入荷予定! iLok(第三世代)にUSB-Cが登場 上:USB-Aタイプ、下:USB-Cタイプ 従来のiLok USB-Aに加え、USB Type-C端子に対応したiLok USB-Cが誕生しました。 両iLokは、それまでの第二世代iLok(黒色)に比べ、3倍以上となる最大1500オーソライゼーション・キーを保持でき、2倍の転送速度でデリバリーも可能です。よりスリムに、小さくなったこの2種類の第三世代iLokはメタル・ジャケットをまとい、通常の使用ではこれまでよりも壊れにくい堅牢なデザインになっていますので、より多くの場面でご利用いただく事が可能です。 *従来のUSB-AタイプのiLok3も引き続き販売されます。 関連記事~Pro Tools最新情報をチェック! https://pro.miroc.co.jp/headline/massive-pack-2021/#.YJ4FEWb7Q-Q https://pro.miroc.co.jp/2021/04/26/syncx-exhibition/#.YJ4E_mb7Q-Q https://pro.miroc.co.jp/headline/dadman-v5-4-5-mtrx-mtrx-studio-macos-bigsur/#.YJ4FIWb7Q-Q https://pro.miroc.co.jp/headline/pro-tools-2021-3/#.YJ4FOmb7Q-Q
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2021/04/30

追悼:Al Schmitt ~伝説のエンジニア、91歳で逝去

伝説的エンジニアでプロデューサーでもあったアル・シュミット氏が、2021年4月26日、91歳で逝去されたことが報じられました。ここに謹んで哀悼の意を表するとともに、彼の残した偉大な功績を振り返りたいと思います。 シュミット氏はその70年以上にわたるキャリアを通じて、音楽史に大きな足跡を残してきました。生涯を通じて20ものグラミー賞受賞、同賞へのノミネートは36にも登ります。 彼が関わったアーティストは、Henry Mancini、Jefferson Airplane、Neil Young、George Benson、Steely Dan、TOTO、Natalie Cole、Quincy Jones、Diana Krall、Luis Miguel、Ray Charles、Norah Jones、Chick Corea、Dee Dee Bridgewater、Paul McCartney、Bob Dylan … ジャズ、オーケストラ、ロックなど多岐にわたり、また、それぞれが音楽史に大きな影響を与えた偉大な人物ばかりです。 アーティスト自身のベストヒットでエンジニアリングを務めている例も多く、George Benson 『Breezin'』、Steely Dan 『AJA』、TOTO 『TOTO IV(聖なる剣)』、Diana Krall 『The Look of Love』などは、誰しも一度は耳にしたことがある名盤中の名盤でしょう。 Al Achmitt グラミー受賞作品一覧(グラミー賞公式WEBサイト) 70年以上にわたるレコーディングキャリア アル・シュミットがプロのレコーディング・エンジニアとしてのキャリアをスタートしたのは海兵隊除隊後の1950年。彼が19歳の時でした。しかし、彼はおじであるハリー・スミスのスタジオ(東海岸で初の独立系レコーディングスタジオである Harry Smith Recording)に7歳の頃から出入りし、そこでアシスタントのようなことをしていました。そこから数えると、彼のキャリアは実に80年以上にわたったことになります。 当時はまだダイレクトカッティングの時代。そこから、ステレオ、テープレコーダー、マルチトラック、デジタル技術…彼はまさにレコーディング技術の進化をリアルに体験してきた生き字引きだったと言えるでしょう。 1950年のApexからキャリアをスタートし、同スタジオが倒産した後、Fulton Studioに移ったシュミット氏ですが、1958年に西海岸に拠点を移すまでの間、同僚だったトム・ダウドやボブ・ドハーティから多くのことを学んだといいます。 1958年、Radio Recordersのハウスエンジニアとなったシュミット氏は主にRCAのレコーディングに従事し、多くの作品に参加します。その後、RCAのスタッフプロデューサーとなった彼はJefferson Airplainをはじめとしたアーティストのプロデュースを担当しますが、エンジニアリングへの情熱を捨て切れず、1967年にエンジニア/プロデューサーとして独立します。 その後は、エンジニア/プロデューサーとして数多くの作品に携わり、特にプロデューサーのトミー・リピューマとのコンビによる作品はいくつものグラミー賞を受賞しています。 2015年にはHollywood Walk Of Fameの星を受賞、彼の名が記された星は彼が数々の作品を生み出したキャピトルレコードのビルの前に設置されました。 卓越したマイキング・テクニック アル・シュミットの技法の大きな特徴は、その類稀なマイキング・テクニックだったと言えるでしょう。 彼のレコーディング哲学は、「パートを録るのではなく、今、ここでアーティストがつくりだしている音楽を録るんだ」というものでした。コントロールルームとブースを何度も行き来し、モニタースピーカーから鳴っている音がアーティストが出している音と同じになるようにしていたといいます。 EQを使用することを好まず、音色が違うと思ったときはマイクの角度を調整し、それでもダメな時はマイク自体を交換していました。 また、真空管の音色を好み、西海岸に移った際にはその音色は彼のトレードマークとして重宝されたというエピソードもあります。当時はマイクの代理店が東海岸に集中しており、NYCでキャリアをスタートした彼は若い頃から真空管マイクに親しんでいたようです。 コンプレッサーもほとんど使用しないシュミット氏ですが、真空管のあたたかみを加えるためだけにアウトボードを挟むことはよく行っていたようです。 そうした技法を駆使したシュミット氏ですが、何よりも大切にしていたのは「アーティストが気分よく演奏できる環境を整えること」でした。 マイクの設置は譜面やアイコンタクトの邪魔にならない位置を注意深く探り、シンガーが「ビッグバンドをバックにして歌いたい」と言えばそれに応じるといった具合に、アーティストの希望を叶えた上でベストを尽くすというスタンスを生涯貫いていたようです。 知識とノウハウの共有 アル・シュミット氏は、その膨大なキャリアで培われた知識とノウハウを惜しみなく共有したことも特筆に値します。 特に近年は自伝的な本や自身のマイキング・テクニックを解説した本を執筆したり、Chuck Ainlay、Elliot Scheiner、Frank Filipetti、George MassenburgらとMETAllianceを設立、また、自身のミキシングを再現するプラグインを監修したりと、更新の育成にも力を入れていました。 「隠さなければならないことなど何もない」というオープンな人柄もまた、彼の大きな魅力だったのではないでしょうか。 書籍 Al Schmitt on the Record: The Magic Behind the Music(Hal Leonard Online) アル・シュミット氏の自伝的書籍。本記事で言及した内容をはじめ、数多くのエピソードが掲載されています(英語)。   AL SCHMITT ON VOCAL AND INSTRUMENTAL RECORDING TECHNIQUES〜アル・シュミット流 ボーカル・楽器録音術〜(ROCK ON PRO) アル・シュミット氏のマイキング・テクニックや、お気に入りの機材について解説された書籍の日本語版です。 映像 Al Schmitt on Using Microphones(Groove 3) マイキングについてのビデオ教材(英語)   The Art of Recording a Big Band(Groove 3) ビッグバンド・レコーディングに特化したビデオ教材(英語) プラグイン LEAPWING AUDIO AL SCHMITT(SONICWIRE) アル・シュミット氏自身の監修による、彼の技法を凝縮したプロセス・プラグインです。 レコーディングの歴史上、もっとも偉大なエンジニアのひとりがこの世を去ったことは私たちにとって大きな悲しみです。望みがあるとすれば、それは彼が残した膨大な作品のすべてが素晴らしいものであり、誰もがその中からお気に入りの1枚を見つけることができるだろうということです。 Thank you, Mr. Albert Harry Schmitt. ご冥福をお祈りいたします。
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2021/04/26

Pro Tools | Sync X 、Rock oN渋谷店、梅田店にて店頭展示中!

先月発表されたAvid Pro Tools | Sync X。ただ今、Rock oN渋谷、梅田の店頭にて実機を確認することができます。※ご来店・ご相談は完全予約制となっております。こちらのページのフォームからご予約ください→https://www.miroc.co.jp/news/antenna-shibuya/lets-ask-rock-on/ Pro Tools | Sync X 発売開始!待望のVideo Reference Gen機能を搭載!! Pro Tools | Sync X 販売価格:¥390,500(本体価格:¥355,000) >>製品概要はこちら https://pro.miroc.co.jp/headline/pro-tools-sync-x/#.YIYl5CVUuEc いざ、開封の儀! ※画像クリックで拡大 外箱の外観: MTRX StudioやCabonと同じ1Uなので、比較的コンパクトなサイズ感です。 ※画像クリックで拡大 同梱品:  ・Pro Tools | Sync X interface 本体 ・Power cable 電源ケーブル ・Serial cable シリアルケーブル ・BNC cables (2) BNCケーブル ・MIDI breakout cable MIDIブレイクアウトケーブル ・Rackmount screws and desktop feet ラックマウント用のねじとデスク置き用のゴム足 ・Registration card レジストレーション用カード ・Documentation 書類 2枚のOLEDディスプレイでより見やすく 筐体右側にはクールな"PRO TOOLS | SYNC X"という文字が。※画像クリックで拡大 起動時には一瞬AVIDのロゴが表示されます。※画像クリックで拡大 2枚のOLEDディスプレイでメーター表示も明るく見やすいですね。 1ページ目はサンプルレートとビデオリファレンスの設定が表示されています。※画像クリックで拡大 ディスプレイ横のボタンで設定項目を変更できます。2ページ目はクロックリファレンスと検出レート、VSOの設定画面です。※画像クリックで拡大 同様に3ページ目はビデオリファレンスソース、選択レート、検出レートの設定画面です。※画像クリックで拡大 4ページ目はポジショナルリファレンス、プルアップの設定、ファームウェア情報とリセット方法が表示されています。※画像クリックで拡大 いま、ROCK ON PROでAVID製品買うとプラグインが特別価格で入手可能! Pro Tools関連製品と同時購入で、iZotope Music Production Suite、RX Post Production Suite、WAVES Mercuryなどの人気プラグインが最大86% OFFの特別価格で手に入るMASSIVE PACK 2021。 Pro Tools永続ライセンスはもちろん、年間サポートプラン更新も対象となる本プロモーションは各プラグイン数量限定の早いもの勝ちです! 「Pro Toolsを使い始めたいけど、どんなプラグインを買っていいかわからない」 「Pro Toolsを最新版にするついでにプラグインを買い足そうか検討している」 「人気のiZotopeやWavesプラグインをお得に手に入れたい」 そんなユーザー様は、こちらの記事で詳細を確認!専用お見積もりフォームからお問い合わせください!
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2021/04/22

MTRX / MTRX StudioがmacOS Big Surに対応!DADman v5.4.5 リリース

Pro Tools | MTRX、または、Pro Tools | MTRX Studioを使用するユーザー様に朗報です!両機種のコントロールソフトウェアであるDADmanの最新バージョンとなるv5.4.5がリリースされ、待望のmacOS Big Sur対応を果たしました。 これにより、MTRXまたはMTRX StudioをI/OとしたPro ToolsシステムをmacOS Big Surで使用できるようになりました。 *Apple シリコン(M1)コンピュータは未対応ですのでご注意ください。 macOS 11 (Big Sur) と Avid 製品の対応状況(Avid Knowledge Base 日本語) Pro Tools システム要件(Avid Knowledge Base 日本語) HDXシステムがmacOS Big Surに完全対応 Pro Tools 2021.3のリリースにより、Pro Tools ソフトウェア自体はすでにmacOS Big Surに対応していました(バグ修正版の2021.3.1が最新)が、Pro Tools 2021.3リリース時には、Pro Tools | MTRXとPro Tools | MTRX StudioのコントロールソフトウェアであるDADmanはmacOS Big Surに未対応でした。 そのため、Pro Tools | MTRX、及び、Pro Tools | MTRX StudioをI/Oとして使用しているユーザー様は、事実上、macOS Big Surにアップデートすることができませんでした。 さらに、Pro Tools | MTRX、または、Pro Tools | MTRX StudioをI/OとしたHDXを新規に構築する際、macOS Big SurがプリインストールされたMacを使用できないという大きなデメリットがありました。 今回のアップデートでは、そのDADmanがついにmacOS Big Surへの対応を果たしたのです! これにより、AvidのフラッグシップI/OであるPro Tools | MTRXや、Pro Tools | MTRX Studioを使用したPro Tools HDXシステムがmacOS Big Surに完全に対応したことになり、既存ユーザーのOSアップデートはもちろん、新規導入時の機材選定が大幅に広がりました。 大規模/中規模プロダクションを最新の環境で AvidのフラッグシップI/OであるPro Tools | MTRXは最大8基のオプションカードの組み合わせによる、ユーザーに合わせた柔軟な構成を取れることがひとつの大きな魅力。 その幅広いラインナップはアナログ、デジタルはもちろん、MADIやDanteまでカバーします。さらに、SPQカードをインストールすれば1台のI/Oで音場補正まで担うことができます。 Pro Tools | MTRXのもう一つの魅力は、その名が示す通り1500 x 1500のクロスポイントを持つ巨大なルーティングマトリックス機能を内蔵している点。 コントロールサーフェス Pro Tools | S6 / S4とのインテグレーションにより、複雑なモニターコントロールセクションを直感的に扱うことを可能にするなど、まさに、スタジオの核となるI/Oです。 https://pro.miroc.co.jp/works/shochiku-proceed2020/#.YIEPuKn7Q-Q Pro Tools | MTRX Studioは、MTRXの基本的な機能とクオリティはそのままに、規模を縮小することでよりコンパクトで導入しやすい形に落とし込んだモデル。 DigiLink I/Oはもとより、マイクプリ、アナログLINE、ADAT、Danteがオンボードで搭載され、音場補正機能までが内蔵された、1Uの筐体からは想像できない機能がつまったI/Oです。 HDXカードとMac miniを収納可能なThunderboltシャーシとのバンドル購入が可能であるなど、大規模ポストプロダクションのダビング用システムや中規模プロダクションへの新規システム導入が容易な点も大きな特徴です。 https://pro.miroc.co.jp/headline/mtrx-studio-review/#.YIEJBqn7Q-Q M1チップへの対応時期は未定 DADmanのアップデートで待望のmacOS Big Sur対応を果たしたPro Tools | MTRX / MTRX Studioですが、Apple シリコン(M1)コンピュータには未対応のまま(正確には、「正式サポートしておりません」という表現)です。 システムの新規導入をご検討の方は、Macの機種選定の際にご注意ください。 M1チップへの対応時期については未定ですが、Pro Toolsとタイミングを合わせて対応してくれるとありがたいですね! Pro Tools関連製品をご検討中の方は要チェック! この記事を読んで、「Pro Tools | MTRXを検討しようかな」、「自分のスタジオにはPro Tools | MTRX Studioがぴったりかも!」と思った方は、ぜひ以下もチェックしてください! Pro Tools関連製品と同時購入で、iZotope Music Production Suite、RX Post Production Suite、WAVES Mercuryなどの人気プラグインが最大86% OFFの特別価格で手に入るMASSIVE PACK 2021。 Pro Tools永続ライセンスやPro Tools関連ハードウェアはもちろん、年間サポートプラン更新も対象となる本プロモーションは各プラグイン数量限定の早いもの勝ちです! ぜひ、こちらの記事で詳細を確認!専用お見積もりフォームからお問い合わせください! https://pro.miroc.co.jp/headline/massive-pack-2021/#.YIEaIan7Q-Q その他、Pro Toolsやオーディオシステムのご相談はお気軽にROCK ON PRO までお問い合わせください。
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2021/04/20

重要なバグフィックスを含むPro Tools 2021.3.1がリリース

Pro Tools 2021.3.1がリリースされました。2021.3からの機能追加はありませんが、ふたつの重要なバグフィックスが含まれています。年間サポートプランが有効期間中のユーザー様はAvid Master Accountからダウンロードが可能となっています。2021.3をご使用のユーザー様はアップデートをご検討ください。 修正されたバグ ・Pro Tools 初期設定に「並列タスク最適化」が表示されていない問題を修正 ・ナイフエッジ・オートメーションの不具合を修正 各修正内容の詳細は下記をご覧ください。 https://pro.miroc.co.jp/headline/dadman-v5-4-5-mtrx-mtrx-studio-macos-bigsur/#.YISjBan7Q-Q 「並列タスク最適化」が表示されない問題を修正 Pro Tools 2021.3のリリースにより、それまでPro Tools | Ultimateでしか使用できなかった「並列タスク最適化」機能がnon-UltimateのPro Toolsでも使用できるようになりました。 しかし、2021.3では初期設定→プロセッシング→その他のエリアに表示されるはずの「並列タスク最適化」は表示されていませんでした。 Pro Tools 2021.3.1ではこの問題を修正し、non-UltimateのPro Toolsでもこの機能を使用することができるようになっています。 Pro Toolsはマルチコア互換ですが、オーディオの処理は主にシングルスレッドで実行されます。「並列タスク最適化」機能はCPU最適化を行い、波形計算、ネットワークのコピー/アクセス、ワークスペースといった作業のためにオーディオとは別のコアを使用することができるようになります。 ナイフエッジ・オートメーションの不具合を修正 Pro Tools 2021.3では、「オートメーションを編集に追従」をオンにしても、クリップエンドにオートメーションのあるクリップをドラッグして拡張した時に、オートメーションが追従しないという課題がありました。 Pro Tools 2021.3.1ではこの課題が修正され、これまで通り、「オートメーションを編集に追従」がオンの時にオートメーションがクリップの拡張に追従するようになりました。 画像の上側は2021.3のスクリーンショットです。クリップの右端を外側へトリムすると、ボリュームオートメーションはトリムに追従せず、クリップの途中で急にレベルが上がっています。   画像の下側が2021.3.1のスクリーンショットです。「オートメーションを編集に追従」がオン(初期設定)の際、ボリュームオートメーションがトリムを開始した点からなだらかに上昇しているのがわかります(=2020.12までの挙動に戻りました)。 Pro Tools関連製品を検討中の方は要チェック〜数量限定! MASSIVE PACK 2021 !! Pro Tools関連製品と同時購入で、iZotope Music Production Suite、RX Post Production Suite、WAVES Mercuryなどの人気プラグインが最大86% OFFの特別価格で手に入るMASSIVE PACK 2021。 Pro Tools永続ライセンスはもちろん、年間サポートプラン更新も対象となる本プロモーションは各プラグイン数量限定の早いもの勝ちです! 「Pro Toolsを使い始めたいけど、どんなプラグインを買っていいかわからない」 「Pro Toolsを最新版にするついでにプラグインを買い足そうか検討している」 「人気のiZotopeやWavesプラグインをお得に手に入れたい」 そんなユーザー様は、こちらの記事で詳細を確認!専用お見積もりフォームからお問い合わせください! その他、Pro Toolsやオーディオシステムのご相談はお気軽にROCK ON PRO までお問い合わせください。
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2021/03/26

Pro Tools 2021.3 リリース!MacOS BigSur、Pro Tools | Sync X 対応ほか新機能も追加!!

Pro Tools 2021.3がリリースされました。待望のMacOS BigSurへの正式対応のほか、新製品Pro Tools | Sync Xへの対応、キーボードでの MIDI入力、ALACのインポート、さらに、Dolby Atmosやネットワークドライブを使用したワークフローを加速させる新機能など、音楽制作・ポストプロダクションを問わずすべてのユーザーに便利に新機能が実装されています。 2021.4.22 更新 DADman v5.4.5のリリースにより、Pro Tools | MTRXとPro Tools | MTRX StudioがmacOS BigSurに対応しました。 MTRX、MTRX StudioのmacOS BigSur対応について、詳細はこちらの記事をご覧ください。 2021.4.20 追記 Pro Tools 2021.3に含まれていた重大なバグを修正した、Pro Tools 2021.3.1がリリースされています。 Pro Tools 2021.3.1についての詳細はこちらの記事をご覧ください。 Pro Tools関連製品のご購入を検討中の方はこちらもチェック! macOS Big Sur対応 Pro Tools | Carbon、Pro Tools | HDX、Pro Tools | HD Native hardwareなどのハードウェアを含むPro Toolsのすべての機能が、Intelベースのコンピューター上でのmacOS BigSurに対応いたしました。 *DADManは本記事執筆時点でBigSur未対応です。Pro Tools| MTRX、Pro Tools | MTRX Stuioをご使用のお客様はmacOSをBigSurにアップデートするのはお控えください。 DADman v5.4.5のリリースにより、Pro Tools | MTRXとPro Tools | MTRX StudioがmacOS BigSurに対応しました。 MTRX、MTRX StudioのmacOS BigSur対応について、詳細はこちらの記事をご覧ください。 (2021.4.22 更新) その他のAvid製品のmacOS BigSur対応状況はこちらからご確認いただけます。 Pro Tools | Sync X対応 同日に発表されたAvidの新ハードウェアPro Tools | Sync Xに対応するのは、Pro Tools 2021.3からとなります。Pro Tools | Sync Xについての詳細はこちらからご確認ください。 バーチャルMIDIキーボード Mac/PCのキーボードによるMIDIの入力が可能になりました。モバイル環境や移動中でも、インスピレーションを逃さずに楽曲を制作することが可能になります。 ダークテーマの視認性改善 Pro Tools 2020.11から選択できるようになった"ダークテーマ"GUIの視認性が向上しています。トラックステータスやエディットセレクト、また、各ボタンがより見やすくなるよう改善が施されています。 Dolby Atmos関連機能の改善 Dolby Atmos関連では下記のような改善が施されています。どれも、制作のスピードを劇的に改善すると同時に、どこにいても制作を続けられるようになるような機能です。 ステレオオブジェクトトラックの作成に対応 フォールドダウンにベッドを含められるように ネットワークサーバー接続時にもローカルにバウンスできるように   HD Driverの最適化 macOS BigSur対応に際して、ほかのPCIeデバイスとのコンフリクトを最小限に抑えるよう、HD Driverの最適化も施されています。このアップデートを施すためには、こちらを参考にHD Driverのアップデートを行ってください。 ダイナミックトランスポートの改善 Pro Tools 2020.11からダイナミックトランスポートの挙動が変わりました。今回のアップデートにより、従来通りの挙動も再び選択できるようになりました。 具体的には、選択範囲をループ中に別のタイムラインを範囲選択した場合、次のどちらの挙動を取るかを選ぶことができます。 再生中に別の範囲を選択したらすぐに、新しい選択範囲を再生する 再生中に別の範囲を選択すると、現在の範囲の最後まで再生したあと、新しい選択範囲を再生する(現在の範囲より前のタイムラインを選択した場合は、新たな選択範囲へはジャンプしません)   MIDIアウトプット設定の保存 トラックプリセット作成時とトラックインポート時に、Instrument/MIDIアウトプットのアサインが選択できるようになりました。 低解像度の波形表示に対応 ネットワークストレージや速度の遅いHDDなどにセッションを保管している際、必要なキャッシュをすべて読み込み終えるまでの間、低解像度の波形で代用することができるようになりました。これにより、Pro Toolsのパフォーマンス/応答速度の定価を防ぎ、スムースなワークを実現します。 この機能はデフォルトではOFFになっているので、ProcessingタブのMiscセクションで‘While loading waveforms, display in low resolution’をイネーブルにしてください。 MOVバウンス機能の強化 2020.11ではパブリックベータだったBounce Mix to MOV機能が正式リリースとなりました。また、Audio only MOVバウンス機能が追加されています。さらに、いくつかのステムフォーマットが追加され、Mono / Stereo / 5.0 / 5.1 / 6.0 / 6.1 / 7.0 / 7.1 / 7.1 SDDS フォーマットでのMOVバウンスが可能になっています。 パラレルタスクの最適化 パラレルタスクの最適化が施され、Workspaceのインデックス作成、波形演算、エラスティックオーディオのレンダリングなどのマルチスレッド処理速度が向上しています。 2021年3月31日まで!今ならPro Tools | Ultimate サブスクリプションが50% OFF!! 待望のmacOS BigSur対応をはじめ、ワークフローを確実に効率化できる新機能が多数実装されたPro Tools 2021.3。「ぜひアップデートしたいけれど、年間サポートが切れていて…」というPro Tools | Ultimateユーザーは必見!のプロモーションは期限が目前に迫っています!! もちろん、Pro Tools | Ultimate新規導入ご検討中の方にも絶好の機会。詳細はこちらの記事をご覧ください。 Rock oN Line eStoreでのご購入はこちらから!>> Pro Tools関連製品のご購入を検討中の方はこちらもチェック!
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2021/03/26

Pro Tools | Sync X 発売開始!待望のVideo Reference Gen機能を搭載!!

Avidより、SYNC HDの後継機となる新しい同期デバイス Pro Tools | Sync Xが発表されました。待望のVideo Referenceジェネレーター機能を搭載したほか、外部からのVideo Refの自動検知、10MHzクロックへの対応など、現代のオーディオポストワークフローに欠かせない機能が追加されています。 Pro Tools関連製品のご購入を検討中の方はこちらもチェック! 製品概要 Pro Tools | Sync X 販売価格:¥390,500(本体価格:¥355,000) 現代のオーディオポスト・プロダクションで使用されるあらゆるフォーマットに対応し、オーディオのサンプルとビデオのフレームエッジを精緻に同期させることができるPro Tools | Sync X。SYNC HD以来の待望のアップデートとなる本製品は、マルチオペレーションを行う大規模なポストプロダクションはもちろん、ビデオとの同期を必要とするあらゆるオーディオポスト業務に素早く精確なワークフローを提供します。 Word Clock I/O 1 x BNC input / 6 x BNC outputs 対応サンプルレート 44.1 / 48 / 88.2 / 96 / 176.4 / 192 kHz Video Reference I/O 1 x BNC input / 2 x BNC outputs ビデオリファレンス・ジェネレーター 4 x BNC outputs 対応ビデオリファレンス NTSC / PAL / Slow PAL - 23.976 / Slow PAL - 24 / 720p - 23.976 / 720p - 24 / 720p - 25 / 720p - 29.97 / 720p - 30 / 720p - 50 / 720p - 59.94 / 720p - 60 / 1080i - 47.95/1080psf - 23.976 / 1080i - 48/1080psf - 24 / 1080i - 50/1080psf - 25 / 1080i - 59.94/1080psf - 29.97 / 1080i - 60/1080psf - 30 / 1080p - 23.976 / 1080p - 24 / 1080p - 25 / 1080p - 29.97 / 1080p - 30 / 1080p - 50* / 1080p - 59.94* / 1080p - 60* *外部からの1080p - 50、1080p - 59.94、1080p - 60ビデオリファレンスに同期することは可能ですが、これらをジェネレートすることはできません。 その他の入出力 10 MHz Input、AES3id I/O、AES3 I/O、Loop Sync I/O、LTC I/O、GPIO, Bi-Phase/Tach, Pilot、MIDI Output 仕様詳細はこちらからもご確認いただけます。 SYNC HDとの比較 Pro Tools | Sync Xでは、SYNC HDにはなかった下記のような機能が追加されています。 倍精度クロックによる同期性能の向上 ビデオリファレンス・ジェネレーター 入力ビデオリファレンスの自動検知 温度補償オシレーターによる安定したクロック 10MHzクロック入力への対応 高解像度有機LEDフロントパネル ワードクロック出力が6つに増加 一方で、Video In / VITCは非対応となっており、また、現状ではスタンドアローン使用時にLTCをジェネレートできなくなっている点は注意が必要です。 Pro Tools | Sync Xをビデオでチェック! Pro Tools | Sync Xの概要、セッション設定、ファームウェアアップデートの方法をムービーでチェック!日本語版は公開され次第、こちらのページでアップデートいたします。 待望の機能追加だけでなく、本体のクロック性能も改善が試みられているPro Tools | Sync X。プロフェッショナルなオーディオポストプロダクションには必須とも言える本機のデモ、ご購入のご相談は下記contactバナーよりROCK ON PRO までお気軽にご相談ください。 ROCK ON PRO では、その他Pro Toolsシステムをはじめとしたシステム設計も承っております。みなさまからのお問い合わせをお待ちしております。 Pro Tools関連製品のご購入を検討中の方はこちらもチェック!
Sales
2021/03/25

【3/31まで延長!!】期間限定50%OFF!! Pro Tools | Ultimate 年間サブスクリプション March Madness Promotion

2021.3.25 追記:ご好評につき、3月31日(水)までのキャンペーン延長が決定いたしました! Pro Tools | Ultimate 年間サブスクリプションが期間限定で50% OFF!!HDXシステムによるニアゼロレイテンシーでのモニタリングやパワフルなプラグインプロセッシングだけでなく、サラウンド/Dolby Atmos/アンビソニック環境でのミキシング、デストラクティブ・パンチ、Satellite Link対応など、業務使用に必須の機能を揃えたPro Tools | Ultimate。年間サポートプランが切れてしまった!という方の更新にも最適なプロモーションとなっております! AVID マーチ・マッドネス・プロモ:期間限定でPro Tools | Ultimate年間サブスクリプショ50%オフ Pro Tools | Ultimate Subscription License - Annual Paid Up Front(年間サブスクリプション) 通常価格:¥103,950 → プロモ特価:¥51,920(本体価格:¥47,200) 期間:2021年3月8日(月)〜3月26(金)3月31日(水)まで延長!! 対象:Pro Tools | Ultimate年間サブスクリプション 新規ライセンス *サブスクリプション更新ライセンスは本プロモーション対象外となります。 *EDUライセンスは本プロモーション対象外となります。 本プロモーションに関するお問い合わせのほか、Pro Toolsをはじめとしたシステム設計、デモのご相談等は下記contactボタンよりお気軽にROCK ON PROまでご連絡ください。
Solution
2021/03/23

配信環境グレードアップ作戦!〜ヘッドセットマイクでパフォーマンスと声の明瞭度をアップ!!

コロナの影響もあり、Youtube等での配信にすでにチャレンジされた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか? カメラ、ビデオ・スイッチャーなどを揃えれば、まずは配信をおこなうことは出来るようになります。 そして、次のステップとしてオーディオミキサーで効果音や、音楽などを加えることにチャレンジ。 次のステップとしては、何があるか?そう考えると、喋っている音をクリアに聞かせるためのマイクが必要ということになるかと思います。 デスクトップタイプのスタンドにSHURE SM58などを準備してもよいですが、両手がフリーになるヘッドセットタイプのマイクをここではご紹介したいと思います。 ヘッドセットマイク?ラベリアマイク? ラベリアマイクもヘッドセットマイクも、大きなくくりとしては同じものです。なぜなら、ラベリアマイク=小型マイクということだからです。 ラベリアマイクを耳掛けできるようにしたものがヘッドセットマイクです。 ラベリアマイクは、代表的な形状としてタイピン型のマイクで襟などにクリップで取り付けるものがあります。撮影の現場などでは、更に小型のマイクを襟の裏側などに仕込んだりということも行われます。 マイクの存在を画面に写さずにその効果を得ることが出来るのが特徴と言えるでしょう。 別に画面に写っても構わないというケースがほとんどだと思われるYoutubeなどの配信では、できるだけ口元の近くで集音の出来るヘッドセット型の製品のほうが有利と言えるでしょう。 音源=口元のできるだけ近くにマイクを設置することが出来る、ということは、言葉を明瞭に捉えることだけでなく、部屋のノイズ(空調音や、ファンノイズ)を低減させることにもつながる一石二鳥のチョイスとなります。 言葉を明瞭にすることのメリットは言うまでもありませんし、両手の塞がらないヘッドセットタイプはこれまで通りのパフォーマンスを可能とします。 ヘッドセットマイクには、片耳掛けと、両耳掛けがあります。それほど激しい動きのない場合はどちらでも良いでしょうが、やはり両耳掛けのほうが一般的には安定します。 ステージなどでのダンスを伴うようなシーンでは逆に片耳掛けで頬に透明テープなどで固定すると行ったことも行われますし、ヘアスタイルに影響の少ない片耳掛けは女性に好まれるといった側面もありますので、ここのチョイスはまさにケースバイケースといったところではないでしょうか。 おすすめヘッドセットマイク audio technica PRO8HE 販売価格:¥ 10,456 (本体価格:¥ 9,505) 高磁力マグネットを搭載したダイナミックマイクロフォン。ファンタム電源不要のため、オーディオミキサーの仕様を選ばず手軽に導入できます。 軽量のヘッドバンドとクッション性の良いサポートパッドを採用し、快適で安定した装着感を実現。マイク本体はフレキシブルに角度を変えられるだけでなく、左右どちらでも使用可能。ハイパーカーディオイド特性により、背面や側面からの不要な音をアイソレート。求める音源を確実に収音し、卓越したハウリングマージンを実現します。 Rock oN Line eStoreでのご購入はこちらから>> SHURE SM35-XLR 販売価格:¥ 19,250 (本体価格:¥ 17,500) ライブパフォーマンス向けマイクでは定番ブランドと言えるSHUREのヘッドセットマイク。激しいパフォーマンス中でも安定した収音が可能な設計となっています。ヘッドセットマイクはワイヤレスでの使用が想定されたものが多い中、こちらは標準的なXLRで接続可能。 ROCK ON PRO presents ACSU 2020 Onlineでメインの出演者に使用されたのもこのモデルです。 Rock oN Line eStoreでのご購入はこちらから>> SHURE BLX14J/P31-JB 販売価格:¥ 44,000 (本体価格:¥ 40,000) ライブパフォーマンスや講義・講演などでは圧倒的に便利なワイヤレスシステム。その利点はWEB配信になっても変わりません。 ライブに強いSHUREはワイヤレスにも当然強い!ということで、お求めやすいエントリーモデルのワイヤレスシステムを紹介致します。 BLX14JはB帯(800MHz帯)対応のワイヤレスレシーバー。耐久性に優れ、簡単なセットアップでわかり易いコントロール機能、ワンタッチで操作できるQuickScanなどの機能により簡単にセットアップできます。 Rock oN Line eStoreでのご購入はこちらから>> Line 6 XD-V55HST 販売価格:¥ 52,800 (本体価格:¥ 48,000) こちらはLine 6の2.4GHz帯対応デジタルワイヤレスシステム。 付属するヘッドセット・システムは安定しているだけでなくセッティングを調整でき、ハイエンドの無指向性マイク・カプセルとダイナミック・フィルターにより不要なポップやバックグラウンド・ノイズを低減できます。 リンク先はマイクのカラーがタンのモデルですが、ブラックモデルもラインナップされています。そちらをご希望の際はぜひRock oN Line eStoreへお問い合わせください! Rock oN Line eStoreでのご購入はこちらから>> Rock oN Line eStoreに特設コーナーが誕生! Rock oN Line eStoreでは、カメラからスイッチャー、配信や収録向けのマイクなど、映像制作に関わる機材を集めた特設コーナーを新設している。本記事に挙げた個別の機材が購入できるのはもちろん、手軽なセット販売や、スタッフに相談できる問い合わせフォームなどもあるので、ぜひ覗いてみてほしい。 eStore特設コーナーへ!!>>
Event
2021/03/12

新製品紹介無償オンラインセッション + DaVinci Resolve トレーニング~BMD ATEM Mini & Camera アップデート記念!

新製品が発表されたばかりのBlackmagic Designから、新製品の全貌を明らかにする無料オンラインセッションの案内がございました。お求めやすい価格でありながら業務機に匹敵する高品質な製品で映像業界をリードするBlackmagic Designの"いま"をキャッチアップする絶好の機会です! 同時に、Blackmagic Designの端緒とも言えるオールインワンの映像編集ソフト『DaVinci Resolve』の有償トレーニングの次回開催予定も発表されています。学生は無料で受講できるこのトレーニング、技術的なステップアップを目指す方はぜひご参加をご検討ください。 ATEM Mini & Camera アップデート記念!新製品紹介無償オンラインセッション 本セッションでは、新製品の全貌をご紹介致します。既に製品をご購入頂いた方はもちろん、今後導入を検討されている方や、また遠方の方もオンライン開催となっておりますので是非ご参加下さい。 又セッション後半にはQ&Aのお時間も設けておりますので、全てのユーザーにとって有意義なイベントとなってます。 日時:3月19日(金)15:00-17:30 場所:ZOOMによるオンラインセッション 参加費:無料 お申し込み:ご参加をご希望の方は、こちらよりお申し込みをお願い致します。 セッション内容: • ATEM Mini Extremeシリーズご紹介
- • Blackmagic Web Presenter HDご紹介- • Blackmagic Pocket Cinema Camera 6K Proご紹介- • Q&A- DaVinci Resolve 16 オンライントレーニング DaVinci Resolve 16 - Edit Basic Training 映像編集ソフト初心者のお客様から安心して映像編集を学べるコースです。 日時:3月24日(水)13:30-17:30 場所:ZOOMによるオンラインセッション 参加費:一般:20,000円(税抜) 学生:無料 *学生証の確認をさせていただきます。 お申し込み:ご参加をご希望の方は、こちらよりお申し込みをお願い致します。 *受講の際にはデュアルモニターをご用意ください(トレーナー側の映像を表示するものと、ご自身でDaVinci Resolveを操作するためのもの)。 例えばラップトップ+スマホといった組み合わせでも受講いただけます。 DaVinci Resolve 16 - Color Basic Training カラーグレーディングを集中的に学べるコースです。 日時:3月25日(木)13:30-17:30 場所:ZOOMによるオンラインセッション 参加費:一般:20,000円(税抜) 学生:無料 *学生証の確認をさせていただきます。 お申し込み:ご参加をご希望の方は、こちらよりお申し込みをお願い致します。 *受講の際にはデュアルモニターをご用意ください(トレーナー側の映像を表示するものと、ご自身でDaVinci Resolveを操作するためのもの)。 例えばラップトップ+スマホといった組み合わせでも受講いただけます。 いづれもオンラインセミナーアプリのZOOMを使ったウェビナー形式のため、遠方の方でも参加しやすくなっております。今まで参加できなかった皆様も、この機会にぜひご参加ください。
NEWS
2021/03/09

【重版発刊!】Rock oNから日本語版が出版!Al Schmitt本人によるマイクテクニック解説!!

●本書第2刷発行のご案内 平素はROCK ON PROならびに、Rock oN各ストアをご利用いただき誠にありがとうございます。   本書初版分につきましては多くのお客様からご注文をいただき早々に完売となりました、誠にありがとうございました。お時間を頂戴しておりました第2刷分について、Rock oN各ストアでの販売を再開いたしましたので改めてご案内申し上げます。また、ご予約をいただきましたお客様へも順次発送を行ってまいります。到着までご猶予をいただければ幸いです。   以上、引き続きご愛顧のほど宜しくお願い申し上げます。 23に及ぶグラミー受賞、160ものゴールド/プラチナ・ディスク獲得、そして、ハリウッド・ウォーク・オブ・フェームの星を与えられた彼が、50年以上のキャリアの中で積み重ねてきたレコーディングのためのノウハウを、惜しみなく披露した著作『AL SCHMITT ON VOCAL AND INSTRUMENTAL RECORDING TECHNIQUES』の日本語版がついに出版されます。 ジョージ・ベンソン『Breezin'』、スティーリー・ダン『Aja』をはじめ、フランク・シナトラ、ナタリー・コール、TOTO、ジェファーソン・エアプレイン、ニール・ヤング、さらにはボブ・ディランやポール・マッカートニーの近作…エンジニア/プロデューサーとして、まさにポピュラー・ミュージックの歴史とともに歩んできたレジェンドのひとりアル・シュミット。 “録音時でほぼ完結させる”と本人が語る、シンプルに研ぎ澄まされたレコーディング。本書の前半では、ボーカルからオーケストラやビッグバンド、ロックバンド、ハモンド・オルガン、パーカッションまで、シチュエーションごとに彼が実際に行ってきたマイキングやアウトボードの使い方が、多くのエピソードを交えて紹介されています。後半では、アル・シュミットが好んで使用してきたマイクとアウトボードを紹介。 「そのとき」に匠が見ているものは何なのか、どのような機材をどう使ってエンジニアリングを進めるのか、まさに、ポピュラーミュージックのサウンドを作ってきた人物のひとりであるアル・シュミットのサウンドメイキングが明らかになります。 本書の特長 ◎アル・シュミットの研ぎ澄まされたレコーディング術の秘訣 若き日のアルが得た経験、積み重ねられたノウハウ、数多くのメジャーアーティストとどのように向き合ってパフォーマンスを引き出したのか。アル・シュミットサウンドを織り成す録音術をレコーディングソースに分けて解説。 ◎往年の名マイクたちと機材をアル・シュミットの目を通して知り尽くす NEUMANN、AKGからaudio-technicaなど、ヴィンテージから最新機器までアル・シュミットがそれをどう捉えて、どう使っていたのか。網羅された名機たちをアル・シュミットの目を通して紐解く。 ◎録音機材を専門とするRock oNによる少数発行、世界に誇るノウハウをお届けします。 「素晴らしいサウンドを作ろうとする皆さんをサポートし経験と成果を共有する」。METAlliance Academyのその信念に共鳴しRock oNでは国内翻訳出版権を取得。世界に誇るサウンドエンジニアリングのテクニックをお届けします。 AL SCHMITT ON VOCAL AND INSTRUMENTAL RECORDING TECHNIQUES 〜アル・シュミット流 ボーカル・楽器録音術〜 B5カラー / 130ページ 著者:AL SCHMITT 訳者:沢口 真生(Mick Sawaguchi) 価格:¥3,000+税 発売日:2/5(金) 書籍コード:ISBN978-4-9911293-0-8 ◎SAMPLES *画像はクリック/タップで拡大 日本語版の出版に寄せて みなさん、こんにちは。アル・シュミットです。私のマイクロフォン・テクニックを、日本のみなさんに知ってもらえることを光栄に思います。長年、私は日本のファンのみなさんに励まされてきました。本書がみなさんの役に立つことを願っています。 本書によって私たちが共有することになる経験は、生涯にわたって役立つものです。そして、私たちは、よいマイクロフォン・テクニックとよいクオリティのボーカルは、一生もののレコーディングを可能にしてくれることを知っています。そして、もちろん、いつだってミュージシャンとボーカリストがいなければ、何も始まりません。 私の友人であるみなさん、METTAllianceのミッションは、オーディオのクオリティをよりよいものにすることです。みなさんの制作クオリティの向上に、本書が役立つことを願っています。 2021.1 著者: Al Schmitt AL SCHMITT プロフィール スティーリー・ダンやTOTO、ナタリー・コール、クインシー・ジョーンズ、ダイアナ・クラール、ルイス・ミゲル、レイ・チャールズ、チック・コリア、ディディ・ブリッジウォーター、そしてポール・マッカトニーなどのアルバムで、グラミー・エンジニアリング賞を23 回受賞。150 にも及ぶゴールド/ プラチナ・レコードのレコーディング、エンジニアリングを行い、サウンドエンジニアとして初のHollywood Walk of Fameとしてその足跡がCapitol レコードの建物の正面に残されています。 ぼくがアル・シュミットを知ったのは、ポップスのCDをたくさん聴く中で「この作品は音楽の内容はもとより、すごく素直でいい録音だな」と思ったCDのクレジットを見てみたら、そのほとんどがアル・シュミットによる録音だったという出来事がきっかけです。それで、「このひとはどうやって録音しているんだろう」と調べ始めて、ぼく自身も彼の技法から本当にたくさんのことを学びました。 彼のテクニックで特徴的なのは、オムニマイクを多用し、カブリを積極的に使っていくことです。ほとんどのひとは、カブリがあったら楽器の音がボケるとか、パンチインがやりづらくなるといって、カブリをなくそうとしていると思います。アル・シュミットはそれとは逆に、カブリを積極的に使うことでサウンドに奥行きやパンチを与えているのです。 本書では、どの楽器にどのようなマイクをどういったセッティングで立てるかなど、アル・シュミットの技法が具体的に紹介されています。しかし、そうしたことはすべて、いかにしてスタジオで素晴らしい音楽を生み出し、それを余すところなく捉えるか、という彼にとっての音楽制作の基本を実現するためのものなのです。「個別の楽器を収録するんじゃない、そこで生まれる音楽を捉えるんだ」というのが彼の哲学なのです。 ひとりでも多くの方が本書を通して彼の技法と哲学に触れ、彼と同じように試行錯誤を重ねながら自分なりの技法を確立する手助けになればと思い、本書の翻訳を手掛けさせてもらいました。 技術の探究は終わりのない旅路のようなものです。本書がみなさまにとって、ひとつの道標のようなものになってくれたら嬉しい限りです。 2021.1 訳者: 沢口 真生 沢口 真生(Mick Sawaguchi) プロフィール 沢口音楽工房 UNAMAS- Label 代表 / Fellow member AES and ips 1971 年千葉工業大学 電子工学科卒、同年 NHK 入局。ドラマミキサーとして芸術祭大賞・放送文化基金賞・IBC ノンブルドール賞・バチカン希望賞等受賞作を担当。1985 年以降サラウンド制作に取り組み海外からは「サラウンド将軍」と敬愛されている。2001年より AES や東南アジアを中心にサラウンドセミナー・ 技術発表を行ないアジアでのサラウンド制作を推進。2002 年よりサラウンド寺子屋塾を開設。2007 年より高品質音楽制作UNAMAS Label を設立。2013 年の第 20 回日本プロ音楽録音賞ノンパッケージハイレゾ 2CH で 深町純『黎明』(UNAHQ-2003) 優秀賞を受賞。2015 年リリースの『The Art of Fugue』(UNAHQ-2007) 同年プロ音楽録音賞サラウンド部門受賞、2016 年には『Death and the Maiden』(UNAHQ-2009) そして第24 回の同賞にてサラウンド・ハイレゾ部門最優秀・ベストスタジオ賞受賞。2015 年からImmersive Surround 音楽制作に取り組んでいる。 ◎Contents 第1章 ボーカル録音とマイクロフォン 1-1 コントロール・ルームでファースト・テイクをミュージシャンと聴く 1-2 ボーカル・マイクロフォンの選択 第2章 ボーカリスト - 歌い方とカブリについて 2-1 マイクロフォン・テクニック 2-2 アーティストを深く理解する 第3章 録音スタジオでの配置 3-1 目線の重要性 3-2 無指向性マイクロフォンのメリット 第4章 バンド録音 4-1 扱うことの少ない楽器 4-2 彼らがいかに気持ち良く演奏できるか 4-3 男性歌手とマイクロフォン 4-4 女性歌手とマイクロフォン 4-5 バッキング・コーラスのマイクロフォン 4-6 合唱のマイクロフォン 4-7 デュエット 4-8 ボーカルで使用するマイクロフォン・プリアンプ 第5章 リズム・セクション 5-1 ドラム録音 5-2 アコースティック・ベース 5-3 エレクトリック・ベース 5-4 ピアノ 5-5 アップライト・ピアノ 5-6 ハープシコード 5-7 アコースティック・ギター 5-8 エレクトリック・ギターとハモンド・オルガン 第6章 木管、金管、弦楽器 6-1 サキソフォン 6-2 金管楽器 6-3 弦楽器 第7章 アル・シュミットお気に入りの機材 7-1 マイクロフォン 7-2 プリアンプとイコライザー 7-3 コンプレッサー 本書に対するお問い合わせ、オンラインストア以外でのご購入などにつきましては、下記contactバナーよりお気軽にお問い合わせください。
Media
2021/02/24

