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ROCK ON PRO

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事例:SOUND CREW / 株式会社サウンドクルー様

soundcrew
1984年、コンサートに携わるスタッフ会社としてスタートし、業務の拡大と共に98年に現在の東京流通センター内にリハーサルスタジオ・レコーディングスタジオを新設。年々のレコーディング業務の拡大に伴い 2010年現在リハーサルスタジオ2部屋、レコーディングスタジオ4部屋と大規模な施設として営業されています。
今回、お話を伺ったエンジニアの今泉洋一氏は、2003年、レコーディング業務の拡張に伴いサウンドクルーに入社。同時期にSSL AWS900を導入、その後スタジオの増加に伴い2006年にAWS900+を導入。2010年、全てのスタジオのモニター環境の統一化を考えSSL MatrixをBスタ、MIX ROOMに導入。現在、4つのスタジオ全てのコンソールがSSLという環境を作られた今泉氏にお話を伺いました。

imaizumi

Recording Studio Aで今泉氏にお話を伺った


ROCK ON PRO(以下、R):AWS900を導入されたきっかけを教えて下さい
今泉洋一氏(以下、 Im ): 発売のタイミングがちょうど重なったという事もありましたが、やはりサウンド面で信頼がおけるという面ですね。サイズ・価格という面でももちろんありますが、どのスタジオに行ってもSSLはありますから、標準という事ですよね。それまではdigidesign ProControlが入っていたので、AMEKのHAを導入して対応していこうという考えもありました。元々、スタジオの考えとして大きな卓で録るというよりも個々のHAを拘ったり、出音に対して特に気をつけるなど、いわゆるコンソールにズラーッと立ち上げるような型ではなかったんです。当時の仕事の流れも変化してきましたしね。そんな時にAWSが発売されると聞き、スタジオコンセプトにぴったりハマりますし、ここでサウンド面のグレードアップをはかろうと思いました。
後は、やっぱりアナログ・コンソールというところですね。DAW内でミックスを完結させてしまう事もありますが、やはり一度アナログを通したいと思っています。そういうことならAWSしかないと思いました。
R:どのように使用されていますか?
Im : 基本はAWSを主に使っています。HAに関しても違うHAを使う事もありますが、チャンネル・インサートのリターンに戻したりしてフェーダーに立ち上げます。もちろんEQやDynamicsも使っていますね。
ある程度AWSで作り込みを行い、Pro Toolsの方へチャンネルアウトから送ります。モニターは、Pro Toolsから2ミックスをマスターフェーダーのインサート・リターンに戻しています。ミックスでは、パラアウトで出してAWSに立ち上げる時と、2ミックスだけの時と両方ありますね。アナログの質感が得られる使い方をしています。
R:DAWのコントロールも可能ですが、どのように使われていますか?
Im : 主にはPro Toolsのオートメーションを 使用する際に良く使います。以前、ProControlを使っていた時よりもフェーダーのタッチや反応が早いのでやり易いです。ダビングの際に、手前側の8ch(17〜24ch)だけDAWモードにして、録ったものを次々とコントロールしていくやり方をよくします。
実際、PCの画面上でほとんどやってしまいますが、リバーブやAUXの送り量をフェーダーに立ち上げて一目で確認でき、調整できるのは便利です。DAWモードとアナログのモードとを瞬時に切り替えてフレキシブルに使うことが出来る点が他にはない一番のところだと思います。
R:AWS900のどのような点が優れているという印象をお持ちでしょうか?
Im : 一言でいうならば「アナログの質感」ですね。実際、他のスタジオさんで、SSLの9000や4000などを使うことがあるんですね。 その際、私自身としてはサウンド面においてはあまり大差がないかなぁと思います。 SSLモニターといいますか、SSLが導入されてるスタジオとコンソール自体がないスタジオでは同じ素材でも全然質感が違うと感じます。AWSなら同じ質感(4000など)が得られると思います。しっかりとクオリティーが守られているところが素晴らしい。
機能的なところだと、Mic INとLine INが独立してあり、フリップさせて使えるところです。なれてしまえばインライン・コンソールのように使えますからね。もちろん音質も良いと思います。サイズ的にも24chというところもいいですね、以前はProControlだったので8chでしたので。しかしながら48chほど使うことも減っていますから。8つのトラックバスもいいと思います。
基本、チャンネルアウトからPro Toolsに送っていますので、まとめる用途で良く使います。例えば、Guitarにマイクを数本立てて、それをまとめて1つのCompressorに送りたい時とかですね。使い勝手がすごくいいですね。
細かいところだと2chしかないですけどDynamicsがあること。使用頻度は高いです。
後はアナログコンソールでありながら、DAWコントロールがしっかりできる点ですね。アナログの面は先ほど言ったようにSSLのサウンドは鉄板ですし、DAWコントロールも専用機に引けを取らない使い勝手の良さがいいですね。レイテンシーも一切気にならないです。サクサクと作業が進みますね。
cst

