Home » 技術解説 » ハードディスク、どう選んでますか?
ROCK ON PRO技術スタッフの子安です。皆さんの身の回りには何台のハードディスクが回っているでしょうか?普段使っているPCやハードディスクレコーディングの システムだけでなく、サンプラーやDVDレコーダーはもちろん、iPodなどの携帯型MP3プレーヤーやカーナビ・銀行などのATM、携帯電話など予想よ り多くの台数が回っていると思います。またドライブのラインアップも用途別に多様化され、数年前とは隔世の感があります。
さて、皆さんは普段使用するハードディスク選ぶとき何を基準にして選んでいますでしょうか?インターネットのBBS等では、熱心にどのメーカーのモ デルがよいとかスペックはこっちの方がよいとか場合よっては喧嘩寸前になるくらい熱く議論されている場合も見受けられます。ましてや音楽制作に使うハードディスクとなると情報量はさらに 少なく、多くの方は「メーカー・型番(スペック)・価格・ネットの評判」を元にして、半分くらい勘と運で決めざるを得ない状況だと思われます。
ROCK ON PROでは昨年、業務用ハードディスクテスターを導入し、故障したドライブや使い古したドライブ・高価なサーバ用ストレージのディスクなど、身近にあった様々なハードディスクを実際にテストしてみました。
こ のテスターは、ハードディスクにコマンドを送り応答が返ってくるまでの時間を計測する装置です。OSに依存してコマンドを送っているわけではありませんので、 ファイルシステムのオーバーヘッドやフラグメンテーションなどといった不確定要素に影響されることなく測定することができます。結果はグラフとして出力で きます。

右側のグラフ1番上は新品のハードディスクを測定した状態です。グラフの見方は、低いほど応答が速く、温度が高すぎたりエラーが出てコマンドをリトライすると、グラフがだんだんと上の方にあがっていきます。
2番目のグラフは私が3年くらい使用した同メーカーのドライブです。使用中は、ちょっと遅いかなと思うことはありましたが、動作自体に問題はありませんでした。ただ結果は一目瞭然で、ご覧の通り、横しま模様になっている階層が確認できると思います。これはコマンドを実行できず、リトライを数回繰り返した結果です。

3番目のグラフは別メーカーの故障したドライブです。読み取れない部分(上部の赤い部分)が多く、読み取り可能でも、応答が遅いものです。

上記の例から、横縞模様が意味することは、応答速度にムラが出てきている証拠となります。ずっとハードディスクを使用し続ける とこのように徐々にムラがでますので、ハードディスクは消耗品と割り切って2年くらいで買い換えてみてはいかがでしょうか?。
また、静音パソコンがすっかり市民権を得ていますが、静音に気を配るあまりハードディスクを高温の環境におくことは避けた方が良いと思われます。社内でも、省スペースPCを風通しの悪いところに設置しただけでハードディスクがクラッシュした事がありました。更に温度の上昇によりハードディスクの軸受け部分のオイルが揮発し、ハードディスクの回転に影響を与える事もありますので、注意が必要です。
またハードディスクの用途に合わせた性能がファームウェアによっても変わります。例えば、長時間にわたり一定のパフォーマンスで書き込みを続けなければならないDVDレコーダーや、パフォーマンスは 求められないが高温で振動の多い車の中でも使用できるカーナビなどは特殊なファームウェアを使用しています。これらの多くは型番こそ市販品と同じでも中身はまるで別物であり、結局型番 は型番でしかないと考えさせられました。
こうしたファームウェアやエージングによるチューンは当然価格も高くなるうえに、スペックにあらわれない部分のため、なかなか理解してもらうのが困難な部分です。秋葉原周辺で安価に買えるバルク品でもそれなりに使えますが、「果たしてこれでいいのだろうか」と常々疑問に思う方はケーブルとかクロックみたいにもうちょっとハードディスクにこだわってみて も良いのではないでしょうか。
単にブランドや価格で選ぶのではなく、適切なドライブを適正な環境で定期的に検証し、利用する必要があるはずです。メーカーやスペックで選ぶのもいいですが、素性の明らかなドライブをきちんと冷やして定期的に交換して使うのが一番安全な使 い方では無いでしょうか?ROCK ON PROではDAW用途に耐えられるようあらかじめエージングを施したハードディスク、Proceed Driveを発売していますのでそちらも参照下さい。
http://pro.miroc.co.jp/2006/12/27/proceed-drive/
記事本文・構成 : ROCK ON PRO 岡田
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