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事例:松竹株式会社 松竹サウンドスタジオ 様

2011年5月20日 掲載(記事本文・構成 : ROCK ON PRO 中林)


MADI とEuCon による、品質。長距離、多チャンネル伝送。
デジタルとアナログによる、究極のハイブリッド設計。
全てをサウンドのために設計された、スペシャルステージ!!


24Bit Fs96Khz 環境 400ch を超える回線制御、DAW とMIX ステージを支えるアイソレート設計

約5 年前に計64 フェーダーの大規模な「Digidesign ProControl」を導入し、「Digidesign Pro Tools」をスタンドアローンのコンソールとして活用するスタイルが話題を集めた「松竹サウンドスタジオ」がこの春、機材を一新しリニューアル致しました。

旧松竹大船撮影所近接する、日本を代表する最大級ダビングステージ「松竹サウンドスタジオ」は神奈川県鎌倉市大船/ 松竹大船撮影所跡地を見下ろす高台の住居地の一角のビルの中に設置され松竹映画はもちろん、同社が配給する映画の多くは、このスタジオでファイナル・ダビングが行われており 現在の日本映画をサウンド面で支えている重要なスタジオの一つ。
写真を見てもお分かりの様に メインのダビング・ステージは、奥行きが約16m、横幅が約11m、天井高が約6.5m、正面には巨大なシネマスクリーン(映写機はkinoton 社製)が設置されており これで階段上に客席を並べれば収容人数100 人程度のシネコンとして成り立つ程の広さが備えられています。

Nuendo をミキシングエンジンとしたコンソール

この大規模なダビングステージのリニューアルは今までのシステムのコンセプトをさらに発展させるという形で進められました。
ミキサーとして運用していた2 式の「Pro Tools|HD」と「ProControl」のシステムをリプレースする形で、「Euphonix」社の「System 5」を導入。しかし今回の更新は、「Pro Tools」ミキサーが「System 5」に替わったという単純なものではなく「System 5」には「EuCon Hybrid Option」がインストールされ、「Euphonix」社標準のDSP コアはもちろんの事、「Steinberg」の「Nuendo」をミックス・エンジンとして使用できる仕様になっているのが特徴。つまりミキシングコンソールは「Euphonix System5 のインターフェースを持つSteinberg Nuendo」と言う事も可能になるのです。
ミキサー/レコーダー用の「Nuendo」システムは、ホスト・コンピューターが「Digistrema R-18」(AMD Opteron 2.6GHz×2、)に オーディオ・カード「RME」社の「HDSPe MADI」を3 枚インストールした構成。1台で48kHz 時で計192ch、96kHz 時で計96ch のデジタル(MADI)入出力が行える「Nuendo」システムを計2 式導入、この 2 式の「Nuendo」を192ch 入力(96kHz 時)のミキサーとして使用し、その出力を「System 5」のDSP コアにルーティング。「System 5」のDSP コアは、最終的な音のトリートメントと、モニター・コントロールで使用するというさながら「Euphonix Nuendo System」と呼んでも違和感の無いデジタルコンソールが構築されています。