浜町 日々 様 / 〜伝統芸能が得た、テクノロジーとの融合〜

福井駅からほど近い浜町。福井の歓楽街といえば片町が有名だが、その片町と市内を流れる足羽川との間の地区が浜町である。古くから花街として賑わい、現在でも料亭が軒を連ね情緒あふれる街。国指定の登録有形文化財としても有名な開花亭や、建築家 隈研吾の設計によるモダンな建築も立ち並ぶ文化の中心地である。そんな浜町に花街の伝統的な遊びをカジュアルに楽しむことの出来る「日々」はある。今回はこのステージ拡張に伴う改修をお手伝いさせていただいた。 芸妓の技。日本の伝統芸能とテクノロジー。 ステージ奥のスクリーンをおろした状態での演目の様子。福井・浜町芸妓組合の理事長である今村 百子氏が伝統的な演目を披露し、背景には福井の風景が流れる。まさに伝統芸能とテクノロジーが出会った瞬間である。 日々は、福井・浜町芸妓組合の理事長でもある今村 百子氏が立ち上げたお店。お座敷という限定された空間で、限定された特別なお客様にしか披露されてこなかった芸妓の技。それを広く、カジュアルに楽しんでもらいたいという思いからスタートしている。バーラウンジのようなお店にステージがあり、そこで毎夜これまでお座敷でしか見ることができなかった芸妓さんたちの日本舞踊や、三味線、唄を楽しむことができる。 この日々のステージがこのたび拡張され、様々な催しに対応できるように改修が行われた。改修にはレコーディングエンジニアでもあり、様々な音楽プロデュースを行うK.I.Mの伊藤圭一氏が携わっており、コンセプトや新しい演目のプロデュースなどを行なっている。元々、日々にあったステージは非常に狭かった。「三畳で芸をする」という芸妓の世界、お座敷がそのステージであることを考えればうなずける。これを広げ、日本の伝統芸能だけではなく、西洋の芸能、最新のテクノロジーと融合させ新しいステージを作ろう、というのがそのコンセプトとなる。 普通に考えれば、クローズドな世界に見える日本の伝統芸能の世界だが、今村氏の持つビジョンはとてもオープンなものだ。2017年には全国の芸妓を福井に集め、大きなステージに50名近くの芸妓が集まり、それぞれに磨いた芸を披露する「花あかり」というイベントを行なっている。芸妓の技を広く、カジュアルに楽しんでもらいたいという考えを具現化したわけだ。このように新しいことへ果敢にチャレンジするスピリットを持った今村氏のイメージを具体化できるステージを作ろう、ということで伝統芸能とテクノロジーの融合というコンセプトがさらに詰められていくことになる。 無拍子である日本の伝統芸能に指揮者代わりの声やクリックを持ち込み、バックトラックに合わせて演奏をする。プロジェクターを使い、福井の映像とともに舞踊を披露する、そしてマイクで集音し拡声する。現代のステージ演出としては当たり前に聞こえることかもしれないが、「日本の伝統芸能を」という枕詞をつけた瞬間にハードルの高いチャレンジとなる。なんといっても無拍子である。様々な演出のきっかけを決めることだけでも困難なことだ。このような多くの課題を持ちながら、ステージの設計は進められていくこととなった。 スクリーンを上げると手作業で金・銀・銅をヘラで塗り重ねた四角錐のホリゾントが現れる(下部左)。和を意識する金と、幾何学的な造形。照明により、表情を変化させる建築デザイナー 大塚先生のアイデアだ。 透過スクリーンに浮かび上がる表現 ステージ天井部分にはホリゾントのスクリーンと透過型スクリーン用に2台の超短焦点型のプロジェクターを準備し、この位置からの投影を可能としている。 まずは、映像演出から見ていこう。ステージのホリゾントは、今回の改修の建築デザイナー、大塚 孝博氏による金の四角錐があしらわれている。一般的には、金屏風や松などが想像されるが、ここに幾何学的な金の四角錐とはなんとも粋である。日本の古来のデザインにも幾何学的な模様は多く使われているが、この四角錐は照明の当たり具合により変幻自在に表情を変える。金・銀・銅をヘラで塗り重ねており、一つ一つ反射の具合も異なる。これにより有機的な表情を得ている。 ここに映像との融合を図るわけだが、さすがにこの四角錐のホリゾントへプロジェクターで投影することはできないため、昇降式の大型スクリーンが吊られている。プロジェクターは超短焦点のレンズと組み合わせてステージ天井からの投写としている。これによりステージ上の人物は、ステージ後方1/3まで下がらなければ影が映らない。プロジェクターでの映像演出と、ステージ上での実演を組み合わせることを可能としている。 さらにステージには、透過型スクリーン(日華化学 ディアルミエ)が設置されている。この透過スクリーンに投影することで、ステージ上に人物を浮かび上がらせたり、視覚効果的に使ったりと様々な演出を行うことができる。例えば、笛を吹いている今村百子さんの映像を投影しながら、実際の今村氏がそれに合わせて三味線と唄を披露するという演目が行われている。周りを暗くすることで、ホログラム的に空間に浮かび上がっているような効果を得ることができている上、ホリゾントのプロジェクターとも同時使用が可能なため、演出の幅はかなり広い。 ステージ手前下手側に吊られた透過型スクリーン(日華化学 ディアルミエ)を使った演出、無拍子の笛に合わせるためにイヤモニでクリックを聴きながら演奏を行っている。また、透過型スクリーンはこのように歌詞を浮かび上がらせたりといった演出にも活用できる。空中にふわっと文字が浮かび上がったような幻想的な空気さえ感じる演出が可能だ。 スピーカーをイメージさせない音環境 音響としては、やはりスピーカーの存在をできるだけ目立たないようにしたいという要望があった。スピーカーが鳴っているというイメージを極力持たせないためにも大切なポイントだが、理想的な音環境を提供しようと考えると設計としては難しいものがある。結論から言えば、今回はステージプロセの上下にスピーカーを設置することとなった。上部は、視界よりも上の位置、下部はネットで覆い客席からは見えないように工夫してある。この上下のスピーカーの調整を行うことで、仮想音響軸をステージ上の演者の高さとするように調整を行っている。 音響ミキサーはYAMAHA TF-RACKを導入している。専門のオペレーターが所属するわけではないため、できるだけ簡単に操作できる製品としてこちらが選択された。接続されているソースは、2台のプロジェクターへそれぞれ映像を投影するために用意された映像プレイヤーからの音声、ステージ天井に仕込まれた2本のマイク、上下の袖にはマイクコンセントが設けられている。仮設の機器としては司会者などを想定したハンドマイクが用意されている。 ステージ天井のマイクはDPA 4017が選ばれた。コンパクトなショットガンタイプで、ステージの決まった位置に座ることが多い演者をピンポイントで狙っている。これらのソースは予めバランスを取り、演目ごとのプリセットとして保存、それを呼び出すことで専門でない方でもオペレートできるよう工夫が凝らされている。 映像に合わせた音声のバックトラックは、映像ファイルに埋め込むことで映像と音声の同期の問題を解消している。それらの仕込みの手間は増えるものの、確実性を考えればこの手法が間違いないと言えるだろう。天井マイクの音声にはリバーブが加えられ、実際の生の音を違和感なく支えられるよう調整が行われた。 プロジェクターの項でご紹介した笛を吹く映像に合わせて三味線と唄を歌うという演目では、演者の今村氏はイヤモニをつけてステージに上がる。無拍子の笛にクリックをつけた音声を聴きながらタイミングを図り演奏を行っているということだ。高い技術があるからこそできる熟練がなせる業である。呼吸を合わせ演奏を行う日本の伝統音楽の奏者にとって、これはまさに未知の体験であったことだろう。より良いステージのため、このようなチャレンジに果敢に取り組まれていることに大きな敬意を抱く。 マイクはステージ上での演奏を集音する為にDPA 4017を設置。音響および映像の再生装置はステージ袖のラックにまとめて設置され、専門ではない方もオペレートできるよう工夫が凝らされている。 ここまでに紹介したような芸妓の技を披露するということだけではなく、今後は西洋楽器とのコラボレーションや、プレゼン会場などの催しなど、様々な利用をしてもらえる、皆様に愛される空間になって欲しいとのコメントが印象的。日本の伝統芸能が、新たなスタイルを携えてこの福井の地から大きく羽ばたく、日々はその発信源になるステージとなるのではないだろうか。 前列左より、株式会社大塚孝博デザイン事務所 大塚孝博氏、浜町日々 女将 今村百子氏、株式会社KIM 伊藤圭一氏、後列左より:前田洋介、森本憲志(ROCK ON PRO) *ProceedMagazine2020-2021号より転載
Sales
2021/02/22

期間限定30% OFF!Serato Pitch ‘n Time Pro / LE短期プロモーション開始!!

業界標準のピッチシフト / タイムストレッチングツールとして絶大な人気を誇る、Serato Pitch'n Time。Pro Tools対応のPitch'n Time Proと、Pro Tools / Logic Pro対応のPitch'n Time LEがともに3/8(月)までの短期間プロモーションを実施します。 ボーカルのピッチを補正したり、ハシってしまったソロのタイミングを合わせるといった補正ツールとしてだけでなく、積極的な音作りにも活用可能なPitch'n Timeを30% OFFで手に入れるチャンスです! Serato Pitch 'n Time 30% OFF SALE 期間:2021年2月22日(月)〜2021年3月8日(月) 13:00 対象製品:下記参照 対象製品 Pitch ‘n Time Pro 通常価格:¥99,000→セール特価:¥69,300(本体価格:¥63,000) 対応DAW:Avid Pro Tools   >>Rock oN Line eStoreでのご購入はこちら! Pitch'n Time Pro 3 https://store.miroc.co.jp/product/40875 Pitch ‘n Time LE 通常価格:¥45,000→セール特価:¥34,650(本体価格:¥31,500) 対応DAW:Avid Pro Tools / Apple Logic Pro   >>Rock oN Line eStoreでのご購入はこちら! Pitch'n Time LE 3.0 https://store.miroc.co.jp/product/40876 本プロモーションに関するお問い合わせはROCK ON PRO まで、お電話またはお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
NEWS
2021/02/19

Dolby Atmos Production Suite 90日間トライアルライセンスが入手可能

Dolby Customerサイトにて、Dolby Atmos Production Suiteの90日間トライアルライセンスが提供されています。Dolby Atmos Production Suite(以下DAPS)とは、AVIDストアにて通常約$300で販売されている有償のプラグインで、Dolby Atmos Rendererや、Dolby Audio Bridge、Pro Tools/Nuendo用のテンプレートなど、Dolby Atmos作品の制作に必要なツールが含まれています。※Dolby Audio BridgeはmacOSのCore Audioベースの技術のため、MACのみ対応 90日間トライアルライセンスの入手方法は簡単! 1.こちらのページから名前、メールアドレス、興味のある分野に関する簡単なアンケートを入力、エンドユーザーライセンス契約とプライバシーポリシーに関する文章を読み、ラジオボタンをONにして"SUBMIT"をクリックして次のページへ。 2."Download Version 3.5"をクリックして、最新のDAPSを入手。"GET TRIAL LICENSE"をクリックして次のページへ。 3.iLok IDと登録メールアドレスを入力すると、iLokアカウントにライセンスがデポジットされます。あとはいつも通り、お使いのiLokにライセンスを移動してソフトウェアを起動します。 どうやって作業を始めるの? いざインストールして、誰しもが最初に試みるのが通称"音源ぐりぐり"だと思いますが、その方法は弊社刊行のProceed Magazine 2020または下記のページにてご確認ください。(Pro Toolsのバージョンが古いため外見が異なっている部分がありますが、基本的な操作は同じです。) https://pro.miroc.co.jp/solution/dolby-atmos-proceed2020/#6 これを機に、是非、Dolby Atmos Musicのミキシングに挑戦してみてはいかがでしょうか? お問い合わせは下記コンタクトフォームからご送信ください。 その他、Dolby Atmos関連情報 >>Rock oN 渋谷リファレンスルームではDolby Atmosの試聴体験ができます。現在来店は完全ご予約制ですので、こちらからお問い合わせください。 https://pro.miroc.co.jp/headline/rock-on-reference-room-dolby-atmos/#.YC8k2xP7TOQ >>Netflix :オリジナル作品「Sol Levante」のDolby Atmos Pro Toolsセッション・ファイルを無償公開! https://pro.miroc.co.jp/headline/netflix-sol-levante-dolby-atmos-pro-tools-session-file-open-source/#.YC8ldhP7TOQ >>AVID BLOGにてDolby Atmos Music ミキシング体験記が公開中! https://pro.miroc.co.jp/headline/avid-blog-dolby-atmos-2020-08/#.YC8pzRP7TOQ ・Dolby Atmos制作にもぴったり、AVID MTRX Studioの詳細をCheck! >>AVID MTRX Studio ウェビナー アーカイブ映像公開中! https://pro.miroc.co.jp/headline/mtrx_webinar_archive_202007/#.YC-YHxP7TOQ
Sales
2021/02/18

Avid × iZotope『World Standard』キャンペーン〜iZotope RXとAvidのコラボレーションが実現!

iZotope RXがScientific and Engineering Awardを受賞したことを記念し、オスカー受賞エディターを多く抱えるAvidとのコラボレーションが実現しました。日本限定、3月31日までの実施となる本プロモーションでは、3つのValueが提供されます。 Avid Pro Tools、Avid Media Composerの導入をご検討のみなさまだけでなく、すでにユーザーである方々にも大きなバリューのあるプロモーションとなっております。ぜひ、下記詳細をご覧いただき、この日本限定プロモーションにご参加ください。 Avid × iZotope 『World Standard』 キャンペーン 期間:2021年2月17日(水)〜2021年3月31日(水) キャンペーン内容:iZotope RX Elementsプレゼント、RX 8 各種へのお得なクロスグレード、iZotope ウェビナー受講権(詳細は記事をご参照ください) *詳細はこちらからもご確認いただけます。 1. RX Elements無償提供 対象ユーザー:期間中にAvid Pro ToolsまたはMedia Composerのライセンスを新規購入、もしくは、サブスクリプションまたは年間サポートプランを更新された方 こちらは新規ご購入ユーザー様向けの特典です。キャンペーン期間中に対象製品をご購入いただいたユーザー様は、こちらの応募フォームからお申し込みいただくことで、iZotope RX Elementsのライセンスを無償で受け取ることができます。 2. RX 8 / Post Production Suite 5 を優待価格で提供 本キャンペーン期間限定で、下記製品が販売されます。既存のAvid/RXユーザーのみなさまでもご利用いただけます。 Post Production Suite 5 Crossgrade from any paid Avid Products 対象:Avid製品(Pro Tools | Firstなどの無償製品を除く)を1つでもお持ちの方 販売価格:¥ 120,890 (本体価格:¥ 109,900) RX 8 Advanced Crossgrade from Avid ProTools 対象:Avid Pro Toolsのライセンスをお持ちのユーザー様 販売価格:¥ 54,890 (本体価格:¥ 49,900) RX 8 Advanced Crossgrade from Avid Media Composer 対象:Avid Media Composerのライセンスをお持ちのユーザー様 販売価格:¥ 54,890 (本体価格:¥ 49,900) RX 8 Advanced upgrade from RX Elements/Plug-in Pack 対象:iZotope RX ElementsまたはRX Plugin Packのライセンスをお持ちのユーザー様 販売価格:¥ 87,890 (本体価格:¥ 79,900) RX 8 Standard Crossgrade from Avid ProTools 対象:Avid Pro Toolsのライセンスをお持ちのユーザー様 販売価格:¥ 16,390 (本体価格:¥ 14,900) RX 8 Standard upgrade from RX Elements/Plug-in Pack 対象:iZotope RX ElementsまたはRX Plugin Packのライセンスをお持ちのユーザー様 販売価格:¥ 21,890 (本体価格:¥ 19,900) Dialogue Match Crossgrade from any paid Avid Products 対象:Avid製品(Pro Tools | Firstなどの無償製品を除く)を1つでもお持ちの方 販売価格:¥ 21,890 (本体価格:¥ 19,900) 3. RX開発者 Alexy Lukin氏による有料ウェビナーにご招待 対象ユーザー:上記、特典2.のいずれかをご購入いただいたユーザー様 →一般公開に変更 3月5日(金)午前10:00より開催される、有料ウェビナーにご招待!RXの開発者であるAlexy Lukin氏によるScientific and Engineering Award受賞記念Live Webinar。Spectral RepairやMusic Rebalanceなど、時代を変革した各種RXモジュールの開発経緯、そして今後のA.I.Assistant、DNN(ディープニューラルネットワーク)の発展や展望に至るまで、iZotopeが誇るテクノロジーの未来に迫る必見の内容です! Avid優待クロスグレード製品の国内サポートIDを登録すれば、このウェビナーに無料でご参加いただけます。MIオンラインストアで配信チケット(¥800)を購入することでもご視聴が可能です。 >>3月4日追記 より多くの方にRXの魅力を届けるため、今週金曜am10:00に予定されていたiZotope有償配信セミナーを一般公開することが決まりました! Webinar URLを公開いたしますので、是非皆様Liveでご覧ください! ご視聴はこちらから: https://youtu.be/sH1NBCm5yJY 3月5日 午前10:00〜Live 講師:ALEXEY LUKIN ともに「業界標準」の地位を確かなものとする、iZotopeとAvidのコラボレーションによる本キャンペーン。Pro Tools/Media Composerの導入や年間サポート更新を検討中の方は必見の内容です! ご質問・ご不明点等は、下記contactボタンよりROCK ON PRO までお気軽にお問い合わせください。 Pro Tools の更新期限は大丈夫ですか!? ROCK ON PROが徹底サポートいたします!! Pro Tools 2020.11リリース!新I/O Pro Tools | Carbon対応のほか、多数の新機能を追加!!
NEWS
2021/02/16

Blackmagic Designが最新情報を発表!?~ATEM Mini&カメラアップデート

映像制作の楽しさを多くのひとびとに体験してほしい!というコンセプトで、プロクオリティの製品をお求めやすい価格で提供するBlackmagic Designが、オンラインで最新情報を発表するとTwitter上で告知されました。 WEB配信で大活躍のビデオスイッチャーATEM Miniと、品質に定評のあるカメラに関するアップデート情報がメインとなりそうですが、新製品の発表もあるかも知れません! 昨年の緊急事態宣言の影響でにわかに活況を呈したWEB配信。入門向けにジャストフィットし、追い込めば業務機に匹敵する数多くの機能が使用できるATEM Miniは、一時期は生産が追いつかないほどの人気を博したことも記憶に新しいかと思います。 同社のカメラは高品質なだけでなく、ATEM Miniをはじめとしたスイッチャーからのリモートコントロールや、同社が開発・販売するポストプロダクション・アプリケーションであるDaVinci Resolveとのシームレスな連携機能などを備え、使い勝手のよさも大きな魅力のひとつ。 映像配信に必須のこのふたつのカテゴリーに絞った再情報となると…どのような機能が追加されるのか!?新製品は出るのか??非常に楽しみですね。 現在、情報はTwitterでのティザーのみとなっておりますが、開催が近づけば詳細情報がUPDされることと思います! Blackmagic Designファンのみなさま、映像配信になれ親しんでいる方々はもちろん、これから映像配信を始めてみたいという方も必見のオンラインイベントです! Blackmagic Design 最新情報発表 ~ATEM Mini&カメラアップデート 日時:2021年2月18日(木)3:00 AM 日本時間では未明の開催となります。 場所:YouTube Liveでのリアルタイム配信 URLは後日発表予定 詳細:Blackmagic Design Twitterアカウントをご確認ください。
Broadcast
2021/02/16

テレビ愛知株式会社 様 / 〜従来の感覚をも引き継ぐ、Avid純正のコンソール更新〜

愛知県を放送エリアとするテレビ東京系列のテレビ愛知、MA室の更新が2020年初頭に行われた。10年以上に渡り使われてきたAvid ICON D-Control(導入当時はDigidesign社)から、Avid S6へと更新されている。同時にファイルベース対応など、最新のトレンドを念頭にシステムを設計、その詳細をレポートしていく。 D-Controlを継承するS6を テレビ愛知では、MA室のメインコンソールとして10年以上に渡りAvid ICON D-Controlを使用してきた。テレビ局のIn The Box用のコンソールの導入としては、非常に早いタイミングから活用されてきたわけだが、当時、限られた予算の中でもMA室のシステムは今後DAWが主流になるということを予想し、先行して導入に踏み切っている。今回の更新では、逆説的な候補としてアナログコンソールなども挙がってはきたが、やはり、これまでの使い勝手の延長線上にあるAvid S6を導入することとなった。 すでに10年以上に渡りD-Controlを使ってきているため、導入に際してオペレート上の不安も少ないというメリットは大きかったようだ。Avid S6自体もバージョンアップを重ね、D-Controlを使用してきたユーザーからのフィードバックが多数反映されていることも背中を押した一因となっている。物理的なボタンの有無などの差異はもちろんあるが、すでに現在のAvid S6は、ほぼD-Controlで実現していた機能を網羅していると言っていいところまでブラッシュアップされている。 Avid S6の導入にあたりフェーダー数をどうするかは、かなり議論が行われたポイントだ。D-Controlは32 Faderであったが、Avid S6に更新を行うにあたり32Faderが本当に必要かどうか?ということが実機でのデモなどで検証された。Avid S6はLayout Mode、Spill Modeなど様々な工夫が行われており、最低限のFader数でミキシング作業を快適に行えるようになっている。これは、エンジニアが音響的にベストであるセンターの位置に座ったまま作業が行えるようにするという工夫でもあるが、これらの機能を実際に体験いただいて最終的には24 Faderという決着を見ている。メインエンジニアは最低16 Faderあればミキシングが行えるという判断をしていただいているが、やはり、効果担当を含めた2名体制でのミキシングもある。ここは16Faderではさすがに心もとない、ということもあり24 Faderがセレクトされた。 机上にS6が置いてあるようにも見えるが、一体となった専用設計のデスクとなる。センターポジションで、編集もミキシングも両方が行えるようにレイアウトされている。 D-ControlからAvid S6への更新を行ったことにより、コンソール自体のサイズはかなり小さくなった。特に奥行きが短くなり、部屋が広く使えるようになったのが使い勝手としては非常に大きなポイントとなっている。ディレクターのデスクに収められていたアウトボード関係も、必要なものはサイドラックへと移設され、足元の空間を十分に確保することができるようになっている。これはエンジニアだけではなく、ディレクターなどこの部屋を利用する方からも好評であるということだ。このレイアウト変更によりエンジニアは前を向いたまま、ほとんどの作業を手の届く範囲で行うことができるようになった。 Avid S6が収まるデスクも、作業を常に正面を向いて行うことができるように特注設計となっている。Avid S6を購入すると付属するFader手前の手を置く部分はBolsterと呼ばれるのだが、Keyborad、Mouseを置くには少し幅が狭い。Keybordトレイなども準備されているのだが、台本を置いたりということを考えると写真で確認していただけるような形状が望ましい。このデスクはAvid S6の各モジュールを収めるフレームを純正のカバーで仕上げるのではなく、そのままデスクに埋めることで手元のスペース拡大を実現している格好だ。 テレビ愛知株式会社 デジタルネットワーク局技術部 水野 正基 氏 株式会社アイプロ 技術部長 牟禮 康貴 氏 株式会社NAV 名古屋事務所長 高野 矢守至 氏 効率を実現したDAW環境 システム面では、Avid MTRXをAvid Pro ToolsのI/Oとしている。このMTRXで信号の集約を行い、モニターコントローラーとしてはTac System VMC-102を導入した。VMC-102を導入することでDAWのPCが起動していなくてもモニターセクションの切替が行える。一般的なコンソールで言うところのセンターセクションの機能を受け持っているわけだ。これはPCが不具合を起こした際にも最低限の作業は行えるようにという工夫の一つとなっている。また、VMC-102の最新バージョンアップで実装された、Blackmagic Design Smart Videohubのリモート機能も活用している。ブース、コントロールルームに映す映像の切替を、VMC-102での音声のモニターソース切替に連動させることで、オペレートの手順を削減することに成功している。たとえば、モニターソースとしてPro Toolsを選択すれば、各所のVideo MoniterにはPro ToolsのVideo出力が自動でパッチされる。同様にXDCAMを選択すると、音声映像ともにXDCAMに変更されるということだ。これは作業上オペーレートミスを減らすことにも直結しストレスフリーな環境を実現している。 ラックに収まったAVID MTRX。Analog 8IN/8OUT、64ch Danteがオプションとして加わっている。 モニターコントローラーとしてDAW PCが起動していなくてもコントロール可能なTAC SYSTEM VMC-102。映像モニターの切り替えもワンボタンで行えるように設定されている。 DAW環境周辺でのこだわりは、38inchのUltra-Wide Displayにある。多くの情報を見渡すことができるこのDisplayの導入はIn The Boxでのミキシングを前提とした環境においては非常に効果的。タイムラインの表示においては、前後長時間の表示が可能であるし、ミキサー表示においては多くのフェーダーを表示することができる。単純に言えば情報量が増えるということになるが、これは作業を行う上で非常に効果的だと言える。 広大な表示領域を提供する38-inch Ultra wide Display。解像度は3840x1600 予想外のマッチング、ATCとEVE 数多くの機種から選びぬかれたメインモニターのATC SCM25a。3-Wayのスピーカーでスタンドは日本音響エンジニアリングによる特注設計品 ミキサー席右に設置されているラック。元々、背面のディレクターデスクからの移設のSSL X-RACK、NEVE 33609、AJA KiPro GOが収まる 今回の更新ではモニター・スピーカーも一新している。様々な機種を持ち込ませていただき、比較試聴をしていただいた結果、ATC SCM25aが選択された。以前はDynaudio Air15を使われていたのだが、MA室を利用するエンジニアのほぼ全員がATCに好印象を持ったため、このスピーカーが選択されている。しっかりとしたボリューム感を持ちつつタイトに鳴るこのスピーカーは作業がやりやすいと好評であるということだ。スモールとしては、EVE AUDIO SC203を導入いただいている。不思議なことにATCとEVEのキャラクターが非常に似通っているため、切り替えた際の違和感も少なく、バランスを保ったままLarge/Smallの切り替えができるのでこちらも好評であるということ。ATCのスピーカースタンドは、内装工事を担当された日本音響エンジニアリングの特注設計品。また、コンソール背面には同社の特注AGS音響衝立が設置され、メインモニターとコンソール背面まわりの音場を整えることに一役買っている。 テレビ愛知ならではの導入機材としては、AJA KiPro GOが挙げられる。これまでは確認用のデータを民生のDVD Recorder、もしくはSDカードへ録画し、各所へ確認用として配布していたワークフローを更新した格好となる。複数のレコーダーの操作がKiPro GO 1台に集約することができ使い勝手が向上した部分とのことだ。また、機材もコンパクトなため機器の実装スペースの削減にもつながっている。AJA KiPro GOは同時に4系統のHD VideoをUSBメモリに録画できる製品。すでにDVDの需要は減っていたためデータでのワークフローとし、シンプルなこちらの製品へと更新された。 従来環境と違和感なく、効率的でコンパクト トータルとして見ると放送局ということもあり突飛な選択は行わずに、最新の製品を組み合わせることで効率的でコンパクトなシステムが実現できている。ただし、コンパクトになっても機能面では妥協はなく、ブラッシュアップされた部分も多い。ファイルベース・ワークフローへの対応としてNon-Leathal Application Video Slave Pro 4の導入、VTRもSONY XDCAM Stationへの更新など編集システムの更新により、どのような変化が起こったとしても柔軟に対応できる準備が行われている。また、システムの中心であるPro Tools、およびMTRXに関しては、持ち出し収録用のシステムを同一の製品とすることでバックアップ体制をとっている。MA室のPC、MTRXが故障した際には、可搬のシステムとリプレイスが行えるように冗長化がなされている。 実際にオペレートを行っている方の感想としては、導入直後よりD-Controlに慣れていたこともあり、非常にスムーズにAvid S6へと移行することができたとのことだ。また、コンパクトなサイズになったことで、すべてのスイッチ、ノブへのアクセスが容易となり、作業環境としての使い勝手は間違いなく向上している。やはり手の届くところに様々な機器が実装されているのは便利だ、と非常に高い評価をいただいている。今後、映像含めたファイルサーバーの更新なども予定されているということだが、それらにも柔軟に追従し、使い勝手をキープしたまま作業を行っていただけるシステム更新となっている。 さすがはAvid純正同士のコンソール更新、という面目を保つことができた今回の更新。従来のシステムを知り尽くしたユーザーだからこその気付きも数々ありながら、実際の導入後に満足感の高いコメントをいただけたことは、Avid S6の完成度の高さを改めて証明しているのではないだろうか。 写真手前右から株式会社アイプロ 牟禮康貴氏、渡辺也寸志氏、株式会社NAV 高野矢守至氏、写真奥右からROCK ON PRO 前田洋介、テレビ愛知株式会社 水野正基氏、株式会社アイプロ 山本正博氏、テレビ愛知株式会社 安松侑哉氏、ROCK ON PRO 廣井敏孝 *ProceedMagazine2020-2021号より転載
NEWS
2021/02/12

Pro Tools | Carbon保守延長がROCK ON PRO からも購入可能に!

これまで、Pro Tools | Carbon購入のお客様の製品登録ページ上でのみ販売されていたPro Tools | Carbon延長保守が、ROCK ON PROをはじめとしたディーラー経由でも販売可能となりました。これにより、Pro Tools | Carbonご購入と同時に、3年間の延長保守に加入することが可能になります。また、Avidアカウントへのクレジットカードの登録などの手間もなくなり、通常製品と同様の手順で保守に加入することができます。 ProTools | Carbon, Extended Hardware Support, 3 YEARS, NEW 販売価格:48,730(本体価格:¥44,300) *ご発注時にPro Tools CarbonのシステムID、および、MyAvidで登録しているEmailアドレスが必要となります。 保守サービス内容: 製品無償修理保証が三年間へと延長 製品修理先出対応が可能に   その他のハードウェア延長保証の内容は以下をご覧ください: Avid Advantageハードウェア延長保証(PDF、33.3 KB) 注意事項: 上記には、Carbon付属のPro Toolsソフトウエアのサブスクリプション更新サービスは含まれておりません。 製品登録後、90日を過ぎるとご購入いただけません。 合わせて読みたい、Pro Tools | Carbon詳細情報! Pro Tools|Carbon発表!! HDXパワーを追加する革新的I/O!! ROCK ON PRO ORIGINAL! MASSIVE PACK BUNDLE!!〜11年ぶりの復活!! 全44種で最大バリュー94万円!!〜 【アーカイブ公開中】緊急開催!!アビットーーーク!〜本日発表のPro Tools|Carbonをどこよりも早く深掘り!〜 Pro Tools | Carbonサポート情報〜アクティベーション、Macとの接続方法、ほか Avidから音楽のための新I/O、Pro Tools | Carbon ~Built to capture brilliance ~<ProceedMagazine掲載記事> Pro Tools | Carbonの導入、その他ご不明点・ご要望などは下記contactボタンよりROCK ON PRO までお気軽にお問い合わせください。
Sales
2021/02/12

ROCK ON PRO ORIGINAL! MASSIVE PACK BUNDLE!!〜11年ぶりの復活!! 全44種で最大バリュー94万円!!〜

Massive Power is Back !! およそ11年の時を経て、Avid最新テクノロジーとHDX DSPチップを内蔵したオーディオインターフェースPro Tools|Carbon登場。MTRX、そしてMTRX Studioを加えた新世代Avidインターフェースラインナップに対し、ROCK ON PRO オリジナル MASSIVE PACK BUNDLEは驚異的なクオリティと効率的なワークフローをかつてないValueで提供します! ◎MASSIVE PACK BUNDLEの全容を解説!【JUMP!!】 ◎ワーク別に選べる4種のMASSIVE PACKの詳細を確認!【JUMP!!】 ◎バンドル導入を徹底サポート、トレードプラン&おトクなショッピングローン!【JUMP!!】 MASSIVE PACK BUNDLEの全容を解説! HDXチップを内臓した革新的I/O「Pro Tools|Carbon」が登場、プロフェッショナル業務の現場からパーソナルのクオリティを求められる制作まで、MTRX Studio、MTRXとともにラインナップが充実したAvid I/O。従来のHDXカード、そしてPro Tools|Ultimateに加えて、世界各国各社からリリースされるプラグインもシステムアップには欠かせません!そこで今回はAvid I/O、HDXカード・ソフトに加えてそのソリューションとしての実力を完成させる「MASIVE PACK」をご用意しました!ワークフロー別にROCK ON PROが厳選したプラグインとAvid I/O、HDXカード・ソフトをバンドルすると、なんと全44パターンの組み合わせで最大バリューは約94万円にも及びます。まずはAvid I/O製品の選択からスタートです! I/Oの選択は全6パターン、新登場のCarbonはもちろんのこと、オールインワンで将来性も豊かなMTRX Studio、フラッグシップのMTRXは必要不可欠となるAD/DA/MADIのカードを組み込んだものとなります。また、MTRX StudioについてはHDX カード、ソフト、シャーシを含んだバンドルも用意されていますので、今回はこちらの中に含んでご提案です。I/Oは不要、カード・ソフトのみでOKという方は、ここでは選択なしとすることも可能です。ニーズに合わせてセレクトしてください! ここではHDXカード、Pro Tools|Ultimateの有無をご選択いただきます。すでにHDXカードを導入しているなどでカードとソフトは不要という場合は、こちらの選択を「なし」としていただくことも可能です。今回のMASSIVE BUNDLEは単体での販売は行いませんので、その場合はI/Oのご選択が必須となります。さぁ、いよいよMASSIVE PACKをセレクトしましょう! ROCK ON PRO Original / MASSIVE PACKは全部で4パターン、ワークフロー別に選べるROCK ON PRO厳選の組み合わせで、ご選択いただいたI/O・カードに下記の価格をプラスしてご導入いただけます。各パックの内容については本ページの次項をご覧ください! さらに!今回は導入サポートとして24回無金利、48回低金利のショッピングローンに対応いたします。もちろん、現金でのお支払い、クレジットカードなど通常の決済方法もご選択いただけます。全44種類のバンドルパターンがあり、みなさまのご検討も多岐多様となりますが、ROCK ON PROスタッフがご相談、お見積もりからご納品までご案内させていただきます!専用見積フォームはこのページ内の各リンクから、また、ROCK ON PRO渋谷 / 03-3477-1776、ROCK ON PRO梅田 / 06-6131-3078でもご相談を承っております、是非ともお問い合わせください! *Massive Pack単体での販売は行いません、I/Oもしくはカードのご選択をお願い致します。 ワーク別に選べる4種のMASSIVE PACKの詳細を確認! 今回のMASIVE PACKは4種類、ミュージシャンのための実力派ソフトシンセを集めた「Instrument」、今やミックスには欠かせない存在となったiZotope/Music Production Suiteを中心にした「Music 1」。すでにレジェンド的な存在でありながら今もなお新プラグインで進化を続けるWAVES Mercuryを含んだ「Music 2」。そして、ポストプロダクションに必要不可欠、かつ新たなワークフローを生み出すことができる「Post」と、制作環境に合わせたセレクトができるプラグインパックをご用意しました! MASSIVE PACK:Instrument <Plug-ins List> ●SpectraSonics / Keyscape ●SpectraSonics / Trilian (USB Drive) ●Synthogy / Ivory ll Studio Grands ●fxpansion / BFD3 Special (Download) ●Eventide / Generate Massive Pack Instrumentは、10年をかけて世界中のキーボードのライブラリを収めた「Keyscape」、定番とも言えるベース音源で34GBのコア・ライブラリー「Trilian」、カオスなオシレーターでシンセに期待されるすべての機能を組み合わせた「Generate」と、ミュージシャンに向けたパッケージング。バンドル例では新登場のCarbonを組み合わせ、実装されたHDXチップによって、ニアゼロレイテンシーによるレコーディングを可能にします。ミュージシャン、プロデューサーといった音楽制作クリエイターにとって現場の環境をパーソナルでも実現できることになる画期的な製品、そこに今回厳選した「Instrument」プラグインで、制作環境は一気に整うのではないでしょうか! ●バンドルは全44種、ご希望のシステム見積は専用見積フォームよりご依頼ください。 MASSIVE PACK:Music 1 <Plug-ins List> ●iZotope / Music Production Suite 4 ●McDSP / 6060 Ultimate Module Collection HD ●Sonnox / Elite HD-HDX (7 Oxford Plug-ins) ●Celemony / Melodyne 5 Studio ミックスとマスタリングにかける時間を最短に、A.I.を駆使したiZotope / Music Production Suite 4で作業を大幅に効率化。さらに、McDSP / 6060 Ultimate Module Collectionのモジュール、7種収録されたSonnox Elite HD-HDXで彩りを、そしてボーカルエディットには必須となるMelodyne 5 Studioをセレクト。ミキシングを効率的にするだけではなく、即座にクオリティを確保できるプラグインラインナップです!バンドル例にはMTRX StudioとHDX+PT Ultimateを組み合わせ。2021年のトピックとなるであろう3Dオーディオにもステップアップできる将来性あるバンドルをご提案です! ●バンドルは全44種、ご希望のシステム見積は専用見積フォームよりご依頼ください。 MASSIVE PACK:Music 2 <Plug-ins List> ●Waves / Mercury ●iZotope / RX 8 Standard ●Celemony / Melodyne 5 Studio すべてのワークをカバーするといっても過言ではないWaves MercuryがMassive Pack:Music 2の中心。171以上のプラグイン、400以上のコンポーネントを収録しWaves最大のバンドルであることは周知のところ。もちろん、iZotope RX8を組み合わせることでオーディオリペアも究極のレベルに昇華ッさせることができるでしょう。そして、バンドル例は今回の企画で税込約94万円の最大バリューとなるセットアップ。Musicだけではなく幅広い業務にも耐えうるラインナップが一気に充実となるのではないでしょうか! ●バンドルは全44種、ご希望のシステム見積は専用見積フォームよりご依頼ください。 MASSIVE PACK:Post <Plug-ins List> ●iZotope / Post Production Suite 5 ●FabFilter / Essentials Bundle ●Nugen Audio / Producer Pack ●McDSP / FutzBox HD ●SoundToys / SoundToys 5 Bundle ●Sonnox / Post HD-HDX (8 Oxford Plug-ins) ●Non Leathal Application / Video Slave 4 Pro ●Le Sound / AudioTexture Massive Pack:Postは大盛りです!RX 8 Advanced、Nectar 3、Neutron 3 Advanced、Dialogue Matchなどなどといった、リペア・ミックス・デリバリーに必要な業界標準のツールが全て収められたPost Production Suite 5、ここにNugen Audioの8プラグインをバンドルしたProducer Packが加わるだけでなく、McDSP FutzBox、Le Sound AudioTextureなど演出を多様に表現できるツールも用意。さらにVideo slave 4が加わることでワークフローも広がりを見せます。こちらのMTRXをI/Oに据えたバンドル例も約65万円のバリューとポストプロダクションに必須となる要件を満たしながらコストパフォーマンスにも秀でたプランです! ●バンドルは全44種、ご希望のシステム見積は専用見積フォームよりご依頼ください。 バンドル導入を徹底サポート、トレードプラン&おトクなショッピングローン! お手元の機材を有効に活用するI/Oトレードプランをご提案です。HD I/O、HD OMNIのほか、各社からリリースされるI/Oを通常よりも約15%アップで高額下取りします!長年愛機として使用してきた機材を有効に、そして新たなシステムをコストパフォーマンス良く導入する絶好のチャンスです。対象機器の詳細は下記のリンクより一覧リストをご覧ください! そして今回はシステム導入をサポートするべく「24回無金利」、「48回低金利」のショッピングクレジットローンに対応いたします。もちろん、通常の現金、クレジットカードほかでのお支払いも可能。ニーズに合わせたお支払い方法でスマートな導入プランをご検討ください! 全部で44種類にもおよぶ今回のMASSSIVE PACK BUNDLE!どのプランニングが適切なのかご検討にも迷うところではないでしょうか。もちろん経験豊富なROCK ON PROスタッフが導入に至るまでのご相談を承らせていただきます!ROCK ON PRO渋谷03-3477-1776、ROCK ON PRO 梅田06-6131-3078までご連絡ください。また、お見積もりのご依頼は下記の「専用お見積もりフォーム」からも可能です、お問い合わせお待ちしております! ●I/Oトレードプラン:対象機種リスト ●Avid Avid / HD I/O 8x8x8 上限下取り価格¥115,000 Avid / HD I/O 16x16 Analog 上限下取り価格¥160,000 Avid / HD OMNI 上限下取り価格¥75,000 ●Focusrite Focusrite / Red 4Pre 上限下取り価格¥105,000 Focusrite / Red 8Pre 上限下取り価格¥115,000 Focusrite / Red 16 Line 上限下取り価格¥126,000 ●Antelope Antelope / Orion Studio Synergy Core 上限下取り価格¥125,000 ●Apogee Apogee / Symphony I/O Mk II 8×8 (TB,HD) 上限下取り価格¥140,000 Apogee / Ensemble 上限下取り価格¥90,000 ●Prism Sound Prism Sound / Titan 上限下取り価格¥184,000
Music
2021/02/08