Recording Studio C


R:2006年に2台目のAWSを導入されましたが、主立った理由はなんですか?
Im : 2003年にAWSを入れてからスタジオ数を増やしていったんです。2006年当時に今のスタジオ数(4部屋)の状態で、AWSが入っている部屋以外は全てProControlが入っていました。その中で、リズムが録れる大きさの部屋があったのでAWSの部屋と同じような環境を作ろうと思ったのがきっかけですね。
そこで 「何を入れるか?」ということになりまして、一切の迷いもなくAWSにしました。既に3年間使っていて、使い勝手も解っていましたしサウンド面や機能面では満足していたので。
コンセプト的には、その時のAWS部屋と同じものを作ろうということだったので、何の迷いもなく2台目の導入を決めました。少し違う考えだと、外部のエンジニアさんがいらっしゃった時のこともありますね。当時の流れもありましたが、特にベテラン・エンジニアの方はSSLで育っているじゃないですか。ProControlスタイルの時には、アシスタントがエンジニアさんに使い方を説明してあげないといけないことが頻繁にあったんです。もちろん使い慣れた方もいらっしゃいますよ。そこにおいてAWSだと特に何もなくてそのままで大丈夫なんですよ。レコーディングにおいては、スイッチの場所とかだけでいいんです。ミックスになるとDAWモードの説明はしますね。そういった幾つかの理由が有り、AWSに決めました。
R:変化していくワークフローの中においてAWSはどのように機能していますか?
Im : 基本的には今も導入時も、使い方やワークフローの中における立ち位置は変わっていませんね。それまでの流れもありましたが、導入当時はインライン・コンソールでは無いという点を色々と言われることはありました。どうしてもSSLというとインライン・コンソールのイメージが強いので。でも、内部ミックスでほとんどやってしまう方が増えていき、流れも変わってきたのでインラインのことは言われなくなってきました。 インラインの使い方をされていた方々もだんだんとPro Tools内でバランスをとって、立ち上がっているフェーダーは一切動かさない様になってきたんですよ。つまり、アナログの質感が欲しいからという感じになっていきましたね。それに対してはAWSで十分対応でき、変化していく流れの中で変わらない安定したサウンドを提供できるので大丈夫です。
録音メディアがテープ媒体からPCに変わって、Pro ToolsなどのDAW環境になっても結局やるべきことは何も変わっていないと思います。もちろん、DAWの進化で時間の短縮や便宜性は大幅に改善されましたが、一つ一つの重要性やサウンド・クオリティーの向上など常に大事な課題のようなものが変わらない以上は、AWSの立ち位置は今も以前も同じままですね。
bst

Recording Studio B


R:2010年の今年、SSL Matrixを2つのスタジオに導入されましたが、どのようなお考えで決めたのでしょうか?
Im : まず、全スタジオをSSLモニター環境にしたいという考えからです。
今回Matrixを導入したスタジオは、普段ダビングとミックスで使うことが多いスタジオなんです。それまではProControlが入っていましたので、ダビングの際に複数のチャンネルをバスなどでまとめる、ということができなかったんです。そこで、それをする為にラインミキサーの導入を考えていたのですが、その為だけに入れるのもなんだかバカらしいと思っていました。そういった環境で、SSL Matrixがあることを思い出しました。Matrixを入れれば、モニター環境が全てSSLでそろうし、アナログで立ち上げることもできる。問題であったチャンネルのまとめもバスを使うことで可能となり、ProControlと同じ様にDAWのコントロールもできるという全てが解決してしまうのでMatrixに決めました。
R:導入されてどのように使用されていますか?
Im : 基本、Guitarや歌などのダビングで使うスタジオと、MIX ROOMに導入しました。Matrixはラインミキサーなので、外部のHAに入れてからチャンネルに立ち上げ、RECバスからPro Toolsへ送っています。モニター側は、Pro ToolsからMatrixのMIXバスのインサート・リターンに入れています。 AWSと同じような使い方ですね。ここでもしっかりアナログの回路を通るので、質感は得られます。
MatrixにはMIXバスとRECバスというステレオ・ミックスバスが2つあるのでダビングをスムーズに行っていけますね。
DAWモードに関しては、AWSと同様にPro Tools側のオートメーションの調整設定に使っています。DAWモードを駆使して作業していくというよりも、一度、Matrixに立ち上げることによってのアナログの質感を得るというところを重要視しています 。内部ミックスだけでは出せないところ(特に音に関して)が大事だと思っています。Line INとDAW INで別々のインプットがあるので用途によって切り替えて使えるところが、AWSと同様にサウンド面の幅や使用方法が増えていきますね。
R:ズバリMatrixの良いところはどこですか?
Im : サウンド面と機能です。実際のところ、細かな機能は使いきれていないです。
例えば、DAWのショートカットをソフトキーに自由にプログラムできる機能など、自分の好きなようにMatrixをアレンジできますが、外部のエンジニアさんが使う場合も考えると、なかなか設定に悩みます。プライベートスタジオということであれば、その方だけのMatrixにできますからね。
DAW側のプラグインのパラメーターの調整も、フェーダーやV POTで行えるので、今後どんどん使っていきたいですね。ですので、Matrixの強みは使う方に合わせてアレンジしていける点だと思います。
R:現在、AWSが2台、Matrix2台と全てのスタジオのコンソールがSSLですが、この環境をどのようにお思いですか?
Im : SSLモニター環境で統一したいという考えが今にいたっています。もちろん、機能面においても重要ですが私の思いではやはりアナログ質感が得られることに満足しています。
mixroom