アナログによるサンプルレートコンバート!アナログとデジタルのハイブリッド設計

音素材の再生元となるシステムは、引き続き「Pro Tools」を採用。ダイアログ/音楽/ SE /フォーリー、各々の再生用に1 式づつ「Pro Tools|HD」システム(Mac Pro + HD 3 Accel)が用意され、それぞれ48ch、24ch、72ch、24ch。4 式の「Pro Tools|HD」システムで合わせて、計168ch の出力が用意されている。
この168ch が前述の「 Nuendo System」に入力。通常ここで考えられるシステムではPro Tools のデジタルアウトをMADI に変換し直接「System 5」もしくは「Nuendo」のサウンドカードを受け持つ「HDSPe MADI」に接続するのがシンプルだと皆さん思われるでしょうが「松竹サウンドスタジオ」ではあえてデジタル接続はせず、DA コンバーターとAD コンバーターを使用し一度アナログに変換してから接続されています。このアイデアを松竹サウンドスタジオ録音技術チーフエンジニア清水氏から聞かされた時は私(筆者)も驚きと目から鱗でした。事実、私もリニューアルプロジェクトの初期段階に清水氏の構想を聞かされており「System 5」「Nuendo」「Pro Tools」この3つのデジタルシステムをどのようにシームレスに接続するか頭を悩ませておりました。その時の清水氏の言葉「如何にコンソールの前に座っているエンジニアが音に没頭できるか」をどうやって実現できるか?それはもちろんノントラブルであるシステムである事はもちろんよけいな手間(作業)を極力減らせるシステムということです。一つ例を言うと、私がお話を伺った時点で「System 5」「Nuendo」の組み合わせ、それを96kHz で稼働させることは決定事項でした。その96k デジタルミキサーには様々な音素材が入力されなくてはいけない。例えばSE 素材のPro Toolsセッションが44.1k で持ち込まれ音楽素材のPro Tools セッションが48kHz で持ち込まれても何の手間もなくミキシングできるコンソールでなければいけない訳です。それを実現するには全ての入力チャンネルにサンプルレートコンバーターの機能を持たせなければいけない。そして複数のデジタル機器を安定動作させる為の効果的なクロックの引き回しも重要になってきます。それを一気に解決したのがこのアナログ接続です。選ばれたAD/DA コンバーターは「SSL XLogic Alpha Link MADI SX」これが計21台新規に導入される事になりました。清水氏の半分冗談まじりで言われた言葉が大変印象的でした「アナログ接続こそ究極のサンプルレートコンバート」だと。

EuCon により実現した自由なDAW コントロール

「System 5」に「EuCon Hybrid Option」がインストールされていることもシームレスなシステム環境を構築する上で欠かせない部分でした。これによって「Nuendo」のフェーダーと「Pro Tools」のフェーダーを並べて、同時に操作することも可能になり、「System 5」の前に座っているミキシングエンジニアは違うDAW 上の音ということを意識する事無く、一つの作品を作り上げる為の音として作業に集中する事が出来るのです。
写真を見ていただくと「松竹サウンドスタジオ」の「System 5」は綺麗に木製のシステムデスクに埋め込まれているのがわかると思います。これは松竹の美術スタッフの手によって特注で作られています。(私も納品の際、ベランダで一人 木をギコギコ切断している美術さんを何度もお見かけしました)
そして「自分たちのスタジオは全てをしっかり把握するため自分たちの手で!」という考えのもとシステム設計ワイヤリング作業、システムインストール作業は松竹サウンドスタジオのスタッフで行われています。弊社では人手の必要なダビングステージから1フロア上のマシンルーム間の通線ワイヤリングはお手伝いさせていただきましたがそれ以外は松竹サウンドスタジオ録音技術の数名のスタッフの手で作り上げられています(ケーブル1本1本の作製から全て!)これだけ大規模デジタルシステムですが心のこもった手作りスタジオとなっているのです。
( 松竹サウンドスタジオの詳しいレビュー エンジニア清水氏/早川氏のコメントはプロサウンド2009 年10 月号に掲載中ですので是非ご覧下さい。)

システム概要

  • Console:Euphonix S5Fusion(48Fader)
  • NUENDO PC:Digistrema R-18/w RME HDSP MADI x3
  • NUENDO/WaveLab PC:SoundCube(Intel Core2Quad)/w RME AES32-32
  • Avid Pro Tools HD3 Accel
  • Pro Tools PC:Apple Mac Pro/w Magma PE6R4 Expansion Chassis
  • Avid Sync HD x 6
  • Avid 192 I/O x 15
  • AD/DA:SSL XLogic Alpha Link MADI SX x 17
  • Format Converter:RME ADI-6432、RME MADI Converter
  • Purocessor:t.c.electronic System 6000、Eventide H8000、CEDAR DNS3000

松竹株式会社 松竹サウンドスタジオ
〒247-0056 神奈川県鎌倉市大船6丁目3-53
TEL 0467-47-3345(代表)

記事本文・構成 : ROCK ON PRO 中林

※ 記事中に掲載されている価格・割引率・購入特典・ポイントや仕様等の情報は 2011年05月20日 記事更新時点のものです。

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