吹田市文化会館 メイシアター 様 / 〜DanteとAVBが共存するシステム〜

大阪梅田よりほど近い阪急千里線吹田駅前にある「吹田市文化会館 メイシアター」。吹田市制施行45周年を機に1985年にオープンした多目的文化施設である。正式名称は吹田市文化会館であるが、愛称であるメイシアターが広く知られている。充実した設備を備え、大中小3つのホールと、レセプションホール、展示室、練習室など様々な催しに対応できるキャパの幅広さと、コスト面でもリーズナブルに利用できることから人気を集める施設である。今回ここに音響メインコンソールとしてAvid S6Lが導入されたのでレポートしていきたい。 幅広い演目に対応する舞台環境 今回はAvid S6Lが導入された大ホール、中ホールを中心にご紹介したい。阪急吹田駅の目の前、JR吹田駅からも徒歩圏内とアクセスの良い立地、大阪梅田からは20分程度でアクセスができる利便性の高いロケーションに位置する。愛称のメイシアターの由来は、市の花である「さつき」のメイであること、また新緑あふれる「五月」を表す英語の「MAY」、さらには可能性を表わす助動詞の「May」を連想して、未来への希望を館名に託して命名されている。 大ホールはフルオーケストラにも対応する客席数1382席の多目的ホール。充実した舞台装置、そしてオーケストラピットを備えており、オペラやバレエの公演にも使用できる開口15~18m、奥行き17mの大きな舞台を備えている。音響反射板もあり、クラシックコンサートにもしっかりと対応することが可能だ。中ホールは、通常時客席数492席、舞台を取り囲むように客席を追加してアリーナ形式にすることで最大622席まで拡張することが可能。開口13~19m、奥行き10.5mという大きな舞台を備え、演劇、ミュージカル、古典芸能など様々な演目に対応する。こちらのホールも音響反射板が用意されており、ステージも十分に広いため小編成のオーケストラであれば十分に公演が可能である。ホールは照明設備も充実し常設の設備だけでほとんどの演目に対応できる。 雲が晴れた、音のピントが合った 音響反射板をおろした状態の大ホール。カラム、プロセに見える黒い長方形のものが L-Accousticのラインアレイ6/3で常設設置されている。調整室は、上手壁面が照明、下手壁面に音響がそれぞれある。 設備は1985年の開館の後、1997年~1998年に1回目の大規模な入れ替えが行われ、アナログコンソール、メインスピーカー等を更新しその約15年後デジタルコンソールYAMAHA M7CLに大・中ホールとも更新した。その後、機材の追加はあったものの大規模な改修作業は行われず、2017~2018年に満を持して大規模改修を計画し入札までこぎつけたがあいにく入札不調になり舞台機構、共用トイレのみの改修を当初計画の1年間休館して行った。改修開けの2018年6月18日に大阪北部地震が発生し震源にほど近く、吹田市も最大震度5強を観測した。メイシアターも大ホールの客席天井裏の吊り天井用鉄骨などに被害が出、大ホールの使用を中止した。震源にほど近く、最大震度5強を観測した吹田市ということもあり全館に渡り被害が出た。特に大ホールの被害が大きく、天井の鉄骨が曲がるなど大規模な改修を行わないことには、再開できない状況になってしまったということだ。 大規模な改修作業が必要となったことで2019年7月より2020年8月まで長期に渡る休館を実施。徹底的な改修が行われることとなった。改修は音響改修、ホールの椅子の交換、電源設備の更新など多岐に渡り、最新の設備を備えるホールへと生まれ変わった。音響面の変化は大きく、音響反射板の改修、座席の更新により、ホール自体の音響特性がブラッシュアップされた。具体的には、残響時間が0.4s程度長くなり、2.2s@500Hzと充実した響きを手に入れている。また、常設のプロセ、カラムスピーカーが、会館当時より使われてきた壁面内部に設置されたものから、外部に露出したL-Accoustic社製ラインアレイへと更新。どうしてもこもりがちであった音質面で大きく改善がなされた。 音量が必要な場合には、カラムの下部にグランドスタックを追加することができ、それほど音圧を求められないコンサートであれば十分に対応可能になったということだ。プロセスピーカーは昇降装置を備え、スピーカーユニットの故障等に客席レベルまで降ろすことで修理対応がしやすくなった。クラシックコンサート、オペラ、バレエなどの演目を行うホールにおいて露出型のスピーカーは敬遠される傾向が強かったが、近年ラインアレイ・スピーカーによる音質向上と、カバーエリアの拡大というメリットの方が勝り、また実際の導入例が増えてきていることもあって採用へと踏み切ったということだ。スピーカー駆動のアンプも同時に更新され、各アレイの直近に分散配置されている。コンソールからアンプまではAES/EBUでのデジタル接続で、外部からのノイズへの対策がなされている。また、各アンプラックには安定化電源装置も備えられ、音質への最大限の配慮が行われている。これらの更新により雲が晴れた、音のピントが合った、というような感想を持っていると伺うことができた。 2つのAoIPをどう活躍させるか その1年に渡る改修作業の中で、大ホール、中ホールへ常設音響メインコンソールとしてAvid S6Lが導入されることとなった。各ホールの音響調整室に設置されたS6Lは24Fader仕様のS6L 24Dをコントロールサーフェスに、エンジンはE6L-144が採用されている。I/Oは調整室、下手袖それぞれにStage64が用意され十分な入出力を用意している。大ホール、中ホールの設備は基本的には同一の設備、設置に関しても同一のレイアウトとなっている。つまり、一つ覚えれば両方のホールでのオペレートに対応できるため、オペレートするスタッフの負担を減らすように配慮されているということだ。 システムの設計上で苦労をしたのは、従来のYAMAHAコンソールを中心にしたシステムとAvid S6Lを共存させるという点。これまではYAMAHAのコンソールを中心としたシステムでDanteを活用したシステムアップが行われており、それらの機材は更新後もそのまま残されている。客席にコンソールを仮設してのミキシングなどのためにYAMAHA QL、TFシリーズ、LS9、M7CLが準備されていることからも、これはまだまだ活躍することになるシステム。一方のAvid S6LのバックボーンはAVBを使っている。そのため、DanteとAVBという2つのAoIPがシステム内に混在することになってしまった。 もちろん、Avid S6LにはSRC付きのDante Optionカードがあるため、そこを通じて接続されているわけだが、チャンネル数が制限されるため、運用の柔軟性を確保するための設計に苦心されたということだ。AoIPの接続はメタルのEthernetケーブルを使っているが、引回し距離は最長でも80mまでに収まるようにしているとのこと。それ以上の距離になる際には、一旦Switchを用意し距離減衰によるエラーが起こらないように注意が払われているということだ。取材時はホール再開直後ということもあり、実運用はまだこれからのタイミングであったが、96kHz駆動のコンソールということもあり、クリアな音質をまず感じているということだ。 中ホールのS6Lは大ホールと共通化された設置。 中ホール舞台より客席を望む。 大規模なツアーなどで目にすることの多いAvid S6Lだが、文化会館クラスの設備ではまだまだ導入例は少ない。固定設備としての導入も、国内では珍しいというのが現実である。若い技術者に今回導入されたコンソールでAvid S6Lに触れ、さらに大きなコンサートなどでのオペレートへと羽ばたいていってほしい、このAvid S6Lの導入が大阪で活躍する技術者の刺激にもなってほしいというとの思いもお話いただいた。将来の世代にも向けた多くの意志を込めたAvid S6Lの導入、是非ともその思いが大きな結果として実を結ぶ日を楽しみにしたい。 今回取材ご協力をいただいた、公益財団法人 吹田市文化振興事業団 舞台管理課 課長代理 前川 幸豊 氏(手前左)、舞台管理課 谷尾 敏 氏(手前右)、ジャトー株式会社 サウンド社サウンドアドバンス部 エンジニアグループ 主任 松尾 茂 氏(奥左)、ROCK ON PRO 森本 憲志。 *ProceedMagazine2020-2021号より転載
Broadcast
2021/01/28

朝日放送テレビ株式会社 様 / 〜Immersive制作を実現する、放送局におけるMA室改修を読み解く〜

大阪のテレビ朝日系列の放送局、朝日放送テレビ株式会社のMA室の改修を行った。放送局のMA室ということで、色々なトラブルに対応するための工夫はもちろんのこと、様々なスタッフが利用する施設であるため、操作の簡便化などを念頭に置きつつ、イマーシブフォーマットのオーディオへ対応するため天井へ4本のスピーカーを増設し、5.1.4ch formatのDolby Atmos仕様での最新設備へとブラッシュアップが行われた。朝日放送テレビでは、Flux Spat Revolutionをすでに使用いいただいていたこともあり、このソフトウェアを活用することで、様々なフォーマットの視聴なども行うことを前提として設計が行われている。 AvantをS6 + MTRXで置き換える 朝日放送テレビのMA室はこれまで、SSL Avant 48faderがメインコンソールとして導入され、コンソールミックスを前提とした設備となっていた。そのためMA室には、多数のアウトボード・エフェクトが準備されたシステムが組まれていた格好となる。しかし昨今はDAW内部でのIn The Boxミキシングが主流となっているということもあり、コンソールの更新にあたりデジタルコンソールとともに、DAWコントローラーとして主流となっているAvid S6が並行して検討された。放送局の設備として、コンピューター(DAW)が無いと何もできない製品を採用すべきなのか?という議論が当初は行われた。この部分はAvid MTRXが登場し、これをメインDAWとは別のPCで制御することで、システムの二重化が行えることがわかり、少なくともデジタルコンソールのセンターセクション部分は、十分に代替可能であるという結論となった。他にも様々な側面より検討が進められ、今回の更新ではバックボーンとして広範なトラブルにも対応を可能とする大規模なAvid MTRXを活用したシステムとAvid S6の導入となった。 Avid S6は40 Fader仕様と、従来のAvantと同一の規模。5KnobにDisplay Moduleが組み合わされている。モニターセクションは、MTRXをDADmanでコントロール。この部分は、前述の通りDADman専用にMac miniが用意され、DAW PCを起動せずともモニターセクションが単体で動作するような設計となっている。モニターセクションのリモートにはDAD monが用意され、フィジカルでのコントロールの利便性を上げている。DADman部分を二重化するにあたり、同一のプリセットファイルをサーバー上にバックアップし、PCの不良の際にはそちらからDADmanを起動することで回避できるように工夫がなされている。 これまで使用してきたAvantにはかなり多くの回線が立ち上がっていた、それらを整理しMTRXに立ち上げてある。そのため3台のMTRXが導入されたのだが、その使い分けとしてMain/SubのPro Toolsにそれぞれアナログ入出力、メーター関連、VTR送りとしてほぼ同一の仕様が2台。3台目はMain Pro Toolsに接続され、AV Ampからのアナログ入力及び、外部エフェクトSystem 6000が立ち上がっている。ここもシステム二重化が考えられている部分で、Main Pro Toolsの不具合時には、パッチでSub Pro ToolsがMainの回線を取れるように、また、MainのMTRXが壊れた際にはSubのMTRXを差し替えることで復旧が行えるようになっている。 MTRX3台をブリッジするDante 3台のMTRXは128ch Dante Option Moduleを使用してDante Networkに接続されている。この128chの回線が3台のMTRXの信号のブリッジとして活躍している。Danteであれば信号を分配することが容易なため、例えばAV Ampからの信号は、Dante上でモニターセクションをコントロールしているMain1台目のMTRXとSub MTRXへと送られているということだ。一見ブラックボックスに見えるこのシステムだが、一歩引いて考えれば理にかなったシンプルなシステムであることがわかる。二重化を前提としたシステムではあるが、普段はパッチレスですべての信号がMain/Sub Pro Tools両者で受け取れるよう工夫が行われている。 文字で書いてしまうとたしかにシンプルではあるが、かなりの検討を重ねた結果たどり着いたシステムであることには変わりない。また、実際のハードウェアセットアップにあたっては別の役目(パケットの流れるNetworkの切り分け)にも苦心した。具体的には、実際の音声回線であるDante(Primary/Secandary2系統)、S6をコントロールするEuCon、MTRXを制御するDADman、Pro Tools同士/Media Composerを同期させるVideo Satellite、ファイルベースのワークフローに欠かせないファイルサーバー。これら5つの異なるパケットがNetworkを必要とする。どれとどれを混ぜても大丈夫なのか、分けなければいけないのか?そして、ややこしいことにこれらのほとんどが同じ機器に接続されるNetworkであるということだ。できる限り個別のNetworkとはしていたが、すべてを切り分けることは難しく、かなり苦労をして設計を行うこととなった。様々な機器がNetowork対応となるのは利便性の上で非常に好ましいが、機器の設計者はそれらが同一のNetwork上で安定して共存できるようにしてもらいたいと切に願うところである。せっかく便利なNetoworkを活用した機器も、使いづらくトラブルを引き起こすものとなってしまっては本末転倒である。 朝日放送テレビのMA室には4台のPCがセットアップされている。それぞれ役割としてはMain Pro Tools用、Sub Pro Tools兼Media Composer(Video Satellite)用、DADman用、Flux Spat Revolution用となっている。これらのKVMの切替はAdderView Pro AV4PROが使われている。この製品をコントロールルームに置かれた外部リモコンにより切り替えるシステムだ。切替器本体はマシンルームに置かれ、切替後の信号がコントロールルームまで延長され引き込まれている。これにより延長機の台数を減らすことに成功している。KVM Matrixを実現するシステムはまだまだ高価であり、それに近しい安価で安定したシステムを構築するのであれば、このアイデアは非常に優れていると言えるだろう。 FLUX Spat Revolution専用機、DADman専用機として運用されるMac mini。その上部には、KVM切替器であるAdderが見える。 高さ方向に2層のレイヤーを持つ スピーカーシステムの話に移ろう。今回のMA室改修ではフロントバッフルを完全に解体し、TVモニターの更新、そしてLCR及びハイトLRの埋め込みが新しいフロントバッフルに対して行われた。サラウンドサイドのハイトスピーカーは、既設のサラウンドスピーカー設置用のパイプを使っている。そのため実際の増設分は、サラウンドLRの2本のスピーカーおよび、スピーカースタンドである。この改修により、Dolby Atmosフォーマットを参考とした5.1.4chのスピーカーシステムが構築された。なぜ7.1.4chにしなかったのか?という部分の疑問はもちろん浮かぶだろうが、朝日放送テレビにとって高さ方向に2層のレイヤーを持てたということの方が、後述するFlux Spat Revorutionの使用を考えると重大事である。スピーカーは元々5.1chのシステムで使用されていたMusik Electronicの同一の製品で4本が増設されている。 スピーカーレイアウトの平面図。L,R,Ls,Rs各スピーカーの上空にTOPスピーカーが配置されている。平面のスピーカーはMusik RL904が5本、上空はRL906が4本、これで5.1.4chのスピーカーレイアウトとなっている。フロントL,Rchはメインであるステレオ作業を考慮しラージスピーカーを理想位置である開き角30度に、Atmosはその内側22.5度に配置している。 スピーカーの補正用プロセッサーは、MTRXのSPQ Optionが活用された。SPQ Optionは、スピーカーの各出力に対して最大で16chのEQ及び、ディレイを掛けることができる強力なプロセッサーカードだ。これはMTRXのOption Moduleスロットを1つ専有してその機能が追加されることとなる。この機能を活用することにより、外部のプロセッサーを使わずにスピーカー補正を行うことができる。システムがシンプルになるというメリットも大きいが、クオリティーが高いMTRXのDA前段でプロセスが行われるため、そのアナログクオリティーをしっかりと享受できるというのも見逃せないポイントだ。 スピーカー正面図 リアハイトのスピーカーは2本のバーに専用金具でクランプ フロントハイトのスピーカーは高さを得るため半埋め込みに Ambisonics制作はスタートしている Flux Spat Revolutionの操作画面(メーカーHPより抜粋) これまで何度となく名前が挙がっているFlux Spat Revolution。このソフトウェアが何を行っているのかというと、3D空間に自由配置した音声をその一番近傍のスピーカーから再生するということになる。この機能を活用することで、各種イマーシブフォーマットを再現性高く再生することが可能となる。基本的なスピーカーの設置位置はDolby Atmosに倣ったものだが、Auro 3D、22.2ch、さらにAmbisonicsなども最適な環境で視聴することができるということになる。スピーカー数が多ければ多いほどその正確性は増すが、スピーカー数が限られた環境だとしてもその中でベストのパフォーマンスを得ることができるソリューションでもある。そして、このプロセッサーを通して作った(3D空間に配置した)音声は、ありとあらゆるフォーマットの音声として出力することができる。Dolby Atmos 5.1.4chの環境で制作したものを、スピーカーの設置角度の差異などを踏まえAuro 3D 13.1chとして出力できるということだ。 実際にこのFlux Spat Revolutionを使い、Ambisonicsの音声の制作は行われており、今後の配信サービスでの音声として耳にすることがあるかもしれない。直近では、ユネスコの無形文化遺産にも登録されている人形浄瑠璃・文楽の配信動画のVR版の制作に活用されたということだ。都合により、最終の音声はSpat Revolution経由のものではないとのことだが、Ambisonics音声の制作への挑戦がすでに始まっているとのこと。各所に仕込んだマイクの音声をパンニングすることで3D空間に高い再現性を持たせる、つまり、実際に仕込んだマイクの位置をSpat上で再現して、そこで鳴っている空気感をも再現することができているということだ。すでに各所で話題となっている、3D音声を使ったライブ配信などにも活用可能なSpat Revolution。ポストプロダクションからライブ会場まで様々な分野に活躍の場を広げているが、このMA室のようにしっかりと調整された環境で確認をしながら作業が行えるということは、作品のクオリティーアップ、作業効率の向上など様々なメリットをもたらすことだろう。 放送でも広がるイマーシブコンテンツ スタジオの全景。新しく作られたフロントバッフルには、従来より引き継がれたFostexのラージモニターとハイト方向を含む5本のMusik Electornicのスピーカーが見える。 放送局としては、強みでもあるスポーツ中継などにもこのソリューションの活躍の場を広げるべく様々な実験が行われているということだ。確かに、野球中継、サッカー中継などスタジアムで行われる音声であれば、会場の空気感をAmbisonicsで表現することは可能である。すでにスタジアムの様々な箇所に設置されている観客マイクを、Spat Revolution上に相対的な位置関係を再現することで、かなりクオリティーの高い現場の空気感の再現が可能となるのではないだろうか。これらの結果が早く楽しめるようになれば、現在の動画視聴の多くを占めるスマホ / タブレット+イヤホンの環境での視聴体験を拡張するものとなってくれるだろう。 少し脱線するが、この場合の配信音声はバイノーラルへと変換済みの2chの音声になると予想される。もちろん、一部のDolby Atmos Music、Sony 360 Reality Audioなどのようにマルチチャンネルデータのまま配信を行い、ユーザーの手元のデバイスでバイノーラルプロセスを行うものもあるが、映像配信においてはまだまだ2chが主流であると言える。バイノーラルの音声は、一般的なスピーカーで聞いても破綻のない音声であることは周知の事実である。もちろん、従来のステレオ音声に比べれば、音像が少し遠い、音の輪郭がぼやけるなどはあるものの、破綻をしているような音声ではない。そういったことを考えると、非常に今後に期待のできる技術ではあるし、放送局の持つノウハウを活かしたコンテンツの未来を感じさせるものであると言えるだろう。Spat Revolutionを使ってミキシングを行っていれば、バイノーラルでの出力はもちろんだがDolby Atmos、Auro 3Dなどの他のフォーマットでの出力も用意できることは大きなメリットであると言えるだろう。 スポーツ中継を想定して書き進めてしまったが、ほかにもクラシック・コンサート、オペラ、吹奏楽などの各種コンクール、新喜劇など劇場での公演にも非常に有効な手法であると言える。今回お話を伺った和三氏の2019年のInterBEEでのセミナーでもこれらの取り組みについて取り上げていたが、その中でもこのようにAmbisonicsで制作した会場音声のバイノーラル2chに対して、ナレーションを通常のステレオミックスであるように混ぜることで、会場音声は広がっていつつ、ナレーションは従来どおりの頭内定位を作ることができる、とご講演いただいている。これは大きなヒントであり、ヘッドフォン、イヤフォンでのコンテンツの視聴が増えているいまこそ、この手法が活きるのではないかと感じている。 Immersiveな音声でのコンテンツが今後の放送でも新たな価値を生み出すことになる。それに先駆けて改修対応を行い、多様な3Dサウンドへの最適環境を構築し、すでにコンテンツの制作もスタートしている朝日放送テレビの事例。まずは今回導入された高さ方向のレイヤーを持ったスピーカーレイアウトを活用して制作された音声が、様々なところで聴けるようになることを楽しみにしたいところ、そしてそのコンテンツをまた皆さんにご紹介する機会ができることを期待してやまない。 朝日放送テレビ株式会社 技術局員 出向 株式会社アイネックス 兼技術局制作技術部 設備担当 和三 晃章 氏 *ProceedMagazine2020-2021号より転載
Review
2021/01/25

Avidから音楽のための新I/O、Pro Tools | Carbon ~Built to capture brilliance ~<ProceedMagazine掲載記事>

Avid純正I/Oとしてはおよそ10年ぶりとなる新製品、Pro Tools | Carbonが発表された。Built to capture brilliance - 音楽の輝きを捉えるために生まれた - をキャッチコピーとする待望の新プロダクトだ。本記事ではHDX DSPチップ内蔵という驚愕の進化を遂げた仕様をはじめ、Avidのイノベーションと最新テクノロジーが盛り込まれた新時代のAvid I/Oの機能と実力をあらわにしていく。 ●Pro Tools | Carbon 価格 ¥478,500(本体価格 ¥435,000) <主な仕様> ・対応OS:Macのみ ・対応DAW:Pro Tools, Pro Tools | Ultimate ・同時最大入出力:25インプット x 34アウトプット ・Mic/Line 入力:8x プリアンプ・インプット (コンボジャック5-8と2系統のInst入力はVariable Z対応) ・Analog Line I/O:8 x 8 (DB25) ・ADAT I/O:2 x Optical (ADAT/SMUX) 16 x 16 ・モニター出力:2x 1/4″ ・ヘッドフォン出力:4 x 1/4″ (Stereo) ・コンピューターとの接続:Ethernet (AVB) ・同期:Word Clock (BNC) ・サンプリング周波数:44.1kHz-192kHz ・ビットレート:32bit ADDA ●本記事も含めたProceedMagazine2020-2021号のご購入はコチラから! HDXチップ内蔵オールインワンI/O Built to capture brilliance - 音楽の輝きを捉えるために生まれた - Pro Tools | Carbonは、そのキャッチコピーの通りミュージック・クリエイターをメイン・ターゲットとしたプロダクトだ。Pro Tools | MTRX / Pro Tools | MTRX Studioが、主に膨大なトラックをハンドリングすることが想定されるポストプロダクションに歓迎される仕様だったことを考えると、久々の音楽制作向けハードウェアと言えそうだ。 同時最大25in/34outの豊富な入出力、新開発のマイクプリ、インストゥルメント入力のインピーダンス可変機能、そして大注目の内蔵HDXチップなど、機能面を見ただけでもソロからバンド編成のミュージシャン、音楽エンジニア/プロデューサーなど、音楽制作で使用するために必要十分な機能がふんだんに盛り込まれている。しかし、さらに注目に値するのは、AvidがこのPro Tools | Carbonのために多くの新技術を研究開発したという事実だろう。Pro Tools | Carbonは従来とはまったく異なる新しいコンセプトを持ち、I/Oそのものの使い方だけでなくPro Toolsやシステムセットアップ、ひいてはワークフローまで変革するほどのイノベーションを秘めたプロダクトと言っても過言ではない。まさにAvidのイノベーションが詰まったこのプロダクトの機能や使い方について、以下で詳細に見ていきたい。 Pro ToolsにHDXのパワーを与える Pro Tools | Carbonの仕様で最も目を引くのは、なんといっても筐体内部に搭載されたDSPチップだろう。チップはAvid HDXカードに搭載されているものと同じものとなり、non-UltimateのPro ToolsでもHDXシステムと同様にオーディオをニアゼロ・レイテンシーで扱うことができるようになる。しかも、AAX DSPプラグインをPro Toolsで使用することまで可能になる。 HDX+Pro Tools | Ultimateというシステムのもっとも大きなアドバンテージであったDAWからのモニタリングやプラグインの掛け録りがPro Toolsにも開放された格好となるが、これはPro Tools | CarbonがHDXシステムの単なるエントリーモデルという立ち位置のプロダクトであることを意味するわけではない。HDXはシステムの構成上I/OとDSPカードが別々の筐体となるが、Pro Tools | Carbonは本体内部ですべてのオーディオプロセッシングを完結させることができる。そのため、一貫したアルゴリズムによる処理や介在するインターフェイスを減らすことが可能となっている点は、既存のHDXシステムに対するアドバンテージと言えるだろう。また、新テクノロジーであるHybrid Engineによって必要なトラックだけをDSPモードで処理することが可能となり、マシンパワーを効率的に運用できるようになっていることも見逃せない。 パンポットの上にある稲妻マークがDSPモード切替ボタン。ウィンドウでは、いくつかのプラグインがPro Tools|Carbonで処理されていることがわかる。 高品質を実現する数々のテクノロジー Pro Tools | Carbonは音楽クリエイターをメイン・ターゲットとしているだけあり、サウンドクオリティにもこだわったデザインがなされている。背面に8機搭載されたマイクプリは本機のために新開発されたもの。Avidいわく「Avid史上最高のクオリティを誇る性能」とのことだ。マイク/ライン入力のうち、6系統にはインピーダンスを変化させることができるVariable Zを搭載。ギター/ベースのキャラクターを変化させたり、リボンマイクを使用する際に適切なインピーダンスに設定することが可能となっている。 こうしたアナログ部分だけでなく、デジタルオーディオのクオリティにとって極めて重要なアルゴリズムの部分にも新技術が使用されている。Pro Tools | CarbonはAvid I/Oとしては初の32bit Floating処理に対応。ソフトウェア部分ではPro Tools 11から採用されていたが、本機への実装によって入力から出力までを一貫して32bitで処理することが可能となり、信号経路の途中で不要な歪みが発生する心配から解放されることになった。クロックには特許取得の倍精度JetPLLジッター除去技術が用いられている。従来のJetPLLを基にしたクロックの2倍の速度で動作するこのテクノロジーにより、これまでよりもジッターの発生を抑制することに成功している。 non-Ultimateユーザー向けのI/Oとしては初となる8ch分のプリアンプを搭載。背面コネクタはコンボジャック仕様でLineレベルと兼用可能だ。2系統のADAT IN/OUTコネクタは96kHzまでのサンプリングレートで合計16ch分のデジタルI/Oを確保、フットスイッチにも対応し、これ1台で制作環境を完結させることが可能な仕様となっている。 Pro Tools | Carbon内部の様子。中央にDSPチップを積んだ基板が確認できる。内部はFPGAで動作しており、高速な処理が可能。すべてのオーディオ処理が内部で行えるため、スループット720nsという超高速処理を可能としている。静謐性を重視したファンは内部温度を検知し、フロント側からリア側へと空気の流れを作ることで効率的な排熱を行う。 ソロアーティストからバンドまで豊富な入出力 最大同時25in/34outという豊富な入出力は、ソロアーティストからバンドまで、ひとつの機体でレコーディングすることを可能としている。アナログ入力はMic/Line x8ch + トークバック(Mono)に限定されるが、これだけでもバンドの個別録りに十分対応できる。さらに2系統のADATを活用して、入出力を拡張することも可能(16ch @44.1-48kHz/8ch @88.2-96kHz/4ch @176.4-192kHz )。フルバンドやオーケストラのレコーディングにも対応できるだろう。 フロントパネルに4系統が備わるヘッドフォンアウト、2系統のインストゥルメント入力も特徴的だ。アコースティックなユニットを自宅スタジオで収録したり、ドラムがブースに入ってギターとベースはコントロールルームから同時録音、といった使い方ができる点は、インディペンデントな活動をするアーティストやエンジニアにはうれしい仕様と言える。さらに、背面にはメインアウト2系統に加えて8ch分のLine出力を備えているため、商業スタジオでも従来のI/Oと同様に使用することが可能だ。 Variable Z対応のInst入力を配置。 フロントパネルに備わる4機のヘッドフォン出力。 先進のAVB接続にも対応したセットアップ リリース当初はMac専用機となるPro Tools | Carbon。HDXカードもDigiLinkケーブルも不要なこのI/OはMacとの接続は至ってシンプル。それでいて、外部機器との間には十分な拡張性を備えている。Pro Toolsの対応バージョンは、本機の発表に合わせてリリースされたPro Tools 2020.11以降、対応OSはCatalina 10.15.6以降となっている(macOS 11 Big Surには未対応)。 Macとの接続はAvidライブコンソールであるS6Lと同じAVBが採用されており、LANケーブル1本でMacとの接続が完了する。LANポートのないMacBookの場合は、現状ではApple純正アダプタの使用が推奨されている。USB-Cポートしかないモデルの場合はアダプタを2重に使用しなければならないのが難点だが、今後、Avidから何かしらのソリューションが発表されることに期待したい。 Pro Tools | Carbonの開発にあたってAvidはAppleとも強力なコラボレーションを取ったようで、CoreAudioが認識するAVBストリームを、Pro Tools専用のエリアとOSと接続するエリアにわけるような動作を実現している。これにより、Pro Toolsからのアウトと同時に、同じMacにインストールされたその他のアプリケーションのアウトプットもPro Tools | Carbonから聴けるようになっている。また、AVB接続を採用したことで将来の拡張性にも期待が高まる。残念ながら現時点では明確なビジョンは示されていないが、Pro Tools | Carbon背面にはふたつのLANポートがあるため、何かしらの拡張性を見据えているのは確かだろう。ネットワークオーディオの利点を生かしたスケーラブルな機能の実装が待ち望まれるところだ。 Pro Toolsから本体の様々な設定が可能。ヘッドフォン出力へのソース切り替えやトークバックゲインなどもPro Toolsから変更できる。 AVBストリームがOS内部で二股に別れたような認識のされ方をしている。これにより、Pro Tools以外のアプリケーションの音もPro Tools | Carbonから再生が可能。 また、MTRX/MTRX Studioの場合、内部のルーティングマトリクスを操作するためには専用アプリであるDADManにウィンドウを切り替える必要があったが、Pro Tools | Carbonは完全なAvidの純正I/OであるためPro Toolsソフトウェアからコントロールする。特に4系統のヘッドフォンアウトのソースはStereo Mixを出力できることはもちろん、CUEとしても使用可能だ。CUEモードとして設定したヘッドフォンアウトはI/O設定でアウトプットとして認識するため、CUE Mixとして使用することもでき、さらに本体に内蔵されているTALKBACKを混ぜることも可能だ。そのほか、後述するHybrid EngineのコントロールもすべてPro Toolsソフトウェアから離れることなく行うことができる。 そして、パーソナルユースでも気になるのはその静粛性。Pro Tools | Carbonの開発にあたっては、サーマルデザインも一新されたそうだ。内部ファンは効率的な排熱のために回転速度を自動調整し、放熱量を低く抑えながらも静かな筐体を実現している。ミュージシャンが自宅スタジオでレコーディングする場合などでは、マシンのファンノイズはことのほか大きなノイズ源となる。さすが、音楽のために作られたI/Oを自称するだけのことはあるというものだ。 Hybrid Engine、Native-DSPパワーの統合 Pro Tools | Carbonに内蔵されたDSPを活用することで、Pro ToolsにHDXシステムのアドバンテージを追加することができる。前に掲載した稲妻マークが各トラックに用意されており、1クリックでDSPへの切り替えが可能だ。 多くの特徴と機能が詰め込まれたPro Tools | Carbon。ここからは、その機能をどのように活用していくことができるか考えてみよう。 Avidが考えるオーディオ処理の新しいコンセプトはHybrid Engineと名付けられた。Pro Tools | CarbonはDSPチップを内蔵しているが、すべてのオーディオ信号を自動的にDSPで処理するわけではない。DSP/CPUそれぞれの負荷や、作業に必要な機能に応じてDSPとCPUに処理を割り振ることができるようになっている。具体的には、Pro ToolsのトラックごとにDSPモードのON/OFFが切り替えられるようになっている。DSPモードがONになったトラックのオーディオストリームはPro Tools | Carbonの内蔵DSPによって処理されるようになるため、ニアゼロ・レイテンシーでのモニタリングやAAX DSPプラグインの使用が可能になるという仕組みだ。例えば、ボーカルをレコーディングする時やギターソロを差し替えたい場合などには、録音するトラックだけをDSP ONにしておき、残りのトラックのプレイバックにはCPUパワーを使用する、といった使い方が考えられる。トラックのDSPモードON/OFFは、Pro Tools上で1クリックで実行可能だ。 AAXプラグインの柔軟性を最大限に活用 本体にDSPを内蔵したオーディオI/Fとしては、他社がAvidに先駆けて多くのモデルをリリースしている。しかし、その多くは本体がホストに接続されていない状態ではプラグインを使用することができないため、セッションを持ち出す際には必然的に筐体ごと持ち歩かなければならなかった。それに対して、すべてのAAX DSPプラグインはNative環境でも動作するため、外部スタジオにセッションデータだけを持ちこんだり、ほかのクリエイターとコラボレートすることが容易に可能だ。そもそも、AAX開発時には「DSP環境とNative環境でのサウンドテイストの違いをなくす」ということが大きな目的のひとつとして掲げられていた。Pro Tools | Carbonの登場によって、より広範なユーザーがこの恩恵に与ることができるということだ。 当然だが、Avid純正のプラグインだけでなく3rdパーティ製のAAX DSPプラグインを使用することもできる。ピュアなサウンドキャラクターから積極的な音作り、ギターエフェクトやアンプシュミレーターなど、使い尽くせないほどのバリエーションからイメージにぴったりのプラグインを探す時間が、実は一番楽しいひとときかもしれない。 8基のマイクプリに加え、フロントにもInst入力2系統(Variable Z対応)とヘッドフォン出力4系統を備えたPro Tools | Carbonがあれば、自宅スタジオでも本格的なレコーディングが可能となる。プリプロ制作はもとより、ライン入力とDSPプラグインを活用すれば本番Recやセッション録りまで自宅で実現することができる。ヘッドフォンアウトにはそれぞれ別々のモニターミックスを割り当てられるので、専用のキューシステムがなくてもミュージシャンごとに最適なモニターを返すことができる。もちろん、豊富な入出力を活用して業務用スタジオの既存システムに組み込むことも可能だ。 Pro Tools年間サブスクリプションが付属 Pro Tools | CarbonにはPro Tools年間サブスクリプションライセンス1年分が付属しているため、まったくの新規ユーザーでもすぐにPro Tools | Carbonを使用してクリエイティブな活動が行える。この付属する年間サブスクリプションにはPro Tools Perpetual Parachuteという特殊なオプションがついており、サブスクリプションが切れたあとも最後にダウンロードしたバージョンのままPro Toolsを使用し続けることができる(Avid Complete Plugin Bundleなどの特典プラグインにはアクセスできなくなる)。UPGなどを行いたくなったタイミングでサブスクリプションを更新して、ふたたびUPGや特典の権利を得ることも可能だ。では、すでにPro Toolsのライセンスを持っているユーザーはどうなるのか!?という部分については、下記の表にまとめたので参照していただきたい。 また、ご存知の方も多いと思うが、年間サポートプランまたは年間サブスクリプションが有効中のユーザーはAvid Complete Plugin BundleやHEATをはじめとする特典プラグインを使用することができる。Pro Tools | Carbonに付属する年間サブスクリプションでも、もちろんこの特典を得ることが可能だ。それらに加え、Pro Tools | Carbon購入者限定のプレミアムプラグインとして、3rdパーティ製のプラグイン9種が付属する。購入したその日から、Pro Tools | Carbonのアドバンテージをフル活用することが可能となっている。 Pro Tools | Carbonが、まさにミュージシャン/音楽クリエイターのためのI/Oであることがおわかりいただけただろうか。盛り込まれた機能とテクノロジーだけでなく、そこに込められた情熱も含めて知れば知るほど実機に触れてみたくなる1台だ。 ●本記事も含めたProceedMagazine2020-2021号のご購入はコチラから! ●Avid Pro Tools|Carbonも組み合わせられるMassive Packの詳細はコチラから!! *ProceedMagazine2020-2021号より転載
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2021/01/15

NAMM Belive in Music Rock oN ショーレポートは1月18日より開幕!

新型コロナウィルスがふるう猛威によって、予想よりも長きに渡り、世界中の人々が困難な状況を強いられています。拡大防止のため、今回のNAMM Showは完全オンラインでの開催となりました。経済的にも、あらゆる業界が大打撃を受ける中、医療、経済、教育、エンタメとそれぞれの業界の最前線で戦っている人々がいます。私共を含め、音楽制作、プロオーディオに関わる人間としてできることは、音楽の力を信じること。今年のNAMMは"Belive in Music"と題され、「今こそ音楽の力で世界中を盛り上げよう」という力強い意気込みが込められています。 NAMM Beleive in Music ポータルサイトからのアクセスが便利! ご存知の方も多いかと思いますが、NAMM Showというのは通常、楽器店やメーカーの従業員、契約を結んでいるアーティストなど、業界関係者しか参加することができません。しかし、今回はオンラインにはなりますが、登録さえしてしまえば一般の方でも参加することができます。ここでしか聞くことができないメーカースタッフによるトークセッションや、有名ミュージシャン達によるパフォーマンスなど、注目のイベントが目白押しです! こちらのページから登録が完了すると、Believe in Musicという特設のポータルサイトにアクセスすることができ、新製品やウェビナー、ライブイベントなどの情報をまとめて閲覧することができます。ご自分の地域に合わせたタイムゾーンが表示されるので、とても便利ですね! NAMM Belive in Music 開催概要 期間(日本時間):2021年1月18日(月)〜22日(金) 開催場所:オンライン( 詳細:https://attend.believeinmusic.tv/ ) 参加費:無料  要事前登録:https://attend.believeinmusic.tv/register クイズに答えて人気製品をGETしよう! 今回のRock oN ショーレポートでは、期間中毎日開催されるクイズに答えると人気製品が当たる抽選に参加できます! 注目のプレゼント内容など、詳細はこちらのページから↓ NAMM 2021開催期間中クイズに答えてもらえるプレゼントを発表! https://www.miroc.co.jp/report2/namm-2021-rock-on-report-present/ 関連ページ:NAMM 2021 Rock oN ショーレポート1月18日より開幕! https://www.miroc.co.jp/report/namm-2021-rock-on-report-info/ お問い合わせは下記コンタクトフォームよりお気軽にお寄せください。 https://pro.miroc.co.jp/headline/massive-pack-bundle/#.YAFfAJP7TOQ
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2021/01/08

Media Composer : GUIマスターウェビナー開催情報

2019年に新しいモダンなユーザーインターフェースに生まれ変わったAvid Media Composer。 このMedia Composerの新しいGUIにフォーカスしたウェビナーが開催されます。使い方さえ分かってしまえば、従来よりもはるかにスムーズでクリエイティブな作業に集中できるこのGUIをこの機会にぜひマスターしてください! また、ウェビナーでは、最新のMedia Composer 2020.12についても併せて紹介されます。 詳細、及び、ご参加の登録は下記リンク先よりご確認をお願い致します。 ウェビナー概要 日時:2021年1月15日(金) 14:00〜14:45 場所:オンライン 費用:無料、ただし、要事前登録 詳細確認、及び、ご参加の登録はこちらから>> * ご参加は無料ですが、ご登録が必要です。 * 内容は予告なく変更になる場合がございます。予めご了承ください。
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2021/01/07

手軽に多拠点ストリーミング!〜ATEM Streaming Bridge

ATEM Streaming Bridgeは、ATEM Mini ProシリーズからH.264ストリームを受信して、SDI/HDMIビデオに変換するビデオコンバーター。ATEM Mini Pro / ATEM Mini Pro ISOからのEthenetダイレクトストリーミング信号を受け、SDI/HDMI対応機器にビデオ信号を送ることが出来ます。 つまり、離れた場所にある複数のATEM Mini Pro / ATEM Mini Pro ISOの映像を受け、手元のATEM Mini Pro / ATEM Mini Pro ISOでスイッチングしながらインターネットに配信を行うことが可能になります! ローカルLANだけでなく、特定のポートを開放することでインターネット越しに信号を受けることも可能。世界中のATEM Mini Pro / ATEM Mini Pro ISOユーザーとコラボレーションしながらの多拠点ストリーミングが手軽に行えます。 セットアップ例 ATEM Streaming Bridgeを使用すると、ATEM Mini Pro / ATEM Mini Pro ISOからのダイレクト配信の配信先としてATEM Streaming Bridgeを指定することができるようになる。図のように、ひとつのビデオスイッチャーに信号をまとめることもできるし、SDI/HDMI対応のレコーダーへ入れてやることもできる。各カメラに1台ずつATEM Mini Pro / ATEM Mini Pro ISOを使用して、離れた場所にいるエンジニアにスイッチングをまるごと任せるような使い方も可能だ。 ATEM Streaming Bridge 販売価格:¥30,778(本体価格:¥ 27,980) 高度なH.264コーデックを使用しており、非常に低いデータレートで高品質を得られるため、ローカル・イーサネットネットワークで離れた場所にビデオを送信したり、インターネット経由で世界中に送信できます!放送局とブロガーがコラボレーションし、ATEM Mini Proを使ったリモート放送スタジオの国際的なネットワークを構築できると想像してみてください。(インターネット経由での受信には特定のポートを開放する必要があります。詳細は製品マニュアルをご参照ください。) Rock oN Line eStoreでのご購入はこちらから>> Blackmagic Design ATEM Mini Pro 販売価格:¥ 73,150(本体価格:¥ 66,500) ATEM Mini Proで追加される機能は「本体からインターネットへのダイレクト配信」「マルチモニタービュー」「プログラム出力の外部SSDへの収録」の3つ。本記事の主旨に則ってオーディオクオリティを優先すると、ダイレクト配信機能は使用する機会がないため、各カメラの映像を確認しながらスイッチングをしたい、または、配信した動画を高品質で取っておきたいのいずれかに該当する場合はこちらを選択することになる。 Rock oN Line eStoreでのご購入はこちらから>> Blackmagic Design ATEM Mini Pro ISO 販売価格:¥ 113,850(本体価格:¥ 103,500) ATEM Mini Pro ISOで追加される機能は、ATEM Mini Proの全機能に加え、「全HDMI入出力信号を外部SSDに個別に保存」「スイッチングを施したタイミングをDaVinci Resolveで読み込めるマーカーの記録」の2つ。あとから映像を手直ししたり再編集したりしたい場合にはこちらを選択することになる。アーカイブ映像として公開する前に、本番中に操作を誤ってしまった部分を修正したり、リアルタイムで無料配信したライブを編集し後日有償で販売する、といったことが可能になる。 Rock oN Line eStoreでのご購入はこちらから>> Rock oN Line eStoreに特設コーナーが誕生! Rock oN Line eStoreでは、カメラからスイッチャー、配信や収録向けのマイクなど、映像制作に関わる機材を集めた特設コーナーを新設している。本記事に挙げた個別の機材が購入できるのはもちろん、手軽なセット販売や、スタッフに相談できる問い合わせフォームなどもあるので、ぜひ覗いてみてほしい。 eStore特設コーナーへ!!>>
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2020/12/25

Spat Revolution 無償メジャーアップデート!Big Sur対応をはじめ多数の機能強化・安定性向上を実現!!

