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2013:AVID Solution Seminer〜ナインネットワークと北日本放送導入事例に見るメディアアセット活用術

2013年10月17日 掲載(記事本文・構成 : ROCK ON PRO 前田洋介)


AVID Solution Sminer

2013年10月6日に東京銀座で開催されたAVID Solution seminer。現在AVIDが 導入を進めるMAM(Media Asset Management),PAM(Production Asset Management)システムであるInterplayの実際の導入事例を元にシステムの持つ可能性と、ファイルベースのワークフローにおける実例が展開された。
(撮影NGだったためテキストでのレビューご容赦下さい)

まずはAVIDのスタッフからMAMとPAMの違いについて。コンテンツを制作する際のAsset(素材)の管理マネージメントを行うのがPAM、そして、完成された素材の管理運用をサポートするのがMAMであると明確なビジョンが示された。そして、AVIDはシステムの中核となるInterplay以外にAirSpeed5000,ISISサーバ,そしてクライアントアプリであるMedia Composer,Pro Toolsというワークフローの入口から出口まで全てのコンポーネントを自社でラインナップする企業であるとのアピールも。ここで注目したいのが、Media Composerという映像編集のシステムとPro Toolsという音声編集のシステムの両方を持っているということではないだろうか?映像編集のシステムを持っている会社は数多く有るが、音声と映像両方のプロフェッショナルレベルで業務運用されているNLEとDAWを両方持っている会社はAVIDのみなのではないだろうか?そしてその2つのクライアントのワークフローを統合するInterplayという存在の大きさを実感できる。

現在ファイルベースのソリューションを考えた際にMedia ComposerとPro Toolsを使用しているのであれば間違いなくInterplayはベストソリューションであるといえるでしょう。そしてInterplayは閉ざされたソリューションではなく3rd partyの製品との連携も柔軟に行えるのが特徴。Ingestに関してはEVS、transcodeはterestream vantageといったシステムアップも可能です。

次は実際の大規模導入事例であるオーストラリアの「Nine network」様の事例を紹介。オーストラリアの放送に関する特殊性はその国土の広さ(日本の10倍)とそれに対しての人口の少なさ(東京都とほぼ同じ)。そして国内時差の問題(3つのタイムゾーンが存在)。こういった背景から、彼らが”Promos”と呼ぶ、日本でいうところの番宣を非常に多くのバリエーションで作成しなければならないという実態がある。そのため高度に効率化を図れる強力なPAMと、各地へ向けたコンテンツを管理するMAMを必要としていた。従来もISIS Unityによるメディアの共有は行っていたが、重複ファイルの存在や、煩雑なメディア管理、トランスコードエンジンが無い為に結局ローカルクライアントマシンを占有し続ける、といったPAMのシステムが無いがために無駄な時間を浪費することが多かったという。
今回、56台のNLEと6台のDAWを全て統合し送出サーバーへの番組登録までを自動化したシステムを制作スケジュール管理ツールである”Phoenix”との高度な統合により完全なファイルベースでのソリューションを構築した。”phoenix”に登録されたスケジュールと事前にAirSpeed5000により取り込まれたAssetが揃えば、出社した技術スタッフはInterplay PAMを見ることで当日のタスクが一覧でき、MAMから素材をPAMに移しすぐに作業に取りかかることが出来る。そういった、各スタッフのスケジュール、タスク管理もInterplayを介して行うことが出来るようにカスタマイズしたとのこと(この部分はAVIDが独自に連携するソフトウェアを開発)NLE(Media Composer)での編集が終わった素材はInterplayを介して”Pro Tools”に送られMAが行われる。最後は”Telestream Vantage”に渡され”Phoenix”を参照しメタデータが埋め込まれ、QCされた上で送出のHarrisへXDCAM HD 422に変換されたファイルが送られる。さらに、一定期間が過ぎて更新の無かったファイルは自動的にNearline server”Harmonic Isilon”へ送られ、さらに期間が過ぎた物から順にSGL社のLTOへアーカイブされていく。