Mix Room


最近は内部ミックスで終わらせてしまう方が主になったり、大型コンソールをフルで使うことが減ってきたりと、流れ自体が変化してきていると思います。そこにおいて、AWSがあればリズム録りに関しても対応できますし、Matrixがあればアナログの質感に関してもしっかりと得ることができると思います。一昔前の大型コンソールがないとできないという感覚はありませんね。十分、今の環境でできていますから。サイズが小さくなってもしっかりSSLサウンドが保たれているので、問題はないと感じます。
ベテランのアーティストさんやエンジニアさんからも満足のお声をいただいていますね。私の考えではありますが、現在のワークフローにキレイにハマっていると思います。
R:今後のSound Crewさんの方向性としてはどのようにお考えでしょうか?
Im : あくまでも私個人の意見ではありますが、Sound Crew全体として上手く機能していければと思っています。
Sound Crewの一番のメインは楽器レンタルと、機材のお預かり管理なんです。 機材をお預かりしているアーティストさんが、そのままレコーディングされることも多々あります。 ですのでレンタル業務とスタジオ業務がうまく重なっているところがあります。
リハーサルスタジオも2部屋あるので預かっている機材を、そのままリハスタで使えます。つまり運び代がかからない訳です。
レコーディングに関してはもちろん機材を持ち込んで利用できますが、持ってこない方も多いんです。なぜなら、Sound Crewにある機材は全て使い放題なんですよ。楽器から全てです。これはどこのスタジオにもない武器だと思います。
出音に対して強いこだわりのあるアーティストの方には、色々試してもらうことができるので好評です。そういったサウンドメイキングの中においてもAWSやMatrixはやはり必要だと考えています。
ご利用頂いているお客様も様々です。バンド系から歌モノと、4つのスタジオを用途に合わせて利用して頂いています。MIX ROOMでも軽いアンプなら鳴らせるブースもあるので、使い方は様々ですね。 希望としては、Aスタもしくは Cスタ(AWS部屋)でベーシックを録り、Bスタ(Matrix部屋)でダビングをして、MIX ROOM(Matrix)でTDをするというのがスタジオとしては理想です。
そして、その方がツアーのリハーサルを(リハーサル・スタジオで)して、そのツアー自体も同行できるのがイイですね。やはり楽器レンタルが強いので、スタッフとして一番多いのはローディ–なんです。人数的には50名ほど在籍しています。 ちなみにレコーディングチームは10名です。PAチームも居ますので、全体で100名ほどになります。
音楽制作におけるほぼ全てに対応できるようになっています。レコーディング時でも、Dr テクニシャンなどのローディーをプラスできるという付加価値を、どんどん付けていける強みがあるんです。オールインワンで使って頂けるような展開を今後は作ってきたいですね。
Sound Crew Inc.
株式会社サウンドクルー
〒143-0006 東京都大田区平和島6-1-1 TRC BW5-1
6-1-1 TRC BW5-1,Heiwajima,Ohta-ku,Tokyo,JAPAN
143-6591
Phone:03-5764-1115(81-3-5764-1115)
Studio Phone:03-5764-1112(81-3-5764-1112)
HP:http://www.soundcrew.co.jp
rihaB

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*記事中に掲載されている情報は2010年11月11日時点のものです。