Flux::は、2020年12月17日、Spat Revolutionの20.12メジャーアップデートを正式に発表しました。 新しい20.12アップデートは、機能強化に加えて新機能を多数搭載、安定性と互換性を向上させるメジャーアップデートであり、macOS CatalinaとBig Surに対応、Apple notarizationも取得、WindowsとmacOSの最新OSでのパフォーマンスを向上させています。 20.12アップデートでは、いつリリースされたかを簡単に確認できるよう、新しいバージョン管理システムが導入されました。バージョン番号は、実際のソフトウェアのリリース日の年と月、20.12のように記載され、次に4桁のビルド番号が表記されます。 パワーとパフォーマンスの改善 最新のアップデートでは、マルチコアの並列処理アルゴリズムを搭載し、macOS Catalina、Big Surに正式対応、Apple notarizationを取得、すべての最新OSとDAWでより確実な動作を実現しました。永続ライセンス購入による1年間の無償サポートやアップデートなど、新たなバージョン管理システムとサポート方式を導入します。 マルチコア並列処理アルゴリズム 環境設定のインポートとエクスポート macOS CatalinaとBig Surに対応、Apple notarizationを取得 エラー報告ツールを追加 最新のOSやDAWで安定動作 Spatプラグイン(Local Audio LAP)のホストアプリケーションやOS対応の強化 新しいV20.12リリースに伴い、1年間のサポートと永続ライセンス購入で1年間の無償アップグレードを提供 セットアップ・ウィザードとインテグレーション セットアップ・ウィザードが追加されたことで、あらゆる種類のセッションをゼロから構築することが簡単になり、ドラッグ・アンド・ドロップによるモジュールの接続と移動、入力ソースの一括リネームをサポートしています。 DAW、ライブ・コンソール、Pro Toolsトラック・プリセット用のテンプレートを使用すると、オブジェクトベースのミキシング・ワークフローが用意になり、独自のReaVolution Reaperにより、イマーシブ創作のための複雑なワークフローは過去のものとなります。 ReaVolution: Spatによるイマーシブ・ワークフローとの統合を容易にするためのReaperのカスタマイズ版 Avid VENUE S6L、DiGiCo SD、SSLライブ・ライブコンソール用のテンプレート 様々な立体音響フォーマットで任意の規模のセッションを迅速に作成するためのセットアップ・ウィザード AmbiX、B-FormatのHOAプリセットとトランスコード方法を更新 ハードウェア・パッチを構成するための入力のネーミングとI/Oマトリックス・ウィンドウ モジュールをドラッグ&ムーブ、ドラッグ&コネクト可能に Avid ProTools、Ableton Live、Logic、Nuendo、Merging Pyramix、Avid ProToolsのトラック・プリセットなど、各DAW用テンプレートを更新 待望のパンニング方式、新たな空間表現の技術 Live Production OptionライセンスでWFS(波面合成)をサポート、5台のラウドスピーカーから構成できるコリニア・システムでシンセサイズされたすべてのオブジェクトの人工波面により、バーチャルな音響空間を構築することが可能になりました。 チャンネルベースのシステムでは、Layer Based Amplitude panning (LBAP)とDual Band Vector Based Panning (DualBandVBP)が新たなパンニング方式として追加されました。ヘッドフォン用のミックスのために、NearField、Snowman Model、Spherical Head Modelがバイノーラルのパンニングに追加されました。バーチャル・ルーム内の音響シミュレーション・プリセットは、オーディエンスに臨場感をもたらします。 WFS(Wave Field Synthesis、波面合成)に対応(Live Production Optionライセンスが必要) DualBandVBPとLayer Based Amplitude Panning (LBAP)を追加、多彩なパンニング方式 NearField、Snowman Model、Spherical Head Modelのオプションが追加された、バイノーラル・パニング HOAのデコード方式を更新、Regularized Pseudo-Inverseを追加、AllRADとCSADを改良 Sennheiser Ambeo, Soundfield, RødeなどA-Formatマイクで収録されたソースのための、HOA入力トランスコード・オプション オブジェクト・ベースのプロジェクトをかつてない方法でミックス スナップショットのシステムを実装、オブジェクトベースのミックスを管理するのが用意になりました。任意に遷移時間を設定可能なスナップショットのリコール機能を使ったミックス・シーンの変更は、OSCやLemurからのタッチによるリモート・コントロールで、必要なタイミングで手動で行えます。 ソースの移動などのトランスフォームを容易にするために、補間時間を持ったソース・トランスフォーム機能で、ソース/オブジェクトの位置を操作することができます。 オブジェクトのソース名称と、スピーカーの名称が表示可能になった改良されたバーチャル・ミキシング・ルーム 新しいスナップショット機能は静的な状態を記録、遷移する時間を指定してリコールも可能 ソース/オブジェクトの動きをつけるためのソース・トランスフォーメーション機能、遷移時間を設定可能 iOSデバイスからタッチでソースとスナップショットを制御するための、Lemur用テンプレート(マルチタッチ・テンプレート付属) 制御OSCメッセージ(index -1)をアクティブ選択に使用 新しいAppleとWindowsのメニューとショートカット IRCAM VerbとSpat v3プラグインから23種類のリバーブ・プリセットを実装 AVID Control, S1, S3, S4, S6、S6L用のEUCON ページ・テーブル スピーカーのアレンジメント Adamson Blueprint AV、CODA Audio、Nexo NS-1、d&B ArrayCalc、EASEなどのシミュレーション・ソフトウェアからエクスポートするか、シンプルにExcelデータからインポートすることで、Spat Revolutionにスピーカー配置のコンフィグレーションをインポート可能になりました。オフセット、ミラー、スケールなど数々のスピーカー設定機能が追加され、スピーカー配置を素早く変更することが可能です。 Adamson Blueprint AV、CODA Audio、Nexo NS-1、d&B ArrayCalc、EASEなどのシミュレーション・ソフトウェアまたはExcelファイルからスピーカーの配置をインポート可能 スピーカーアレンジによるパンニングのヒントと検証のガイドライン バーチャル空間内の任意のスピーカー・チャンネルをミュートが可能に インポートしたスピーカーのアレンジをオフセット、ミラー、スケール、その他多くのトランスフォーム機能でアレンジ可能 様々な均等配置タイプのスピーカーを一括で追加可能 スケーリングとオフセットのオプションを使用して、仮想空間に背景画像を挿入可能 OSCの機能強化、ADM-OSCのサポート スケーリングなどコンバージョン、トランスフォーメーションを含む、IRCAM ADMix/SpatとSpaceMap goからの入力文法をサポートする、最も包括的で強力なOSC翻訳機能を装備しました。FLUX:: Immersiveと関係会社が主導するADMをサポートしています。FLUXはこのADMをライブ・プロダクションにおける共通言語として標準化することを目指しています。ADM-OSCはADMの延長線上にあり、OSCは次世代オーディオ・システムとオブジェクト・ベースのオーディオのライブ制作ワークフローを接続するためのプロトコルとして提案されています。 IRCAM ADMix、Spat、Meyer SpaceMap GoのOSC文法を入力でサポート 入力と出力でADM-OSCをサポート 8組のOSC接続が可能に オート・バンドル、タッチ/リリース・メッセージ、ADM-OSCのためのOSC出力オプション Spatプラグイン、Lemurコントローラー、Avid S6L、Digico、SSL Live、ADM-OSC用のOSCプリセット スナップショット実装のためのメッセージを含むOSC文法の拡張 QLabとリモートタッチ・コントロールApp (Lemur) 用のテンプレートを更新 値の再スケーリング、オフセット、コンバートなどを可能にするOSCの変換機能 制御OSCメッセージ(インデックス-1)を使用してアクティブを選択 新しいサポートとソフトウェア・アップグレードの契約 新しいバージョン設定にともない、ソフトウェア・ライセンス購入時に含まれるサポートとソフトウェアのアップグレード契約が新たに導入されました。永続ライセンスを購入すると、1年間のサポートと1年間の無料のソフトウェア・アップグレードが含まれています。サブスクリプション・プランと同様に、サポートとアップグレードが含まれており、ホストとオペレーティング・システムの互換性や機能の更新など、ソフトウェアを常に最新の状態に保つことができます。 現在Spat Revolutionのアクティブな永続ライセンスをお持ちのすべてのユーザーは、20.12に無償でアップグレード可能です。 関連記事   https://pro.miroc.co.jp/works/artware-hub/#.X-W3k-n7R24 https://pro.miroc.co.jp/headline/flux-artware-hub/#.X-W3p-n7R24 https://www.minet.jp/contents/article/flux-spat-integrated-with-s6l/
NEWS
2020/12/25

ROCK ON PRO 年末年始休業期間のご案内

平素は格別のご高配を賜り誠にありがとうございます。 大変恐縮ではございますが、下記期間を年末年始の休業期間とさせていただきます。 お客様にはご不便をおかけしますが、何卒ご了解のほどお願い申し上げます。 ◎ROCK ON PRO 渋谷・梅田事業所 年末年始休業期間 2020年12月30(水)〜2021年1月3日(日) なお、新年は1月4日(月)からの営業となります。 新年もより一層のお引き立てのほど、宜しくお願い申し上げます。
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2020/12/23

Avidが年末スペシャル・プロモがスタート!Pro Tools対象製品が15%OFF!

Avidが、Black Friday、Cyber Mondayのプロモに続き、年末スペシャル・プロモがスタートしました。下記のPro Tools対象製品が15%OFFとなります。 Pro Tools 年末スペシャルプロモーション 期間:2021年1月1日(金)受注分まで 対象:下記参照 対象製品 Pro Tools 1-Year Subscription NEW(Pro Tools 年間サブスクリプション 新規) 通常価格:¥38,830 → プロモ価格:¥33,006(本体価格:¥33,005) Rock oN Line eStoreで購入>> Pro Tools 1-Year Subscription RENEWAL(Pro Tools 年間サブスクリプション 更新) 通常価格:¥38,830 → プロモ価格:¥33,006(本体価格:¥33,005) Rock oN Line eStoreで購入>> Pro Tools 1-Year Subscription NEW - Education Pricing(Pro Tools 年間サブスクリプション 新規 学生・教員向け) 通常価格:¥12,870 → プロモ価格:¥10,940(本体価格:¥9,945) Rock oN Line eStoreで購入>> Pro Tools 1-Year Subscription NEW - Education Pricing(Pro Tools 年間サブスクリプション 更新 学生・教員向け) 通常価格:¥12,870 → プロモ価格:¥10,940(本体価格:¥9,945) Rock oN Line eStoreで購入>> Pro Tools | Ultimate 1-Year Subscription NEW(Pro Tools | Ultimate 年間サブスクリプション 新規) 通常価格:¥103,950 → プロモ価格:¥88,358(本体価格:¥80,325) Rock oN Line eStoreで購入>> Pro Tools | Ultimate Annual Subscription - Renewal(Pro Tools | Ultimate 年間サブスクリプション 更新) 通常価格:¥103,950 → プロモ価格:¥88,358(本体価格:¥80,325) Rock oN Line eStoreで購入>> Pro Tools | Ultimate Annual Subscription Paid Up Front - EDU(Pro Tools | Ultimate 年間サブスクリプション 新規 学生・教員向け) 通常価格:¥38,830 → プロモ価格:¥33,006(本体価格:¥33,005) Rock oN Line eStoreで購入>> Pro Tools | Ultimate Annual Subscription Paid Up Front - EDU RENEWAL(Pro Tools | Ultimate 年間サブスクリプション 更新 学生・教員向け) 通常価格:¥38,830 → プロモ価格:¥33,006(本体価格:¥33,005) Rock oN Line eStoreで購入>> Pro Tools Perpetual Crossgrade to 2 year Subscription Paid Up Front(Pro Tools 永続版→年間サブスクリプションへのクロスグレード 2年間分のライセンス付属) 通常価格:¥25,740 → プロモ価格:¥21,879(本体価格:¥19,890) Rock oN Line eStoreで購入>> こちらのプロモーションも継続中!Pro Tools | Ultimate 永続→サブスクリプションが圧倒的なバリュー! 2020年も残りわずか!この機会にPro Toolsの導入ご検討の方は要チェック!なプロモーションです。ご不明点はお気軽にROCK ON PROまでお問い合わせください。
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2020/12/18

低負荷、低遅延の秀逸Lo-FiフィルターMcDSP FutzBox 〜Massive Pack Bundleプラグイン紹介!〜

Waves MercuryやiZotope Music Production Suiteをラインナップし、驚異的なクオリティと効率的なワークフローを最大94万円というかつてないValueで提供する、ROCK ON PRO ORIGINAL MASSIVE PACK BUNDLE!このバンドルに含まれるプラグインをピックアップして、その魅力をお伝えいたします! 数量限定のROCK ON PRO ORIGINAL MASSIVE PACK BUNDLE、詳細はこちらからご確認ください!! 通算七回目となる本記事では、独自のSIM(シンセティック・インパルス・モデル)を使用したフィルター系エフェクトプラグイン、McDSP FutzBoxのご紹介です。 過去の記事はこちら 第一回:手持ちの音源から無限のバリエーションを生み出す〜Le Sound AudioTexture 第二回:DAWの機能を「拡張」する NUGEN Producer 第三回:アナログライクなモジュールでサウンドメイク McDSP 6060 Ultimate Module Collection HD 第四回:Eventide Generate で眠れる”カオス”を解き放て! 第五回:最高に普通なEQプラグイン、それこそがクオリティーの証明 SONNOX Oxford EQ 第六回:そのプラグイン、ワザモノにつき Sonnox Oxford SuprEsser 低負荷、低遅延の秘密はMcDSP独自のSIM(シンセティック・インパルス・モデル)にアリ! McDSP FutzBoxは、ラジオや電話、テレビなど、電化製品の内臓スピーカーを通した音を簡単に再現できるプラグインです。こうした、いわゆる"ラジオボイス"風なサウンドを作る際、よくEQで高域と低域を切って再現したりしますが、このFutzBoxはそうした一般的な処理も行える他、独自のSIM(シンセティック・インパルス・モデル)という技術を採用しています。これにより、コンボリューション(畳み込み)を用いた同様の別のプラグインと比較しても、バリエーションに富んだフィルターサウンドを超低負荷、超低遅延で作り出すことができるのです。 「音の再現性」という意味ではコンボリューションには一歩及びませんが、DSPやCPUに対する負荷の少なさでは圧倒的にこちらの方が有利です。 即戦力のプリセットに加え、様々な電化製品のモデルが大量に用意されており、それらは待ち時間なく即座に切り替え可能なため、時間に追われたポスト・プロダクション現場でも活躍すること間違いなし!さらに、その後段にはMcDSPの定評あるフィルター、EQはもちろん、ディストーション、ノイズ・ジェネレータ、ゲートも実装されているので、すぐに理想のサウンドを実現することができます。 製品の詳細はこちら>> 開発者のColin McDowellさんによる紹介動画もチェック このMcDSP FutzBoxの他、iZotope Post Production Suite 5や、NLA Video Slave 4 Pro 、LeSound AudioTextureなど人気プラグインが最大94万円のバリューで手に入るMassive Pack Bundleをぜひチェックしてください。 ROCK ON PRO OROGINAL Massive Pack Bundle ご不明点はこちらのコンタクトフォームよりお気軽にお問い合わせください。
NEWS
2020/12/17

Proceed Magazine 2020-2021 販売開始!  特集:ニューノーマル

ProceedMagazine2020-2021号が発刊です!今回のテーマは「ニューノーマル」。リモートワークにも対応すべく模索されているオンラインワークフローの実際や、2021年のキーワードとなるであろうDolby Atmos Musicをはじめとした3Dオーディオの現在地など、いまに適応したニューノーマルな制作・表現スタイルとは何かを探ります。そのほかにも「ちはやふる」シリーズほか劇伴を中心に第一線で活躍する横山 克 氏インタビュー、大注目のHDXチップ内蔵I/O、Avid Pro Tools|Carbonの詳細など、クリエイティブワークにつながるリアルな情報を満載してお届けします! 「引き寄せられた未来は、新たなる価値を生むのか? 過去の価値は、蘇るのか?」 ◎特集:ニューノーマル 「引き寄せられた未来は、新たなる価値を生むのか? 過去の価値は、蘇るのか?」 人の集まりは大きな影響を受け、制作者や技術者も打開策を自問自答している。 今回のProceed Magazineは、ニューノーマルが生み出す「いま」に注目し回答を求める。 1.オンラインにおけるフロー   2.現実と融合される3D空間 この二大要素となるニューノーマルは、これまでの閉塞感を打開する処方箋かもしれない。 もちろんコンテンツ配信、ストリーミングライブ、それを受け止めるユーザーの認識と環境の進化など、クリエイティブを提供する手法も大きく変革を迎えるだろう。 そして、すでに幾度となく取り上げてきたテクノロジーが加速度的に実践の場に投入されている。 4πから2π空間(360度)体験やDolby ATMOS、リモートされるワークフロー、新たな体験の場の事象から是非ヒントを掴んで欲しい! ニューノーマル、それは新しくも無く、過去でも無い。そんな未来だ。 Proceed Magazine 2020-2021 全136ページ 定価:500円(本体価格463円) 発行:株式会社メディア・インテグレーション   ◎SAMPLE (画像クリックで拡大表示) ◎Contents ★People of Sound 横山 克 氏インタビュー ★Product Inside Avid Pro Tools|Carbon iZotope RX 8 / くうP 氏 ★ROCK ON PRO 導入事例 浜町 日々 / 吹田市文化会館 メイシアター テレビ愛知株式会社 ★ニューノーマル / Online workflow CAPCOM / SYNCROOM / TubamanShow / オンライン配信ツールの選び方2020 ★ニューノーマル / Immersive 音楽配信NOW!! / 朝日放送テレビ株式会社 / Rock oN Shibuya ★Build Up Your Studio パーソナル・スタジオ設計の音響学 その22 人事編「二人隊長時代の幕開け」〜ミカミ(元)隊長の回顧録〜 ★ROCK ON PRO Technology Pro Sound Effects+LE Sound / しまモンの、だってわかんないんだモン!! ★Power of Music oeksound / 三船雅也 ★BrandNew Positive Grid / SEQUENTIAL / KLANG / Artiphon / iZotope / Universal Audio / Blackmagic Design / Antelope / Arturia / Cranborne / MASCHINE+ / RGBlink / RME / WAVES ★FUN FUN FUN Minoru Kawazoe Synthesizer Museum アメリカンミュージックの神髄 ↑ご購入はこちらのバナーをクリック! ◎Proceed Magazineバックナンバーも好評販売中です! Proceed Magazine 2020 Proceed Magazine 2019-2020 Proceed Magazine 2019 Proceed Magazineへの広告掲載依頼や、内容に関するお問い合わせ、ご意見・ご感想などございましたら、下記コンタクトフォームよりご送信ください。
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2020/12/16

そのプラグイン、ワザモノにつき Sonnox Oxford SuprEsser〜Massive Pack Bundleプラグイン紹介!

Waves MercuryやiZotope Music Production Suiteをラインナップし、驚異的なクオリティと効率的なワークフローを最大94万円というかつてないValueで提供する、ROCK ON PRO ORIGINAL MASSIVE PACK BUNDLE!このバンドルに含まれるプラグインをピックアップして、その魅力を全6回にわたりお伝えいたします! 数量限定のROCK ON PRO ORIGINAL MASSIVE PACK BUNDLE、詳細はこちらからご確認ください!! 第六回目は、Sonnoxが誇るスーパープラグインとして長く愛されてきたOxford SuprEsser(サプレッサー)をご紹介します!ROCK ON PRO ORIGINAL Massive Pack Bundleには、このSonnox Oxford EQだけでなくSonnoxプラグインのほとんどが手に入るElite HD-HDXとPost HD-HDXがラインナップされています!! 過去の記事はこちら 第一回:手持ちの音源から無限のバリエーションを生み出す〜Le Sound AudioTexture 第二回:DAWの機能を「拡張」する NUGEN Producer 第三回:アナログライクなモジュールでサウンドメイク McDSP 6060 Ultimate Module Collection HD 第四回:Eventide Generate で眠れる”カオス”を解き放て! 第五回:最高に普通なEQプラグイン、それこそがクオリティーの証明 SONNOX Oxford EQ これひとつでサウンドメイクの幅が格段に広がるワザモノなプラグイン!Oxford SuprEsser Oxford SuprEsserはその名の通り、Sonnoxが誇るスーパー・ディエッサーです。一見、シンプルなディエッサーに見えますが、動作する帯域・帯域幅やスレッショルドを詳細にコントロールすることが可能。つまり、今でこそ珍しくなくなったダイナミックEQのような使い方を発売当初から行うことができたのです! スレッショルド値をオートでリアルタイムに可変する機能、DAWのオートメーションへの対応、処理前・処理後の試聴だけでなく処理によって取り除かれた成分のみを出力することも可能。高品質なディエッサーとしてだけでなく、ポップノイズなど通常のディエッサーでは対応できない帯域にも対応するほか、ダイナミックEQとしてリズムトラックの音作りに使用することもできます。単なる補正プラグインの枠を超えて積極的な音作りでも大活躍!なワザモノです!! もちろん、ディエッシングだけを行いたい時はシンプルモードでサクッといい感じに仕上げることも可能!スーパー高機能でありながら、直感的で使いやすいSonnoxらしい逸品です! 製品の詳細はこちら>> Oxford SuprEsserの魅力がわかるムービーを紹介! https://youtu.be/F0anrbbGM0I 関連記事:主役・ボーカルのプラグインチェインを見直す Sonnoxプラグインを使用したボーカル用のプラグインチェインの一例。SuprEsserをふたつ使用し、ディエッシングと低域をタイトにする使い方が面白い。 https://youtu.be/vnnGA9R-IF0 関連記事:ミックスで「出すところと絞るところ」 Arthur Schwartzの「Alone Together」を演奏するストリングスカルテットを題材に、ピチカートを太くしたりバイオリンの音色に暖かみを加えたり、といった使い方を紹介。 https://youtu.be/2ygt990nkSI 関連記事:DIとアンプで作るベースサウンド ベースサウンドメイキングの基本のキ!にOxford SurpEsserを使用するとどうなるか!?便利なプリセットも紹介しています。 https://youtu.be/IiFxterwBMk 関連記事:補正用ツールをクリエイティブなフィルターに ドラムトラックにSuprEsserを使用。オートメーションを掛けてランダムなワウのようなエフェクトを追加しています。 このOxford SurpEsserが含まれるElite HD-HDXやPost HD-HDX、さらにはWaves MercuryやiZotope Music Production Suite 4が最大94万円のバリューで手に入るMassive Pack Bundleをぜひチェックしてください。 ROCK ON PRO OROGINAL Massive Pack Bundle ご不明点はROCK ON PROまで、お気軽にお問い合わせください。
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2020/12/14

DaVinci Resolve Speed Editor 購入者向け! 無料セッション開催!

Blackmagic Design社から先月新しく発表されたDaVinci Resolve Speed Editor。映像編集を劇的にスピードアップさせるこのコントローラーの詳細な使い方を解説するセミナーが開催されます。 詳細は下記リンク先から、ページ一番下の『イベント参加希望フォームへ』より必要事項を入力し『フォームを送信する』をクリックしてください。 Blackmagic Design社より折り返しメールにてイベント参加に関するご案内メールが届きます。 >>Blackmagic Design CREATORS COMMUNITY 多機能なSpeed Editorの使い方を学ぶのは勿論、セッションの後半では皆様の疑問や質問にも講師が答えるQ&Aの時間もあるようです。 最新の映像制作ワークフローを無料で学べるこの機会をお見逃しなく! セミナー概要 日程:2020年12月24日(木) 14:00-16:30 会場:Zoomによるオンラインセッションとなります。 費用:無料 定員:なし(最少催行人数:7名) ↓お申し込みはこちら↓ >>Blackmagic Design CREATORS COMMUNITY
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2020/12/10

最高に普通なEQプラグイン、それこそがクオリティーの証明 SONNOX Oxford EQ〜Massive Pack Bundleプラグイン紹介!

Waves MercuryやiZotope Music Production Suiteをラインナップし、驚異的なクオリティと効率的なワークフローを最大94万円というかつてないValueで提供する、ROCK ON PRO ORIGINAL MASSIVE PACK BUNDLE!このバンドルに含まれるプラグインをピックアップして、その魅力を全6回にわたりお伝えいたします! 数量限定のROCK ON PRO ORIGINAL MASSIVE PACK BUNDLE、詳細はこちらからご確認ください!! 第五回目は、DAW黎明期からシンプルに高いクオリティーのEQとしてエンジニアたちに愛され続けてきたSonnox Oxford EQをご紹介します!ROCK ON PRO ORIGINAL Massive Pack Bundleには、このSonnox Oxford EQだけでなくSonnoxプラグインのほとんどが手に入るElite HD-HDXとPost HD-HDXがラインナップされています!! 過去の記事はこちら 第一回:手持ちの音源から無限のバリエーションを生み出す〜Le Sound AudioTexture 第二回:DAWの機能を「拡張」する NUGEN Producer 第三回:アナログライクなモジュールでサウンドメイク McDSP 6060 Ultimate Module Collection HD 第四回:Eventide Generate で眠れる”カオス”を解き放て! 最高に普通なEQプラグイン、それこそがクオリティーの証明 なんの変哲もない5-Band EQプラグインがこのSONNOX Oxford EQ。DAW黎明期より、シンプルに高いクオリティーのEQとしてエンジニアたちに愛され続けてきた一品です。 その起源は、SONY OXF-R3という伝説的コンソールのEQアルゴリズム。SONYのPCM-3348がワールドスタンダードとして世界中で活躍をしていた、まさにSONYが音楽制作機材のデファクトスタンダードを作っていた時代にリリースされた、制作向けのデジタルコンソールです。 SONNOX Oxford EQは、その血統をまさにそのまま引き継いでいる製品となります。OXF-R3のEQの他に、SSL 4000E、SSL 4000G、NEVE、と、4つのタイプのEQカーブを持ちます。アナログ機器のニュアンスを保ったまま、デジタルらしい高いS/Nと低歪という武器をうまくバランスさせたまさに至高のEQ。 https://youtu.be/7D432FqT_9M デジタルだけれどもデジタル臭くない、絶妙なバランス感覚を持ったOxford EQ。20年以上もそのままであることには意味があります。時代が変わっても変わらない普遍的なクオリティーを持っていることの証明でしょう。 至って普通であること、そして、そのクオリティーが普遍的なものであるからこそ、いまだに世界中で愛されているのだと思います。ぜひとも皆さんのプラグインコレクションに加えてもらいたい、最高に普通なEQです。 Fab DupontによるOxford EQの魅力がわかるレビューをチェック!! Oxford EQの魅力を余すことなく伝えるレビューがありますので、ぜひともチェック!!ミキシングのTIPSに溢れた記事になっています!! No4,5はEQに関してではないですが、Sonnoxプラグインを題材にミキシングのかなりコアなテクニックが語られていますよ! Sonnox Fab Tips No.1:すべてのイコライザーがイコールではない Sonnox Fab Tips No.2:ベースドラム、低域に宿る命 Sonnox Fab Tips No.3:EQとチャンネル・フェーダーは悪だくみをしている? Sonnox Fab Tips No.4:レコーディング界における差別化の証拠?:すべての周波数は平等であるか Sonnox Fab Tips No.5:衝動を”SuprEss”して、より生産的な日々を そもそものオーディオ・クオリティが高く、カーブ特性やかかり具合などの使い勝手がよいからこそ、目新しい機能を追加する必要がない。まさに最高に普通、いや、最高だからこそ普通なままのプラグインOxford EQ。 このOxford EQが含まれるElite HD-HDXやPost HD-HDX、さらにはWaves MercuryやiZotope Music Production Suite 4が最大94万円のバリューで手に入るMassive Pack Bundleをぜひチェック! ROCK ON PRO OROGINAL Massive Pack Bundle ご不明点はROCK ON PROまで、お気軽にお問い合わせください。
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2020/12/07

Eventide Generate で眠れる”カオス”を解き放て!〜Massive Pack Bundle 付属プラグイン紹介〜

Generateを含むプラグインパックをお得にゲット!ROCK ON PRO ORIGINAL MASSIVE PACK BUNDLEが発売中!! Waves MercuryやiZotope Music Production Suiteをラインナップし、驚異的なクオリティと効率的なワークフローをかつてないValueで提供する、ROCK ON PRO ORIGINAL MASSIVE PACK BUNDLEが発売中!全44種の組み合わせで最大バリューはなんと94万円!!もちろん、この中には今回ご紹介するEVENTIDE Generateも含まれています! およそ11年の時を経て登場した、Avid最新テクノロジーとHDX DSPチップを内蔵したオーディオインターフェースPro Tools | Carbon。兄貴分にあたるPro Tools | MTRX、MTRX Studioを加えた新世代Avidインターフェースラインナップをご検討中の方は要チェックのバンドルキャンペーンです! 数量限定のROCK ON PRO ORIGINAL MASSIVE PACK BUNDLE、詳細はこちらからご確認ください。 それでは、早速Generateを詳しく見ていきましょう! 開発はEVENTIDEから派生した気鋭のプラグインメーカー Newfangled Audio Generateを開発したNewfangled Audioは、Eventideで15年間DSPを設計してきたDan Gillespieが創設した会社です。伝統的なデジタル信号処理技術と新たな機械学習の進歩を組み合わせることで、これまで無かった、クリエイティブかつ革新的なオーディオツールを生み出しています。 サウンドを決定づける5種類のカオティックジェネレーター Double Pendulum、Vortex、Pulsar、Discharge、Turbine シンセサイザーで音色を作るとき、サイン波、ノコギリ波といった大元の波形を生み出すのがオシレーター部分ですが、それに該当するのがこのChaotic Generatorになります。Double Pendulum、Vortex、Pulsar、Discharge、Turbineという5種類が存在し、発音するとそれぞれの名前からイメージされるようなアルゴリズムで背景のグラフィックがぐねぐねと変化します。とにかく他人と違う、一風かわった音色を作りたい!という方にオススメです。 Double Pendulum(=二重振り子) Vortex(=渦巻き) Pulsar(=パルサー) Discharge(=放電、解放) Turbine(=タービン) 3種類のウェーブフォルダー Buchla 259、ANIMATED、FRACTAL Generateのカオスジェネレーターは、選択したWavefolder(Buchla 259 Wavefolder、ANIMATED、またはFRACTAL)を経由し、それぞれにユニークな倍音が追加されます。その後、Don BuchlaのアイデアにインスパイアされたLow Pass Gateが続きます。これらのモジュールをお好きなようにパッチすることで、変化に富んだ個性溢れるモジュレーションがかかり、想像を超えるほどの多種多様な響きを作り出すことができます。使い方がイマイチよく分からない…という方もご安心を!著名なアーティストが手がけたものも含まれる、即戦力となる650以上のプリセット音色も保存されています。じっくりといろんな音色を聞き比べながら、曲の展開を練るのもまた、こうしたソフトシンセの一興ではないでしょうか。 ANIMATED
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2020/12/04

34種類ものアナログライクなモジュールで自在にサウンドメイク McDSP / 6060 Ultimate Module Collection HD〜Massive Pack Bundleプラグイン紹介!

Waves MercuryやiZotope Music Production Suiteをラインナップし、驚異的なクオリティと効率的なワークフローを最大94万円というかつてないValueで提供する、ROCK ON PRO ORIGINAL MASSIVE PACK BUNDLE!このバンドルに含まれるプラグインをピックアップして、その魅力を全6回にわたりお伝えいたします! 数量限定のROCK ON PRO ORIGINAL MASSIVE PACK BUNDLE、詳細はこちらからご確認ください!! 第三回目はアナログライクなサウンドキャラクターを持ったプラグインで一時代を築いたMcDSPから、最新のモジュールコレクション型プラグインである6060 Ultimate Module Collection HDをご紹介します! 過去の記事はこちら 第一回:手持ちの音源から無限のバリエーションを生み出す〜Le Sound AudioTexture 第二回:DAWの機能を「拡張」する NUGEN Producer 究極のアナログ(ライクな)プラグイン!6060 Ultimate Module Collection HD アナログライクなサウンドキャラクターを持ったプラグインで一時代を築いたMcDSP。Filter Bank / Compresser Bankが非常に有名な同社ですが、モジュールタイプのプラグインとして6000シリーズを展開しています。 これまでに6030 Ultimate Compressorや6050 Ultimate Channel Stripとして、一つのプラグインの中で自由に使用できるモジュールタイプのEQ/Compを多数リリースしてきましたが、その集大成として6060 Ultimate Module Collection HDはリリースされました。 VPR / 500シリーズラックと同じように、好きなモジュールを並べて自分の好みのチャンネル・ストリップを作り上げることの出来るサウンドメイクが楽しくなるプラグイン。34種類ものモジュールが用意され、レジェンドとも言えるアナログ・アウトボードを強く意識したEQ/Compがラインナップされます。操作出来るつまみも最低限で直感的にサウンドにキャラクターを加えることが出来ます。 いくつかのモジュールは、McDSPの公式チャンネル上で紹介されていますので、ぜひともその魅力に触れてみてください!! https://www.youtube.com/watch?v=th47b8f0byg BOB 低域の響きをさらに暴れさせることに最適化してデザインされたのが、Bass Optimized Biasモジュール、BOBです。指定したローエンドの帯域を24 dB以上もブーストし、かつ指定した帯域以下の信号は減衰されるため、狙ったローエンドを的確に強調することができます。Squashコントロールにより、ブーストするローエンド周波数付近の帯域に、指定したリカバリー・レートでコンプレッションをかけることも可能です。さらに2つのバイアス・モードで、より柔軟なトーンを加えられます。 https://www.youtube.com/watch?v=KVVSdg8mXMQ MOO-D S671のアナログ・サチュレーションはトーンがちょっと合わないな、と感じたら、Moo-Dのクリーミーな真空管オーバードライブの質感がおあつらえかもしれません。個別のトラックはもちろん、ミックス・バスでその個性を発揮するモジュールです。 https://www.youtube.com/watch?v=Va3WGwMORi8 British-E 1998年にMcDSPから最初にリリースされたプラグインFilterBankは、Neveシリーズのイコライザー、特に1069、1073、および1081の基本的な特性を、独自のPeak、Slope、およびDipコントロールとともに再現しました。British Eは、FilterBankで培われたテクノロジーを用いてNeveイコライザーを統合したモジュールです。古典的なハイパス・フィルタ、ロー・シェルフ、パラメトリック、ハイ・シェルフの組み合わせにより、およそあらゆるミキシングの局面で活躍するEQモジュールとなるでしょう。 https://www.youtube.com/watch?v=fJjsy-jH9Xc FRG-446 McDSPのエンジニアスタッフによって「The Frog」と名付けられたFRG446モジュールは、適度にアグレッシブなコンプ設計が施されており、オーディオ入力に対してすばやく反応します。他のいくつかの6060コンプモジュールでも採用された、フィードバック/フィードフォワード・コンプモード、取扱い厳重注意のネガティブ・コンプレッションも搭載。 https://www.youtube.com/watch?v=qJUYN5zf2Qw S-671 ザラリとした手触りをトラックに与えたいなら、S671サチュレーション・モジュールによる仕上げを施すのが良いでしょう。Toneコントールによって、S671は用途に見合う様々な”エッジ感”をもたらしてくれるはずです。 https://www.youtube.com/watch?v=DA13ezzXsEg D-359 D359モジュールは、6060 Ultimate Module Collectionプラグインの中でも指折りの、攻撃的なコンプレッサーです。ダイナミックレンジ・コントロールのレスポンスの上限を判別しやすくするため、LEDスタイルのGRメーターが用いられています。ネガティブ、フィードバック/フィードフォワードといったコンプレッションも利用可能。どちらも過激かつ危険です、ご注意を! 他にもまだまだ魅力的なモジュールが入ったUltimate=究極のコレクションの何恥じないプラグイン。McDSPらしく、アナログライクなサウンドキャラクターにも好感が持てますね!!本国McDSPの公式チャンネルでは使いこなしのためのTipsなどが多数公開されています。こちらもぜひともチェックを!! 全モジュールの紹介、製品詳細はこちら>> さらに、6060 Ultimate Module Collection HDに加えiZotope Music Production Suite 4、Sonnox / Elite HD-HDX、Celemony / Melodyne 5 Studioなどの制作に必須の業界標準プラグインが¥270,000以上のバリューで手に入るMassive Pack Bundleの詳細はこちらから!ご不明点はお気軽にお問い合わせください!!
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2020/12/03

DAWの機能を「拡張」する NUGEN Producer〜Massive Pack Bundleプラグイン紹介!

Waves MercuryやiZotope Music Production Suiteをラインナップし、驚異的なクオリティと効率的なワークフローを最大94万円というかつてないValueで提供する、ROCK ON PRO ORIGINAL MASSIVE PACK BUNDLE!このバンドルに含まれるプラグインをピックアップして、その魅力を全6回にわたりお伝えいたします! 数量限定のROCK ON PRO ORIGINAL MASSIVE PACK BUNDLE、詳細はこちらからご確認ください!! 第二回目はラウドネス計測の分野で業界標準となったNugen AudioからNUGEN Producerを紹介します!DAWに実機のミキサーのようなルーティング機能を追加するSigMod、1本化されたトラックのパンを帯域ごとに変更できるStereo Placer、そして定評のある解析技術を使用したメータリングアプリケーションVisualizerなど、制作効率を劇的にアップすることが可能なユーティリティプラグインのパッケージです。 DAWの機能を「拡張」する!NUGEN Producer こんな機能がほしかった!と言いたくなるような機能を備えた8つのプラグインがパッケージされているNUGEN Producer。ひとつひとつを取っても秀逸なプロダクトですが、これらを一度に手に入れることでオーディオポストプロダクションの可能性は大きく広がります。それぞれのプラグインがどのような機能をDAWに追加してくれるのか、ざっと紹介してみましょう。 https://www.youtube.com/watch?v=LYO1YjYkA3o SigModは特定のDAWに欠けている機能や、DAW上で実現するにはあまりにも複雑な設定が必要になる機能を簡単に実現します。信号をM/Sやモノに変換したり、帯域ごとに分岐させたり、ステレオトラックのLRを個別にSolo/Muteできるようにしたり、VST3プラグインをインサートできるようにしたり…。アナログ機器をパッチングするような感覚で、DAWのルーティングをコントロールすることが可能になります。 https://www.youtube.com/watch?v=NklZyl6ymeY MasterCheckは様々なプラットフォーム用にエンコードされた後のサウンドをチェックすることができます。ショートターム/インテグレイテッド・ラウドネスメーター、トゥルーピーク・メーター/リミッターを備えるほか、放送用・YouTube・Spotify・Tidalなどの配信プラットフォームが規定するラウドネス基準やコーデックのプリセットを持ち、DAWからファイルを書き出すことなくマスターのサウンドを試聴することが可能です。 https://www.youtube.com/watch?v=tloWqQpf8TE トゥルーピークリミッターであるISL 2はユニークなチャンネルリンク機能を備え、マルチチャンネル時のリミッティングによるチャンネル間の不自然な歪みを抑制することが可能です。信号を先読みしてリミッティングしますが、ルックアヘッドとリリースのタイムは任意に設定することが可能。そのほか、詳細な設定を施したり、プロフェッショナルな制作に求められる便利な機能がふんだんに盛り込まれています。 https://www.youtube.com/watch?v=d_E68Hf7AgY SEQ-SはNugen Audioらしい高精度のリニアフェイズEQ。7.1chまでのソースに対応するほか、別のトラックのオーディオ成分を分析し質感をマッチさせるEQカーブを自動で提案する、GUIに直接EQカーブを書き込む、3つのEQカーブを個別に調整する、EQカーブを反転させる、ひとつのEQカーブから別のカーブに滑らかに移行するなど、制作効率を劇的にアップするユニークな機能を備えています。 https://www.youtube.com/watch?v=GV243_FGrI8 Monofilterは、実はラウドネスメーター開発以前のNugen Audioのヒット製品でした。低域成分をモノにすることに特化したプロダクトで、煩雑な手順が必要になる作業をひとつのプラグインウィンドウで完結させることが可能です。モノからステレオに段階的に戻したり、単純なモノではなく多少のステレオ幅を残したりといった機能も備えるため、サウンド全体に影響する低域の追い込みが簡単に行えます。 https://www.youtube.com/watch?v=dQPk4OIqwqg Stereoizer、Steroplacerはミックスのステレオイメージをコントロールするプラグインです。Stereoizerはモノからステレオまでミックスの広がり感を変更することが可能。StereoplacerはEQのようなGUIで帯域ごとにパンニングをコントロールすることが可能です。ステムやミックスしか手元にない状況で、ステレオイメージを変更したい時などには大活躍すること間違いなし!です。 Visualizerはオールインワンのメータリングプラグインです。ピーク/RMS、FFT、スペクトログラム、ベクター・スコープ、位相相関メーターなど、およそ考えられるメータリングをほとんどすべて網羅し、それらをひとつのプラグイン画面で見ることが可能です。2系統の入力信号を比較したり差分を見たりすることも可能で、高精度であることはもちろん、非常に便利で柔軟な信号解析のソリューションです。 不可能じゃないけど、もっと簡単に実現できたら…そんな機能を手軽に追加し、クオリティの追い込みを可能にするNUGEN Producerの詳細はこちらでご覧いただけます。 これだけでも作業効率がかなりアップするであろうこのNUGEN Producerだけでなく、さらに複数のプラグインが一挙に手に入るMassive Pack Bundleの詳細はこちらから!ご不明点はお気軽にお問い合わせください!!
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2020/12/02

永続→サブスクリプション乗換えに大きなバリュー!Pro Tools | Ultimate Crossgradeプロモーション実施中!!

「Pro ToolsをUPDしたいけど、年間サポートが切れてしまった」「永続版を使用していたけど、そろそろサブスクリプションに乗り換えようと考えている」、そうしたユーザー様向けにAvidが用意している"クロスグレード"ライセンス。Pro Tools | Ultimateのクロスグレードが年末までの特別条件でお得に手に入るプロモーションが実施中です。 新規に永続ライセンスを購入するよりも断然お安い上に、2年間分のサブスクリプション使用権が付属しているため、サブスクリプションを新規に導入するよりもお得に最新のPro Toolsをご使用いただくことが可能となります。 さらに、本プロモーション期間中にご購入いただいた場合、通常よりもお安く購入できることはもちろん、通常なら2年間のところ、3年間分のライセンスが付属するため、新規サブスクリプションと比較して約¥170,000、通常のクロスグレードと比較しても約¥120,000のバリューとなります! Pro Tools | Ultimate永続ライセンスをお持ちで、サブスクリプションへの乗換えをご検討中の方はぜひこの機会をご利用ください。 Pro Tools | Ultimate Perpetual Crossgrade to 2 year Subscription Paid Up Front 販売価格:¥156,200(本体価格:¥142,000) ↓ Pro Tools | Ultimate Perpetual Crossgrade to Annual Subscription Paid Up Front - 3 years 販売価格:¥143,000(本体価格:¥130,000) Rock oN Line eStoreでのご購入はこちら>> 対象:Pro Tools | Ultimate永続ライセンスをお持ちのユーザー様 期限:2020年12月31日(水)まで Pro Toolsファミリーのサブスクリプションは更新ライセンスをあらかじめ登録しておくことができるため、更新時期や使用期限を決めて導入することができます。更新を忘れてPro Toolsが立ち上がらなくなった!といったリスク軽減にも役立ちますね。 永続版とサブスクリプション版の違い、導入・運用費用の試算など、ご不明点はROCK ON PROまでお気軽にお問い合わせください。
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2020/11/30

手持ちの音源から無限のバリエーションを生み出す!Le Sound AudioTexture〜Massive Pack Bundleプラグイン紹介

Waves MercuryやiZotope Music Production Suiteをラインナップし、驚異的なクオリティと効率的なワークフローを最大94万円というかつてないValueで提供する、ROCK ON PRO ORIGINAL MASSIVE PACK BUNDLE!このバンドルに含まれるプラグインをピックアップして、その魅力を全6回にわたりお伝えいたします! 数量限定のROCK ON PRO ORIGINAL MASSIVE PACK BUNDLE、詳細はこちらからご確認ください!! 第一回目は環境音・効果音をシンセサイズするという新しいアプローチのソフトシンセサイザーを多数ラインナップするLe Soundから、新しい手法でサウンドを生み出すプラグイン、Audio Textureを紹介します! 手持ちのファイルから無限のバリエーション!Le Sound AudioTexture このAudio Textureは、手元にあるWAV fileをランダムに再生することで既存のバックグラウンドノイズを無限にループさせたり、非常に細かく切り刻むことで全く違ったサウンドを生み出したりと、様々なことが行える製品。再生速度の可変、ピッチシフト、クロスフェード具合の調整など、ランダムにループさせる音源はかなり細かい微調整が可能となっています。効果音だけではなく、音楽でもピークを検知してサウンドをスライスすることで意外性のあるフレーズを生み出したりと、様々な活用方法が考えられます。なかなか文字でお伝えするのが難しいプラグインですので、ぜひとも動画を確認してその魅力に触れていただければと思います。 https://www.youtube.com/watch?v=pv1ozaJ3K2o 製品全体のレビュー 再生範囲やスライスの単位をコントロールすることで、元の音源とは違ったテイストの波音のループを作成する様子がわかると思います。 https://www.youtube.com/watch?v=ruhAgzawTlg 雨音の無限ループ 手持ちの音源がシーンの長さに足りない!なんていう時には手軽にループが作成できるAudioTextureが活躍します。本製品はプラグインシンセサイザーなので、ビデオを再生しながらAudioTextureからのアウトをDAWにRecしてしまえばシーンの長さにぴったりの音源の出来上がりです。 https://www.youtube.com/watch?v=SaiG4P17fBU 音楽での活用例 独自エンジンでトランジェントを正確に検知するAudioTextureは音楽にも対応可能。コード進行が煩雑だとちょっとぎこちなくなりますが、ビートだけのトラックを使用すれば新たなブレイクビーツの手法になるかも!? サウンドデザインから楽曲制作まで、アイデア次第で使い方も無限に広がるAudioTexture。AudioTextureのより詳細な情報はこちらから。Le Sound全ラインナップはこちらから、ぜひご確認ください! 今回紹介したAudioTextureも含まれるMassive Pack Bundleの詳細はこちらから!ご不明点はお気軽にお問い合わせください!!
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2020/11/30

【12/7まで!】Pro Tools、Media Composerサブスクリプション版が20% OFF~Avid Cyber Monday 2020プロモーション実施中!!