テキストとしてみると非常にシンプルでは有るが、Interplayが無かったことを考えるとファイルの検索からMedia ComposerとPro Toolsのファイルの受け渡し、そしてメタデータの埋め込み、各所で必要となるトランスコード作業、アーカイブ作業。全てを人力で管理・運用するとしたらどうだろう。膨大な時間のロスと、それに伴う人件費がかかることは想像に難しくない。全体のシステム価格とそれによりもたらされる環境は十分に対価に値する物だということが分かると思う。また、様々な3rd Partyのシステムが統合され全体のシステムが成立している部分にも注目いただきたい。InterplayだからAVID製品しか使えないのではなく、Vantage,Isilon,SGLといった物の他にもRedのIngest用にRoot6のソリューション、Interplayシステムの仮想化の為にgreen、高度なNetwork管理の為にCiscoのSwitchの導入と各所に適材適所で3rd Party製品の利用がなされている。このシステムのキーでもあるスケジュール管理ツール”Phoenix”ももちろん3rd Partyの製品である。

このようにInterplayよりさらに上位のマネジメントツールとの連携により、さらに優れた効率化とワークフローを手に入れることが可能だということがお分かりいただけたかと思う。自動化されたことで生まれるEconomyな環境は、作品のクオリティーの向上、生産性の向上。今迄はあきらめていたバージョンの”Promos”での制作実現といった目に見える形で恩恵が早くも生じていると説明いただいた。

次は、国内の報道でのInterplayの導入事例として富山の北日本放送様が紹介された。ここでは上位システムとなる西日本コンピュータの”japrs”との連携によりファイルネームの自動付加が行えるシステムを導入。国内でもAVIDのカスタマイズアプリケーションにより上位マネージメントツールとの連携が実現している。収録カメラもSxS採用のXDCAMに統一し、まさに収録カメラからのファイルベース運用への更新に成功している。回線収録用にはAVID AirSpeedを採用しまさにAll Avidソリューションともいうべきシステム。そして作業を行うファイルは全てXDCAM HD 422に統一。別のフォーマットのファイルを受け入れる際には、全てFile Ingestの時点でトランスコードを”Promedia Carbon”にて行っているとのことだ。

ファイルベースの問題点としてテープで作業をしていたときよりも効率が落ちてしまうということが多々有ると思うが、これは自動化できる部分を人力で行っていることによって起因している事がほとんどである。まず、ファイルベースの恩恵を受けたいのであれば入口から出口までのワークフロー、ファイルの流れ、どのような形式のファイルがその作業にはふさわしいのか?こうした点を考慮すると、ファイルベース・ワークフロー効率改善のファーストステップとしてはTelestream Vantageのようなトランスコーダーを導入することから始めるのがいいのではないだろうか?現在販売されているTranscoderはWatch Folder機能を持つ物がほとんどなので、一つのステップが終わったら次のステップに送るファイルを自動で(しかもバックグラウンドで)transcodeすること可能。この部分を自動化することで作業が終わった際、ファイル変換などの待ち時間無しにすぐに次の作業に移ることが可能となる。次のステップとしては素材検索の時間短縮を考えるとPAMのシステム、そして総合的な送出、マルチフォーマット変換など最終段にかかる効率化はMAMの分野、それ以外にもMAMはアーカイブといった機能も重要なポイントである。過去の作品をすぐに検索して取り出せるようにする為にも非常に重要なポジションに有るといえる。

こういった、ファイルベース・ワークフローに対して非常に多くのメーカーが精力的にソリューションを展開してきている。必要な機能、必要なパーツをじっくりと吟味してワークフローに落とし込むことが肝心だと思う。今回のAVID InterplayはNLE(Media Composer)とDAW(Pro Tools)の高度な連携という、他製品には無い魅力を持った優れたソリューションである。そして、サーバー、素材管理、クライアントマシンと全てが1社の製品で揃うという部分もユーザーにとっては魅力ではないだろうか?やはりこれだけのシステムとなると問題が生じた際の不具合箇所の特定、それに対する対処などメーカーを跨いでしまうと解決に時間のかかる部分も有るのではないかと思う。

ファイルベースの制作ワークフローを検討の際には、Ingest(ベースバンド、ファイル共に)からPlayoutへの登録までトータルしたソリューションの検討をしていただくことをお勧めする。

記事本文・構成 : ROCK ON PRO 前田洋介

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