Avidクリエイティブツールのサブスクリプション・ライセンスが20%OFFで手に入る、Cyber Mondayプロモーションが開始!業界標準のDAW/NLEを導入する絶好のチャンスをお見逃しなく!! Avid Cyber Monday 2020 プロモーション 概要:Avid クリエイティブツール年間サブスクリプション版(アカデミック版を含む)が20% OFF 期間:2020年11月30日(月)〜2020年12月7日(月) Pro Tools Pro Tools Subscription 1-Year Subscription NEW (Pro Tools 年間サブスクリプション 新規) 通常価格:¥38,830 → プロモ特価:¥31,064(本体価格:¥28,240) Pro Tools 1-Year Subscription RENEWAL continued software use, updates + support for a year(Pro Tools 年間サブスクリプション 更新) 通常価格:¥38,830 → プロモ特価:¥31,064(本体価格:¥28,240) Pro Tools Perpetual Crossgrade to Annual Subscription - 2 year commitment (Pro Tools 永続版→サブスクリプション版へのクロスグレード - 2年間分のライセンス付属) 通常価格:¥25,740 → プロモ特価:¥20,592(本体価格:¥18,720) Pro Tools | Ultimate Pro Tools | Ultimate 1-Year Subscription License NEW (Pro Tools | Ultimate 年間サブスクリプション 新規) 通常価格:¥103,950 → プロモ特価:¥83,160(本体価格:¥75,600) Pro Tools | Ultimate Annual Subscription - Renewal (Pro Tools | Ultimate 年間サブスクリプション 更新) 通常価格:¥103,950 → プロモ特価:¥83,160(本体価格:¥75,600) アカデミックライセンス(Pro Tools / Pro Tools | Ultimate) Pro Tools Subscription 1-Year Subscription NEW - EDU (Pro Tools 年間サブスクリプション 学生・教員向け 新規) 通常価格:¥12,870 → プロモ特価:¥10,296(本体価格:¥9,360) Pro Tools 1-Year Subscription RENEWAL, continued software use, updates + support for a year -- Education Pricing (Pro Tools 年間サブスクリプション 学生・教員向け 更新) 通常価格:¥12,870 → プロモ特価:¥10,296(本体価格:¥9,360) Pro Tools | Ultimate 1-Year Subscription NEW - EDU (Pro Tools | Ultimate 年間サブスクリプション 学生・教員向け 新規) 通常価格:¥38,830 → プロモ特価:¥31,064(本体価格:¥28,240) Pro Tools | Ultimate Annual Subscription Paid Up Front - EDU RENEWAL (Pro Tools | Ultimate 年間サブスクリプション 学生・教員向け 更新) 通常価格:¥38,830 → プロモ特価:¥31,064(本体価格:¥28,240) Media Composer Media Composer 1-Year Subscription NEW (Media Composer 年間サブスクリプション 新規) 通常価格:¥31,130 → プロモ特価:¥24,904(本体価格:¥22,640) Media Composer 1-Year Subscription RENEWAL (Media Composer 年間サブスクリプション 更新) 通常価格:¥31,130 → プロモ特価:¥24,904(本体価格:¥22,640) Media Composer | Ultimate Media Composer | Ultimate 1-Year Subscription NEW (Media Composer | Ultimate 年間サブスクリプション 新規) 通常価格:¥65,010 → プロモ特価:¥52,008(本体価格:¥47,280) Media Composer | Ultimate 1-Year Subscription RENEWAL (Media Composer | Ultimate 年間サブスクリプション 更新) 通常価格:¥65,010 → プロモ特価:¥52,008(本体価格:¥47,280) アカデミックライセンス(Media Composer | Ultimateのみ) Media Composer | Ultimate 1-Year Subscription NEW - EDU (Media Composer | Ultimate 年間サブスクリプション 学生・教員向け 新規) 通常価格:¥12,870 → プロモ特価:¥10,296(本体価格:¥9,360) Media Composer | Ultimate 1-Year Subscription RENEWAL - EDU (Media Composer | Ultimate 年間サブスクリプション 学生・教員向け 更新) 通常価格:¥12,870 → プロモ特価:¥10,296(本体価格:¥9,360) Media Composer オプション Media Composer | PhraseFind 1-Year Subscription NEW (PhraseFindオプション 年間サブスクリプション 新規) 通常価格:¥25,960 → プロモ特価:¥20,768(本体価格:¥18,880) Media Composer | PhraseFind 1-Year Subscription RENEWAL (PhraseFindオプション 年間サブスクリプション 更新) 通常価格:¥25,960 → プロモ特価:¥20,768(本体価格:¥18,880) Media Composer | ScriptSync 1-Year Subscription NEW (ScriptSyncオプション 年間サブスクリプション 新規) 通常価格:¥25,960 → プロモ特価:¥20,768(本体価格:¥18,880) Media Composer | ScriptSync 1-Year Subscription RENEWAL (ScriptSyncオプション 年間サブスクリプション 更新) 通常価格:¥25,960 → プロモ特価:¥20,768(本体価格:¥18,880) Media Composer | Symphony 1-Year Subscription NEW (Symphonyオプション 年間サブスクリプション 新規) 通常価格:¥25,960 → プロモ特価:¥20,768(本体価格:¥18,880) Media Composer | Symphony 1-Year Subscription RENEWAL (Symphonyオプション 年間サブスクリプション 更新) 通常価格:¥25,960 → プロモ特価:¥20,768(本体価格:¥18,880) まとめて数年分の更新ライセンスをアクティベーションすることもできるなど、柔軟な運用が魅力のサブスクリプションライセンス。この機会にお得に導入を検討されてはいかがでしょうか!? ご不明点、購入のご相談などはROCK ON PRO までお気軽にお問い合わせください。
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2020/11/27

「初音ミクシンフォニー2019」のDolby Atmos®(ドルビーアトモス)音源が Amazon Music HD 向けに全世界配信リリース!!11/27(金)〜

今年、開催5周年を迎える「初音ミクシンフォニー」が、初のサントリーホール公演を2020年9月21日(月・祝)に行い、2020年10月17日(土)に横浜公演、さらに今週 11月27日(金)にフェスティバルホールで大阪公演を迎える。その大阪公演の開催日に、「初音ミクシンフォニー2019」の一部演奏曲をドルビーアトモス音源としてAmazon Music HDにおいて配信リリースすることが決定した。 ドルビーアトモスは、モノラルとステレオの制約を超えて、まったく新しい方法で音楽を表現できる立体音響技術であり、「イマーシブサウンド」と言われる没入感溢れる体験を可能にするもので、開催5周年を迎える初音ミクシンフォニーとして是非体感して欲しい内容となっている。初音ミクシンフォニー大阪公演では、配信リリースを記念して会場ホワイエにてその「初音ミクシンフォニー2019」のドルビーアトモス音源が聴けるAmazon EchoシリーズのEcho Studioを簡易設置した試聴ブースを設ける予定となっている。同ブースでは、Amazon Music HDを通じて没入感のあるサウンドで楽しむことができる。 また、「初音ミクシンフォニー2020〜5th Anniversary〜」では、来年2月3日(水)に今年の横浜公演の模様を収録したBlu- ray、CD(2枚組)の発売を予定しており、大阪公演で予約特典会も開催されることになっている。さらに、大阪公演同日から開催されるマジカルミライ2020 in OSAKAにも「初音ミクシンフォニー」として企業ブース出展を行い、そこで初披露となる「刺繍アート」や「トレーディングアクリルキーホルダー(全7種)」の先行販売も行われる。 ■タイトル: Hatsune Miku Symphony 〜5th Anniversary Dolby Atmos Edition〜 ■リリース日 2020 年 11 月 27 日(金) ■収録曲:(初音ミクシンフォニー2019 音源) 1.1/6 -out of the gravity- feat. 初音ミク 2.メモリ feat.巡音ルカ 3.ねぇ、どろどろさん feat. 鏡音リン 4.on the rocks 5.ピアノ×フォルテ×スキャンダル feat. MEIKO 6.ピアノ五重奏・名曲メドレー(トルコ行進曲 - オワタ\(^o^)/、嗚呼、素晴らしきニャン生) 7.Catch the Wave 8.たいせつなこと feat. 初音ミク、鏡音リン、鏡音レン、巡音ルカ、KAITO、MEIKO、重音テト 9.カンタレラ 10.SPiCa feat. 初音ミク ■配信リンク https://WarnerMusicJapan.lnk.to/hms2019daPu ※「ドルビーアトモス」音源をお楽しみ頂くには、Echo Studioが必要です。 ドルビーアトモス ミュージックとは? 「ドルビーアトモス」は、まったく新しい方法で音楽とつながることを可能にする立体音響技術であり、リスナーは、比類のないクリアさで、楽曲に秘められたニュアンスを発見することができます。また、リスナーの周りに配置された楽器の複雑なハーモニー、部屋を埋める伝説のギターソロ、聴衆の上を流れるドロップ、歌詞の間に吹き込まれた微妙な息吹など、「ドルビーアトモス」は音楽により多くのスペースと自由を与え、アーティストが意図した通りのディテールとニュアンスを解き放ちます。 ※Dolby、ドルビー、Dolby Atmos、およびダブルD記号は、アメリカ合衆国と/またはその他の国におけるドルビーラボラトリーズ の商標または登録商標です。 「初音ミクシンフォニー2020〜5th Anniversary〜」横浜公演の Blu-ray&CD 発売決定!! 2021.2.3(水) 発売 ■初音ミクシンフォニー 〜Miku Symphony2020 オーケストラライブ Blu-ray 価格:¥6,000+税 品番:WPXL-90246 数量限定!!5 周年記念ホログラム仕様缶バッジ封入!!(7 種ランダム) ■初音ミクシンフォニー〜Miku Symphony2020 オーケストラライブ CD 価格:¥3,000+税 品番:WPCL-13266/7 【初音ミクシンフォニー5 周年テーマ曲】舞台【初音ミクオリジナル曲】 https://youtu.be/Oh7oLGK6ORc Hatsune Miku Symphony 2020〜5th Anniversary〜2020.09.21 at SUNTORY HALL https://youtu.be/4J5KJpvgLAU ■イベント概要 初音ミクシンフォニー2020〜5th Anniversary〜 大阪公演 2020 年 11 月 27 日(金) フェスティバルホール 18:00 開場/19:00 開演 演奏:大阪交響楽団 指揮:栗田博文 MC:初音ミク 他 特別協力:SEGA feat. HATSUNE MIKU Project ※客席の収容率を 50%とし、前後左右に1席ずつ間隔を空けて座席指定をさせていただきます。 ※休憩無し1部制の公演とさせていただきます。 「初音ミクシンフォニー2020〜5th Anniversary〜」横浜公演オフィシャルグッズ通販サイト販売中!! https://store.wmg.jp/shop/mikusymphony 【初音ミクシンフォニー2020】オフィシャルサイト https://sp.wmg.jp/mikusymphony/ 【初音ミクシンフォニー2020】オフィシャルツイッター https://twitter.com/mikusymphony 【初音ミクシンフォニー2019】1/6 -out of the gravity- feat. 初音ミク【オーケストラ ライブ CD】 https://youtu.be/CdRig4N6qrk 【初音ミクシンフォニー2019】横浜公演ダイジェスト映像【オーケストラ ライブ CD】 https://youtu.be/59VcXf8Ek3U Dolby Atmosの制作環境に関するお問い合わせは、実例豊富なROCK ON PROまで!こちらのコンタクトフォームよりご相談ください。↓ Rock oN渋谷リファレンススタジオでは、Dolby Atmosのサウンドを体験できます!↓ ※要事前予約 https://pro.miroc.co.jp/headline/rock-on-reference-room-dolby-atmos/ NetflixがDolby Atmosミックスを行ったPro Toolsセッションファイルを公開中!↓ https://pro.miroc.co.jp/headline/netflix-sol-levante-dolby-atmos-pro-tools-session-file-open-source/ 気になるDolby Atmosの仕組み、そして自宅でDolby Atmosミキシングを始めるには? ↓ https://pro.miroc.co.jp/solution/dolby-atmos-proceed2020/ Mac miniではじめるDolby Atmos制作!↓ https://pro.miroc.co.jp/solution/mac-mini-ht-rmu/
Support
2020/11/26

Media Composer 2018 および 2019 の EOS (サポート終了日) のお知らせ

Avidより、Media Composer 2018、及び、2019のサポート終了日決定の案内がございました。Media Composerをお使いのユーザー様は下記詳細、及び、Avid ナレッジベースをご確認ください。 Media Composer 2018.12.x 開発終了日:2020年12月31日 サポート終了日:2021年12月31日 Media Composer 2019.12.x 開発終了日:2021年6月30日 サポート終了日:2022年12月31日 開発終了日までは、定期的なメンテナンスリリースによりバグの修正が実施されます。それ以降は、Media Composer 2020 などの最新のバージョンに対する修正のみが実施されます。 サポート終了日までは、Avidサポートケースを通じてのお問い合わせも可能です。この期間はケースを作成し、技術的なお問い合わせが可能です。 その他の製品のサポート終了日は Avid Knowledge Base>> をご参照ください。 サポート終了日までに、より新しいバージョンへのアップグレードをぜひご検討ください!ご購入、システム設計のお問い合わせはROCK ON PROまでお気軽にご連絡ください。
Sales
2020/11/26

DaVinci Resolve Studio購入でDaVinci Resolve Speed EditorとiZotope RX Elementsが無償で付属!

動画編集からカラーコレクション、VFX、オーディオミックスまでをひとつのアプリケーションで実行できる世界で唯一の編集ソフトDaVinci Resolveの最新バージョンDaVinci Resolve 17が発表されました。 そのほとんどの機能を無償で使用できることでも話題のDaVinci Resolveですが、有償版であるDaVinci Resolve Studioではさらに高度な機能を使用することが可能。このDaVinci Resolve Studioを新規購入いただいた方に、動画編集を劇的にスピードアップすることが可能となる新製品DaVinci Resolve Speed Editorが無償で付属するプロモーションが実施中です。 終了時期未定のプロモーションとなっていますので、動画編集ソフトのご購入を検討の方は、ぜひお早めにお問い合わせください! DaVinci Resolve Studio 17 DaVinci Resolve Studio 17 販売価格:¥ 39,578(本体価格:¥ 35,980) 最新のDaVinci Resolve 17は数多くの新ツール、パワフルで新しいイメージ処理機能、オーディオエンジンを搭載しており、最新の広色域HDR&イマーシブ3Dオーディオワークフローに対応します。カラリスト向けには、新しいHDRグレーディングツールやAIベースのMagic Maskなどを搭載。Failrightはキーボードベースの編集選択ツールおよびFairlight Audio Coreがアップデートされ、高性能のオーディオエンジンは単一システムで2000トラックをサポートします。エディター向けには、ビンディバイダーの付いたメタデータベースの新しいスレーブビューがサポートされており、フッテージの管理・検索をすばやく実行できます。また、拡大波形を使用したオーディオ編集やスマートリフレーミング、プロキシ、ライブエフェクトプレビューなどにも対応。Fusionページで作成したエフェクトやタイトル、トランジションは、エディットページやカットページでも使用できます! 今なら、DaVinci Resolve Studio新規購入でDaVinci Resolve Speed Editorを無償で手に入れることが可能です! *DaVinci Resolve Speed Editorご購入者様は対象となりませんのでご注意ください。 DaVinci Resolve Speed Editor DaVinci Resolve Speed Editor 販売価格:¥ 39,578(本体価格:¥ 35,980) キーボードレイアウトをあえて編集に必要なものにしぼることで、コンパクトな筐体で編集作業のスピードアップを実現する新プロダクトです。DaVinci Resolveカットページでの使用を想定したデザインで、ノンリニア編集とテープ編集の利点を併せ持ったカットページのスピーディなワークフローをさらに加速させることが可能です。 メタル削り出しのサーチダイヤルによってフレーム単位での編集点の移動が容易になり、手の届く範囲にわかりやすく配置されたトランスポートや編集機能のボタンを使用して、素早く、正確な編集が可能になります。Bluetoothおよび内部バッテリーを使用したワイヤレス接続や、USB-Cによる接続が可能なので、フルサイズのキーボードと比べて携帯性にも優れています。 今なら、DaVinci Resolve Studio新規購入で、このDaVinci Resolve Speed Editorを無償で手に入れることが可能です! *DaVinci Resolve Speed Editorをご購入いただいた場合にDaVinci Resolve Studioは付属しませんのでご注意ください。 合わせてチェック! Blackmagic Design対象製品購入でiZotope RX Elementsを無償でゲット 上記プロモーションとは別に、対象となるBlackamagic Design製品をご購入いただいた方にiZotope RX Elementsが無償配布されるプロモーションも開催中です。今、DaVinci Resolveを購入すれば、DaVinci Resolve Speed EditorとRX Elementsがふたつ同時に無償で手に入ることになります! こちらは、予定数量に達し次第終了の限定プロモーションとなりますので、ご検討中の方はお早めにお問い合わせください! 対象製品、プロモーション詳細はこちら>> RX Elementsの詳細、Standard/Advancedとの違いはこちら>> ますます便利になっていくDaVinci Resolve。本プロモーションについてのお問い合わせ、その他各製品のご相談などはお気軽にROCK ON PROまでご連絡ください。
Tech
2020/11/24

【アーカイブ公開中】緊急開催!!アビットーーーク!〜本日発表のPro Tools|Carbonをどこよりも早く深掘り!〜

本日未明、Avidから新製品Pro Tools | Carbonが発表されました!Avid純正としては10年ぶりとなる待望の新I/Oです。non-UltimateのPro ToolsにHDXのアドバンテージを追加するという驚きの新機能、8個のオンボードマイクプリと4系統のヘッドフォンモニターなど、多数の機能・テクノロジーを備えています。 ROCK ON PROではこの新I/Oのより詳細な情報をいち早くお届けするため、早速今夜18:00よりYouTube Liveを使用してWEBセミナーを開催!おなじみのバウンス清水、RED先生がAvidダニエル氏とともにPro Tools | Carbonの魅力を深掘りします!! え!?Pro Tools | Carbonってなに!?という方はこちらをチェック!!>> 緊急開催!!Avidダニエル&バウンス清水&RED先生のアビットーーーク 〜本日発表のAVID新製品CARBONをどこよりも早く深掘り!〜 日時:2020年11月13日(金) 18:00スタート 場所:Rock oN Company YouTubeチャンネルよりYouTube Liveにて開催 https://www.youtube.com/watch?v=0GdevvzOiBY&feature=youtu.be Pro Tools | Ultimate+HDXカードとの違いはあるのか!?Pro Tools上での操作はどうなる!?気になるオーディオクオリティは!?エポックメイキングな新プロダクトのリアルな情報をお見逃しなく! Pro Tools | Carbonについてのお問い合わせ、システム構築のご相談、その他ご質問等は記事末尾のcontactボタンより専用フォームにてお気軽にお問い合わせください。 Pro Tools | Carbonの概要、価格情報などはこちらからご確認ください>>
Event
2020/11/21

Avid Creative Summit 2020 Online 開催 !!

クリエイターの「未来」を明らかにする、サウンド制作のためのリアルノウハウイベント。
サウンド制作のクリエイターが描く制作の未来像とは何か。2020年のAvid Creative Summitはオンライン上にその場を移して、Dolby Atmos対応を果たしたRock oN 渋谷リファレンスルームよりお届けします。数々の展示会が国内外ともキャンセルとなる中でも制作の現場は止まりません。必要とされる情報、そしてワークに求められるニーズはこのコロナ禍においても変わることなく、次なる未来のコンテンツをどう創り上げていくのかのチャレンジは続きます。
今回は2日間に渡る日程でAvidソリューションのいま、MTRX / MTRX StudioほかAvid I/Oが見せる世代交代、またコンテンツとしてのニーズが高まるDolby Atmos / Dolby Atmos Musicなど最先端のインフォメーションをお伝えします。オンライン制作時代のリアルとリモートをどうやってバランスするのか、やがて迎えるニューノーマルに向けたヒントを提案し、常に一歩先の情報を必要とするクリエイターの「未来」を明らかにします。2020-21年の制作をリードするインフォメーションを満載したAvid Creative Summit Online、ぜひご覧ください!!
Support
2020/11/16

Pro Tools | Carbonサポート情報〜アクティベーション、Macとの接続方法、ほか

Avidより満を持して登場した新I/O Pro Tools | Carbon。その革新的な機能とデザインはすでに大きな話題を巻き起こしていますが、従来のAvid I/Oとは製品登録やホストコンピューター(現時点ではMacのみ)との接続などの方法が多少異なります。 「付属するPro Toolsの登録方法がわからない!」「プレミアムプラグインはどこからダウンロードするの?」「I/OがMacに認識されないんだけど!?」などの疑問にお答えするため、Avidが用意したサポート情報をまとめました。話題の新製品導入に際して、ご不明点の解消にもご活用ください! Pro Tools | Carbon詳細はこちら>> システム要件、製品登録、Pro Tools/プラグイン入手方法など Avid Knowledge Base Pro Tools | Carbon システム要件 Pro Tools | Carbonに関するサポートと互換性の情報が掲載されています。特に、既存Pro ToolsユーザーはPro Tools | Carbon登録の際に「新規Pro Tools年間サブスクリプション」か「既存ライセンスの年間サポートを1年間延長」のどちらを受け取るかを選択することになりますので、ぜひ下記情報をご覧ください。 「アクティベーションと登録」、「ダウンロードとインストール」については一部日本語化が完了していないようなので、以下の日本語ムービーをご覧いただくのが分かりやすいです。 Pro Tools | Carbon製品同梱物とソフトウエア入手方法 (00:45付近からアクティベーション方法、3:00付近からプレミアムプラグイン入手方法を解説) https://youtu.be/uut2dCsh05Y?t=45 コンピューターとの接続方法 Avid Knowledge Base Pro Tools | Carbon の接続方法 Pro Tools | CarbonとMacとの接続方法についての情報が記載されています。接続方法にAVBを使用するため、初回起動時にはMac側で簡単なな操作が必要となります。また、LANポートのないMacで使用する場合のアダプタの制限(多くのアダプタはAVB非対応のため)などについても記載があります。 こちらの情報も、以下のビデオをご覧いただくと分かりやすいと思います。 Pro Tools | Carbon - コンピューターへの接続 https://youtu.be/Ch6xX8gksek Pro Toolsとの接続方法(Pro Tools側の設定)については以下のムービーで解説されています。 Pro Tools | Carbon - ソフトウエア設定方法 https://youtu.be/CgVpYZr3ASU スピーカーセットアップ、レコーディング、Hybrid Engine活用法など、10種類のレクチャームービー Pro Tools | Carbonスタートアップ・ビデオ 上記ムービーのほか、Pro Tools | Carbonを実際に使用するための方法を手順を追って解説してくれるムービーを集めたAvid YouTubeチャンネルです。既存ユーザーの方もまったくのAvid新規ユーザーの方も、これを見ればPro Tools | Carobonを使用して今日からレコーディングを開始できます!ムービーはすべて日本語に吹き替えられています。 アーカイブ公開中~国内最速実機レポートも必見!! 製品発表&予約開始当日に奇跡の実機登場で沸いた「緊急開催!!アビットーーーク!〜本日発表のPro Tools|Carbonをどこよりも早く深掘り!〜」のアーカイブも公開中!実際のコネクタの様子や接続方法、Pro Tools内部での見え方や設定方法、そして、Live中継中にバウンス清水が歌って踊って録音しちゃう!!まさにPro Tools | Carbonを紹介し尽くしたウェビナーを見れば、ほとんどの疑問は解消されるでしょう! https://youtu.be/0GdevvzOiBY まだまだ聞きたいことがあるぞ!という方はこちら〜付属Pro Toolsライセンス、接続方法などについての詳細FAQ Avid Knowledge Base Pro Tools | Carbon よくある質問集(FAQ) Pro Tools | Carbonに付属するPro Toolsライセンスの形態や、サブスクリプションが切れたあとのライセンス、プレミアムプラグインの内訳などについて解説されています。また、ネットワーク接続となるPro Tools | CarbonとMacを接続する際の疑問点、将来の予定などまで、実践的で詳細なFAQとなっています。 もちろん、ROCK ON PRO スタッフはこれらの情報に精通しておりますので、疑問点・ご不安点のお問い合わせから購入のご相談まで、下記contactボタンからお気軽にお問い合わせください!
NEWS
2020/11/13

Pro Tools 2020.11リリース!新I/O Pro Tools | Carbon対応のほか、多数の新機能を追加!!

Avidより突如発表されたティーザー動画も話題になった新I/O Pro Tools | Carbon。日本時間11/13(金)未明に正式に発表されたその新I/Oのイノベーティブな機能を活用するための、Pro Tools最新バージョンも同時に発表されました。年間サポートプランまたはサブスクリプションが有効期間中のユーザー様は、すでにAvidアカウントよりダウンロードいただけます。 システム要件等の詳細情報は下記でご確認いただけます。 Avid Knowledge Base Pro Tools 2020.11 リリース情報 Avid Knowledge Base Pro Tools システム要件 Avid Knowledge Base Pro Tools OS (オペレーティングシステム) 互換性 リスト Pro Tools 2020.11 日本語ガイド (PDF) Pro Tools最新情報 Pro Tools | Carbon対応 https://youtu.be/vqwtyAerK1s DSPを内蔵し、Pro ToolsにHDXシステムのアドバンテージを追加することが可能な話題の新I/O Pro Tools | Carbon。このI/OをPro Toolsで使用するためには最新のPro Tools 2020.11以降が必要です。トラックをDSPモードで使用するためのHybrid MixerやI/O本体のルーティング/設定などをPro Toolsからコントロールすることができるようになります。 ダークモードGUI https://youtu.be/86IHx8VbbDY Pro ToolsのGUIでダークモードを選択できるようになりました。ポスプロスタジオなど、スタジオを暗くすることの多い現場で役立つでしょう。ボタンのデザインなど、細かな部分のデザインもよりモダンなものに変更されています。もちろん、従来のGUIも「Lightモード」という名称で引き続きご使用いただけます。 オーディオをMIDIデータへコンバート https://youtu.be/teSY_ScKFSU オーディオデータを簡単にMIDIに変換することができるようになりました。録音済みオーディオのピッチやタイミングを微調整したり、まったく異なる楽器の音色に変えてしまうようなことが可能となります。よりクリエイティブな音楽制作に寄与する機能と言えるでしょう。 Melodyne Essentialが付属 年間サポートプランまたはサブスクリプションが有効期間中のユーザーが無償でアクセスできる「特典プラグイン」にCelemony Melodyne 5 essentialが追加されました。Melodyne 5の基本的な機能を使用し、ボーカルのクオリティを手軽に高めることが可能になります。 Dolby Atmos ADMファイルをエクスポート https://youtu.be/KxBK3pBvWL8 なんと、Pro Tools | UltimateでDolby Atmos ADMファイルを直接インポート/エクスポートすることができるようになりました。これまで実時間がかかっていたADMファイルの作成を、Pro Tools | Ultimate内部からより短い時間でオフラインバウンスで実行することができるようになりました。 スペースクリップ機能 サウンドデザイナー必見!の新機能です。ゲーム制作や効果音制作など、時に何千何万というオーディオファイルを一気にインポートして作業しなければならない場合、クリップが判別できなくならないようにした作業に大きな時間を取られていたのではないでしょうか。この機能を使用すれば、簡単な操作で、選択されたすべてのクリップ間に設定した均等なスペースが自動で挿入されます。 https://youtu.be/klrDHXba9Ng バウンス機能にプリセットを設定 バウンスウィンドウが改善され、プリセットを設定することが可能になりました。ステムを書き出したい時に設定を変更し忘れてやり直し、などということが少なくなりますね! ビデオインポート/エクスポート機能が改善 Mac OS Catalina対応により、一時的に失われていたムービーファイルへの対応が復活しました。詳細は下記リンク先をご参照ください。現在、日本語ページの情報は古いままですが、近日中にアップデートされると思われます。 Avid Knowledge Base macOS Catalina上のPro Toolsでサポートされるファイル・タイプ Avid Knowledge Base Pro Tools 2019.10 以降でサポートされる ビデオ・レート、ラスター、および、 コーデック 新たなI/Oの登場でますますユーザーを広げていきそうなPro Tools。ご購入のご相談、ご質問などはcontactボタンからお気軽にお問い合わせください。
NEWS
2020/11/13

Pro Tools|Carbon発表!! HDXパワーを追加する革新的I/O!!

現地時間11/12、Avidより新プロダクトの発表がありました。Pro Tools | Carbonと名付けられたその新製品は、Avid純正としては実に10年ぶりとなる新たなI/Oです。DSPチップを内蔵し、non-UltimateのPro ToolsでHDXのアドバンテージを得ることが可能。ホーム・レコーディングから業務用スタジオまでカバーする、音楽制作のためのイノベーティブなI/Oです。Pro Tools | Carbonは本日よりご予約受付開始しております。 Built to capture brilliance - 音楽の輝きを捉えるために生まれた - Pro Tools | Carbonは、そのキャッチコピーの通りミュージック・クリエイターをメイン・ターゲットとしたプロダクトです。 同時最大25in/34outの豊富な入出力、新開発のマイクプリ、インストゥルメント入力のインピーダンス可変機能、そして、大注目の内蔵HDXチップなど、機能面を見ただけでもソロからバンド編成のミュージシャン、音楽エンジニア/プロデューサーなど、音楽制作で使用するために必要十分な機能がふんだんに盛り込まれています。 製品概要 Pro Tools | Carbon 販売価格:¥478,500(本体価格:¥435,000) 主な仕様 対応OS:Macのみ 対応DAW:Pro Tools, Pro Tools | Ultimate 同時最大入出力:25インプット x 34アウトプット Mic/Line 入力:8x プリアンプ・インプット (コンボジャック5-8と2系統のInst入力はVariable Z対応) Analog Line I/O:8 x 8 (DB25) ADAT I/O:2 x Optical (ADAT/SMUX) 16 x 16 モニター出力:2x 1/4" ヘッドフォン出力:4 x 1/4" (Stereo) コンピューターとの接続:Ethernet (AVB) 同期:Word Clock (BNC) サンプリング周波数:44.1kHz-192kHz ビットレート:32bit ADDA 最大バリュー94万円バリューのプラグインバンドル!!ROCK ON PRO Original Massive Pack Bundleも要チェック! DSPチップを内蔵!スタンダードPro ToolsにHDXのパワーを追加!! Pro Tools | Carbonの仕様でもっとも目を引くのは、なんと言っても筐体内部に搭載されたDSPチップ。チップはAvid HDXカードに搭載されているものと同じものとなり、non-UltimateのPro ToolsでもAAX DSPプラグインやニアゼロ・レイテンシーでのモニタリングなどをHDXシステムと同様に扱うことができるようになります。 すべてのAAX DSPプラグインはNative環境でも動作するため、Pro Tools | Carbonを接続していない状況でも使用することができます。外部のスタジオにセッションだけを持ち込んで作業したり、ほかのクリエイターとコラボしたりすることが簡単にできます。 最大同時25in/34out、新開発マイクプリ!音楽のための新らしいI/O!! 8機のマイクプリ、Variable Z対応のInst入力、フロントパネルに4系統のヘッドフォンアウトなどを搭載しており、ホームレコーディングには最適なソリューションです。2系統のADAT入出力(16ch In/Out@96kHz)、8系統アナログ出力も備えているため、スタジオへの導入もスムーズ。インディペンデントに活動するアーティストから業務用スタジオ、エンジニア/プロデューサーまで、音楽制作に携わる幅広いユーザーにご使用いただけます。 マイクプリをはじめ、従来の倍精度となるジッター除去性能、待望の32bit処理対応など、オーディオクオリティの向上のためにAvidが新開発した多数のテクノロジーを搭載しています。特に32bit処理対応は要注目!これにより、入力から出力までを一貫して32bitで扱うことが可能となりました。 Pro Toolsとの完全な統合!すべてをPro Tools上でコントロール!! Avid純正プロダクトであるPro Tools | CarbonはI/O設定など、すべての機能をPro Toolsからコントロールすることが可能です。Pro Toolsとその他のアプリケーションを行き来することなく、レコーディングやミックスの作業に集中することができます。 新技術Hybrid EngineによりトラックごとにDSPモードのON/OFFを切り替えることができ、必要なトラックだけをDSPでプロセスしながらその他のトラックはCPUパワーを使用するといった使い方が可能です。もちろん、こちらもPro Toolsのトラックからクリックひとつで切り替え可能。トラックへの歌入れやオーバーダブをストレスなく実行できます。 Pro Tools年間サブスクリプション付属!9種類のプレミアムプラグインまで付属!! Pro Tools | CarbonにはPro Tools年間サブスクリプションライセンスが付属し、I/Oが届いたその日からすぐに制作を開始できます!さらに、Pro Tools年間サブスクリプションの特典であるAvid Complete Plugin Bundle はもちろん、Pro Tools | Carbon購入者だけの特典として11種類もの3rdパーティ製AAX DSPプラグインのライセンスが手に入ります! さらに、Pro Tools | Carbonに付属する年間サブスクリプションには「Pro Tools 永続パラシュート」という特別な権利が追加されており、サブスクリプション期限が切れた後も永続ライセンスとして使用し続けることが可能です。UPGなどが必要になったタイミングでサブスクリプションに再加入すれば、Avid特典プラグインへのアクセスや最新バージョンへのUPGが再び可能になります。 Pro Tools 特典プラグイン Pro Tools年間サブスクリプションが有効期間中のみ使用可能 Avid Complete Plugin Bundle Avid Heat Avid 5.4GBのサウンドライブラリー(サブスクリプション失効中も使用可能)   Pro Tools | Carbon プレミアムプラグイン Pro Tools年間サブスクリプションが失効中でも使用可能 Arturia Rev PLATE-140 Brainworx bx_console N Brainworx bx_rockrack Brainworx bx_masterdesk Brainworx bx_Purple Audio MC77 Embody Immerse Virtual Studio McDSP 6050 Ultimate Channel Strip HD Native Instruments Vintage Organs UVI Model D ●バウンス清水の「ココがポイント!」   ついに!HDXのDSPが一体化したI/Oが登場しました!待ってました。って感じですね!ProTools Nativeユーザーもレイテンシーがなく、レコーディングができる時代がやってきます。DSPモードのON/OFFがトラックについていて、RECしたいトラックはDSPモードON!って感じでOK。非常にわかりやすいですね。付属されるプラグインがあるようで、Plugin AllianceのConsole Nがその中に!Neve Console を使いながらレコーディングできちゃうなんて幸せですね! *画像はイメージです。実際のバウンス清水とは異なりますのでご注意ください。 レイテンシーの問題から、これまで自宅レコーディングを諦めていた方も多いはず!高額なHDXシステムを導入することなく、Pro ToolsとI/Oだけでニアゼロレイテンシーでのモニタリングが可能となるPro Tools | Carbonはそうしたミュージシャン/クリエイターの方々にとって最適なソリューションとなるでしょう! 2系統のInst入力と4系統のヘッドフォンアウトがフロントパネルに配されている点や、詳細な設定も可能なフロントパネルの使いやすさなど、細部まで行き届いたデザインはDAWに詳しいエンジニアでなくてもできるだけ簡単で便利に使用できるように考えられていると感じます。 もちろん、業務用スタジオでも活躍すること間違いなし!なプロダクトではありますが、インディペンデントに活動するアーティスト/クリエイターのみなさまにこそ、是非チェックしていただきたい製品となっております! 本日よりご予約受付を開始しておりますので、購入のご相談、ご不明点などは、問い合わせフォームよりROCK ON PROまでお気軽にお問い合わせください。
Media
2020/11/11

Roland V-600U~HD4K/HD混在環境でもハイクオリティなビデオ出力!

放送や映像制作と同じように、イベントやプレゼンテーションなどの演出も4K化が進んでいます。一方で、クライアントや演出者からは従来の HD 機材の対応も同時に求められている。 V-600UHDはそうした現場のニーズに合わせ、従来の HD 環境を段階的に 4K に対応させることが可能。全ての入出力端子にローランド独自の「ULTRA SCALER」を搭載。 この機能によりフル HD と 4K の異なる映像を同時に扱えるだけでなく4K と HD 映像も同時に出力できるため、従来の HD ワークフローの中に4K映像を取り込むことができる。 システムセットアップ V-600UHD は HDMI(2.0対応)入力を 4 系統、12G-SDI 入力を 2 系統搭載し、PC とメディア・プレーヤーに加え、ステージ用にカメラを使用するようなイベントやライブコンサートに最適。すべての入出力に独自のスケーラーを搭載し、4KとHDを同時に入出力することができるため、両者が混在するシステムでも容易に運用が可能だ。 会場ディスプレイには4K映像を出力しながら、HDモニターやライブ配信用エンコーダー等従来の HD 表示デバイスへの出力も可能。エンベデッド・オーディオの入出力にも対応するほか、XLR入力2系統を備えオーディオミキサーからの出力をもらうこともできる。中規模〜大規模イベントのコアシステムとして高い実用性を誇る。 プロダクト ROLAND V-600UHD 販売価格:¥ 1,408,000(本体価格:¥ 1,280,000) HDR、フル・フレームレート 60Hz、Rec.2020 規格、DCI 4K(シネマ4K)解像度など先進のテクノロジーに対応し、高精細な映像を扱うことが可能。さらに、内部映像処理は 4:4:4/10bit に対応し、PC から出力された高精細な映像も鮮明に表示可能で、拡大した映像内の細かな文字も細部まで読み取ることができる。 「ROI(Region of Interest)機能」を使えば、1 台の 4K カメラの映像から必要な部分を最大 8 つ抽出することで、複数のカメラを用意するのと同じような演出が可能になる。スケーラー機能と併せてクロスポイントに割り当てることが可能。カメラの台数に頼ることなく、映像演出の幅を拡げることができる。 Rock oN Line eStoreでのご購入はこちらから>> ROLAND UVC-01 販売価格:¥ 27,500(本体価格:¥ 25,000) 最大1920×1080/60pに対応するRoland純正のビデオキャプチャー/エンコーダー。Mac/Windowsに対応し、ドライバーのインストール不要、USBバスパワー対応など、普段使いにも便利な取り回しのよさが魅力だ。ほとんどのHDMIカメラやビデオスイッチャーに対応するため、WEB配信の機会が多いユーザーは持っておくと便利かも。 Rock oN Line eStoreでのご購入はこちらから>> Rock oN Line eStoreに特設コーナーが誕生! Rock oN Line eStoreでは、カメラからスイッチャー、配信や収録向けのマイクなど、映像制作に関わる機材を集めた特設コーナーを新設している。本記事に挙げた個別の機材が購入できるのはもちろん、手軽なセット販売や、スタッフに相談できる問い合わせフォームなどもあるので、ぜひ覗いてみてほしい。 eStore特設コーナーへ!!>>
Media
2020/11/11

ライブミキサーを使用して4K制作環境でWEB配信!

ついにiPhoneが5Gに対応し、大容量データの高速通信がモバイル環境でもいよいよ実現されつつある。テレビ放送やリアルイベントではすでに4Kの需要は高まっており、その波がWEB配信の世界にも押し寄せることが予想される。折しもコロナ禍の影響で映像配信事業の成熟は加速度的に高まっており、既存メディアと同等のクオリティが求められるようになるまでにそれほど長い時間はかからないだろう。 あらゆるライブイベントをプロ仕様のプログラムとして制作することが出来るビデオスイッチャー、Blackmagic Television Studio Pro 4Kを中心とした、4K対応WEB配信システムを紹介しよう。 システムセットアップ 4K対応ビデオスイッチャーであるATEM Television Studio Pro 4Kから、4K対応のビデオキャプチャーであるUltra Studio 4K Miniで配信用のフォーマットにファイルをエンコード。配信用のMac/PCに信号を流し込む構成だ。 ATEM Television Studio Pro 4Kはマルチビュー出力を備えているため、SDIインプットのあるモニターを使用して各カメラやメディアからの映像を監視しながら映像の切り替えを行うことができる。 図ではオーディオ部分を割愛しているが、ATEM Television Studio Pro 4Kにはオーディオインプット用のXLR2系統が備わっているほか、SDIにエンベッドされたオーディオ信号を扱うこともできる。Ethernet経由でMac/PCを繋ぎ、ATEM Control Softwareを使用すれば内部で音声ミキシングも可能なため、ミキサーからのアウトをATEM Television Studio Pro 4Kに入れ、映像と音をここでまとめることが可能。 オーディオクオリティにこだわるなら、小型のオーディオI/FやI/F機能付きミキサーを使用してミキサーからの信号を配信用のMac/PCに直接入力してもよい。手持ちのミキサーの仕様や求められる品質・運用に鑑みて、柔軟な構成を取ることができる。 キープロダクト Blackmagic Design ATEM Television Studio Pro 4K 販売価格:¥373,780(本体価格:¥339,800) 8系統の12G-SDI入力を搭載し、ハイエンドの放送用機能に対応したATEM Television Studioシリーズの中でも、ATEM Television Studio Proシリーズはプロ仕様の放送用ハードウェアコントロールパネルが一体化しており、追加のCCUにも対応。すべての入力系統に再同期機能を搭載しており、プロ仕様および民生用カメラで常にクリーンなスイッチングが可能。マルチビュー出力に対応しており、すべてのソースおよびプレビュー、プログラムを単一のスクリーンで確認できる。また、Aux出力、内蔵トークバック、2つのスチルストア、オーディオミキサー、カメラコントロールユニットなどにも対応。 ライブプロダクション、テレビシリーズ、ウェブ番組、オーディオビジュアル、そしてテレビゲーム大会のライブ放送などに最適で、カメラ、ゲーム機、コンピューターなどを接続するだけで簡単にライブスイッチングを開始できる。 Rock oN Line eStoreでのご購入はこちらから>> Blackmagic Design UltraStudio 4K Mini 販売価格:¥125,180(本体価格:¥ 113,800) UltraStudio 4K Miniは本来はThunderbolt 3に対応したポータブルなキャプチャー・再生ソリューション。Mac/PCにビデオI/Fとして認識される機能を利用して、4K対応キャプチャーカードとして使用することが可能だ。 最新の放送テクノロジーを搭載しており、4K DCI 60pまでのあらゆるフォーマットで放送品質の8/10-bitハイダイナミックレンジ・キャプチャー、4K DCI 30pまでのあらゆるフォーマットで12-bitハイダイナミックレンジ・キャプチャーを実現。SDカードリーダーを内蔵しているので、カメラメディアを直接コンピューターにマウントすることも可能だ。 Rock oN Line eStoreでのご購入はこちらから>> Blackmagic Design Blackmagic Web Presenter 販売金額:¥ 62,678(本体価格:¥ 56,980) 素材のみは4Kで録っておき、配信はHD品質でもOK、という方はUltraStudio 4K Miniの代わりにこちらを。 あらゆるSDIまたはHDMIビデオソースをUSBウェブカメラの映像として認識。Skypeなどのソフトウェアや、YouTube Live、Facebook Live、Twitch.tv、Periscopeなどのストリーミング・プラットフォームを使用したウェブストリーミングを一層高い品質で実現。Teranex品質のダウンコンバージョンに対応しているので、あらゆるSD、HD、Ultra HDビデオを、低データレートながらも高品質のストリーミングが可能な720pに変換する。 ドライバ不要で、ハイクオリティの内部エンコーダーとして動作する本機があれば、キャプチャデバイスとコンピューターの相性を気にすることなくWEB配信に集中できる。 Rock oN Line eStoreでのご購入はこちらから>> Rock oN Line eStoreに特設コーナーが誕生! Rock oN Line eStoreでは、カメラからスイッチャー、配信や収録向けのマイクなど、映像制作に関わる機材を集めた特設コーナーを新設している。本記事に挙げた個別の機材が購入できるのはもちろん、手軽なセット販売や、スタッフに相談できる問い合わせフォームなどもあるので、ぜひ覗いてみてほしい。 eStore特設コーナーへ!!>>
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2020/11/11

ウェブキャスターで高品質配信!音楽演奏配信向けシステムセットアップ例

公共の場でのマスク着用と並んで、映像配信はウィズ・コロナ時代のひとつのマナーとさえ言えるほど急速にひとびとの生活に浸透している。もちろん半分ジョークだが、読者の半数は実感を持ってこのことばを迎えてくれることと思う。なにせ、このような記事を読もうと思ってくれているのだから、あなたも映像配信にある程度の関心があるはずだ。 さて、しかし、いざ自分のパフォーマンスを配信しようと思っても、どのような機材を揃えればいいのか、予算はいくらくらいが妥当なのか、というところで迷ってしまう方もいることだろう。(Z世代のミュージシャンは、そんなことはないのだろうか!?) そこで、この記事では音楽の生演奏を前提に、低価格かつ高品質な映像配信を実現するシステムアップ例を紹介したいと思う。 システムセットアップ例 スイッチャーはATEM Miniで決まり!? マルチカメラでの映像配信にこれから挑戦したいという方にぜひおすすめしたいビデオスイッチャーがBlackmagic Design ATEM Miniシリーズだ。4x HDMI入力やプロ仕様のビデオエフェクト、さらにはカメラコントロール機能までついた本格仕様でありながら価格破壊とも言える低価格を実現しており、スイッチャーを初めて導入するという方からコンパクトなスイッチャーを探しているプロフェッショナルまで、幅広くおすすめできるプロダクトだ。 ATEM Mini、ATEM Mini Pro、ATEM Mini Pro ISO、と3つのラインナップがあり、順次機能が増えていく。ATEM Miniでは各カメラ入力をモニターする機能がないため、バンド編成でのライブ配信などにはATEM Mini ProかATEM Mini Pro ISOを選択する方がオペレートしやすいが、弾き語りや小編成ユニットの場合はATEM Miniでも十分だろう。 ATEM Miniシリーズについての詳細はこちらの記事>>も参考にしてほしい。 オーディオI/F機能付きミキサーでサウンドクオリティUP! ATEM Miniシリーズにはマイク入力が備わっており、ATEM Mini内部でのレベルバランスの調整も可能となっている。しかし、オーディオのクオリティにこだわるなら小型でもよいのでオーディオミキサーの導入が望ましい。ライブやレコーディングで使用できる一般的なマイクを使用することができるし、機種によってはオンボードのエフェクトも使用できる。必要十分な入出力数を確保できるし、なにより経由する機器を減らす方がクオリティは確実に上がる、とメリット尽くしだ。 音声系をいったんミキサーでまとめ、ATEM Miniからの映像信号とは別系統としてMac/PCに入力、OBSなどの配信アプリケーション内で映像と音声のタイミングを合わせるというシステムアップになる。 この時、ミキサーとオーディオI/Fを別々に用意してもよいが、最近の小型ミキサーの中にはUSBオーディオI/F機能を搭載したものも多く、「ウェブキャスター」と呼ばれるWEB配信を特に意識したプロダクトも存在する。 すでにミキサーやオーディオI/Fを所有しているなら足りない方を買い足すのがよいだろうが、これから配信に挑戦しようというならウェブキャスターなどのUSB I/F機能付きミキサーがうってつけのソリューションとなるだろう。チャンネル数、対応サンプリング周波数、マイク入力数など各モデルで特色があるため、自分に必要なスペックがわからない場合は気軽にRock oN Line eStoreに問い合わせてみてほしい。 おすすめI/F機能付きミキサー YAMAHA AG-06 販売価格:¥ 19,800(本体価格:¥ 18,000) ウェブキャスターという名称を広めた立役者とも言えるYAMAHA AGシリーズ。ループバック機能、ヘッドセット対応、2x マイク/ライン入力・1x 48Vファンタム電源を含む6入力、USB I/F機能、USBバスパワーなど、ウェブ動画配信に完全対応。さらに最大で192kHz/24bitというハイレゾクオリティのオーディオ性能を誇る。弾き語りや二人組ユニットだけでなく、バックトラックに合わせての演奏やトーク番組風の配信、ゲーム実況まで幅広く対応可能だ。 Rock oN Line eStoreでのご購入はこちらから>> ZOOM LIVETRAK L-8 販売価格:¥ 39,600(本体価格:¥ 36,000) ジングルや効果音を鳴らせる6個のサウンドパッド、電話の音声をミックスできるスマートフォン入力、バッテリー駆動でスタジオの外にも持ち出せる機動力。ポッドキャスト番組の収録やライブ演奏のミキシングが手軽に行える、8チャンネル仕様のライブミキサー&レコーダー。内蔵SDカードに録音することが可能で、12chモデル、20chモデルの上位機種もランナップされているためバンドライブの動画配信にはうってつけだろう。 Rock oN Line eStoreでのご購入はこちらから>> Presonus StudioLive AR8c 販売価格:¥ 55,000(本体価格:¥ 50,000) ミュージシャン達がミュージシャンのために開発したハイブリッド・ミキサーであるStudioLive® ARcシリーズは、XMAXプリアンプ/EQ/デジタル・エフェクトを搭載したアナログ・ミキサーに、24Bit 96kHz対応のマルチチャンネルUSBオーディオ・インターフェース、SD/SDHCメモリー・カード録音/再生、そしてBluetoothオーディオ・レシーバーによるワイヤレス音楽再生機能を1台に統合。ラインアップは、8チャンネル仕様、12チャンネル仕様、16チャンネル仕様の3機種。レコーディングや音楽制作のためのCapture™/Studio One® Artistソフトウェアも付属し、ライブPA、DJ、バンドリハーサル、ホームスタジオ、ネット配信に理想的なオールインワン・ハイブリッド・ミキサーとなっている。 Rock oN Line eStoreでのご購入はこちらから>> YAMAHA MG10XU 販売価格:¥ 29,334(本体価格:¥ 26,667) YAMAHAの定番アナログミキサーであるMGシリーズも、多くがUSB I/F機能を搭載している。WEB配信に特化した製品ではないが、高品位なディスクリートClass-Aマイクプリアンプ「D-PRE」搭載をはじめ、1ノブコンプ、24種類のデジタルエフェクトなど、本格的なミキサーとしての機能を備えており、クオリティ面での不安は皆無と言える。20chまでの豊富なラインナップも魅力。トークやMCではなく「おれたちは音楽の中身で勝負するんだ!」という気概をお持ちなら、ぜひこのクラスに手を伸ばしてほしい。 Rock oN Line eStoreでのご購入はこちらから>> SOUNDCRAFT Notepad-8FX 販売価格:¥ 14,900(本体価格:¥ 13,545) ブリティッシュコンソールの老舗メーカーであるSOUNDCRAFTにもUSB I/F機能搭載のコンパクトミキサーがラインナップされている。全3機種の中で上位モデルであるNotepad-12FXと本機Notepad-8FXには、スタジオリバーブの代名詞Lexicon PRO製のエフェクト・プロセッサーを搭載!ディレイやコーラスも搭載しており、これ1台で積極的な音作りが可能となっている。ブリティッシュサウンドを体現する高品位マイクプリ、モノラル入力への3バンドEQ搭載など、コンパクトながら本格的なオーディオクオリティを誇っている。 Rock oN Line eStoreでのご購入はこちらから>> ALLEN & HEATH ZEDi-8 販売価格:¥ 19,008(本体価格:¥ 17,280) こちらもイギリスの老舗コンソールメーカーであるALLEN & HEATHが送るUSB I/F対応アナログミキサーがZEDシリーズだ。ZEDi-8はコンパクトな筐体に必要十分で高品質な機能がギュッと凝縮されたようなプロダクトだ。2バンドのEQ以外にオンボードエフェクトは搭載していないが、定評あるGS-R24レコーディング用コンソールのプリアンプ部をベースに新設計されたGSPreプリアンプは同シリーズ32ch大型コンソールに搭載されているのと同じもの。長い歴史を生き抜いてきたアナログミキサー作りのノウハウが詰め込まれた一品と言えそうだ。 Rock oN Line eStoreでのご購入はこちらから>> あなたに最適なATEM Miniは!? Blackmagic Design ATEM Mini 販売価格:¥ 39,578(本体価格:¥ 35,980) 4系統のHDMI入力、モニター用のHDMI出力1系統、プロクオリティのスイッチング機能とビデオエフェクトなど、プロクオリティの機能を備えながら圧倒的な低コストを実現するATEM Mini。コンピューターに接続してPowerPointスライドを再生したり、ゲーム機を接続することも可能。ピクチャー・イン・ピクチャー・エフェクトは、生放送にコメンテーターを挿入するのに最適。ウェブカムと同様に機能するUSB出力を搭載しているので、あらゆるビデオソフトウェアに接続可能。導入コストを低く抑えたい方にはおすすめのプロダクトです。 Rock oN Line eStoreでのご購入はこちらから>> Blackmagic Design ATEM Mini Pro 販売価格:¥ 73,150(本体価格:¥ 66,500) ATEM Mini Proで追加される機能は「本体からインターネットへのダイレクト配信」「マルチモニタービュー」「プログラム出力の外部SSDへの収録」の3つ。本記事の主旨に則ってオーディオクオリティを優先すると、ダイレクト配信機能は使用する機会がないため、各カメラの映像を確認しながらスイッチングをしたい、または、配信した動画を高品質で取っておきたいのいずれかに該当する場合はこちらを選択することになる。 Rock oN Line eStoreでのご購入はこちらから>> Blackmagic Design ATEM Mini Pro ISO 販売価格:¥ 113,850(本体価格:¥ 103,500) ATEM Mini Pro ISOで追加される機能は、ATEM Mini Proの全機能に加え、「全HDMI入出力信号を外部SSDに個別に保存」「スイッチングを施したタイミングをDaVinci Resolveで読み込めるマーカーの記録」の2つ。あとから映像を手直ししたり再編集したりしたい場合にはこちらを選択することになる。アーカイブ映像として公開する前に、本番中に操作を誤ってしまった部分を修正したり、リアルタイムで無料配信したライブを編集し後日有償で販売する、といったことが可能になる。 Rock oN Line eStoreでのご購入はこちらから>> Rock oN Line eStoreに特設コーナーが誕生! Rock oN Line eStoreでは、カメラからスイッチャー、配信や収録向けのマイクなど、映像制作に関わる機材を集めた特設コーナーを新設している。本記事に挙げた個別の機材が購入できるのはもちろん、手軽なセット販売や、スタッフに相談できる問い合わせフォームなどもあるので、ぜひ覗いてみてほしい。 eStore特設コーナーへ!!>>
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2020/11/11

加速度的に進む普及、ATEM Mini Proが配信を面白くする

ATEM Mini Pro 価格:¥74,778(税込) いま、注目を集めているのはオンライン・コラボレーションだけではない。音楽ライブ、ゲーム、セミナーなどの配信、特にリアルタイム配信の分野もまた、大きな注目を集め始めている。ここでは、そうしたライブ配信のクオリティアップを手軽に実現できるプロダクトとしてBlackmagic Design ATEM Mini Proを取り上げたい。 スイッチャーの導入で配信をもっと面白く 冒頭に述べたように、オンラインでのコミュニケーションを行う機会が格段に増えている。以前からゲームプレイの中継配信などがメディアにも取り上げらることが多かったが、ここのところではライブを中心に活動していたミュージシャンやライブハウスが新たにライブ配信に参入するケースも出てきた。もちろん普段の生活の中でもオンラインでのセミナー(所謂ウェビナー)や講義・レッスン、さらにはプレゼンの機会も多くなっているだろう。 その音楽ライブの配信は言うまでもなく、ゲーム中継やセミナー、会議やプレゼンでも、ふたつ以上の映像を配信できた方が表現の幅が広がり、視聴者や参加者により多くの事柄を伝えることができる。演奏の様子を配信する場面では、引きと寄りのアングルを切り替えた方が臨場感が増すし、音楽レッスンならフォーム全体と手元のクローズ映像が同時に見られた方がより分かりやすい。講義やプレゼンではメインの資料を大きく映しておいて、ピクチャインピクチャで講師の顔を映しておく、補足資料や参考URLなどを別PCで用意しておく、プロダクトをカメラで撮ってプレゼンする、など使い方を少し思い起こすだけでも数多くの手法が広がることになる。 こうしたニーズを満たすのがビデオスイッチャーと呼ばれるプロダクトになるのだが、現在、市場で見かけるスイッチャーのほとんどは業務用にデザインされたものになっている。サイズの大きいものが多く、また様々な機能が使用できる分だけ一見すると操作方法が分かりにくい場合もある。さらに、入出力もSDI接続である場合がほとんどであり、家庭向けのカメラとの使用には向いていない。そして何より高額だ。 しかし、昨年秋に発表されたBlackmagic Design ATEM Miniは、放送用のトランジションやビデオエフェクト機能を備えた4系統HDMI入力対応のスイッチャーでありながら、税込定価¥40,000を切るプロダクトとして大きな話題を呼んだ。今回紹介するATEM Mini Proは新たに発売された上位版にあたるプロダクトであり、ATME Mini にさらに機能を追加し、業務用途にも耐える仕上がりとなっている。どのような映像を配信したいかは個別のニーズがあるが、インターネットへマルチカムでの映像配信を検討中の方は必見のプロダクトだ。以下で、ATEM Mini、ATEM Mini Proのアドバンテージを概観していきたい。 HDMI 4系統に特化した映像入力 まず、ATEM Miniシリーズが手軽なソリューションである大きな理由は、HDMI 4系統のみというシンプルな入力であることだ。その他の入力系統を大胆に省略し、多くの家庭用カメラが対応するHDMIに接続を特化することで、十分な入力数を確保しながらコンパクトなサイズを実現している。これは、業務用カメラやSDI変換などの高額な機器が不要であるという点で、システム全体の導入費用を大幅に下げることにも貢献する。 外部オーディオ入力端子としてふたつのステレオミニジャックを備えているため、ダイナミックマイクを接続することも可能。画角との兼ね合いでカメラからのオーディオが使用しにくい場合でも、クリアな音質を確保することができる。2020年6月のアップデートで、コントロールソフトウェアで外部からのオーディオ入力にディレイを掛ける機能が追加され、画・音のずれを修正することも可能になった。 システムをコンパクトに さらに、ATEM Miniシリーズの利点として配信システムに必要なデバイスの数を減らすことができるという点も挙げられる。スイッチャーを中心としてマルチカム配信システムの構成をざっくりと考えると、カメラやMac/PCなどの映像入力機器、スイッチャー、信号を配信に向いたコーデックにエンコードするキャプチャー/WEBキャスター、配信アプリケーションのインストールされたMac/PC、となる。 ATEM Miniはこのうち、スイッチャーとキャプチャーの機能を併せ持っている。Mac/PCからウェブカムとして認識されるため、配信用のMac/PCに接続すればそのままYouTube LiveといったCDNに映像をストリーミングすることができるのだ。それだけでなく、SkypeやZoomなどのコミュニケーションツールからもカメラ入力として認識されるため、会議やプレゼン、オンライン講義などでも簡単に使用することができる。上位機種のATEM Mini Proはこれに加えて、配信アプリケーションの機能も備えている。システムを構成するデバイスを削減できるということは、コスト面でのメリットとなるだけでなく、機材を持ち込んでの配信や、システムが常設でない場合などに、運搬・組み上げの手間が省略できるというアドバンテージがある。 ATEM Miniは図のようにスイッチャー、キャプチャーをひとまとめにした機能を持っているが、上位版のATEM Mini Proではさらに配信環境までカバーする範囲が広がる。まさにオールインワンの配信システムと言える内容だ。 つなぐだけ派にも、プロユースにも デフォルトの設定では、ATEM Mini / ATEM Mini Proは4系統のHDMIに入力された信号を自動で変換してくれる。つまり、面倒な設定なしでカメラをつなぐだけで「とりあえず画は出る」ということだ。 しかし、ATEM シリーズに無償で同梱される「ATEM Software Control」は、これだけで記事がひとつ書けてしまうほど多機能で、クオリティにとことんこだわりたい場合はこちらから詳細な設定やコントロールを行うことも可能。スイッチングやオーディオレベルの操作は本体のパネルからも行うことができるが、コントロールソフトウェアを使用すれば、さらに追い込んだ操作を行うことが可能になる。このATEM Software Controlの各機能はDaVinci Resolveで培われた技術を使用しているため、オーディオ/ビデオ・エフェクトやメディア管理など、業務レベルに耐えるクオリティの仕上がりになっている。 しかも、ATEM Software Controlはネットワークを介して本体と接続できるため、離れた場所からのスイッチャー操作も可能。HDMIは長尺ケーブルを使用するのがためらわれるが、この機能を使用すればカメラ位置に左右されずにオペレーションするスペースを確保することができる。さらに、同時に複数のATEM Software ControlからひとつのATEM Mini / ATEM Mini Proにアクセスできるため、スイッチング / カメラ補正 / オーディオミキシング、など、役割ごとにオペレーターをつけるというプロフェッショナルな体制を取ることまでできてしまう。 ATEM Software Controlのコントロール画面。なお、オーディオパネルはMackie Control、KORG NanoKontrol、iCON Platform M+などの外部コントローラーに対応している。スペースに余裕が生まれた分、こうした機材を導入して音のクオリティアップで差をつけるのも面白いだろう。 ATME Mini VS ATEM Mini Pro ●CDNにダイレクトにストリーミング ATEM MiniとATEM Mini Proのもっとも大きな違いと言えるのが、ATEM Mini Proでは本体を有線でインターネットにつなげば、ダイレクトにCDNに映像をストリーミングすることができるということだ。もちろん、ストリーミングキーを入力してやるためのMac/PCは必要になるが、一度キーを設定してしまえば本体から取り外しても問題ない。手元のスペースを節約できるだけでなく、安定した配信を行うためにスペックの高いMac/PCを新たに購入する必要がなくなるし、ストリーミングのように安定度が求められる部分をハードウェアに任せることができるのは大きな安心だ。省スペース、低コスト、高い信頼性、と、この機能の実装によって得られるメリットは非常に大きいのではないだろうか。ライブハウスなどによるビジネス用途ならATEM Mini Pro、すでに十分に高いスペックのマシンを所有しているならATEM Miniと、既存の環境に応じてチョイスするとよいのではないだろうか。 ●マルチビュー対応 こちらもパワフルな機能。ATEM Mini ProにはHDMI出力が1系統しか搭載されていないが、一画面で全ての入力ソース、メディアプレイヤー、オーディオとON AIRのステータスを確認することができる。各モニターはタリーインジケーターを表示可能で、どのソースがオンエアされ、次にどのソースへトランジットするかを確認することができる。プレビュー機能も備えており、M/Eがどのようにかかるのかを事前に確認することも可能だ。これらすべてを一画面でモニターできるというコンパクトさと取り回しのよさは、まさに"Pro"という名にふさわしい機能追加と言えるだろう。 ●外部デバイスへプログラムをレコーディング ATEM Mini Proは、プログラムをH.264ビデオファイルとしてUSBフラッシュディスクにダイレクトに記録することができる。しかも、USBハブやBlackmagic Design MultiDockなどのプロダクトを使用すると、複数ディスクへの収録にも対応可能だ。ひとつのディスクがフルになると、自動で次のディスクに移行することで、長時間のストリーミングでも継続した収録を行うことができる。YouTube LiveやFacbook LiveではWEB上にアーカイブを残すことが可能だが、プログラムをその場で手元にメディアとして持っていられることは、ほかの場所で使用することなどを考えると大きなメリットとなるだろう。 実際の自宅からの簡易的な配信を想定したシステム例。ATEM Mini Proで取りまとめさえすれば配信への道は簡単に開けてしまう。音声の面でも48Vファンタム対応の小型ミキサーを使用すればコンデンサーマイクを使用することができる。HDMIアダプタを使用して、スマートフォンやタブレットをカメラ代わりに使うことも可能。別途、配信用のMac/PCを用意すれば、複数の配信サイトにマルチキャストすることもできる。 にわかに活況を呈するコンパクトビデオスイッチャーの世界。小さなスペースで使用でき、持ち運びや設置・バラシも手軽な上に、マルチカメラでの配信をフルHD画質で行うことを可能にするコンパクトスイッチャーをシステムの中心に据えることで、スマホ配信とは別次元のクオリティで映像配信を行うことが可能となる。特にATEM Mini / ATEM Mini Proを使用すれば、ほんの何本かのケーブルを繋ぐだけで、高品質な配信が始められてしまう。ぜひ、多くの方に触れてみてほしいプロダクトだ。 *ProceedMagazine2020号より転載
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2020/11/06

Avidから重大発表!?現地時間11/12に米国でイベント開催!?

AvidがWEBサイト、各種SNS公式アカウントなどで謎の画像を発表しています!詳細は不明ですが、現地時間11月12日(日本時間11月13日(金))になにやら重大発表がありそうな雰囲気ですね。 トップバナー内の"SAVE THE DATE"をクリックした先には"Big audio announcement"とあり、"Get a sneak peek!(チョットだけよ)"の文字とともに謎めいたムービーが!核の周りを何かが周っているような、、それが6角形のタイルのようにつながっていって…隙間から見えるのは、、Pro Tools?? Something brand new, very innovative and pretty cool is coming from the @avid audio team! They've been working on it for 2+ years!! You'll find out what it is on Nov. 12th. @AvidProTools #Innovation #NewGear #NewSoftware https://t.co/z48hKobwQf— Jeff Rosica (@JeffJRosica) November 5, 2020 Avidは公式Twitterアカウントでも同じムービーを投稿しており、CEOのJeff Rosicaによるリツイートでは「新しくて、大変イノベーティブで、とってもクールなものが、Avidオーディオチームから発表されます」と言及。ハッシュタグには"NewGear""NewSoftware"の文字が…これは一体!? いずれにしろ、Avidの言う「重大なアナウンス」というものがどのようなものなのかは、日本時間11月13日(金)のイベントで判明しそうですね。続いての情報に期待しましょう!
Event
2020/11/02

11/12(木)「Avid Connect Live Japan 2020」 ウェビナー開催!

●Avid Connect Live Japan 2020 開催! Avidよりウェビナー開催のアナウンスです!!毎年秋の各イベントもオンラインでの開催となっておりますが、こちらも参加無料・事前登録制のオンラインウェビナーとなります。Avidの最新製品情報やロードマップを紹介する「General Session」のほか、「4K HDR/イマーシブオーディオのためのビデオ/オーディオ・コラボレーション・ワークフロー」と題されたTech Session、そのほかにも全7セッションが開催されます。12:30〜18:45までたっぷりと最新のインフォメーションとノウハウを満載したセミナーイベントが開催です! そして、ROCK ON PROもこちらのイベントに参加、セミナー開催させていただきます! 「MAでの4K再生をハンドリングするノウハウ〜Video Satelliteを用いた4K HDRプレビュー〜」を16:00から配信。MAにも導入が進んでいる4K再生。今後のコンテンツのクオリティーを左右するテクノロジーをどうハンドリングするのか、MA側での4K HDRワークフローについて考察していきます、ぜひ事前ご登録ください! 毎年この時期はあちらこちらへと最新のニュースを求めて展示会を渡り歩くころですが、今年のAvid情報はまずこちらでブラッシュアップするのはいかがでしょうか!イベント、またセミナー詳細・お申し込みについては下記リンク先のAvidホームページにてご確認ください! Avid Connect Live Japan 2020 日時:2020年11月12日(木) 12:30〜〜18:45 参加方法:下記Avidホームページより事前登録 費用:参加費無料 主催:Avid Technology株式会社 ●●●●●イベント、またセミナー詳細・お申し込みはこちらから●●●●● ●抽選プレゼントもアリます! 3セッション以上、ご参加いただいた方から抽選で20名様へ、ビデオ編集ソフトウェア「Media Composer」年間サブスクリプションライセンスと音楽編集ソフトウェア「Pro Tools」年間サブスクリプションライセンスをセットでプレゼント!!            
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2020/10/27

On Premise Server パーソナルなオンプレサーバーで大容量制作をハンドリング

Internetの発達に伴って進化を続けている様々なCloudベースのサービス。その一方で、コスト面も含めて個人の自宅でも導入できるサイズの製品も着実な進化を遂げているのがOn Premise(オン・プレミス=敷地内で)のサーバーソリューション。Cloudのように年額、月額で提供されるサービスと比較するとどのようなメリットがあるのか、オンプレのサーバーはNetwork上からどう活かされるのか、オンラインでの協業体制が求められる今だからこそパーソナルユースを視野に入れたエントリーレベルにおけるオンプレサーバー導入のいまを見ていきたい。 Synology Home Server 今回、取り上げる製品はSynology社のホームサーバー。ラインナップは1Drive(HDD1台)のコンパクトな製品からスタートし、1DriveでHDD無しのベアボーンが1万円前半の価格から入手できる。何かと敷居の高いサーバーソリューションの中でも、パーソナル領域におけるラインナップを充実させているメーカーだ。このホームサーバーの主な役割は、ローカルネットワーク上でのファイル共有サービス(NAS機能)と、Internetに接続されたどこからでもアクセス可能なOn Premiseファイル・サーバーということに集約される。 もちろんそれ以外にも、遠隔地に設置されたSynology製品同士での自動同期や、プライベートな音楽/動画配信サーバー機能、ファイルのバージョニング機能、誤って消去してしまったファイルの復元機能など多彩な機能を持ち、ローカルでのファイル共有に関しては汎用のNAS製品と同様に、Windows向けのSMB/NFS共有、MacOS向けのSMB/AFS共有が可能と、それぞれOSの持つ標準機能でアクセスができるシンプルな形式を持つのだが、今回はこのようなローカル環境でのサービスではなく、外出先でも活用ができるサービスに目を向けたい。 Synologyの設定画面。ブラウザでアクセスするとOSライクなGUIで操作できる。 コスト優位が際立つオンプレ 外出先で、サーバー上のデータを取り出せるサービスといえば、DropBox、OneDriveなどのCloudストレージサービスが思い浮かぶ。Synologyの提供するサービスは、一般向けにもサービスの提供されているCloudストレージと比較してどのような違いがあるのだろうか? まず、SynologyのようなOn Premiseでのサービスの最大のメリットは、容量の大きさにあるだろう。本原稿の執筆時点で一般向けに入手できる最大容量のHDDは16TB。コスト的にこなれてきている8TBのモデルは2万円を切る価格帯で販売されている。これは1TBあたりの単価は¥2,000を切る水準となっており、容量単価のバランスも納得いくレベルなのではないだろうか。 これをCloud Stroageの代表格であるDropBoxで見てみると、1TBの容量が使える有償サービスは年額¥12,000となる。もちろん、機器の購入費用が必要ない、壊れるという心配がない、電気代も必要ない、などCloudのメリットを考えればそのままの比較はできないが、8TBという容量を持つ外出先から接続可能なOn Premiseサーバーの構築が4万円弱の初期投資で行えるということは、コストパフォーマンスが非常に高いと言えるだろう。また、4Drive全てに8TBのHDDを実装しRAID 5の構成を組んだとすれば、実効容量24TBという巨大な容量をNetwork越しに共有することが可能となる。大容量をコストバランスよく実現するという側面をフォーカスすると、On Premiseのメリットが際立ってくる。 利用している帯域など、ステータスもリアルタイムに監視が可能だ。 オンプレの抱える課題とは このように単純に価格で考えれば、HDDの容量単価の低下が大きく影響するOn Premiseの製品のコストパフォーマンスは非常に高いものがある。その一方で、On Premiseが抱えるデメリットがあることも事実。例えばCloudサービスであれば、データはセキュリティーや防災対策などが万全になされたデータセンターに格納される。データの安全性を考えると自宅に設置された機器との差は非常に大きなものになるだろう。もちろん、Synologyの製品も2Drive以上の製品であればRAIDを構築することができるため、データの保全に対しての対策を構築することも可能だが、これは導入コストとトレードオフの関係になる。実例を考えると、ストレージの速度とデータの保全を両立したRAID 5以上を構築しようとした際には3 Drive以上の製品が必要。製品としては4Drive以上の製品に最低3台以上のHDDを実装する必要があり、初期導入コストは8万円程度が見込まれる。1TB程度の容量までで必要量が足りるのであれば、Cloudサービスの方に軍配があがるケースもある。必要な容量をどう捉えるかが肝要な部分だ。 また、On Premiseの製品は手元にあるために、突如のトラブルに対しては非常に脆弱と言わざるを得ない。前述のようにデータセンターとは比較にならない環境的な要因ではあるが、2〜3年おきにしっかりと機器の更新を行うことで、そういったリスクを低減することはできる。そのデータはどれくらいの期間の保持が必須なのか、重要性はどれほどのものなのか、保全体制に対しての理解をしっかりと持つことで、大容量のデータの共有運用が見えてくる。 オンプレをNetworkから使う パッケージセンターには数多くのアプリケーションが用意されている。 Synology社のOn Premiseサーバーは、専用のアプリをインストールすることでInternet接続環境があればどこからでも自宅に設置されたサーバーのデータを取り出すことができる。また、DropBoxのサービスのように常時同期をさせることもできれば、特定のフォルダーを第三者へ共有リンクを送り公開する、といった様々なサービスを活用できる。設定もWebブラウザ上からGUIを使うシンプルなオペレーションとなっており、設定も極めて簡便。VPNを使用するというような特別なこともないため、迷うことなく自宅のサーバーからファイル共有を行うことが行えてしまう。ユーザーの専門知識を求めずに運用が可能な水準にまで製品の完成度は高まっていると言えそうだ。 ファイル共有のあり方は多様になっており、ユーザーの必要な条件に合わせてOn Premise、Cloudと使い分けることができるようになってきている。むしろ選択肢は多彩とも言える状況で、メリット、デメリットをしっかりと理解し、どれくらいのデータ量をハンドリングしたいのか、そのデータの重要性をどう考えるか、ユーザーの適切な判断があれば充実したパーソナルサーバー環境はすぐにでも構築、実現できてしまう。今後、ますます大容量となるコンテンツ制作のデータをどう扱えるのかは、パーソナルな制作環境にとっても重要な要素であることは間違いないだろう。それをどのようにハンドリングするかの鍵はここにもありそうだ。 *ProceedMagazine2020号より転載
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2020/10/14

キャンペーン情報~Pro Tools | Ultimateサブスクリプションへの移行がお得に!

6月に終了した「既存のPro Tools HD(9以上)をお持ちのお客様が、Pro Tools | Ultimate3年間サブスクリプションへ、よりお得な価格でコンバートできるプロモーション」が再開されました!Pro Tools | Ultimateをアップグレードしたいのに、年間サポートプランが失効してしまっているユーザー様はぜひ下記情報をチェックしてください! プロモーション概要 期間:2020年10月14日〜2020年12月31日 製品名:Pro Tools | Ultimate Perpetual Crossgrade to Annual Subscription Paid Up Front - 3 years 価格:¥143,000 (本体価格:¥130,000)¥117,150Value!! 対象:Pro Tools HD (バージョン9以上) またはPro Tools | Ultimateをお持ちのユーザー様 *現在お使いの永続ライセンスは、サレンダー(無効化)されますのでご注意ください Pro Tools | Ultimate 最新バージョンの特徴 フォルダートラック機能 2020.3で追加された新機能のひとつです。複数のトラックを折り畳み可能なフォルダートラックにまとめることが可能となり、視覚的に整理された作業環境を整えることができます。それだけでなく、ルーティングや編集操作を一括で複数トラックに適用することができますので、作業効率を劇的にアップすることが可能となります。各トラックのパートが明確に分かれている音楽制作の現場ではもちろん、セッションが大規模になることの多いMAでも、ご活用いただける機能と言えるでしょう。 詳しくはこちら>> MacOS Catalina・新型Mac Proに対応、3年間は常に最新バージョンを使用可能に Pro Tools自体のバージョンよりも、Macの買い替えに伴ってアップグレードが必要になった方も多いのではないでしょうか。サブスクリプションライセンスであれば常に最新バージョンをダウンロード可能なため、OS対応でお困りになることがなくなります。 しかも、本プロモーションをご利用いただいた場合、費用的なメリットに加え、今後3年間は最新バージョンを使用する権利を受け続けることが可能となります。もちろん、勝手にアップグレードされることはありませんので、様々な理由により現行バージョン(2020.9.1)を使用し続けることも可能です。 詳しくはこちら>> ↑上記バージョンのリリース時点で非対応だったビデオトラック機能の一部は2020.3で限定的に復活しています。 Ableton Linkのサポート Ableton Linkはローカルネットワークを介して複数のデバイスを同期するテクノロジー。エレクトロニック・インストゥルメントやソフトウェアを使用した場合でも、リアルな楽器演奏と同様に簡単にタイミングを合わせることが可能になります。クリエイターのみなさまいとっては待望の機能追加でしょう。 詳しくはこちら>> https://youtu.be/8hjM1rhWWyc Avid Complete Plug-in Bundle、HEAT オプション、その他多数の特典 年間サポートプランまたは年間サブスクリプションが有効期間中のユーザー様はAvid Complete Plug-in Bundle、HEAT オプションを使用することが可能です。それだけでなく、sound credit、Pro Sound Effects、Wave Arts、Accusonus、Tracktion、Sound Ideas、pureMixなどの錚々たるブランドによる¥120,000以上のバリューを持ったプロダクトやサービスが無償で使用可能です。 サブスクリプションの場合はPro Toolsを使用し続ける限り、これらのオプションを利用し続けることができることになります。 Avid Complete Plugi-in Bundle、Heatオプションについて、詳しくはこちら>> その他の特典について、詳しくはこちら>> https://www.youtube.com/watch?v=NErp9fA8Rm0 圧倒的なバリュー 永続ライセンスからサブスクリプションへの移行プランは常時販売されていますが、通常は2年間のサブスクリプションが付属する形となっています。永続版→サブスクリプション移行によって3年間のサブスクリプション権利が得られるのは本プロモーションでご購入いただいた場合のみとなります。つまり、通常の移行ライセンスよりもお安いだけでなく、そこにサブスクリプション更新1年分(¥103,950)を加えた分のバリューが上乗せされていることになります! Pro Tools | Ultimate Perpetual Crossgrade to 2 year Subscription Paid Up Front(通常の移行ライセンス) ¥156,200(本体価格:¥142,000)-2年間のサブスクリプションライセンス付 ↓ Pro Tools | Ultimate Perpetual Crossgrade to Annual Subscription Paid Up Front - 3 years(本プロモーション限定ライセンス) ¥143,000(本体価格:¥130,000) -3年間のサブスクリプションライセンス付!¥117,150Value!! 年間サポートプランへの再加入が不可能となったことで、お困りのユーザー様も多数いらっしゃることと思います。ぜひ、今回のプロモーションをご利用いただき、最新のPro Tools | Ultimateへとお得にアップグレードをご検討ください! ご質問・ご相談はお気軽にROCK ON PRO までご連絡ください。
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2020/10/14

Dolby Atmosに対応!Rock oN Shibuyaリファレンスルーム アップデート完了!!

Rock oN ShibuyaリファレンスルームがDolby Atmosに完全対応いたしました。理想的な7.1.4ch Dolby Atmosルームへのアップデートを果たし、文字通りの"リファレンスルーム"となったRock oN Shibuyaでぜひ最新のイマーシブサウンドを体験してください! 画像上段:施工中の様子。スピーカーユニットを収めるキャビネットの取り付けが行われた。 画像下段:スピーカーの設置が完了した様子。フロントはほぼ従来通りだが、ハードセンターを設置できるようにアップデートされている。 ついにDolby Atmos対応を果たした新たなリファレンスルーム。サイド、リアだけでなく天井に埋め込まれたハイトスピーカーがご覧いだけるだろうか。 真下から見るとこのようになる。ダウンライトの内側、ちょうど柱の角付近の天井にスピーカーが埋め込まれている。 Left側。今回新たに設置されたスピーカーは、設備向け新ブランドFocal CIから同軸モデル100 ICW 8を採用。躯体工事が不要な軽量設計とスタイリッシュな外観は、ホームシアターにも最適だ。 こちらはRight側。スピーカーキャビネットは施工を請け負ってくれた株式会社ソナによる製作。天井に埋め込まれたスピーカーも、内部でキャビネットに収められている。 Left側のサイド/リアスピーカーは、壁面に新たな張り出し部分を作りつけた上で埋め込まれている。まるではじめからこのような部屋だったかのように美しい仕上がりは、まさにソナ様の手腕によるものだ。 CIから100 ICW 8近影。なんと、ツイーター部分は角度を調整することが可能。ルームの特性に応じて、最適な音響調整を行うことが可能となっている。 https://youtu.be/EmMyGliTMgI Dolby Atmosに完全対応 ~Pro ToolsセッションやOTT、Blu-ray、ゲーム試聴までOK! Dolby Atmos再生環境として理想的な7.1.4chスピーカーレイアウトを実現した今回のアップデート。同時にBlu-rayプレイヤー兼用でXbox oneを導入し、Dolby Atmosコンテンツを幅広くご視聴いただくことが可能となりました。しかし、なんといってもRock oNならではのポイントはPro Toolsセッションを再生することが可能ということ!Dolby Atmosを制作リファレンス環境で気軽に・手軽に体験していただけます! Rock oN Shibuyaリファレンスルームで体験できること! Pro ToolsによるDolby Atmosミックスの試聴 Xbox oneを使用したDolby Atmos対応ゲームの視聴 Xbox oneによるOTTコンテンツの視聴 Blu-rayディスクによるDolby Atmosコンテンツの視聴 放送・映画制作に従事されている方のみならず、Dolby Atmosミュージックも本格的に始動しつつある今日、クリエイター/音楽ミキサーの方々も要注目のシステムとなっております! こんな方におすすめ! Dolby Atmos用のモニターを探している 普段と違う環境でDolby Atmosセッションをチェックしたい Dolby Atmos環境でマイクやアウトボード機材を選定したい Dolby Atmosによるイマーシブサウンドを体験したい 新ブランド Focal CIを導入 ~高品質・軽量設計・短工期! 今回のアップデートに際してサイド・リア・ハイトに設置されたのは、サウンドクオリティに定評のある仏Focal社による新ブランド「Focal CI」から100 ICW 8という同軸モデル。ご存知の通り、多数のスピーカーを配置するイマーシブサウンドにおいては位相の点で圧倒的な優位性を持つ同軸スピーカーは理想的なチョイスです。 Focal CIはFocal社が新たに立ち上げた設備向けブランド。設備向けというと館内放送用や飲食店でBGMを流すためのものというイメージを持たれるかも知れませんが、そこはもともとHi-Fiオーディオ向け製品も展開しているFocal。そうした用途だけでなく、ホームシアターやスタジオも視野に入れて開発された製品となっております。 Focal CI全ラインナップについて、詳しくはこちら>> この度、Rock oN Shibuya リファレンスルームに導入されたFocla CI 100 ICW 8。以前から「点音源のようだ」と評されるFocalのスピーカーだが、同軸仕様の同モデルは真の点音源となる。11個ものスピーカーが並ぶ中でも位相差による定位感のボヤけやサウンドの濁りを回避し、クリーンなモニター環境を確保することが可能だ。 100 ICW 8について、詳しくはこちら>> 今回の工事が2日間という非常に短い期間で完了することができたのも、この100 ICW 8の導入によるところが大きかったように思えます。通常、埋め込み型のスピーカーを設置する際には耐荷重の問題が障壁となることが多いものです。重量のあるスピーカを壁や天井に埋め込もうとすると建物が持つ耐荷重を超えてしまう可能性があるため、スピーカーの設置工事以前に躯体の補強工事などに多くの日数を費やすことになるからです。 その点、パッシブタイプの100 ICW 8は2kg弱という軽量設計のため、躯体工事の必要性がグッと下がります。実際に、今回の工事でも躯体や壁・天井の補強は行っていません。加えて、さすがフランスのメーカーと言いたくなる美麗な外観は、既存の部屋に後付けしたとは思えないほど美しい仕上がりに貢献しています。そして、1発¥36,300(税込)という価格も非常に魅力的です。 こうしたモデルを選定することで、既存設備のDolby Atmosへのアップデートは想像よりもはるかに気軽に行えることになるでしょうう。。 Focal CI 100 ICW 8のイチオシポイント! Focal社による信頼のサウンドクオリティ 同軸モデルでイマーシブ環境に最適 1.7kgという軽量設計 ルームの品格を損なわない美しい外観 1ユニット¥36,300(税込)という低価格 Focal CI全ラインナップについて、詳しくはこちら>> 100 ICW 8について、詳しくはこちら>> Dolby社推奨レイアウトを踏襲 ~Dolby Atmosのリファレンスルームとしてご活用ください! マルチチャンネルサラウンド・システムの構築で最難関となるポイントは、スピーカーレイアウトかも知れません。部屋の広さや構造によって、どうしても規格に則った配置が不可能な場合もあります。Rock oN Pro Shibuyaリファレンスルームは幸いにもそうした問題をクリアし、リスニングポイントを中心とした各スピーカー間の角度、天井高など、ほとんどの要素がDolby社推奨の理想的なものとなっています。厳密にはサイドスピーカーの位置がやや高いのですが、100 ICW 8に搭載されたツイーター角度調整機構により、サウンド的な問題はまったくありません! まさに、Dolby Atmosのためのリファレンスルームへと進化したRock oN Shibuya リファレンスルームへ、ぜひお越しください。もちろん、従来同様ステレオでのご試聴も承っております! Dolby Atmosシステム導入、ご相談などはDolby認定ディーラーであるROCK ON PRO までお気軽にお問い合わせください。
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2020/09/28

Netflix :オリジナル作品「Sol Levante」のDolby Atmos Pro Toolsセッション・ファイルを無償公開!

https://youtu.be/Ecr_02W2Csw Pro Tools | HDX, S6などを使用してDolby Atmosミックスされた4K HDR/Atmosアニメ作品「Sol Levante」のオーディオ・プロダクション・ストーリーがAvidブログに掲載されました。2020年4月に公開されたこの作品の特徴は、その制作過程や、Pro Toolsセッション・ファイル等の素材も全てオープン・ソースとしてプロダクションに公開していることです。 既にNetflixパートナーとなられているスタジオ様では、ダウンロードして再生なさっているところも多いと思いますが、こういった制作環境やワークフローを、より広く告知したいというAvidからの要望に、Netflixが賛同する形でブログ公開となったようです。 >>Netflix :オリジナル作品「Sol Levante」のDolby Atmos Pro Toolsセッション・ファイルを無償公開!(Avidブログ日本語版) Dolby Atmosミックスにご関心をお寄せのお客様は、上記リンクより、ぜひご一読されることをおすすめいたします。 ブログ中程にリンクされているムービーでは、文中では触れられていない、ウィル・ファイルズ氏によるS6でのミックスの模様をご覧いただける他、コメントも日本語でご覧いただけます。 Pro Tools セッションファイルを含むオープンソース・コンテンツは、ブログ中程のテキストにリンクされているNetflixのページからダウンロードできるようになっています。 Sound That Moves – イマーシブ・オーディオ・プロダクション統合ワークフローの解説 また、このブログ公開に合わせて、Pro Tools | HDXを初めとするAvidのDolby Atmosミックスに有効な各種製品並びに技術情報をまとめたランディングページも作成されています。Dolby Atmos制作ツールのハウツー的な内容も含まれておりますので、Pro ToolsにおけるDolby Atmosワークフローの概要が掴めるのではないでしょうか。 Dolby Atmos 認定ディーラーであるROCK ON PROなら、システム設計からキッティングまで、Pro Tools | HDXシステムでのDolby Atmos制作ワークフローを完全サポート!下記contactバナーよりお気軽にお問い合わせくださいませ。 Dolby Atmos RMU ブランドページ
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2020/09/25

Rock oN渋谷リファレンスルーム改修工事について

国内随一のモニタースピーカー試聴環境として、また、Avid最新システムや多彩なアウトボード、そしてマイクなどの実機をお試しいただける場所として日頃よりご愛顧いただいているRock oN 渋谷リファレンスルームですが、この度改修工事を実施するため下記の通り一時的にご利用いただけない期間が発生致します。 ご不便をお掛することとなり誠に申し訳ございませんが、みなさまをアッ!!と驚かせる仕様に生まれ変わる予定です!どうぞ、その日を楽しみにお待ちいただけますよう、また、工事完了後も引き続きRock oN 渋谷リファレンスルームをご愛顧いただけますよう、何卒よろしくお願い致します。 場所:Rock oN 渋谷リファレンスルーム 期間:2020年9月29日(火)〜9月30日(水) 終日 ●期間中、ご試聴等のご利用がいただけません、予めご了承ください。 みなさまを"アッ!!と驚かせる仕様"の完成までには、2日間の閉鎖期間の後、もう少し時間が掛かります。そちらについては改めてお知らせいたしますので、どうか楽しみにお待ちくださいませ。
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2020/09/24

Macのワークステーションが今後を”創る” 〜Apple Mac Pro Late2019〜

目次 序論 Apple Mac Pro Late2019概要 Mac Pro Late2019の各構成部品:CPU Mac Pro Late2019の各構成部品:メモリ Mac Pro Late2019の各構成部品:PCI Express拡張スロット Mac Pro Late2019の各構成部品:GPU Mac Pro Late2019の各構成部品:AfterBurner 考察 1:序論 各業界で注目を集めたApple Mac Pro Late2019は2019年6月に発表、同年12月より発売が開始された。同社CEO Tim Cook氏はWWDC2019の基調講演で「これまでに開発した中で最も強力なMac」と語り「すべてを変えるパワー」と広告される本機種。その驚異的なマシンスペックと拡張性などの紹介から前機種との比較などを通し、Macのワークステーションが作り得る未来への可能性を紐解いていく。 2:Apple Mac Pro Late2019概要 <↑クリックして拡大> 発表当初より、Apple Mac Pro Late2019は注目度も高く、既に発売されているためデザイン面など基本的な情報は皆さんご存知であろう。たださすがにMac Proの最新モデルともあり、オプションも多岐に渡るため構成部品とそのカスタマイズ域についてを別表にまとめるのでご確認いただきたい。また「これまでに開発した中で最も強力なMac」「すべてを変えるパワー」と称されるMac Pro Late2019だが、比較対象に直近3モデル:Mid2012・Late2013・Late2019を取り上げ、CPU / メモリ / GPU / ストレージ、周辺機器との接続性なども同様に別表に掲載する。それでは、次から各構成部品の紹介に移り、Mac Pro Late2019の内容を確認していく。 <↑クリックして拡大> 【特記事項】 ・min maxの値:Apple公表値を基準とする。メモリなど3rdパーティー製品による最大値は無視する。 ・CPU/GPU:モデル名を表記する。比較はベンチマークで行い後述する。 ・メモリ/ストレージ:モデル名は表記せず、容量/動作周波数、容量/PCIe規格といった数値表記とする。 ・数値の表記:比較を用意にする為、単位を揃える。(メモリ:GB、ストレージ:TB) 3:Mac Pro Late2019の各構成部品:CPU Apple HPの広告で搭載CPUについては、”最大28コアのパワー。制限なく作業できます。”と称されている。このモデルではMac史上最多の最大28コアを搭載したIntel XeonWプロセッサを採用、8coreから28coreまで、5つのプロセッサをラインナップしたため、ニーズに合わせた性能を手に入れることができるようになった。CPUはコンピュータの制御や演算や情報転送をつかさどる中枢部分であるが、直近3モデル(Mid2012/Late2013/Late2019)のCPUパフォーマンスを比較し、その実力を見ていく。まずは以下のグラフをご覧いただこう。  図1. Mac Pro CPU(Multi-core)ベンチマーク比較 こちらのグラフは、モデルごとのCPUベンチマーク比較である。横軸左から、Mid2012(青)→Late2013(緑)→Late2019(オレンジ)と並び、各モデルの最低CPUと最高CPUにおける、マルチコアのベンチマーク値を縦軸に示した。ベンチマーク値はGeekBenchで公開されるデータをソースとしている。Late2019の最低CPUの値に注目しラインを引くと、旧モデル最高CPUの値をも超えていることがわかる。たとえ、Late2019で最低のCPUを選んだとしても、旧MacPROの性能を全て超えていくということだ。決して誇大広告でなく、「これまでに開発した中で最も強力なMac」と称される理由の一つだと分かる。数値で示すと以下表になる。参考までに、Single-Coreのベンチマーク値も掲載する。 表3. Late2019/最低CPU と 旧モデル/最高CPUのベンチマーク値 次に、Late2019最大値にもラインを引き、Late2019最低値との差分に注目する。この差分が意味するのは、ユーザーが選択できる”性能幅”である。ユーザーはこの範囲の中から自らの環境に合わせてMacPROをコーディネートしていくことになる。視覚的にも分かる通り、Late2013と比べても圧倒的に性能の選択幅が広くなっている事が分かる。 図2. Mac Pro Late2019 ベンチマーク性能幅 数値を示すと以下のようになる。Late2013と比較すると、約3倍もの性能選択幅があることが分かる。 表4. 性能選択余地の遷移 以上の比較から、旧MacProから乗り換える場合、”Late2019を買えばCPU性能が必ず向上する”ということが分かった。しかし、性能幅も広がった為、新たにLate2019を検討する方は自分に合うCPUを選択する必要がある。Late2013よりも長期的運用が可能だと噂され、CPUが動作速度の根幹であることを考えると、Mac Pro Late2019のCPUは少しオーバースペックなものを選択しても良いかもしれない。参考までに、現行MacのCPU性能比較もご覧いただきたい。なお、現行モデルの比較対象として以下モデルを追加した。iMac Pro Late 2017 / Mac mini Late 2018 / iMac 21.5inch Early 2019 / iMac 27inch Early 2019 / Mac Book Pro 16inch Late 2019(ノート型の参考) 図3. 現行MacとMacPro Late2019との比較 <↑クリックして拡大> このグラフで注目するのは、Late2019のCPU最低値と16core XeonWの値である。まず、CPU最低値に注目すると、iMacのCPU値と交差することが分かる。また、16core XeonWの値に注目すると交差するCPUが存在しなくなることが分かる。故に、現行モデル以上の性能を求め、他にない性能を実現するには16core XeonW以上の選択が必要となる。また、ワークステーション/PCの性能はCPUのみで決まることではないので、購入の際にはメモリ、GPUや拡張性なども十分考慮していただきたい。 4:Mac Pro Late2019の各構成部品:メモリ Apple HPの広告でメモリについては、"あなたが知っているメモリは、昨日のメモリです。”と称されている。ユーザーがアクセスできる12の物理的なDIMMスロットを搭載し、プロセッサと互換性のあるメモリであれば、将来的なアップグレードも可能だ。Mac Pro Late2019ではR-DIMMとLR-DIMMのメモリモジュールに対応しているが、同じシステムで2種類のDIMMを使うことはできないので容量追加には注意が必要である。LR-DIMM対応のCPU(24core以上のXeonW)を選択した場合、最大1.5TBの容量を実現する。 ワークステーション/PCの”作業机”と訳される事も多いメモリ。データやプログラムを一時的に記憶する部品であるが、CPU同様に直近3モデルと比較していく。まずは最小構成、最大構成の2種類のグラフをご覧いただこう。 図4. MacPro:メモリ最小構成での比較 図5. MacPro:メモリ最大構成での比較 表5.MacPro:メモリ最小構成での比較 表6.MacPro:メモリ最大構成での比較 横軸はCPU同様、Mac Pro Mid2012/Late2013/Late2019を並べている。縦軸左側はメモリ容量値で青棒グラフで示し、右側は動作周波数をオレンジ丸で示している。図4.最小構成のグラフに注目しメモリ容量を比較すると、おおよそモデル毎に倍々の推移が見られる。また、動作周波数に関しては2次曲線的推移が見られる。モデルの発展とともに、部品としての性能も格段に上がってきている事が分かる。図5.最大構成のグラフに関しては一目瞭然ではあるが、表6.最大構成のLate2019、メモリ容量の前モデル比に注目すると23.44という驚異的な数値を叩く。これもまた、「これまでに開発した中で最も強力なMac」と称される理由の一つだと分かる。 さて、購入検討時のメモリ問題であるが、こちらは後ほどアップグレードできる為、初めは低容量から導入し、足りなければ随時追加という方式が取れる。メモリで浮いた金額をCPUへ割り当てるという判断もできるため、予算を抑えながら導入も可能だ。ただし、CPUによるメモリ容量の搭載上限が決まり、メモリモジュールを合わせる事を念頭に入れ検討する事が重要だ。 5:Mac Pro Late2019の各構成部品:PCI Express拡張スロット Mac Pro Late2019ではCPUの性能幅やメモリの拡張性に加え、8つのPCI Express拡張スロットの搭載が可能になった。Avid HDX Card や Universal Audio UAD-2 PCIe Cardを搭載してオーディオプロセスを拡張するも良し、加えて、GPU / AfterBurner(後述) / キャプチャボードを搭載し、グラフィック面を拡張しても良い。まさに、クリエイティブなユーザーの思いのままに、Mac Proの拡張が可能になったと言える。さらに、Mac Pro Mid2012と比べるとスロット数が倍になっていることから、PCIeによる機能拡張においても「これまでに開発した中で最も強力なMac」であると分かる。 写真を参考に、搭載可能なPCIeについて確認していこう。上から順に、ハーフレングススロット、シングルワイドスロット、ダブルワイドスロットと並ぶ。下から順に、スロットNo.が1-8までカウントされる。 それでは各種のスロットについて見ていこう。 ○ハーフレングススロット:No.8 スロットNo.8には最大 x4 レーンのPCIeカードが搭載可能。ここには標準仕様でApple I/Oカードが既に搭載されており、Thunderbolt 3ポート× 2、USB-Aポート× 2、3.5mm ヘッドフォンジャック× 1を備える。このI/Oカードを取り外して他のハーフレングスPCIeカードに取り替えることもできるが、別のスロットに取り付けることはできないので、変更を検討する場合には注意が必要だ。 ○シングルワイドスロット:No.5-7 スロットNo.5には最大 x16レーン、No.6-7には最大 ×8レーンのPCIeカードが搭載可能。スロットNo.5の最大 ×16レーンには、AfterBurnerはに取り付けることが推奨される。後述のGPUとの連携からであろうが、他カードとの兼ね合いから、AfterburnerをNo.5に取り付けられない場合は、後述のスロットNo.3へ、No.3とNo.5が埋まっている場合はスロット4へ取り付けると良い。 ○ダブルワイドスロット:No.1-4 スロットNo.1,3,4には最大 x16レーン、No.2には最大 x8レーンのPCIeカードが搭載可能。スロットNo.1、No.4は2列に渡ってPCIeが羅列しているが、これは後述するApple独自のMPX Moduleを搭載する為のレーンになる。MPXモジュール以外で使用する場合は、最大 x16レーンのPCIeスロットとして使用できる。 6:Mac Pro Late2019の各構成部品:GPU Apple HPの広告でGPUについては、"究極のパフォーマンスを設計しました。”と表現されている。業界初、MPX Module(Mac Pro Expansion Module)が搭載され、業界標準のPCI Expressのコネクタに1つPCIeレーンを加えThunderboltが統合された。また、高パフォーマンスでの動作のため、供給電力を500Wまで増やし、専用スロットによる効率的な冷却を実現している。500Wというと、一般的な冷蔵庫を駆動させたり、小型洗濯機を回したり、炊飯器でご飯を炊けたりしてしまう。また、Mac Pro Late2013の消費電力とほぼ同等である為、相当な量であるとイメージできる。話が逸れたが、GPUに関してもCPU同様に前モデルと比較していく。 図6. MacPro:GPU最小/最大での比較 こちらのグラフは、モデルごとのCPUベンチマーク比較である。横軸左から、Mid2012(青)→Late2013(緑)→Late2019(オレンジ)と並び、各モデルの最低GPUと最高GPUにおける、マルチコアのベンチマーク値を縦軸に示した。ベンチマーク値はGeekBenchで公開されるデータをソースとしているが、Mid2012に関しては有効なベンチマークを取得できなかった為、GPUに関してはLate2013との比較になる。また、AMD VegaⅡDuoは2機搭載だが、この値は単発AMD VegaⅡDuoの値となる。 表7.MacPro:GPU最小部品での比較 表8.MacPro:GPU最大部品での比較 部品単体であっても、前モデルからは最小でも2倍、最大では3倍のパフォーマンスを誇る。最大部品である。AMD Radeon Pro VegaⅡDuoはさらにもう一枚追加できるため、グラフィックの分野でも十分驚異的なスペックが実現できると言える。これも「これまでに開発した中で最も強力なMac」と称される理由の一つとなる。 7:Mac Pro Late2019の各構成部品:AfterBurner Afterburnerとは、ProRes/Pro Res RAW ビデオファイルのマルチストリームのデコードや再生を高速化するハードウェアアクセラレータカードである。まず、AfterBurnerを導入するメリットを振り返ろう。ProRes や ProRes RAW のマルチストリームを8Kなどの解像度で再生するための演算をこのAfterBurnerに任せられる。逆にない場合、Mac Pro Late2019のCPUで演算を行うため、その負担分が編集作業に回せなくなってしまう。AfterBurnerによる外部演算を取り入れることによりCPUでは他の処理や映像エフェクトの演算に注力できる為、より複雑な3D、映像編集が可能となる。また、ProRes および ProRes RAW のプロジェクトやファイルのトランスコードおよび、共有が高速化する事もメリットの一つである。 AfterBurnerの対応するアプリケーションは、"ProRes または ProRes RAW のファイルを再生するApple製のアプリケーション”である。例えば、Final Cut Pro X、Motion、Compressor、QuickTime Player などで使用可能だ。その他、他社製のアプリが気になるところだが、"他社製の App のデベロッパが、Afterburner のサポートを組み込むことは可能”とのことなので、今後の対応に期待したい。 8:考察 Mac Pro Late2019の登場により、従来のMacからは考えられないようなスペックでワークステーションを導入する事が可能になったが、ハイスペックかつ消費電力も高いため、初期投資およびランニングコストも大きくかかってしまうというリスクもある。しかし、クリエイティブ以外に時間を割いていると感じているならば朗報である。例えば、レンダリング、プロキシファイル変換、変換によって生じるファイルマネジメントなどなど。Mac Pro Late2019の性能は、作品を完成させるまでの待機時間や面倒な時間を圧倒的に減らし、ユーザーのクリエイティブな時間をより多く提供してくれると考える。 従来機よりも早く仕事を終わらせ、次の仕事に取り掛かる、それを終えたらまた次の新しい仕事へと取り掛かる。サイクルの早い循環、クオリティの向上が、他者との差別化に繋がっていく。初期投資、ランニングコストなど懸念点も多いが、その分クリエイティブで勝負して稼いでいく、というスタイルへMac Pro Late2019が導いてくれるかもしれない。これからの時代の働き方を変え、クリエイティブ制作に革新が起きることを期待している。 *ProceedMagazine2020号より転載
Event
2020/09/17

Avid Webinar情報〜ニューノーマルの時代を生き抜くための映像業界向けクラウドソリューションのご紹介

9月24日(木)15:00より、Avidと日本マイクロソフトが共同で実施するオンラインセミナーが開催されます。「ニューノーマルの時代を生き抜くための映像業界向けクラウドソリューションのご紹介」と題されたこのウェビナーでは、Avidクラウドソリューションとその導入事例や、映像業界向けのインフラ選定のポイントなどが紹介される予定とのことです。 映像制作に携わるみなさまは、事前お申し込みの上ご参加されてはいかがでしょうか。 詳細は下記をご参照ください。 ニューノーマルの時代を生き抜くための映像業界向けクラウドソリューションのご紹介 日時:9月24日(木) 15:00~16:00 対象:映像業界に従事するご担当者様、動画作成・動画制作・映像編集に携わるご担当者様 開催要領:Webセミナー 参加費:無料(事前登録制) 主催:アビッドテクノロジー株式会社、日本マイクロソフト株式会社 ★Avidクラウドソリューションとユーザー事例 講演者:西岡 崇行 氏(アビッドテクノロジー株式会社 ソリューションズ・スペシャリスト ー ビデオ) ★ニューノーマルの時代を生き抜くための映像業界向けITインフラ選定のポイント 講演者:大川 高志 氏(日本マイクロソフト株式会社 クラウドソリューションアーキテクト) 参加申込WEBサイト https://www.digital-transformation-real.com/cloud-solution-video-industry-new-normal-era-2020-09-24 関連記事:MA必須のオーディオプラグイン!映像編集でどう使いこなす? 関連記事:失敗しないオーディオ編集!映像編集でのノイズリダクション 関連記事:Pro Tools Cloud Collaborationを使ってみよう!
Event
2020/09/11

【いよいよ本日開催!】サウンドデザイナー必見!! 音響効果のNewノーマル~Pro Sound Effects + Le soundで作る新しいワークフロー!!

https://www.youtube.com/watch?v=0uIfwMCfJ8A&feature=youtu.be サウンドデザインの新たなスタンダードとなりうる、ふたつのブランドをテーマにしたオンラインセミナーを9月11日(金)18:00より開催!! 高品質なサウンドと巨大なライブラリを提供するだけにとどまらず、高度な検索機能や音源を安心して使用するためのライセンス管理など、ユーザーに寄り添ったプロダクトデザインが特徴のPro Sound Effects。そして、効果音をシンセサイズするという新しい発想でSEサウンドの精密なコントロールを実現するLe Sound。それぞれの概要を解説しつつ、これらの組み合わせで従来のライブラリでは実現できなかった無限のバリエーションを手軽に作成するノウハウを伝授します! サウンドデザインにおけるワークフローのニュー・ノーマル/新たなスタンダードとなり得るプロダクトを、ぜひチェックしてください! セミナー概要 タイトル:音響効果のNewノーマル!Pro Sound Effects + Le soundで作る新しいワークフロー!! 日程:2020年9月11日(金) 時間:18:00〜18:50 参加費:無料 場所:YouTube Liveによるインターネット配信 講師:牛島 正人 氏(Sonologic-Design、Audiokinetic株式会社、HAL東京専門学校)、前田 洋介(ROCK ON PRO) こんな方におすすめ! 新しいサウンドライブラリを探している 作業の効率化を模索している 手持ちのサウンドからもっと手軽にバリエーションを作りたい 最新のプロダクト情報に触れたい 視聴はこちらから! https://www.youtube.com/watch?v=0uIfwMCfJ8A&feature=youtu.be 前編:SEライブラリに新たな風を吹き込む!Pro Sound Effects プロダクト紹介 2004年からブルックリンに拠点を置き、サウンドアーティスト、エディター、デザイナー、オーディオエンジニア、メディア企業、学校、非営利団体向けに、高度にキュレーションされたサウンドエフェクトライブラリを開発しているPro Sound Effects®。スカイウォーカー、ディズニー、BBC、Google、EA、VICEなどの映画やテレビ、ビデオゲーム、バーチャルリアリティ、広告などの分野で数々の賞を受賞しているクリエイターや企業が日々そのライブラリを利用しているほどの高いクオリティはもとより、高度な検索エンジン、安全なライセンス管理、そして、最高の品質を低価格で手に入れるための整理されたバンドルラインナップなど、ユーザー目線に立ったプロダクトデザインが特徴です。 国内での販売が本格的に始まったPro Sound Effectsは、サウンドデザイン/SE業務の世界に新たな息吹を吹き込む存在となるでしょう。 本セミナーでは、このPro Sound Effectsライブラリの作成にも携わった牛島 正人 氏を講師に迎え、プロダクトの概要とともに、このライブラリが既存の音源とどのように違うのか、導入によってどのようなメリットが得られるのか、具体的に解説いたします。 Pro Sound Effectsについて>>詳細はこちら! 【講師紹介】 牛島正人 氏(ウシジマ マサト) Sonologic-Design 代表/サウンドデザイナー Audiokinetic株式会社 プロダクトエキスパート HAL東京専門学校 非常勤講師 Berklee College of Music Music Synthesis 学科にて音響/音楽理論習得。帰国後キャリアをスタート、WWEシリーズでは約3年間サウンドデザイン/ディレクション/仕様作成/通訳を担当。 2015年ソノロジックデザイン(www.sonologic-design.com)を立上げ、ゲーム業界を中心にサウンドデザイン/ディレクション/仕様作成も含めトータルで音のサポート業務を行う。 ゲーム業界のみならず、遊技機/アニメーション/CM/PV等のMA/楽曲制作/ボイスディレクション等、幅広く業務を行う。 2017年3月よりAudiokinetic株式会社プロダクトエキスパートに就任。クリエイター視点からのサポート業務を担当。 ProSoundEffectsライブラリー『Tokyo Ambisonics』『Shanghai Ambisonics』のフィールドレコーディングを担当。 ProSoundEffects、Pole Position Production、Baseheadといった世界各国のサウンドライブラリ関連製品販売も取り扱う。 視聴はこちらから! https://www.youtube.com/watch?v=0uIfwMCfJ8A&feature=youtu.be 後編:ひとつの音源から無限のバリエーションを生み出す!Le Sound AudioTexture & Reshapeを使用したワークフローを紹介 効果音をシンセサイズするという斬新な発想で、雨・風の強さやモーター音の速度など、従来コントロールすることが困難だったSEサウンドをDAW上で作成することが出来るLe Soundプロダクト。その中から、正確なトランジェント検知により自然なランダムループを簡単に作成できるAudioTextureと、直感的な操作でサウンドをモジュレーションできるReshapeを取り上げ、手持ちのサウンドライブラリから多彩なサウンドを作り上げるノウハウを解説致します。 Le sound について>>詳しくはこちら! 【講師紹介】 前田洋介 ROCK ON PRO Product Specialist ROCK ON PRO Product Specialist。レコーディングエンジニア、PAエンジニアの現場経験を活かし、プロダクトスペシャリストとして様々な商品のデモンストレーションを行っている。映画音楽などの現場経験から、映像と音声を繋ぐワークフロー運用改善、現場で培った音の感性、実体験に基づく商品説明、技術解説、システム構築を行っている。 視聴はこちらから! https://www.youtube.com/watch?v=0uIfwMCfJ8A&feature=youtu.be ぜひ、上記バナーからYouTube Liveによるセミナーをご覧ください!本セミナーに関するご質問等はお気軽にROCK ON PRO までお問い合わせください。
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2020/09/11

Pro Tools 2020.9.1リリース〜Native版に重要な修正

Pro Tools 2020.9.1がリリースされました。このバージョンはPro Tools 2020.9で発見された、ボイス数が減少し既存のセッションファイルが開けないことがあるというバグを修正したものとなります。Pro Tools スタンダード版(Native版/non-Ultimate版)をご使用のユーザー様は、Avidアカウントより最新のPro Tools 2020.9.1をダウンロードの上でご使用ください。 *Pro Tools | Ultimateユーザー様には影響はございません。 詳細はAvid Knowledgebase -Pro Tools 2020.9 & 2020.9.1 Release Notesに記載がありますが、下記に抄訳を転載いたします。 Avid ナレッジベース Pro Tools 2020.9 & 2020.9.1 リリースノート Pro Tools 2020.9において、ボイス数に制限がかかってしまうバグが修正されました Pro Tools 2020.9.1では、Pro Tools 2020.9のリリース時に発生した、ボイス数が本来の半分に制限されてしまうという重大な問題が修正されています。この問題はPro Tools(non Ultimate)ユーザー様にのみ起こったもので、Pro Tools | Ultimateユーザー様には影響はございません。 これにより、以前のバージョンと同じボイス数が保たれることになりました。 詳細: 44.1/48kHz - 128個のアクティブなモノまたはステレオ・オーディオトラック 88.2/96kHz - 64個のアクティブなモノまたはステレオ・オーディオトラック 176.4/192kHz - 32個のアクティブなモノまたはステレオ・オーディオトラック ***どのサンプリング周波数でも128トラックまで作成することができますが、上記の通り、そのすべてを同時にアクティブにできるわけではありません。 Pro Toolsをはじめ、プロフェッショナルな音響/映像機器やシステムについてのお問い合わせはROCK ON PROまでお気軽にご連絡ください。
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2020/09/10

約20% OFF!Pro Tools アド・オン プロモーション開始!!

Pro Tools 2020.9の発売を記念して、期間限定「Pro Tools "アド・オン"プロモ」を実施します。現在、既に他社製DAWソフトをお使いのユーザー様を対象に、ご使用中のDAWを手放すことなくPro Toolsを制作環境にお得に追加することを可能とします。最新の2020.9でAbleton Linkにも対応し、一段とシームレスな作曲/アレンジ環境を提供可能となったPro Tools。業界標準のプロフェッショナルDAWを手に入れる絶好の機会です! プロモーション概要 期間限定:Pro Toolsコンポーザー/アレンジャー向け”アド・オン”特別価格プロモーション 期間:2020/9/10〜2020/9/30 対象ユーザー: 他社DTMソフトを既にお使いのお客様 対象DAW:Garageband / Cubase / Logic / Live / FL STUDIO /Audition / Reason / Digital Performer / ABILITY /Singer Song Writer / Studio One / Sonar / SONY ACID/KORG Gadget /その他音楽制作用DAWに類するソフトウエア ここがポイント! 現在お使いのDAWはそのまま継続使用可能 永続版24%OFF、サブスクリプション版18%OFFで導入が可能 Avid Storeでの購入は不可 非常に幅広いDAWが対象 *本キャンペーン対象のPro Toolsライセンスにつきましては、Eメール納品のみの対応とさせていただきます。 対象製品 24%OFF!! Pro Tools Perpetual License NEW (Pro Tools 永続版 新規) 通常価格:¥77,880 → キャンペーン価格:¥59,400(本体価格:¥54,000) Rock oN Line eStoreでのご購入はこちら!>> 18%OFF!! Pro Tools 1-Year Subscription NEW (Pro Tools 年間サブスクリプション版 新規) 通常価格:¥38,830 → キャンペーン価格:¥31,900(本体価格:¥29,000) Rock oN Line eStoreでのご購入はこちら!>> 本キャンペーンについてのご質問、そのほか、Pro Toolsやシステムについてのご相談はROCK ON PRO までお気軽にお問い合わせください。
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2020/09/07

ワールドクラスの最強音源ライブラリProSoundEffects、 Rock oNにて販売中!【9/11ウェビナー開催】

【9/11(金)18:00〜】ProSoundEffects 国内初のウェビナー開催! 来たる今週金曜(11日)18時より、Pro Sound Effects 国内初となるオンラインセミナー、「音響効果のNewノーマル!Pro Sound Effects + Le soundで作る新しいワークフロー!!」が開催されます。セミナー内容詳細は下記ページから! https://pro.miroc.co.jp/headline/new-normal-sound-design-pro-sound-effect-le-sound-webinar/ ProSoundEffects(プロサウンドエフェクツ)とは Pro Sound Effects® (PSE) は2004年からNYブルックリンに拠点を置き、サウンドアーティスト、エディター、デザイナー、オーディオエンジニア、メディア企業、学校、非営利団体向けに、高度にキュレーションされたサウンドエフェクトライブラリを開発している会社です。 包括的なジェネラル・ライブラリ、名だたる映画でも使われているスペシャリティ・ライブラリ、革新的なフリーランサープログラム、柔軟なマルチユーザーライセンス、そして顧客主導のライブラリ開発を武器に、業界を前進させ続けています。 ワールドクラスの導入実績 Pro Sound Effects (PSE) のサウンドライブラリは、業界をリードするオーディオ専門家のグローバルネットワークから選出されています。スカイウォーカーサウンド、ディズニー、BBC、Google、EA、VICEなどの映画やテレビ、ビデオゲーム、バーチャルリアリティ、広告などの分野で数々の賞を受賞しているクリエイターや企業が、PSEライブラリを日々利用して、常に最高のサウンドを提供しています。 膨大なデータの中で欲しいサウンドに瞬時にアクセス:Search by PSE PSEは何万時間もかけて、全てのサウンドファイルを丁寧にカタログ化してきました。詳細で豊富な説明と検索ソフト「Search」を組み合わせることで、ワークフローに的確で迅速な検索結果、新鮮でクリエイティブなアイデアを与えることができます。COREバンドルにはSearchのライセンスが付属するので、膨大なライブラリからでも迅速に目的のサウンドを探し出す事が可能です。 ニーズに合わせて選べるCOREバンドル COREバンドルは多様なジャンルに対応できるジェネラル・ライブラリ と ユニークなテーマを元に集められたスペシャリティ・ライブラリ がバンドルされたパッケージです。各COREバンドルによって含まれるライブラリが異なりますので、詳細は「COREバンドルラインナップと概要一覧」にてご確認ください。 SoundCloudのProSoundEffects公式アカウントでは各ライブラリのサンプル音源を試聴することができます。 Pro Sound Effects · CORE: Standard 公式日本語ブログも続々公開中 ProSounfEffectsの日本語公式ブログでは国内ユーザーが語るPro Sound Effectsの魅力やその活用方法、そしてそれらが実際にどのような映画の中で使われているか、といった記事が公開されています。 #1 「Pro Sound Effects ライブラリの魅力と、ライブラリのこれから」 - 牛島正人(サウンドデザイナー) #2 「モバイルゲームのサウンド制作とPSEライブラリの活用について」 - 田中慎哉(株式会社gumiサウンドディレクター) #3 フリーランスとして携わる効果音の世界」- 安江史男(サウンドデザイナー) ProSoundEffects 本国サイト https://www.prosoundeffects.com/ ProSoundEffectsブログ(日本語) https://blog.prosoundeffects.com/ja Rock oN 紹介ページ https://www.miroc.co.jp/rock-on/pro-sound-effects/ ProSoundEffectsご購入に関するご相談は、お気軽にROCK ON PRO までお問い合わせください。
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2020/09/04

Pro Tools 2020.9 リリース!~Ableton Link対応、BW64対応など、創造性を妨げないフローを実現!

日本時間9/4(金)未明、Pro Tools 2020.9がリリースされました。Pro Tools 2020.9では、Ableton Linkの統合サポート、SDIIおよびBW64 ファイル形式のサポート、録音有効化トラックの状態をラッチまたはキャンセルするための初期設定項目の追加といった向上のほか、Avid Cloudプラットフォームのパフォーマンス改善を実現しています。 年間サポートプランまたはサブスクリプションが有効期間中のユーザー様は、すでにMy Avidよりダウンロードが可能です。 Ableton Linkに対応! Ableton Linkはローカルネットワークを介して複数のデバイスを同期します。従来の楽器と同じように、エレクトロニック・インストゥルメントやソフトウェアを使用して他のミュージシャンと一緒に演奏することができます。 Pro Toolsに統合されているため、設定に煩わされることなく、演奏に集中できます。 https://www.youtube.com/watch?v=8hjM1rhWWyc&feature=youtu.be Ableton Linkに関しての詳細はこちらからもご確認いただけます! https://www.ableton.com/ja/link/ 録音有効化されているトラックを自動でキャンセル クリエイティブなフローの中では、つい、保持したいテイクを持つトラックの録音有効ボタンを解除し、上書きしないようにすることを忘れてしまう場合があるかもしれませんが、新しい初期設定項目が事故を防ぎます。オーディオ、MIDI、インストゥルメント・トラックの録音を準備する際のPro Toolsの挙動を設定することができるので、新たに録音するトラック上の[録音有効ボタン]を押すと、以前に録音有効化されていたすべてのトラックは自動的に解除され、この種のアクシデントで上書きしてしまうことを避けることができます。 https://www.youtube.com/watch?v=LuB3LdMI_Os&feature=youtu.be Avid Cloudプラットフォームのパフォーマンス改善 2020.5で導入されたリモートワーク対応のための改善により、このリリースでは安定性がさらに強化されています。これらの調整により、多くの新しいAvidクラウドおよびPro Toolsクラウド・コラボレーション・ユーザーがプラットフォームをスムーズに利用できます。 新機能の追加はありませんが、2020.5で追加された機能などを使用する上での動作が大幅に改善しているようです。Pro Tools 2020.5でのクラウド機能強化については>>こちらをご覧ください。 https://pro.miroc.co.jp/headline/pro-tools-2020-5/ https://www.youtube.com/watch?v=e-YYPu2maiM Avid Cloud Collaborationを使用したアーティストによる制作の例(2017年のムービーです) SDIIとBW64ファイル形式のサポートに加え、多くの改善と修正 Pro Tools 2020.8には、SDIIとBW64ファイル形式のサポートに加え、多くの改善と修正が含まれます。BW64への対応は、プロフェッショナルな現場にとっては大きなトピックかも知れません。その他の追加機能/改善点については>>こちらをご覧ください。(日本語版は随時アップロード予定とのこと!) https://avid.secure.force.com/pkb/articles/readme/Pro-Tools-2020-9-Release-Notes Pro Tools 2020.9は、年間サポートプランまたはサブスクリプションが有効期間中のユーザー様は、すでにご自身のMy Avid(Avidアカウント)からダウンロードが可能です。年間サポートプランが失効してしまっている、サブスクリプションへの乗り換えを検討している、といったご相談もお気軽にROCK ON PROまでお問い合わせください。
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2020/09/01

株式会社松竹映像センター 様 / AVID S6 Dual Head + 4 MTRXシステムで進化した 変幻自在のDubbing Stage

株式会社松竹映像センターは、2015年にお台場へ移転をしてから早くも5年。移転前の大船時代より使い続けてきたEuphonix System 5から、映画の本場ハリウッドでも採用が進むAVID S6を中核としたシステムへと更新を行った。今回更新のテーマを大きくまとめると、「音質」と「作業効率」両者を最大限に両立しつつ様々なワークアラウンドに対応できるようにする、ということ。その実現に向けた機器の選定からシステムアップまでお手伝いをさせていただいた。 音質、効率、柔軟性、三拍子揃ったシステムを目指して システムの中心となるのは、AVID S6とAVID MTRX。Playout4台(*1)、Mixer2台、Dubber1台のPro Toolsと、従来のシステムから引き継がれたMixer3台とDubber1台のNuendo、これらが4台のMTRXに接続され、それぞれの繋ぎ変えにより様々なシステムを構成可能なようにシステムアップが行われている。従来のSystem5が担っていたConsoleのCenter Sectionは、MTRXのMonitor Profileがその機能を引き継いでいる。 以前の記事で松竹映像センターのご紹介を行っているが、大船からお台場へ移転の際に設計されたAnalog SRCとNuendoをMixing Engineとしたシステムは、ワークアラウンドの選択肢の一つとして今回の更新でもそのまま残されている。Analog SRCとは、Digital接続で問題となるサンプルレート、フレームレートの相違による問題の解決と、音質向上を狙ったMixing Engineの96kHz動作を行わせるために、Playout DAWとMixing Engineの間をあえてAnalogで接続するシステムをそのように呼んでいる。Playoutの素材として持ち込まれたデータの大半は48kHz。DAW内でサンプルレート変換を行っても良いのだが、一旦アナログにDAしてから96kHz動作のMixing Engineへと信号を導いたほうがサウンドとして良い結果が得られた。実際に音を聴きながら機器選定を行った結果として、2015年の移設の際に導入させていただいたシステムがこのAnalog SRCとなる。 このAnalog SRCは、サンプルレートの違いを吸収するとともにフレームレートの0.01%の吸収にも役立っている。できる限りデジタル上でのデータの改変は行わない、というのがこのシステムの根底に流れるポリシーとなっている。「デジタルの利便性と音質をいかに両立させるか」というのが、前回の更新の大きなテーマだった。今回の更新ではそこに「作業効率」という新たなテーマが加わった格好だ。 2020年 2015年 (*1)ダビングステージということでPlayout用に、D=Dialog(セリフ)、M=Music(音楽)、E=Effect(効果音)、F=Foley(効果音)のそれぞれに計4台のPro Tools HDXシステムが用意され、Eは128ch、D,M,Fは64chの出力が用意されている。これらはMADIによりMixer用のPro Toolsへと送られる 「現場の音」を届けたい 全てのシステムをシンプルにデジタルで直結することによりピュアなサウンドが保たれるのではないか?信号の経路を最短にすることでシンプルで効率の良いシステムが構築できるのではないか?そういったことが各方面より検討され、ハリウッドなどで活用されるシステムなども、松竹映像センターの吉田様に実際にハリウッド現地の視察を行っていただき、もたらされた情報とともに進められた。同時に、ハリウッドのスタイルでは、PlayoutのPro Toolsの内部である程度のSTEM MIXが行われ、Dubberの内部でFinal Mixが行われる。まさにIn The Boxのスタイルが良くみられる。しかし国内のダビングステージではMixing Consoleが健在であり、In The BoxでのMixingではなく、ConsoleでのMixingを求める声も大きい。 そこで、今回の更新では、AVID S6をSurfaceにMixng Engineとして機能するPro Toolsを2式増設することとなった。なぜ2式のPro ToolsにしたかというとInputのチャンネル数に余裕をもたせるためである。Pro ToolsはHDX card1枚に付き64chのIN/OUTという物理的な制約が存在する。現状最大構成となるHDX3で192chが上限ということになる。ステレオミックスであれば192chのInputは十分に思えるかもしれないが、5.1chを基本とする映画ダビングでは192chというのは、32 stemに当たる。これを4台のPlayoutに分配するとたったの8 stemとなる。設計段階でギリギリのスペックとするのではなく、余裕をもたせたい。その考え方から2台のPro ToolsをMixing Engineとして準備した。AVID S6が同時に8台のDAWをコントロールできるという機能性の高さにも助けられている。 最終段のレコーダーに当たるDubberは、従来のNuendoに加え、Pro Toolsが整備された。Dubberへの回線はAnaSRCを介しての接続と、デジタルダイレクトでの接続が両方選べるように設計されている。Analog SRCの場合には、FInal Mixは一旦DAされ他Analog信号がADされてDubberへと接続される。この接続には松竹映像センター様がお台場移転時に実現した一つの理想形。モニタリングを行っているスピーカーから出力されている信号を聞いて、エンジニアはその良し悪しを判断している。そのサウンドを残すことが、スタジオとしての命題である、という考え方だ。通常のシステムでは、レコーダーに収録された音を最終的に聞くことにより判断を行っている。しかし、レコーディングを行うということは、デジタルにおいても何かしらの変質をはらむ行為となるため、あえてシグナルパスは増えることになるが、ミキシング中に聞いている音との差異を最低限にするための一つの手法としてこの様な選択肢を持っている。 もう一方のデジタルダイレクトでの接続は、出来る限りそのままの信号を残すというデジタル・ドメインの理想形を形にしている。デジタルレコーダーから出力された音声は、デジタルのままピュアにレコーダーまで接続される。現代のデジタル・オーディオのシステムに於いて最後までアナログに戻さずに、劣化の少ないデジタルのまま、シグナルを処理するという理想形の一つだ。 このダビングステージは、サウンドのクオリティーを追い求める飽くなき探究を、実際にシグナルパスの変更により適材適所に選択できる国内有数のシステムとなっている。作品に合わせ、その作業の内容に合わせ、柔軟に変化できるシステムであり、現場の音をどうしたら理想に近いクオリティーで届けられるか、という飽くなき探究の結果が、理想のサウンドに合わせて選べるシグナルパスとして結実している。 アシスタント・デスクは1面増え、全5面のPC DISPLAYが設置されミキサー&レコーダーのコントロールを一括して操作することができる。 Play Out機を操作するカートは、Dual Displayへと改造され操作性が向上している。ユーザーからのリクエストの多かったポイントだ。 Column:AD/DAどちらが音質に効果的? ADコンバーターと、DAコンバーター。どちらが音質に対して与える影響が大きいのだろうか?もちろん、どちらも”コンバート”=”変換”を行う以上、何かしらのロスをはらむ行為となる。各機種を徹底して聴き比べた結果、Master Clockによる影響が同一だとすれば、ADコンバーターの音色差は、それぞれが持つプライスほどの差を感じなかった。一方のDAコンバーターは、同一のMaster Clockを供給したとしてもその音質差は大きく、メーカーごとの個性が確実に出るということがわかった。ちなみに、Master Clockを供給せずにインターナルで動作させた場合にはADコンバーターも差が大きく出ることを付記しておく。   ADコンバーターの動作原理は、線形波形を時間軸でスライスし(標本化)、その波形の大小を量子化することでPCMのデータを取り出している。標本化する時間間隔が標本化周波数=サンプリングレートであり、48kHzであれば、1秒を48,000等分するということである。そこでスライスされたデータは大小を基に量子化され、デジタルデータとして出力される。その際、WAVデータでは最大値をフルビットとし、無信号との間を24bitであれば16,777,216段階に分割。どの段階が一番近いかということで近似値をデータとして出力している。かなり細かく説明を書いてしまったが、線から点へ間引く作業を行っているとも言える。この間引く間隔がMaster Clockであり、その正確性がデータにダイレクトに反映する部分でもある、この部分が同一であれば、量子化する仕組みはどの機器もほぼ同一のデルタ・シグマ・モジュレーターを採用しているため、差が生まれにくいのだと考えられる。   もう一方のDAコンバーターは、間引かれて点になっているデータを、線形に変換するという作業を行っている。ここではオーバーサンプリングと呼ばれる技術が使われ、点と点の間を補完することで線形に変換している。この”補完”の部分は、ADコンバーターでも使われているデルタ・シグマ・モジュレーターが一般的には使われているが、DAコンバーターの場合には、複数の方式(何倍のオーバーサンプリングなのか、1Bit or マルチBit回路)があり、さらに線形の情報として取り出したあとにラインレベルまで増幅するアナログアンプが存在する。これらの違いにより、機器間の差が大きく出る傾向のようだ。   外的要因=Master Clockにより、その精度が画一化されるADコンバーターと、メーカーの設計による部分の大きいDAコンバーター。感覚的にはADの方が、とも思いがちだが、実際に色々と試してみるとDAの方が顕著な差があるということとなる。この結果は、あくまでもMaster Clockが存在するという前提のもとでの結果だということになる。Internal Clockであれば、その機器の持つClockの精度という、また別の音質に影響を与える要因が生じるということは忘れないでほしい。 “これまでの利便性を活かす”ソリューション 実際のシグナルフローのお話は、後ほどしっかりとさせていただくとして、AVID S6をみてみたい。これまでEuphonix System 5が導入されていたダビングステージ。写真を見ていただきたいのだが、特注で作ったSystem5用のデスクをそのまま流用している。8フェーダーごとにモジュール構成になっていたSystem 5を作業に合わせて、左右を入れ替えて使用していた。今回の改修では、デスクはそのまま、System 5で行っていたようなモジュールの入れ替えにより、サーフェースの変更にも対応する仕組みをこれまで通りに実現している。 これを実現したのが、イギリスのFrozen Fish Designというメーカーがリリースする「Euphonix Hybrid Backet」という製品。AVID S6のモジュールを、Euphonix System 5のモジュールとそっくりそのままのサイズのシャーシに収めてしまうというアイデア製品だ。もともとは、System 5とAVID S6が同居したHybrid Consoleを、というアイデアからの製品である。余談だが、AMS NEVE DFCのモジュールと同じサイズにAVID S6のモジュールを収める製品も同社はリリースしている。このFrozen Fish Design社製品の導入により、従来通りフェーダーを必要な箇所に自由自在に配置できるコンソールを実現している。 もう一つAVID S6としてのトピックは、Dual Head構成となっているということ。通常は1台のMaster Touch Module=MTMがコンソール全体の制御を受け持つのだが、松竹映像センターのAVID S6はサイズも大きく2台のMTMが必要となった(1台のMTMでの上限は64フェーダー)。物理的な問題もそうだが、数多くのDAWを並行して操作するというダビングのシステムにおいて、MTMが2つあることのメリットは大きい。複数のエンジニアがコンソールに向かい作業を行うため、左右で別々の操作・作業を並走することができるDual Head Systemは作業効率に対して大きなメリットをもたらす。基本的には、左手側がD/M、右手側がE/Fのエンジニアが担当することが多いとのことだが、場合によってフェーダー数を増減したり、操作するDAWを入れ替えたりということが、すべてのDAWを同一のネットワーク上に存在させているため簡単に行える。AVID S6の持つ強力なレイアウト機能、スピルゾーン機能などと組み合わせることで、柔軟な運用を実現できるシステムとなっている。 様々なニーズに対応できるS6×MTRXシステムの柔軟性 様々なワークアラウンドが組めるように設計されている、松竹映像センターのダビングステージ。そのワークアラウンドのいくつかをご紹介したい。 ●Direct Dubber 一番シンプルなシステムパターンとしては、MixerとなるDAWを介さずにMTRXの内部でSTEM MIXを行うというパターン。PlayoutのPro Tools HDXから出力された信号はHD MADIを通じでMADIとして出力される。この信号はMTRX #1号機もしくはMTRX #2号機を通じてMTRX #3号機へ送られる。4台のPlayout Pro Toolsでは、内部で数本のSTEMにミックスされたチャンネルが出力される。これらのSTEMは、最終的にMTRX #3号機でミックスされ、Dubberへと送られる。この際のサンプルレートは基本的に48kHz。シンプルなワークアラウンドで完結させるフローとなる。MTRX #3号機のミックスのフェーダーはDADmanアプリケーションを通じAVID S6のフェーダーで微調整が行えるというのは、特筆すべき事項である。これにより、これまでEuphonix System 5に委ねていたFinalミックスの作成作業をMTRXの内部で行うことができる。このシグナルフローはハリウッドでよく見られるものとほぼ同等である。 ●PT mixer w/Analog SRC 次に、MTRX #1 / #2号機に接続されている、Pro Tools Mixerを使用するパターン。この場合はPlayout内部でミックスを行わず、それぞれの素材がある程度の種類に分けられた複数のSTEMとして出力される。そしてMixer Pro Tools内部でミキシングが行われる。再生機としてのPro Toolsと、MixerとしてのPro Toolsが別々に存在しているというパターン。Pro Tools MixerはまさにSystem5などのハードウェア・コンソールで行っていた機能を代行するものであり、プラグインプロセスなどにより、その機能を拡張するものとして導入が行われている。このパターンでの内部プロセスは48kHzであり、Analog SRCの回路を経由してDubberの直前まですべてがdigitalでダイレクトに接続されている。 ●PT mixer w/Analog SRC@96k Playout Pro ToolsからMTRX #1/#2号機との接続の間にAnalog SRCを挟んだパターン。これにより、Mixer部分はPlayoutの素材のサンプルレートに関わらず96kHzでの動作が可能となる。ミックスを行うプロセスのサンプルレートはやはり音質に対して影響のある部分。ワークアラウンドとしては複雑にはなるが、それでもクオリティーにおいてはプラスに働く要素となりえる。これまでの松竹映像センターのダビングステージで行われていた作業のスタイルをMTRXとPro Toolsを用いてブラッシュアップしたパターンとも言える。48kHzでのマスター素材を収録するDubberの前には、やはりAnalog SRCが存在しているため、サンプルレート変換をPC内部で行うなどの作業は必要ない。まさに、音質と効率の両者を追い求めたシステムアップとなっている。 ●Nuendo mixer w/Analog SRC@96k もちろん、これまで使用されてきたNuendo Mixerも残されている。これによりMixer Engine部分をPro Toolsにするのか、Nuendoにするのかという贅沢な選択も可能となっている。Nuendoの場合には、これまでのシステムと同様に基本的に96kHzの動作でのシステムアップとなっているが、バックボーンとなるシグナルはすべてCoax-MADIに統一されており、パッチ盤での差し替えでいかようにでもシステムを組み変えることができるようになっている。柔軟性と、ダビングステージを使用するお客様のニーズに合わせて変幻自在にその形を変えることができるシステムだ。 マスターセクションとしてのMTRX MTRXのコントロールアプリ"DADmam"は4台を一括で操作できる。手元には、ハードウェアコントローラーMOMが置かれ、アシスタントは手を伸ばすことなくボリュームコントロールが行える。 今回のシステムアップにおいてMTRX #3号機は、まさにハードウェア・コンソールのマスターセクションを代替するものとしてDADman上での設計が行われている。モニターセクションとして、スピーカーボリュームの調整、視聴ソースの切り替えはもちろん、強力なCue Mixの機能を活用し、Assistant DeskへのHead phone送りのソースの切り替え、MTRX #1/#2号機から送られてくる信号のサミングなど、様々な機能を使いシステムアップが行われている。Avid S6のセンターセクションであるMTMからのコントロールと同時に、Assistant DeskにはDAD MOMが用意され、スタジオスタッフが手元でのボリューム調整が行えるように設計されている。 また、Playout用Pro Toolsのコントロールに使われるカートは、Dual Displayにブラッシュアップされた。やはりスタジオを利用するお客様からの要望が多いポイントであったということで、今回の更新に併せて変更された部分となる。このカートへのDisplay出力の仕組みは、これまで通りSDIへ信号を変換しVideo Patchで自由に組み替えができるシステムとしている。もちろんKVM Matrixシステムが導入できればよいのだが、PCの台数、Displayの台数を考えるとかなり大規模なシステムとなってしまうため、コストを抑えつつ、必要十分な機能を果たすということで、こちらのSDI延長システムを継続してご利用いただいている。 ぎっしりAVID MTRXのオプションスロットに設置されたMADI / Digi Link Module。96kHz稼働時にも十分なチャンネル数を確保できるようになっている。 今回の更新では、Dubbing Stageという環境での様々なニーズに応えるべく、かなり大規模なブラッシュアップが図られた。Dual HeadのAvid S6による操作性、機能性の向上。そして、MTRXの導入によるワークアラウンドの多様化など、そのポイントは実に多岐に渡っている。実際に作業を行った後にお話を伺うことができたのだが、習熟を進めている中であるという部分を差し引いたとしても、システムの柔軟性、利便性の向上はしっかりと感じられているとのこと。 デジタルの利便性へすべての信頼を置いてしまうことに疑問を持ち、制作過程における音質というポイントを思い起こしながら、音質と作業効率という反比例をもしてしまうような2つの要素を高度な次元で両立させたこのDubbing Stage。これから行う様々な作業の中で、今後どのようなワークアラウンドが行われていくのか?どのような選択基準でそれが選ばれたのか?実作業におけるシステム活用の様子にも大きな興味が持たれるところだ。 写真左より、株式会社松竹映像センター ポストプロダクション部 ダビング・MA所属の田中俊 氏、深井康之 氏、吉田優貴 氏、清野守 氏、久保田貫幹 氏、石原美里 氏、ROCK ON PRO 嶋田直登、前田洋介 *ProceedMagazine2020号より転載
Music
2020/08/25

AVID BLOGにてDolby Atmos Music ミキシング体験記が公開中!

AVID BLOGにてDolby Atmos Musicのミキシング体験記が公開されています。記事を執筆したのは、カリフォルニア州ロサンゼルス近郊に音楽スタジオ"The Record House"を構えるミキシングエンジニア、Mert Ozcan氏。公式プロフィールによると、彼はバークリー音楽大学を卒業後、Abbey Road、British Grove、Capitol and Interscope Studiosといった世界的にも権威ある数々の音楽スタジオでエンジニアとしての腕を磨き、同じくエンジニア兼ミュージシャンであるBeto Vargas氏と共にThe Record Houseを立ち上げたそうです。 記事ではMert氏によるDolby Atmos Musicミキシングに関する考察がアツく語られているので、ご興味がある方は是非ともご一読してみてはいかがでしょうか? ◎こちらからチェック! Dolby Atmos® Music のミキシング体験とAvidPlayでの配信 - AVID BLOG http://www.avidblogs.com/ja/dolby-atmos-music-avidplay/ 「まるでモノクロがカラーになったみたいだ」 「スタジオを変えたくなった」 「普通に音楽を聴くなんてもう無理です」   これらはアーティストやミュージシャンが、The Record House の新しくできたAtmosミックスルームで Dolby Atmos Music を聴いた時のいくつかのコメントです。この体験が特別なものであった事を物語っています。                                            上記ページより一部抜粋 ◎公式サイトからはMert氏らが手がけた音楽作品も実際に試聴可能です! The Record House 公式サイト https://the-record-house.com/ ◎また、最新号のProceed Magazine 2020ではDolby Atmosに関する基本的な知識から、Pro ToolsでDolby Atmosミキシングを始めるための最初の足掛かりまでを完全解説中!併せてチェック! https://pro.miroc.co.jp/solution/dolby-atmos-proceed2020/ ◎日本語字幕付きPro Tools 解説動画はこちら (Pro ToolsでDolby Atmos Renderを使うワークフローについても紹介されています) https://pro.miroc.co.jp/headline/avidjapan-youtube-playlists-update-202007/ Dolby Atmosに関するお問い合わせは、下記"Contact"より、お気軽にROCK ON PROまでご連絡ください。 ◎Proceed Magazine 最新号発売中! サンプルの試し読みはこちらのページから! https://pro.miroc.co.jp/headline/proceed-magazine-2020/
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2020/08/20

AvidがMedia Composer / Sibelius オンラインセミナー開催情報

来る8/28(金)、Avidクリエイティブツールを使用するユーザー様に向けたふたつのオンラインセミナーが開催されます。Media Composerの基本的な操作に関するレクチャーを中心としたものと、作編曲家 侘美 秀俊 氏によるSibeliusを使った実践的なオーケストレーションを紹介する内容となっております。 これらのクリエイティブツールをご使用のユーザー様は、この機会に受講されてはいかがでしょうか。セミナー詳細、事前登録の方法などは下記をご参照ください。 Avid Media Composerオンラインセミナー ~ビギナー編~ 開催情報 作業の効率を上げ、制作のスピードアップをサポートするMedia Composerの代表的な機能をデモンストレーションを交えて紹介する内容です。 まずは基本的な使い方を知りたいという方 ビデオ編集の経験はあるけれどMedia Composerは初めてという方 Media Composerの操作性にご興味をお持ちの方 上記のようなユーザー様を対象に、Media Composerの基本操作を紹介するセミナーです。 日時:2020年8月28日(金)14:00~15:00 場所:Avid特設ページ(オンライン) 参加費:無料 参加方法:こちらのリンクより事前登録の上、ご参加ください。 Sibeliusでオーケストレーション〜実践編~Presented by Avid x Rygasound~ Sibelius製品 日本総代理店 リガサウンドとAvidが共催で、作編曲家としてご活躍の侘美秀俊先生を迎えて送る「Sibeliusでオーケストレーション〜実践編」 ウェビナーシリーズの第2回目。今回のテーマは「弦楽器セクションを組み立ててみよう まずは基本となる4つのパートで! 」 です。 基本的な操作を学びたいというビギナーやこれからの使用を検討中の方から、アレンジやオーケストレーションなど一歩先のテクニックにご興味をお持ちのSibeliusユーザーの皆さままでご満足いただける内容になっています。 講師紹介: 侘美 秀俊(タクミ ヒデトシ)氏 武蔵野音楽大学卒業。作曲楽曲の提供は、劇場上映映画やTVドラマのオリジナルサウンドトラックから、演劇舞台のための音楽、シンフォニックコンサートのオーケストラアレンジなど多岐にわたる。 株式会社 H-t studio代表、北海道作曲家協会理事であり、現在、ローランドミュージックスクール コンピュータミュージック指導者養成コース講師、トート音楽院渋谷校講師、JBG音楽院講師(東京/表参道) オンラインDTMスクールSleepfreaks講師、オンラインミュージックスクール『オトマナビ』講師も務める 日時:2020年8月28日(金)18:00~19:00 場所:Avid特設ページ(オンライン) 参加費:無料 参加方法:こちらのリンクより事前登録の上、ご参加ください。 関連記事 Avidクリエイティブツールに関するノウハウやTipsについては、ROCK ON PRO でも多くの記事で取り上げております。Media Composerだけでなく、Pro Tools関連の情報もございますので、ぜひ、こちらも合わせてご覧ください。 MA必須のオーディオプラグイン!映像編集でどう使いこなす?〜Media Composerでオーディオプラグインを使ってみよう〜 失敗しないオーディオ編集!映像編集でのノイズリダクション “Pro Tools Tech Tips” 日本語翻訳版がYouTubeにて公開中! AVID MTRX Studio ウェビナー アーカイブ映像公開中! Soundwhaleでリモートレコーディングを行う方法 〜How to use Soundwhale Vol.3 スタンドアローン接続編 〜 Soundwhale V1.6 ウェビナーのアーカイブ映像をチェック!!【期間限定】
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2020/08/19

株式会社ミクシィ 様 / 新たな価値は「コミュニケーションが生まれる」空間のなかに

都内5拠点に分かれていたグループ内の各オフィスを集約させ、2020年3月より渋谷スクランブルスクエアでの稼働を開始した株式会社ミクシィ。渋谷の新たなランドマークともなるこの最先端のオフィスビル内にサウンドグループのコンテンツ収録や、制作プロジェクトにおける外部連携のコミニュティの場を設けるべく、この機に合わせて新たなスタジオが完成した。オフィス移転によるサウンドグループの移転だけでもプランニングは膨大な労力を伴うものとなるが、加えて高層オフィスビルへのスタジオ新設という側面や、何より同社らしいコミュニケーションというキーワードがどのようにスタジオプランに反映されたのか見ていきたい。 スタジオの特色を産み出した決断 これまで、青山学院にもほど近い渋谷ファーストタワーに拠点を置いていたサウンドグループ。そこにも自社スタジオはあり、主にナレーション録りを中心とした作業を行うスペースとなっていた。もちろん、コンテンツ制作を念頭に置いた自社で備えるスタジオとしては十分に考えられた設備が整っていたが、あくまでオフィス内のスペースでありミックスを形にするという設計ではなかった。また、コンテンツ制作には演者、クリエイターからディレクター、企画担当者など社内だけでも多数の関係者が存在するため、スタジオでいかにコミュニケーションを円滑に進められるか、ということは制作進行にとって重要な課題となっていた。そこへ、各所に分散していたオフィスの集約プランが浮上する。 新しいオフィスは当時建設中であった渋谷スクランブルスクエア、その高層階にサウンドグループのスペースが割り当てられる。そもそも全社のオフィス機能集約となるため、移転計画の最初からフロアにおけるスペース位置、間取り、ドアや壁面といった要素はあらかじめ決められていたものであり、高層ビルにおける消防法の制約もあったそうだ。例えば、スタジオ壁に木材が貼られているように見えるが、実はこちらは木目のシートとなっている。壁面に固定された可燃物は使用できないための対応だが、質感や部屋の暖かさもしっかり演出されている。取材の最後に明かされるまで我々も気がつかなかったほどだ。 そして、今回スタジオ向けに用意されたのは大小の2スペース。そもそもにどちらの部屋をコントロールルームとするのか、またその向きは縦長なのか横長なのか、制約ある条件のもと安井氏と岡田氏が試行錯誤を繰り返す中で着眼したのは"コミニュケーション”という課題。 ミクシィ社としてこのスタジオがどうあるべきか、どういう価値を出すのが正しいのか。専属エンジニアがいる商業スタジオではない、コミュニケーションが生まれる環境とはどのようなものなのか。これにマッチすることを突き詰めて考えた結果、レコーディングブースの方を広くとる設計になり、また当初縦長で進めていたコントロールルームの設計も思い切って横長レイアウトに変えたそうだ。もちろん、音響的な解決を機材面や吸音で行う必要もあれば、ブース窓の位置やテレビの高さ、モニタースピーカーの配置など課題は数多くなったが、これをクリアしていくのも楽しみの一つだったという。そしてこれらのポイントの解決に芯を通したのが"コミニュケーション”が如何にいい形で取れるか、ということ。このレイアウト段階での決断がスタジオを特色あるものにしたのではないだろうか。 音でのコミュニケーションを促進させる最初のツール 前述の通り、こちらは商業スタジオではなくミクシィ社でのプロジェクトにおける制作拠点、またその外部との連携に利用できるスペースとして機能している。自社コンテンツでのボイス・ボーカル収録はもちろんのこと、同フロアにある撮影スタジオとも協業で、自社タレントとユーチューバーの楽曲カバーコラボレーション企画のPV制作や、渋谷公園通りにあるXFLAGストアでのインストアライブの配信コンテンツミックスなどがすでに行われており、多種多様なコンテンツの制作がすでにこちらで実現され始めている状況だ。企画案件の規模によってはクリエイターのワークスペースで完結できるものもあるが、このようなプロジェクトで多くの関係者との共同作業を可能にする拠点、というのが今回のスタジオに求められている要件でもある。社外のクリエイターが来てもすぐに使えるような機材・システム選定を念頭に置き、またそこから「コミュニケーションが生まれる」ような環境をどのように整えたのだろうか。それを一番現しているのがアナログミキサーであるSSL X-DESKの導入だ。 コントロールルームの特注デスクにはPro ToolsのIn the boxミキシング用にAvid Artist MixとアナログミキサーのX-DESKが綺麗に収められている。X-DESKにはAvid MTRXから出力された信号、また入力に対しての信号、さらにレコーディングルームからの信号と、コントロールルームに設置されているマイクプリなど様々なソースに対して臨機応変に対応でき、使用するスタッフによって自由に組み替えが可能になっている。ただしデフォルトの設定はシンプルで、基本的にはマイクプリから来ているマイクの信号と、外部入力(iPhoneやPC上の再生)がミキサーに立ち上がっており、内外問わずどんなスタッフでも簡単に作業を始めることができる仕様だ。 これは現場での作業を想定した際に、ギターでボーカルのニュアンスを伝えたいクリエイターもいれば、ブースでボーカリストの横に入ってディレクションするケースであったり、Co-Write(共作)で作業を行う場合など、共同作業がすぐに始めて立ち上げられて、バランスまで取れる環境を考えるとアナログの方が有利という判断。「音でのコミュニケーションを促進させる最初のツール」がアナログミキサーだということだ。 また、デスク左側にはMac miniを中心としたサブシステムが用意されている。こちらのMac miniにはNuendo/Cubaseもインストール、そのインターフェイスとなるRME Fireface UFX II も左側を向けてラッキング。これも来訪者がすぐさま使用開始できるように配慮されている部分だ。 セレクトされたコミュニケーションでの実用性 それでは、デスク右側のラックに目を向けたい。ラックの中でも特に存在感を放っているのが新型のMacProだ。2019年の夏頃から本格的にスタジオの設計を固め、機材選定も大方定まったところで中々導入時期を読めなかったのがこちらのMacPro。周知の通りで2019年末に突如として姿を現すことになったわけだが、このスタジオに導入されたのは、必須となるレコーディング作業だけに限らず、映像の編集も難なくこなせるであろう3.3GHz 12Core、96GBメモリ、SSD 2TBというスペック構成のもの。レンダリングが数多く走るなど負荷がかかる場面はまだあまりないようだが、意外にもその動作はかなり静粛とのことだ。 このラックではMac Proを筆頭に、ビデオ入力、出力の分配を担うBlack Magic Design SmartVideoHub。そしてAvid HDXからMTRXにつながり、MTRXからX-Deskや、各々ルーティングを細く設定できるバンタムパッチベイがある。Ferrofish PULSE16はMTRXからのDANTE Optionを有効活用し、ADATへ変換されBEHRINGER POWERPLAY16(CUE BOX)に繋がれている。その上にはAvid Sync HDがあり、マスタークロックとしてAntelope Audio Trinityがトップ段に設置されている。 また、モニタースピーカーについてはRock oN渋谷店舗にて十数のモニタースピーカーが比較試聴され、KS digital C8 Reference Rosewood(後に同社製のサブウーファーも導入)とAmphion One18が選ばれた。こちらは横長にしたコントロールルームのレイアウトを考慮してニアフィールドにスイートスポットがくる同軸のKS digitalと、バランスを重視してのAmphionというセレクトとなった。使用するスタッフによってナレーションでのボイスの部分にフォーカスしたり、あるいは楽曲全体を聴く必要があるなど、用途は制作内容によってそれぞれとなるためバランスの良さという共通項はありつつも、キャラクターが異なる2種類が用意された。 後席ソファー横にはデシケーターがあり、U87Ai、TLM67、C414 XLSなどが収められている。演者にもよるが特に女性の声優とTLM67がよくマッチするようで好まれて使用されることが多いそうだ。また、マイクモデリングを行えるSlate Digital VMSの姿も見える。こちらは試している段階とのことだが、ボイス収録の幅広さにも適用できるよう積極的に新たな技術も視野に入れているようだ。確実性あるベーシックな機材を押さえつつ、 新MacProやMTRXといった新しいプロダクトを導入し、かつコミュニケーションの実用性を図っているところが、こちらの機材セレクトの特色でありユニークなところと言えるだろう。 レコーディングブースを超えた多目的さ 大小のスペースのうち、広い方を割り当てたブースは主にナレーション録音が行われる。天井のバトンにはYAMAHA HS5Wが5ch分吊るされているのだが、用途としては5.1chサラウンドへの対応だけではなく、イベント向けの制作に効果を発揮するという。イベント会場では吊られたスピーカーから音が出るケースが多く、その環境を想定しての音作りを求められることが多いためだ。多様な企画を行うミクシィ社ならではのスピーカー環境の利用の仕方と言える。なお、センターにあるHS5Wの横にもパッシブモニター YAMAHA VXS5W(パワー・アンプはコントロールルームにYAMAHA MA2030aを設置)がTalkBack用の返しモニターとして設置されている。このようにヘッドフォンに返すのではなく、あえてモニターでTalkBackを送るというのは、コントロールルームとのコミニュケーションをよりよくするために考えられた発想だ。 また、コントロールルームのラックにあったBlackMagic Smart Videohub 12x12にて、ディスプレイモニターには映像の出力やPro Toolsメイン画面を切り替えにて映し出し可能、レコーディングブースでもミキシングも行えるようになっている。急ぎの案件ではブースとコントロールルームでパラレル作業を行い、作業部屋二つのようなスタイルでも使われるとのことだ。そして、壁面のパネルは演者の立ち位置を考慮して4面それぞれに配置されている。4人でのナレーションを録る場合や、さらに声優たちの個別映像出しにモニター出力用のSDI端子、CUE送り用のLAN端子。また、スタッフがブース内でPC/Macを持ち込み映像を見ながら打ち合わせをする場合に備えての社内LAN回線までもが備えられている。ミクシィという企業ではこの先にどんな制作物が発想されてもおかしくない、とのことで考えうる最大限の仕様が織り込まれた格好だ。スピーカーが吊るされたことにより、無駄なくスペースを広く保ち、録音はもちろんコントロールルームと並走したミキシングの機能まで兼ね備えている。単にレコーディングブースと呼ぶには留まらない特徴的な”多目的"スペースを実現している。 コミュニケーションを生み出す仕掛け コミュニケーションを生み出すというコンセプトによって生み出された工夫はほかにもある。コントロールルームの後方にあるソファは通常はクライアント用と考えられそうだが、こちらは商業スタジオではないためこのスペースも立派に作業スペースとして成り立つ必要がある。そのためこのソファの内部2箇所に可動式のパネルが隠されている。クリエイターやプロデューサーがPC/Macを持ち寄り、その場で持ち込んだ素材(オーディオファイル)の確認や、映像の出力、もちろんディレクションも行えるようにモニターコントローラーとして採用されたGrace Design m905のTalkBackマイクのスイッチがアクセスできるようになっている。当初このアイデアは壁面や床面など設置位置に試行錯誤があったようだが、その結論はなんとソファの中。これによってスタジオのデザイン的な要素や機能面も損なうことなく、コミュニケーションを生み出す仕掛けが実現できている。 また、コントロールルーム正面からそのまま窓越しに演者とコミュニケーションが取れるようにというのが、レイアウトを横長に変更した大きな理由であったが、ブースへの窓はエンジニア席だけではなく、このソファからの視線も考慮されて位置が決定されている。窓位置はモニタースピーカーの位置決定にも関わるし、テレビの配置にも関わる。施行前から座席部分にテープでマーキングして両氏が念入りに試行錯誤を重ねたそうだ。 そして、このフロアにはサウンドスタジオのみではなく、連携して協業する撮影スタジオのほか、会議室、社員の休憩スペースからコンビニエンスストアまで整っている。インタビューを行った会議室や休憩スペースは遠く水平線まで見渡せる開放的なスペースで、集中した作業を行うスタジオ内と実に対照的。作業のON/OFFがはっきりとした環境で生まれるコミュニケーションも良好なものになりそうだ。 最後に話題となったのは、スマートフォンにおける5Gへの対応だ。 「まさに実用が始まったばかりとなる5Gの高速な通信は、端末に頼らなくとも大容量のコンテンツを成立させることができるかもしれない。もちろん、アプリやゲームも5Gの恩恵を受けてより高度な表現を提案することが可能になってくる。サウンドで言えばバイノーラルへの対応でキャラクターへの没入感をより深いものにできるかもしれない。5Gで何ができるのだろうか、提供されるインフラとはどのようなものだろうか、そして顧客へ提供できるサービスとはなんだろうか、このような着想から生み出されるのは各社の特色。そして何に強みを持ってコンテンツを作っていくのか、これによって整えるスタジオの環境も変わってくる。」 インタビュー時の両氏のコメントをまとめたものだが、やはり見据えているのはインフラやプラットフォームまで含めたエンタテインメントコンテンツそのものであるという点で、クリエイティブワークだけではない視野の広さが求められているということが感じられた。このスタジオが生み出すコミュニケーションの積み重ねが、5Gの可能性を引き出し、エンタテインメントの可能性を拡げていく。今後このスペースは従来のスタジオ以上の価値を生み出していくことになる、とも言えるのではないだろうか。 株式会社ミクシィ モンスト事業本部 デザイン室 サウンドグループ マネージャー 安井 聡史 氏     株式会社ミクシィ コーポレートサポート本部 ビジネスサポート室 サウンドライツグループ 岡田 健太郎 氏 *ProceedMagazine2020号より転載
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2020/08/11

ゼロからはじめるDOLBY ATMOS / 3Dオーディオの世界へDIVE IN !!

2020年1月、CES2020にてお披露目された"Dolby Atmos Music"。映画向けの音響規格の一つであるDolby Atmosを、新たなる"3D"音楽体験として取り入れよう、という試みだ。実は、前年5月頃より"Dolby Atmosで音楽を制作しよう”という動きがあり、ドルビーは世界的大手の音楽レーベル、ユニバーサルミュージックとの協業を進めてきた。"Dolby Atmos"は元々映画音響用のフォーマットとして2012年に誕生している。その後、ヨーロッパを中心に対応劇場が急速に増え、海外では既に5000スクリーン以上、国内でもここ数年で30スクリーン以上に渡りDolby Atmosのシステムが導入されてきた。 また、映画の他にもVRやゲーム市場でもすでにその名を轟かせており、今回、満を持しての音楽分野への参入となる。Dolby Atmos Music自体は、既にプロオーディオ系の様々なメディアにて取り上げられているが、「Dolby Atmosという名称は聞いたことがある程度」「Dolby Atmosでの制作に興味があるが、日本語の情報が少ない」という声もまだまだ多い。そこでこの記事では、今のうちに知っておきたいDolby Atmosの基礎知識から、Dolby Atmosミックスの始めの一歩までを出来るだけ分かりやすい表現で紹介していきたい。 目次 コンテンツは消費の時代から”体験”の時代に 〜イマーシブなオーディオ体験とは?〜 まずは Dolby Atmosを体験しよう! / 映画、音楽、ゲームでの採用例 ベッドとオブジェクトって何!? / Dolby Atmos基礎知識 Dolby Atmos制作を始めよう / 必要なものは何? 自宅で始めるDolby Atmosミックス / Dolby Atmos Renderer × Pro Tools 2020.3【Send/Return編】 自宅で始めるDolby Atmosミックス / Dolby Atmos Renderer × Pro Tools 2020.3【CoreAudio編】 1.コンテンツは消費の時代から”体験”の時代に 〜イマーシブなオーディオ体験とは?〜 近年、"3Dオーディオ"という言葉をよく見かけるようになった。今のところ、その厳密な定義は存在していないが、古くからは"立体音響"や"三次元音響"といった言葉でも知られており、文字通り、音の位置方向を360度、立体的に感じられる音響方式のことを指す。その歴史は非常に古く、諸説あるがおよそ1世紀に渡るとも言われている。 点音源のモノラルに始まり、左右を表現できるようになったステレオ。そして、5.1、7.1、9.1…とその数を増やすことによって、さらなる音の広がりや奥行きを表現できるようになったサラウンド。と、ここまででもイマーシブな(*1)オーディオ体験ができていたのだが、そこにいよいよ、天井や足元といった高さ方向にもスピーカーが加わり、三次元空間を飛び回るような音の再生が可能になった。それぞれの方式は厳密には異なるが、3DオーディオフォーマットにはDolby Atmos、Auro-3D、DTS:X、NHK22.2ch、Sony360 Reality Audioなどといったものがある。 基本的に、これまでこうした3Dフォーマットのオーディオを再生するにはチャンネル数に応じた複数のスピーカーが必要だった。そのため、立体的な音像定位の再現性と、そうした再生環境の手軽さはどうしてもトレードオフになっており、なかなか世間一般に浸透しづらいという状況が続いていた。そこで、いま再注目を浴びているのが"バイノーラル(*2)録音・再生方式"だ。個人差はあるものの原理は単純明快で、「人間の頭部を模したダミーヘッドマイクで録音すれば、再生時にも人間が普段自分の耳で聞いているような立体的な音像が得られる」という仕組み。当然ながらデジタル化が進んだ現代においては、もはやダミーヘッドすら必要なく、HRTF関数(*3)を用いれば、デジタルデータ上で人間の頭側部の物理的音響特性を計算・再現してしまうことができる。 バイノーラル再生自体は全くもって新しい技術というわけではないのだが、「音楽をスマホでストリーミング再生しつつ、ヘッドホンorイヤホンで聴く」というスタイルが完全に定着した今、既存の環境で気軽にイマーシブオーディオを楽しめるようになったというのが注目すべきポイントだ。モバイルでのDolby Atmos再生をはじめ、Sonyの360 Rearity Audio、ストリーミングサービスのバイノーラル音声広告といった場面でも活用されている。 *1 イマーシブ=Immersive : 没入型の *2 バイノーラル= Binaural : 両耳(用)の *3 HRTF=Head Related Transfer Function : 頭部伝達関数 2.まずは Dolby Atmosを体験しよう! / 映画、音楽、ゲームでの採用例 では、Dolby Atmosは一体どのようなシーンで採用されているのだろうか。百聞は一見に如かず、これまでDolby Atmos作品に触れたことがないという方は、まずは是非とも体験していただきたい。 映画 映画館でDolby Atmosを体験するためには、専用設計のスクリーンで鑑賞する必要がある。これには2種類あり、一つがオーディオの規格であるDolby Atmosのみに対応したもの、もう一つがDolby Atmosに加え、映像の規格であるDolby Visionにも対応したものだ。後者は"Dolby Cinema"と呼ばれ、現時点では国内7スクリーン(開業予定含む)に導入されている。   Dolby Atmosでの上映に対応している劇場は年々増加していて、2020年4月現在で導入予定含む数値にはなるが、既に国内では 36スクリーン、海外では5000スクリーン以上にも及んでいる。 (いずれもDolby Atmos + Dolby Cinema計)当然ながら対応作品も年々増えており、ライブストリーミング等、映画作品以外のデジタルコンテンツも含めると、国内では130作品、海外ではその10倍の1300を超える作品がDolby Atmosで制作されている。いくつか例を挙げると、国内興行収入130億円を超える大ヒットとなった2018年の「ボヘミアン・ラプソディ」をはじめ、2020年のアカデミーでは作品賞を受賞した「パラサイト 半地下の家族」、同じく録音賞を受賞した「1917 命をかけた伝令」などといった作品がDolby Atmosで制作されている。   ●Dolby Atmos採用映画の例 アイアンマン3 / アナと雪の女王 / ラ・ラ・ランド/ パラサイト / フォードvsフェラーリ / ジョーカー / 1917 命をかけた伝令 / ボヘミアンラプソディetc... *Dolby 公式サイトよりDolby Atmos採用映画一覧を確認できる  ゲーム Dolby AtmosはPCやXbox Oneといった家庭用ゲームの人気タイトルでも数多く採用されている。特に、近年流行りのFPS(First Person Shooter = 一人称視点シューティング)と呼ばれるジャンルのゲームでは、射撃音を頼りに敵の位置を把握しなければならない。そのため、Dolby Atmosを使った3Dサウンドの再生環境の需要がより高まってきているのだ。   ※Windows PCやXbox OneにおいてヘッドホンでDolby Atmosを楽しみたい場合は、Dolby Access(無料)というアプリをインストールし、Dolby Atmos for Headphonesをアプリ内購入する必要がある。   ●Dolby Atmos採用ゲームの例 Assassin's Creed Origins(Windows PC, Xbox One) / Final Fantasy XV(Windows PC ,Xbox One)Star / Wars Battlefront(Windows PC ,Xbox One) / ACE COMBAT 7: SKIES UNKNOWN(Windows PC, Xbox One) 音楽 Amazon Echo Studio そして2020年1月にCES2020で正式発表されたのが、このDolby Atmosの名を冠した新たな3Dオーディオ再生フォーマット、Dolby Atmos Musicだ。現時点で、国内ではAmazonが提供するAmazon Music HD内のみでサービスを提供しており、同社のスマートスピーカー”Amazon Echo Studio”を用いて再生することができる。アメリカでは音楽ストリーミングサービス"TIDAL"でもDolby Atmos Musicを再生することができ、こちらは対応するPCやスマホなどでも楽しめるようになっている。 ここまで、Dolby Atmosを体験してみて、皆さんはどのような感想を持たれただろうか? 当然ながら多少の個人差はあるにしても、映画であればその空間に入り込んだかのような没入感・豊かな臨場感を体験できたのではないだろうか。あるいは、人によっては「期待したほど音像が動き回っている感じが得られなかった」という方もいるだろう。しかし、それでDolby Atmosの魅力を見限るのはやや早計だ。なぜなら、この技術は、"作品の意図として、音を無意識に落とし込む”くらい自然にミックスすることを可能にしているからだ。それを念頭におき、もう一度、繊細な音の表現に耳を澄ましてみてほしい。 3.ベッドとオブジェクトって何!? 〜Dolby Atmos基礎知識〜 体験を終えたところで、ここからは技術的な側面と基礎知識を押さえていこう。ポイントとなるのは以下の3点だ。 ● ベッド信号とオブジェクト信号 ● 3次元情報を記録するメタデータ ● 再生環境に合わせてレンダリング Dolby Atmosの立体的な音像定位は、2種類の方式を組み合わせて再現されている。 一つはチャンネルベースの信号 ー 5.1.2や7.1.2などあらかじめ定められたスピーカー配置を想定し、そのスピーカーから出力される信号のことを"Bed"と呼んでいる。例えば、BGMやベースノイズといった、あまり指向性が求められない音の再生に向いている。基本は音源とスピーカーが1対1の関係。従来のステレオやサラウンドのミックスと同じなので比較的イメージがつきやすいだろう。 劇場のように、一つのチャンネルが複数のスピーカーで構成されていた場合、そのチャンネルに送った音は複数のスピーカーから再生されることになる。 そしてもう一つはオブジェクトベースの信号 ー 3次元空間内を縦横無尽に動き回る、点音源(ポイントソース)の再生に適した方式だ。例えば、空を飛ぶ鳥の鳴き声や、アクション映画での動きのある効果音の再生に向いている。原理としては、3次元情報を記録するメタデータをオーディオとともに記録・伝送し、再生機器側でそれらを再生環境に合わせてレンダリング(≒変換)することで、再生環境ごとのスピーカー配列の違いをエンコーダー側で吸収できるという仕組みだ。 ある1点に音源を置いた時に、そこから音が聴こえるように、スピーカー送りを最適化するのがレンダラーの役割 Dolby AtmosのチャンネルフォーマットはBed 7.1.2ch(計10ch) + Object118ch(最大)での制作が基本となっている。この"空間を包み込むような音"の演出が得意なベッドと、”任意の1点から聞こえる音”の演出が得意なオブジェクトの両方を組み合わせることによって、Dolby Atmosは劇場での高い臨場感を生み出しているのだ。 4.Dolby Atmos制作を始めよう 〜必要なものは何?〜 Dolby Atmosはその利用目的によって、大きく2種類のフォーマットに分けられる。 まずは、一番最初に登場した映画館向けのフォーマット、Dolby Atmos Cinemaだ。これはまさにフルスペックのDolby Atmosで、先述した7.1.2chのBEDと118chのObjectにより成り立っている。このフォーマットの制作を行うためにはDolbyの基準を満たした音響空間を持つダビングステージでの作業が必要となる。しかも、劇場向けのマスターファイルを作ることができるCinema Rendering and Mastering Unit (Cinema RMU)はDolbyからの貸し出しでしか入手することができない。 もう一つは、Blu-ray やストリーミング配信向けのフォーマット、 Dolby Atmos Homeだ。実は、こちらの大元となるマスターファイル自体は Cinema 向けのものと全く同じものだ。しかし、このマスターファイルから Home 向けのエンコードを行うことで、128chのオーディオを独自の技術を活用して、できる限りクオリティーを担保したまま少ないチャンネル数に畳み込むができる。この技術によって、Blu-rayやNetflixといった家庭向けの環境でも、Dolby Atmos の迫力のサウンドを楽しめるようになった。こちらも、マスターファイルを作成するためには、HT-RMUと呼ばれるハードウェアレンダラーが必要となるが、HT-RMUは購入してスタジオに常設できるというのがCinemaとは異なる点だ。 ●Dolby Atmos制作環境 比較表 ※Dolby Atmos Production SuiteはWeb上、AVID Storeからご購入できるほか、Mastering Suiteにも付属している。 ※Dolby Atmos Dub with RMUについてはDolby Japan(TEL: 03-3524-7300)へお問い合わせください。 ●Cinema 映画館上映を目的としたマスター。ダビングステージでファイナルミックスとマスタリングを行う。Dolby Atmos Print Masterと呼ばれるファイル群をCinema Rendering and Mastering Unit (Cinema RMU)で作成。 ●Home 一般家庭での視聴を目的としたマスター。ニアフィールドモニターによるDolby Atmosスピーカー・レイアウトにてミックスとマスタリングを行う。Dolby Atmos Master File(.atmos)と呼ばれるファイル群をHome-Theater-Rendering and Mastering Unit(HT-RMU)で作成。   Cinema用とHome用のRMUでは作成できるファイルが異なり、スピーカーレイアウト/部屋の容積に関する要件もCinema向けとHome向けで異なる。それぞれ、目的に合わせたRMUを使用する必要がある。ミキシング用のツール、DAW、プラグイン等は共通。 ここまで作品や概要を説明してきたが、そろそろDolby Atmosでの制作を皆さんも始めてみたくなってきただろうか?「でも、自宅に7.1.2chをモニターできる環境が無い!「やってみたいけど、すぐには予算が捻出できない!」という声も聞こえてきそうだが、そんな方にとっての朗報がある。Dolby Atmos Production Suiteを使えば、なんと ¥33,000 (Avid Storeで購入の場合)というローコストから、Dolby Atmos ミックスの最低限の環境が導入できてしまうのだ。このソフトウェア以外に別途必要なものはない。必要なものはスペックが少し高めのマシンと、対応DAW(Pro Tools、Nuendo、DaVinchi etc)、そしてモニター用のヘッドホンのみだ。 多少の制約はあるものの、ヘッドホンを使ったバイノーラル再生である程度のミックスができてしまうので、スタジオに持ち込んでのマスタリング前に自宅やオフィスの空き部屋といったパーソナルな環境でDolby Atmosの仕込みを行うことができる。次の項ではそのワークフローを具体的に紹介していく。 5.自宅で始めるDolby Atmosミックス 〜Dolby Atmos Renderer × Pro Tools 2020.3〜 ここからは最新のPro Tools 2020.3 とProduction Suiteを使って実際のDolby Atmosミックスのワークフローをチェックしていきたい。まず、大まかな流れとしては下記のようになる。PTとレンダラーの接続方法は、Send/Returnプラグインを使う方法とCore Audio経由でやり取りする方法の2種類がある。それでは順番に見ていこう。 1.Dolby Atmos Production SuiteをAvid Storeもしくは販売代理店にて購入しインストール。 2.Dolby Atmos Renderer(以後レンダラー)を起動各種設定を行う。 3.Pro Tools(以後PT) を起動各種設定を行う。※正しいルーティングの確立のため、必ずレンダラー →Pro Toolsの順で起動を行うこと。 4.PTの標準パンナーで3Dパンニングのオートメーションを書き込む。 5.Dolby Atmos RMU導入スタジオに持ち込む。 Send/Returnプラグインを使う方法 ■Dolby Atmos Renderer の設定 ● 左上Dolby Atmos Renderer → Preferences( ⌘+ , )で設定画面を表示 ● Audio driver、External Sync sourceをSend/Return Plug-insに設定 ● Flame rate、Sample rateを設定 ※PTの設定と合わせる HeadphoneのRender modeをBinauralにすることで、標準HRTFでバイノーラル化された3Dパンニングを確認することができる。(※聴こえ方には個人差があります。)   ■Pro Tools の設定 ● 新規作成→プロジェクト名を入力→テンプレートから作成にチェック ● テンプレートグループ:Dolby Atmos Production Suite内”Dolby Atmos Renderer Send Return Mono(またはStereo)”を選択→ファイルタイプ:BWF ● 任意のサンプルレート、ビットデプス、I/O設定を入力→作成 ● 設定 → ペリフェラル → Atmosタブ ● チェックボックスに2箇所ともチェックを入れる。 ● RMUホストの欄には”MAC名.local”または”LOCALHOST”と入力。   接続状況を示すランプが緑色に点灯すればOK。一度接続した場合、次回からプルダウンメニューで選択できる。 編集ウィンドウを見てみると、英語でコメントが入力されたいくつかのトラックが並んでいる。   ● まず、一番上の7.1.2Bedという名称のトラック ーここにBedから出力したい7.1.2の音素材をペーストまたはRECする。 ● 次に、その下のObject 11という名称のトラック ーここにObjectから出力したいMonoまたはStereoの音素材をペーストまたはRECする。 ● 上の画像の例では、任意の範囲をドラッグして選択、AudioSuite→Other→Signal Genetatorよりピンクノイズを生成している。 ● このトラックは、画面左側、非表示になっている”SEND_〇〇_IN_ch数”という表記になっているAUXトラックに送られている。 ● このAUXトラックにSendプラグインがインサートされており、パンなどのメタデータとともにレンダラーへと出力される。 試しに再生してみると、レンダラー側が上の画像のような状態になり、信号を受けているチャンネルが点灯している様子が確認できる。 赤丸で囲った部分をクリックしてアウトプットウィンドウを表示し、パンナーのポジションのつまみをぐりぐりと動かしてみよう。 すると、レンダラー内のオブジェクトが連動してぐりぐりと動くのが確認できる。   オートメーションをWriteモードにしてチェックすると、きちんと書き込んだ通りに3Dパンニングされているのが分かる。ここで、トラックの右端”オブジェクト”と書かれているボタンをクリックすると、”バス”という表示に切り替わり、その音はベッドから出力される。つまり、ベッドとオブジェクトをシームレスに切り替えることができるのだ。これは、例えば、映画などで正面のベッドから出力していたダイアローグを、”ワンシーンだけオブジェクトにして、耳元に持ってくる”といった表現に活用できそうだ。   さらにその右隣の三角形のボタンを押すごとに、” このトラックに書き込まれたメタデータをマスターとする ”( 緑点灯 ) か、” 外部のオブジェクトパンニング情報源からREC する ”( 赤丸点灯 ) か、” 何も送受信しない ”( 無点灯 ) か を選択できるようになっている。レンダラー内でレンダリングされた音は、ReturnプラグインからPTへと戻ってくる。あとは、各々のモニター環境に合わせてアウトプットしたり、RECをかけたりすることができる。   以上が、Send/Returnプラグインを利用した一連のルーティングのワークフローになる。今回はテンプレートから作成したが、もちろんはじめから好きなようにルーティングを組むことも可能だ。しかし、チャンネル数が多い場合はやや複雑になってくるので、初めての場合はまずはテンプレートからの作成をおすすめする。 CoreAudioを使う方法 はじめに、Core Audioを使う場合、Sync sourceをMTCかLTC over Audioから選択する必要がある。LTCを使う場合は、PTの130chまでの空きトラックにLTCトラックまたは、Production Suite 付属のLTC Generator プラグインを挿入→レンダラーからそのch番号を指定する。MTCを使う場合はIACバスをというものを作成する必要がある。(※IAC = Inter-application communication)   ■IACバスの設定 ● Mac →アプリケーション→ユーティリティ→Audio MIDI設定を開く ● タブメニューのウインドウ→IAC Driverをダブルクリック ※装置名がIACドライバなど日本語になっていた場合レンダラーでの文字化けを防ぐため”IAC Driver”など英語に変更しておくとよい ● +ボタンでポートを追加→名称を”MTC”(任意)に変更→適用をクリック   ■Dolby Atmos Renderer 側の設定 ● 左上Dolby Atmos Rendere → Preferences( ⌘+ , )で設定画面を表示 ● Audio driverをCore Audioに設定 ● Audio input deviceを”Dolby Audio Bridge”に設定 ※ここに”Dolby Audio Bridge”が表示されていない場合、Macのシステム環境設定→セキュリティとプライバシー内に関連するアラートが出ていないか確認。 ● External Sync sourceをMTCに設定し、MTC MIDI deviceで先ほど作成したIAC Driver MTCを選択(またはLTC over Audioに設定しCh数を指定) ● Flame rate、Sample rateを設定 ※PTの設定と合わせる ● ヘッドホンでバイノーラルで作業する場合はHeadphone only modeを有効にすると、リレンダリングのプロセスなどを省くため、マシンに余分な負荷をかけることなく作業できる   ■Pro Tools 側の設定 ● 設定→プレイバックエンジンを”Dolby Audio Bridge”に。 ● キャッシュサイズはできる限り大きめに設定しておくと、プレイバック時にエラーが発生しにくくなる。 ● 設定→ペリフェラル→同期→MTC送信ポートを先ほど作成した”IAC Driver,MTC”に設定 ● 設定 → ペリフェラル → Atmosタブ(Send/Returnの項目と同様だ) ● チェックボックスに2箇所ともチェックを入れる。 ● RMUホストの欄には”MAC名.local”または”LOCALHOST”と入力。接続状況を示すランプが緑色に点灯すればOK。一度接続した場合、次回からプルダウンメニューで選択できる。 以上で、CoreAudio経由でのルーティングは完了だ。Send/Returnプラグインを利用する時のように大量のAUXトラックが必要ないため、非常にシンプルにセッティングを完了できる。また、ソフトウェアレンダラーでの仕込みから最終のマスタリングでRMUのある環境に持ち込む際にも、I/O設定をやり直さなくてよいという点もメリットの1つだろう。こちらも試しにオーディオ素材を置いて動作を確認していただきたい。   マルチチャンネルサラウンドやバイノーラルコンテンツへの需要は、日々着実に高まりつつあることが実感される。今回はゼロからはじめるDolby Atmosということで、Dolby Atmosとはどのようなものなのか、そしてDolby Atmosミックスを始めるためにはどこからスタートすればいいのか、という足がかりまでを紹介してきた。「思ったより気軽に始められそう」と、感じていただいた方も多いのではないのだろうか。 「一度体験すれば、その素晴らしさは分かる。ただ、一度体験させるまでが難しい。」というのが3Dオーディオの抱える最大の命題の命題かもしれない。これを解決するのは何よりも感動のユーザー体験を生み出すことに尽きる。そのために今後どのような3Dオーディオ制作ノウハウを蓄積していけるのか、全てのクリエイターが手を取り合って研鑽することが、未来のコンテンツを創り上げる第一歩と言えるのかもしれない。 *ProceedMagazine2020号より転載